JP3348661B2 - キャリア位相追従装置および周波数ホッピング受信装置 - Google Patents

キャリア位相追従装置および周波数ホッピング受信装置

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    • H04B2001/71566Tracking

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル変調され
た信号を復調する際のキャリア位相追従装置および周波
数ホッピング受信装置に関するものである。例えば、無
線LANシステムに使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散(SS:Spread Spectru
m)通信には、直接拡散(DS:Direct Sequence),周
波数ホッピング(FH:Frequency Hopping),DS/
FHハイブリッド、チヤープ変調等の各種の方法があ
る。図7は、従来の周波数ホッピング通信システムの一
例を示すブロック構成図である。図中、41は符号器、
42はデジタル変調器、43はミキサ、44はホッピン
グパタン発生器、45は周波数シンセサイザ、46は高
周波増幅器、47は送信アンテナ、48は受信アンテ
ナ、49は高周波増幅器、50はミキサ、51はホッピ
ングパタン発生器、52は周波数シンセサイザ、53は
デジタル復調器、54は復号器である。
【0003】送信側において、送信データは、符号器4
1においてエラー検出訂正可能な送信データに変換され
る。この送信データは、デジタル変調器42において中
間周波数帯でデジタル変調された後、ミキサ43におい
て周波数シンセサイザ45の出力信号により周波数変換
される。ホッピングパタン発生器44から出力されるホ
ッピングパタンに応じて、周波数シンセサイザ45が、
周波数変換する周波数を時間的に変化させることによ
り、送信周波数チャンネルを切り替える。したがって、
デジタル変調された信号がホッピングパタンに応じた周
波数チャンネルで送信される。その結果、拡散されて広
い周波数帯域を有するスペクトル拡散信号となり、高周
波増幅器46により増幅されて送信アンテナ47から送
信される。
【0004】受信側において、スペクトル拡散信号は、
受信アンテナ48により受信され、高周波増幅器49に
より増幅され、ミキサ50に入力されて逆拡散される。
ホッピングパタン発生器51は、送信側のホッピングパ
タン発生器44に同期して同じホッピングパタンを発生
し、周波数シンセサイザ52は、送信側の周波数シンセ
サイザ45が出力するのと同じ周波数の基準発振信号を
出力する。そして、送信された信号と同じ周波数チャン
ネルの信号を選択的に受信することにより、送信された
スペクトル拡散信号を逆拡散して中間周波数帯の信号に
する。
【0005】逆拡散された信号は、図示を省略したバン
ドパスフィルタによって、各周波数チャンネルの受信周
波数帯域の信号成分を通過させてデジタル復調器53に
入力される。デジタル復調器53においては、送信側の
デジタル変調器42に対応したデジタル復調を行うこと
により復調データが得られる。復号器44において、こ
の復調データに対し、送信側の符号器41に対応したエ
ラー検出訂正を行い、受信データを出力する。上述した
デジタル復調器53においては、デジタル変調された信
号を、再生されたキャリアと乗算してベースバンド信号
に戻し、デジタル変調された信号のシンボル(ビット)
に同期したクロック信号のタイミングでレベル判定を行
うことにより、復調データの抽出を行う。
【0006】現在主流のデジタル変調方法は、周波数シ
フトキーイング(FSK:Frequency Shift Keying),
4相位相シフトキーイング(QPSK:Quadrature Pha
se Shift Keying)等の位相変調(PSK:Phase Shift
Keying),直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplit
ude Modulation)である。周波数ホッピング通信システ
ムにおいては、設計が容易なFSKが主に用いられてい
た。しかし、周波数ホッピング通信システムに、いわゆ
るIQ変調を行う上述したQPSK,QAM等を採用す
る場合には、従来のキャリア再生方法およびシンボル同
期方法をそのまま適用することができない。
【0007】周波数ホッピング通信システムにおいて
は、周波数チャンネルが切り替わるごとに、シンボル同
期(ビット同期)、フレーム同期、データ受信という手
順を踏んでいくことになる。しかし、周波数が切り替わ
った最初の状態では、キャリアの周波数自身が振動して
おり、また、キャリア再生回路内の基準周波数発振器が
アナログPLL方式であるため、位相変化に対する応答
が遅い。したがって、送信データによりキャリアに対す
る位相が変調されるQPSK、QAM等のデジタル変調
を用いる場合には、シンボル同期のとれたクロック信号
の再生が難しい。また、シンボル同期に要する時間も長
くなる。シンボル同期に要する時間は、送信データのス
ループット向上の観点から、できるだけ短いことが要求
される。
【0008】以下、上述した問題点を、周波数ホッピン
グシステムのQPSK復調回路を用いて、具体的に説明
する。図8は、4相位相変調(QPSK)における信号
点の一例を示すIQ位相平面座標図である。図中、横軸
