JPH07332739A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】室内機６ａ〜６ｃに取り付けられた吸い込み空
気温度検知センサ７ａ〜７ｃの室温検出値，操作機器１
０により設定された設定室温に到達したとき、圧縮機２
の運転を停止する空気調和機において、一つ或いは複数
台の室内機の室温検出値を用いて圧縮機を停止して運転
を休止する。その際、室内機のすべての室温検出値が設
定温度以下になった場合、その他任意に取り決めた室内
機の室温検出値を用いる場合、複数台の室内機の室温検
出値を算術平均値，重み付け値を用いて制御を行う。 【効果】同一または個々の部屋に設置された室内機で各
々の室内機の設置条件による室内温度差のばらつきを緩
和できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一台の室外機に複数台
の室内機を並列接続した、いわゆるマルチタイプと称さ
れる空気調和機のうち複数台の室内機は一つの操作制御
機器により、運転を同時に行う空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一台の室外機に複数台の室内機を並列接
続したマルチタイプの空気調和機で、複数台の室内機を
一つの操作制御機器により運転を同時に行う空気調和機
について、従来は設置される室内機のいずれか一つの室
内温度検知センサにより全ての室内機の運転／停止を制
御していた。

【０００３】またマルチタイプの空気調和機において、
冷媒流量調整弁として電動膨張弁を用いたものとして、
特開平4−84061号公報には一台の室外機に接続される室
内機の台数に応じた数の電動膨張弁を室外機に持たせ、
また各室内機に室温検知用サーミスタ，室温設定用リモ
コンを設け、室温設定値と室温検知用サーミスタとの温
度差、及び室内機の能力値を室外機に送信後、これらの
情報から冷媒分流比率を決定し電動膨張弁の開度を決定
することにより、空調負荷が大きい室内機には流れる冷
媒流量を大きくし設定温度に早く到達させようとする技
術が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】空気調和機が設置され
る際、設置場所による空調負荷の違いには様々な場合が
ある。一例を挙げれば、ある室内機に対する冷房（暖
房）負荷が非常に大で、他の室内機に対する負荷は小さ
い場合もある。上記、従来の技術で挙げたような制御、
すなわち、室内機のいずれか一つに吸い込み空気温度検
知用センサを持たせ、その検出値により他の室内機を含
めて運転／停止させるときには、その室内に対する負荷
が大きいときには、そのほかのユニットに冷やしすぎ、
または暖めすぎの運転を行わせる事になり、逆に負荷の
小さい場所に設置された室内機にセンサを取付け、それ
を用いてを行えば、負荷の大きい室内機が十分な仕事を
する前に運転を停止してしまうことになる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では一台の室外機
１に対し、複数の室内機６ａ〜６ｃを接続しているマル
チタイプの空気調和機において、各々の室内機は吸い込
み空気温度検知センサ７ａ〜７ｃ，熱交換器８ａ〜８
ｃ，冷媒流量調整弁９ａ〜９ｃで構成する。また一つの
操作制御機器１０を複数台ある室内機６ａ〜６ｃのうち
の一台に取り付ける。また、これらの機器で構成された
冷凍サイクルに、冷媒流量決定手段，冷媒流量調整弁制
御手段、および運転制御手段を持たせる。

【０００６】

【作用】本発明により、空調負荷の大きい室内機につい
てもほぼ設定温度に到達するまで運転が行え、他の室内
機については冷媒流量調整弁により冷媒流量を調整する
ことで、室内機間の室温差を緩和して均一な温度分布を
得ることができ快適性が向上する。

【０００７】

【実施例】図１において、室外機１は圧縮機２，四方弁
３，熱交換器４，アキュームレータ５から成り、室内機
６ａ〜６ｃは、吸い込み空気温度検知センサ７ａ〜７
ｃ，熱交換器８ａ〜８ｃ，冷媒流量調整弁９ａ〜９ｃか
ら成る。また操作制御機器１０を複数台ある室内機のう
ちの一つに接続する。（図１では室内機６ｃに接続して
いる。） 図２では部屋の何れか一つに太陽光による熱の供給を受
けているという空気調和機の設置例である。空気調和機
の設置条件はこの例に示すように室内機毎に部屋が区切
られて各部屋の室温が異なる場合や、同一の部屋に室内
機が据え付けられ、各据え付け位置毎に温度分布が異な
る場合、あるいはこれらが混在した形態が考えられる。

