JP3344562B2 - 炭化けい素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化けい素半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化けい素を用い
た半導体装置の製造方法、特に炭化けい素に導入したイ
オン注入不純物の活性化のための熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化けい素(以下SiCと記す)は、バ
ンドギャップが広く、また最大絶縁電界がシリコンと比
較して約一桁も大きいことから、次世代の電力用半導体
素子への応用が期待されている材料である。これまで
に、6H−SiCや4H−SiCなどの単結晶が、かな
り高品質で製造できるようになってきており、ショット
キーダイオード、縦形MOSFET、サイリスタなどの
半導体素子が試作され、その特性から従来のシリコンと
比較して非常に特性が良好なことが確認されている。
【0003】SiCは、シリコンと同様に熱酸化法によ
って、表面に良好な半導体−絶縁膜界面をもつSiO2
膜が成長することが知られており、そのSiO2 膜をゲ
ート絶縁膜や安定化膜として利用することができること
から、同様にMOS型半導体装置への適用が可能であ
る。このような物性は化合物半導体としては他に類を見
ない特性であり、この特性を利用してMOSFET等の
MOS型半導体装置の製造が容易となり、将来の広い応
用が期待されている。
【0004】本発明は、これらの半導体素子を製造する
上で不可欠なイオン注入工程に関するものである。イオ
ン注入技術は、半導体結晶中に異なる濃度や導電型の領
域を容易に形成できるため、半導体素子作製において不
可欠な技術となっている。SiCにおいてもイオン注入
技術を用いて、上記のデバイスが試作されている。例え
ば、SiCの場合には、n型領域形成のためには、窒素
やリンが、p型領域形成のためにはアルミニウムやほう
素が一般的に使用されている。イオン注入後には、熱処
理によって注入された不純物を活性化するための熱処理
である高温アニールが必要になる。アニール温度は、シ
リコンでは900℃以上でせいぜい1250℃程度であ
るが、SiCは非常に熱的に安定な材料であることか
ら、活性化の熱処理は1300℃以上1700℃の範囲
の高温アニールが実施される。
【0005】図5は木本等の発表になる注入不純物の活
性化率のアニール温度依存性を示す特性図である[T.Ki
moto, O.Tkakemura, H.Matsunami, T.Nakata, and M.In
oue;J.Electronic Materials, Vol.27, No.4,(1998) p.
358 参照]。この図からアニール温度は、アルミニウ
ムでは1500℃以上、ほう素では1700℃以上の温
度でなければ100%近い活性化が実現できないことが
わかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような高温でのア
ニールは、通常アルゴン(以下Arと記す)中にておこ
なわれるが、そのままではSiC表面のSi原子が気化
して表面が炭素(以下Cと記す)リッチになり、面荒れ
が発生することが知られている。これを抑えるために高
温でアニールする場合には、SiC容器中に入れるか、
グラファイト容器中にSiC粉末などと一緒に入れるな
どしてSi雰囲気を作り出し、Si原子の蒸発を抑える
という工夫がされている。この方法を用いると、170
0℃程度の高温アニールでも鏡面が保たれる。
【0007】ところが、このような処理を施しても、高
温アニール後の表面を詳細に観察すると、実は微細な面
荒れが多数発生していることがわかった。例えば、発明
者らはアルミニウムイオンの注入後、1550℃での高
温アニールをおこなったSiC表面を走査型電子顕微鏡
(以下SEMと記す)にて観察し、<1,1,−2,0
>方向に垂直な方向の縞状の面荒れが発生することを発
見した[辻崇、斉藤明、上野勝典; 第45回応用物理学
会関連連合講演会(30a-YG-1)講演予講集417頁,(19
98) 参照]。イオン注入せずに1550℃での高温熱処
理のみをおこなった場合も、多少の微細な面荒れは見ら
れるが、イオン注入後のものほどひどくは無い。高温ア
ニール後の表面の微細な面荒れは他の研究者からも最近
報告されており[例えば M.A.Capano, S.Ryu, M.R.Mell
och, J.A.Cooper,Jr., and M.R.Buss; J.Electronic Ma
terials, Vol.27, No.4,(1998) p.370参照]、アニール
温度が高いほど、またイオン注入量が多いほど激しくな