はキャリアと同相のI相、縦軸はキャリアと直交するQ
相である。データが送信される前に、同期信号、例え
ば、0゜位相の信号点、および、270゜位相の信号点
を交互に繰り返すことにより位相状態が±90度変化す
る連続した同期信号が送信される。この同期信号により
キャリア再生および、シンボル同期のとれたクロック再
生を行う。
【0009】図9は、図8におけるデジタル復調器のブ
ロック構成図である。図中、61はキャリア再生回路、
2は90゜移相器、3,4は復調乗算器、5,6はロー
パスフィルタ、62は比較器、63は1/2シンボル長
の遅延回路、64は排他的論理和、65,66は判定
器、67はデコーダである。図10は、図9に示したデ
ジタル復調器の各部の波形図である。同期信号受信時の
波形を模式的に示している。
【0010】一般的に、QPSKの復調には、キャリア
再生を行う。しかし、受信したデジタル変調された信号
のキャリアと受信側の基準周波数発振器の周波数とを完
全一致させることはできない。そのため、受信信号に基
づいてキャリア再生を行い、キャリアの複製(レプリ
カ)を生成し、これを基準周波数信号として復調を行
う。受信信号として、まず最初に、図8に示した同期信
号が受信される。キャリア再生回路61は、この同期信
号に基づいて受信信号のキャリア周波数および位相を検
出し、このキャリアのレプリカを生成する。このキャリ
ア再生は、種々の方法で実現される。基本的には、受信
信号を逓倍した信号と位相ロックドループ(PLL)発
振器の出力信号とを位相比較することにより、周波数を
同期させる。BPSKの場合には2逓倍、QPSKの場
合には4逓倍される。
【0011】ここで生成されたキャリアのレプリカと、
このキャリアのレプリカを90゜移相器2で90゜移相
された発振信号とは、それぞれ、復調乗算器3,4に入
力され、平衡復調される。その復調信号は、ローパスフ
ィルタ5,6により復調信号成分のみが取り出されて、
図10(a),(b)に示されたI相,Q相のベースバ
ンド信号I,Qとなる。このベースバンド信号I,Q
は、それぞれ、判定器65,66において、図10
(f),(g)に示すようにクロック信号のタイミング
でレベル判定され、QPSKの信号点配置に対応したデ
コーダ67で符号変換されて、復調(検波)データとな
る。
【0012】比較器62においては、ベースバンド信号
IまたはQを所定の閾値と比較することにより図10
(c)に示すように2値化する。1/2シンボル長の遅
延回路63は、比較器62の出力を図10(d)に示す
ように、1/2シンボル長だけ遅延させる。ここで、1
シンボル長は、一変調状態の単位長さである。比較器6
2の出力と1/2シンボル長の遅延回路63の出力と
は、排他論理和回路(XOR)64に入力され、図10
(d)に示すように、1シンボルの中心に立ち下がりタ
イミングを有するクロック信号が生成される。このクロ
ック信号は、デジタル変調された信号とシンボル同期さ
れたものとなる。このクロック信号の立ち下がりタイミ
ングで、図10(a),(b)に示すベースバンド信号
I,Qのレベルを判定する。
【0013】図11は、図9に示したキャリア再生回路
61の一例を説明するためのブロック構成図であり、コ
スタスループを用いたものである。図中、図9と同様な
部分には同じ符号を付して説明を省略する。71はVC
O、72はループフィルタ、73は位相誤差検出部であ
る。
【0014】VCO71は電圧制御発振器である、図9
では、受信信号によって周波数制御が行われるように説
明した。このコスタスループでも、実質的には受信信号
によって周波数制御が行われるが、具体的には、復調さ
れたベースバンド信号I,Qによって周波数制御を行
う。位相誤差検出部73は、ベースバンド信号I,Qを
演算することにより、デジタル変調された信号を逓倍し
た信号のキャリアに対する位相差に応じた位相誤差を出
力する。この位相誤差をループフィルタ72により平滑
し、VCO71の発振周波数を制御する。このようにし
て、VCO71は、デジタル信号のキャリアと位相が同
期した同一の周波数の発振周波数信号を出力する。
【0015】図9,図11に示したキャリア再生回路6
1では、PLLによりキャリアロック動作が行われる。
ロックが完了した後は、出力をキャリアのレプリカとし
て使用できるが、ロック動作期間中は元来のキャリアに
対して、周波数および位相のずれた信号になっている。
キャリアロックに用いられる制御信号は、ある時定数を
もったループフィルタ72により作り出されるため、入
力から出力に対して遅延が発生する。この遅延量はルー
プ全体の応答速度を決定するが、このループ全体の遅延
により、受信信号がバースト状に入力された場合、バー
ストの立上りからキャリア再生を開始しても、キャリア
再生が完了するまでに時間がかかってしまう。さらに、
キャリア再生の完了後、シンボル同期の動作を開始しな
ければならない。そのため、キャリア同期およびシンボ
ル同期をとるためのプリアンブルの長さをかなり長くと
らなければならなくなる。
【0016】図12は、周波数ホッピングシステムにお
けるキャリアの周波数変化を示す説明図である。送信側
の周波数変換により、デジタル変調された信号のキャリ
アは、周波数f1から現在の周波数f2に連続して変化し
て行き、ある程度の時間を経過して目的の周波数f2の近
傍に収まる。しかし、周波数f2の近傍になっても、キャ
