JP3334068B2 - Vav制御システム - Google Patents
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Description
出給気の供給を受け被制御エリアの負荷状況に応じてダ
ンパの開度を調整しそこへの給気吹出量を制御する可変
給気量調節手段(VAVコントロールユニット)を有
し、このVAVコントロールユニットからの静圧過不足
情報に基づいて空調機のファン回転数を制御するVAV
制御システムに関するものである。
調機より給気ダクトを介して各部へ給気の供給を行う場
合、各空調対象部位(被制御エリア)の給気吹出口毎に
可変給気量調節ユニット(VAVユニット)を設け、こ
のVAVユニットからの給気吹出量をVAVコントロー
ルユニットにより被制御エリアの負荷状況に応じて制御
するようにしている。すなわち、VAVコントロールユ
ニットによってVAVユニットのダンパ開度を調整する
ことにより、被制御エリアへの給気吹出量を制御するよ
うにしている。
ントロールユニットからの静圧過不足情報に基づいて、
空調機のファン回転数を制御するようにしている。VA
Vコントロールユニットは静圧過不足情報として「静圧
不足」,「適正」,「静圧過剰」の3種類の情報を制御
装置へ送る。制御装置は、各VAVコントロールユニッ
トからの静圧過不足情報に基づきトータル静圧過不足情
報を作成し、このトータル静圧過不足情報が「静圧不
足」であれば、空調機のファン回転数を上げる。「適
正」であれば空調機のファン回転数は現状を維持する。
「静圧過剰」であれば空調機のファン回転数を下げる。
足情報の決定方法として次のような方法が考えられてい
る。 〔従来例1〕全開接点を設けてVAVユニットのダンパ
開度の全開状態を検出する。ダンパの開度が全開状態で
ない場合には「静圧過剰」とする(図5(a)参照)。
ダンパの開度が全開状態である場合には、実風量(計測
風量)と要求風量(設定風量)との差に基づいて、「静
圧不足」/「適正」/「静圧過剰」を判断する。すなわ
ち、図5(b)に示すように、要求風量に対して実風量
が大きければ「静圧過剰」とし、要求風量に対して実風
量が小さければ「静圧不足」とし、実風量と要求風量と
が一致していれば「適正」とする。
ットのダンパ開度の全開状態を検出する。ダンパの開度
が全開状態でない場合には「静圧過剰」とする(図5
(a)参照)。要求風量を起点としてその負方向および
正方向に風量制御の不感帯を定める。ダンパの開度が全
開状態である場合には、ダンパの動作方向に基づいて、
「静圧不足」/「適正」/「静圧過剰」を判断する。す
なわち、図5(c)に示すように、要求風量を起点とし
てその負方向および正方向に不感帯−αおよび+αを定
め、実風量と要求風量との風量偏差〔風量偏差=100
×(実風量−要求風量)/最大風量(%)〕がこの不感
帯±α内にある場合には風量制御を行わず、ダンパを停
止させる。実風量が不感帯−αを越えて減少すればダン
パを開く。実風量が不感帯+αを越えて増大すればダン
パを閉じる。ダンパの開度が全開状態である場合、ダン
パの動作方向が「開方向」であれば「静圧不足」とし、
「閉方向」であれば「静圧過剰」とし、「停止」であれ
ば「適正」とする。
ットのダンパ開度の全開状態を検出する。適正下限開度
接点を設けてVAVユニットのダンパ開度の適正下限開
度状態を検出する。適正下限開度状態は全開状態(10
0%開いた状態)の近傍(例えば、85%)に定める。
ダンパの開度が適正下限開度状態よりも小さい場合には
「静圧過剰」とする(図6(a)参照)。ダンパの開度
が全開状態でなくかつ適正下限開度状態よりも大きい場
合には「適正」とする。ダンパの開度が全開状態である
場合には「静圧不足」とする。
うな従来の静圧過不足情報の決定方法では、次のような
問題が生じる。 〔従来例1の問題〕実風量は定常状態でも多少変動して
いる。要求風量近辺に実風量があるとき、この実風量の
変動によって、実風量と要求風量との差が正になったり
負になったりする。このため、ダンパの開度が全開状態
にあるとき、定常時の実風量の変動によって、静圧過不
足情報は「静圧過剰」/「適正」/「静圧不足」を頻繁