ることがわかった。他に点状の欠陥も発生することが知
られている。
【0008】このような表面の微細な面荒れは、表面を
利用する半導体素子にとっては致命的である。たとえば
ショットキーバリアダイオードでは金属とSiCの界面
状態で特性が左右されるし、MOSFETにおいては絶
縁膜とSiCの界面がもっとも重要であり、良質の絶縁
膜を形成できることが必須である。図6は、ほう素イオ
ンの注入後1700℃、30分間Ar中で高温アニール
したSiC上の酸化膜の絶縁特性図である(○印)。横
軸は印加電圧、縦軸はもれ電流である。酸化膜は水素と
酸素とを供給するパイロジェニック法により形成した。
ほう素イオンの注入および高温アニールをしていないS
iCの酸化膜の絶縁特性(●印)と比較したものであ
る。酸化膜の厚さはいずれも35nmとした。
【0009】イオン注入および高温アニール後の酸化膜
は、イオン注入をしていないものに比べ、もれ電流が約
一桁ないし二桁大きく、しかもイオン注入をしていない
ものでは破壊電圧が45V以上であったのに対し、約2
5Vで破壊している。すなわち、イオン注入および高温
アニール後は、酸化膜の絶縁特性が非常に劣化すること
がわかる。この大きな原因の一つは高温アニールによる
表面の微細な面荒れにあると考えられる。
【0010】以上の問題に鑑み本発明の目的は、表面の
微細な面荒れを防止し、絶縁特性の良好な酸化膜を形成
できる高温アニール方法を提供し、もって優れた特性の
炭化けい素半導体装置を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明は、炭化けい素への不純物イオン注入後に、水素雰囲
気または水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱
する予備熱処理をおこない、その後高温アニールをおこ
なう。
【0012】そのような予備熱処理をおこなえば、作用
の機構は明確ではないが、後述するように1700℃程
度の熱処理後でもこれまで見られたような表面の微細な
面荒れが抑制され、欠陥がほとんど発生することがな
く、熱酸化により耐圧特性の良好な酸化膜が得られる。
水素と不活性ガスとの混合ガスの場合には、20%以上
の水素を含む雰囲気とするのがよい。
【0013】また、塩酸ガスをさらに加えた雰囲気とし
ても、同様の効果が得られる。但し、塩酸ガスの含有量
としては、水素の5%以下の範囲とするのが良い。その
ような範囲とすれば、表面の微細な面荒れが抑制され
て、しかも5%以下であればエッチピットを生じない。
予備熱処理の加熱温度としては、800〜1200℃の
範囲とするのがよい。
【0014】そのような範囲とすれば、表面の微細な面
荒れを抑制することができる。800℃未満では顕著な
効果が見られず、また1200℃を越える温度とする
と、エッチピットを生じる。予備熱処理後に、同じ加熱
炉で直ちに1200℃以上のアニール処理をおこなうこ
ととすれば、冷却、加熱工程が省かれるので、工程が簡
略にでき、結晶欠陥の導入が回避できる。
【0015】予備熱処理の前に800〜1200℃の前
熱処理を施すことも良い。そのようにすれば、イオン注
入後の結晶欠陥が回復するので、エッチングされにくく
なって、エッチング性ガスによる表面の微細な面荒れが
抑制される。予備熱処理の加熱時間としては、5分間以
上とするのがよい。5分間以下では表面の微細な面荒れ
を抑制する顕著な効果が見られない。
【0016】酸化膜を除去した後に予備熱処理をおこな
うことも重要である。酸化膜を残したまま予備熱処理を
おこなうと、酸化膜のピンホール等を通じてエッチング
性ガスによる不均一なエッチングが起こり、表面が荒れ
る。また酸化膜が部分的に存在すると、その酸素によ
り、他の部分が不均一に酸化されて表面が荒れることも
ある。酸化膜を除去して予備熱処理をおこなうと、表面
の平滑さが保たれる。
【0017】炭化けい素半導体基板が、4Hまたは6H
結晶であるものとする。4Hまたは6H結晶は、良質な
結晶が入手でき、半導体装置にも適することが知られて
いる。特に、4H結晶は移動度の結晶方位依存性が少な
く、またその移動度が他の多形よりも優れているため、
パワーデバイス応用には4H結晶がもっとも適してい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で提供する方法は、そのメ
カニズムについては明確にはわからないが、いくつかの
実験により効果が明らかとなった。不純物イオンの注入
後に、注入した不純物の活性化のためにおこなう170
0℃程度の高温アニールの前の熱処理方法を吟味するこ
とによって、高温アニール時の表面の微細な面荒れを抑
制できる方法を得た。以下に図を参照しながら、本発明