リアの周波数は、目的とする周波数f2の近傍を振動しな
がら収束する。受信側においても、周波数変換により中
間周波数帯に変換されたデジタル変調された信号のキャ
リアは、同様に中間周波数の近傍を振動しながら収束す
ることになる。図13は、1度の周波数ホッピング期間
において送出される送信フレームの開始部分の説明図で
ある。
【0017】目的の周波数に収まった段階から、送信フ
レームが開始される。フレームフォーマットは、一例と
して、最初に同期用プリアンブルから始まり、フレーム
同期信号、情報データと続き、最後にエラー検出訂正用
符号で終わる。プリアンブル期間中において、図9,図
11に示したキャリア再生回路が位相ロック動作を行い
キャリアのレプリカを有効にする。この時点から、図9
に示したデジタル復調器において、シンボル同期がとれ
たクロック信号の再生動作が有効になる。
【0018】周波数ホッピングシステムにおいて、中間
周波数帯に変換されたデジタル変調された信号のキャリ
アは、送信フレームの開始時点において、中間周波数か
ら周波数がずれており、このずれ量は時間とともに変動
している。キャリア再生回路61は、このような時間的
に変化する周波数ずれに応答しなければならないが、上
述したように、短時間の追従・応答ができないため、同
期用プリアンブルを長くする必要がある。また、周波数
ホッピングの単位時間は短いため、同期用プリアンブル
のためにデータを送信できる時間が短くなり、スループ
ットが悪くなるという問題がある。
【0019】また、図9に示した、従来のデジタル復調
装置では、キャリアのレプリカがロックしていても、波
形ひずみにより図9に示した比較器62で2値化された
信号のデューティ比が50%とならないため、1/2シ
ンボル長遅延回路63での遅延量が適切でなくなる。そ
の結果、シンボル同期のとれた正確なクロック信号を抽
出できないことになる。また、一般に、最初に同期信号
を受信してキャリア同期およびシンボル同期をとれば、
同期信号に後続する送信データ区間においては、再同期
をかけなくても、そのままシンボル同期のとれたクロッ
ク信号を再生することができはずである。しかし、デジ
タル変調された信号のキャリアの周波数と基準周波数と
の偏差があると、基準周波数に対するキャリアの位相差
が拡大し、また、この偏差が時間的に揺らぐことによっ
て位相角が変動するために、クロック信号のタイミング
が信号点に合っていても、このタイミングでは、信号点
が基準周波数で復調した時の位相平面座標上では、所定
の信号点位相からずれているために、復調できなくな
る。
【0020】このように、周波数ホッピングシステムに
おいては、高速にキャリア再生を行い高速にシンボル同
期のとれたクロック再生を行ったり、キャリアの周波数
変化および位相変化に追従して復調することが、現状の
技術では対応できないという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、基準周波数信号
がキャリアの周波数と一致しないために、基準周波数信
号に対してキャリア位相角が変動してもキャリア位相に
追従するキャリア位相追従装置、および、このキャリア
位相追従装置を用いた周波数ホッピング受信装置を提供
することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、復調された信号に基づいて復調デ
ータをキャリア位相に追従して判定するためのキャリア
位相追従装置であって、前記デジタル変調された信号の
シンボルに同期した判定タイミングを与えるシンボル同
期手段、前記判定タイミングで、前記復調された信号の
位相角および設定されたオフセット位相角に基づいて、
前記オフセット位相角のずれ量を判定する手段、およ
び、前記ずれ量に基づいて前記オフセット位相角を更新
するオフセット位相角設定手段を有するものである。し
たがって、基準周波数信号がキャリアの周波数と一致し
ないことによりデジタル変調された信号のキャリアの位
相角が基準周波数信号に対して変動しても、これに追従
することにより、復調データが判定できるようになる。
その結果、キャリア再生回路がなくても、等価的にキャ
リア再生回路と同等の機能を奏し、送信装置および受信
装置間の周波数ずれや周波数の時間変動等の影響を受け
ずに復調データが判定できるようなる。
【0023】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載のキャリア位相追従装置において、前記オフセ
ット位相角設定手段は前記オフセット位相角を記憶する
記憶手段を有し、前記ずれ量をフィルタを通して前記記
憶手段に記憶された前記オフセット位相角に加算して前
記記憶手段に再記憶させるものである。したがって、容
易にオフセット位相角を更新することができる。
【0024】請求項3に記載の発明においては、請求項
2に記載のキャリア位相追従装置において、前記フィル
タの応答特性が可変であるものである。したがって、フ
ィルタの応答特性を変えることにより、雑音等による突
発的な挙動変化を押さえることができる。
【0025】請求項4に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載のキャリア位相追従装
置において、キャリアに対する位相角が異なる信号点で
前記キャリアに対する位相回転方向が反転する同期信号
を受信し、前記シンボル同期手段は、前記デジタル変調
された信号の位相角の回転方向が反転する反転タイミン
