JP5144216B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
半導体装置の製造技術には、化学反応を利用して基板に薄膜を形成する化学的気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition )法が用いられる。CVD法としては、例えば反応系にプラズマ源を利用するプラズマCVD法や基板加熱を利用する熱CVD法が知られている。
プラズマCVD法や熱CVD法は、それぞれ基板をプラズマ空間に曝したり、あるいは基板を高温に加熱したりするため、基板や下地膜に電気的、熱的損傷を与え易い。また、プラズマCVD法や熱CVD法では、膜厚や膜質の均一性を得るためにプラズマ密度や基板温度に高い均一性を要求されることから、基板の大型化に対応し難い。そこで、半導体装置の製造技術では、従来から、上記問題を解決するため、加熱したタングステン等の触媒線に原料ガスを接触させて原料ガスを成膜種に分解する触媒CVD法が注目されている(例えば、特許文献1)。
触媒作用を成膜反応に利用する触媒CVD法は、触媒線の表面が化学反応の進行を担い、基板へのプラズマ照射や基板の高温加熱を要しないことから、基板や下地膜への電気的、熱的損傷を大幅に抑制できる。また、触媒CVD法は、触媒線を増量するだけで反応空間を拡張できるため、基板の大型化に対して比較的容易に対応できる。
特許第3780364号
CVD法を用いて連続的に成膜処理を実行する場合、成膜に関わる化学反応が成膜室内で繰り返されるため、成膜種の一部が成膜室の内部に堆積し続けてしまう。成膜室内に堆積する成膜残渣は、基板上に飛散してパーティクルを増加させたり、成膜プロセスの経時的な変動を招いたりする。そのため、CVD装置では、一般的に成膜室にハロゲン等の活性種を供給して成膜残渣を化学的に除去する、いわゆるクリーニングを定期的に実施しなければならない。
しかしながら、触媒CVDチャンバを用いてクリーニング処理を実施すると、触媒線とクリーニングガスとの反応により触媒線が侵食され続け、終には触媒線の断線によって触媒作用を失ってしまう。そして、侵食された触媒線を交換するためには成膜室を大気に開放しなければならず、触媒線を交換するたびに成膜室の真空度や温度等の成膜環境に大きな変動を招き、多大なメンテナンス時間を費やしてしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、メンテナンス時間を削減可能にして薄膜の生産性を向上した成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の成膜装置は、収容した基板に薄膜を成膜する成膜室を有した成膜装置であって、前記成膜室に成膜ガスとクリーニングガスとを選択的に供給するガス供給部と、前記成膜室に連結されて前記基板の一つの面方向に沿って延びる退避室と、前記退避室内に収容されて前記面方向に沿って移動可能なホルダと、前記ホルダに取付けられて前記面方向に沿って延びる触媒線と、前記ホルダを前記面方向に沿って往復移動させることに
よって、前記触媒線を前記成膜室と前記退避室とに選択的に配置するホルダ駆動部と、前記退避室と前記成膜室との間の連通路を開閉するバルブとを有し、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部が前記触媒線を前記成膜室へ移動させ、前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部が前記触媒線を前記退避室へ移動させるとともに、前記バルブが前記連通路を閉じることを要旨とする。
請求項1に記載の成膜装置は、成膜時の触媒線を成膜室に移動させ、かつ、クリーニング時の触媒線を隔離された退避室に移動させることから、クリーニングに伴う触媒線の劣化を確実に抑えられる。よって、本成膜装置は、触媒線の交換頻度を大幅に削減できる。また、本成膜装置は、クリーニングの条件選択において触媒線に関わる制約を除外できることから、クリーニング条件の選択範囲を拡張でき、ひいては成膜室のクリーニング時間を短縮できる。また、本成膜装置は、触媒線の移動方向を基板の面方向に限ることから、多方向への移動を経る場合に比べて、移動後における触媒線の位置に高い精度を得られ、触媒線の位置の調整時間を削減できる。この結果、本成膜装置は、各種のメンテナンス時間を削減させることによって薄膜の生産性を向上できる。
請求項2に記載の成膜装置は、請求項1に記載の成膜装置であって、前記ガス供給部を駆動して前記成膜ガスを供給する場合には、前記バルブを駆動して前記連通路を開けた後に前記ホルダ駆動部を駆動して前記退避室にある前記触媒線を前記成膜室に移動させ、前記ガス供給部を駆動して前記クリーニングガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部を駆動して前記成膜室にある前記触媒線を前記退避室に移動させた後に前記バルブを駆動して前記連通路を閉じる制御部を有することを要旨とする。
請求項2に記載の成膜装置は、制御部による各部の駆動によって成膜時の触媒線を成膜室に移動させ、かつ、クリーニング時の触媒線を退避室に移動させる。したがって、この成膜装置は、触媒線の劣化を確実に抑制できることから、薄膜の生産性を確実に向上できる。
請求項3に記載の成膜装置は、請求項1又は2に記載の成膜装置であって、前記退避室が、前記退避室の内部を開放して前記触媒線を取り出し可能にする扉を有することを要旨とする。
請求項3に記載の成膜装置は、隔離された退避室から触媒線を取出せることから、触媒線の交換時に成膜室の成膜環境を保持できる。したがって、この成膜装置は、触媒線の寿命を延長でき、かつ、成膜環境の復帰作業に伴うメンテナンス時間を削減できることから、薄膜の生産性をさらに向上できる。
