JP5082967B2 - プラズマ電極及びプラズマ化学気相堆積装置 - Google Patents

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本発明は、平行平板型のプラズマ電極及びプラズマ化学気相堆積装置に関する。
平行平板型プラズマ化学気相堆積(CVD)装置のプラズマ電極は、基板電極、及び基板電極と対向して配置された高周波電極とを備える。基板電極の上面には、半導体基板等の被処理基板が載置される。高周波電極には、プロセスガスを被処理基板に向かって吹き出して供給する複数のガス吹き出し部が設けられる。基板電極及び高周波電極間に高周波電力が供給される
太陽電池の反射防止膜などに用いられる窒化シリコン(Si34)膜をプラズマCVD装置で成膜する場合、プロセスガスとしてモノシラン(SiH4)、窒素(N2)、アンモニア(NH3)等が用いられる。通常、ガス吹き出し部は、高周波電極の全面に0.3mm〜2mm程度の直径が一定の貫通孔である。
プロセスガスをガス吹き出し部から基板に向かって吹き出しながら高周波電極に高周波電力を供給すると、平行平板型のプラズマ電極間の空間にほぼ均一なプラズマが生成される。生成されたプラズマによりプロセスガスに対して解離や励起等の化学反応が促進されるため、基板温度が熱CVDに比べて低温(200℃〜600℃)でも基板上に成膜することができる。
平行平板型プラズマCVD装置では、成膜速度を向上させるため、通常、プラズマ電極に印加投入する高周波電力を増加することが行われる。その場合、投入電力がある閾値を越えると、いわゆるホローカソード効果による放電が発生する。ホローカソード効果を積極的に利用して高速度の成膜速度を得るため、プラズマに接する表面側でガス吹き出し部の貫通孔の直径が大きくなるように断面形状が曲線状あるいは円錐状となる複数の窪みを等間隔に配置して形成したホロー高周波電極が提案されている(特許文献1及び2参照。)。
通常のプラズマ電極において投入電力が閾値を越える場合、均一なプラズマが生成された正常放電状態から、高周波電極表面の一部の特定領域での貫通孔において局所的にプラズマ発光強度が増加した、ホローカソード効果による異常放電状態へと移行する。特定領域で異常放電が発生すると、特定領域以外の高周波電極の領域に比べて特定領域では不連続的に大きな高周波電力が消費される。また、特定領域で成膜に寄与する反応が促進される。その結果、基板上での成膜分布が極端に不均一になるという問題がある。
更に、Si34膜等の絶縁膜の成膜を行うと、プラズマと接触するプラズマ電極表面に絶縁性の堆積物が付着する。プラズマ電極上の堆積物には電子が蓄積され、負に帯電する。成膜工程を重ねるたびに高周波電極表面に付着した堆積物の厚さは増加し、ガス吹き出し部の貫通孔内壁にも堆積物が付着する。貫通孔内壁の堆積物が負に帯電して、プラズマからのイオン入射によるイオン衝撃を受ける頻度が高くなる。一般に絶縁物の二次電子放出係数は高く、イオン衝撃により堆積物からの二次電子が多量に発生し、貫通孔の軸心付近でのプロセスガスのイオン化が促進される。このようにして、堆積物が付着した貫通孔内壁へのイオン衝撃が加速度的に増大し、ついには特定領域の貫通孔において壊滅的な異常放電が発生してしまう。
ホローカソード効果による異常放電を抑制するためには、ガス吹き出し部内でのプロセスガスのイオン化が促進されないように高周波電極の厚さを薄くすればよい。しかしながら、プラズマCVDでは、基板上の成膜反応の促進と、プラズマ電極を含むプラズマ周辺の構造物への堆積物の付着を低減するためプラズマ周辺の構造物の温度を200℃〜600℃程度の高温に保っている。そのため、高周波電極を薄くすると熱歪により高周波電極が顕著に変形してしまう。その結果、不均一なプラズマが生成され基板上での成膜分布が不均一になるという問題がある。
特公平1−139771号公報 特開2002−27459号公報
従来は、正常放電状態から異常放電状態へ移行する高周波電力の閾値を高めるために、ガス吹き出し分の貫通孔の直径を小さくする方向で対策が取られていた。しかし、一旦高周波電力が閾値を越えて異常放電状態へ移行すると、異常放電を起こした貫通孔の内壁に急速に絶縁性の堆積物が付着する。そのため、オフラインで付着した堆積物を除去しない限り正常放電状態を維持することは困難であった。
上記問題点を鑑み、本発明は、異常放電を抑制して均一なプラズマを生成することが可能なプラズマ電極及びプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(イ)プラズマ反応により薄膜が堆積される基板を載置する基板電極と、(ロ)プラズマを生成するプラズマ空間を挟んで基板電極と対向し、プラズマ空間に面する第1主面及び第1主面の反対側の第2主面で両面を定義し、第1主面から第2主面に貫通する複数のガス吹き出し部を有する高周波電極とを備え、(ハ)複数のガス吹き出し部のうち、少なくとも高周波電極の外周部に設けられたガス吹き出し部が、第1開口部及び第1開口部に接続された第2開口部を有し、第1開口部の開口幅が第2開口部よりも小さく、貫通する方向に測った第1開口部の長さが1mm以下であるプラズマ電極であることを要旨とする。