グを検出する反転タイミング検出手段、および、前記反
転タイミングに同期して前記判定タイミングを与えるク
ロック信号を出力するクロック信号出力手段を有するも
のである。したがって、基準周波数信号がデジタル変調
された信号のキャリアの周波数と一致しないことによ
り、デジタル変調された信号のキャリアの位相角が基準
周波数信号に対して変動しても、シンボル同期のとれた
判定タイミングを得ることができる。その結果、短時間
でシンボル同期を確立することができる。バースト状の
伝送を行なう場合には、同期信号の長さを短くすること
ができるため、スループットが向上する。
【0026】請求項5に記載の発明においては、デジタ
ル変調された信号がホッピングパタンに応じた周波数チ
ャンネルで受信され、該デジタル変調された信号を基準
周波数信号を用いて復調し、復調された信号に基づいて
復調データをキャリア位相に追従して判定するためのキ
ャリア位相追従装置を備える周波数ホッピング受信装置
であって、前記キャリア位相追従装置として、請求項1
ないし4のいずれか1項に記載のキャリア位相追従装置
を用いるものである。したがって、請求項1ないし4の
いずれか1項に記載のキャリア位相追従装置の作用を奏
するとともに、周波数の切り替わり直後のキャリア周波
数が安定しない期間中であってもシンボル同期動作を開
始することができ、短時間で確実にシンボル同期が可能
になる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のキャリア位相追
従装置の第1の実施の形態のブロック構成図である。図
中、図9と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略
する。1は基準周波数発振器、7はA/D変換器、8は
位相角算出部、9は差分出力部、10は判定部、11は
XOR型積分デジタルPLL回路、12は累積加算器、
13は位相角判定部、14はデジタルフィルタである。
図2は、デジタル変調された信号のキャリア位相平面座
標軸の移動を示す説明図である。図3は、デジタル変調
された信号の位相角を基準周波数信号を基準位相として
模式的に示す説明図である。図3(a)は周波数オフセ
ットがない場合のデジタル変調された信号の位相角を示
し、図3(b)は周波数オフセットがある場合のデジタ
ル変調された信号の位相角を示す説明図である。図4
は、図1に示したキャリア位相追従装置の動作を説明す
るための、数値データおよび波形を模式的に示す説明図
である。
【0028】この実施の形態は、キャリア再生を行わず
に、デジタル変調された信号を基準周波数信号を用いて
復調した信号に基づいて、復調データを基準周波数信号
を基準としたキャリア位相に追従して判定するためのキ
ャリア位相追従装置である。デジタル変調された信号の
シンボルに同期したクロック信号の判定タイミングで、
位相角算出部8から出力される復調された信号の位相角
を、累積加算器12から出力される設定されたオフセッ
ト位相角に応じて補正して判定することにより、オフセ
ット位相角のずれ量を判定する位相角判定部13、この
ずれ量に基づいて、設定されたオフセット位相角を更新
するデジタルフィルタ14,累積加算器12を有するも
のであり、等価的にキャリア再生回路と同等の機能を有
するものである。
【0029】なお、シンボル同期手段は、キャリアに対
する位相角が異なる信号点で前記キャリアに対する位相
回転方向が反転する同期信号を受信し、デジタル変調さ
れた信号の位相角の回転方向が反転する反転タイミング
を検出する反転タイミング検出手段、および、反転タイ
ミングに同期して判定タイミングを与えるクロック信号
を出力するクロック信号出力手段を有するものである。
位相角算出部8が出力する、基準周波数信号に対するデ
ジタル変調された信号の位相角δに基づいて差分出力部
12および判定部10が反転タイミングを検出する。こ
の反転タイミングに同期してXOR型積分デジタルPL
L回路14が判定タイミングを与えるクロック信号を出
力する。QPSK変調された受信信号について、以下、
例示する。
【0030】中間周波数帯に周波数変換された受信信号
は、基準周波数発振器1が出力する基準周波数信号によ
って、復調乗算器3,4で平衡復調され、ローパスフィ
ルタ5,6を通してベースバンド信号I,Qとなる。A
/D変換器7においては、各ベースバンド信号I,Q
を、サンプリング信号のタイミングで数値データに変換
する。サンプリング信号は、1シンボル(ベースバンド
信号としてみれば1ビット)の単位期間当たり、複数
回、例えば、16回発生するように設定されている。図
4においては、図面を見やすくするために8回としてい
る。
【0031】位相角算出部8においては、この数値デー
タを入力し、三角関数演算あるいはルックアップテーブ
ルを参照して一意に決まる位相角δを算出する。この位
相角δは、基準周波数信号に対する、受信されたデジタ
ル変調された信号の位相角が弁別されたものである。な
お、ベースバンド信号I,Qのレベルに基づいて検出さ
れる位相角δは、360゜の範囲のデータとして検出さ
れる。位相角算出部8においては、演算上では360゜
のモジュロをとっているが、位相角δは連続的に変化す
るため実質的に360゜の範囲を超えて位相角δを連続
的に追跡している。
【0032】従来技術において説明したように、送信側
と受信側との間には、周波数オフセットがある。例え
