JP4595224B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)からなる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SiCにおける不純物層形成は、イオン注入および注入されたイオンの活性化熱処理によって行われる。SiCでは、不純物(特にp型不純物)が熱処理によって活性化し難いため、活性化のための熱処理温度を上げることで不純物の活性化率を向上させようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1600℃での活性化熱処理を行った後に、不純物層の表面をAFMで観察したところ、ステップ状の表面荒れが発生することが確認された。この表面荒れは、活性化熱処理時のSi抜けによって生じるマイグレーションに起因して発生するが、活性化熱処理温度がマイグレーション発生温度よりも高いこと(活性化熱処理温度が1500℃以上であるのに対し、マイグレーション発生温度が1420℃)から、不純物の活性化率向上のためにさらなる活性化熱処理を実施すれば、よりこの表面荒れが悪化すると考えられる。換言すれば、SiCにおいて不純物の活性化熱処理を行うと必ずマイグレーションが発生すると共に、これに起因した表面荒れが発生するため、不純物の活性化率の向上と表面荒れの抑制を両立することは困難である。
【0004】
これを解決するものとして、H2雰囲気中で熱処理を施すことにより、マイグレーションを起こした原子を表面から除去するという方法が考えられるが、この方法によると、熱処理によって表面がエッチングされるため、不純物層の接合深さが浅くなるという問題が発生したり、H2雰囲気ではH2エッチングによるステップバンチングが発生するという問題がある(Materials Science Forum Vols. 338-342 (2000) pp.1037-1040参照)。
【0005】
また、SiH4/H2やSiH4/Arにより、擬似的にSi雰囲気を作り出し、表面からのSi抜けを抑制し、表面荒れを抑制するという方法が考えられるが、SiH4/H2雰囲気では、Siドロップレットが発生するという問題がある(Materials Science Forum Vols. 338-342 (2000) pp.901−904参照)。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、不純物層を浅くしたりステップバンチングを発生させたりせず、かつ、Siドロップレットを発生させたりすることなく、不純物の活性化率の向上と表面荒れの抑制を両立させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、炭化珪素半導体(2)にイオン注入を行うことにより不純物層(3)を形成する不純物層形成工程を含んだ炭化珪素半導体装置の製造方法において、不純物層形成工程では、炭化珪素半導体に不純物をイオン注入したのち、炭化珪素半導体の上面に炭化珪素層をデポジションするためのデポガスと、デポジションがなされる前記炭化珪素層をエッチングするためのエッチングガスとを含む雰囲気において熱処理を施すことによって注入された不純物を活性化させることで不純物層を形成し、該熱処理において、炭化珪素半導体の上面に炭化珪素層がデポジションされる速度と該デポジションされる炭化珪素層がエッチングされる速度とが平衡状態となるようにすることを特徴としている。
【0008】
このように、炭化珪素半導体の上面に炭化珪素層がデポジションされる速度と該デポジションされる炭化珪素層がエッチングされる速度とが平衡状態となるように熱処理を行うことで、マイグレーションを抑制できると共に、熱処理時に炭化珪素半導体の表面がエッチングされることなく、熱処理での表面荒れを抑制することができる。これにより、不純物層を浅くしたりステップバンチングを発生させたりせず、かつ、Siドロップレットを発生させたりすることなく、不純物の活性化率の向上と表面荒れの抑制を両立させることができる。
【0010】
この場合、請求項に示すように、デポガスとエッチングガスとを同時に導入した状態で熱処理を行ってもよいし、請求項に示すように、デポガスを導入したのち、エッチングガスを導入するようにしても良い。
【0011】
また、請求項に示すように、デポガスおよびエッチングガスの導入を熱処理の開始時点から行ってもよいし、請求項に示すように、マイグレーションが発生する温度となる1400℃以上の温度領域でデポガスおよびエッチングガスの導入を行うようにしてもよい。
【0012】
なお、請求項に示すように、デポガスとしては、SiH4+C38/H2、SiH4+C26/H2、SiH4+C24/H2、Si26+C38/H2、Si26+C26/H2、Si26+C24/H2のいずれか1つを用いることができ、また、請求項に示すように、エッチングガスとして、HCl、H2、C38/H2、C26/H2のいずれか1つを用いることができる。
