JP3684013B2 - 半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置 - Google Patents

半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置に係る。より詳細には、成膜速度を高く維持しながら、プラズマ中に発生した微粒子(以下、パウダーとも呼ぶ)が基板表面に付着することを抑制できる、半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置に関する。
【0002】
特に、本発明に係る半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置は、ロールツーロール方式を用いた太陽電池等の光起電力素子を大量生産する装置として好適である。
【0003】
【従来の技術】
従来、アモルファスシリコン膜(以下a−Si膜と記す)等を用いた光起電力素子の作製する方法としては、一般的にはプラズマCVD法が広く用いられており、企業化されている。
【0004】
プラズマCVD法では、良質なi型アモルファス半導体層またはn型半導体層を形成するため、材料ガスであるシラン(SiH4)等に、バンドギャップ調整用のガスとしてCH4、GeH4等を適宜混合し、さらにこの混合ガスを水素(H2)で希釈(1倍ないし100倍程度)する方法が多用されている。また、高周波電力を低く投入して長寿命のラジカルを多数発生させ、表面反応を経て良質膜を得る方法も行われている。
【0005】
しかしながら、上記プラズマCVD法において堆積速度を上げるためには、必要なラジカルの大量供給と、構造緩和のための表面反応を促進することが必要である。このために基板温度を上げる等の処方が検討されていたが、P−I−N接合の形成に不利なことから、工業化へ応用するには適さない方法であった。
【0006】
また、堆積速度を上げる他の方法としては、原料ガスの分解を大量に行うため高周波電力の密度を上げる方法が挙げられる。しかしながら、高周波電力の密度が高い条件で分解生成されるラジカルにはSiH2等の活性なものが大量に含まれており、十分な構造緩和が得られない。その結果、良質な半導体膜が得られない。また、これらの活性なラジカルはクラスター状に成長しやすく、さらに成長すると微粒子(以下パウダーと呼ぶ)の発生原因となっている。その対策手段としては、例えば、高周波電力をパルス状に印加してパウダーの発生を抑制するとともに、プラズマを一旦停止することで発生したパウダーを堆積膜に取り込まれることなく排気する方法が試みられている。
【0007】
また、光起電力素子を電力需要を賄うものとして確立させるためには、光起電力素子が、高い光電変換効率、優れた特性安定性、及び、優れた大量生産性を合わせ持つことが基本的に要求される。
【0008】
そのためには、a−Si膜等を用いた光起電力素子の作製においては、電気的、光学的、光導電的又は機械的な特性、及び、繰り返し使用時の疲労特性又は使用環境特性などの向上を図る必要がある。また、大面積化、膜厚及び膜質の均一化を図りながら、しかも高速成膜によって再現性のある量産化を図る必要もある。
【0009】
光起電力素子については、その重要な構成要素である半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合等の半導体接合がなされている。a−Si等の薄膜半導体を用いる場合、ホスフィン(PH3),ジボラン(B26)等のドーパントとなる元素を含む原料ガスを主原料ガスであるシラン等に混合してグロー放電分解することにより所望の導電型を有する半導体膜が得られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順次積層作製することによって容易に前述の半導体接合が達成できることが知られている。そして、このようなa−Si系の光起電力素子を作製する場合、各半導体層を作製するための独立した成膜室を設け、成膜室ごとに各半導体層を作製する方法が提案されている。
【0010】
例えば、米国特許4,400,409号明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示されている。この装置によれば、複数のグロー放電領域を設け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板が前記各グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配置し、前記各グロー放電領域において必要とされる導電型の半導体層を堆積しつつ、前記基板をその長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有する素子を連続的に作製できることが記載されている。なお、該明細書では、各半導体層作製時に用いるドーパントガスが他のグロー放電領域ヘ拡散、混入するのを防止するため、ガスゲートを用いている。具体的には、前記各グロー放電領域同士を、スリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに該分離通路に例えばAr、H2等の掃気用ガスの流れを形成する手段が採用されている。
【0011】
また、良質膜を得る最近注目されている方法としては、容量結合型のプラズマCVD法において、カソード、アノード間に発生するセルフバイアスと、イオン種とを利用して、良質膜を形成する研究報告が挙げられる。この研究報告では、次に示す従来技術における2つの問題点を解決できる。
(1)従来技術の典型的な放電容器内構造では、基板を含む接地されたアノード電極全体の面積は、カソード電極の面積に比ベて非常に大きくなっている場合が多く、そのようなカソード電極では、投入される高周波電力のほとんどはカソード電極近傍で消費されてしまう。その結果、カソード電極近傍というある限られた部分のみにおいて材料ガスの励起、分解反応が活発となり、薄膜形成レートは高周波電力投入側すなわちカソード電極近傍でのみ大きくなってしまい、たとえ高周波電力を大きく投入していったとしても、アノード電極である基板側への高周波電力は十分に大きく投入されることはなく、所望のとおりの高い堆積速度でもって良質なアモルファス半導体薄膜を得ることは誠に困難なことであった。
(2)従来技術の典型的な放電容器内構造、すなわち基板を含む接地されたアノード電極全体の面積がカソード電極の面積に比ベて非常に大きな構造の放電容器において、直流(DC)電源等を用いてカソード電極ヘ正の電位(バイアス)を印加する手法も行われてはいるが、このような系では直流電源という2次的な手段を用いている結果、プラズマ放電に直流電流が流れてしまう系である。その結果、直流電圧バイアスを大きくしていくとスパーク等の異常放電が起こってしまい、これを抑制し安定な放電を維持することが非常に困難であった。したがって、プラズマ放電に直流電圧を印加することの効果が有効かどうか不鮮明であった。これは、直流電圧と直流電流とを分離できていない系であることに起因する。すなわち、プラズマ放電に対して効果的に直流電圧だけを印加する手段が望まれていた。
【0012】
しかしながら、上記研究報告にある技術を採用した場合でも、高速堆積条件下では、依然としてパウダーが成膜空間で発生し、堆積中の半導体薄膜に取り込まれるため、半導体薄膜の膜質に悪影響を与えるという問題点は解決されていなかった。
【0013】