ば、発振器を水晶発振器とした場合でも、中間周波数1
0.7MHzに対して、約±3ppmの誤差がある。従って、
送信側のキャリア発振器および受信側の基準周波数発振
器1の他に周波数オフセットの要因がないとしても、6
4.2Hzの位相回転が発生する。また、ホッピングによ
る新しい周波数への過渡応答時には周波数が変化する。
その結果、受信されたデジタル変調された信号のキャリ
ア周波数と基準周波数信号の周波数は一致しない。
【0033】図2において、基準周波数信号の位相平面
座標軸を[I0,Q0]とし、キャリアの位相回転の方向
を反時計回りにとる。最初、基準周波数信号の位相がキ
ャリアの位相に完全一致していても、キャリアの位相平
面座標軸は、時間経過とともに[I1,Q1]、[I2
2]、・・・のように回転して行く。図示の例では、
キャリアに対し基準周波数信号の周波数が低くなってい
る。同期信号の信号点が、キャリアの位相平面座標上で
黒丸で示された位置にあるとき、基準周波数信号の位相
平面座標上で見ると、同期信号の信号点は時間的に移動
して行く。
【0034】図3(a)に示すように、デジタル変調さ
れた信号のキャリアと基準周波数信号が一致している場
合に、同期信号の位相角δは、基準周波数信号の位相平
面座標上で見ても、角度が周期的に±90゜変化する。
このジグザグ線の尖頭の部分は、シンボルの信号点、す
なわち、シンボル区間の中心点を示す。ベースバンド信
号I,Qの各々についてみれば、ビット区間の中心点を
示す。つまりこの尖頭のタイミングでベースバンド信号
I,Qをサンプリングすれば、シンボル(ビット)同期
がとれて、信号点に対応した復調データを抽出すること
ができる。なお、信号点から次の信号点までの同期信号
の位相角の過渡的な変化が直線で示されているが、ベー
スバンド信号I,Qの波形形状に応じて直線からずれた
ものとなる。通常は、ローパスフィルタ5,6を含む伝
送系の周波数特性の影響を受けて正弦波に近いなだらか
な形状になっている。
【0035】図3(b)に示すように、実際には、デジ
タル変調された信号のキャリア周波数と基準周波数信号
の周波数と間にオフセットがあるため、キャリアの位相
角がずれて行く。なお、図では、キャリアの位相角が直
線的にずれるものとして図示しているが、基準周波数発
振器1等の発振周波数の揺らぎにより、直線の上下にラ
ンダムに揺らいでいる。
【0036】図4(a)は、位相角算出部8が出力する
数値を長さで表現している。この位相角は、差分出力部
9において、差分(微分)処理が行われる。具体的に
は、前サンプル時点での数値と現サンプル時点での差分
値が出力される。図4(b)は、この差分値を長さで表
現している。実際には、図4(a)に示した位相角に揺
らぎがあるため、図4(b)の差分値にも揺らぎが含ま
れる。判定部10においては、差分値の正負極性ビット
を判定して、図4(c)に示すようなデューティ比が約
50%のパルス信号を出力する。このパルス信号が、後
述するXOR型積分デジタルPLL回路11に対する参
照信号となる。
【0037】図4(a)のジグザグの尖頭は、上述した
ように位相角の増減が変化する時点を示すが、これは、
図4(c)のパルス信号のレベル遷移点にほぼ対応す
る。したがって、図4(c)に示すパルス信号では、揺
らぎが除去されるとともに、図4(a)に示すジグザグ
の尖頭位置を、図4(c)のパルス信号のレベル遷移点
として容易に検出することができる。これに対し、上述
した差分出力部9および位相判定部10を設けないで、
位相角算出部8の出力から直接にジグザグの尖頭位置を
検出するには、単純に、一定の閾値と比較することがで
きないので、複雑な処理動作を必要とする。
【0038】XOR型積分デジタルPLL回路11は、
高速に出力タイミングを参照信号にロックアップできる
ものであって、通常は自走で動作するパルス発生部、排
他的論理和等を内部に有する。判定部10から、参照パ
ルス信号として図4(c)に示すパルス信号が入力され
ると、内部で生成される図4(d)に示すデューティ比
50%のパルス信号との排他的論理和がとられる。その
結果、参照パルス信号とパルス信号との位相誤差を示
す、図4(e)に示すようなパルス信号を生成する。こ
のパルス信号を積分することにより位相誤差に応じた大
きさの出力が得られる。この出力により、内部のパルス
発生部の繰り返し周波数を補正し、内部のパルス発生部
の位相が、判定部10から出力される参照信号のパルス
位相にロックされる。
【0039】連続してロック状態になった場合には、X
OR型積分デジタルPLL回路11は、図4(d)に示
すパルス信号の中心位置で立ち下がり反転をする図4
(f)に示すパルス信号を外部に出力し、これがシンボ
ル同期のとれたクロック信号となる。クロック信号の立
ち下がりタイミングは、シンボルおよびビットの中央時
点である。このXOR型積分デジタルPLL回路11
は、デジタル回路のみで実現してもよいし、プログラム
を実行して数値演算を行って同等の機能を実現してもよ
い。
【0040】このように、送信側と受信側との間に周波
数偏差があっても、シンボル同期がとれたクロック信号
を再生できるようになる。ただし、デジタル復調をする
には、シンボル同期がとれているだけでなく、キャリア
同期もとれている必要がある。すなわち、キャリア位相
に追従している必要がある。なぜなら、従来技術のよう
なキャリア再生を行わないために、図2に示したよう