に繰り返す。静圧過不足情報は変化するたびに制御装置
へ送られる。このような状況下では、静圧過不足情報の
変化が頻繁に起こるので、通信負荷が増大してしまう。
また、制御装置は、静圧過不足情報として「静圧過剰」
/「静圧不足」が繰り返し送られてくるので、空調機の
ファン回転数の増減を繰り返す。このため、空調機のフ
ァンがハンチングを起こし、制御が安定しない。
±αを定常時の実風量の変動より十分大きくとることに
より、この実風量の変動でダンパの動作方向が「開方
向」/「閉方向」を繰り返すことがなくなり、「静圧不
足」/「静圧過剰」を繰り返すことがなくなって、空調
機のファンのハンチングはなくなる。しかし、要求風量
を起点とする不感帯−αの終端P1および+αの終端P
2において、定常時の実風量の変動によって「静圧不
足」/「適正」および「静圧過剰」/「適正」が繰り返
され、通信負荷が増大することは避けられない。
不足情報を決定するために、要求風量と実風量との関係
やダンパの動作方向を使用せずに、ダンパの開度だけを
使用している。したがって、図6(b)に示すように、
風量制御に不感帯−αおよび+αを設けて定常時に実風
量が変動してもダンパが開・閉を繰り返さないようにし
ておけば、全開接点または適正下限開度接点が「オン」
/「オフ」を繰り返すことがないので、結果として静圧
過不足情報が「静圧不足」/「適正」、あるいは「静圧
過剰」/「適正」を繰り返すことがなくなり、通信負荷
の増大を避けることができる。なお、要求風量を起点と
する不感帯−αの終端P1および+αの終端P2におい
て、定常時の実風量の変動によってダンパの「開」/
「停止」および「閉」/「停止」は繰り返されるが、ダ
ンパの「開」/「閉」は繰り返されることがないので、
静圧過不足情報が頻繁に変わることはない。
点がオンする開度での風量と適正下限開度接点がオンす
る開度での風量との差が少ないと、ダンパと空調機のフ
ァンがハンチングを起こしてしまい、制御が安定しない
という問題がある。この問題について、図7に示すタイ
ミングチャートを参照しながら説明する。同図(a)は
実風量、同図(b)はダンパ開度、同図(c)は空調機
のファン回転数、同図(d)は静圧過不足情報を示して
いる。
く、ダンパが全開状態となっており、静圧過不足情報と
しては「静圧不足」が出ている。この場合、空調機のフ
ァン回転数は上げられ、実風量が増える。これにより、
実風量は不感帯−α内に入り(t2点)、要求風量に達
する(t3点)。ダンパはまだ全開状態であるので、静
圧過不足情報は「静圧不足」を維持し、ファン回転数は
さらに上がる。実風量が増大し、不感帯+αを越えると
(t4点)、ダンパが閉まり始める。これにより、全開
接点がオフとなり、静圧過不足情報は「適正」となる。
ダンパが閉まり始めても、全開接点がオンする開度での
風量と適正下限開度接点がオンする開度での風量との差
が少ないので、風量はすぐには減らず、不感帯+αに入
る前にダンパは適正下限開度状態まで閉まる(t5
点)。これにより、適正下限開度接点がオフとなり、静
圧過不足情報は「静圧過剰」となる。
は下がり、実風量が減少し、不感帯+α内に入り(t6
点)、要求風量に達する(t7点)。ダンパの開度はま
だ適正下限開度状態よりも小さいので、静圧過不足情報
は「静圧過剰」を維持し、ファン回転数はさらに下が
る。実風量が減少し、不感帯−αを越えると(t8
点)、ダンパが開き始める。ダンパが開き始めても、風
量はすぐには増えず、不感帯−αに入る前にダンパは適
正下限開度状態を経て(t9点)、全開状態となる(t
10点)。これにより、適正下限開度接点がオンとな
り、全開接点がオンとなり、静圧過不足情報は「静圧不
足」となる。この「静圧不足」を受けて、ファン回転数
が上がり、上述したt1点以降の動作を繰り返す。
がハンチングを起こしてしまい、制御が安定しなくな
る。なお、制御を安定させるために、ファン回転数の増
減の幅を小さくしてゆっくり変化させることが考えられ
るが、応答性が悪化する。また、全開接点がオンする開
度での風量と適正下限開度接点がオンする開度での風量
との差を大きくすることが考えられるが、送風抵抗が大
きくなる低開度まで静圧が「適正」と判断するようなこ
