JP4666200B2 - SiC半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、SiC(炭化珪素)層を利用したSiC半導体装置の製造方法に関するものである。
炭化珪素(シリコンカーバイド、SiC)は、SiとCとが組成比で1:1で結合してなる構造を有し、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界強度が高いワイドバンドギャップ半導体材料である。SiCは、他のワイドバンドギャップ半導体材料と比べても高い耐絶縁破壊性を有するので、次世代の低損失なパワーデバイスへの適用が期待されている。SiCは、立方晶系の3C−SiCや六方晶系の6H−SiC,4H−SiC等、多くのポリタイプを有する。この中で、実用的なSiC−MISFETを作製するために一般的に使用されているのが6H−SiC及び4H−SiCである。そして、c軸の結晶軸に対し垂直な( 0 0 0 1)Si面(表面にSi原子が露出している面)にほぼ一致する面を主面とする基板が広く用いられる。
炭化珪素半導体装置(SiC半導体装置)を形成するためには、炭化珪素基板(SiC基板)上に半導体装置の活性領域となるエピタキシャル成長層を形成し、エピタキシャル成長層の選択された領域で導電型やキャリア濃度を制御することが必要となる。そこで、不純物ドーパント原子をエピタキシャル成長層中に部分的に注入することによって、p型又はn型の各種不純物ドープ領域を形成し、トランジスタやダイオードなどの半導体装置を構成することになる。
図4(a)〜(d)は、従来のSiCのMOSFETを作製する製造工程における,n型ドリフト層内に部分的にp型ウェル領域を形成するための一般的な手順を示す断面図である。
図4(a)に示す工程で、SiC基板101上に、n型ドリフト層102としてSiC膜をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長は、SiC基板の主面として( 0 0 0 1)面にわずかな角度(数度)をもたせた面を選び、基板表面のステップ密度を増大させ、ステップの横方向への成長によるステップフローによってSiC膜を成長する技術によるものである。この技術により、ポリタイプの混在した電子デバイスとして使用できないエピタキシャル成長層の形成が抑制され、良結晶性のエピタキシャル成長層が形成される。現在では、( 0 0 0 1)Si面を基準面として、4H−SiCでは8°のオフ角を、6H−SiCでは3.5°のオフ角を[ 1 1-2 0]方向につけることが一般的となっている。
続いて、図4(b)に示す工程で、n型ドリフト層102の表面にイオン注入マスク103を形成する。この注入マスク103は、n型ドリフト層102の表面の一部分を覆い、イオン注入によってp型ウェル領域4を形成しようとする領域では開口している。
次に、図4(c)に示す工程で、注入マスク103の上方から、n型ドリフト層102内にAlイオン105の注入を行い、イオン注入層106を形成する。
その後、図4(d)に示す工程で、注入マスク103を除去した後に、イオン注入による損傷の回復と不純物イオンの活性化のために、1600℃以上の温度まで不活性ガス又は水素の雰囲気で加熱してアニール処理を行なう。このアニール処理により、イオン注入層106は、活性化されたp型ウェル領域108に変化する。
ところで、SiC基板を利用した半導体装置を製造するに際しては、上記従来の技術のように、オフ角度のついたSiC基板101を用いるのが一般的である。その場合、図4(d)に示す工程において、イオン注入後の活性化アニール工程を行なうと、SiC基板101上に成長したSiC膜2の表面109(特にイオン打ち込みされたp型領域108の表面)において、SiC結晶の表面近傍からのSiの昇華などにより表面近傍の原子の並べ替えが起こり、原子層レベルのステップが数層ずつ合体して束になり、広いテラス109aと高い段差のマクロステップ109bと呼ばれる凸凹が形成される。この凸凹の形成はイオン注入領域表面108において特に顕著であった。このようなステップバンチングと呼ばれる現象が発生することが問題となっていた。このマクロステップ109bの寸法は、アニールの温度が高ければ高いほど大きくなり、ステップ高さが100nm以上になる場合もあった。
そして、このような表面109を含むSiC膜に、例えばショットキーダイオードを形成すると、表面109に接触しているショットキー電極において、マクロステップ109bの先端部分で電界集中が発生し、耐圧が低下する。