【０００８】図２の例において、各部屋の室温をそれぞ
れＴia，Ｔib，Ｔicとし、操作制御機器１０による設定
温度をＴｃ、このＴｃに対して定められる値、具体的に
はＴｃに対しある定数値（α）を加減算したものをＴcm
とする。

【０００９】ここではまず本発明の請求項１の制御につ
いて、その実施例を図２，図３を用いながら述べる。図
２において冷房運転時は太陽による熱の供給を受けてい
る室内機６ｃ、以下室内機６ｂ，室内機６ａの順に空調
負荷が小さくなっている。この時、運転を開始すると、
運転時間の経過と共に室温Ｔia，Ｔib，Ｔicの各々が低
下し設定温度Ｔｃに近づく。この時、空調負荷が最も小
さい室温Ｔiaが最も早くＴcmに到達するが（図３の
）、他の室温Ｔib，ＴicはまだＴcmに到達していない
ためここでは冷媒流量調整弁９ａを用いて流量を少なく
し、室内機６ａの冷房能力を低下させ、徐々に設定温度
Ｔｃに近づける。続いて室温ＴibがＴcmに近づく（図３
の）が、ＴicがまだＴｃに到達していないため、別の
制御により冷媒流量調整弁９ｂを用いて室内機６ｂに流
れる冷媒流量を少なくし、室温が徐々に設定温度に近づ
くようにする。さらに運転を行い室温Ｔicが設定温度Ｔ
ｃに到達したと判断したときに（図３の）、圧縮機を
停止させ運転を休止する。また圧縮機が停止し、冷房運
転が休止した事により室温Ｔia，Ｔib，Ｔicは各々の空
調負荷に応じて上昇する。この時空調負荷の最も大きい
Ｔicが最初にＴcmに到達する（図３の）。

【００１０】空調負荷が最も大きい室温ＴicがＴcmに到
達したと判断したところで冷房運転を再開させる（図３
の）。このときＴia，ＴibはＴcm以下の温度であるた
め、運転を再開した時には冷媒流量調整弁９ａ〜９ｂに
より室内機６ａ〜６ｂに流れる冷媒流量を少なくして運
転を行う。以下は図３の〜のような変化となる。

【００１１】暖房運転時は、室内機６ａ・６ｂの空調負
荷が大きくなる。この場合外部から熱の供給を受けてい
るＴicが最も早くＴｃに近づくがその際にも他の室温Ｔ
ia，Ｔibの何れかがＴcm以下の時には冷媒流量調整弁９
ｃを用いて冷媒流量を調整し室温ＴicがＴｃに徐々に近
づくように制御する。そして最も空調負荷の大きい室内
機（本例では室内機６ａ）が設定温度Ｔｃとなったとき
に、圧縮機を停止し運転を休止する。また、運転を再開
するときには室温Ｔia，Ｔib，Ｔicの何れか（本例では
Ｔia、またはＴib）がある温度以下Ｔcmになったときに
運転を再開させる。この制御により室温はＴｃとＴcmの
間で推移させることができる。

【００１２】一方、室内空気温度検知センサ７ａ〜７ｃ
の値から算術平均値等を用いて圧縮機の運転停止／再開
を制御し各室内どうしの室温差を小さくすることができ
る。

【００１３】さらに、制御を使用者の必要に応じて選択
することも可能となる。

【００１４】

【発明の効果】本発明において室内機全てに室内空気温
度検知センサをつけたことで、それぞれの室内機の空調
負荷を把握でき、同一または個々の部屋に設置された室
内機においては各々の室内機の設置条件による室内温度
のばらつきを緩和できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に関するマルチタイプと称される冷凍サ
イクルのサイクル系統図。

【図２】部屋のモデルの説明図。

【図３】室温の変化例の説明図。

【符号の説明】

１…室外機、２…圧縮機、３…四方弁、４…熱交換器、
５…アキュームレータ、６ａ〜６ｃ…室内機、７ａ〜７
ｃ…吸い込み空気温度検知センサ、８ａ〜８ｃ…熱交換
器、９ａ〜９ｃ…冷媒流量調整弁、１０…操作制御機
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機，四方弁，熱交換器およびアキュー
   ムレータからなる一台の室外機と吸い込み空気温度検知
   センサ，熱交換器、および冷媒流量調整弁からなる複数
   台の室内機と一つの操作制御機器により構成され、前記
   室内機に取り付けられた全ての吸い込み空気温度検知セ
   ンサの室温検出値が、前記操作制御機器により設定され
   た設定室温に到達したと判断したとき、圧縮機を停止さ
   せ運転を休止する事を特徴とする空気調和機。