このパウダー発生を抑え、堆積中の半導体薄膜にパウダーが取り込まれない技術を開発することが、より高い品質の半導体薄膜を作製する上で不可欠である。特に、光起電力素子を構成するp型半導体層やn型半導体層は、素子特性の観点からその層厚が高々数百オングストロームと非常に薄く設定される場合が多い。したがって、光起電力素子、とりわけ積層型光起電力素子の形成時には、その層厚の均一性、膜の密着性、ドーパントのドーピング効率、特性の均一性、再現性が、素子の特性に影響するだけでなく、素子の歩留にも大きく影響することから、上記したパウダー発生を抑制し、堆積中の膜にパウダーが取り込まれないようにすることが大切である。
【0014】
ゆえに、空間的にも時間的にも均一でかつ再現性よくa−Si薄膜等の半導体薄膜を得るためには、長時間にわたってなお一層の放電安定性を向上させ、再現性を向上させ、均一性を向上させた形成方法および装置が要求される。さらに装置のスループットを向上させ、コストダウンを図ろうとする場合、半導体薄膜の品質を維持したまま、堆積速度を大きくすることが可能である形成方法および装置が要求される。
【0015】
そして、先に述ベた高い堆積速度の作製条件下の場合は特に、パウダーの発生を抑制し高品質のアモルファス半導体薄膜を形成する手段の開発が待ち望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成膜速度を高く維持しながら、プラズマ中に発生したパウダーが基板表面に付着することを抑制できる、半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置を提供することを目的とする。また、この作製装置を用いることで、堆積中の膜に取り込まれるパウダー量が低減するため、光劣化特性に優れたアモルファス半導体薄膜の形成が可能となり、特性の均一性に優れ、欠陥の少ない光起電力素子を大量生産することを可能ならしめることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来技術における問題点を解決し、上記目的を達成すべく、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果完成に至ったものである。
【0018】
即ち本発明は、
(1)プラズマ放電空間に、高周波電力が印加されるカソード電極と、接地電位にある部材及びアノード電極とを有し、前記プラズマ放電空間における前記カソード電極の表面積が、前記プラズマ放電空間における前記部材及び前記アノード電極の表面積の和よりも大きく、グロー放電生起時における前記カソード電極の電位(以下、自己バイアスと呼ぶ)が、前記接地電位にある部材及びアノード電極に対して正電位を維持することができ、かつ、前記カソード電極の一部を構成するしきり状電極の形状が、前記しきり状電極に流れる材料ガスの流れを妨げないフィン状もしくはブロック状である、構造からなる前記カソード電極を有する半導体薄膜の作製装置であって、前記プラズマ放電空間にパルス状のプラズマを発生するため、前記カソード電極に対して高周波電力をパルス状に印加することを特徴とする半導体薄膜の作製装置である。
【0019】
さらにこれを連続生産装置に適用した発展型として、
(2)帯状部材が複数の連結してなる真空容器内を連続的に通過する時、プラズマCVD法により、前記帯状部材の表面に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光起電力素子の作製装置において、前記光起電力素子の構成層となる半導体薄膜を作製する容量結合型のプラズマ放電空間に、高周波電力が印加されるカソード電極と、接地電位にある帯状部材及びアノード電極とを有し、前記プラズマ放電空間における前記カソード電極の表面積が、前記プラズマ放電空間における前記帯状部材及び前記アノード電極の表面積の和よりも大きく、グロー放電生起時における前記カソード電極の電位(以下、自己バイアスと呼ぶ)が、前記接地電位にある帯状部材及びアノード電極に対して正電位を維持することができ、かつ、前記カソード電極の一部を構成するしきり状電極の形状が、前記帯状部材の搬送方向に流れる材料ガスの流れを妨げないフィン状もしくはブロック状である、構造からなる前記カソード電極を有する光起電力素子の作製装置であって、前記プラズマ放電空間にパルス状のプラズマを発生するため、前記カソード電極に対して高周波電力をパルス状に印加することを特徴とし、これにより高速堆積条件下においてもパウダーの堆積膜ヘの取り込みを抑制する光起電力素子の作製装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導体薄膜の作製装置では、カソード電極近傍というある限られた部分のみにおいて材料ガスの励起、分解反応が促進されることなく、放電空間全体、どちらかといえば端状部材を含むアノード電極側において上述の材料ガスの励起、分解反応を促進し、比較的高い堆積速度をもってして、該帯状部材上ヘ効率よく薄膜を堆積させ得ることができる。すなわち、カソードヘ投入される高周波電力量をうまく調整し、投入される高周波電力より有効に利用して放電空間内に導入される材料ガスを効率的に励起、分解し、しかも高品位な非単結晶半導体薄膜を該帯状部材上へ均一で再現性よく比較的高い堆積速度でもって形成することが可能である。
【0021】
本発明の作製装置において、カソード電極の材料としては、ステンレスおよびその合金、アルミニウムおよびその合金等が考えられるが、その他に、導電性性質をもった材質であれば特にこれらに限った材質である必要はない。アノード電極材料に関しても同様である。
【0022】
本発明に係る光起電力素子の作製装置では、帯状部材を長手方向に連続的に移動せしめながら光起電力素子の成膜空間を順次通過させ、光起電力素子を連続的に作製する装置において、さらには複数の光起電力素子の成膜空間を順次通過させ、積層型光起電力素子を連続的に作製する装置において、グロー放電空間内に設置されたカソード電極の電位(自己バイアス)が、前記帯状部材を含む接地(アノード)電極に対して正電位を維持し得る構造を有し、なおかつ、フィン状もしくはプロック状の形状をした前記しきり状電極は前記帯状部材の搬送方向に平行にもしくは垂直に複数設置され、前記しきり状電極各々の間隔は隣り合う前記しきり状電極の間における放電が生起維持するに充分な間隔を有するカソード構造をもつ装置である。
【0023】
本発明においては、プラズマ放電空間におけるカソード電極の表面積を、プラズマ放電空間における帯状部材及びアノード電極の表面積の和よりも大きくすることを特徴とし、さらにグロー放電を生起し半導体薄膜形成時のカソード電極の電位(自己バイアス)を、投入する高周波電力を調整することを併用することよって、正電位、より好ましくは+5V以上に維持した状態にて、半導体薄膜を堆積することを特徴とする装置である。
【0024】
さらに本発明においては、前記しきり状電極を前記帯状部材の搬送方向に複数設置し、前記しきり状電極各々の間隔は隣り合う前記しきり状電極の間における放電が生起維持するに充分な間隔を有することにより、カソード電極には比較的大きな正電位をセルフバイアスにて生起維持することが可能である。このことは、別途設けた直流(DC)電源等を用いたバイアス印加方法等とは異なり、スパーク等による異常放電の発生を抑制することができる。その結果、放電を安定して生起維持することが可能となり、なおかつ、正の自己バイアスが生起されたカソード電極の一部、すなわちしきり状電極の先端部が前記帯状部材に対して比較的近接していることから、生起された比較的大きな正電位を前記帯状部材状の堆積膜に対して、放電空間を介して効率良く安定してバイアス印加することが可能となる。これは、従来型の典型であるカソード電極面積がアノード(接地)電極面積に対して小さい平行平板型のカソード電極構造において、例えば単にカソード/基板間距離を短くする方法や直流電源を併用して直流電圧をカソードヘ印加する方法等とは明らかに異なるセルフバイアス電位であり、直流バイアス印加効果である。