請求項4に記載の成膜装置は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜装置であって、前記基板を立てた状態で支持するステージを有し、前記面方向は鉛直方向であることを要旨とする。
請求項4に記載の成膜装置は、鉛直方向に沿って延びる退避室を設けることから、基板の大型化、すなわち触媒線の大型化に伴う占有面積(フットプリント)の拡大を抑えられる。また、成膜室から剥がれ落ちる成膜残渣が鉛直方向へ飛散することから、基板の主面における成膜残渣の吸着確率を低減でき、これによりパーティクルの数量を低減させられる。したがって、この成膜装置は、薄膜の生産性をさらに向上でき、かつ、基板の大型化に伴う装置設計上の制約を大幅に軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
請求項5に記載の成膜装置は、請求項4に記載の成膜装置であって、前記ホルダは、複数の前記触媒線を鉛直方向下方に吊下げ、前記ホルダ駆動部は、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記各触媒線を鉛直方向下方に移動させることによって、前記基板の法線方向に前記各触媒線を配置させ、前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記各触媒線を鉛直方向上方へ移動させることによって前記各触媒線を前記退避室に配置させることを要旨とする。
請求項5に記載の成膜装置は、基板の法線方向に各触媒線を配置させることから、触媒線のサイズや数量を変更するだけで基板の大型化に対応できる。したがって、この成膜装置は、薄膜の生産性を向上でき、かつ、基板の大型化に伴う装置設計上の制約を大幅に軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
請求項6に記載の成膜装置は、請求項5に記載の成膜装置であって、前記ガス供給部は、前記基板に対向して前記成膜ガスを前記基板に向けて吹付けるシャワープレートを有し、前記退避室は、前記基板と前記シャワープレートとの間の鉛直方向上方に配設され、前記ホルダ駆動部は、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記触媒線を前記基板と前記シャワープレートとの間に配置させることを要旨とする。
請求項6の成膜装置によれば、シャワープレートから供給される成膜ガスが、触媒線を介して基板に到達する。よって、この成膜装置は、より高い反応効率の下で成膜ガスを利用できる。したがって、この成膜装置は、薄膜の生産性を向上でき、かつ、成膜処理に伴う装置設計上の制約を軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
請求項7に記載の成膜装置は、請求項6に記載の成膜装置であって、前記成膜室は、前記シャワープレートと排気口との間に前記基板を収容することを要旨とする。
請求項7に記載の成膜装置は、基板前方から供給される成膜ガスを基板後方に向けて排気することから、基板に対する成膜種の吸着効率を向上させられる。したがって、この成膜装置は、薄膜の生産性をさらに向上できる。
請求項8に記載の成膜装置は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の成膜装置であって、前記ガス供給部は、前記成膜室の内壁であって、成膜時における前記触媒線の近傍に向けて前記クリーニングガスを拡散させることを要旨とする。
請求項8に記載の成膜装置は、ガス供給部からのクリーニングガスを成膜量の多い領域に向けて拡散させることから、成膜室内の成膜残渣を効率的に除去できる。したがって、この成膜装置は、触媒線の寿命を延長でき、かつ、クリーニング効率を向上できることから、薄膜の生産性をさらに向上できる。
請求項9に記載の成膜方法は、基板に薄膜を成膜する成膜方法であって、成膜室に搬入した基板の一つの面方向に沿って触媒線を配置し、前記成膜室に供給する成膜ガスを前記触媒線と接触させることによって前記基板に前記薄膜を成膜する工程と、前記触媒線を前記面方向に沿って移動させて、前記成膜室に連結されて前記面方向に沿って延びる退避室に前記触媒線を退避させた後、前記成膜室と前記退避室との間のバルブを閉じて前記成膜室にクリーニングガスを供給することによって前記成膜室をクリーニングする工程とを有することを要旨とする。
請求項9に記載の成膜方法は、成膜時の触媒線を成膜室に移動させ、かつ、クリーニング時の触媒線を隔離された退避室に移動させることから、クリーニングに伴う触媒線の劣化を確実に抑えられる。よって、本成膜方法は、触媒線の交換頻度を大幅に削減できる。また、本成膜方法は、クリーニングの条件選択において触媒線に関わる制約を除外できる
ことから、クリーニング条件の選択範囲を拡張でき、ひいては成膜室のクリーニング時間を短縮できる。また、本成膜方法は、触媒線の移動方向を基板の面方向に限ることから、多方向への移動を経る場合に比べて、移動後における触媒線の位置に高い精度を得られ、触媒線の位置の調整時間を削減できる。この結果、本成膜方法は、各種のメンテナンス時間を削減させることによって薄膜の生産性を向上できる。
上記したように、本発明によれば、メンテナンス時間を削減可能にして薄膜の生産性を向上した成膜装置及び成膜方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は、成膜装置としての半導体装置の製造装置10を模式的に示す平面図である。
(半導体装置の製造装置10)