の炭化けい素半導体装置の熱処理方法の詳細を述べる。
【0019】[実施例1]図1は、本発明にかかる酸化
工程の、温度変化を表す温度プログラム図である。すな
わち、横軸は時間、縦軸は温度を表している。P1 の期
間はイオン注入後に本発明の予備熱処理をする工程であ
る。この工程は後のアニール工程と異なり水素(以下H
2 と記す)雰囲気とする。T1 は予備熱処理温度、t1
は予備熱処理時間である。
【0020】次のP2 は試料を室温にして炉外に出して
いることを示している。P3 はアニール炉に挿入し、ア
ニール温度T2 まで昇温して試料をアニールする工程で
ある。炉入れ温度は、本発明の本質とはあまり関係が無
いが通常700℃から900℃の範囲である。このとき
前述のようにグラファイト容器あるいはSiC容器の中
に入れる。また最初に真空引きするなどして、炉内の酸
素や水分を除去するのが好ましい。アニールは、Ar雰
囲気や窒素(N2 )雰囲気などの不活性雰囲気とする。
アニール時間t2 は必要なアニールに応じて設定され、
通常数分から数時間程度である。
【0021】適当な雰囲気ガス中および冷却条件で冷却
した後引出し、室温に戻す。引出し温度も本発明の本質
にはあまり関係しないが700℃から900℃の範囲と
することが、界面凖位密度の低減に有効である。具体的
には、例えば次のような条件でおこなう。SiCウェハ
を室温の予備熱処理炉に挿入し、真空引きを経てH2
置換する。1000℃(T1 )に昇温し、H2 を毎分3
リットル(L)流して、30分間(t1 )保持した後、
室温まで冷却して取り出す。
【0022】次に、SiCウェハを700℃のアニール
炉に挿入し、1700℃(T2 )まで昇温する。雰囲気
はArである。30分間(t2 )のアニールをおこなっ
た後、同じ雰囲気中で毎分3℃の冷却速度で700℃ま
で冷却し炉から取り出す。図2は、本発明の予備熱処理
とアニールとをおこなったSiCにおける熱酸化膜の絶
縁特性図である。横軸は熱酸化膜に印加される電圧、縦
軸はもれ電流である。面方位(0001)シリコン面の
4H−SiCウェハを用い、加速電圧100keV、ド
ーズ量5×1013cm-2でほう素のイオン注入をした。
その後上記の予備熱処理とアニールとをおこない、パイ
ロジェニック法により、1100℃で5時間の熱酸化を
おこなった。酸化膜の膜厚は35nmである。なお、予
備熱処理炉の加熱は高周波加熱で、アニール炉の加熱は
抵抗加熱でおこなった。
【0023】比較のため、イオン注入後予備熱処理をお
こなわないでアニールし、熱酸化した場合のもれ電流を
も示した。酸化膜上の電極はスパッタ法によりアルミニ
ウムを堆積し、直径200μ、厚さ0.2μとした。本
実施例の方法で予備熱処理とアニールとをおこなったS
iCにおける熱酸化膜の絶縁特性は、28V付近から急
速に増大し、40Vで約1×10-7Aのもれ電流を示し
た。40〜45Vで破壊し、1×10-4A付近の点は破
壊した後のもれ電流である。
【0024】一方、予備熱処理をおこなわなかったもの
では、20V付近からもれ電流が急速に増大し、約25
Vで1×10-10 A程度のもれ電流を示した後破壊して
いる。すなわち、本発明の方法により熱酸化膜の絶縁耐
圧が大きく、しかも破壊しにくくなっており、図6のイ
オン注入およびアニールをしていない場合とほぼ同じ特
性が得られたことを示している。またアニール後の表面
は従来のような縞状の微細な面荒れが殆ど発生していな
いことが確認され、本発明の方法が高温アニールにおい
て非常に有効な手段であることがわかった。
【0025】このような改善効果が得られるメカニズム
は明確にされていないが、H.Tsuchida,H. 等の報告[ Pr
oceedings of International conference on Silicon C
arbide, III-nitrides and Related Materials-1997]に
あるように、H2 中での加熱前処理によって表面の不完
全層がエッチングされることが影響しているかも知れな
い。
【0026】予備熱処理の温度、時間を変化させて実験
をおこなったところ、温度T1 は800℃以上で効果が
見られ、1200℃を越すと表面にエッチピットを生じ
て良くないことがわかった。また、処理時間t1 は5分
以上であれば効果があり、時間が長いほど良い。しかし
2時間以上では、効果が飽和する傾向を示すので、それ
以上長くすることはプロセス時間が長くなるだけで、無
駄である。
【0027】[実施例2]アニール工程の前におこなう
予備熱処理工程において、実施例1のH2 の代わりにH
2 を20%含ませたH2 とArとの混合ガス雰囲気とし
た。予備熱処理工程の温度、時間、および後のアニール
工程は実施例1とほぼ同じとした。予備熱処理工程およ
