JP3331766B2 - トランスファ装置の副変速機 - Google Patents

トランスファ装置の副変速機

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JP3331766B2
JP3331766B2 JP22646394A JP22646394A JP3331766B2 JP 3331766 B2 JP3331766 B2 JP 3331766B2 JP 22646394 A JP22646394 A JP 22646394A JP 22646394 A JP22646394 A JP 22646394A JP 3331766 B2 JP3331766 B2 JP 3331766B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝達されてきた駆動力
を高低速切り換え操作して前後輪に分割するトランスフ
ァ装置の副変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に示すものは、特開平5−213
086号公報に記載されたトランスファの内部構造の一
部を示すものであり、トランスファケーシング1内に、
入力軸2及び出力軸3が同軸突き合わせ状態で相対回転
可能に配設されているとともに、変速機(図示せず)か
ら伝動軸4を介して入力軸2に伝達されてきた駆動力を
高低速切り換え操作して出力軸3に伝達する副変速機5
が配設されている。
【0003】副変速機5は、遊星歯車機構6と、この遊
星歯車機構6に同軸的に配設されたシフトスリーブ7と
で構成されており、高速位置に選択すると、シフトスリ
ーブ7が図10の上側位置に移動して入力軸2に設けら
れた高速シフト用ギヤ2aとシフトスリーブ7の内歯7
aとが噛合し、入力軸2の回転駆動力が高速回転駆動力
として出力軸3に伝達されていく。
【0004】また、高速位置から低速位置までシフト切
り換えする際には、一旦、シフトスリーブ7は図10の
右側へ移動して内歯7a及び外歯7bが他のギヤに噛合
しない位置とされ(この状態を、中立位置と称す
る。)、さらに右側への移動により遊星歯車機構6の低
速シフト用ギヤ6aと外歯7bとが噛合し、遊星歯車機
構5の減速回転により入力軸2の回転駆動力が低速回転
駆動力として出力軸3に伝達されていく(図10の下側
位置を参照)。
【0005】また、低速位置から高速位置までシフト切
り換えする際には、一旦、シフトスリーブ7が中立位置
を通過した後に、図10の上側に示す位置まで移動して
いく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入力軸2に
回転駆動力を伝達する変速機として、トルクコンバータ
等を使用した流体式自動変速機を搭載すると、図10に
示したトランスファの副変速機5ではシフト切り換えす
る際にギヤ鳴きを発生するおそれがある。すなわち、自
動変速機をニュートラル状態に選択すると、通常、出力
軸3を回転させない程度の僅かな回転力(以下、つれ回
り回転力と称する。)が伝動軸4に伝達されてくる。
【0007】前記副変速機5の高低速切り換え操作は、
通常、自動変速機のニュートラル状態の選択時に行われ
るので、シフト切り換え操作中にシフトスリーブ7が中
立位置へ移動した時点で、無負荷状態とされた入力軸2
が、伝動軸4からつれ回り回転力が伝達されて回転し、
同時に遊星歯車機構6も回転していく。そして、シフト
スリーブ7が高速位置若しくは低速位置へ移動する時点
で、その内歯7a若しくは外歯7bが、回転している高
速シフト用ギヤ2a、低速シフト用ギヤ6aと衝突して
ギヤ鳴きが発生してしまう。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、流体式自動変速機を搭載してつれ回り回転力が伝
達されても、シフト切り換え操作中のギヤ鳴きを低減さ
せることが可能なトランスファ装置の副変速機を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
のトランスファ装置の副変速機は、トランスファケーシ
ング内に、変速機から駆動力が伝達される入力軸と、出
力軸とが同軸突き合わせ状態で相対回転可能に配設され
ているとともに、前記入力軸に形成された高速用ギヤ
と、入力軸と連動する減速機構により入力軸の回転を減
速させて伝達する低速用ギヤと、前記出力軸上を軸方向
に移動自在とされたシフトスリーブとを備え、前記シフ
トスリーブが、前記高速用ギヤ及び低速用ギヤと噛合し
ない中立位置まで移動した後に、高速用ギヤ若しくは低
速用ギヤの一方と噛合することにより前記入力軸の駆動
力を高低速切り換えて前記出力軸に伝達するトランスフ
ァ装置の副変速機において、前記出力軸に、前記入力軸
との接触により当該入力軸の回転を減速させる摩擦部材
が配設されている装置である。
【0010】また、請求項2記載のトランスファ装置の
副変速機は、請求項1記載の装置において、入力軸の端
部に軸線に沿って形成された凹部に、出力軸の端部が同
軸に挿入されて相対回転可能に配設されているととも
に、前記摩擦部材は、前記出力軸の端部に外嵌され、且
つ前記入力軸の凹部の内周面と接触するOリングにより
構成されていることを特徴とする装置である。
【0011】
【0012】
【作用】本発明の請求項1記載のトランスファ装置の副
変速機によれば、変速機として自動変速機を搭載する