また、このような表面109を含むSiC膜にMISFETを形成すると、表面109近くのチャネル領域に電流が流れる際、マクロステップ109bでキャリアの流れの散乱などの乱れが生じ、キャリア移動度が低下してチャネル抵抗が増大し相互コンダクタンスが低下する。
特に、MOSFETでは、このような表面109を熱酸化してゲート酸化膜を形成するので、マクロステップ109bの側壁上とテラス109aの面上とでは酸化膜の膜厚が異なる。その結果、ゲート電圧を印加した際にSiC膜内に生じる反転層の厚みが不均一になって、チャネル移動度が低下する。
以上のような種々の問題のために、SiCを用いてトランジスタやダイオードを形成しても、SiC本来の優れた物性値から期待されるような電気的特性を得ることが困難であった。
一方、活性化アニールによって表面にステップが形成されないようにするために、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜やフォトレジスト膜を保護膜として表面に形成してから、アニールを行なうことも提案されている(例えば、特許文献1参照)。このダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜やフォトレジスト膜は、通常水素を含む膜であり、この含有水素により膜が安定化・平坦化され、表面保護膜として有効に機能するといわれている。
特開2001−68428号公報
しかるに、これらの水素含有保護膜は、実際のアニール温度である1600℃以上の高温において不安定であるため、例えば500nm以上の相当な厚みを有することを必要とし、しかも、この保護膜は高温アニールの後には、当初の膜とは組成・構造・膜厚がそれぞれ相当なばらつきをもって変化している。高温1600℃以上までの温度上昇を行っても膜とSiC表面との密着性を保証し、膜中の内部歪みの加熱による変化による膜はがれ等を起こさない保護膜の形成・制御を工業的に満足できるレベルで行うことは困難であった。この変化した保護膜をアニール後に取り除くことが必要であるが、加熱処理による変化後の保護膜の組成・構造など制御することは難しいので、工業的に満足できるレベルで再現性良く清浄なSiC表面を形成することは困難であり、このため、電気的な特性を達成できる半導体装置の製造は困難であった。
さらに、1600℃以上の高温でアニールを行なう際に保護膜中の不純物がSiC膜中に拡散によって取り込まれたり、保護膜から昇華した不純物によってアニール炉内が汚染されることがある。その結果、上記問題に加えて、このような不純物のために、SiC半導体装置の特性が著しく低下してしまうという問題が生じる。
したがって、上記特許文献1のような対策によってステップバンチングの形成を抑制させることが可能であっても、優れた特性の半導体装置を再現性良く形成することは非常に困難である。このため、アニールによってステップバンチングが形成されずに不純物の汚染の無いSiC半導体装置の実現が望まれている。
本発明の目的は、平滑な表面を維持したまま高い活性化率を実現するSiC半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明のSiC半導体装置の製造方法は、SiC層内に不純物イオンを注入した後、イオン注入層をカーボン膜で覆った状態で、不純物を活性化するためのアニールを行なう手順を含む方法である。
この方法により、1600℃以上の温度において高い活性化率での不純物活性化のためのアニールが行なわれる際、スパッタ法で形成されたカーボン膜によってイオン注入層も覆われているので、物質の昇華等に起因する表面荒れが抑制される。すなわち、スパッタ法で形成されたカーボン膜は、緻密であるとともに、1600℃以上の高温において安定であるので、カーボン膜の組成・構造・膜厚の変化はほとんど生じないからである。したがって、アニール前のイオン注入層の表面が平滑な場合には、アニール後のイオン注入層の表面もその平滑さを維持することができる。
特に、カーボン膜が99%以上の炭素純度を有する場合には、アニールの際に、カーボン膜中の不純物がイオン注入層に拡散によって取り込まれたり、カーボン膜から昇華した不純物によってアニール炉内が汚染されるのが効果的に抑制される。また、水素を1%含まない場合にも、同様の効果を得ることができる。
また、カーボン膜の膜厚は1nm以上で500nm以下であることが好ましい。カーボン膜の膜厚が500nm以下であることにより、アニール後のカーボン膜の除去が困難となることがなく、製造が容易となる。500nm以上の膜厚の炭素薄膜の場合は、アニール後の除去は可能であるが、プロセス的に工数を必要とし、工業的に問題がある。また、カーボン膜の膜厚が、1nm以上であることにより、高温でのアニールにおいて、カーボン膜が昇華したりSiC表面と反応し、消失してしまうおそれがなくなる。上記高温での安定性と除去容易性を考慮すると50nm以上200nm以下が更に好ましい。