びアニール工程後に、パイロジェニック法により、熱酸
化膜を形成し、絶縁特性を評価したところ、実施例1と
ほぼ同じ絶縁特性であった。
【0028】すなわちH2 を20%含むArとの混合ガ
ス雰囲気においても、純H2 とほぼ同じ効果が得られる
ことがわかった。不活性ガスとの混合ガスとすれば、安
全面から純H2 より取扱いが容易である。ただし、H2
を10%としたものでは、効果がかなり減殺された。従
って、H2 の含有量としては20%以上がよい。Arの
他に、不活性ガスとしてヘリウムや窒素も使用できた。
【0029】[実施例3]高温アニール工程の前におこ
なう予備熱処理工程において、H2 に1%の塩酸ガス
(以下HClと記す)を加えた。予備熱処理工程の温
度、時間、および後の高温アニール工程は実施例1とほ
ぼ同じとした。このようなアニール方法をおこなった
後、パイロジェニック法により、熱酸化膜を形成して耐
圧特性を測定した。本実施例の方法で熱処理した後の酸
化膜の絶縁特性を測定した結果は、実施例1より僅かで
はあるが高い耐圧を示した。
【0030】HCl濃度を変化させて実験をおこなった
ところ、5%を越すと表面にエッチピットを生じて良く
ないことがわかった。 [実施例4]図1に示した第一の方法は、イオン注入後
に予備熱処理をおこなった後、一旦SiCウェハを取り
出してから、高温アニールを実施する場合について示し
たものであった。
【0031】図3は、本発明にかかる別の熱処理方法
の、温度変化を表す温度プログラム図であり、予備熱処
理をする炉とアニール炉を同一とし、連続的におこなっ
た場合について示している。その方法について以下に記
す。SiCウェハを室温で酸化炉に挿入し、真空引きを
経てH2 に置換する。1000℃(T1 )に昇温し、H
2 を毎分3L流して、30分間(t1 )保持する。終了
後、窒素置換、Ar置換を経て炉の温度を1700℃
(T2 )に昇温し、30分間(t2 )、高温アニールを
おこなった。高温アニール終了後同じ雰囲気で、毎分3
℃の冷却速度で700℃まで冷却し炉から取り出す。
【0032】このようにすると、別の炉を用意する必要
もなく、工程が簡素化されるという利点がある。各期間
については図1とまったく同じ意味であるが、図2では
2の工程が省略されていることがわかる。このような
熱処理方法後に形成した酸化膜の絶縁特性を評価したと
ころ、図2の実施例1の酸化膜とほぼ同じもれ電流の電
圧依存性を示した。
【0033】[実施例5]図4は本発明の更に別の方法
にかかるアニール工程の、温度変化を表す温度プログラ
ム図である。図1のP1 〜P3 工程の以前にP4 の工程
が設けられている点が特徴である。これまでに示した方
法は不純物イオンの注入後に、H2 またはH2 と不活性
ガスの混合ガス雰囲気或いはそれにHClを添加した雰
囲気で予備熱処理をおこなった。しかし、これらのガス
雰囲気は高温では多少なりともエッチング性を有してい
る。
【0034】SiCのイオン注入層は、イオンを強制的
に注入されているため結晶欠陥が多く発生していて、結
晶性が乱れ、エッチングされ易くなっている。従って、
イオン注入直後にそのままエッチング性の雰囲気に曝す
ことは好ましく無い。そこで、いったん不活性雰囲気中
で1000〜1300℃の前熱処理工程P4を施し、結
晶性の乱れを少し回復してからH2 またはH2 と不活性
ガスの混合ガス雰囲気で予備熱処理を施すのが良い。
【0035】この場合の前熱処理工程P4 はアニール工
程P2 と同様にSiCなどの容器に入れるのが好まし
く、不活性雰囲気にて実施する。特に、この方法は、イ
オン注入ダメージを大きくする、高エネルギー注入ある
いは高ドーズを行った場合について有効である。以上の
実施例においては、ほう素イオンの注入の例を挙げた。
ほう素やアルミニウムは、注入された不純物の活性化率
を上げるため、1500℃以上の高温アニールを必要と
した。しかし、窒素イオンなど、1200℃以下のアニ
ールでもある程度の活性化が期待できる不純物もあり、
その場合は本発明の予備熱処理のみ施せばよく、高温ア
ニールが不要となる。
【0036】また、実施例において4H結晶を使用した
が、同じ閃亜鉛鉱型とウルツ鉱型とが積層された形で、
ただ積層の順序が異なるアルファ相SiCである6H結
晶でも同じ効果が得られるであろう。なお、再び補足す
ると、H2 、HCl添加雰囲気での熱処理は酸化膜のエ
ッチング効果があることから、不均一なエッチングを避
けるため、イオン注入後酸化膜がある場合には、その酸
化膜を除去してから予備熱処理をする方が好ましい。ま
た、その後の高温アニールにおいては、酸化膜は融解す
るため、この点からも酸化膜を除去してから高温アニー
ルをするのが良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、炭