図1において、半導体装置の製造装置10は、クラスター形式の製造装置であり、搬送チャンバ11には、基板Sを収容する2つのロードロックチャンバ(以下単に、LLチャンバ12という。)と、基板Sに成膜処理を施すための複数の触媒CVDチャンバ13とが連結されている。
搬送チャンバ11は、図示しない排気ラインに連結された真空チャンバであり、その内部には基板Sを搬送するための搬送ロボット14を搭載する。搬送ロボット14は、LLチャンバ12と各触媒CVDチャンバ13との間において、基板Sの主面Saを水平にした状態で基板Sを搬送する。なお、基板Sの主面Saとは、基板Sの一つの側面であって、成膜処理における下地となる側面である。以下、主面Saの面方向を基板Sの面方向という。
各LLチャンバ12は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連結され、ゲートバルブGV1が開くときに搬送チャンバ11と連通し、ゲートバルブGV1が閉じるときに搬送チャンバ11から隔絶される。各LLチャンバ12は、それぞれ成膜処理前の基板Sを一旦収容し、該基板Sを搬送チャンバ11へ搬入可能にする。また、各LLチャンバ12は、搬送チャンバ11から搬出された成膜処理後の基板Sを一旦収容し、該基板Sを外部へ移載可能にする。
各触媒CVDチャンバ13は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連通可能に連結された真空チャンバであり、触媒線を用いた成膜処理を実行する。各触媒CVDチャンバ13は、それぞれゲートバルブGV1を介して搬送チャンバ11に連結され、ゲートバルブGV1が開くときに搬送チャンバ11と連通し、ゲートバルブGV1が閉じるときに搬送チャンバ11から隔絶される。
(触媒CVDチャンバ13)
次に、触媒CVDチャンバ13について以下に説明する。図2(a)は触媒CVDチャンバ13を示す側断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。なお、以下では、搬送チャンバ11から触媒CVDチャンバへ向かう水平方向をY方向とし、鉛直方向上方をZ方向、これらY方向及びZ方向と直交する方向をX方向という。
図2(a)において、成膜室21の下側には、ターボ分子ポンプ等からなる第一排気部22が搭載されている。第一排気部22は、成膜室21におけるY方向の反対方向(反Y方向)に配設され、所定の駆動信号に基づいて成膜室21の排気動作を実行し、該駆動信号に応じた排気速度で成膜室21を減圧する。成膜室21の内部にある気体は、第一排気部22の排気作用を受け、反Y方向に向かって流動する。
成膜室21におけるY方向の外側には、ガス供給系23が連結されている。ガス供給系23は、成膜ガスを供給するためのマスフローコントローラや供給バルブ等からなる成膜ガス供給部24と、クリーニングガスを供給するためのマスフローコントローラや供給バルブ等からなるクリーニングガス供給部25と、クリーニングガス供給部25と成膜室21との間に設けられたリモートプラズマ源26とを有する。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、成膜ガス供給部24は、成膜ガスを供給するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた流量で成膜ガスを成膜室21に供給する。また、触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、クリーニングガス供給部25は、クリーニングガスを供給するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた流量でクリーニングガスをリモートプラズマ源26に供給する。リモートプラズマ源26は、プラズマを生成するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた電力でクリーニングガスをプラズマ化し、活性化したクリーニングガスを成膜室21に供給する。
成膜室21におけるY方向の内側には、成膜ガス供給部24に連結されてXZ平面に沿って広がる円盤状のシャワープレート27が取付けられている。シャワープレート27の中央部には、リモートプラズマ源26に連通する円形孔(以下単に、クリーニングポート27aという。)が形成され、そのクリーニングポート27aには、クリーニングポート27aの反Y方向を遮蔽するコマ状の遮蔽部材27bが配設されている。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、シャワープレート27は、成膜ガス供給部24からの成膜ガスをXZ方向に拡散させて成膜室21の内部に導入する。シャワープレート27から導入された成膜ガスは、第一排気部22の排気動作に従って、シャワープレート27から第一排気部22へ、すなわち反Y方向へ拡散する。
触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、クリーニングポート27aは、クリーニングガス供給部25からのクリーニングガスを成膜室21の内部に導入する。遮蔽部材27bは、クリーニングポート27aから導入されるクリーニングガスのY方向への拡散を遮蔽し、該クリーニングガスを成膜室21の内側壁に向けて拡散させる。
なお、成膜処理としてシリコン膜を成膜する場合には、成膜ガスにシラン(SiH)と水素(H)を用いることができ、シリコン窒化膜を形成する場合には、シランとアンモニア(NH)を用いることができる。また、シリコン酸化窒化膜を形成する場合には、成膜ガスにシランと亜酸化窒素(NO)を用いることができる。また、クリーニング処理としてシリコン膜を除去する場合ガスには、クリーニングガスに例えば三フッ化窒素(NF)と窒素(N)とアルゴン(Ar)とからなる混合ガスを用いることができる。