と、この自動変速機から入力軸につれ回り回転力が伝達
されてくる。ここで、副変速機の高低速切り換え操作中
に、シフトシフトスリーブを高速用ギヤ及び低速用ギヤ
に噛合しない中立位置まで移動すると、無負荷状態とさ
れた入力軸にはつれ回り力が伝達される。ところが、回
転が停止している出力軸には、前記出力軸との接触によ
り入力軸の回転を減速させる摩擦部材が配設されている
ので、入力軸はつれ回り回転力に連動せず回転が抑えら
れる。そして、シフトスリーブが高速用ギヤ若しくは低
速用ギヤに噛合する際には、回転が抑えられた高速用ギ
ヤ若しくは低速用ギヤと噛合するので、ギヤどうしの衝
突音が少なくなりギヤ鳴きが低減する。
【0013】また、請求項2記載のトランスファ装置の
副変速機によれば、摩擦部材は、出力軸の端部に外嵌さ
れて入力軸の凹部の内周面と接触するOリングにより構
成されているので、副変速機の内部に摩擦部材を簡単に
装着することが可能となるとともに、確実に高低速切り
換え操作中のギヤ鳴きが低減する。
【0014】
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1に示すものは、FR(フロントエンジン,
リヤドライブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆
動車であり、回転駆動源としてのエンジン10と、前左
〜後右側の車輪12FL〜12RRと、車輪12FL〜12RR
への駆動力配分比を変更可能な駆動力伝達系14と、駆
動力伝達系14による駆動力配分を制御するために油圧
を供給する油圧供給装置16と、油圧供給装置16を制
御するコントローラ18を備えた車両である。
【0016】駆動力伝達系14は、トルクコンバータ等
が組み込まれ、エンジン10からの駆動力を変速する流
体式自動変速機20と、この自動変速機20からの駆動
力を前輪12FL、12FR及び後輪(常時駆動輪)12R
L、12RR側に分割するトランスファ22とを有してい
る。そして、駆動力伝達系14では、トランスファ22
で分割された前輪駆動力が前輪側出力軸24、フロント
ディファレンシャルギヤ26及び前輪側ドライブシャフ
ト28を介して、前輪12FL、12FRに伝達され、一
方、後輪側駆動力がプロペラシャフト(後輪側出力軸)
30、リアディファレンシャルギヤ32及びドライブシ
ャフト34を介して後輪12RL、12RRに伝達される。
【0017】図2はトランスファ22の内部構造を示す
ものであり、トランスファケーシング40内には、入力
軸42及び第1出力軸44が同軸突き合わせ状態で相対
回転可能に配設されている。すなわち、入力軸42は一
端側42aから他端側42bに向かうに従い外径及び内
径が複数段に拡径された円筒部材であり、一端側42a
の内径部42eに自動変速機20の出力軸56が嵌入さ
れ、外径部がフロントケーシング40aにラジアル軸受
46を介して回転自在に支持されている。
【0018】また、第1出力軸44は、入力軸42の内
径部42eに挿入された一端側44dがベアリング45
a、45bを介して配設され、後輪側出力軸30に結合
する他端側が、リアケーシング40bにラジアル軸受4
8を介して回転自在に支持されて相対回転可能に配設さ
れている。そして、これら入力軸42及び第1出力軸4
4に対して平行に、フロントケーシング40a及びリア
ケーシング40bにそれぞれ配設されたベアリング5
0、52を介して第2出力軸54が回転自在に支持され
ている。なお、第2出力軸54は前輪側出力軸24に結
合されている。
【0019】ここで、入力軸42の内径部42eに挿入
されている第1出力軸44の一端側44dの外周には、
軸方向に所定間隔を開けて2本のOリング(摩擦部材)
47が装着され、これらOリング47の外周部が内径部
42eの内周面42cに面接触している。そして、これ
らOリング47は、自動変速機20からつれ回り回転力
が出力軸56に伝達されてきても、この出力軸56に結
合している入力軸42の回転を抑制できる程度に、入力
軸42の内周面との間で摩擦力が働くようになってい
る。
【0020】また、入力軸42及び第1出力軸44に
は、副変速機58と2輪ー4輪駆動切換機構60とが設
けられている。副変速機58は、遊星歯車機構62と、
この遊星歯車機構62に同軸的に配設された噛み合いク
ラッチ形式の高低速切換機構64とで構成されている。
遊星歯車機構62は、入力軸42の他端側42bの外周
に形成されたサンギヤ62aと、フロントケーシング4
0a内部で固定されたインターナルギヤ62bと、これ
らサンギヤ62a及びインターナルギヤ62bに噛合す
るピニオンギヤ62cと、ピニオンギヤ62cを回転自
在に支持するピニオンキャリア62dとで構成されてい
る。
【0021】また、高低速切換機構64は、第1出力軸
44の外周に設けられた複数条のキー溝と内歯64b1
とのスプライン結合により軸方向にスライド自在とさ
れ、外周に外歯64b2 が設けられてなるシフトスリー
ブ64bと、シフトスリーブ64bの内歯64b1 と噛
合可能な入力軸42の外周位置に形成された高速シフト
用ギヤ64cと、シフトスリーブ64bの外歯64b2
と噛合可能なピニオンキャリア62dの内周部に形成さ
れた低速シフト用ギヤ64dとで構成されている。
【0022】そして、図3において実線で示すシフトス
リーブ64bの上部側配置のように、記号Hの高速シフ
ト位置までシフトスリーブ64bがスライド移動する
