JP2005276790A - イオンビーム照射装置及び当該装置用絶縁スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオンビーム照射装置のグリッド間に配置される絶縁スペーサの交換頻度を低減する。
【解決手段】 グリッド間の絶縁を保持するために配置されるいわゆる絶縁スペーサに関して、スパッタされた物質の再付着が困難な底面を有する溝部が、絶縁スペーサ側面中央部を周回するように配置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、所定の電圧を与えたグリッドを介することによって、室内部で発生させたプラズマより所定の方向にイオンビームを引き出し且つ照射するイオンビーム照射装置に関する。より具体的には、引き出されたイオンビームを用いて、例えば被加工物の表面に対して加工を施すミリング装置、膜中にイオンを注入するイオン注入装置、膜形成を行うイオンビーム成膜装置等、及びこれら装置においてグリッドを固定する際にスペーサとして用いられるに絶縁部材に関する。
例えば、イオンビームを用いるミリング装置は、室内で発生させたプラズマをイオン源とし、直流電圧が印加された複数枚のグリッドを用いてイオン源よりイオンを引き出すと共にこれを所定方向に加速し、加速されたイオンを用いてミリングを行うものである。通常、個々のグリッドは、イオンを通過させるための孔部を有すると共に、引き出されるイオンのエネルギー或いはその分布の最適化を図るために各々異なる直流電圧が印加されている。なお、ここで述べるミリングとは、被加工物の表面に加速されたイオンを衝突させ、スパッタリング現象を生じさせて当該表面に微細加工を施す工法をさす(特許文献1参照)。
これらグリッドの間には、その接触を防止すると共にその間隔を一定に保つことを目的として、通常絶縁体からなる絶縁スペーサが配置されている。ここで、引き出されたイオンビームを用いてイオンミリング等を行った場合、被加工物の表面は、このイオンビームによってスパッタリングされる。また、グリッドを介して室外部にイオンを引き出す際に、グリッドによって加速されるイオン全てが室外部に至るわけではなく、その一部がグリッド等にぶつかってこれをスパッタリングする場合がある。このようなスパッタリングによって被加工物表面或いはグリッド等から叩き出された物質は、装置内部に再付着する。
この再付着物が導電性の場合、例えば先の絶縁スペーサの絶縁性が再付着物の増加に伴って低下し、最終的にグリッド同士が短絡するといった事態も生じ得る。このような事態が生じることを防止するために、絶縁スペーサに対してある程度の再付着が進行した状態で再付着膜を除去する操作を行う、或いはこれを新たなものと交換する操作を行うことが必要となる。このため、例えばミリング操作によって金属膜に加工を施す場合には、この金属の再付着により絶縁性が急速に劣化することから、かなり短い周期でこれら短絡防止の操作を行う必要がある。特許文献2には、このような操作を行う間隔を延長するために、絶縁スペーサとして、断面がテーパ状に形成された円周状突起を設けることでその表面積を増大させたものが開示されている。
特開2000−113849号公報 特開2000−301353号公報
特許文献2に開示する絶縁スペーサは、当該スペーサの交換頻度を下げる上で効果的と考えられる。しかしながら、円周状の突起を設けることは絶縁スペーサの外径の増大を招くことから、実際にはその突起の大きさはグリッドにおける孔部に干渉しない大きさに制限される。特許文献2においても、このような絶縁スペーサが用いられる領域は、グリッド孔部から離れた部分とされている。イオンビーム照射装置における複数のグリッドは、各々の設置間隔を略一定に保持することを要する。従って、これらの間隔を保持するためにグリッド間には挿入、固定される絶縁スペーサは、可能であれば孔部の存在の有無に関係無く配置可能であることが好ましい。
本発明は、上述した要請等に鑑みて為されたものであり、従来と比較して、その交換頻度等を大幅に減少可能な絶縁スペーサを提供することを目的としている。また、本発明は、当該絶縁スペーサを用いることによって、その交換等に起因する装置の稼働時間の低下を抑えたイオンビーム照射装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るイオンビーム照射装置は、プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、プラズマ生成室から処理室にプラズマ中のイオンを引き出すためにプラズマ生成室と処理室室との間に各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置であって、複数のグリッド各々の間に配置されてグリッド各々が電気的に接触することを防止する絶縁スペーサを更に有し、絶縁スペーサは、絶縁スペーサの軸方向断面においてイオンビームの引き出し方向とは異なる方向に形成される凹部として示される溝部が、絶縁スペーサにおけるグリッドとの当接面と異なる面上において絶縁スペーサ周囲を周回するように形成されていることを特徴としている。