成膜室21の内部には、基板Sを支持するステージとしての静電チャック28と、静電チャック28を回動するための回動機構29とを有する。静電チャック28は、搬送チャンバ11から搬入される基板Sを受けて該基板Sを静電気的に吸着するとともに、吸着した基板Sの温度を室温に維持する。
回動機構29は、X方向に沿って延びる回動軸Aを有し、静電チャック28を搬送位置と処理位置との間で回動する。搬送位置とは、図2(a)における二点鎖線位置であって、基板Sの面方向と水平方向とを平行にする位置である。処理位置とは、図2(a)における実線位置であって、基板Sの面方向と鉛直方向とを平行にする位置である。回動機構29は、所定の駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた位置へ静電チャック28
を回動する。
触媒CVDチャンバ13が基板Sを搬入するとき、回動機構29は、搬送位置を選択するための駆動信号に基づいて静電チャック28を搬送位置へ回動し、基板Sの面方向と水平方向とを平行にした状態で基板Sを静電チャック28に吸着させる。また、触媒CVDチャンバ13が基板Sを搬出するとき、回動機構29は、搬送位置を選択するための駆動信号を受けて静電チャック28を搬送位置へ回動し、基板Sの面方向と水平方向とを平行にした状態で基板Sの吸着を解除させる。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、すなわち、ガス供給系23が成膜室21に成膜ガスを供給するとき、回動機構29は、処理位置を選択するための駆動信号に基づいて静電チャック28を処理位置へ回動し、基板Sの面方向と鉛直方向とを平行にした状態で主面Saとシャワープレート27とを対向させる。また、触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、すなわち、ガス供給系23が成膜室21にクリーニングガスを供給するとき、回動機構29は、処理位置を選択するための駆動信号に基づいて静電チャック28を処理位置へ回動する。
図2(a)、(b)において、成膜室21の上側面には、シャワープレート27と静電チャック28との間に向かって成膜室21を貫通する貫通孔(以下単に、挿通孔21aという。)が、成膜室21のX方向の略全幅にわたり形成されている。また、成膜室21の上側には、この挿通孔21aを覆う退避室31が連結されている。
退避室31は、Z方向に沿って延びる箱体状に形成され、そのY方向の側面には、扉31aが開閉可能に取付けられている。退避室31の扉31aは、閉位置にあるときに退避室31を密閉し、開位置にあるときに退避室31の内部を開放して退避室31の内部メンテナンスを可能にする。
退避室31は、ターボ分子ポンプ等からなる第二排気部32を搭載している。第二排気部32は、退避室31を減圧するための駆動信号に基づいて退避室31の排気動作を実行し、該駆動信号に応じた排気速度によって退避室31を減圧する。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、第二排気部32は、退避室31を減圧するための駆動信号に基づいて退避室31の内部圧力を成膜室21の内部圧力よりも低くし、これによって退避室31の内部における成膜ガスの滞在時間を短くする。触媒CVDチャンバ13が退避室31の内部メンテナンスを実行するとき、第二排気部32は所定の制御信号に基づいて排気動作を停止し、これによって退避室31を大気圧へ昇圧可能にする。
退避室31と成膜室21との間には、ゲートバルブGV2が取付けられている。ゲートバルブGV2は、成膜室21と退避室31との間の連通路、すなわち挿通孔21aを開閉する弁体を有している。ゲートバルブGV2は、弁体を開位置に移動させるための駆動信号に基づいて弁体を開位置に移動させ、退避室31と成膜室21との間を連通させる。また、ゲートバルブGV2は、弁体を閉位置に移動させるための駆動信号に基づいて弁体を閉位置に移動させ、退避室31を成膜室21から隔絶させる。
退避室31の内部には、X方向に延びるホルダ33がZ方向に沿って往復移動可能に収容され、ホルダ33の下側には、反Z方向に延びる複数の触媒線35がホルダ33のX方向の略全幅にわたり配列されている。各触媒線35は、それぞれタングステン等からなる線材であり、Y方向から見てU字状に折り曲げられている。各触媒線35は、それぞれ挿通孔21aを介してホルダ33に吊下げられ、成膜室21と退避室31との間を移動可能
にする。各触媒線35は、それぞれ成膜温度に昇温するための駆動信号に基づいて駆動し、該駆動信号に応じた熱量を発生することによって触媒作用を発現する。
ホルダ33は、ホルダ駆動部としての昇降機構34に連結されている。昇降機構34は、所定の駆動信号を受けて駆動し、該駆動信号に応じた位置へホルダ33を昇降させる、すなわち各触媒線35を成膜位置あるいは退避位置へ移動させる。なお、成膜位置とは、図2(a)における実線位置(最下位置)であって、ホルダ33と成膜室21の上側面とが当接する位置である。退避位置とは、図2(a)における二点鎖線位置(最上位置)であって、各触媒線35をゲートバルブGV2の上方に配置させる位置である。
触媒CVDチャンバ13が成膜処理を実行するとき、昇降機構34は、成膜位置を選択するための駆動信号を受けて各触媒線35をそれぞれ成膜位置へ移動させ、基板Sとシャワープレート27との間に各触媒線35を配置する。触媒CVDチャンバ13がクリーニング処理を実行するとき、あるいは退避室31の内部メンテナンスを実行するとき、昇降機構34は、退避位置を選択するための駆動信号を受けて各触媒線35をそれぞれ退避位置へ移動させ、成膜室21から隔絶された退避室31の内部に各触媒線35を退避させる。