と、高速シフト用ギヤ64cと内歯64b1 とが噛合す
るようになっている。また、図3においてシフトスリー
ブ64bの下部側配置のように、記号Lの低速シフト位
置までシフトスリーブ64bがスライド移動すると、低
速シフト用ギヤ64dと外歯64b2 とが噛合するよう
になっている。また、二点鎖線で示すシフトスリーブ6
4bの上部側配置のように、記号Nの中立位置までシフ
トスリーブ64bが移動すると、内歯64b1 及び外歯
3642 は高低速切換機構64の他のギヤのいずれにも
噛合しないようになっている。
【0023】図2に戻って、2輪ー4輪駆動切換機構6
0は、前後輪に対する駆動力配分比を変更する湿式多板
摩擦クラッチ(以下、摩擦クラッチと略称する。)66
と、第1出力軸44に回転自在に配設された第1スプロ
ケット68と、第2出力軸54と同軸に結合された第2
スプロケット70と、第1及び第2スプロケット68、
70間に巻装さたチェーン72とで構成されている。
【0024】摩擦クラッチ66は、第1スプロケット6
8に結合されたクラッチドラム66aと、このクラッチ
ドラム66aにスプライン結合されたフリクションプレ
ート66bと、第1入力軸44の外周にスプライン結合
されたクラッチハブ66cと、クラッチハブ66cに一
体結合されて前記フリクションプレート66b間に配設
されたフリクションディスク66dと、第1出力軸44
の外周に配設されてクラッチドラム66a側への軸方向
移動によりフリクションプレート66b及びフリクショ
ンディスク66dを当接させる回転部材66eと、クラ
ッチハブ66cに一体結合されクラッチハブ66cと回
転部材66eとを係合するピン66kと、リアケーシン
グ40bの内壁に装着されて軸方向の移動が可能とされ
たクラッチピストン66gと、このクラッチピストン6
6gの軸方向の移動を回転部材66eに伝達するスラス
ト軸受66fと、クラッチピストン66gとリアケーシ
ング40bとの内壁間に形成されたシリンダ室66h
と、回転部材66eに対してクラッチピストン66g側
へ付勢力を与えるリターンスプリング66jとで構成さ
れている。
【0025】そして、シリンダ室66hと連通するリア
ケーシング40bに形成された入力ポート74に、油圧
供給装置16からクラッチ圧PC が供給されると、シリ
ンダ室66h内の押圧力発生によりクラッチピストン6
6gが図2の左側へ移動し、このクラッチピストン66
gの移動がスラスト軸受66fを介して回転部材66e
に伝達され、相互に離間していたフリクションプレート
66b及びフリクションディスク66dが、フリクショ
ンディスク66dの移動により当接し、摩擦力によるク
ラッチ圧Pcに応じた締結力が付与される。これによ
り、第1出力軸44の回転駆動力が、摩擦クラッチ66
の締結力に応じた所定のトルク配分比で、第1スプロケ
ット68、チェーン72及び第2スプロケット70を介
して第2出力軸54に伝達されるようになっている。
【0026】また、供給されるクラッチ圧Pcが低下し
てリターンスプリング66jの付勢力によって回転部材
66e及びクラッチピストン66gが図2の右側へ移動
してフリクションプレート66b及びフリクションディ
スク66dが相互に離間すると、第1出力軸44の回転
駆動力は第2出力軸54に伝達されない。また、第1ス
プロケット68には、シフトスリーブ64b側の外周に
4輪駆動用ギヤ80が設けられており、前述した図3の
低速位置Lまでシフトスリーブ64dが移動すると、外
歯64b2 と低速シフト用ギヤ64dとの噛合ととも
に、前記4輪駆動用ギヤ80が内歯64b1 と噛合する
構造とされている。これにより、シフトスリーブ64b
及び4輪駆動用ギヤ80は、低速位置Lで第1出力軸4
4及び第2出力軸54を強制的に結合するドグクラッチ
を構成している。
【0027】そして、噛み合いクラッチ形式とされた高
低速切換機構64のシフトスリーブ64bは、副変速機
レバー(図示せず)の手動操作によってフォーク(図2
で示す符号84がフオークの先端部)を介して高速シフ
ト位置H、中立位置N若しくは低速シフト位置Lまでス
ライド移動する。ここで、フロントケーシング40a内
部には、シフトスリーブ64bが高速シフト位置Hまで
スライド移動したことを検出する高速シフト位置センサ
86と、シフトスリーブ64bが低速シフト位置Lまで
スライド移動したことを検出する低速シフト位置センサ
88が配設されている。そして、高速シフト位置センサ
86の検出信号SH 、低速シフト位置センサ88の検出
信号SL は後述するコントローラ18に随時入力される
ようになっている。
【0028】また、前記油圧供給装置16は、図4に示
す回路構成によりトランスファ22の入力ポート74に
所定のクラッチ圧Pcが供給されるようになっている。
この油圧供給装置16は、第1出力軸44と直結して回
転駆動する正逆回転形のメインポンプ100と、このメ
インポンプ100と並列配置され、電動モータ(サブモ
ータ)102を動力源として回転駆動する正回転形のサ
ブポンプ104を油圧源としている。これらメインポン
プ100及びサブポンプ102は、オイルタンク105
内の作動油をストレーナ106a、108aを介して吸
入し、吐出側の配管106b、108bに吐出する。ま
た、配管106b、108bを収束する収束配管110
aには、オイルエレメント112が接続され、このオイ
ルエレメント112の上流側(メインポンプ100及び
サブポンプ104側)に、他端が潤滑系114側と接続