本発明は、上記構成により、平坦な表面を維持したまま高い活性化率を実現するSiC半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態として、不純物イオンを基板に注入した後、スパッタ蒸着法により、99%以上の炭素からなるカーボン膜を基板表面上に形成し、引き続いて、基板の温度を上げることにより、イオン注入された不純物の活性化アニールを行なった結果について説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示す工程の前に、直径50mmのSiC基板1上に、n型ドリフト層2としてSiC膜をエピタキシャル成長させる。本実施形態では、( 0 0 0 1)Si面を基準面として、[ 1 1-2 0]方向に8°のオフ角がついたn型SiC基板(4H−SiC基板)を用いている。エピタキシャル成長は、基板表面のステップ密度を増大させ、ステップの横方向への成長によるステップフローによってSiC膜を成長する技術によるものである。
なお、本発明者達は、n型ドリフト層2などのSiC層をエピタキシャル成長させる際には、水素ガスを混合させて1600℃程度の温度で原料ガス(例えばプロパンガス,シランガスなど)及びドーパントガスをチャンバ内に流し、エピタキシャル成長の終了後に水素を含む雰囲気下で1450℃程度に加熱することにより、表面粗さの小さい平滑な表面を有するSiC層が得られることを確認している。
また、平滑な表面を有するSiC基板の上に、SiC層をエピタキシャル成長させる場合には、エピタキシャル成長条件の最適化により、例えばRa<1nmの表面粗さの小さい平滑な表面を有するSiC層が得られることも確認している。
従って、n型ドリフト層2を形成する際には、これらの方法を用いるか、CMP(化学的機械的研磨)によって、例えばRa<1nmの平滑な表面を得ておくことができる。
その後、n型ドリフト層2の表面上にイオン注入マスク3を形成する。この注入マスク3は、n型ドリフト層2の表面の一部分を覆い、イオン注入によってp型ウェル領域を形成しようとする領域では開口部4を有している。
次に、図1(a)に示す工程で、n型ドリフト層2のうちイオン注入マスク3の開口部4の下方に位置する領域に、p型ウェル層を形成するための不純物イオンとしてアルミニウムイオン5を7種類の加速電圧で多段で打ち込んだ。具体的には、加速電圧を1.0MeV,1.6MeV,2.4MeVとし、ドーズ量を3×1014cm-2とした3段のイオン注入と、加速電圧を3.3MeV,4.4MeVとし、ドーズ量を7×1014cm-2とした2段のイオン注入と、加速電圧を5.6MeV,7.0MeVとし、ドーズ量を3×1014cm-2とした2段のイオン注入とを併せた合計7段のイオン注入を行なった。イオン打ち込み時の基板温度は、室温とした。これにより、n型ドリフト層2のうちイオン注入マスク3の開口部4の下方に位置する領域に、イオン注入層6が形成される。
続いて、図1(b)に示す工程で、イオン注入マスク3を除去した後、n型ドリフト層2及びイオン注入層6の上に、カーボン膜7を形成した。SiC基板をスパッタ蒸着装置(図示せず)の基板取り付け部に設置して、炉内をガス排気系によって真空引きを行なう。チャンバー内をガス排気系で真空引きを行なった後に、Arガスを導入して炭素板のターゲットに13.56MHz,100Wの高周波電力を印加して、スパッタ蒸着を行なった。約20分の蒸着により、膜厚が50nmのカーボン膜7が形成された。このとき、カーボン膜7中に含まれる水素等の炭素以外の成分は少なく、カーボン膜7の成分の99%以上は炭素であることが確認されている。
次に、図1(c)に示す工程で、カーボン膜7により被覆されたSiC基板をアニール装置(図示せず)に設置し、ガス供給系からアニール雰囲気用ガスを供給した。アニール雰囲気用ガスとしてはアルゴンガスを選択した。アルゴンガスの流量を0.5リットル/分とした。チャンバー内の圧力は、91kPaで一定とした。その後、基板温度を1750℃まで昇温し、この温度を保ったままで30分間活性化アニールを行なった。次に、アルゴンガスを供給したままで、加熱を終了し、基板を冷却した。イオン注入層6はアニールされ、p型ウェル領域8に変化した。
次に、図1(d)に示す工程で、硫酸と過酸化水素水の3:1混合液による処理により、カーボン膜を一様に溶融させて除去した。この場合、上記混合水溶液はSiC層を溶融することはなく、カーボン膜のみが除去された。