に、キャリアの位相平面座標軸が時間経過とともに回転
するからである。そのため、キャリアの位相平面座標上
にあるデジタル変調された信号の信号点も回転する。ベ
ースバンド信号I,Qは、基準発振信号を基準にした位
相平面座標[I0,Q0]上のI,Q成分であるため、こ
れをシンボル(ビット)中心の時点でサンプリングでき
ただけでは、デジタル変調された信号のキャリアの位相
平面座標[I1,Q1],[I2,Q2]・・・上のI,Q
成分が得られない。
【0041】図5は、シンボル同期後のキャリア同期の
説明図である。図5(a)はシンボル同期完了時の位相
角オフセットδ0を示す説明図、図5(b)は次のシン
ボル同期タイミングにおけるデジタル変調された信号の
位相角δを示す説明図、図6(c)は位相角判定の説明
図である。図中、21〜24は信号点である。図5
(a)に示すように、シンボル同期が確立して出力され
るクロック信号の立ち下がりタイミングにおいて、デジ
タル変調された信号が、同期信号(0,0)のシンボル
中心の信号点21に位置したとする。このときキャリア
の位相平面座標軸は[I4,Q4]であり、信号点21の
位相角は、デジタル変調された信号のキャリアの位相角
でもある。4値PSK(QPSK)の場合、黒丸で示さ
れた信号点21は、白丸で示された他の信号点22〜2
4とともに4値の情報を与えることになる。このとき、
位相角算出部8は位相角δ0を出力するが、これを初期
オフセット位相角として記憶させる。なお、シンボル同
期がとれたタイミング信号の立ち下がりタイミングにお
いて、同期信号の信号点24をとる場合にも、同様にし
て初期オフセット位相角δ0を検出することができる。
【0042】図5(b)に示すように、周波数偏差があ
るため、その後の時間経過とともにキャリアの位相平面
座標軸が移動する。クロック信号の次の立ち下がりタイ
ミングにおいて、キャリアの位相平面座標軸が[I5
5]に移動する。このとき、仮に、デジタル変調され
た信号が信号点21にあれば、位相角算出部8は図示の
ような位相角δを出力する。しかし、デジタル変調され
た信号が信号点22,23,24にある場合もある。そ
のため、記憶されたオフセット位相角Δを基準にして信
号点を判定する。
【0043】図5(c)に示すように、一例として、デ
ジタル変調された信号が信号点22に位置し、位相角算
出部8が位相角δを出力したとする。位相角判定部13
は、オフセット位相角Δを基準に、 315゜≦δ−Δ<45゜ のときは、信号点21、復
調データ(0,0) 45゜≦δ−Δ<135゜のときは、信号点22、復調
データ(0,1) 135゜≦δ−Δ<225゜のときは、信号点23、復
調データ(1,1) 225゜≦δ−Δ<315゜のときは、信号点24、復
調データ(1,0) と判定する。したがって、図示の場合、45゜≦δ−Δ
<135゜の範囲にあるため、信号点22であると判定
し、復調データとして(0,1)を出力する。
【0044】信号点が判定されると、直前のタイミング
から今回のタイミングまでの間にキャリア位相が移動し
た位相角がわかる。これが、設定されたオフセット位相
角Δとのずれ量である。 信号点21のとき、ずれ量は(δ−Δ) 信号点22のとき、ずれ量は(δ−Δ−90゜) 信号点23のとき、ずれ量は(δ−Δ−180゜) 信号点24のとき、ずれ量は(δ−Δ−270゜)
【0045】オフセット位相角Δにこのずれ量を加算し
て新たなオフセット位相角Δとすることができる。信号
点22の場合に、ずれ量は、図示のδ1となり、新たな
オフセット位相角Δは(δ0+δ1)となる。ただし、ク
ロック信号の立ち下がりタイミングが一時的にずれて、
正確にシンボル中心、すなわち、信号点のタイミングに
一致しないときもある。そこで、次に説明するように、
デジタルフィルタ14を通してオフセット位相角Δを決
める。以後同様にして、オフセット位相角Δを基準にし
て信号点の判定と、位相角のずれ量を算出し、新たなオ
フセット位相角Δを算出する。
【0046】図1に戻って、上述したキャリア同期動作
を実行する図1のブロック構成を説明する。シンボル同
期が確立した後の最初のクロック信号の立ち下がり時
に、累積加算器12は、位相角算出部8が出力する位相
角δを初期オフセット位相角δ0として入力する。位相
角判定部13は、位相角算出部8の出力する位相角δか
ら累積加算器12からオフセット位相角Δとして出力さ
れる初期オフセット位相角δ0を減算した値(δ−Δ)
=(δ0−δ0)=0に基づいて信号点を判定する。
【0047】位相角判定部13は、クロック信号の立ち
下がりタイミングで信号点を判定することにより、復調
データを出力するとともに、オフセット位相角Δとのず
れ量を出力する。このずれ量は、図5(c)に示したよ
うに、1クロックタイミング前のキャリア位相平面座標
上の信号点(情報位置)から現在の同じ信号点までの誤
差量(±45゜以内)である。デジタルフィルタ14
は、このオフセット位相角とのずれ量の短時間平均値を
算出して累積加算器12に出力する。このデジタルフィ
ルタ14は、従来技術のコスタスループで使用されてい
るようなアナログフィルタとは異なり、伝達遅延が問題
にならない短かさとなっている。累積加算器12は、現
在において設定されているオフセット位相角Δ=δ
0に、このずれ量を加算して新たなオフセット位相角Δ
に更新する。したがって、累積加算器12の出力は、再
度累積加算器12にフィードバックされ、ずれ量がクロ
