JP5854225B2 - プラズマcvd成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを形成して成膜を行うプラズマCVD成膜装置に関する。
半導体装置の製造工程において、高精度のプロセス制御が容易であるという利点から、成膜、エッチング、アッシングなどの処理にプラズマ処理装置が用いられている。例えば成膜装置として、平行平板を構成するカソード電極とアノード電極間にプラズマを形成して成膜処理を行うプラズマ化学気相成長(CVD)成膜装置が知られている。プラズマCVD成膜装置では、高周波電力などにより原料ガスがプラズマ化され、化学反応によって基板上に薄膜が形成される。例えば、複数の電極板を用意し、それぞれの電極板に基板を配置することで処理能力を向上させたプラズマCVD成膜装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第02/20871号パンフレット
プラズマCVD成膜装置では、アルミニウム(Al)やその合金、ステンレス(SUS)などの金属材料がカソード電極に用いられている。
基板に薄膜を形成する際に、基板のみならずアノード電極やカソード電極にも膜が堆積する。この堆積膜の膜厚が一定量を超えると、膜の応力によってアノード電極やカソード電極の変形や破損が生じる。その結果、膜厚分布の異常や成膜レートの低下などの問題が生じる。また、電極の変形が生じない場合でも、膜が厚く堆積するとカソード電極やアノード電極の表面の粗度が大きくなる。表面の粗度が大きくなるにつれて、成膜処理開始直後と比較してプラズマ状態が変化し、成膜レートの変動や膜質の変動などの問題が生じる。
これらの問題を回避するために、一定期間の成膜処理の後に、薬用洗浄やサンドブラストなどの機械洗浄によってカソード電極やアノード電極をクリーニングする必要がある。このクリーニング頻度が高いと、成膜装置の稼働率を下げるだけでなく、メンテナンスコストが増大する。
上記問題点に鑑み、本発明は、膜の堆積に起因する電極の変形が抑制されたプラズマCVD成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、(イ)チャンバーと、(ロ)成膜処理対象の基板が搭載される搭載面を有し、チャンバー内に配置されたアノード電極と、(ハ)チャンバー内で搭載面と対向するように配置された、少なくとも表面の一部がガラス状炭素で被覆された炭素材料からなるカソード電極と、(ニ)アノード電極とカソード電極間に交流電力を供給して、アノード電極とカソード電極間においてプロセスガスをプラズマ状態にする交流電源とを備えるプラズマCVD成膜装置が提供される。
本発明によれば、膜の堆積に起因する電極の変形が抑制されたプラズマCVD成膜装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のアノード電極の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極に形成される放電構造体の例を示す模式図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)のIV−IV方向に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極に形成される放電構造体の他の例を示す模式図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)のV−V方向に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極に形成される放電構造体の更に他の例を示す模式図であり、図6(a)は斜視図、図6(b)は図6(a)のVI−VI方向に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極の他の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極の更に他の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置のカソード電極の構成を示す模式図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。又、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置1は、図1に示すように、チャンバー10と、成膜処理対象の基板100が搭載される搭載面200を有し、チャンバー10内に配置されたアノード電極20と、チャンバー10内で搭載面200と対向するように配置された、少なくとも表面の一部がガラス状炭素で被覆された炭素材料からなるカソード電極30と、アノード電極20とカソード電極30間に交流電力を供給して、アノード電極20とカソード電極30間においてプロセスガス60をプラズマ状態にする交流電源40とを備える。プラズマCVD成膜装置1によれば、プロセスガス60に含まれる原料を主成分とする薄膜が基板100上に形成される。