とになる可能性があり、省エネルギーに反してしまう。
なされたもので、その目的とするところは、通信負荷の
増大を避けることの可能な、またダンパやファンのハン
チングが起こりにくくすることの可能なVAV制御シス
テムを提供することにある。
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、ダンパ
の現在の開度,前回決定した時の静圧過不足情報(以
下、前回の静圧過不足情報という),計測風量と設定風
量との風量偏差および設定風量を起点としてその負方向
および正方向に予め定められる不感帯に基づいて、今回
の静圧過不足情報を決定するようにしたものである。こ
の発明によれば、静圧過不足情報を決定する際の判断に
前回の静圧過不足情報を利用し不感帯分のヒステリシス
を設けるようにして、定常時の風量変動による静圧過不
足情報の頻繁な変化を防ぐことが可能となる。
パの現在の開度が全開状態でない場合には今回の静圧過
不足情報を「静圧過剰」とし、ダンパの現在の開度が全
開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報が「適正」又
は「静圧過剰」であり、かつ風量偏差が負方向に定めら
れる不感帯の終端よりも正方向にある場合には、今回の
静圧過不足情報を「適正」とし、ダンパの現在の開度が
全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報が「適正」
又は「静圧過剰」であり、かつ風量偏差が負方向に定め
られる不感帯の終端よりも負方向にある場合には、今回
の静圧過不足情報を「静圧不足」とし、ダンパの現在の
開度が全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報が
「静圧不足」であり、かつ風量偏差が正負方向に定めら
れる不感帯の起点よりも正方向にある場合には、今回の
静圧過不足情報を「適正」とし、ダンパの現在の開度が
全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報が「静圧不
足」であり、かつ風量偏差が正負方向に定められた不感
帯の起点よりも負方向にある場合には、今回の静圧過不
足情報を「静圧不足」とするようにしたものである。
全開状態でない場合、今回の静圧過不足情報は「静圧過
剰」とされる。ダンパの現在の開度が全開状態である場
合、今回の静圧過不足情報は「静圧不足」又は「適正」
とされる。この場合、前回の静圧過不足情報が「適正」
又は「静圧過剰」であり、かつ風量偏差が負方向に定め
られる不感帯の終端よりも正方向にある場合には、今回
の静圧過不足情報が「適正」とされ、負方向にある場合
には、今回の静圧過不足情報が「静圧不足」とされる。
また、前回の静圧過不足情報が「静圧不足」であり、か
つ風量偏差が正負方向に定められる不感帯の起点よりも
正方向にある場合には、今回の静圧過不足情報が「適
正」とされ、負方向にある場合には、今回の静圧過不足
情報が「静圧不足」とされる。
パの現在の開度が全開状態近傍に定められた所定の適正
下限開度状態よりも小さい場合には今回の静圧過不足情
報を「静圧過剰」とし、ダンパの現在の開度が全開状態
でなくかつ前記適正下限開度状態よりも大きい場合には
今回の静圧過不足情報を「適正」とし、ダンパの現在の
開度が全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報が
「適正」又は「静圧過剰」であり、かつ風量偏差が負方
向に定められる不感帯の終端よりも正方向にある場合に
は、今回の静圧過不足情報を「適正」とし、ダンパの現
在の開度が全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報
が「適正」又は「静圧過剰」であり、かつ風量偏差が負
方向に定められる不感帯の終端よりも負方向にある場合
には、今回の静圧過不足情報を「静圧不足」とし、ダン
パの現在の開度が全開状態であり、かつ前回の静圧過不
足情報が「静圧不足」であり、かつ風量偏差が正負方向
に定められる不感帯の起点よりも正方向にある場合に
は、今回の静圧過不足情報を「適正」とし、ダンパの現