次に、触媒CVDチャンバ13の電気的構成について以下に説明する。図3及び図4は、それぞれ触媒CVDチャンバ13の電気的構成を示すブロック回路図である。図3及び図4において、各構成要素を接続する一点鎖線は、電気的な接続であって、制御部40が各種駆動信号を出力するための接続を示し、各構成要素を接続する破線は、電気的な接続であって、制御部40が駆動信号を出力しない接続を示す。
図3及び図4において、制御部40は、触媒CVDチャンバ13に成膜処理、クリーニング処理、及び退避室31の内部メンテナンスを実行させるものである。制御部40は、各種演算処理を実行するためのCPU等からなる演算部40Aと、各種データや各種制御プログラムを格納するための記憶部40Bとを有する。制御部40は、記憶部に格納した成膜プログラム、クリーニングプログラム、及びメンテナンスプログラム、及び各種データを読み出し、それぞれ成膜プログラム、クリーニングプログラム、及びメンテナンスプログラムに従って各種処理を実行させる。
制御部40は、各種プログラムに従って第一排気部22に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を第一排気部22へ出力する。第一排気部22は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた排気速度で成膜室21を減圧する。
制御部40は、各種プログラムに従って成膜ガス供給部24、クリーニングガス供給部25、及びリモートプラズマ源26に対応する各駆動信号を生成し、該各駆動信号をそれぞれ成膜ガス供給部24、クリーニングガス供給部25、及びリモートプラズマ源26へ出力する。成膜ガス供給部24は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた流量で成膜ガスを供給する。クリーニングガス供給部25は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた流量でクリーニングガスを供給する。リモートプラズマ源26は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた電力でクリーニングガスをプラズマ化する。
制御部40は、各種プログラムに従って回動機構29に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を回動機構29へ出力する。回動機構29は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された搬送位置あるいは処理位置へ静電チャック28を移動させる。
制御部40は、各種プログラムに従って第二排気部32に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を第二排気部32へ出力する。第二排気部32は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた排気速度で退避室31を減圧する。制御部40は、各種プログラムに従ってゲートバルブGV2に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号をゲートバルブGV2へ出力する。ゲートバルブGV2は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された開位置あるいは閉位置へ弁体を移動させる。
制御部40は、各種プログラムに従って昇降機構34に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を昇降機構34に出力する。昇降機構34は、制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号によって選択された成膜位置あるいは退避位置へ各触媒線35を移動させる。制御部40は、各種プログラムに従って各触媒線35に対応する駆動信号を生成し、該駆動信号を各触媒線35に出力する。各触媒線35は、それぞれ制御部40からの駆動信号に応答して駆動し、該駆動信号に応じた電力で所定温度に昇温する。
次に、触媒CVDチャンバ13を用いて薄膜を成膜する成膜方法について以下に説明する。
図3において、制御部40は、第一排気部22及び第二排気部32を駆動して成膜室21及び退避室31を所定圧力に減圧する。次いで、制御部40は、静電チャック28及び触媒線35を初期位置、すなわち搬送位置及び退避位置に配置し、ゲートバルブGV2を閉じる。
制御部40は、静電チャック28及び触媒線35を初期位置に配置すると、基板Sを静電チャック28に吸着させ、その後、回動機構29を駆動して静電チャック28を処理位置へ回動させる。また、制御部40は、各触媒線35にそれぞれ電力を供給して各触媒線35を所定温度にセットする。
制御部40は、各触媒線35をそれぞれ所定温度にセットすると、ゲートバルブGV2を開けた後、昇降機構34を駆動して各触媒線35をそれぞれ成膜位置へ移動させる。制御部40は、各触媒線35をそれぞれ成膜位置へ配置させると、成膜ガス供給部24を駆動して成膜室21に成膜ガスを導入する。成膜室21に導入された成膜ガスは、シャワープレート27から主面Saに向かって拡散する間、加熱された触媒線35と接触し、触媒線35の触媒作用を受けて成膜種に分解される。触媒線35によって生成された成膜種の一部は、室温に保持された基板Sの主面Saに堆積して薄膜を形成する。また、触媒線35によって生成された成膜種の一部は、成膜室21の内側面、特に触媒線35の近傍(以下単に、残渣領域DAという。)に堆積して成膜残渣RDを形成する。