カソード電極30の構造例を図2に示す。カソード電極30は、炭素材料からなる本体部31と、本体部31の表面を覆うガラス状炭素膜32からなる。本体部31は、例えばカーボンからなる。そして、カーボン粒を含有する樹脂を本体部31の表面に塗布し、高温焼成で乾燥させることなどによって、本体部31の表面がガラス状炭素膜32で被覆される。ガラス状炭素膜32の膜厚は、例えば1μm程度である。
図1に示したプラズマCVD成膜装置1では、基板搭載装置がアノード電極20として使用されている。図1に示した例では、アノード電極20はチャンバー10を介して接地されている。
アノード電極20として使用される基板搭載装置は、例えば法線方向に複数の搭載面200が重なるように配置された構造を採用可能である。即ち、図1に示すような、搭載面200が主面にそれぞれ定義され、互いに離間し且つ平行に配置された複数の基板取り付け板201と、基板取り付け板201のそれぞれの底部を固定する固定板202とを有する基板搭載装置を採用可能である。基板搭載装置に搭載された状態で基板100がプラズマCVD成膜装置1に格納され、成膜処理後に取り出される。搭載面200は鉛直方向に延伸し、基板100はチャンバー10内で垂直に立てて保持される。図1では基板取り付け板201が2枚である例を示したが、基板取り付け板201の枚数は2枚に限られない。
プラズマCVD成膜装置1では、基板100が搭載された状態のアノード電極20がチャンバー10に搬入される。その後、図示を省略したガス供給装置からチャンバー10内に成膜用の原料ガスを含むプロセスガス60が導入される。プロセスガス60を導入後、図示を省略した排気装置によってチャンバー10内の圧力が調整される。
例えば、プロセスガス60はチャンバー10の下方から導入され、上方から排気される。下方からプロセスガス60を導入することにより、比重の軽いプラズマ化したガス分子、ラジカル粒子は上方流としてカソード電極30の表面を自然に流れ上がる。このため、カソード電極30の表面に均一にプロセスガスが供給される。
チャンバー10内のプロセスガス60の圧力が所定のガス圧に調整された後、交流電源40によって所定の交流電力がカソード電極30とアノード電極20間に供給される。これにより、チャンバー10内のプロセスガス60がプラズマ化される。形成されたプラズマに基板100を曝すことにより、原料ガスに含まれる原料を主成分とする所望の薄膜が基板100の露出した表面に形成される。なお、図1に示したヒータ50によって、成膜処理中の基板100の温度を設定してもよい。成膜処理中の基板100の温度を所定の温度に設定することにより、成膜速度を速めたり、膜質を向上させたりすることができる。
プラズマCVD成膜装置1において原料ガスを適宜選択することによって、所望の薄膜を形成できる。例えば、シリコン半導体薄膜、シリコン窒化薄膜、シリコン酸化薄膜、シリコン酸窒化薄膜、カーボン薄膜などを基板100上に形成することができる。具体的には、アンモニア(NH3)ガスとシラン(SiH4)ガスの混合ガスを用いて、基板100上に窒化シリコン(SiN)膜が形成される。或いは、シラン(SiH4)ガスとN2Oガスの混合ガスを用いて、基板100上に酸化シリコン(SiOx)膜が形成される。
成膜処理中はプラズマCVD成膜装置1のカソード電極30は常時放電されており、連続的にカソード電極30に膜が堆積される。堆積された膜は応力を持つため、膜の応力がカソード電極30の曲げ強度を超えるほどに膜が堆積されると、カソード電極30の変形の原因となる。
しかし、プラズマCVD成膜装置1のカソード電極30は、図2に示したように、本体部31の表面がガラス状炭素膜32で被覆された構造である。ガラス状炭素は、通常の炭素材料と同様の導電性と熱伝導性を有しながら、不浸透性、不透過性、遮断性、耐薬品反応性に優れ、且つパーティクルの発生、発塵、粉落ちが少ないという特徴を有する材料である。このため、ガラス状炭素に表面を被覆されたカソード電極30を用いて連続放電を行った場合は、ガラス状炭素は表面が化学的不活性であるため、カソード電極30の表面とその表面に堆積する膜との密着性が悪い。このため、カソード電極30の表面に堆積した膜は容易に剥離されてしまう。その結果、カソード電極30の表面に膜が厚く堆積されることがなく、堆積膜の応力によってカソード電極30が変形したり、破損したりすることが抑制される。