ックタイミングごとに累積加算器12で累積されるてオ
フセット位相角Δを設定する。
【0048】この動作が繰り返されることにより、ずれ
量をクロックタイミングごとに補正し、いつでも、オフ
セット位相角Δをほぼキャリアの位相角に保つことがで
きる。その結果、キャリア位相平面の位相回転に追従し
て、受信されたデジタル変調された信号の信号位相(情
報位相)を検出することができる。なお、クロックタイ
ミング周期に対して、キャリア位相のずれ量は少ないた
め、クロックタイミング周期で位相追従を行っても問題
がなく、位相角の誤差によるエラーを発生することな
く、位相追従が可能である。
【0049】上述した説明では、シンボル同期が確立し
た後の最初のクロック信号の立ち下がり時に、位相角算
出部8が出力する初期オフセット位相角δ0を累積加算
器12に入力させた。そのかわりに、累積加算器12に
は最初オフセット位相角としてΔ=0゜に設定してお
き、シンボル同期が確立した後の最初のクロック信号の
立ち下がり時に、位相角判定部13がオフセット位相角
Δとのずれ量としてδ0を出力し、デジタルフィルタ1
4を通して累積加算器12にδ0をラッチするようにし
てもよい。
【0050】また、受信信号レベルが低下したとき、あ
るいは、ビットエラーレートが増加したときに、デジタ
ルフィルタ14の特性を一時的に設定変更することによ
り、ずれ量に対する応答特性を変え、雑音等による突発
的なタイミング変化を抑制することもできる。特性変更
は、デジタルフィルタのタップ数およびまたはタップ係
数を変えることで実現できる。
【0051】上述した説明では、シンボル同期タイミン
グは、位相角算出部8から出力される同期信号の位相角
の増減の反転を検出することにより得た。しかし、シン
ボル同期タイミングは、位相角算出以外の方法によって
も得ることができる。図6は、本発明のキャリア位相追
従装置の第2の実施の形態のブロック構成図である。図
中、図9,図1と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。31はリミティングアンプ、32はクワド
ラチャ検波回路、33は比較器である。
【0052】中間周波数帯域の受信信号に対し、リミテ
ィングアンプ31により振幅制限増幅を行った後、クワ
ドラチャ検波回路32において周波数弁別を行い、この
出力を比較器33でレベル判別することにより、図1に
示した判定部10と同様なパルス信号が得られる。同期
信号としては、第1の実施の形態と同様に、従来の同期
信号を用いる。この同期信号は、QPSK信号として定
義されていたが、変調指数0.5のMSK(Minimum Sh
ift Keying)が、情報1,0,1,0・・・を繰り返し
送信していることに等しい。すなわち、信号点間を移動
するごとに、周波数が増減している。
【0053】したがって、クワドラチャ検波回路32の
出力は、周波数の変化に応じて、ハイレベルとローレベ
ルとを繰り返す信号が出力され、しかも、レベル変化の
タイミングは、図8に示した(0,0),(1,0)の
各信号点のタイミングに対応するため、比較器33で所
定の閾値と比較することにより図4(c)に示した判定
部10の出力と同様なパルス信号を得て、XOR型積分
デジタルPLL部11への参照信号となる。
【0054】上述した説明では、QPSKについて例示
したが、BPSK、QAMなど、キャリア位相平面座標
上の信号点位置に基づいてデジタル復調を行う場合に適
用することができる。信号点の位相角が2種類であって
も、また、4種類を超えても同様である。QAMのよう
に振幅レベルにも情報をのせるデジタル変調の場合に
は、ベースバンド受信信号I,Qから振幅レベルを算出
し、これを位相角算出部8から出力される位相角ととも
に用いて復調データを出力すればよい。
【0055】同期信号としては、信号点間を±90゜変
化するものであれば、上述したような[0,0]、
[1,0]に限らない。例えば、[0,0][0,1]
の信号点間を変化してもよい。さらに、同期信号として
は、キャリアに対する位相角が異なる信号点でキャリア
に対する位相回転方向が反転する同期信号であればよ
い。ただし、[0,0]、[1,1]のように±180
゜の信号点変化の場合には、信号点間の位相変位がどち
らの方向に回転しているのか判別がむずかしくなる場合
がある。QAMの場合には、より多様な信号点間の変化
を用いることができる。
【0056】上述した説明では、キャリア再生を行わな
いため、基準周波数発振器1の発振周波数を制御しなか
った。しかし、基準周波数発振器1の周波数をキャリア
に同期させる場合であっても、本発明を用いて、キャリ
ア同期が確立するまでの間などにおいても、キャリア位
相に追従して復調データを出力することができる。上述
した説明では、位相角算出部8が出力する位相角とオフ
セット位相角とを位相角判定部13に入力して、復調デ
ータを判定するようにした。これに代えて、位相角算出
部8においてオフセット位相角を補正した位相角を出力
するようにしてもよい。また、位相角算出部8において
復調データおよびオフセット位相角とのずれ量を出力す
るようにしてもよい。
【0057】上述した説明では、周波数ホッピング受信
装置におけるデジタル復調に伴うキャリア位相追従装置
について例示した。これに限らず、デジタル復調装置一
般に用いても、同様の作用効果を奏することができる。
特に、一度に伝送するデータ量が少ないバースト信号を