本発明の第2の態様は、(イ)プラズマ化学気相堆積処理を行う処理室と、(ロ)処理室内に配置された本発明の第1の態様によるプラズマ電極とを備えるプラズマ化学気相堆積装置であることを要旨とする。
本発明によれば、異常放電を抑制して均一なプラズマを生成することが可能なプラズマ電極及びプラズマCVD装置を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、装置やシステムの構成等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な構成は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの構成等が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマCVD装置は、図1に示すように、プラズマCVD処理を行う処理室30、及び処理室30内に配置されたプラズマ電極(10、12)等を備える。プラズマ電極(10、12)は、基板電極12及び基板電極12に対向する高周波電極10を備える。基板電極12及び高周波電極10の間にプラズマ14が生成されるプラズマ空間が挟まれる。基板電極12表面に、プラズマ14の反応により薄膜を堆積する基板20が載置される。高周波電極10は、ガス配管40を通してプロセスガスが供給されるシャワーヘッド42に設けられる。なお、高周波電極10の全面に均一にプロセスガスを供給するため、高周波電極10とガス配管40の間に拡散板を設けてもよい。処理室30は、排気配管34に接続された真空ポンプ(図示省略)等により真空排気される。基板電極12は、処理室30を介して接地される。高周波電極10には、プラズマ生成用の高周波電源36が接続される。
高周波電極10は、プラズマ空間に面する第1主面6と、第1主面6の反対側の第2主面8とでその両面が定義される平行平板を基礎とする形状である。第1主面6が、プラズマ空間を挟んで基板電極12上の基板20と対向するようにプラズマ空間に面するので、第2主面8は、プロセスガスの供給側に位置している。
図2及び図3に示すように、高周波電極10は矩形状で、厚さがTtである。なお、高周波電極10の形状は、矩形状に限定されず、円形、多角形等の形状であってもよい。高周波電極10は、第1主面6から第2主面8に貫通する複数のガス吹き出し部(2、4)を有する。ガス吹き出し部(2、4)は、第1主面6側に設けられた第1開口部2、及び第2主面8側に設けられ、第1開口部2に接続された第2開口部4を有する。
第1及び第2開口部2、4は共に、ガス吹き出し部(2、4)の貫通する方向に沿って切った断面が矩形状の円孔で、互いの軸心はほぼ同一線上にある。第1開口部2の直径(開口幅)Waは、第2開口部4の直径(開口幅)Wbよりも小さい。また、ガス吹き出し部(2、4)の貫通する方向に測った第1開口部2の長さはTaである。
高周波電極10は、金属製である。第1及び第2開口部2、4は、例えば、機械加工により形成される。
例えば、Si34膜をプラズマCVDで堆積する場合、プロセスガスとしてSiH4、N2、NH3等のガスが用いられる。プロセスガスは、図1に示したガス配管40からシャワーヘッド42に供給される。プロセスガスは、高周波電極10の第2主面8から第1主面6に向かってガス吹き出し部(2、4)を通って高周波電極10と基板20の間のプラズマ空間に供給される。基板20及び高周波電極10を200℃〜600℃程度の所定の温度に加熱しながら、高周波電源36から高周波電極10に高周波電力を供給しプラズマ14を生成させる。このようにして、Si34膜が基板20上に堆積する。同時に、高周波電極10表面にも絶縁性の堆積物が付着する。
高周波電極10の厚さTtは、熱歪による変形等の影響を抑制するため、3mm〜10mmの範囲が望ましい。また、プロセスガスをプラズマ中に均一に供給するため、第1開口部2の直径Waは2mm以下が望ましい。CVD中に第1開口部2の内壁に付着する堆積物により、第1開口部2が目詰まりするのを避けるため、第1開口部2の直径は0.3mm以上が望ましい。また、不連続な異常放電を防止するため、第2開口部4の直径Wbは5mm以上が望ましい。ガス吹き出し部(2、4)からプロセスガスをプラズマ中に均一に供給するため、第2開口部4の直径は20mm以下が望ましい。更に、第1開口部2の長さTaは1mm以下が望ましい。第1開口部2の長さTaが1mmを越えると、第1開口部2の中で発生した異常放電が持続維持されやすく、壊滅的な異常放電に至るためである。