なお、成膜処理中にはアノード電極20にも膜が連続的に堆積する。このため、アノード電極20にも堆積膜による応力が加わり、カソード電極30と同様にアノード電極20の変形が引き起こされる可能性がある。このため、アノード電極20の表面もガラス状炭素で被覆することが好ましい。具体的には、図3に示すように、例えばカーボンなどの炭素材料からなる本体部21の表面をガラス状炭素膜22によって被覆された構造を、アノード電極20に採用する。
アノード電極20とカソード電極30の間隔が規定されている範囲を超えた場合は、成膜処理対象の基板100に形成される薄膜の膜厚分布異常や成膜レートの低下などの問題が生じる。しかし、アノード電極20とカソード電極30の表面をガラス状炭素で被覆することにより、アノード電極20とカソード電極30の変形が抑制され、アノード電極20とカソード電極30の間隔を所定値に保つことができる。
また、ホローカソード放電を利用して高密度のプラズマを発生させるために、カソード電極30の表面に凹部や貫通孔などを配置して構成される凹凸形状の構造体(以下において、「放電構造体」という)を形成してもよい。放電構造体を有するホローカソード電極を用いてホローカソード放電を発生させることができる。
例えば、カソード電極30の表面に凹部を形成して放電構造体とする。具体的には、図4(a)、図4(b)に示すようにカソード電極30の表面に溝301を配置して凹部を形成してもよい。図4(a)には溝301を格子状に形成した例を示したが、溝301の配置は格子状に限られない。又は、図5(a)、図5(b)に示すようにカソード電極30の表面に複数のディンプル302を配置して凹部を形成してもよい。
或いは、放電構造体として、図6(a)、図6(b)に示すようにカソード電極30を厚さ方向に貫通する貫通孔303が形成された構造を採用可能である。貫通孔303の開口部は、基板取り付け板201の搭載面200と対向するようにカソード電極30の表面に形成される。図6(a)、図6(b)に示したカソード電極30の膜厚dは、例えば5mm程度である。貫通孔303の直径は、目詰まりの心配が無く、且つメンテナンスが容易であるように3.8mm〜8.0mm程度に設定され、例えば5mmである。
図6(a)、図6(b)に示したカソード電極30の両面にそれぞれ励起されるプラズマは、貫通孔303によって連結する。このため、カソード電極30の両面におけるプラズマ濃度の濃淡の差は自然に補正され、カソード電極30の両面に密度が均一なプラズマ空間を生成できる。したがって、カソード電極30に多数の貫通孔303を形成したマルチホローカソード構造を採用することによって、カソード電極30の両面に均一なマルチホロー放電を得ることができる。「マルチホロー放電」とは、各貫通孔303にそれぞれ生じたホローカソード放電が合わさってカソード電極30の表面に生じる放電である。これにより、カソード電極30の表面に均一な高密度プラズマを実現することができる。その結果、原料ガスが効率よく分解され、高速で大面積に均一に薄膜が基板100上に形成される。
ところで、カソード電極30が放電構造体を有するホローカソード電極である場合は、カソード電極30に形成された凹部の表面や貫通孔303の内壁にも成膜処理中に膜が堆積する。ホローカソード放電により凹部の表面や貫通孔303の内壁に堆積した膜は、非常に硬度が高く、更に、外側に広がろうとする応力を有する。このため、カソード電極30の変形がより起こりやすい。
これに対し、凹部の表面や貫通孔303の内壁をガラス状炭素で被覆することによって、カソード電極30の変形を抑制できる。図2では、カソード電極30の表面全体がガラス状炭素で被覆された例を示したが、例えば図7及び図8に示すように凹部の表面のみをガラス状炭素膜32で被覆したり、図9に示すように貫通孔303の内壁の表面のみをガラス状炭素膜32で被覆してもよい。
以下に、表面をガラス状炭素で被覆したカソード電極30と、表面をガラス状炭素で被覆していない比較例のカソード電極(以下において「カソード電極30A」という。)について、プラズマCVD法による成膜工程により生じる変形の程度を調査した結果を示す。調査には、図1に示した構成のプラズマCVD成膜装置を使用した。
調査に用いたカソード電極は、面積が200mm×200mm、厚みdが5mmのカーボン板である。そして、直径5mmの貫通孔303が6.5mmピッチで配列されたホローカソード電極を用いた。第1の実施形態に係るカソード電極30は炭素材料(G535)からなる本体部31の表面にガラス状炭素膜32を被覆した構造であり、比較例のカソード電極30Aはガラス状炭素膜32が被覆されていない炭素材料(G535)からなる。アノード電極20には、面積が200mm×200mmのカーボン板を採用した。
