JP5182136B2 - プラズマ処理装置用電極板構成体及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、シリコン単結晶からなる内側及び外側部材の背面に、表面にアルマイト処理されたアルミニウム等の金属からなる冷却板が設けられており、また、特許文献2では、シリコン電極板の背面に金属膜を介して冷却板が締結固定されている。
この要求を実現するために、プラズマエッチング中において電極板の中心部と外周部の温度を一定にすることが望ましいが、現状では、これら電極板の中心部と外周部の温度にばらつきがあり、エッチングの面内均一性を確保する障害になっていた。
電極板と冷却板との接触面を円錐面に形成したことにより、電極板及び冷却板の厚さが漸次変化することになり、半径方向の温度分布に急激な変化が生じることがなく、もって面内均一性をより向上させることができる。
また、本発明のプラズマ処理装置は、前記電極板構成体を取り付けてなるものである。
なお、電極板の中心部と外周部との厚さの差は、例えば外径が300mmに対して5mm程度とされる。
まず、この電極板構成体が用いられるプラズマ処理装置の実施形態としてプラズマエッチング装置について説明する。
このプラズマエッチング装置1は、図2の概略断面図に示されるように、真空チャンバー2内の上部に電極板3が設けられるとともに、下部に上下動可能な架台4が電極板3と相互間隔をおいて平行に設けられている。この場合、上部の電極板3は絶縁体5により真空チャンバー2の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台4の上には静電チャック6が設けられており、静電チャック6の上に支持リング7と共にウエハ8を載置するようになっている。また、真空チャンバー2の上部にはエッチングガス供給管9が設けられ、このエッチングガス供給管9から送られてきたエッチングガスは拡散部材10を経由した後電極板3に設けられた貫通孔11を通してウエハ8に向って流され、真空チャンバー2の側部の排出口12から外部に排出される構成とされている。一方、電極板3と架台4との間には高周波電源13により高周波電圧が印加されるようになっている。
また、ウエハ8の均一なエッチングを行う目的で、発生したプラズマをウエハ8の中心部に集中させ、外周部へ拡散するのを阻止して電極板3とウエハ8との間に均一なプラズマを発生させるために、通常、プラズマ発生領域16がシールドリング17で囲われた状態とされている。
図1(a)に示す第1実施形態の電極板構成体20においては、電極板3は、例えば300mmの外径に対して、直径100mmの範囲の中心部Cの厚さ(t1)が、外周部Dの厚さ(t2)に比べて小さく形成されている。この場合、この電極板3の前面は全体が平坦面に形成されるが、背面は中心部Cが平坦な円形状の凹部21とされている。一方、この電極板3の背面に固定される冷却板14は、電極板3とは逆に、中心部Cの厚さが外周部Dより大きく形成されており、この場合、冷却板14の背面は全体が平坦面に形成されるが、前面が、電極板3の背面の形状に対応して、中心部Cが平坦な円形の凸部22とされている。そして、電極板3の背面の凹部21に冷却板14の前面の凸部22が嵌合した状態で両者が緊密接触して電極板構成体20とされている。
なお、いずれの実施形態においても、電極板3,26の中心部と外周部との厚さの差(t2−t1)は、外径が300mmで外周部の厚さ(t2)が10mmの場合、5mmとされ、冷却板14,28は、中心部が外周部に比べて5mm厚く形成され、図1の実施形態では、これら電極板3,26と冷却板14,28とを合わせた電極板構成体20,25の全体の厚さは、中心部から外周部まで同じ厚さに設定される。
以下の説明では、「実施例1」が図1(a)に示すように電極板3の平坦な円形の凹部21に冷却板14の凸部22が嵌合した状態に接合した電極板構成体20、「実施例2」が図1(b)に示すように電極板26の凹状の円錐面27に冷却板28の凸状の円錐面29が嵌合した状態に接合した電極板構成体25、「比較例」は図3に示すように平坦な電極板32に平坦な冷却板33が接合した電極板構成体31である。