化けい素への不純物イオン注入後に、H2 またはH2
不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で例えば800〜12
00℃の範囲の温度に加熱する予備熱処理をおこない、
その後高温アニールをおこなうことによって、従来不純
物イオン注入およびアニール後に見られた表面の面荒れ
を改善することができることを示した。更にそれによ
り、状態の改善された表面に熱酸化により形成した酸化
膜は、絶縁特性が大幅に改善されることを示した。微量
のHClを加えた雰囲気としてもよい。
【0038】表面状態は特にMOS型半導体装置にとっ
て極めて重要であり、本発明による大幅な改善は、炭化
けい素のMOS型半導体装置の実用化に資するところ大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の温度プログラム図
【図2】実施例1の方法による酸化膜の絶縁特性図
【図3】本発明の実施例4の温度プログラム図
【図4】本発明の実施例5の温度プログラム図
【図5】イオン注入後高温アニールによる不純物活性化
の温度依存性を示す特性図
【図6】高温アニール後に形成した熱酸化膜の絶縁特性
【符号の説明】
1 予備熱処理工程 P2 移動工程 P3 高温アニール工程 P4 前熱処理工程 t1 予備熱処理時間 t2 高温アニール時間 t3 前熱処理時間 T1 予備熱処理温度 T2 高温アニール温度 T3 前熱処理温度

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化けい素への不純物イオン注入後に、水
    素雰囲気または水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気中
    で加熱する予備熱処理をおこない、その後高温アニール
    をおこなうことを特徴とする炭化けい素半導体装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】予備熱処理時の混合ガス雰囲気が20%以
    上の水素を含むことを特徴とする請求項1記載の炭化け
    い素半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】予備熱処理の雰囲気を、さらに塩酸ガスを
    加えた雰囲気とすることを特徴とする請求項1または2
    のいずれかに記載の炭化けい素半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】塩酸ガスの含有量を水素の5%以下とする
    ことを特徴とする請求項3記載の炭化けい素半導体装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】予備熱処理の温度を800〜1200℃の
    範囲とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の炭化けい素半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】予備熱処理後に、温度を下げず直ちに12
    00℃以上の高温アニールをおこなうことを特徴とする
    請求項5に記載の炭化けい素半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】予備熱処理の前に800〜1200℃の前
    熱処理を施すことを特徴とする請求項5または6に記載
    の炭化けい素半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】予備熱処理の加熱時間を5分間以上とする
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の
    炭化けい素半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】酸化膜を除去した後に予備熱処理をおこな
    うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載
    の炭化けい素半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】炭化けい素半導体基板が、4Hまたは6
    H結晶であることを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れかに記載の炭化けい素半導体装置の製造方法。
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