なお、上述したイオンビーム照射装置において、溝部は、絶縁スペーサの断面においてイオンビームの引き出し方向とは垂直な方向に形成される凹部として示されることが好ましい。その際、溝部は、前凹部の開口を形成する角部に対して面取りが施されていることが好ましい。また、絶縁スペーサは円柱形状を有し、溝部は円柱形状の側面に形成されることが好ましい。また、凹部は、その深さに対するその開口の比が1以上であることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、例えばイオンミリング装置を構築する場合には、上述したイオンビーム照射装置と、前記イオンビーム照射装置より引き出されるイオンが導入される処理室と、前記処理室内に配置されて前記引き出されたイオンが照射される位置に被加工物を保持するホルダとを有する構成とすることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る絶縁スペーサは、プラズマを内部に生成するプラズマ生成室とプラズマ生成室と接続される処理室とからなり、プラズマ生成室から処理室にプラズマ中のイオンを引き出すためにプラズマ生成室と処理室室との間に各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置において、複数のグリッド各々の間に配置されてグリッド各々が電気的に接触することを防止するために用いられる絶縁スペーサであって、断面においてイオンビームの引き出し方向とは異なる方向に形成される凹部として示される溝部が、絶縁スペーサにおけるグリッドとの当接面と異なる面上において絶縁スペーサ周囲を周回するように形成されていることが好ましい。
なお、上述した絶縁スペーサにあって、溝部は、絶縁スペーサの断面においてイオンビームの引き出し方向とは垂直な方向に形成される凹部として示されることが好ましい。その際、溝部は、前凹部の開口を形成する角部に対して面取りが施されていることが好ましい。また、絶縁スペーサは円柱形状を有し、溝部は円柱形状の側面に形成されることが好ましい。また、凹部は、その深さに対するその開口の比が1以上であることが好ましい。
本発明によれば、略円柱状の絶縁スペーサの側面に、当該側面を巻き回すように溝部が設けられている。スパッタリング等の真空中の成膜プロセスにおいては、通常溝の内部に対する膜形成が困難であることが知られている。特にイオンミリング等のプロセスは、被加工物表面をスパッタリングすることでその表面加工を行うことから、絶縁スペーサへ被スパッタ物質の再付着は顕著である。前述したこの溝部の幅をある程度以上狭くし且つその深さもある程度以上深くすることで、絶縁スペーサ上に膜が再付着等することが困難な領域を形成することが可能となる。また、当該溝部の幅を狭くすること及びその深さを深くすることが、例えば絶縁スペーサの強度上制限される場合であっても、当該溝部の存在によって、この絶縁スペーサの交換頻度は従来のものと比較して大幅に低減される。
また、本発明によれば、絶縁スペーサの側面に連続する溝部を形成するだけでよいことから、溝部を除く部分に関して、絶縁スペーサの軸と垂直な方向の断面積はほぼ一定となる。従って、特許文献2に開示する絶縁スペーサの場合と異なり、この断面積一定部分の外径を小さくすることが可能であれば、これによってイオンビームが絶縁スペーサから影響をうける可能性を低減することも可能である。また、グリッドにおける小孔形成範囲内であっても、当該断面積に対応する領域がこの小孔間に存在すれば、当該絶縁スペーサの有無に関係無く同等のイオンの引き出しを実施することも可能となる。即ち、本発明に係る絶縁スペーサは、グリッド中の任意の領域に配して各々のグリッドの間隔を一定に保つことが可能である。
また、真空中に異なる電位を有する部材が存在する場合、この間に存在する絶縁体表面の絶縁性が膜の付着等によって低下するとその表面に放電が発生して部材間が短絡するいわゆる沿面放電という現象が生じることがある。当該溝部を形成することによって、絶縁スペーサの側面の表面積を増加させていわゆる沿面放電が発生する可能性を低減し、この沿面放電による短絡を防止することが可能となる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る絶縁スペーサを用いたイオンビーム照射装置をイオンソースとするイオンミリング装置1の概略構成を示す図である。当該装置1は、プラズマ生成室3と処理室5の二室から構成される。本実施の形態においては、プラズマ生成室3には、ガス供給系7を介して、プラズマ生成に供せられるガスとして、例えばアルゴンガスが供給される。プラズマの発生方法としては、カウフマン型、バケット型、IPC型、ECR型等の種々の形式からなる構成を用いた方式が例示されるが、これらの何れを用いることとしても良い。本実施の形態としては、イオンビーム中に不純物元素が混入する可能性が比較的低く、且つ装置構成が簡略なICP型の構成を用いたものによりプラズマを発生させることとしている。処理室5は、排気系9と接続されており、この排気系9によってその内部に存在するガス等を排気することで、プラズマ生成室3及び処理室5の内部を所定の操作圧力に保っている。