在の開度が全開状態であり、かつ前回の静圧過不足情報
が「静圧不足」であり、かつ風量偏差が正負方向に定め
られる不感帯の起点よりも負方向にある場合には、今回
の静圧過不足情報を「静圧不足」とするようにしたもの
である。
所定の適正下限開度状態よりも小さい場合、今回の静圧
過不足情報は「静圧過剰」とされる。ダンパの現在の開
度が全開状態でなくかつ前記適正下限開度状態よりも大
きい場合、今回の静圧過不足情報は「適正」とされる。
ダンパの現在の開度が全開状態である場合、今回の静圧
過不足情報は「静圧不足」又は「適正」とされる。この
場合、前回の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過
剰」であり、かつ風量偏差が負方向に定められる不感帯
の終端よりも正方向にある場合には、今回の静圧過不足
情報が「適正」とされ、負方向にある場合には、今回の
静圧過不足情報が「静圧不足」とされる。また、前回の
静圧過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量偏差が
正負方向に定められる不感帯の起点よりも正方向にある
場合には、今回の静圧過不足情報が「適正」とされ、負
方向にある場合には、今回の静圧過不足情報が「静圧不
足」とされる。
発明において、ダンパの現在の開度が全開状態であるこ
とを検出する全開状態検出手段と、ダンパの現在の開度
が適正下限開度状態であることを検出する適正下限開度
状態検出手段とを設けたものである。この発明によれ
ば、全開状態検出手段によって、ダンパの現在の開度が
全開状態であることが検出される。また、適正下限開度
状態検出手段によって、ダンパの現在の開度が適正下限
開度状態であることが検出される。
き詳細に説明する。図2はこの発明の一実施の形態を示
すVAV制御システムの計装図である。同図において、
1は空調機であり、電動弁2を介して冷水CWが供給さ
れる冷却コイル3,電動弁4を介して温水HWが供給さ
れる加熱コイル5および送風機6により構成されてい
る。なお、送風機6において、6aはファン、6bはイ
ンバータである。
動弁2および電動弁4はその動作が制御装置7により制
御されるものとなっており、空調機1においてそのファ
ン6aより吹き出される給気(吹出給気)が、給気ダク
ト8を介し被制御エリア9−1〜9−nへ供給されるも
のとなっている。被制御エリア9−1〜9−nには各エ
リア毎に室温を検出する温度センサT1〜Tnが設けら
れており、温度センサT1〜Tnでの検出温度PVが局
部的に設けられたVAVコントロールユニット10−1
〜10−nへ各個に与えられている。
0−nは、各個に与えられる検出温度PVと設定温度S
Pとの偏差および制御装置7より与えられる吹出給気温
度とに基づいて被制御エリア9−1〜9−nへの要求風
量を演算し、これを制御装置7へ返送する一方、その要
求風量を確保するように、VAVユニット11−1〜1
1−nのダンパ12−1〜12−nの開度を、風速セン
サ13−1〜13−nの検出々力(実風量)を見ながら
制御する。また、VAVコントロールユニット10−1
〜10−nは、ダンパ12−1〜12−nの現在の開
度,前回の静圧過不足情報,実風量と要求風量との風量
偏差および要求風量を起点としてその負方向および正方
向に定められる不感帯に基づいて、今回の静圧過不足情
報を決定する。このVAVコントロールユニット10−
1〜10−nでの静圧過不足情報の決定については後で
詳述する。
ト10−1〜10−nから送られてくる静圧過不足情報
からトータル静圧過不足情報を作成し、このトータル静
圧過不足情報が「静圧不足」であれば空調機1のファン
回転数を上げ、「適正」であれば現状を維持し、「静圧
過剰」であれば空調機1のファン回転数を下げる。な
お、VAVユニット11−1〜11−nにおいて、14
−1〜14−nはダンパ12−1〜12−nの開度を検
出する開度センサである。
を通過し、吹出口15−1〜15−nを介して被制御エ
リア9−1〜9−nへ吹き出される給気(給気吹出)
は、被制御エリア9−1〜9−nにおける空調制御に貢
献した後、排気口16−1〜16−nより還気ダクト1