【0025】
この正セルフバイアスは、プラズマ維持電力がなくなった場合でもしばらく電位を保持する特徴を有する。そして、ブラズマ放電内に存在する負電荷に帯電したクラスター、パウダー等の微粒子は、プラズマがなくなった瞬間にこの正電位に電位保持したカソードの仕切り板の方向へ効率良く加速される。この結果、クラスター、パウダー等の微粒子が、堆積途中の半導体薄膜に取り込まれる確率が大幅に低下する。さらに、このクラスター、パウダー等の微粒子を効率よく排気することが重要である。そのためには、放電空間に導入する材料ガスの流れる方向を、帯状部材の搬送方向と同一または反対の方向ヘ流し、この際、仕切り電極の形状がカソード面積を十分確保しながら、流れを妨げない構造とすることが重要である。
【0026】
本発明においては、容量結合型の放電装置であり、工業的に正弦波13.56MHzが好適に用いられる。基本周波数となる正弦波13.56MHzに対し、周期、及び波高値に変調をかけることで、パルス状のプラズマを放電空間に生起させることが可能である。図2(a)に示すように、例えば、正弦波13.56MHzに矩形波1Hz、オンオフ比20%を重畳すると放電空間には1秒間に1回のプラズマ放電が0.2秒間生起し、0.8秒間消滅する。この0.2秒間に発生した活性種の中で、特に活性なものが中心となりクラスター状やパウダー状に成長する。次の0.8秒間のプラズマ放電が中断した時、カソードの正電位残留効果で、負に帯電したクラスター、パウダー等の微粒子は帯状部材から離れる方向で加速される。そして、排気のながれを妨げないように配置してある仕切り電極の形状によって規定される流れに従って速やかに排気される。この結果、プラズマ中で成長する、半導体薄膜の特性を劣化させるパウダー、クラスター等の微粒子が膜中への取り込まれるのを軽減することが可能となる。
【0027】
このプラズマ中断に伴い、成膜に寄与する活性種の供給量が低下するため、成膜速度の低下、ガス利用率の低下が生じる。これらの低下を補う方法としては、変調波の波高値を上げること、即ち、瞬間的な高密度プラズマを生起することで材料ガス分解モル数を増加させ、かつ、分解の進行を制限する方法が挙げられる。例えば、SiH4の場合プラズマ中での分解の進行は、SiH3→SiH2→SiHと経時的に進行し、より化学的に活性な活性種に変質していくものと考えられる。そして、この変質した活性種が、パウダーの発生、成長につながると考えられる。
【0028】
瞬間的な高密度プラズマの形成が成膜速度の増加、材料ガスの利用率の向上をもたらし、そして、分解時間の制約がパウダーの発生を抑制しているものと考えられる。
【0029】
本発明において、材料ガスであるSiH4、H2、ドーピングガスを工業的に用いられる高周波電力の正弦波13.56MHzをパルス状に印加することでパルス状プラズマを生起し分解及び排気の間欠過程を実現することが可能である。
【0030】
また、本発明のパルス状プラズマは、正弦波の13.56ΜHzを時間的、及び、波高値を変調することで実現可能である。本発明においては、先に述ベた原料ガスの分解、排気過程を最適化するには、実験的に変調周波数を変化させその結果得られる半導体薄膜の所望の特性向上を確認することで、パルスプラズマの変調形状は適宜決定される。具体的には変調周波数0.1Hzから1MHzの範囲で適宜選択可能であり、好適には、1Hzから100kHzの範囲で選択される。また、正弦波の13.56MHzの波高値に対しては、正弦波の13.56MHzにかけるパルスの形状を正弦波、矩形波、三角波などで最適化され、これらの各条件は所望の半導体薄膜を形成するためのプラズマの条件を決定するのに適宜選択され得る。図2(b)は三角波で変調をかけた例、図2(c)は正弦波で、オン、オフ比20%で変調した例である。図2(d)はのこぎり波で、オン、オフ比30%で変調した例である。
【0031】
以上説明したように、本発明の作製装置では、プラズマの形成条件を時問的に変化させることで生成される活性種を最適化しプラズマを中断し、活性パウダーを排気することで高速堆積、ガス利用率向上、膜質向上が可能である。
【0032】
また、本発明の作製装置を用いることによって、数百メートルにもおよぶ帯状部材に半導体層を形成するといった長時間におよぶ成膜時間全体にわたって、均一で再現性が良い放電状態を維持制御し半導体層を形成することが可能となり、長尺の帯状部材の始端から終端までの全体にわたって、高速堆積で高品質で均一な半導体堆積膜を連続的にかつ収率良く形成可能となる。
【0033】
さらに本発明の作製装置を用いることは、光起電力素子のp型半導体層またはn型半導体層をマイクロクリスタルシリコン薄膜で実現する際にも有効であり、長時間にわたって放電安定性を向上させ、再現性を向上させ、均一性を向上させ、空間的にも時問的にも均一でかつ再現性よく高品質な半導体薄膜の実現が可能となる。
【0034】
さらに本発明の作製装置を用いることは、特に積層型光起電力素子において、極めて良好なpn接合を実現させることができ、より高品位な光起電力素子を再現性よく均一にかつ連続的に形成し得ることが可能となる。
さらに本発明の装置を用いることは、特にp型半導体層またはn型半導体層をマイクロクリスタルシリコン薄膜で形成する場合に、高品位な該薄膜層を比較的高い堆積速度で実現することが可能となり、装置のスループットを大幅に向上させることが可能となる。
【0035】
上述した本発明の光起電力素子を連続的に作製する装置を用いて、光起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに連続移動する帯状部材の搬送により高品質で優れた均一性を有する光起電力素子を作製することができる。
以下では、本発明に係る半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置に関して説明する。
【0036】
図1は、本発明の放電容器内の特徴を示した模式的断面図である。図3(c)に示したカソード電極例と同様の構造をもつカソード電極1002が、接地(アノード)電極1004上に絶縁ガイシ1009によって電気的に絶縁されて設置されている。また、該カソード電極上には、導電性帯状部材1000が不図示の複数のマグネットローラで支えられ、下に位置するカソード電極および上に位置するランプヒーター1005に物理的に接することなく矢印で示される方向ヘ移動するような構造である。材料ガスはガス導入管l007から導入され、帯状部材とカソード電極の間を通り排気口1006から不図示の真空ポンプによって排気される。カソード電極およびアノード電極材料としては、SUS316を用いた。
【0037】
図1において、1100は高周波13.56MHzの発振器、1101は変調用の発振器、1102は増幅器であり前記カソード電極1002に高周波ケーブルで電気的に接続されている。ここで高周波発振器1100から高周波13.56MHzを増幅器1102に導入し、変調用発振器1101にて出力波形を周期、オン、オフ比、波高値、及び波形を任意に制御することが可能である。
【0038】
高周波電力に変調をかけながら、生起されるグロー放電の放電領域は、カソード電極の一部であるところの複数接地されたしきり状電極1003どうしのすきまおよび帯状部材とカソード電極との間の空間であり、上部の該導電性帯状部材で閉じ込められた領域となる。
【0039】
このような構造の放電容器を用いた場合、帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率は、明らかに1よりも大きなものとなる。また、帯状部材1000とカソード電極の一部であるフィン状もしくはブロック状形状をしたしきり状電極1003との最近接距離(図中l1)は、5cm以下の範囲内とするのが効果的である。さらに、複数設置されたしきり状電極1003どうしの間隔は、放電が生起維持するに充分な間隔を有し、その適度な間隔(図中l2)が、3cm以上10cm以下の範囲内とするのが効果的である。