するリリーフ路116が接続されている。また、オイル
エレメント112の下流側にライン圧調圧弁118が接
続されているとともに、収束配管110aから分岐する
配管110b、110c、110eに、それぞれ電磁開
閉弁120、クラッチ圧力調整弁122、減圧弁124
の入力側が接続されている。また、クラッチ圧力調整弁
122の出力側には、電磁切換弁120からのパイロッ
ト圧が供給されるとトランスファ22にクラッチ圧Pc
を供給するパイロット切換弁126の入力側が接続さ
れ、減圧弁124の出力側には、デュティー制御電磁弁
128の入力側が接続されている。なお、オイルタンク
105内には作動油の温度を検知する温度センサ130
が配設されているとともに、ライン圧調圧弁118によ
り減圧設定された圧力を検知する油圧スイッチ132及
びパイロット切換弁126から出力されるクラッチ圧P
cを検知する圧力スイッチ134が配設され、これら検
知信号はコントローラ18に出力されるようになってい
る。そして、この油圧供給装置16は、実際の車両で
は、トランスファ22の内部に配設されている。なお、
オイルタンク105から作動油を吸引するメインポンプ
100は、図2に示すように、第1ギヤ136a及び第
2ギヤ136bを介して第1出力軸44と連結され、サ
ブポンプ104は、リアケーシング40bに外付けされ
た電動モータ102に連結されている。
【0029】次に、図4を参照して油圧供給装置16の
各構成部品を詳述する。正回転駆動をするメインポンプ
100は、吸入配管106cの端部に接続されたストレ
ーナ106aを介してオイルタンク105から作動油を
吸引し、サブポンプ104も、吸入配管108cの端部
に接続されたストレーナ108aを介してオイルタンク
105から作動油を吸引する。そして、収束配管110
aと接続する各ポンプの吐出配管106b、108bに
はそれぞれ逆止弁106d、108dが介挿されている
とともに、メインポンプ100の吐出配管106bとサ
ブポンプ104の吸入配管108cとの間は、バイパス
路140が接続されている。このバイパス路140は、
バイパス配管140aと、このバイパス配管140aに
介挿された3連の逆止弁140bとで構成され、吐出配
管106bが負圧状態となった場合に逆止弁140bが
開状態となり、作動油が破線矢印方向に流れる連通路と
なる。
【0030】オイルエレメント112より上流側の収束
配管110aに接続されたリリーフ路116は、潤滑系
114側に他端が接続されたリリーフ配管116aと、
このリリーフ配管116aに介挿された2連のバネ付き
逆止弁116bとで構成されている。そして、オイルエ
レメント112のフィルタに目詰まりが発生して、オイ
ルエレメント112より上流側の圧力が所定圧以上とな
ると、逆止弁116bが開状態となり、作動油が破線矢
印方向に流れる連通路となる。
【0031】ライン圧調圧弁118は、内部パイロット
及びスプリング形式の減圧弁により構成され、収束配管
110a側に接続する入力ポート118A 、潤滑系11
4側に接続する出力ポート118B 及び固定絞りを介し
て一次圧及び二次圧が供給される内部パイロットポート
118P1、118P2を有する筒状の弁ハウジング内にス
プールが摺動自在に配設され、このスプールを一端側に
付勢するリターンスプリング118aが配設されてい
る。そして、メインポンプ100もしくはサブポンプ1
04で昇圧された供給圧PL は、ライン圧調圧弁118
より所定圧に減圧設定されて電磁切換弁120、クラッ
チ圧力調整弁122、減圧弁124に供給される。な
お、減圧設定した際に出力ポート118B から流れ出た
作動油は、潤滑系114へ戻される。
【0032】また、クラッチ圧力調整弁122は、内
部、外部パイロット及びスプリング形式の圧力調整弁で
構成されており、配管110cと接続する入力ポート1
22A、パイロット切換弁126と接続する出力ポート
122B 、二次圧が固定絞りを介してパイロット圧とし
て供給される内部パイロットポート122P1、デューテ
ィ制御電磁弁128から制御圧が供給される外部パイロ
ットポート122P2を有する筒状の弁ハウジング内にス
プールが摺動自在に配設され、このスプールを一端側に
付勢するリターンスプリング122aが配設されてい
る。このクラッチ圧力調整弁122は、デューティ制御
電磁弁128から制御圧が供給されない場合には、入力
ポート122A と出力ポート122B の連通路が閉塞さ
れて二次圧が出力されないが、デューティ制御電磁弁1
28からパイトッロ制御圧が供給されると、スプールが
移動制御されて出力ポート122B からパイロット制御
圧に応じた二次圧がクラッチ圧Pcとして出力される。
【0033】減圧弁124は、内部パイロット及びスプ
リング形式の二次圧一定形減圧弁により構成されてお
り、配管110eと接続する入力ポート124A 、デュ
ーティ制御電磁弁128と接続する出力ポート12
B 、出力ポート124B からの二次圧が固定絞りを介
してパイロット圧として供給される内部パイロットポー
ト124P と、ドレインポート124H とを有する筒状
の弁ハウジング内にスプールが摺動自在に配設され、こ
のスプールを一端側に付勢するリターンスプリング12
4aが配設されている。そして、内部パイロットポート
124P に供給されるパイロット圧によってスプールが
所定位置に移動制御されることにより、入力ポート12
A から供給された一次圧が、所定圧に減圧調整された