図4に示すように、従来の高周波電極110においては、ガス吹き出し部として第1主面106から第2主面108に貫通する貫通孔102が設けられる。貫通孔102は、第1及び第2主面106、108に対して垂直な内壁107を有する。図5に示すように、プロセスガスは、第2主面108側から供給され、第1主面106と基板(図示省略)の間にプラズマ14が生成される。長時間プラズマCVDを行うと、高周波電極110のプラズマと接触する第1主面106上、及び貫通孔102の内壁107上に絶縁性の堆積物120が蓄積する。
高周波電極110の第1主面106側には、発生したプラズマ14により自己バイアス電圧が立つ。自己バイアス電圧は、高周波電源に含まれるインピーダンス整合器によりブロックされ保持されるため、高周波電極110の第1主面106上に付着した堆積物120の帯電状態がプラズマ14に与える影響は殆どない。また、イオン衝撃で堆積物120からの二次電子放出が増加しても、高周波電極110と基板間の放電領域連続しているため、自己調整され安定放電によるプラズマ14が維持される。
一方、貫通孔102の内壁107に堆積物120が蓄積されると、堆積物120の表面が負に帯電し、イオン衝撃の頻度が高くなる。また、堆積物120は絶縁性物質であり、二次電子放出係数が高い。更に、高周波電極110の厚さは、熱歪による変形を防止するため3mm〜10mmの範囲とされている。このように、貫通孔102の内壁107で囲まれた領域が十分な厚さであるため、イオン衝撃により二次電子が多量に放出される。放出された二次電子は、貫通孔102の軸心付近でのプロセスガスのイオン化を促進する。したがって、貫通孔102内で放電が起こると、貫通孔102の軸心付近の領域と内壁107に付着した堆積物120表面との間をイオンI+及び電子e-が往復運動してイオン化促進が更に増大することになる。貫通孔102の直径が2mm以下の場合、貫通孔102内に発生する放電領域は第1主面106の全面に発生するプラズマ14とは不連続になる。その結果、ホローカソード効果に二次電子放出増大の効果が相乗されて、正常なプラズマ14の放電領域と不連続な貫通孔102の内部領域に壊滅的な異常放電114が発生する。
第1の実施の形態に係る高周波電極10では、プラズマ14に接触する第1主面6側に設けられた第1開口部2の長さTaは1mm以下である。また、第2開口部4の直径Wbは5mm〜20mmの範囲である。したがって、第1開口部2の内壁に付着した堆積物がイオン衝撃を受けても、放出される二次電子はプラズマ14中や第2開口部4側に拡散していく。このように、第1開口部2においてイオン化を促進する領域が不十分であるため、異常放電状態を維持することはできない。また、異常放電を抑制するために第1開口部2の長さTaを1mm以下にするだけで、高周波電極10の厚さTtは、3mm〜10mmの範囲と厚くすることができる。したがって、高周波電極10を加熱しても、熱歪による変形等を防止することができ、均一なプラズマ14を生成させることが可能となる。
なお、上述の高周波電極10では、第1及び第2開口部2、4は共に、ガス吹き出し部(2、4)の貫通する方向に沿って切った断面が矩形状である。しかし、図6に示すように、ガス吹き出し部(2、4a)の貫通する方向に沿って切った第2開口部4aの断面を、第1開口部2に接する位置では第1開口部2と同じ直径であり、第1開口部2から離れて第2主面8に向かうに従って直径が広がったテーパ形状としてもよい。また、図7に示すように、第1及び第2開口部2、4aを共にテーパ形状としてもよい。この場合、第1開口部2は、直径が2mm以下のテーパ形状の部分となる。
また、図8〜図10に示すように、第2開口部4A、4Bを、第1及び第2主面に平行な方向に沿って設けられ、互いに交差する複数の溝で形成してもよい。第2開口部4A、4Bの交点に第1開口部2が形成される。更に、図11及び図21に示すように、第2開口部4Aを、第1及び第2主面に平行な方向に沿って並列する複数の溝で形成してもよい。第1開口部2は、溝の底面に形成される。
また、高周波電極の温度均一性を保つための特別な手段を施さない場合、一般に高周波電極の外周領域が中央領域に比べて温度が低くなる傾向がある。このため、高周波電極の外周領域において堆積物の付着が速く進行する。その結果、高周波電極の外周領域で異常放電が発生しやすい。したがって、図13に示すように、高周波電極10の外周部の一行及び一列に第1及び第2開口部2、4を有するガス吹き出し部(2、4)を設け、中央領域には第1開口部2と同じ直径の貫通孔からなるガス吹き出し部2aを設けてもよい。また、図14に示すように、高周波電極10の外周部の一行及び一列に設けた溝を第2開口部4A、4Bとしてもよい。高周波電極10の外周部に第2開口部4、4A、4Bを設けることにより、外周部での異常放電を防止することができる。このような構造を適用することにより、機械加工を簡略化することができ、製造コストを低減することが可能となる。なお、外周部の第2開口部は、複数の行及び複数の列に設けてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極10は、図15及び図16に示すように、矩形状で、厚さがTtである。高周波電極10は、第1主面6から第2主面8に貫通する複数のガス吹き出し部(2、4)を有する。ガス吹き出し部(2、4)は、第2主面8側に設けられた第1開口部2、及び第1主面6側に設けられ、第1開口部2に接続された第2開口部4を有する。