処理室5の内部には、被加工物13を支持するホルダ11が配置されている。図中、被加工物13はプラズマ生成室と正対して保持されているが、ホルダ11はプラズマ生成室3に対する方向を変更可能となっている。プラズマ生成室3と処理室5との間には第一、第二及び第三のグリッド15、16、17が、この順序にてプラズマ生成室3側より配置されている。第一のグリッド15を正面から見た状態を図2に示す。グリッド15は、円板状の部材15aに対して複数の小孔15bを形成することによって得られる。第二及び第三のグリッド16、17も同様の構造を有している。これらグリッドは、装置固定時においては、個々のグリッドにおける小孔が各々プラズマ生成室3から処理室5に向かう方向に整列するように配置される。
第一及び第三のグリッド15、17には正電圧が印加され、加速電圧として用いられる。第二のグリッドには負電圧が印加され、減速電圧として用いられる。プラズマ生成室3内部に発生したプラズマ中のアルゴンイオンは、これらグリッドに形成された小孔を通過することによって、所定の方向性を有するイオンビームとして被加工物13の表面に照射される。なお、イオンビームにおける第三のグリッド17の下流側には不図示のニュートライザが配置されており、イオンビームの中性化が図られている。
図3は、第一乃至第三のグリッド15、16、17を所定の間隔に固定し、且つこれらグリッド間に絶縁スペーサを固定する固定装置の概略構成を示している。固定装置20は、絶縁スペーサ21、絶縁部材23、絶縁キャップ25、ネジ棒27、及び溝付き座金29から構成される。絶縁スペーサ21は、例えばアルミナ等の絶縁材料からなる円盤状の部材であり、上下面に貫通する所定の径を有する貫通孔21aをその中央部に有すると共に、その側面を一周するように形成された溝部21bを有している。円板の厚さは、各グリッドの間隔に対応している。絶縁部材23は、略円筒状の部材であり、外径が絶縁スペーサ21の貫通孔21aに挿通可能な大きさを有する軸部23aと、一端部に形成された外径が拡大された拡径部23bとから構成されている。また、絶縁部材23は、その軸方向に貫通する通し孔21cを有している。なお、本実施の形態においては、グリッド15のプラズマ生成室側面(グリッド16対抗面とは異なる面)に絶縁スペーサ21が配置されている。しかしながら、固定装置の小型化を図る場合には、当該スペーサ21を省くこととしても良い。
第一乃至第三のグリッド15、16、17には絶縁スペーサにおける貫通孔21aと略同じ径を有する孔15c、16c、17cがそれぞれ形成されている。グリッド固定時、グリッド及び複数の絶縁スペーサは交互に並べて配置され、絶縁部材23が貫通孔21a及び孔15c、16c、17cを貫通してこれらの位置決めが為される。また、プラズマ生成室3に近接する第一のグリッド15におけるプラズマ生成室側の面表面にも絶縁スペーサ21が配置される。この状態にある絶縁部材23の通し孔23cをネジ棒27が貫通し、ネジ棒27の両端部に溝付き座金29を挟んで絶縁キャップ25が固定されることにより、グリッド及び複数の絶縁スペーサが挟持、固定される。なお、本実施の形態においては、絶縁キャップ25表面を減圧空間中にさらすこととしているが、その表面に金属性のキャップを更に被せ、スパッタリングによる導電性膜の再付着から絶縁キャップ等を保護し、絶縁不良の発生の防止を更に図ることとしても良い。このような固定装置を用いることにより、グリッド間に絶縁部材を挟み込むことが可能となる。同時に、絶縁スペーサの厚さを適宜変更することにより、グリッド間の間隔を変更することが可能となる。また、グリッド間の間隔を制御すると同時に、絶縁スペーサ21の材質を石英、マシナブルセラミックス、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等の誘電率の異なる絶縁材料とすることにより、グリッド間の静電容量も任意に設定することが可能となる。
本実施の形態においては、絶縁スペーサ21として、単一の溝部21bを有する円筒形状からなるものを用いており、当該溝部21bは絶縁スペーサ21の厚さの略1/3の厚さを有し、径方向の厚みが略1/2となるまでの深さを有している。しかしながら、本発明に係る絶縁スペーサ21の形状はこれに限られない。例えば、図4Aにその軸方向断面を示すように、その幅をより小さくし、深さを浅くしても良い。溝部21bの深さが浅くなった場合であっても、溝幅が狭くなることによって、その底面に対する再付着膜の形成速度は低下する。