【0013】
また、不純物層形成に用いられる不純物としては、請求項10に示すようなp型不純物であるB、Al、Ge、請求項11に示すようなn型不純物であるN又はP、さらには、請求項12に示すような準不導体領域を形成するためのVが挙げられ、これらをイオン注入したあとに上記熱処理を行うことになる。ただし、特に活性化時に高温が必要とされるp型不純物に関して、上記各請求項に記載の発明を適用することで、よりマイグレーション抑制の効果を得ることができる。
【0014】
請求項13に記載の発明では、不純物層形成工程では、熱処理終了後の降温時に、少なくとも1400℃以上となる温度領域では、SiH4、HClのいずれか一方、もしくは双方を導入することを特徴としている。このようにすれば、SiH4の導入によって、炭化珪素半導体及び不純物層の表面からのSi抜けを抑制することでカーボンリッチ層が形成されることを抑制することができ、HClの導入によって、形成されたカーボンリッチ層を除去することができる。
【0015】
以上説明した請求項1乃至13に記載の発明における半導体層形成工程は、例えば請求項15に示す各素子の不純物層の形成に適用される。そして、このような半導体層形成工程を適用することにより、上記各請求項に示す効果を得ることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0018】
図1に、本実施形態におけるノーマリオフ型のnチャネルタイププレーナ型MOSFET(縦型パワーMOSFET)の断面図を示す。本デバイスは、インバータや車両用オルタネータのレクチファイヤに適用すると好適なものである。図1に基づいて縦型パワーMOSFETの構造について説明する。
【0019】
炭化珪素からなるn+型基板1は、上面を主表面1aとし、主表面の反対面である下面を裏面1bとしている。このn+型基板1の主表面1a上には、基板1よりも低いドーパント濃度を有する炭化珪素からなるn-型エピタキシャル層(以下、n-型エピ層という)2が積層されている。
【0020】
-型エピ層2の表層部における所定領域には、所定深さを有するp型ベース領域3が形成されている。このp型ベース領域3は、B、Al若しくはGeをドーパントとして形成されており、約1×1017cm-3以上の濃度となっている。なお、p型ベース領域3を部分的に深くした領域30はディープベース層であり、このディープベース層で優先的にアバランシェブレークダウンさせることで、サージ耐量を向上させている。
【0021】
また、p型ベース領域3の表層部の所定領域には、該ベース領域3よりも浅いn+型ソース領域4が形成されている。そして、n+型ソース領域4とn-型エピ層2とを繋ぐように、p型ベース領域3の表面部にはn-型SiC層5が延設されている。このn-型SiC層5は、エピタキシャル成長にて形成されたものであり、デバイスの動作時にチャネル形成層として機能する。以下、n-型SiC層5を表面チャネル層という。
【0022】
また、表面チャネル層5の上面およびn+型ソース領域4の上面には熱酸化にてゲート酸化膜7が形成され、このゲート酸化膜7の上にゲート電極8が形成されている。ゲート電極8は、LTO(Low Temperature Oxide)等で構成された絶縁膜9で覆われ、この絶縁膜9の上にn+型ソース領域4およびp型ベース領域3と電気的に接続されたソース電極10が形成されている。そして、n+型基板1の裏面1bにドレイン電極11が形成され、縦型パワーMOSFETが構成されている。
【0023】
次に、図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程を、図2〜図4を用いて説明する。
【0024】
〔図2(a)に示す工程〕
まず、n型4Hまたは6Hまたは3C−SiCからなる半導体基板、すなわちn+型基板1を用意する。例えば、n+型基板1として、厚さが400μm程度で、主表面1aがoff角を有するoff基板を用意する。そして、このn+型基板1の主表面1aに厚さ5μmのn-型エピ層2をエピタキシャル成長させる。この場合、n-型エピ層2は下地の基板1と同様の結晶で得られ、n型4Hまたは6Hまたは3C−SiC層となる。
【0025】
〔図2(b)に示す工程〕
-型エピ層2の上の所定領域にLTO膜20を配置し、これをマスクとして、p型不純物であるB、Al、若しくはGeをイオン注入する。このときのイオン注入条件は、例えば、温度を700℃、ドーズ量を1×1016cm-2とする。
【0026】
〔図2(c)に示す工程〕