この際、成膜位置の触媒線35がシャワープレート27と第一排気部22との間に配置されることから、シャワープレート27からの成膜ガスは触媒線35との接触確率、すなわち成膜種への反応効率を向上できる。また、成膜室21に導入された成膜ガスは、成膜室21と退避室31との間の差圧に応じ、挿通孔21aを介して退避室31に流入する。退避室31にある触媒線35の一部は、ホルダ33との結合部で温度を著しく低くする。触媒線35の低温部は、成膜ガスに長時間曝されると、成膜ガスとの反応によって腐食してしまう。退避室31の圧力は、触媒線35の低温部と成膜ガスとの間の接触確率を十分に低くすべく、成膜室21の圧力よりも低く設定されている。この結果、触媒線35の低温部は、成膜ガスとの反応を回避できることから、その劣化を抑えられる。
制御部40は、基板Sに薄膜を形成すると、成膜ガス供給部24に成膜ガスの供給を停止させ、回動機構29を駆動して静電チャック28を搬送位置へ回動させる。そして、制御部40は、静電チャック28に基板Sの吸着を解除させ、静電チャック28の上にある
基板Sを搬送ロボット14に搬出させて成膜処理を終了する。以後同様に、制御部40は、複数の基板Sに対して上記成膜処理を繰り返し実行する。
図4において、制御部40は、基板Sの処理枚数が所定枚数に到達すると、成膜室21のクリーニング処理を開始する。すなわち、制御部40は、回動機構29を駆動して静電チャック28を再び処理位置へ回動させる。次いで、制御部40は、昇降機構34を駆動して各触媒線35をそれぞれ退避位置へ移動させる。制御部40は、各触媒線35をそれぞれ退避位置へ配置させると、ゲートバルブGV2を閉じて各触媒線35への電力供給を停止する。
制御部40は、各触媒線35をそれぞれ隔絶した退避室31に退避させると、クリーニングガス供給部25及びリモートプラズマ源26を駆動して成膜室21に活性化したクリーニングガスを導入する。成膜室21に導入されたクリーニングガスは、クリーニングポート27aを通過し、反Y方向への流動が遮蔽部材27bによって遮蔽され、図4の実線矢印で示すように、成膜室21の内側面に向けて拡散する。活性化したクリーニングガスは、成膜室21の内側面に堆積した残渣と反応し、蒸発可能な反応生成物を生成して内側面に堆積した成膜種を排気させる。
この際、退避室31が成膜室21と隔絶されていることから、各触媒線35は活性化したクリーニングガスとの接触を確実に回避でき、その劣化を十分に抑制できる。よって、触媒CVDチャンバ13は、各触媒線35の劣化を抑制できる分だけ、触媒線35の交換頻度を大幅に削減できる。
また、各触媒線35が隔絶された退避室31にあることから、クリーニング条件の選択範囲は、触媒線35の腐食に関わる制約を全く受けない。そのため、クリーニング処理では、クリーニング時の圧力を高くしたり、クリーニングガスの流量を高くしたりすることによって、クリーニングの速度を十分に加速できる。また、遮蔽部材27bによって遮蔽されたクリーニングガスが残渣領域DAに向けて拡散することから、残渣領域DAに堆積した成膜残渣RDが効率的に排気される。よって、触媒CVDチャンバ13は、成膜室21におけるクリーニング効率を向上できることから、クリーニングに関わるメンテナンス時間を短縮できる。
制御部40は、クリーニングの開始から所定時間だけ経過すると、リモートプラズマ源26への電力供給を停止させ、クリーニングガス供給部25にクリーニングガスの供給を停止させる。これによって、制御部40は、成膜室21のクリーニング処理を終了する。
制御部40は、クリーニング処理を終了して成膜処理を再び開始するとき、回動機構29を駆動して静電チャック28を搬送位置へ回動させ、基板Sを静電チャック28に吸着させる。次いで、制御部40は、回動機構29を駆動して静電チャック28を処理位置へ回動させ、各触媒線35にそれぞれ電力を供給して各触媒線35を所定温度にセットする。そして、制御部40は、各触媒線35をそれぞれ所定温度にセットすると、ゲートバルブGV2を開けた後、昇降機構34を駆動して再び各触媒線35をそれぞれ成膜位置へ移動させる。
この際、各触媒線35の移動方向が鉛直方向に限られることから、各触媒線35は、多方向への移動、例えば鉛直方向への移動と水平方向への移動との組合せを経る場合に比べて、触媒線35の位置に高い精度を得られる。よって、触媒CVDチャンバ13は、触媒線35の移動の前後における位置調整を省略できる分だけ、触媒線35に関わるメンテナンス時間を削減できる。
制御部40は、基板Sの処理枚数が所定枚数に到達し、各触媒線35を交換するとき、回動機構29を駆動して静電チャック28を再び処理位置へ回動させる。次いで、制御部40は、昇降機構34を駆動して各触媒線35をそれぞれ退避位置へ移動させる。制御部40は、各触媒線35をそれぞれ退避位置へ配置させると、ゲートバルブGV2を閉じて各触媒線35への電力供給を停止する。
制御部40は、各触媒線35をそれぞれ隔絶した退避室31に退避させると、第二排気部32に排気動作を停止させ、窒素等のベントガスを退避室31に供給することによって退避室31を大気圧へ昇圧する。そして、制御部40は、退避室31の扉31aを閉位置から開位置へ移動させることによって、退避室31の内部を開放し、退避室31の内部メンテナンス、すなわち各触媒線35の交換作業を可能にする。
この際、退避室31が成膜室21と隔絶されていることから、成膜室21の内部環境は成膜処理後の状態を維持し続ける。よって、触媒CVDチャンバ13は、成膜環境を維持できる分だけ、成膜環境の復帰作業に伴うメンテナンス時間を削減できる。
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態において、触媒CVDチャンバ13は、成膜位置にある基板Sの面方向に沿って延びる退避室31を搭載し、退避室31に収容されたホルダ33を昇降させて各触媒線35をそれぞれ成膜室21と退避室31とに選択的に配置する。そして、成膜室21に成膜ガスを供給する場合には、各触媒線35をそれぞれ成膜室21へ移動させ、成膜室21にクリーニングガスを供給する場合には、各触媒線35をそれぞれ退避室31へ移動させ、ゲートバルブGV2を閉じる。