伝送する場合には、シンボル同期さえとれていれば、短
時間でキャリア位相に追従することができるために特に
好適である。
【0058】
【発明の効果】本発明は、上述した説明から明らかなよ
うに、キャリア再生を行わなくても、キャリア位相に追
従することができる。短い同期信号を用いて短時間で情
報データの受信が可能となり、スループットを向上させ
ることができる。周波数ホッピング受信装置の周波数変
化終了時におけるキャリア周波数の変動にも追従できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリア位相追従装置の第1の実施の
形態のブロック構成図である。
【図2】デジタル変調された信号のキャリア位相平面座
標軸の移動を示す説明図である。
【図3】デジタル変調された信号の位相角を基準周波数
信号を基準位相として模式的に示す説明図である。
【図4】図1に示したキャリア位相追従装置の動作を説
明するための、数値データおよび波形を模式的に示す説
明図である。
【図5】シンボル同期後のキャリア同期の説明図であ
る。
【図6】本発明のキャリア位相追従装置の第2の実施の
形態のブロック構成図である。
【図7】従来の周波数ホッピングシステムの一例のブロ
ック構成図である。
【図8】4相位相変調(QPSK)における信号点の一
例を示すIQ位相平面座標図である。
【図9】図8におけるデジタル復調器のブロック構成図
である。
【図10】図9に示したデジタル復調器の各部の波形図
である。
【図11】図9に示したキャリア再生回路61の一例を
説明するためのブロック構成図である。
【図12】周波数ホッピングシステムにおけるキャリア
の周波数変化を示す説明図である。
【図13】1度の周波数ホッピング期間において送出さ
れる送信フレームの開始部分の説明図である。
【符号の説明】
1 基準周波数発振器、2 90゜移相器、3,4 復
調乗算器、5,6 ローパスフィルタ、7 A/D変換
器、8 位相角算出部、9 差分出力部、10判定部、
11 XOR型積分デジタルPLL回路、12 累積加
算器、13位相角判定部、14 デジタルフィルタ、2
1〜24 信号点、31 リミティングアンプ、32
クワドラチャ検波回路、33 比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−212424(JP,A) 特開 平7−297870(JP,A) 特開 平7−183927(JP,A) 特開 昭61−45661(JP,A) 特開 昭59−37757(JP,A) 特開 平8−242260(JP,A) 特開 平9−186731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル変調された信号を基準周波数信
    号を用いて復調し、復調された信号に基づいて復調デー
    タをキャリア位相に追従して判定するためのキャリア位
    相追従装置であって、 前記デジタル変調された信号のシンボルに同期した判定
    タイミングを与えるシンボル同期手段、 前記判定タイミングで、前記復調された信号の位相角お
    よび設定されたオフセット位相角に基づいて、前記オフ
    セット位相角のずれ量を判定する手段、および、 前記ずれ量に基づいて前記オフセット位相角を更新する
    オフセット位相角設定手段、 を有することを特徴とするキャリア位相追従装置。
  2. 【請求項2】 前記オフセット位相角設定手段は前記オ
    フセット位相角を記憶する記憶手段を有し、 前記ずれ量をフィルタを通して前記記憶手段に記憶され
    た前記オフセット位相角に加算して前記記憶手段に再記
    憶させる、 ことを特徴とする請求項1に記載のキャリア位相追従装
    置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタの応答特性が可変であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のキャリア位相追従装
    置。
  4. 【請求項4】 キャリアに対する位相角が異なる信号点
    で前記キャリアに対する位相回転方向が反転する同期信
    号を受信し、 前記シンボル同期手段は、 前記デジタル変調された信号の位相角の回転方向が反転
    する反転タイミングを検出する反転タイミング検出手
    段、および、 前記反転タイミングに同期して前記判定タイミングを与
    えるクロック信号を出力するクロック信号出力手段、 を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載のキャリア位相追従装置。
  5. 【請求項5】 デジタル変調された信号がホッピングパ
    タンに応じた周波数チャンネルで受信され、該デジタル
    変調された信号を基準周波数信号を用いて復調し、復調
    された信号に基づいて復調データをキャリア位相に追従
    して判定するためのキャリア位相追従装置を備える周波
    数ホッピング受信装置であって、 前記キャリア位相追従装置として、請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載のキャリア位相追従装置を用いる、 ことを特徴とする周波数ホッピング受信装置。
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