続いて、カーボン膜7を完全に除去するために熱酸化炉内にSiC基板を設置し、流量5リットル/分の酸素を供給して800℃まで加熱した。30分間加熱することによって、表面のカーボン膜7はほぼ完全に除去されるが、本実施形態では60分間の加熱を行なった。その結果、本実施形態では、アルミニウムの活性化率は90%であり、十分な活性化を行なっている。そして、以下のように、カーボン膜7の除去後のp型ウェル領域8の表面は、活性化アニール前の平滑性を維持している。
次に、本発明の方法でアニールされたSiC層の表面と、カーボン膜を用いずにアニールされたSiC層との表面状態を比較するために行なった実験結果について説明する。
図2(a)〜(c)は、SiC基板のイオン注入層の一部をカーボン膜で覆って活性化アニールを行なったサンプルの原子間力顕微鏡(AFM)観察による表面モフォロジーを示す顕微鏡写真図である。図2(a)〜(c)において、領域Raは活性化アニール時にカーボン膜で覆われた部分であり、本実施形態の製造方法によって形成されたp型ウェル領域に相当する。領域Rbは活性化アニール時にカーボン膜で覆われていなかった領域であり、従来の製造方法によって形成されたp型ウェル領域に相当する。図2(b)は、領域Raを拡大して示し、図2(c)は領域Rbを拡大して示している。
図3(a),(c)は、それぞれ領域Ra,Rbの表面粗さをAFMにより測定した結果を示す図である。図3(a)における縦軸のフルスケールは1.26nmであるのに対し、図2(b)における縦軸のフルスケールは44.49nmである。最大表面粗さで比較すると、本実施形態の方法によるp型ウェル領域では従来の方法によるp型ウェル領域の1/40程度の表面粗さとなっている。
図2(a)〜(c)及び図3(a),(b)からわかるように、領域Raの表面は活性化アニール前の平滑性を維持しているのに対し、領域Rbの表面は活性化アニールによって非常に荒れたものとなっている。これは、SiC層内の物質(例えばSi,C,ドーパント)の昇華に起因するものと考えられる。
本実施形態の半導体装置の製造方法により、図1(b)に示すアニール工程において、スパッタ法で形成されたカーボン膜7によってオン注入層が覆われているので、イオン注入層からの物質の昇華に起因する表面荒れが抑制される。すなわち、スパッタ法で形成されたカーボン膜は、緻密であるとともに、1600℃以上の高温において安定であるので、カーボン膜の組成・構造・膜厚の変化はほとんど生じないからである。したがって、アニール前のイオン注入層の表面が平滑な場合には、アニール後のイオン注入層の表面もその平滑さを維持することができる。
また、蒸気圧の非常に低い炭素を主成分とするカーボン膜は、抵抗加熱や電子ビーム加熱などのスパッタ法以外の方法による成膜では緻密な膜を再現性良く得るのが困難であった。これは、保護膜とSiCの表面の密着性、保護膜の内部歪みの温度変化、SiC表面との反応を抑えるだけの保護膜の緻密性・安定性(水素などを含むと安定性が悪くなる)が、他の形成方法の炭素薄膜では不十分であることに起因する。スパッタ蒸着法は物理的なイオン衝突の衝撃によりターゲット分子炭素をはじき飛ばし、そのはじき飛ばされたスパッタ―粒子を基板上に供給して成膜するので、蒸気圧が低くても炭素を効率的に堆積することができる。この場合、スパッタ蒸着時のSiC基板の加熱などは最小限で安定な薄膜が形成でき、工業的に有効であった。さらに、スパッタ法による場合、SiC基板表面に供給される炭素原子は1eV以上の運動エネルギーを有している原子を含んでおり、成膜された薄膜を緻密化することができ、かつ、アニール工程における昇温時に、膜の剥離などが起こらないような安定なカーボン膜が得られ、有効であることも確認された。更に、上記高運動エネルギーを有する原子が蒸着されるSiC表面をたたくので、SiCのごく表面の原子が活性化され、SiC表面と炭素薄膜との密着性も増大し、高温アニール時に膜はがれが起こらない高安定な炭素薄膜が得られた。その上、上記高運動エネルギーが炭素薄膜成膜中に薄膜に供給されるためにローカルな加熱が施される効果により膜中の内部歪みが緩和されて、炭素薄膜が安定化することも確認された。上記ローカルな加熱は、アニール温度1600℃以上の加熱であり、アニール時に内部歪みの状態が変化して膜はがれ等が起こることを抑制することも確認された。
特に、カーボン膜が99%以上の炭素純度を有する場合には、アニールの際に、カーボン膜中の不純物がイオン注入層に拡散によって取り込まれたり、カーボン膜から昇華した不純物によってアニール炉内が汚染されるのが効果的に抑制される。また、水素を1%含まない場合にも、同様の効果を得ることができる。