具体的には、溝における深さに対する幅の比を1以上とすることで、再付着膜の形成速度の低下を促進し得ると思われる。言い換えれば、スパッタリングによって絶縁スペーサに再付着する物質が再付着困難な底面を有する溝部を、その始点と終点とを一致させて絶縁スペーサ上に形成することで、絶縁スペーサ全体が導電体となることを防止している。従って、絶縁スペーサ21表面の再付着膜によるグリッド間の短絡を防止するための絶縁スペーサの交換頻度も大幅に減少される。
なお、上述した溝の深さに対する幅の比を1以上とする必要性についてここで詳述する。例えばイオンミリング装置の場合、被加工物を支持するホルダの支持角度αを0°(イオンビームの入射角度90°)とした場合、被エッチング物に対してイオンビームは垂直方向に入射される。非エッチング物がイオンビームの全反射により得られるとすると、非エッチング物は電極に対して垂直方向に入射し、絶縁スペーサの溝部底面に対しても同様の角度で入射される(回り込み角度θ=90°)。この場合、上述の開口比は0.5以下でも良い。
ホルダの支持角度αの絶対値が0°<α≦20°の範囲での回り込み角度θは50°≦α<90°であり、開口比は0.85以上であれば絶縁スペーサ溝底面への被エッチング物の回り込みは存在しない。ホルダの支持角度αの絶対値が20°<α≦50°の範囲での回り込み角度θは0°≦α<50°となるが、ホルダにより全反射されたイオンビームは直接電極には入射されず、処理室等の内壁に衝突する頻度が高くなってくる。処理室等の内壁に入射したイオンビームはさらに反射して電極に入射するが、イオンビームとしてのエネルギーが大幅に減少することから被エッチング物の回り込み量は少なくなる。ステージ角度45°の時回り込み角度は極小値を取るが、全反射されたイオンビームが処理室等内壁に対して垂直方向から衝突するため電極に対してはほとんど反射されず、絶縁スペーサへの回り込み量は極僅かであり、開口比は1程度であれば良いものと予想される。
ホルダの支持角度αの絶対値が45°<α<90°の範囲での回り込み角度θは0°<α<90°であり、処理室等の内壁にイオンビームが衝突する位置と電極との距離が離れていくために、実際に絶縁スペーサに回り込む量はホルダ支持角度αの絶対値が0°<α≦45°の範囲より少ないと予想される。従って、ホルダ支持角度αの絶対値が0°<α<90°の範囲では、開口比が1以上あれば絶縁スペーサの溝底面に回り込む被エッチング物の量を低減することが可能であり、使用するホルダの支持角度によって開口比率を変化させることで放電維持間隔を延長することが可能となる。
回り込み角度の絶対値(図6における角度θ参照)と溝部の開口比(溝の深さに対する幅の比)との関係を図6に示す。本出願人は実験により図6における斜線で示す条件域であれば溝底部への被エッチング物の再付着を防止し得ることを見出している。
なお、本実施の形態においては、溝部21bが一つのみ形成された場合を例示したが、溝部の数或いは形成位置はこの例示された形態に限定されない。例えば、図4B或いは4Cに示される形状としても良い。図4Bは、両端部に溝部21bを形成した場合を示している。この両端部の溝部は、グリッド間に絶縁スペーサ21が挟まれた状態で、グリッド表面と絶縁スペーサ21の非溝部とに挟まれて実質的な溝部として作用する。図4Cは、溝部が絶縁スペーサ21の側面に複数形成された場合を示している。このような複数の溝部が絶縁スペーサ上に存在することにより、再付着膜が絶縁スペーサ表面に形成された場合であっても、これら溝部への膜付着が防止され、この絶縁スペーサを介しての短絡の防止が図られる。また、図5A或いは図5Bに溝部の断面形状を示すように、溝部の断面における開口部に対して、角面取り或いは球面取りを施すこととしても良い。このような面取りを施すことにより、絶縁スペーサとしての欠けの防止が図られる。
なお、本実施の形態においては、絶縁スペーサは略円柱状の外観を有することとしているが、本発明に係る絶縁スペーサの形状は円柱形状に限られない。方形、中央部に拡径部を有する形状等、種々の形状とすることが可能である。また、溝部は、絶縁スペーサの軸方向断面における形状が実施例として例示した方形の凹部である必要は無い。具体的には、その断面形状がイオンビームの引き出し方向とは異なる方向に形成される凹部であり、且つ絶縁スペーサにおけるグリッドとの当接面と異なる面上において絶縁スペーサ周囲を周回するように形成されていれば良い。溝部がその始点と終点とを一致させて絶縁スペーサの周りを周回するように形成することで、再付着膜の溝部の上側と下側とでの接触を確実に防止することが可能となる。