制御圧としてデューティ制御電磁弁128に供給される
ようになっている。
【0034】また、デューティ制御電磁弁128は、3
ポート2位置形に構成され、減圧弁124側に接続され
た入力ポート128A と、ドレイン側に接続されたドレ
インポート128R と、クラッチ圧力調整弁122の外
部パイロットポート122P2と接続する出力ポート12
B と、リターンスプリング127aを有し、弁内部に
配設されたスプールが出力ポート128B とドレインポ
ート128R とを連通させるノーマル位置128bと、
入力ポート128A と出力ポート128B とを連通させ
る作動位置128cとに移動制御される弁である。そし
て、コントローラ18からソレノイド128dに所要デ
ューティ比の励磁電流i0 が供給されると、その励磁電
流i0 がオン状態である区間リターンスプリング128
aに抗してノーマル位置128bから作動位置128c
にスプールが移動制御されることにより、デューティ比
に応じたパイロット制御圧がクラッチ圧調整弁122に
出力される。したがって、クラッチ圧調整弁122は、
デューティ制御電磁弁128から外部パイロットポート
122P2に制御圧が供給されると、パイロット制御圧に
応じたクラッチ圧Pcが吐出され、これに応じた摩擦ク
ラッチ66の締結力が制御されてクラッチPcに応じた
前輪への駆動トルクの配分が行われる。
【0035】また、スプリングオフセット形の電磁切換
弁120は、3ポート2位置に構成され、ライン圧が供
給される入力ポート120A と、パイロット切換弁12
6の外部パイロットポート126P1と接続する出力ポー
ト120B と、ドレインポート120D とを有し、弁内
部に配設されたスプールが入力ポート120A を遮断し
且つ出力ポート120B をドレインポート120D に連
通させるノーマル位置120bと、入力ポート120A
と出力ポート120B とを連通させ且つドレインポート
120D を遮断する作動位置120cとに移動制御され
る弁である。そして、電磁開閉弁120は、コントロー
ラ18から励磁電流i1 がソレノイド120dに出力さ
れると、その励磁電流i1 がオン状態を継続している間
リターンスプリング120aに抗してスプールが移動制
御されて作動位置120cとなり、パイロット切換弁1
26の外部パイロットポート126P1にパイロット制御
圧が供給される。また、コントローラ18からの励磁電
流i1 がオフ状態となると、リターンスプリング120
aの押圧力によってノーマル位置120bに戻され、外
部パイロットポート126P1に供給されていたパイロッ
ト制御圧がドレインポート120D を通じて消圧され
る。
【0036】また、パイロット切換弁126は、図5に
も示すように、クラッチ圧力調整弁122から二次圧が
供給される入力ポート126A 、トランスファ22へ二
次圧を供給する出力ポート126B 、電磁切換弁120
のソレノイド120dが通電状態であるときに制御圧が
供給される外部パイロットポート126P1、ドレインポ
ート126H を有する筒状の弁ハウジング126i内
に、スプール126eが摺動自在に配設され、さらに、
このスプール126eを一端側に付勢するリターンスプ
リング126aが配設されている弁である。
【0037】そして、このパイロット切換弁126のス
プール126eは、外部パイロットポート126P1にパ
イロット制御圧が供給されない場合には、入力ポート1
26 A と出力ポート126B とが遮断され、且つ出力ポ
ート126B がドレインポート126D に連通する2W
Dモード位置126bに移動制御されるようになってい
る(図5の左側半断面状態)。また、電磁切換弁120
のソレノイド120dが通電状態(オン状態)となる
と、電磁切換弁120のスプールを第2位置120cに
移動制御して外部パイロットポート126P1に制御圧が
供給され、入力ポート126A と出力ポート126B
が連通する4WDモード位置126cに移動制御される
ようになっている(図5の右側半断面状態)。
【0038】このように、パイロット切替弁126を電
磁切替弁120からのパイロット制御圧で駆動すること
により、高圧のパイロット制御圧でスプル126eを駆
動することができ、スプール126eの摺動通路に塵
埃、切り屑等が付着してスプール126eの摺動抵抗が
大きい場合でも、スプール126eの摺動を確保するこ
とができる。
【0039】一方、コントローラ18は、図1に示すよ
うに、高速シフト位置センサ86、低速シフト位置セン
サ88、2ー4WDモードセンサ90からの検出信号に
基づいて油圧供給装置16への励磁電流i0 、i1 を出
力する装置である。なお、この実施例では、同じコント
ローラ18において、油圧供給装置16が所定の油圧を
保持可能にするための制御も行うようになっており、そ
のために必要な前記油温センサ130および油圧スイッ
チ132,134を備えるとともに、これらのセンサか
らの検出信号に基づく制御信号CS2 もコントローラ1
8から前記油圧供給装置16へ出力されるようになって
いる。
【0040】このコントローラ18は、図6に示すよう
に、前記駆動力配分制御を行うためのマイクロコンピュ
ータ7と、前述の所定油圧保持制御を行うためのマイク
ロコンピュータ8と、前記マイクロコンピュータ7から
の制御信号CS0 に応じて前記油圧供給装置16におけ
るデューティ制御電磁弁128のソレノイド128dに