「実施例1」「実施例2」「比較例」とも以下の方法で製造した。まず、外径が300mmの単結晶シリコンインゴットをチョコラルスキー法(CZ法)により引き上げ,このインゴットをダイヤモンドバンドソーにより厚さ10mmに輪切り状に切断して単結晶シリコンの円板を作製した。この単結晶シリコンの円板に、貫通孔11となる内径0.5mmの細孔をピッチ8mmで形成した。この孔開け加工は、レーザを用いた非接触加工、又はダイヤモンドドリルを用いた機械加工のいずれでもよい。細孔の加工領域は、円板の中心から200mmの径の範囲とした。
その後、このように形成された電極板の上側片面に次のような加工を施した。すなわち、「実施例1」の電極板3については、中心部を直径100mmで、かつ深さ5mm(=t1)の凹状に形成し、外周部の厚さ10mm(=t2)に対して段差を設けた。また、「実施例2」の電極板26については、図1(b)に示されるように、中心の深さを5mm(つまり、残る厚さt1を5mm)とし、中心から周辺に向かって徐々に浅くなるように凹状の円錐面27を加工し、周縁部にて10mm(=t2)の厚さで残るようにした。このような凹状部分を形成する加工は、ダイヤモンドエンドミル等で実施される。一方、「比較例」の電極板32については、図3に示されるように、全体の厚さが10mmの平坦な円板をそのまま使用した。
アルミニウム板を旋盤により直径300mm、厚さ25mmに加工して円板状とした。そして、冷却板については、それぞれの電極板の背面の形状に対応して、その片面に、「実施例1」の冷却板14では、図1(a)に示すように中心部に円形の凸部22を形成し、「実施例2」の冷却板28では、図1(b)に示すように中心を頂点とする凸状の円錐面29を形成した。「比較例」の冷却板33は、図3に示すように、旋盤により加工した円板状のアルミニウム板をそのまま使用した。
また、各冷却板に、電極板の貫通孔11と同じ位置にドリル加工によって貫通孔15となる内径3mmの細孔を8mmのピッチで形成し、その後、表面をアルマイト処理した。
チャンバー内圧力:10-1Torr(13.33Pa)
エッチングガス組成:90sccmCHF3+4sccmO2+150sccmHe
高周波電力:2kW
周波数:20kHz
なお、sccmとは、standard cc/minの略であり、1atm(大気圧1013hPa)で、0℃あるいは25℃などの一定温度で規格化された1分間あたりの流量(cc)をいう。
また、このようなウエハ表面のSiO2層のエッチング深さも、最も深くエッチングされた部分と最も浅くエッチングされた部分との深さの差が実施例のものは小さく、エッチングの均一性が比較例よりも向上していることが確認された。
例えば、各実施例では、電極板の中心部の厚さを5mm、外周部を10mmとしたが、この寸法に限定されるものではない。ただし、電極板の背部へのプラズマの回り込みを防止するために、中心部の最も薄い部分の厚さを3mm以上とするのが好ましい。
また、電極板と冷却板とを合わせた全体の厚さは一定に設定したが、冷却板の中心部をさらに厚くするなど、各部の全体厚さを調整してもよい。
さらに、図1(a)に示す電極板では中央部と外周部との間に90°の段部が形成されるが、その段部の部分をテーパ状に形成してもよい。また、その段部を同心状に複数設けて段階的に厚さが変化するようにしてもよい。
2 真空チャンバ
3 電極板
11 貫通孔
13 高周波電源
14 冷却板
15 貫通孔
20 電極板構成体
21 凹部
22 凸部
25 電極板構成体
26 電極板
27 円錐面
28 冷却板
29 円錐面
Claims (3)
- プラズマ処理装置に用いられる電極板構成体であって、
高周波電圧が印加される電極板と、該電極板の背面に緊密接触状態に固定される冷却板とから構成され、前記電極板は中心部の厚さが外周部より小さく形成され、前記冷却板は、前記電極板の背面の形状に対応して中心部の厚さが外周部より大きく形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板構成体。 - 前記電極板の背面は凹状の円錐面に形成され、前記冷却板の前面は前記電極板の円錐面に対応した凸状の円錐面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置用電極板構成体。
- 請求項1又は請求項2に記載の電極板構成体を取り付けてなるプラズマ処理装置。
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2009
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