【0040】
一方、図4と図5は、一般的な従来型カソード電極の模式図である。この図から明らかなように、放電空間に接するカソード電極2002の表面積は、同じく放電空間に接する導電性帯状部材2000を含む接地されたアノード電極2004全体の表面積に比ベて小さい構造となる。すなわち、帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率は、明らかに1よりも小さなものとなる。
【0041】
本発明のカソード電極の形状は、これに限定されるものではなく、例えば、図3(a)〜図3(f)に模式的に示したカソード電極形状であっても構わない。いずれの場合においても、カソード電極材料としては、SUS316を用いた。
【0042】
図3(a)は、帯状部材の搬送方向に対して平行方向にしきり状電極を市方向の両端に2枚設けた構造の一例である。この両端のしきり状電極間は、材料ガスが通過できるような構造である。
【0043】
図3(b)及び図3(f)は、帯状部材の搬送方向に対して直角方向にしきり状電極を複数設けた構造の一例である。しきり状電極上には、材料ガスが通過できるような複数の通気孔1010を設けた構造である。この通気孔は、材料ガスが通過できる大きさを有し、かつカソード電極としての機能を損なわない構造であればよく、例えば、図3(c)に示すような構造例であってもよい。
【0044】
図3(d)は、帯状部材の搬送方向に対して直線的に平行方向にしきり状電極を複数設けた構造の一例である。
【0045】
図3(e)は、帯状部材の搬送方向に対して蛇行させ且つ平行にしきり状電極を複数設けた構造の一例である。
【0046】
上述した図3(a)〜図3(f)は、帯状部材の直角方向及び平行方向に複数設けたしきり状電極の断面形状を矩形型にした例である。しかし、ガスの流れ及びプラズマの局部的偏りを防げれば、しきり状電極の断面形状は矩形に限定されるものではない。しかも、上述した図3(a)〜図3(f)では、直線的な辺で構成された矩形型を示したが、不図示ではあるが曲線的な辺で構成された形状であっても構わない。要はカソード電極の表面積がアノード電極の表面積よりも大きくなるような形状で、且つ、ガスの流れを妨げない構造であれば良い。
【0047】
上述した本発明の作製装置を用いて、光起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに前述の諸要求を満たし、連続して移動する帯状部材上に、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を作製することができる。
【0048】
後述する実施例1では、図3(a)に示した形状で、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.1倍とした、カソード電極構造を有する形成容器を、図6に示したロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD法における第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器として用い、シングル型光起電力素子を製作した。
【0049】
以下では、図6を参照して、本発明に係るシングル型光起電力素子の製造装置について詳細に説明する。
(1)連結部
本発明において、前記帯状部材の送り出し及び巻き取り用真空容器と半導体膜作製用真空容器を分離独立させ、且つ、前記帯状部材をそれらの中を貫通させて連続的に搬送するには連結部は、ガスゲート手段が好適に用いられる。該ガスゲート手段の能力としては前記各容器間に生じる圧力差によって、相互に使用している半導体膜作製用原料ガス等の雰囲気を拡散させない能力を有することが必要である。
従って、その基本概念は米国特許第4,438,723号に開示されているガスゲート手段を採用することができるが、更にその能力は改善される必要がある。具体的には、最大106倍程度の圧力差に耐え得ることが必要であり、排気ポンプとしては排気能力の大きい油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースターポンプ等が好適に用いられる。また、ガスゲートの断面形状としてはスリット状又はこれに類似する形状であり、その全長及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせて、一般のコンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法カが計算、設計される。更に、分離能力を高めるためにゲートガスを併用することが好ましく、例えばAr、He、Ne、Kr、Xe、Rn等の希ガス又はH2等の半導体膜作製用希釈ガスが挙げられる。ゲートガス流量としてはガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポンプの能力等によって適宜決定されるが、例えば、ガスゲートのほぼ中央部に圧力の最大となるポイントを設ければ、ゲートガスはガスゲート中央部から両サイドの真空容器側ヘ流れ、両サイドの容器間での相互のガス拡散を最小限に抑えることができる。実際には、質量分析計を用いて拡散してくるガス量を測定したり、半導体膜の組成分析を行うことによって最適条件を決定する。
(2)帯状部材
本発明において好適に用いられる帯状部材の材質としては、半導体膜作製時に必要とされる温度において変形、歪みが少なく、所望の強度を有し、また、導電性を有するものであることが好ましく、具体的にはステンレススチール、アルミニウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその合金等の金属の薄板及びその複合体、及びそれらの表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2、Si34、Al23、ΑlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったもの。又、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂製シート又はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体または合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍金、蒸着、スパッタ、塗布等の方法で導電性処理を行ったものが挙げられる。
【0050】
また、前記帯状部材の厚さとしては、前記搬送手段による搬送時に作製される湾曲形状が維持される強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。具体的には、好ましくは0.01mm乃至5mm、より好ましくは0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至1mmであることが望ましいが、金属等の薄板を用いる場合、厚さを比較的薄くしても所望の強度が得られやすい。
【0051】
前記帯状部材の幅については、特に制限されることはなく、半導体膜作製手段、あるいはその容器等のサイズによって決定される。
【0052】
前記帯状部材の長さについては、特に制限されることはなく、ロール状に巻き取られる程度の長さであっても良く、長尺のものを溶接等によって更に長尺化したものであっても良い。
