JP3582157B2 - 四輪駆動車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2輪駆動状態に切り換え可能なパートタイム式の四輪駆動車に関し、特に、副駆動車輪と駆動伝達経路との切り離し動作及び結合動作を行うホイールクラッチ機構を備えた四輪駆動車に関する。
【0002】
パートタイム式の四輪駆動車に搭載されるホイールクラッチ機構の従来技術として、例えば、実開平1−81122号公報に記載されたフリーホイールハブクラッチが知られている(以下、従来技術1と称する。)。この従来技術1は、駆動力配分装置(トランスファ)から回転駆動力が伝達される副駆動車輪側のドライブシャフトと、このドライブシャフトの外側に同軸に配置されると共に車輪ハブに固定されたハウジングと、このハウジングと前記ドライブシャフトとを結合可能とする位置まで軸方向移動自在とされたスライドギヤと、このスライドギヤを軸方向に移動させて前記ハウジング及び前記ドライブシャフトを結合させる移動機構と、この移動機構を作動させる電動機とを備えた電動式のフリーホーイルハブクラッチである。そして、車両が4輪駆動モードを選択すると、移動機構の正作動によりハウジングと前記ドライブシャフトとを結合する位置までスライドギヤが移動し、トランスファから伝達された駆動力が、ドライブシャフト、スライドギヤ、ハウジングを介して副駆動車輪に伝達される。また、車両が2輪駆動モードを選択すると、移動機構の逆作動によりハウジング及び前記ドライブシャフトを結合位置から離間移動させ、副駆動車輪とドライブシャフトとを切り離し、副駆動車輪からドライブシャフトへの回転力伝達経路が遮断される。
【0003】
また、他の従来技術として、PAJERO 新型車解説書(三菱自動車(株)1991年1月発行)のプロペラシャフトの欄(2−28〜2−33)に記載されているフリーホイールクラッチも知られている(以下、従来技術2と称する。)。この従来技術2は、副駆動輪側(この従来例では前輪側)のデファレンシャルギヤとドライブシャフトとの間にドグクラッチ形式のクラッチ機構が配設され、負圧で作動する流体式アクチュエータの作動によってドグ歯どうしの噛み合いを制御する。そして、車両が4輪駆動状態を選択すると、デファレンシャルギヤ側のドグ歯とドライシャフト側のドグ歯との結合動作が行われ、トランスファから伝達された駆動力が、デファレンシャルギヤ、クラッチ機構、ドライブシャフトを介して副駆動車輪に伝達される。また、車両が2輪駆動状態を選択すると、デファレンシャルギヤ側のドグ歯とドライシャフト側のドグ歯との切り離し動作が行われ、副駆動車輪からドライブシャフトへの回転力伝達経路が遮断されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両が4輪駆動状態を選択した際に、何等かの原因によりクラッチの操作系に異常が発生してホイールクラッチ機構が副駆動車輪と駆動力伝達系側とを結合する動作を行わない場合には、運転者の認識が実際と相違することになる。
【0005】
しかしながら、上記従来技術1、2は、若しクラッチの操作系に異常が発生しても(例えば従来技術1では移動機構や電動機、従来技術2では流体式アクーチュエータ)、それら異常を検出して運転者に知らせる手段について何等記載がされていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ホイールクラッチ機構が異常状態となっていることを診断することが可能な四輪駆動車を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の四輪駆動車は、車両の前後輪の何れか一方を主駆動車輪とし、他方を副駆動車輪として、変速機から伝達された駆動力を主推進軸及び副推進軸を介して前記主駆動車輪及び前記副駆動車輪に所定の駆動力配分比で配分する駆動力配分調整手段と、前記副推進軸と前記副駆動車輪との間の駆動力伝達経路の切り離し動作及び結合動作を行うドグクラッチ形式のホイールクラッチ機構と、前記主駆動車輪及び副駆動車輪の駆動力配分比を設定して前記駆動力配分調整手段を制御する駆動力配分制御手段と、前記ホイールクラッチ機構の切り離し動作及び結合動作を制御するホイールクラッチ制御手段とを備えた四輪駆動車において、前記主推進軸と前記主駆動車輪側との間の主駆動力伝達経路の回転数を検出する第1の回転数検出手段と、前記ホイールクラッチ機構より前記副推進軸側の副駆動力伝達経路の回