7を経て排気調整用ダンパ18を介して排出されるが、
その一部は還気調整用ダンパ19を介し還気として空調
機1へ戻されるものとなっている。そして、この空調機
1へ戻される還気に対し、外気が外気調整用ダンパ20
を介して所定の割合で取り込まれるものとなっている。
なお、排気調整用ダンパ18,還気調整用ダンパ19,
外気調整用ダンパ20の開度は制御装置7からの指令に
よって調整されるものとなっている。また、制御装置7
へは、空調機1からの吹出給気温度および還気ダクト1
7における還気温度の実際値が、温度センサ21および
22を介して与えられる。
不足情報の決定(1点方式)〕説明を簡単とするため
にVAVが1つ(n=1)のシステムで説明する。例え
ば、被制御エリア9−1のみの空調制御を行う場合、V
AVコントロールユニット10−1は、次のようにして
静圧過不足情報を決定する。なお、この場合、VAVユ
ニット11−1には、ダンパ12−1の全開状態(10
0%開いた状態)を検出する全開接点が付設されている
ものとする。
合、すなわち全開接点がオフである場合、VAVコント
ロールユニット10−1は今回の静圧過不足情報を「静
圧過剰」とする(図1(a)参照)。ダンパ12−1の
開度が全開状態である場合、すなわち全開接点がオンで
ある場合、VAVコントロールユニット10−1は、前
回の静圧過不足情報,実風量と要求風量との風量偏差お
よび要求風量を起点としてその負方向および正方向に定
められる不感帯に基づいて、「静圧不足」/「適正」を
判断する(図3(a)参照)。
風量を起点としてその負方向および正方向に不感帯−α
および+αを定め、実風量と要求風量との風量偏差〔風
量偏差=100×(実風量−要求風量)/最大風量
(%)〕がこの不感帯±α内にある場合には、ダンパ1
2−1を停止させる。実風量が不感帯−αを越えて減少
すればダンパ12−1を開く。実風量が不感帯+αを越
えて増大すればダンパ12−1を閉じる。
合、前回の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」
であり、かつ風量偏差が要求風量を起点とする不感帯−
αの終端P1よりも正方向(風量偏差≧−α)にある場
合には、今回の静圧過不足情報を「適正」とする。ま
た、ダンパ12−1の開度が全開状態である場合、前回
の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」であり、
かつ風量偏差が要求風量を起点とする不感帯−αの終端
P1よりも負方向(風量偏差<−α)にある場合には、
今回の静圧過不足情報を「静圧不足」とする。
ある場合、前回の静圧過不足情報が「静圧不足」であ
り、かつ風量偏差が正負方向に定められる不感帯±αの
起点P3よりも正方向(風量偏差≧0)にある場合に
は、今回の静圧過不足情報を「適正」とする。また、ダ
ンパ12−1の開度が全開状態である場合、前回の静圧
過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量偏差が正負
方向に定められる不感帯±αの起点P3よりも負方向
(風量偏差<0)にある場合には、今回の静圧過不足情
報を「静圧不足」とする。
ことにより、定常時の風量変動による無意味な「静圧不
足」/「適正」の繰り返しを防ぐことができ、「静圧不
足」/「適正」の繰り返しがもたらす通信負荷の増加が
なくなる。すなわち、静圧過不足情報を決定する際の判
断に前回の静圧過不足情報(前回決定した時の静圧過不
足情報)を利用し不感帯−α分のヒステリシスが設けら
れているので、図1(c)に示すP1点やP3点におい
て定常時に風量変動があっても「静圧不足」/「適正」
の繰り返しが生じず、通信負荷の増大を避けることがで
きるようになる。
いて実風量が増大しダンパが閉じれば静圧過不足情報が
「適正」から「静圧過剰」となり、ダンパ全開状態で実
風量が不感帯+α内に入れば「静圧過剰」から「適正」
に復帰するが、P2点において「適正」から「静圧過
剰」となった場合、ダンパ全開状態で実風量が要求風量
に達した時点で、すなわちP3点で「静圧過剰」から
「適正」に復帰させるようにしてもよい。
ダンパ12−1が開閉動作を繰り返すことがなく、「適