LTO膜20を除去したのち、雰囲気ガスとして、デポガスとなるSiH4+C38/H2とエッチングガスとなるHClガスとの混合ガスをを導入した状態で1000℃以上の温度(具体的にはマイグレーションが発生する約1400℃以上の温度)で熱処理を行い、注入されたp型不純物を活性化させ、p型ベース領域3を形成する。このとき、キャリアガスとしてAr等を用いてもよい。
【0027】
この熱処理に際し、雰囲気ガスとして、デポガスとなるSiH4+C38/H2とエッチングガスとなるHClガスとの混合ガスを用いていることから、熱処理中に以下の作用を奏する。図5に熱処理時におけるn-型エピ層2の表面の様子を示し、この図に従って説明する。
【0028】
まず、熱処理の雰囲気としてデポガスとなるSiH4+C38/H2を用いていることから、図5(a)に示すように、Si、C双方の原子が移動することで熱処理時におけるマイグレーションが抑制される。しかしながら、熱処理の雰囲気をSiH4+C38/H2としているために、そのままでは図5(b)に示されるようにSiCを構成する原子がデポジションされ、n-型エピ層2の表面にデポ膜が形成されてしまう。これに対し、ここではSiH4+C38/H2だけでなくエッチングガスとなるHClを雰囲気中に導入しているため、このHClにより、図5(c)に示されるように、デポジションされた原子が配列する前に除去される。すなわち、SiCのデポ膜の形成速度とエッチング速度とが平行状態になり、結果的にデポ膜の形成もエッチングもほぼ生じない状態になる。
【0029】
このような作用を奏するため、熱処理時にn-型エピ層2の表面がエッチングされることなく、熱処理での表面荒れを抑制することができる。
【0030】
なお、ここでは雰囲気ガス(SiH4+C38/H2+HClガス)の導入を熱処理開始時点から行っているが、この雰囲気ガスの導入タイミングをマイグレーションが発生する約1400℃以上の温度領域からとしてもよい。
【0031】
そして、熱処理終了後、降温工程を行うが、この降温時においてもマイグレーションが発生する約1400度以上の温度領域では、SiH4ガス若しくはHClガスを導入する。すなわち、このような温度領域ではSi抜けによるカーボンリッチになり得るため、SiH4の導入によって、n-型エピ層及びp型ベース領域3の表面からのSi抜けを抑制することでカーボンリッチ層が形成されることを抑制することができ、HClの導入によって、形成されたカーボンリッチ層を除去することができる。
【0032】
〔図3(a)に示す工程〕
-型ベース領域3を含むn-型エピ層2上に化学気相成長法(CVD法)により表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる。
【0033】
このとき、縦型パワーMOSFETをノーマリオフ型にするために、表面チャネル層5の厚み(膜厚)を、ゲート電極8に電圧を印加していない時におけるp型ベース領域3から表面チャネル層5に広がる空乏層の伸び量と、ゲート酸化膜7から表面チャネル層5に広がる空乏層の伸び量との和よりも小さくなるようにしている。
【0034】
具体的には、p型ベース領域3から表面チャネル層5に広がる空乏層の伸び量は、表面チャネル層5とp型ベース領域3とのPN接合のビルトイン電圧によって決定され、ゲート酸化膜7から表面チャネル層5に広がる空乏層の伸び量は、ゲート酸化膜7の電荷及びゲート電極8(金属)と表面チャネル層5(半導体)との仕事関数差によって決定されるため、これらに基づいて表面チャネル層5の膜厚を決定している。
【0035】
このようなノーマリオフ型の縦型パワーMOSFETは、故障などによってゲート電極に電圧が印加できないような状態となっても、電流が流れないようにすることができるため、ノーマリオン型のものと比べて安全性を確保することができる。
【0036】
〔図3(b)に示す工程〕
表面チャネル層5の上の所定領域にLTO膜21を配置し、これをマスクとしてN(窒素)等のn型不純物をイオン注入し、n+型ソース領域4を形成する。このときのイオン注入条件は、温度を700℃、ドーズ量を1×1015cm-2としている。
【0037】
〔図3(c)に示す工程〕
そして、LTO膜21を除去した後、フォトレジスト法を用いて表面チャネル層5の上の所定領域にLTO膜22を配置し、これをマスクとしてRIEによりp-型ベース領域3上の表面チャネル層5を部分的にエッチング除去する。
【0038】
〔図4(a)に示す工程〕
さらに、LTO膜22をマスクにしてB+をイオン注入し、ディープベース層30を形成する。これにより、ベース領域3の一部が厚くなったものとなる。このディープベース層30は、n+型ソース領域4と重ならない部分に形成されると共に、p-型ベース領域3のうちディープベース層30が形成された厚みが厚くなった部分が、ディープベース層30が形成されていない厚みの薄い部分よりも不純物濃度が濃く形成される。なお、このディープベース層30におけるp型不純物の活性化においても、図2(c)に示す工程と同様の雰囲気ガスを用いることで、上記と同様の作用を奏することが可能である。