転数を検出する第2の回転数検出手段と、前記ホイールクラッチ機構より前記副駆動車輪側の副駆動力伝達経路の回転数を検出する第3の回転数検出手段とを備えるとともに、前記駆動力配分制御手段により前記副駆動車輪への駆動力配分比を零として車両を2輪駆動状態としたときに、前記ホイールクラッチ制御手段の制御により前記ホイールクラッチ機構の結合動作を行う結合動作開始手段と、該結合動作開始手段により前記ホイールクラッチ機構の結合動作を行っているときに、前記第1から第3の回転数検出手段の検出結果を比較してそれらの検出結果が不一致である場合には前記ホイールクラッチ機構の結合動作が異常状態であると診断する異常診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の四輪駆動車において、前記前記結合動作開始手段により、前記ホイールクラッチ機構の結合動作を一度だけ行うことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の四輪駆動車において、車速を判定する車速判定手段を設け、該車速判定手段により車両が停止状態であると判定したときに、前記結合動作開始手段による前記ホイールクラッチ機構の結合動作を開始することを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載の四輪駆動車において、前記第1から第3の回転数検出手段により検出される回転数が変動の少ない安定した値となる低速の基準車速を予め設定しておき、前記車速判定手段により前記車両の車速が前記基準車速に達したときに、前記異常診断手段による前記ホイールクラッチ機構の結合動作の診断を開始するとともに、該異常診断手段により該ホイールクラッチ機構が正常状態であると判断した後に、このホイールクラッチ機構の切り離し動作を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項1記載の四輪駆動車によれば、ホイールクラッチ機構が切り離し動作を継続した状態で異常となっている場合には、車両が2輪状態を選択しているときに、結合動作開始手段によりホイールクラッチ機構の結合動作を一度だけ行い、異常診断手段により第1から第3の回転数検出手段から得られる回転数検出値の比較演算を行う。そして、ホイールクラッチ機構が切り離し動作を継続していると、ホイールクラッチ機構より副推進軸側の副駆動力伝達経路の回転数を検出している第2の回転数検出手段の検出値が零となる。これにより、異常診断手段は、ホイールクラッチ機構が結合動作を行っておらず異常状態であると診断する。
【0010】
また、請求項2記載の四輪駆動車によれば、結合動作開始手段は車両が2輪駆動状態を選択しているときに一度だけしか行わないので、副駆動車輪から副推進軸側への回転力伝達経路が遮断され、副駆動車輪の回転による連れ回り回転が確実に防止され、燃費の向上や振動騒音の防止が図られる。
また、請求項3記載の四輪駆動車によれば、車両の停止状態ではホイールクラッチ機構より副駆動車輪側の駆動力伝達経路とホイールクラッチ機構より副推進軸側の駆動力伝達経路とに回転数差が発生しない。そのため、車両の停止状態おいてホイールクラッチ機構の結合動作を行うと、ドグクラッチどうしの噛合動作が容易となる。
【0011】
また、請求項4記載の四輪駆動車によれば、異常診断手段により行われる第1から第3の回転数検出手段で得られた回転数検出値の比較は、それら回転数検出値が安定した値となる基準車速に達したときに行われるので、ホイールクラッチ機構の正常状態若しくは異常状態の判断がさらに高精度に行われる。
さらに、異常診断手段によりホイールクラッチ機構が正常状態であると判断した後、ホイールクラッチ機構の切り離し動作が行われるので、さらに燃費の向上や振動騒音の防止が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図2に示すものは、FR(フロントエンジン,リヤドライブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車であり、回転駆動源としてのエンジン10と、前左〜後右側の車輪12FL〜12RRと、車輪12FL〜12RRへの駆動力配分比を変更可能な駆動力伝達系14と、駆動力伝達系14による駆動力配分を制御するために油圧を供給する油圧供給装置16と、2輪駆動状態若しくは4輪駆動状態において前輪側車輪(副駆動車輪)12FL、12FRと駆動力伝達系14との切り離し動作及び結合動作を行うエアー式のフリーホイールハブクラッチ機構(以下、ホイールクラッチ機構と言う。)18a、18bと、ホイールクラッチ機構18a、18bの断続動作制御を行うために作動空気を供給するエア供給装置23と、油圧供給装置16及びエア供給装置23を制御するコントローラ22とを備えた車両である。