正」/「静圧過剰」も繰り返されない。また、「静圧不
足」時には空調機1のファン回転数が上げられるが、実
風量が要求風量を越えた時点で「適正」と判断され、そ
こから「過剰」と判断するダンパ12−1が閉じ始める
状態までには、風量にして不感帯+α分の余裕があるた
め、「静圧不足」/「静圧過剰」を繰り返すことは殆ど
ない。したがって、ファン6aのハンチングは起きにく
く、応答性が維持できる。
不足情報の決定(2点方式)〕説明を簡単とするため
に、VAVが1つ(n=1)のシステムについて説明す
る。例えば、被制御エリア9−1のみの空調制御を行う
場合、VAVコントロールユニット10−1は、次のよ
うにして静圧過不足情報を決定する。なお、この場合、
VAVユニット11−1には、ダンパ12−1の全開状
態(100%開いた状態)を検出する全開接点と、全開
状態近傍に定められた所定の適正下限開度状態(85
%)を検出する適正下限開度接点が付設されているもの
とする。
よりも小さい場合、すなわち適正下限開度接点および全
開接点が共にオフである場合、VAVコントロールユニ
ット10−1は今回の静圧過不足情報を「静圧過剰」と
する(図1(b)参照)。ダンパの開度が全開状態でな
くかつ適正下限開度状態よりも大きい場合、すなわち適
正下限開度接点がオンで全開接点がオフである場合、V
AVコントロールユニット10−1は今回の静圧過不足
情報を「適正」とする。
わち適正下限開度接点および全開接点が共にオフである
場合、VAVコントロールユニット10−1は、前回の
静圧過不足情報,実風量と要求風量との風量偏差および
要求風量を起点としてその負方向および正方向に定めら
れる不感帯に基づいて、「静圧不足」/「適正」を判断
する(図3(b)参照)。ダンパの開度が全開状態であ
る場合の「静圧不足」/「適正」の判断は前述した1点
方式の場合と同じであるのでその説明については省略す
る。
ことにより、上述した1点方式の場合の効果に加えて、
「静圧不足」/「静圧過剰」の繰り返しがさらに生じに
くくなり、ファン6aのハンチングをさらに起きにくく
することができる。この場合、従来例3とは違い、ダン
パ12−1が全開の状態でも「適正」の領域があるた
め、全開接点がオンする開度での風量と適正下限開度接
点がオンする開度での風量との差がある程度少なくて
も、ダンパ12−1やファン6aにハンチングが起こる
ことはない。この場合の風量制御状況を図4に例示す
る。
く、ダンパ12−1が全開状態となっており、静圧過不
足情報としては「静圧不足」が出ている。この場合、空
調機1のファン回転数は上げられ、実風量が増える。こ
れにより、実風量は不感帯−α内に入り(t2点)、要
求風量に達する(t3点)。ダンパ12−1が全開状態
で要求風量を越えると、静圧過不足情報は「適正」とな
り、ファン回転数は現状を維持する。ファン回転数が現
状を維持するため、ダンパ12−1は全開状態のまま実
風量が不感帯±α内にとどまり、制御は安定する(t3
〜t4点)。仮に要求風量近辺で「定常時の風量変動」
が起きても、静圧過不足情報は「適正」のままなので、
ダンパ12−1の開度やファン6aの回転数には影響は
ない(t4〜t5点)。
感帯+αを越えて増大すると、ダンパ12−1が閉じ始
める(t6点)。これにより、実風量が減少し始める
が、実風量が不感帯+α内に入る前にダンパ12−1の
開度が適正下限開度状態よりも小さくなると(t7
点)、静圧過不足情報が「静圧過剰」となり、ファン回
転数が下がる。これにより、実風量の減少スピードが増
し、実風量は不感帯+α内に入る(t8点)。実風量が
不感帯+α内に入るとダンパ12−1は停止する。しか
し、この時のダンパ12−1の開度は依然として適正下
限開度状態より小さいままであるため、静圧過不足情報
は「静圧過剰」のままとなり、ファン回転数は下がる。
ンパ12−1が開く(t9点)。ダンパ12−1の開度
が適正下限開度状態よりも大きくなると(t10点)、
静圧過不足情報は「適正」となり、ファン回転数は現状
を維持する。しかし、実風量はまだ少ないので、ダンパ
12−1は開き続ける。ダンパ12−1が全開状態にな
っても実風量が増えず、不感帯−α内に入らないと、静