また、カーボン膜の膜厚は1nm以上で500nm以下であることが好ましい。ここで、カーボン膜の膜厚が500nm以下であることにより、アニール後のカーボン膜の除去が困難となることがなく、製造が容易となる。カーボン膜の膜厚が、1nm以上であることにより、高温でのアニールにおいて、カーボン膜が昇華したりSiC表面と反応し、消失してしまうおそれがなくなる。
また、本実施形態のSiC半導体装置の製造方法のごとく、図1(d)に示すカーボン膜を除去する工程では、硫酸と過酸化水素水の混合液による処理の工程を含むことが好ましい。この混合液処理により、カーボン膜が一様に溶融され除去された。この場合、混合水溶液はSiCを溶融することはなく、カーボン膜のみを除去するのに有効であった。
さらに、本実施形態のSiC半導体装置の製造方法のごとく、図1(d)に示すカーボン膜を除去する工程では、酸素を含む雰囲気中で400℃以上1200℃以下に加熱する工程を含むことにより、カーボン膜を効率的に除去することが可能である。一方、400℃以下の場合には、炭素が酸化されて酸化炭素として除去される反応が不十分で、カーボン膜の除去に長時間を要し、均一に除去されないおそれがある。また、1200℃以上の場合には、石英チャンバを利用しようとすると溶融石英の軟化点に当たるため、酸素雰囲気で達成することは難しく、このような条件を実現するためにはコストがかかり、SiC半導体装置の製造方法として好ましくない。
なお、本実施形態においては、カーボン膜を熱酸化を利用して除去したが、酸素を用いたプラズマ処理やオゾン処理によっても、カーボン膜を除去することができる。この場合は上記酸化処理の場合に比べて、加熱の必要が無くプロセスが簡略化でき工業的に有効であった。
また、以上の実施の形態においては、4H−SiCをSiC基板として用いたが、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いてもよい。
本発明のSiC半導体装置は、平坦な表面を維持したまま高い活性化率を実現するSiC半導体装置の製造方法を提供することができ、電力増幅用のパワーデバイスや高周波信号を扱うデバイスに利用することができる。
(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は、SiC基板のイオン注入層の一部をカーボン膜で覆って活性化アニールを行なったサンプルの原子間力顕微鏡(AFM)観察による表面モフォロジーを示す顕微鏡写真図である。 (a),(b)は、それぞれ領域Ra,Rbの表面粗さをAFMにより測定した結果を示す図である。 (a)〜(d)は、従来のSiC半導体装置を作製する製造工程における,n型ドリフト層内に部分的にp型ウェル領域を形成するための一般的な手順を示す断面図である。
符号の説明
1 SiC基板
2 n型ドリフト層
3 イオン注入マスク
4 開口部
5 アルミニウムイオン
6 イオン注入層
7 カーボン膜
8 p型ウェル領域
9 表面

Claims (4)

  1. SiC層内に不純物イオンを注入してイオン注入層を形成する工程(a)と、
    スパッタ法により、上記イオン注入層を覆うカーボン膜を形成する工程(b)と、
    上記カーボン膜により上記イオン注入層を覆った状態で、SiC層を1600℃以上の温度下でアニールする工程(c)と
    を含み、
    上記ステップ(b)では、上記カーボン膜として、99%以上の炭素純度を有するカーボン膜を形成する、SiC半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載のSiC半導体装置の製造方法において、
    上記ステップ(b)では、上記カーボン膜として、1%以上の水素を含まないカーボン膜を形成するSiC半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のSiC半導体装置の製造方法において、
    上記ステップ(c)の後で、上記カーボン膜を除去する工程をさらに含むSiC半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1〜のうちいずれか1つに記載のSiC半導体装置の製造方法において、
    上記ステップ(b)では、上記カーボン膜として膜厚が1nm以上で500nm以下のカーボン膜を形成するSiC半導体装置の製造方法。
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