第1及び第2開口部2、4は共に、ガス吹き出し部(2、4)の貫通する方向に沿って切った断面が矩形状の円孔で、互いの軸心はほぼ同一線上にある。第1開口部2の直径(開口幅)Waは、第2開口部4の直径(開口幅)Wbよりも小さい。また、ガス吹き出し部(2、4)の貫通する方向に測った第1開口部2の長さはTaである。
高周波電極10の厚さTtは、熱歪による変形等の影響を抑制するため、3mm〜10mmの範囲が望ましい。また、プロセスガスをプラズマ中に均一に供給するため、第1開口部2の直径Waは2mm以下が望ましい。CVD中に第1開口部2の内壁に付着する堆積物により、第1開口部2が目詰まりするのを避けるため、第1開口部2の直径は0.3mm以上が望ましい。また、不連続な異常放電を防止するため、第2開口部4の直径Wbは5mm〜20mmの範囲が望ましい。第2開口部4の直径Wbが5mm〜20mmの範囲であれば、第2開口部4内でホローカソード効果によりプラズマ強度が増大するが、不連続な放電状態が第2開口部4内で発生するのを抑制することができる。更に、第1開口部2の長さTaは1mm以下が望ましい。第1開口部2の長さTaが1mmを越えると、第1開口部2の中で発生した異常放電が持続維持されやすく、壊滅的な異常放電に至るためである。
第2の実施の形態では、第1開口部2が第2主面8側に配置され、第2開口部4が第1主面6側に配置される点が第1の実施の形態と異なる。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する記載は省略する。
第2の実施の形態では、第2開口部4が、図1に示した高周波電極10と基板20の間に生成されるプラズマ14と接触する。第2開口部4の直径Wbは、5mm〜20mmと大きく、ホローカソード効果により第2開口部4内で発生する放電は、プラズマ14に接続される。このように、第2開口部4においては、プラズマ14から孤立した不連続な異常放電は発生しない。また、第1開口部2の長さTaは1mm以下である。したがって、第1開口部2においてイオン化を促進する領域が不十分であるため、異常放電状態を維持することはできない。このように、第2の実施の形態では、ガス吹き出し部(2、4)内での異常放電を抑制することができ、高周波電極10と基板20の間で、均一で且つプラズマ強度の高いプラズマを生成することができる。その結果、プラズマCVDの堆積速度を増大させることが可能である。
なお、上述の高周波電極10では、第1及び第2開口部2、4は共に、ガス吹き出し部(2、4)の貫通方向に沿って切った断面が矩形状である。しかし、図17に示すように、ガス吹き出し部(2、4a)の貫通する方向に沿って切った第2開口部4aの断面を、第1開口部2に接する位置では第1開口部2と同じ直径であり、第1開口部2から第1主面6に向かって直径が広がったテーパ形状としてもよい。また、第1及び第2開口部2、4aを共にテーパ形状としてもよい。この場合、第1開口部2は、直径が2mm以下のテーパ形状の部分となる。
また、図18に示すように、第2開口部4A、4Bを、互いに交差する複数の溝で形成してもよい。第2開口部4A、4Bの交点に第1開口部2が形成される。更に、図19に示すように、第2開口部4Aを並列する複数の溝で形成してもよい。第1開口部2は、溝の底面に形成される。
また、図20に示すように、異常放電が発生しやすい高周波電極10の外周部の一行及び一列に第1及び第2開口部2、4を有するガス吹き出し部(2、4)を設け、中央領域には第1開口部2と同じ直径の貫通孔からなるガス吹き出し部2aを設けてもよい。また、図21に示すように、高周波電極10の外周部の一行及び一列に設けた溝を第2開口部4A、4Bとしてもよい。高周波電極10の外周部に第2開口部4、4A、4Bを設けることにより、外周部での異常放電を防止することができる。このような構造を適用することにより、機械加工を簡略化することができ、製造コストを低減することが可能となる。なお、外周部の第2開口部は、複数の行及び複数の列に設けてもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の第1及び第2の実施の形態の説明においては、第1開口部2は、第1又は第2主面6、8側に設けられている。しかし、図22に示すように、第1及び第2主面6、8の両側に断面が矩形状の第2開口部4を設けて、両側の第2開口部4で挟まれた第1開口部2を設けてもよい。また、図23に示すように、第1及び第2主面6、8の両側に断面がテーパ状の第2開口部4aを設けて、両側の第2開口部4aで挟まれた第1開口部2を設けてもよい。なお、第1開口部を挟む一方の第2開口部の断面を矩形状とし、他方の断面をテーパ状としてもよい。また、第1開口部2をテーパ状としてもよい。