圧過不足情報は「静圧不足」となり(t11点)、ファ
ン回転数が上がる。これにより、実風量が増え、不感帯
−α内に入り(t12点)、要求風量に達する(t13
点)。ダンパ12−1が全開状態で要求風量を越える
と、静圧過不足情報は「適正」となり、ファン回転数は
現状を維持する。ファン回転数が現状を維持するため、
ダンパ12−1は全開状態のまま実風量が不感帯±α内
にとどまり、制御は安定する。
2−1が100%開いた状態を全開状態として定めた
が、100%近辺の所定の開度を全開状態として定めて
もよく、適正下限開度状態も85%に限られるものでは
ない。また、上述した実施の形態では、要求風量を起点
とする正方向および負方向への不感帯±αを同一幅とし
て定めたが、必ずしも同一幅としなくてもよい。
発明によれば、静圧過不足情報を決定する際の判断に前
回決定した静圧過不足情報を利用し不感帯分のヒステリ
シスを設けるにようにして、定常時の風量変動による静
圧過不足情報の頻繁な変化を防ぐことが可能となり、フ
ァンのハンチングが起こりにくいものとしたうえ、通信
負荷の増大を避けることが可能となる。また、ダンパが
全開の状態でも「適正」の領域を設けるようにすること
により、全開状態が検出される開度での風量と適正下限
開度状態が検出される開度での風量との差がある程度少
なくても、ダンパやファンのハンチングが起こりにくい
ものとすることが可能となる。
圧過不足情報の決定(1点方式)および(2点方
式)を説明するための図である。
テムの計装図である。
情報の決定状況を示す図である。
した場合の風量制御状況を例示するタイミングチャート
である。
定状況を説明する図である。
況を説明する図である。
グチャートである。
熱コイル、6…送風機、6a…ファン、6b…インバー
タ、7…制御装置、9−1〜9−n…被制御エリア、1
0−1〜10−n…VAVコントロールユニット、11
−1〜11−n…VAVユニット、12−1〜12−n
…ダンパ、13−1〜13−n…風速センサ、14−1
〜14−n…開度センサ、T1〜Tn…温度センサ。
Claims (4)
- 【請求項1】 空調機からの吹出給気の供給を受け被制
御エリアの負荷状況に応じてダンパの開度を調整しそこ
への給気吹出量を制御する可変給気量調節手段を有し、
この可変給気量調節手段からの静圧過不足情報に基づい
て前記空調機のファン回転数を制御するVAV制御シス
テムにおいて、 前記可変給気量調節手段は、前記ダンパの現在の開度,
前回決定した時の静圧過不足情報,計測風量と設定風量
との風量偏差および設定風量を起点としてその負方向お
よび正方向に予め定められる不感帯に基づいて、今回の
静圧過不足情報を決定することを特徴とするVAV制御
システム。 - 【請求項2】 請求項1において、可変給気量調節手段
は、 ダンパの現在の開度が全開状態でない場合には今回の静
圧過不足情報を「静圧過剰」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」であ
り、かつ風量偏差が負方向に定められる不感帯の終端よ
りも正方向にある場合には、今回の静圧過不足情報を
「適正」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」であ
り、かつ風量偏差が負方向に定められる不感帯の終端よ
りも負方向にある場合には、今回の静圧過不足情報を
「静圧不足」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量
偏差が正負方向に定められる不感帯の起点よりも正方向
にある場合には、今回の静圧過不足情報を「適正」と
し、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量
偏差が正負方向に定められた不感帯の起点よりも負方向
にある場合には、今回の静圧過不足情報を「静圧不足」
とすることを特徴とするVAV制御システム。 - 【請求項3】 請求項1において、可変給気量調節手段
は、 ダンパの現在の開度が全開状態近傍に定められた所定の
適正下限開度状態よりも小さい場合には今回の静圧過不