【0039】
〔図4(b)に示す工程〕
LTO膜22を除去した後、基板の上にウェット酸化(H2+O2によるパイロジェニック法を含む)によりゲート酸化膜7を形成する。このとき、雰囲気温度は例えば1080℃とする。その後、ゲート絶縁膜7の上にポリシリコンからなるゲート電極8をLPCVDにより堆積する。このときの成膜温度は例えば600℃とする。
【0040】
〔図4(c)に示す工程〕
引き続き、ゲート絶縁膜7の不要部分を除去した後、LTOよりなる絶縁膜9を例えば425℃で成膜し、さらに約1000℃でのアニールを行うことでゲート電極8を覆う。
【0041】
この後、室温での金属スパッタリングによりソース電極10及びドレイン電極11を配置したのち、成膜後に1000℃のアニールを行うことで、図1に示す縦型パワーMOSFETが完成する。
【0042】
このように構成された縦型パワーMOSFETはノーマリオフ型の蓄積モードで動作するものであって、以下のように動作する。まず、ゲート電極に電圧を印加しない場合は、表面チャネル層5においてキャリアは、p-型ベース領域3と表面チャネル層5との間の静電ポテンシャルの差、及び表面チャネル層5とゲート電極8との間の仕事関数の差により生じた電位によって全域空乏化された状態となる。
【0043】
この状態において、ゲート電極8に電圧を印加することで、表面チャネル層5とゲート電極8との間の仕事関数の差と外部からの印加電圧の和により生じる電位差を変化させることができ、これにより、チャネルの状態を制御することができる。
【0044】
そして、オフ状態においては、p-型ベース領域3及びゲート電極8により作られた電界によって、空乏領域が表面チャネル層5内に形成されているため、この状態からゲート電極8に対して正のバイアスを供給すると、ゲート絶縁膜(SiO2 )7と表面チャネル層5との間の界面においてn+型ソース領域4からn-型ドリフト領域2方向へ延びるチャネル領域が形成され、オン状態にスイッチングされる。これにより、n+型ソース領域4→表面チャネル層5→n-型エピ層2を順に経由したのち、n-型エピ層2(ドリフト領域)からn+型基板1(n+ ドレイン)に対して垂直を成すように電子が流れる。
【0045】
このようにゲート電極8に正の電圧を印加することにより、表面チャネル層5に蓄積型チャネルを誘起させることができ、ソース電極10とドレイン電極11との間にキャリアを流すことができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態においては、p型不純物の活性化の際の雰囲気ガスとして、SiH4+C38/H2を用いることにより、マイグレーションを抑制している。そして、雰囲気ガスとしてSiH4+C38/H2を用いるために形成され得るデポ膜についても、雰囲気ガス中にHClを導入することで、デポジションされた原子を配列前に除去し、デポ膜が形成されないようにしている。これにより、熱処理時にn-型エピ層2の表面がエッチングされることなく、熱処理での表面荒れを抑制することができる。従って、不純物層を浅くしたりステップバンチングを発生させたりせず、かつ、Siドロップレットを発生させたりすることなく、不純物の活性化率の向上と表面荒れの抑制を両立させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図6に、本実施形態における縦型パワーMOSFETの製造工程の一部を示し、この図に基づいて説明する。なお、本実施形態における縦型パワーMOSFETの全体構成は第1実施形態と同様であり、また、その製造方法についての概略も第1実施形態と同様であるため、異なる部分を主に説明し、同様の部分については第1実施形態を参照する。
【0048】
まず、図6(a)、(b)に示す工程では、第1実施形態における図2(a)に示す工程と同様に、n+型基板1の上にn-型エピ層2を形成すると共に、n-型エピ層2の表層部にp型ベース領域3を形成するためにp型不純物をイオン注入する。続いて、図6(c)、(d)に示す工程を行う。
【0049】
〔図6(c)、(d)に示す工程〕
注入されたp型不純物を活性化させるための熱処理を行う。このとき、まず、雰囲気ガスとして、デポガスとなるSiH4+C38/H2を用いた熱処理、すなわち、第1実施形態の図2(c)に示す工程において、雰囲気ガスからHClガスを除いた条件での熱処理を行う。これにより、図6(c)に示されるように、薄いSiC層30が形成される。なお、このときデポジションされるSiC層30の結晶性は、n-型エピ層2の結晶性と一致していなくても良い。続いて、雰囲気ガスをエッチングガスとなるHClガスに切換えて熱処理を行う。これにより、先程形成されたSiC層30が除去される。