ヒータ50によりアノード電極20の温度を450℃に加熱し、窒化シリコン(SiNx)膜を成膜するためにプロセスガス60としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)の混合ガスをチャンバー10内に導入した。ガス流量は、シランガスが215sccm、アンモニアガスが950sccmである。チャンバー10内の圧力は67Paに調整し、交流電源40によって250kHzの高周波を700Wで印加して、プラズマをチャンバー10内に発生させた。
15日間の連続放電により、比較例のカソード電極30Aでは、成膜処理前には5mmであった貫通孔303の直径が3.5mm程度まで減少した。また、5mmであったカソード電極30Aの厚みdは6.5mm〜6.8mmまで増加した。成膜レートは、堆積膜が殆どない処理開始直後では105nm/分であったが、15日間連続放電後では67nm/分であり、36%減少した。
一方、第1の実施形態に係るカソード電極30では、15日間の連続放電後においても貫通孔303の直径は4.5mm程度までしか減少しなかった。また、厚みdは5.3mm程度であり、堆積膜による厚みdの増加は、比較例のカソード電極30Aに比べると小さい。成膜レートについても、15日間連続放電後で103nm/分であり、処理開始直後の105nm/分から殆ど変動しなかった。このように、表面がガラス状炭素膜32で被覆されたカソード電極30は、15日間連続放電後でも処理開始直後と殆ど同じ状態であった。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置1によれば、炭素材料からなるカソード電極30の表面をガラス状炭素で被覆することにより、カソード電極30に堆積される膜に起因するカソード電極30の変形が抑制される。このため、カソード電極30をクリーニングする頻度が低くなり、プラズマCVD成膜装置1の稼働率の低下やメンテナンスコストの増大を抑制できる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置1は、カソード電極30が炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料からなる。その他の構成については、図1に示す第1の実施形態と同様である。
炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)は、炭素繊維により補強された炭素系材料であり、金属材料と比較して延びにくい性質を有する。したがって、カソード電極30にヤング率の高い炭素繊維強化炭素複合材料を使用することにより、カソード電極30に堆積した膜の応力によるカソード電極30の変形が抑制される。
特に、カソード電極30が貫通孔303を有するホローカソード電極である場合に、カソード電極30に炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料を採用することが効果的である。既に説明したように、ホローカソード放電により貫通孔303の内壁に堆積した膜は非常に硬度が高い上に、外側に広がろうとする応力を有する。このため、カソード電極30の変形がより起こりやすい。しかし、炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料からなるカソード電極30では、貫通孔303の内壁に堆積した膜による応力に起因するカソード電極30の変形が抑制される。
更に、図10に示すように、最も応力が集中するカソード電極30の表面の外縁から一定の距離t以内の外周領域には、貫通孔303を配置しないことが好ましい。更に、例えば図4(a)、図4(b)や図5(a)、図5(b)に示した凹部である放電構造体についても、貫通孔303と同様に、カソード電極30の表面の外縁から一定の距離t以内の外周領域には形成しないことが好ましい。
発明者らが実験、検証を行った結果、外縁からの距離tを5mm以上にすることによって、カソード電極30の外縁部に配置された放電構造体に起因するカソード電極30の変形を抑制できることが確認された。このため、例えばカソード電極30の表面の外縁から8mm以内には貫通孔303の開口部が配置されないようにする。
上記のように、カソード電極30の端部に放電構造体を配置しないことにより、カソード電極30の変形や破損の原因となる膜応力の集中を防ぐことができる。
なお、炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料からなるカソード電極30を使用した場合、カソード電極30に膜が堆積されていない状態では成膜レートが低く、カソード電極30に膜が堆積されていくことで成膜レートが安定する。このため、成膜処理対象の基板100上に薄膜を形成する前に、カソード電極30に膜を堆積させる時間を設定することが好ましい。発明者らの調査により、10分間カソード電極30に膜を堆積させた後に基板100上に薄膜を形成することによって、安定した放電状態を実現できることが確認された。これにより、安定した成膜レートを得ることができる。