所要デューティ比の励磁電流i0 を供給する駆動回路3
1aと、前記マイクロコンピュータ7からの制御信号C
1 に応じてオン・オフされる励磁電流i1 を油圧供給
装置16における電磁切替弁120のソレノイド120
dに供給する駆動回路31bと、前記マイクロコンピュ
ータ8からのモータ制御信号SM に応じてサブモータ1
02をチョッパ制御してモータ制御信号SM に応じた回
転速度に速度制御するモータ駆動回路103とを備えて
いる。
【0041】前記マイクロコンピュータ7は、前記各セ
ンサ86、88、90からの検出信号を各検出値として
読み込むためのA/D変換機能を有する入力インタフェ
ース回路7aと、所定のプログラムに従って駆動力配分
制御のための演算・制御処理(図9参照)等を行う演算
処理装置7bと、ROM、RAM等の記憶装置7cと、
前記演算処理装置7bで得られた前輪側トルク配分を決
定するクラッチ圧Pcを指令するデューティ比Dの制御
信号CS0 及びクラッチ圧Pcを出力するか否かを決定
する制御信号CS1 を出力するための出力インタフェー
ス回路7dとを備えている。また、前記マイクロコンピ
ュータ8は、前記各センサ130,132,134から
の検出信号を各検出値として読込むためのA/D変換機
能を有する入力インタフェース回路8aと、演算処理装
置8bと、ROM,RAM等の記憶装置8cと、前記演
算処理装置8bで得られたサブモータ回転速度指令値を
例えばアナログ電圧信号SM として出力するためのD/
A変換機能を有する出力インタフェース回路8dとを備
えている。
【0042】そして、マイクロコンピュータ7は、図示
しない演算処理に従って、2ー4WDモードセンサ90
からのモード信号Dn 、高速シフト位置センサ86から
の高速シフト位置検出信号SH 、低速シフト位置センサ
88からの低速シフト位置検出信号SL に基づいて、前
輪側トルク配分指令値T2 を設定し、これに対応するク
ラッチ圧Pcを指定するデューティ比Dを算出し、この
デューティ比Dに対応する指令値の制御信号CS0 を出
力するとともに、制御信号CS1 をオン状態若しくはオ
フ状態に制御し、これら制御信号CS0 及びCS1 をそ
れぞれ前記駆動回路31a、31B に出力する。
【0043】そして、前記駆動回路31aは、前記マイ
クロコンピュータ7から出力されるアナログ電圧信号で
なる制御信号CS0 の指令値に応じたデューティ比Dの
励磁電流を出力する例えばパルス幅変調回路を備えてお
り、制御信号CS0 の指令値に応じたデューティ比の励
磁電流i0 をデューティ制御電磁弁128のソレノイド
128dに出力する。また、前記駆動回路31bは、前
記マイクロコンピュータ7から出力される制御信号CS
1 を電磁切替弁120のソレノイド120dを励磁可能
な電流値の励磁電流i1 に変換して、これを電磁切換弁
120のソレノイド120dに出力する。
【0044】また、この実施例のコンロトーラ18で行
われる演算処理、すなわち油圧供給装置16が所定の油
圧を供給可能にするための制御は、例えば、図示されな
い演算処理によって、油圧スイッチ132で収束配管1
10aのオイルエレメント112の下流側のライン圧P
L が設定値以下に低下していることを検出したときに、
サブポンプ104からの吐出圧(油量)を制御するため
に、前記油温センサ120からの油温検出値SY に応じ
て設定される回転速度指令値を表す制御信号S M を算出
し、これをモータ駆動回路103に供給することによ
り、サブモータ102の回転速度を制御して、油圧供給
装置16から出力されるライン圧PL を所定圧力に維持
するものである。
【0045】ここで、マイクロコンピュータ7の記憶装
置7cには、演算処理装置7bの処理の実行に必要なプ
ログラム及び固定データ等が予め記憶されているととも
に、その処理結果が一時記憶可能とされている。この
内、固定データとしては、図7から図9に示す各制御特
性に対応した記憶テーブルを含んでいる。図7は、前後
輪回転速度差ΔTに対する前輪側への伝達トルクΔTの
制御特性を示したものである。これによると、駆動力配
分を伝達トルクΔTを回転速度差Δの増加に応じて非線
形に増加させている。また、図8は、パイロット切換弁
126のクラッチ圧Pcの変化に応じて直線的に変化す
る前輪側への伝達トルクΔTの値を示している。また、
図9は、デューティ制御電磁弁128のソレノイド12
8dに供給する励磁電流値i0 のデューティ比Dの増加
に応じて非線形に放物線状に増加するクラッチ圧力調整
弁122のクラッチ圧Pcの値を示している。
【0046】そして、マイクロコンピュータ7で前後輪
の回転速度差ΔNをもとに図7に対応する記憶テーブル
を参照することにより伝達トルクΔTが決定されると、
図8、図9に対応する記憶テーブルを順次参照して、コ
ントローラ18が出力しなければならないデューティ比
Dの値が逆算されるようになっている。そして、図9で
示すD1 〜D2 の範囲のデューティ比に応じたクラッチ
圧P1 〜P2 が摩擦クラッチ66に供給されると、摩擦
クラッチ66の締結力に応じた所定のトルク配分比が、
後輪:前輪=100%:0〜後輪:前輪=50%:50
%まで連続的に変化される。
【0047】次に、副変速機レバーのレンジ選択による
トランスファ22の駆動力伝達経路と車両の走行状態に
ついて説明する。なお、副変速機レバーは、後2輪駆動
Hiレンジ(以下、2Hレンジと略称する。)、4輪駆
動高速レンジ(以下、4Hレンジと略称する。)、中立