【0053】
前記帯状部材が金属等の電気導電性である場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合成樹脂等の電気絶縁性である場合には半導体膜の作製される鯛の表面にAl、Ag、Pt、Au、Ni、Ti、Mo、W、Fe、V、Cr、Cu、ステンレス、真ちゅう、ニクロム、SnO2、In23、ZnO、SnO2−In23(ITO)等のいわゆる金属単体又は合金、及ぴ透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッタ等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し用の電極を作製しておくことが望ましい。
【0054】
前記帯状部材が金属等の非透光性のものである場合、長波長光の基板表面上での反射率を向上させるための反射性導電膜を該帯状部材上に作製することが揃述のように好ましい。該反射性導電膜の材質として好適に用いられるものとしてAg、Al、Cr等が挙げられる。
【0055】
また、基板材質と半導体膜との間での構成元素の相互拡散を防止したり短絡防止用の緩衝層とする等の目的で金属層等を反射性導電膜として、前記基板上の半導体膜が堆製される側に設けることが好ましい。該緩衝層の材質として好適に用いられるものとして、ZnOが挙げられる。
【0056】
また、前記帯状部材が比較的透明であって、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電池とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の導電性薄膜をあらかじめ堆積作製しておくことが望ましい。
【0057】
また、前記帯状部材の表面性としてはいわゆる平滑面であっても、微小の凹凸面が有っても良い。微小の凹凸面とする場合には球状、円錐状、角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)は好ましくは500Å乃至5000Åとすることにより、該表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増大をもたらす。
(3)光起電力素子
図7は、本発明で作製される光起電力素子の構成を示す模式図である。
【0058】
同図に示す例は、帯状部材4001(104)、下部電極4003、第1の導電型層4004、i型層4005、第2の導電型層4006、上部電極4007、集電電極4008から構成されている。
【0059】
図8に示す例は、バンドギャップ及び/又は層厚の異なる3種の半導体層をi型層として用いた光起電力素子を3素子積層して構成された、いわゆるトリプル型光起電力素子であり、帯状部材5001(104)、下部電極5003、第1の導電型層5004、第1のi型層5005、第2の導電型層5006、第1の導電型層5007、第2のi型層5008、第2の導電型層5009、第lの導電型層5010、第3にi型層5011、第2の導電型層5012、上部電極5013、集電電極5014から構成されている。
【0060】
以下では、上記光起電力素子を構成する各層に関して説明する。
(3−1)第1及び第2の導電型層
本発明の光起電力素子における第1及び第2の導電型層に用いられる材料としては、周期律表第III族又は、V族の原子を1種または複数種から成る、非単結晶半導体が適す。また更に、光照射側の導電型層は、微結晶化した半導体が最適である。該微結晶の粒径は、好ましくは3nm〜20nmで有り、最適には3nm〜10nmである。
【0061】
第1又は第2の導電型層の導電型がn型の場合、第1又は第2の導電型層に含有される添加物としては、周期律表第III族の元素が適している。その中で特にリン(P)、窒素(N)、ひ素(As)、アンチモン(Sb)が最適である。
【0062】
第1又は第2の導電型層の導電型がp型の場合、第1又は第2の導電型層に含有される添加物としては、周期律表第V族元素が適している。その中で特にホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)が最適である。
【0063】
第1及び第2の導電型の層厚は、好ましくは1nm〜50nm、最適には3nm〜10nmである。
【0064】
更に、光照射側の導電型層での光吸収をより少なくするためには、i型層を構成する半導体のバンドギャップより大きなバンドギャップを有する半導体層を用いることが好ましい。例えば、i型層がアモルファスシリコンの場合に光照射岨側の導電型層に非単結晶炭化シリコンを用いるのが最適である。
(3−2)i型層
本発明の光起電力素子におけるi型層に用いられる半導体材料としては周期律表第IV族の原子を1種または、複数種から成る、Si,Ge、C、SiC、GeC、SiSn、GeSn、SnC等の半導体が挙げられる。III−V族化合物半導体として、GaAs、GaP、GaSb、InP、InAs、II−VI族化合物半導体としてZnSe、ZnS、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、I−III−VI族化合物半導体として、CuAlS2、CuAlSe2、CuAlTe2、CuInS2、CuInSe2、CuInTe2、CuGaAs2、CuGaSe2、CuGaTe、AgInSe2、AgInTe2、II−IV−V族化合物半導体としては、ZnSiP2、ZnGeAs2、CdSiAs2、CdSnP2、酸化物半導体として、Cu2O、TiO2、In23、SnO2、ZnO、CdO、Bi23、CdSnO4がそれぞれ挙げられる。
【0065】
【実施例】
以下では、本発明に係る半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置を用い、光起電力素子を形成し、得られた光起電力素子の諸特性を評価した。しかし、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0066】
(実施例1)
本例では、図6に示したロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置を用い、図7に示したシングルセル型の光起電力素子を作製した。その際、i型層を作製する真空容器のカソード電極の形状は、図3(a)に示した仕切り板形状とした。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。
【0067】
なお、第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0068】
図6の製造装置は、帯状部材101の送り出し及び巻き取り用の真空容器301及び302、第1の導電型層作製用真空容器601、i型層作製用真空容器100、第2の導電型層作製用真空容器602をガスゲートを介して接続した構成からなる。
【0069】
真空容器601内のカソード電極603および真空容器602内のカソード電極604の各構造は、上述したカソード電極構造とした。
【0070】
図6に示す製造装置を用い、表1に示す作製条件で、下部電極上に、第1の導電型層、i型層および第2の導電型層を、以下に示すような作製手順により連続的に形成し、シングル型光起電力素子(素子−実1と呼ぶ)を作製した。
(1)まず、基板送り出し機構を有する真空容器301に、帯状部材101が巻きつけられたボビン303をセットした。帯状部材101としては、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製の帯状部材(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13mm)を用いた。