したがって、成膜時の触媒線35を成膜室21に移動させ、かつ、クリーニング時の触媒線35を隔離された退避室31に移動させることから、クリーニングに伴う触媒線35の劣化を確実に抑えられる。よって、触媒線35の交換頻度を大幅に削減できる。また、クリーニングの条件選択において触媒線35に関わる制約を除外できることから、クリーニング条件の選択範囲を拡張でき、ひいては成膜室21のクリーニング時間を短縮できる。さらに、触媒線35の移動方向を成膜位置にある基板Sの面方向に限ることから、多方向への移動を経る場合に比べて、移動後における触媒線35の位置に高い精度を得られ、触媒線35の位置の調整時間を削減できる。
この結果、触媒CVDチャンバ13は、各種のメンテナンス時間を削減させることによって薄膜の生産性を向上できる。
(2)上記実施形態においては、退避室31を鉛直方向に沿って延びる形状にすることから、基板Sの大型化、すなわち触媒線35の大型化に伴う装置占有面積(フットプリント)の拡大を抑えられる。また、成膜室21から剥がれ落ちる成膜残渣が鉛直方向へ飛散することから、基板Sの主面における成膜残渣の吸着確率を低減でき、これによりパーティクルの数量を低減させられる。したがって、触媒CVDチャンバ13は、薄膜の生産性をさらに向上でき、かつ、基板Sの大型化に伴う装置設計上の制約を大幅に軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
(3)上記実施形態において、各触媒線35の移動タイミングやゲートバルブGV2の開閉タイミングは、成膜ガスの供給タイミングやクリーニングガスの供給タイミングに応じて制御部40により制御される。したがって、触媒CVDチャンバ13は、触媒線35の劣化を確実に抑制できることから、薄膜の生産性を確実に向上できる。
(4)上記実施形態において、退避室31は、退避室31の内部を開放して触媒線35を取り出し可能にする扉31aを有する。したがって、隔離された退避室31から触媒線
35を取出せることから、触媒線35の交換時に成膜室21の成膜環境を保持できる。よって、触媒CVDチャンバ13は、触媒線35の寿命を延長でき、かつ、成膜環境の復帰作業に伴うメンテナンス時間を削減できることから、薄膜の生産性をさらに向上できる。
(5)上記実施形態において、触媒CVDチャンバ13は、基板Sの法線方向に各触媒線35を配置させることから、触媒線35のサイズや数量を変更するだけで基板Sの大型化に対応できる。よって、触媒CVDチャンバ13は、薄膜の生産性を向上でき、かつ、基板Sの大型化に伴う装置設計上の制約を大幅に軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
(6)上記実施形態において、シャワープレート27から供給される成膜ガスは、触媒線35を介して基板Sに到達する。したがって、触媒CVDチャンバ13、より高い反応効率の下で成膜ガスを利用できる。この結果、触媒CVDチャンバ13は、薄膜の生産性を向上でき、かつ、成膜処理に伴う装置設計上の制約を軽減できることから、その適用範囲をさらに拡大できる。
(7)上記実施形態において、成膜室21に収容された基板Sは、シャワープレート27と第一排気部22との間に配置される。したがって、触媒CVDチャンバ13は、基板Sの前方から供給される成膜ガスを基板Sの後方に向けて排気することから、基板Sに対する成膜種の吸着効率を向上させられる。よって、触媒CVDチャンバ13は、薄膜の生産性をさらに向上できる。
(8)上記実施形態において、クリーニングポート27aから導入されたクリーニングガスは、反Y方向への拡散を遮蔽部材27bによって遮蔽され、残渣領域DAに向けて拡散する。したがって、触媒CVDチャンバ13は、クリーニングガスを成膜量の多い領域に向けて拡散させることから、成膜室21内の成膜残渣RDを効率的に除去できる。よって、触媒CVDチャンバ13は、触媒線の寿命を延長でき、かつ、クリーニング効率を向上できることから、薄膜の生産性をさらに向上できる。
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、ステージを静電チャック28に具体化したが、これに限らず、ステージをクランプ式のステージに具体化しても良い。すなわち、本発明におけるステージは、基板Sを固定して該基板Sの面方向を鉛直方向に配置可能なステージであれば良い。
・上記実施形態において、クリーニング処理を実行するとき、静電チャック28は処理位置に位置する。これに限らず、例えば図5に示すように、クリーニング処理を実行するとき、静電チャック28は、搬送位置に位置する構成でも良い。
・上記実施形態において、クリーニング処理を実行するとき、クリーニングガス供給部25からのクリーニングガスは、リモートプラズマ源26によってプラズマ化される。これに限らず、例えば導電性のシャワープレート27に高周波電源41を接続し、クリーニング処理を実行するとき、クリーニングガス供給部25からのクリーニングガスは、高周波電源41からの高周波電力によってプラズマ化される構成であっても良い。
・上記実施形態において、成膜処理を実行するとき、退避室31の内部圧力は成膜室21の内部圧力よりも低くなる。これに限らず、成膜処理を実行するとき、退避室31の内部圧力が成膜室21の内部圧力よりも高くする構成であっても良い。
・上記実施形態において、制御部40は、クリーニング処理の間、触媒線35への電力を供給し続ける構成であっても良い。この構成によれば、触媒線35に与える熱収縮の頻