【0050】
このような工程では、第1実施形態のようにSiCのデポ膜(SiC層30)の形成速度とエッチング速度とが平衡状態になるのではなく、一旦、熱処理をSiC層30が形成されるような条件下で実施した上で、後でSiC層30を除去するようにしている。このようにしても、第1実施形態と同様に、結果的にデポ膜の形成もエッチングもほぼ生じない状態になる。
【0051】
このように、熱処理時にデポガスとなるSiH4+C38/H2の導入とエッチングガスとなるHClの導入とを交互に行い、一旦、デポガスによってSiC層30が形成されても、その後、エッチングガスによってSiC層30を除去するようにすることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、ここで示したデポガスとエッチングガスとを交互に切換える回数は、必要に応じて設定すればよい。さらに、この場合においてもデポガスやエッチングガスの導入をマイグレーションの発生する約1400℃以上においてのみ行うようにしてもよい。
【0053】
(他の実施形態)
上記第1、第2実施形態において、他のデポガスやエッチングガスを用いても良い。例えば、デポガスとしてSiH4+C26/H2やSiH4+C24/H2を用いても良いし、これら各々及び上記第1実施形態に示したデポガスにおけるSiH4に代えてSi26を用いても良い。また、エッチングガスとしてH2やC38/H2やC26/H2を用いても良い。
【0054】
上記第2実施形態において、デポガスとエッチングガスとの切換を、SiCのデポ膜(SiC層30)の形成速度とエッチング速度とが平衡状態になるような条件で行うようにしてもよい。例えば、デポガスとエッチングガスとの切換をガス導入管に備えられるバルブのパルス制御によって行うことで、上記平衡状態とすることができる。
【0055】
また、上記各実施形態においては、特にマイグレーションの発生が顕著になるp型不純物の活性化の際について本発明を適用したが、n型不純物としてNやPを注入した後の活性化の際についてもマイグレーションが発生しうる約1400℃以上の熱処理を行うのであれば、本発明を適用することにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。さらに、p型、n型不純物だけに限らず、準不導体領域を形成する際におけるVをイオン注入した後に関しても、本発明を適用することにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0056】
また、以上の説明では、不純物層としてp型ベース領域3を形成する場合について説明しているが、炭化珪素にイオン注入によってp型、n型不純物層を形成するものであれば、どのような場合においても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における縦型パワーMOSFETの断面構成を示す図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図3】図2に続く縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図4】図3に続く縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図5】活性化熱処理時におけるn-型エピ層2の表面の様子を示した図である。
【図6】本発明の第2実施形態における縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1…n+型基板、2…n-型エピ層、3…p型ベース領域、4…n+型ソース領域、5…表面チャネル層、6…J−FET部、7…ゲート酸化膜、8…ゲート電極、10…ソース電極、11…ドレイン電極。

Claims (14)

  1. 炭化珪素半導体(2)にイオン注入を行うことにより不純物層(3)を形成する不純物層形成工程を含んだ炭化珪素半導体装置の製造方法において、
    前記不純物層形成工程では、前記炭化珪素半導体に不純物をイオン注入したのち、前記炭化珪素半導体の上面に炭化珪素層をデポジションするためのデポガスと、デポジションがなされる前記炭化珪素層をエッチングするためのエッチングガスとを含む雰囲気において熱処理を施すことによって前記注入された不純物を活性化させることで前記不純物層を形成し、該熱処理において、前記炭化珪素半導体の上面に前記炭化珪素層がデポジションされる速度と該デポジションされる前記炭化珪素層がエッチングされる速度とが平衡状態となるようにすることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記不純物層形成工程では、前記デポガスと前記エッチングガスとを同時に導入した状態で前記熱処理を行うことを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 炭化珪素半導体(2)にイオン注入を行うことにより不純物層(3)を形成する不純物層形成工程を含んだ炭化珪素半導体装置の製造方法において、