(2)帯状部材101をガスゲート、各非単結晶層作製用真空容器を介して、帯状部材巻き取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみのない程度に張力調整を行った。
(3)各真空容器301、601、100、602、302を不図示の真空ポンプで真空引きした。
(4)各ガスゲートに、ゲートガス導入管131n、131、132、131pから、ゲートガスとしてH2を各々700sccm流し、ランプヒータ124n、124、124pにより、帯状部材101を、各々350℃、350℃、、250℃に加熱した。
(5)ガス導入管605より、SiH4ガスを40sccm、PH3ガス(2%H2希釈品)を50sccm、H2ガスを200sccm、ガス導入管104a、104b、104cより、SiH4ガスを各100sccm、H2ガスを各500sccm、ガス導入管606より、SiH4ガスを10sccm、BF3ガス(2%H2希釈品)を100sccm、H2ガスを500sccm導入した。
(6)真空容器301内の圧力が、圧力計314で1.0Torrになるようにコンダクタンスバルブ307で調整した。真空容器601内の圧力が、不図示の圧力計で1.5Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブで調整した。真空容器100内の圧力が、不図示の圧力計で1.8Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブで調整した。真空容器602内の圧力が、不図示の圧力計で1.6Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブで調整した。真空容器302内の圧力が、圧力計315で1.0Torrになるようにコンダクタンスバルブ308で調整した。
(7)工程(6)に示した圧力調整の後、カソード電極603には500WのRF電力を、カソード電極107には200WのRF電力を、カソード電極604には600WのRF電力を、それぞれ導入した。
(8)帯状都材101を図中の矢印の方向に搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、i型層および第2の導電型層を、順次作製した。
(9)工程(8)で作製した第2の導電型層の上に、透明電極として、ITO(In23+SnO2) を真空蒸着にて80nm蒸着した後、さらに集電電極として、Alを真空蒸着にて2μm蒸着し、光起電力素子(素子−実1と呼ぶ)の作製を終えた。
【0071】
表1−1には、本例に係る光起電力素子の作製条件を示した。
【0072】
【表1−1】
Figure 0003684013
(比較例1)
本例では、i型層を形成する真空容器のカソード電極の形状を平行平板型の構造とし、図4及び図5に示したカソード電極構造とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を0.6倍とした。
【0073】
但し、光起電力素子の作製条件は、実施例1と同じ条件(表1−1)とした。
【0074】
他の点は実施例1と同様として、シングルセル型光起電力素子(素子−比1と呼ぶ)を作製した。
【0075】
以下では、実施例1及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)に対して、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった結果について述べる。
【0076】
特性均一性とは、実施例1及び比較例1で作製した帯状部材上の光起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)を、10mおきに5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定し、その光電変換効率のバラツキを評価した結果である。比較例1の光起電力素子(素子−比1)のバラツキを基準1.00として、実施例1の光起電力素子(素子−実1)のバラツキを示した。
【0077】
欠陥密度とは、実施例1及び比較例1で作製した帯状部材上の光起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)、の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定することにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、欠陥密度を評価した結果である。比較例1の光起電力素子(素子−比1)の欠陥密度を基準1.00として、実施例1の光起電力素子(素子−実1)の欠陥密度を示した。
【0078】
光劣化特性とは、実施例1及び比較例1で作製した帯状部材上の光起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)、の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、10000時間放置し、光電変換効率を測定して、その光電変換効率の低下率を評価した結果である。比較例1の光起電力素子(素子−比1)の低下率を基準1.00として、実施例1の光起電力素子(素子−実1)の低下率を示した。
【0079】
表1−2は、実施例1及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実1)と(素子−比1)に対して、上述した光電変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び光劣化率を調べた結果である。
【0080】
【表1−2】
Figure 0003684013
表1−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例1の光起電力素子(素子−実1)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、光劣化率において優れており、本発明の作製方法により形成した光起電力素子は、優れた特性を有することが分かった。
【0081】
(実施例2)
本例では、i型層を作製する真空容器のカソード電極の形状を、図3(b)に示した仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表2−1とした。
【0082】
なお、第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0083】
他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電力素子(素子−実2と呼ぶ)を作製した。
【0084】
【表2−1】
Figure 0003684013
実施例2及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実2)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表2−2に示した。
【0085】
【表2−2】
Figure 0003684013
表2−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例2の光起電力素子(素子−実2)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れていることが分かった。
【0086】
(実施例3)