レンジ(以下、Nレンジと略称する)、4輪駆動低速レ
ンジ(4Lレンジ)の4つのモードが設定可能とされ、
4Lレンジ及び4Hレンジが選択されると、コントロー
ラ18に2ー4WDモードセンサ90から4輪駆動モー
ド信号Dn が入力されるようになっている。また、レン
ジ選択パターンは、2Hレンジー4HレンジーNレンジ
ー4Lレンジに設定されている。先ず、Nレンジを選択
すると、シフトスリーブ64bは図3の上部側で示すよ
うに中立位置Nまでスライド移動する。この場合には、
シフトスリーブ64bは、高速シフト用ギヤ64c、低
速シフト用ギヤ64d及び4輪駆動用ギヤ80のいずれ
にも噛合せず伝達経路が確保されていないので、全車輪
は駆動しない。
【0048】また、2Hレンジを選択すると、コントロ
ーラ18に2ー4WDモードセンサ90から2輪駆動モ
ード信号Dn が入力され、コントローラ18は油圧供給
制御を行わず、トランスファ22の入力ポート74にク
ラッチ圧Pcは供給されない。そして、シフトスリーブ
64bは、図3の上部側で示すように高速位置Hまでス
ライド移動し、内歯64b1 と高速シフト用ギヤ64c
が噛合するので、入力軸42の駆動力は高速シフト用ギ
ヤ64c、内歯64b1 、第1出力軸44の伝達経路に
よって高速回転駆動力として伝達され、摩擦クラッチ6
6のフリクションプレート66b及びフリクションディ
スク66dは締結されないので第2出力軸54への伝達
経路が確保されず、車両は高速2輪駆動状態で走行可能
となる。
【0049】また、4Hレンジを選択すると、コントロ
ーラ18に2ー4WDモードセンサ90から4輪駆動モ
ード信号Dn が入力され、コントローラ18はデューテ
ィ比D1 〜D2 の範囲に応じた指令値の制御信号CS0
をデューティ制御電磁弁128のソレノイド128dに
出力してクラッチ圧力調整弁122を制御する。これに
より、クラッチ圧調整弁122からP1 〜P2 の範囲の
二次圧が出力され、切替弁126を介してクラッチ圧P
cとして入力ポート74(摩擦クラッチ66)に供給さ
れる。そして、入力軸42の駆動力は高速シフト用ギヤ
64c、内歯64b1 、第1出力軸44の伝達経路によ
り高速回転駆動力として伝達され、第1出力軸44の高
速回転駆動力は、所定のトルク配分比で締結された摩擦
クラッチ66、第1のスプロケット68、チェーン7
2、第2のスプロケット70、第2出力軸54の伝達経
路により高速回転駆動力として伝達されるので、車両は
高速4輪駆動状態で走行可能となる。
【0050】また、4Lレンジを選択すると、シフトス
リーブ64bは図3の下部側で示すように低速位置Lま
でスライド移動し、低速シフト用ギヤ64dと外歯64
2が噛合すると同時に、4輪駆動用ギヤ80と内歯6
4b1 が噛合していく。そして、低速シフト用ギヤ64
dは遊星歯車機構62により入力軸42に対して減速回
転しているので、入力軸42の駆動力は、低速シフト用
ギヤ64d、外歯64b2 、内歯64b1 、第1出力軸
44の伝達経路により減速回転駆動力として伝達され、
同時に、第1出力軸44の低速回転駆動力は、内歯64
1 、4輪駆動用ギヤ80、第1のスプロケット68、
チェーン72及び第2のスプロケット70、第2出力軸
54の伝達経路により減速回転駆動力として伝達される
ので、車両は低速4輪駆動状態で走行可能となる。
【0051】ここで、自動変速機20をNレンジとして
いる停車状態において、4Lレンジから4Hレンジに切
り換え操作を行う際には、一旦、シフトスリーブ64b
が低速位置Lから中立位置Nまで移動すると、高速シフ
ト用ギヤ64c及び低速シフト用ギヤ64dのいずれに
もシフトスリーブ64bが噛合しないので、入力軸42
は無負荷状態となる。この時点で、自動変速機20から
つれ回り回転力が出力軸56を介して入力軸42に伝達
されるが、入力軸44の内周面42cには、回転が停止
している第1出力軸44の外周に装着されたOリング4
7が接触しており、このOリング47の摩擦力により入
力軸44は回転が抑えられる。そして、シフトスリーブ
64bが高速位置Hまで移動すると、回転が抑えられた
高速シフト用ギヤ64cに内歯64b1 が噛合するの
で、4Lレンジから4Hレンジへの切り換え操作中のギ
ヤ鳴きを低減させることができる。
【0052】また、4Hレンジから4Lレンジに切り換
え操作を行う際にも、一旦、シフトスリーブ64bが高
速位置Hから中立位置Nまで移動すると入力軸42は無
負荷状態となり、この時点で、自動変速機20からつれ
回り回転力が出力軸56を介して入力軸42に伝達され
るが、Oリング47の摩擦力により入力軸44は回転が
抑えられる。そして、シフトスリーブ64bが低速位置
Lまで移動すると、回転が抑えられた低速シフト用ギヤ
64dに外歯64b2 が噛合するので、4Hレンジから
4Lレンジへの切り換え操作中にもギヤ鳴きを低減させ
ることができる。
【0053】なお、Oリング47が入力軸44の内周面
42cと摺動するのは、4Hレンジと4Lレンジの切り
換え操作中、4Lレンジを選択している車両の低速4輪
駆動走行のみであり、2Hレンジ及び4Hレンジを選択
した際には入力軸42及び第1出力軸44は同一回転速
度となり、Oリング47は入力軸44の内周面42cと
摺動しないので、車両の高速2輪駆動走行及び高速4輪
駆動走行における燃費の影響はない。
【0054】したがって、本実施例においては、4Lレ
ンジと4Hレンジとの切り換え操作中に、シフトスリー