本発明の実施の形態及び実施例においては、本発明を用いたものとしてイオンミリング装置を例示して説明している。しかしながら、本発明の適用装置はこれに限定されず、イオン注入装置、イオンビーム蒸着装置、イオンビームスパッタ装置、CVD装置等、種々の真空を用いる装置が想定される。また、被加工物としてはアルミナ膜を例示したが、セラミック膜、金属膜、有機膜等、種々の膜を加工対象とすることも可能である。
本発明の一実施形態に係るイオンビーム照射装置の概略構成を示す図である。 図1に示すイオンミリング装置におけるグリッドの正面図である。 本発明の一実施形態に係る絶縁部材を用いた固定装置の構成を示す断面概略図である。 絶縁部材の変形例を示す図である。 絶縁部材の変形例を示す図である。 絶縁部材の変形例を示す図である。 絶縁部材の変形例であって溝部の断面形状を示す図である。 絶縁部材の変形例であって溝部の断面形状を示す図である。 溝底面に対する被エッチング物の再付着に対する、回り込み角度θと溝部の開口比との関係を示す図である。
符号の説明
1:イオンミリング装置、 3:プラズマ生成室、 5:処理室、 7:ガス導入系、 9:真空排気系、 11:ホルダ、 13:被加工物、 15、16、17:グリッド、 20:固定装置、 21:絶縁スペーサ、 23:絶縁部材、 25:絶縁キャップ、 27:ネジ棒、 29:溝付き座金

Claims (11)

  1. プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、前記プラズマ生成室から前記処理室に前記プラズマ中のイオンを引き出すために前記プラズマ生成室と前記処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置であって、
    前記複数のグリッド各々の間に配置されて前記グリッド各々が電気的に接触することを防止する絶縁スペーサを更に有し、
    前記絶縁スペーサは、前記絶縁スペーサの軸方向断面において前記イオンビームの引き出し方向とは異なる方向に形成される凹部として示される溝部が、前記絶縁スペーサにおける前記グリッドとの当接面と異なる面上において前記絶縁スペーサ周囲を周回するように形成されていることを特徴とするイオンビーム照射装置。
  2. 前記溝部は、前記絶縁スペーサの断面において前記イオンビームの引き出し方向とは垂直な方向に形成される凹部として示されることを特徴とする請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  3. 前記溝部は、前記凹部の開口を形成する角部に対して面取りが施されていることを特徴とする請求項2記載のイオンビーム照射装置。
  4. 前記絶縁スペーサは円柱形状を有し、前記溝部は前記円柱形状の側面に形成されることを特徴とする請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  5. 前記凹部は、その深さに対するその開口の比が1以上であることを特徴とする請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  6. 請求項1乃至5記載のイオンビーム照射装置と、前記イオンビーム照射装置より引き出されるイオンが導入される処理室と、前記処理室内に配置されて前記引き出されたイオンが照射される位置に被加工物を保持するホルダとを有することを特徴とするイオンミリング装置。
  7. プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、前記プラズマ生成室から前記処理室に前記プラズマ中のイオンを引き出すために前記プラズマ生成室と前記処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置において、前記複数のグリッド各々の間に配置されて前記グリッド各々が電気的に接触することを防止するために用いられる絶縁スペーサであって、
    断面において前記イオンビームの引き出し方向とは異なる方向に形成される凹部として示される溝部が、前記絶縁スペーサにおける前記グリッドとの当接面と異なる面上において前記絶縁スペーサ周囲を周回するように形成されていることを特徴とするイオンビーム照射装置用絶縁スペーサ。
  8. 前記溝部は、前記絶縁スペーサの断面において前記イオンビームの引き出し方向とは垂直な方向に形成される凹部として示されることを特徴とする請求項7記載の絶縁スペーサ。
  9. 前記溝部は、前記凹部の開口を形成する角部に対して面取りが施されていることを特徴とする請求項8記載の絶縁スペーサ。
  10. 前記絶縁スペーサは円柱形状を有し、前記溝部は前記円柱形状の側面に形成されることを特徴とする請求項7記載の絶縁スペーサ。
  11. 前記凹部は、その深さに対するその開口の比が1以上であることを特徴とする請求項7記載の絶縁スペーサ。
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