本例では、i型層を作製する真空容器のカソード電極の形状を、図3(c)に示した仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表3−1とした。
【0087】
なお、第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0088】
他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電力素子(素子−実3と呼ぶ)を作製した。
【0089】
【表3−1】
Figure 0003684013
実施例3及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実3)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表3−2に示した。
【0090】
【表3−2】
Figure 0003684013
表3−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例3の光起電力素子(素子−実3)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れていることが分かった。
【0091】
(実施例4)
本例では、i型層を作製する真空容器のカソード電極の形状を、図3(d)に示した仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表4−1とした。
【0092】
なお、第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0093】
他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電力素子(素子−実4と呼ぶ)を作製した。
【0094】
【表4−1】
Figure 0003684013
実施例4及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実4)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表4−2に示した。
【0095】
【表4−2】
Figure 0003684013
表4−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例4の光起電力素子(素子−実4)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れていることが分かった。
【0096】
(実施例5)
本例では、第1の導電型層を作製する真空容器のカソード電極の形状を、図3(e)に示した仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表5−1とした。
【0097】
なお、第2の導電型層形成容器およびi型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0098】
他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電力素子(素子−実5と呼ぶ)を作製した。
【0099】
【表5−1】
Figure 0003684013
実施例5及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実5)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表5−2に示した。
【0100】
【表5−2】
Figure 0003684013
表5−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例5の光起電力素子(素子−実5)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れていることが分かった。
【0101】
(実施例6)
本例では、第2の導電型層を作製する真空容器のカソード電極の形状を、図3(e)に示した仕切り板形状とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.9倍とした。また、光起電力素子の作製条件は、表6−1とした。
【0102】
なお、第1の導電型層形成容器およびi型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0103】
他の点は実施例1と同様として、シングル型光起電力素子(素子−実6と呼ぶ)を作製した。
【0104】
【表6−1】
Figure 0003684013
実施例6及び比較例1で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実6)と(素子−比1)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表6−2に示した。
【0105】
また表6−2には、変換効率の中で、開放電圧Vocの改善が高かったので、その数値を比較例1(素子−比1)の開放電圧値を基準1.00として、実施例6(素子−実6)の結果を示した。
【0106】
【表6−2】
Figure 0003684013
表6−2から、比較例1の光起電力素子(素子−比1)に対して、実施例6の光起電力素子(素子−実6)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れ、かつ、開放電圧も高いことが分かった。
【0107】
(実施例7)
本例では、図6に示したロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置において、各作製用真空容器を増設した装置を用い、図8に示したトリプルセル型の光起電力素子を作製した。その際、各i型層を作製する真空容器のカソード電極の形状は、図3(a)に示した仕切り板形状とした。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を2.1倍とした。
【0108】
なお、第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器としては、平行平板型のRF電極を有する形成容器を用いた。
【0109】
図6の製造装置において、不図示ではあるが、第1の導電型層作製用真空容器601、i型層作製用真空容器100及び第2の導電型層作製用真空容器602をガスゲートを介して接続した装置をワンセットとして、これをさらに2セツト増設し、計3セット繰り返して直列に配置した構成の装置を用いた。しかもその中で、全ての第1の導電型層形成容器および第2の導電型層形成容器に、上述した形成容器を設置し、トリプル型光起電力素子を製作した。
【0110】
このような装置(不図示)を用い、表7に示す作製条件で、下部電極上に、第1の導電型層、第1のi型層、第2の導電型層、第1の導電型層、第2のi型層、第2の導電型層、第1の導電型層、第3のi型層、第2の導電型層を順次積み重ねて堆積し、実施例1と同様の作製手順によって、トリプル型光起電力素子(素子−実7)を連続的に作製した。
【0111】
表7−1には、本例に係る光起電力素子の作製条件を示した。
【0112】
【表7−1】
Figure 0003684013
Figure 0003684013
(比較例2)
本例では、各i型層を形成する真空容器のカソード電極の形状を平行平板型の構造とし、図4及び図5に示したカソード電極構造とした点が実施例1と異なる。このカソード電極構造では、導電性帯状部材及びアノード電極の表面積の和に対するカソード電極の表面積の比率を0.6倍とした。
【0113】
但し、光起電力素子の作製条件は、実施例7と同じ条件(表7−1)とした。