以下に、炭素材料(G535)からなるカソード電極30と、アルミニウム材料(A1050)からなる比較例のカソード電極(以下において「カソード電極30B」という。)について、プラズマCVD法による成膜工程により生じる変形の程度を調査した結果を示す。調査には、図1に示した構成のプラズマCVD成膜装置を使用した。
調査に用いたカソード電極には、面積が200mm×200mm、厚みdが5mmであり、直径5mmの貫通孔303が6.5mmピッチで配列されたホローカソード電極を用いた。アノード電極20には、面積が200mm×200mmのカーボン板を採用した。
ヒータ50によりアノード電極20の温度を450℃に加熱し、窒化シリコン(SiNx)膜を成膜するためにプロセスガス60としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)の混合ガスをチャンバー10内に導入した。ガス流量は、シランガスが215sccm、アンモニアガスが950sccmである。チャンバー10内の圧力は67Paに調整し、交流電源40によって250kHzの高周波を700Wで印加して、プラズマをチャンバー10内に発生させた。連続放電による成膜処理の後、カソード電極に堆積された膜をフッ酸によって除去し、カソード電極の変形量を測定した。
比較例のカソード電極30Aは、連続放電による成膜処理を20時間実施すると、貫通孔303内に堆積した膜の応力によって膨張し、カソード電極30Bの面積は210mm×210mmに増大した。また、平面方向においても1mm程度の反りが発生した。
一方、第2の実施形態に係るカソード電極30では、連続放電による成膜処理を100時間実施した後においても、カソード電極30の面積は200mm×200mmのままで変化せず、平面方向における反りも発生しなかった。
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態に係るプラズマCVD成膜装置1によれば、炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料からなるカソード電極30を使用することにより、Alなどからなる金属製のカソード電極と比べて、カソード電極30に堆積される膜に起因するカソード電極30の変形が抑制される。このため、カソード電極30をクリーニングする頻度が低くなり、プラズマCVD成膜装置1の稼働率の低下やメンテナンスコストの増大を抑制できる。なお、アノード電極20を炭素材料又は炭素繊維強化炭素複合材料で構成してもよい。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…プラズマCVD成膜装置
10…チャンバー
20…アノード電極
21…本体部
22…ガラス状炭素膜
30…カソード電極
31…本体部
32…ガラス状炭素膜
40…交流電源
50…ヒータ
60…プロセスガス
100…基板
200…搭載面
201…基板取り付け板
202…固定板
301…溝
302…ディンプル
303…貫通孔

Claims (4)

  1. チャンバーと、
    成膜処理対象の基板が搭載される搭載面を有し、前記チャンバー内に配置されたアノード電極と、
    前記チャンバー内で前記搭載面と対向するように配置され、前記搭載面に対向する主面に形成された凹部又は前記基板にそれぞれ対向する2つの主面にそれぞれ開口部を有する貫通孔を有し、前記アノード電極との間にホローカソード放電を生じさせ、少なくとも表面の一部として前記凹部の表面又は前記貫通孔の内壁の表面がガラス状炭素で被覆された炭素材料からなるホローカソード電極と、
    前記アノード電極と前記カソード電極間に交流電力を供給して、前記アノード電極と前記カソード電極間においてプロセスガスをプラズマ状態にする交流電源とを備えることを特徴とするプラズマCVD成膜装置。
  2. 前記アノード電極が、炭素材料の表面を前記ガラス状炭素で被覆された構造であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD成膜装置。
  3. 前記搭載面が鉛直方向に延伸し、前記基板が垂直に立てて保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマCVD成膜装置。
  4. 前記カソード電極と前記カソード電極に堆積する膜との密着性が悪くなるように、前記カソード電極が化学的不活性である表面を有する前記ガラス状炭素で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD成膜装置。
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