度を低減できることから、触媒線35の機械的損傷を軽減させられる。
・上記実施形態において、触媒CVDチャンバ13は、成膜処理の間、退避室31に不活性ガスを導入する構成であっても良い。この構成によれば、退避室31に滞在する成膜ガスが不活性ガスのパージ効果によって効果的に排気されることから、触媒線35の化学的劣化を、さらに抑えられる。
・上記実施形態では、成膜装置を半導体装置の製造装置10に具体化したが、これに限らず、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置の製造装置、あるいは光電変換装置の製造装置に具体化しても良い。
半導体装置の製造装置を模式的に示す平面図。 (a)、(b)は、それぞれ触媒CVDチャンバを示す側断面図、正断面図。 触媒CVDチャンバの電気的構成を示すブロック回路図。 触媒CVDチャンバの電気的構成を示すブロック回路図。 変更例における触媒CVDチャンバの電気的構成を示すブロック回路図。
符号の説明
S…基板、10…成膜装置としての半導体装置の製造装置、21…成膜室、23…ガス供給部、27…シャワープレート、28…ステージ、31…退避室、33…ホルダ、35…触媒線、40…制御部。

Claims (9)

  1. 成膜室に収容した基板に薄膜を成膜する成膜装置であって、
    前記成膜室に成膜ガスとクリーニングガスとを選択的に供給するガス供給部と、
    前記成膜室に連結されて前記基板の一つの面方向に沿って延びる退避室と、
    前記退避室内に収容されて前記面方向に沿って移動可能なホルダと、
    前記ホルダに取付けられて前記面方向に沿って延びる触媒線と、
    前記ホルダを前記面方向に沿って往復移動させることによって、前記触媒線を前記成膜室と前記退避室とに選択的に配置するホルダ駆動部と、
    前記退避室と前記成膜室との間の連通路を開閉するバルブとを有し、
    前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部が前記触媒線を前記成膜室へ移動させ、
    前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部が前記触媒線を前記退避室へ移動させるとともに、前記バルブが前記連通路を閉じることを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置であって、
    前記ガス供給部を駆動して前記成膜ガスを供給する場合には、前記バルブを駆動して前記連通路を開けた後に前記ホルダ駆動部を駆動して前記退避室にある前記触媒線を前記成膜室に移動させ、前記ガス供給部を駆動して前記クリーニングガスを供給する場合には、前記ホルダ駆動部を駆動して前記成膜室にある前記触媒線を前記退避室に移動させた後に前記バルブを駆動して前記連通路を閉じる制御部を有することを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1又は2に記載の成膜装置であって、
    前記退避室は、前記退避室の内部を開放して前記触媒線を取り出し可能にする扉を有することを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記基板を立てた状態で支持するステージを有し、
    前記面方向は鉛直方向であることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項4に記載の成膜装置であって、
    前記ホルダは、複数の前記触媒線を鉛直方向下方に吊下げ、
    前記ホルダ駆動部は、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記各触媒線を鉛直方向下方に移動させることによって、前記基板の法線方向に前記各触媒線を配置させ、前記ガス供給部が前記クリーニングガスを供給する場合には、前記各触媒線を鉛直方向上方へ移動させることによって前記各触媒線を前記退避室に配置させることを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項5に記載の成膜装置であって、
    前記ガス供給部は、前記基板に対向して前記成膜ガスを前記基板に向けて吹付けるシャワープレートを有し、
    前記退避室は、前記基板と前記シャワープレートとの間の鉛直方向上方に配設され、
    前記ホルダ駆動部は、前記ガス供給部が前記成膜ガスを供給する場合には、前記触媒線を前記基板と前記シャワープレートとの間に配置させることを特徴とする成膜装置。
  7. 請求項6に記載の成膜装置であって、
    前記成膜室は、前記シャワープレートと排気口との間に前記基板を収容することを特徴とする成膜装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記ガス供給部は、前記成膜室の内壁であって、成膜時における前記触媒線の近傍に向けて前記クリーニングガスを拡散させることを特徴とする成膜装置。
  9. 成膜室に収容した基板に薄膜を成膜する成膜方法であって、
    前記基板の一つの面方向に沿って触媒線を配置し、前記成膜室に供給する成膜ガスを前記触媒線に接触させることによって前記基板に前記薄膜を成膜する工程と、
    前記触媒線を前記面方向に沿って移動させ、前記成膜室に連結されて前記面方向に沿って延びる退避室に前記触媒線を退避させた後、前記成膜室と前記退避室との間のバルブを閉じて前記成膜室にクリーニングガスを供給することによって前記成膜室をクリーニングする工程とを有すること、
    を特徴とする成膜方法。
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