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマCVD装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ電極の高周波電極の一例を示す平面図である。 図2に示した高周波電極のA−A線に沿った断面を示す概略図である。 従来の高周波電極の一例を示す断面図である。 従来の高周波電極で発生する異常放電の一例を説明する概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 図8に示した高周波電極のB−B線に沿った断面を示す概略図である。 図8に示した高周波電極のC−C線に沿った断面を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す断面図である。 図11に示した高周波電極のD−D線に沿った断面を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の一例を示す平面図である。 図15に示した高周波電極のE−E線に沿った断面を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す平面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る高周波電極の一例を示す断面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る高周波電極の他の例を示す断面図である。
符号の説明
2…第1開口部
4…第2開口部
6…第1主面
8…第2主面
10…高周波電極
12…基板電極
14…プラズマ
20…基板
30…処理室

Claims (10)

  1. プラズマ反応により薄膜が堆積される基板を載置する基板電極と、
    前記プラズマを生成するプラズマ空間を挟んで前記基板電極と対向し、前記プラズマ空間に面する第1主面及び前記第1主面の反対側の第2主面で両面を定義し、前記第1主面から前記第2主面に貫通する複数のガス吹き出し部を有する高周波電極とを備え、
    前記複数のガス吹き出し部のうち、少なくとも前記高周波電極の外周部に設けられたガス吹き出し部が、第1開口部及び該第1開口部に接続された第2開口部を有し、前記第1開口部の開口幅が0.3mm以上、2mm以下の範囲で、前記第2開口部の開口幅が5mm以上、20mm以下の範囲であり、前記貫通する方向に測った前記第1開口部の長さが1mm以下であることを特徴とするプラズマ電極。
  2. 前記第1開口部が、前記第1主面側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ電極。
  3. 前記第1開口部が、前記第2主面側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ電極。
  4. 前記複数のガス吹き出し部の全てが、前記第1及び第2開口部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  5. 前記複数のガス吹き出し部のうち、前記高周波電極の中央領域に設けられたガス吹き出し部が、前記第1開口部と同じ開口幅で前記第1主面から前記第2主面に貫通することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  6. 前記第1及び第2開口部の断面形状が、前記貫通する方向に沿って切った断面において矩形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  7. 前記第2開口部の断面形状が、前記貫通する方向に沿って切った断面において、前記第1開口部に接する位置では前記第1開口部と同じ開口幅であり、前記第1開口部から離れるに従って開口幅がテーパ状に広がることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  8. 前記第2開口部が、前記第1及び第2主面に平行な方向に沿って並列する複数の溝であり、前記第1開口部が前記複数の溝の底面に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  9. 前記第2開口部が、前記第1及び第2主面に平行な方向に沿って設けられ、互いに交差する複数の溝であり、前記第1開口部が前記複数の溝の交点に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ電極。
  10. プラズマ化学気相堆積処理を行う処理室と、
    前記処理室内に配置された請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ電極
    とを備えることを特徴とするプラズマ化学気相堆積装置。
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