足情報を「静圧過剰」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態でなくかつ前記適正下限
開度状態よりも大きい場合には今回の静圧過不足情報を
「適正」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」であ
り、かつ風量偏差が負方向に定められる不感帯の終端よ
りも正方向にある場合には、今回の静圧過不足情報を
「適正」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「適正」又は「静圧過剰」であ
り、かつ風量偏差が負方向に定められる不感帯の終端よ
りも負方向にある場合には、今回の静圧過不足情報を
「静圧不足」とし、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量
偏差が正負方向に定められる不感帯の起点よりも正方向
にある場合には、今回の静圧過不足情報を「適正」と
し、 ダンパの現在の開度が全開状態であり、かつ前回決定し
た時の静圧過不足情報が「静圧不足」であり、かつ風量
偏差が正負方向に定められる不感帯の起点よりも負方向
にある場合には、今回の静圧過不足情報を「静圧不足」
とすることを特徴とするVAV制御システム。 - 【請求項4】 請求項3において、ダンパの現在の開度
が全開状態であることを検出する全開状態検出手段と、
ダンパの現在の開度が適正下限開度状態であることを検
出する適正下限開度状態検出手段とを備えたことを特徴
とするVAV制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01530796A JP3334068B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | Vav制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01530796A JP3334068B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | Vav制御システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09210434A JPH09210434A (ja) | 1997-08-12 |
JP3334068B2 true JP3334068B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=11885150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01530796A Expired - Lifetime JP3334068B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | Vav制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3334068B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220155200A (ko) * | 2021-05-14 | 2022-11-22 | 아즈빌주식회사 | Vav 공조 시스템 및 공조 제어 방법 |
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CN115371240B (zh) * | 2022-08-23 | 2024-08-20 | 合肥美的暖通设备有限公司 | 一种基于空调的风挡调节方法及装置 |
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-
1996
- 1996-01-31 JP JP01530796A patent/JP3334068B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JPH09210434A (ja) | 1997-08-12 |
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