【0114】
他の点は実施例7と同様として、トリプルセル型光起電力素子(素子−比2と呼ぶ)を作製した。
【0115】
実施例7及び比較例2で作製した光起電力素子、すなわち(素子−実7)と(素子−比2)に対して、実施例1と同様に、特性均一性、欠陥密度及び光劣化の評価を行なった。その結果を、表7−2に示した。
【0116】
【表7−2】
Figure 0003684013
表7−2から、比較例2の光起電力素子(素子−比2)に対して、実施例7の光起電力素子(素子−実7)は、変換効率のバラツキ、欠陥密度、及び、光劣化率のいずれも優れており、本発明の作製方法により、優れた特性を有するトリプル型光起電力素子がえられることが分かった。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大面積にわたって、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない半導体薄膜及び光起電力素子を、高いスループットで大量に再現良く生産することが可能な、半導体薄膜及び光起電力素子の作製装置がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るカソード電極を用いた半導体薄膜の作製装置の模式的な断面図であり、作製装置における放電空間の一例を説明するために用いた概念的模式図である。
【図2】図2は、本発明に係るパルス変調波形の一例を示した模式図である。
【図3】図3は、本発明に係るカソード電極の一例を示した模式図である。
【図4】図4は、従来のカソード電極を用いた半導体薄膜の作製装置の模式的な断面図である。
【図5】図5は、作製装置における放電空間の一例を説明するために用いた概念的模式図である。
【図6】図6は、本発明に係る半導体薄膜の作製装置を用いた、光起電力素子の作製装置の模式的な断面図である。
【図7】図7は、本発明に係るシングルセル型の光起電力素子の概念的な断面図である。
【図8】図8は、本発明に係るトリプルセル型の光起電力素子の概念的な断面図である。
【符号の説明】
100 真空容器、
101 帯状部材、
103a、103b、103c 加熱ヒーター、
104a、104b、104c ガス導入管、
107 カソード電極、
124n、124、124p ランプヒーター、
129n、129、129p、130 ガスゲート、
131n、131、131p、132 ガスゲート導入管、
301、302 真空容器、
303、304 ボビン、
305、306 アイドリングローラ、
307、308 コンダクタンスバルブ、
310、311 排気管、
314、315 圧力計、
513 排気管、
601、602 真空容器、
603、604 カソード電極、
605、606 ガス導入管、
607、608 排気管、
1000 導電性帯状部材、
1001 真空容器、
1002 カソード電極、
1003 しきり状電極、
1004 アノード電極、
1005 ランプヒーター、
1006 排気口、
1007 ガス導入管、
1008 ガスゲート、
1009 絶縁ガイシ、
1010 高周波発振器、
1011 変調用発振器、
1012 増幅器、
2000 導電性帯状部材、
2001 真空容器
2002 カソード電極、
2004 アノード電極、
2005 ランプヒーター、
2006 排気口、
2007 ガス導入管、
2008 ガスゲート、
2009 絶縁ガイシ、
4001 SUS基板、
4002 Ag薄膜、
4003 ZnO薄膜、
4004 第1の導電型層、
4005 i型層、
4006 第2の導電型層、
4007 ITO、
4008 集電電極、
5001 SUS基板、
5002 Ag薄膜、
5003 ZnO薄膜、
5004 第1の導電型層、
5005 第1のi型層、
5006 第2の導電型層、
5007 第1の導電型層、
5008 第2のi型層、
5009 第2の導電型層、
5010 第1の導電型層、
5011 第3のi型層、
5012 第2の導電型層、
5013 ITO、
5014 集電電極。

Claims (10)

  1. プラズマ放電空間に、高周波電力が印加されるカソード電極と、接地電位にある部材及びアノード電極とを有し、
    前記プラズマ放電空間における前記カソード電極の表面積が、前記プラズマ放電空間における前記部材及び前記アノード電極の表面積の和よりも大きく、
    グロー放電生起時における前記カソード電極の電位(以下、自己バイアスと呼ぶ)が、前記接地電位にある部材及びアノード電極に対して正電位を維持することができ、
    かつ、
    前記カソード電極の一部を構成するしきり状電極の形状が、前記しきり状電極に流れる材料ガスの流れを妨げないフィン状もしくはブロック状である、
    構造からなる前記カソード電極を有する半導体薄膜の作製装置であって、
    前記プラズマ放電空間にパルス状のプラズマを発生するため、前記カソード電極に対して高周波電力をパルス状に印加する
    ことを特徴とする半導体薄膜の作製装置。
  2. 前記カソード電極の両端にしきり状電極を設けたことを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の作製装置。
  3. 前記しきり状電極が通気孔を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の作製装置。
  4. 前記しきり状電極を直線的に且つ互いに平行方向に複数設けたことを特徴とする半導体薄膜の作製装置。
  5. 前記しきり状電極を蛇行させ且つ互いに平行方向に複数設けたことを特徴とする半導体薄膜の作製装置。
  6. 帯状部材が複数の連結してなる真空容器内を連続的に通過する時、プラズマCVD法により、前記帯状部材の表面に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光起電力素子の作製装置において、
    前記光起電力素子の構成層となる半導体薄膜を作製する容量結合型のプラズマ放電空間に、高周波電力が印加されるカソード電極と、接地電位にある帯状部材及びアノード電極とを有し、
    前記プラズマ放電空間における前記カソード電極の表面積が、前記プラズマ放電空間における前記帯状部材及び前記アノード電極の表面積の和よりも大きく、
    グロー放電生起時における前記カソード電極の電位(以下、自己バイアスと呼ぶ)が、前記接地電位にある帯状部材及びアノード電極に対して正電位を維持することができ、
    かつ、
    前記カソード電極の一部を構成するしきり状電極の形状が、前記帯状部材の搬送方向に流れる材料ガスの流れを妨げないフィン状もしくはブロック状である、
    構造からなる前記カソード電極を有する光起電力素子の作製装置であって、
    前記プラズマ放電空間にパルス状のプラズマを発生するため、前記カソード電極に対して高周波電力をパルス状に印加する
    ことを特徴とする光起電力素子の作製装置。
  7. 前記カソード電極の両端にしきり状電極を設けたことを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の作製装置。
  8. 前記しきり状電極が通気孔を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の作製装置。
  9. 前記しきり状電極を直線的に且つ互いに平行方向に複数設けたことを特徴とする半導体薄膜の作製装置。
  10. 前記しきり状電極を蛇行させ且つ互いに平行方向に複数設けたことを特徴とする半導体薄膜の作製装置。
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