ブ64bの中立位置Nへの移動により入力軸42が無負
荷状態となって自動変速機20からつれ回り回転力が伝
達されるが、入力軸42の内周面42cには回転が停止
している第1出力軸44の外周に装着されたOリング4
7が接触しており、このOリング47の摩擦力により入
力軸42の回転が抑えられ、4Hレンジを選択した場合
には回転が抑えられた高速シフト用ギヤ64cに内歯6
4b1 が噛合し、4Lレンジを選択した場合には回転が
抑えられた低速シフト用ギヤ64dに外歯64b2 が噛
合するので、4Lレンジと4Hレンジとの切り換え操作
中にギヤ鳴きを低減させることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の
ランスファ装置の副変速機は、変速機として流体式自動
変速機を搭載すると、この自動変速機から入力軸につれ
回り回転力が伝達され、副変速機の高低速切り換え操作
中には、シフトシフトスリーブを高速用ギヤ及び低速用
ギヤに噛合しない中立位置まで移動すると、無負荷状態
とされた入力軸にはつれ回り力が伝達されるが、回転が
停止している出力軸には、前記出力軸との接触により入
力軸の回転を減速させる摩擦部材が配設されているの
で、入力軸はつれ回り回転力に連動せず回転が抑えられ
る。したがって、シフトスリーブが高速用ギヤ若しくは
低速用ギヤに噛合する際には、回転が抑えられた高速用
ギヤ若しくは低速用ギヤと噛合するのでギヤどうしの衝
突音が少なくなり、ギヤ鳴きを低減させることができ
る。
【0056】また、請求項2記載のトランスファ装置の
副変速機は、摩擦部材が、出力軸の端部に外嵌されて入
力軸の凹部の内周面と接触するOリングにより構成され
ているので、副変速機の内部に摩擦部材を簡単に装着す
ることができるとともに、確実に高低速切り換え操作中
のギヤ鳴きを低減させることができる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る四輪駆動車の概略を示す構成図
である。
【図2】この発明に係るトランスファの構造を示す図で
ある。
【図3】この発明の副変速機を示す図である。
【図4】この発明に係る油圧供給装置を示す回路図であ
る。
【図5】この発明に係る油圧供給装置で使用されている
切換弁を示す図である。
【図6】この発明に係るコントローラを示すブロック図
である。
【図7】前後輪回転数差に対する前輪側への伝達トルク
の制御特性グラフである。
【図8】油圧供給装置から供給されるクラッチ圧の変化
に応じて変化する前輪側への伝達トルクの制御特性グラ
フである。
【図9】デューティ比に応じて変化するクラッチ圧の制
御特性グラフである。
【図10】従来のトランスファ装置の副変速機を示す図
である。
【符号の説明】
20 自動変速機(変速機) 40 トランスファケーシング 42 入力軸 42c 入力軸の凹部内周面 42e 入力軸の凹部 44 第1出力軸(出力軸) 44d 出力軸の端部 47 Oリング(摩擦部材) 62 遊星歯車機構(減速機構) 64 副変速機 64b シフトスリーブ 64b1 シフトスリーブの内歯 64b2 シフトスリーブの外歯 64c 高速シフト用ギヤ(高速用ギヤ) 64d 低速シフト用ギヤ(低速用ギヤ) N シフトスリーブの中立位置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−178113(JP,A) 特開 平5−18427(JP,A) 特開 平2−38740(JP,A) 特開 平4−302744(JP,A) 特開 平5−213086(JP,A) 実開 平4−67120(JP,U) 実開 昭62−201131(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/28 - 17/36 F16H 57/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスファケーシング内に、変速機か
    ら駆動力が伝達される入力軸と、出力軸とが同軸突き合
    わせ状態で相対回転可能に配設されているとともに、前
    記入力軸に形成された高速用ギヤと、入力軸と連動する
    減速機構により入力軸の回転を減速させて伝達する低速
    用ギヤと、前記出力軸上を軸方向に移動自在とされたシ
    フトスリーブとを備え、前記シフトスリーブが、前記高
    速用ギヤ及び低速用ギヤと噛合しない中立位置まで移動
    した後に、高速用ギヤ若しくは低速用ギヤの一方と噛合
    することにより前記入力軸の駆動力を高低速切り換えて
    前記出力軸に伝達するトランスファ装置の副変速機にお
    いて、 前記出力軸に、前記入力軸との接触により当該入力軸の
    回転を減速させる摩擦部材が配設されていることを特徴
    とするトランスファ装置の副変速機
  2. 【請求項2】 入力軸の端部に軸線に沿って形成された
    凹部に、出力軸の端部が同軸に挿入されて相対回転可能
    に配設されているとともに、前記摩擦部材は、前記出力
    軸の端部に外嵌され、且つ前記入力軸の凹部の内周面と
    接触するOリングにより構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載のトランスファ装置の副変速機
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