    前記不純物層形成工程では、前記炭化珪素半導体に不純物をイオン注入したのち、熱処理を施すことによって前記注入された不純物を活性化させることで前記不純物層を形成し、該熱処理において、前記炭化珪素半導体の上面に炭化珪素層をデポジションするためのデポガスを導入したのち、前記炭化珪素層をエッチングするためのエッチングガスを導入することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記不純物層形成工程では、前記デポガスと前記エッチングガスとの導入を交互に行った状態で前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記不純物層形成工程では、前記デポガスと前記エッチングガスとを、パルス制御によって交互に切替えて導入した状態で前記熱処理を行うことを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記デポガスおよび前記エッチングガスの導入を前記熱処理の開始時点から行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記デポガスおよび前記エッチングガスの導入を前記熱処理の温度が1400℃以上となった時点で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記デポガスとして、SiH4+C38/H2、SiH4+C26/H2、SiH4+C24/H2、Si26+C38/H2、Si26+C26/H2、Si26+C24/H2のいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 前記エッチングガスとして、HCl、H2、C38/H2、C26/H2のいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  10. 前記不純物として、p型不純物であるB、Al、Geのいずれかをイオン注入した後に前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  11. 前記前記不純物として、n型不純物であるN又はPをイオン注入した後に前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  12. 前記前記不純物として、準不導体領域を形成するためのVをイオン注入した後に前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  13. 前記不純物層形成工程では、前記熱処理終了後の降温時に、少なくとも1400℃以上となる温度領域では、SiH4、HClのいずれか一方、もしくは双方を導入することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  14. 主表面(1a)及び主表面と反対面である裏面(1b)を有し、炭化珪素よりなる第1導伝型の半導体基板(1)と、
    前記半導体基板の主表面上に形成され、前記半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導伝型の半導体層(2)と、
    前記半導体層の表層部の所定領域に形成され、所定深さを有する第2導伝型べ一ス領域(3)と、
    前記べ一ス領域の表層部の所定領域に形成され、該べ一ス領域の深さよりも浅い第1導伝型のソース領域(4)と、
    前記べ一ス領域の表面部及び前記半導体層の表面部において、前記ソース領域と前記半導体層とを繋ぐように形成された、炭化珪素よりなる第1導伝型の表面チャネル層(5)と、
    前記表面チャネル層の表面に形成されたゲート絶縁膜(7)と、
    前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極(8)と、
    前記べ一ス領域及び前記ソース領域に接触するように形成されたソース電極(10)と、
    前記半導体基板の裏面に形成されたドレイン電極(11)とを備えた半導体装置の製造方法において、
    前記べ一ス領域と前記ソース領域の少なくとも一方を請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載された不純物層形成工程にて形成することを特徴とするプレーナ型の縦型MOSFETの製造方法。
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