【0013】
駆動力伝達系14は、エンジン10からの駆動力を選択された歯車比で変速する自動変速機20と、この自動変速機20からの駆動力を前左右側の車輪12FL、12FR及び後左右側の車輪12RL、12RR側に分割するトランスファ(駆動力配分調整手段)24とを有している。
そして、駆動力伝達系14では、トランスファ24で分割された前輪駆動力が前輪側プロペラシャフト(副推進軸)26、フロントディファレンシャルギヤ28及び前左右側のドライブシャフト30a、30bを介して前左右側の車輪12FL、12FRに伝達される。一方、トランスファ24から伝達された後輪側駆動力は、後輪側プロペラシャフト(主推進軸)32、リアディファレンシャルギヤ34及び後左右側のドライブシャフト36a、36bを介して後左右側の車輪12RL、12RRに伝達される。そして、前左側のドライブシャフト30aと前左側の車輪12FLとの間、前右側のドライブシャフト30bと前右側の車輪12FRとの間には、それぞれホイールクラッチ機構18a、18bが装着されている。
【0014】
トランスファ24は、図3に示すように、そのケーシング内部に自動変速機20の出力軸と同軸に結合された第1出力軸44がベアリング等によって回転自在に支持されている。そして、この第1出力軸44は、後輪側プロペラシャフト32と同軸に結合している。また、ケーシング内部には、第1出力軸44と平行配置された第2出力軸54がベアリング等により回転自在に支持されている。この第2出力軸54は、前輪側プロペラシャフト26と結合している。
【0015】
そして、第1出力軸44及び第2出力軸54間には、前後輪に対する駆動力配分比を変更する摩擦クラッチ66と、第1出力軸44に軸受を介して回転自在に支持された第1スプロケット68と、第2出力軸54と同軸に結合された第2スプロケット70と、第1及び第2スプロケット60、70間に巻装されたチェーン72とで構成された2輪−4輪駆動切換機構60が配設されている。
【0016】
摩擦クラッチ66は、図3に示すように、第1スプロケット68に結合されたクラッチドラム66aと、このクラッチドラム66aにスプライン結合されたフリクションプレート66bと、第1入力軸44の外周にスプライン結合されたクラッチハブ66cと、クラッチハブ66cに一体結合されて前記フリクションプレート間に配設されたフリクションディスク66dと、ケーシングの内壁に装着されてフリクションディスク66dをフリクションプレート66bに当接させるクラッチピストン66eと、フリクションディスク66d及びフリクションプレート66bの相互が離間するようにクラッチピストン66eに付勢力を与えるリターンスプリング66fと、オイルシリンダ室66gとを備えている。そして、油圧供給装置16から所定のクラッチ圧Pに制御された作動油がトランスファ24のオイルシリンダ室66gに供給されることにより、フリクションディスク66d及びフリクションプレート66bの当接による接続、若しくは相互の離間による切り離し動作が行われるようになっている。
【0017】
また、油圧供給装置16は、図3に示すように、第1出力軸44と直結して回転駆動する正逆回転形のオイルポンプ50を油圧源としている。このオイルポンプ50は、オイルタンク51内の作動油をストレーナ52を介して吸入して吐出側配管53に吐出する。また、この吐出配管53には、バネ付き逆止弁55からなるリリーフ路の一端が接続されており、このリリーフ路の他端は潤滑系と接続している。また、オイルポンプ50より下流側には、デューティ制御電磁弁56が接続されている。
【0018】
このデューティ制御電磁弁56は、3ポート2位置に構成されたスプリングオフセット型のソレノイド切換弁であり、ライン圧が供給される入力ポート56と、トランスファ24側と接続する出力ポート56と、ドレインポート56とを有し、弁内部に配設されたスプールが入力ポート56を遮断し且つ出力ポート56をドレインポート56に連通させるノーマル位置56bと、入力ポート56と出力ポート56とを連通させ且つドレインポート56を遮断する作動位置56cとに移動制御される弁である。そして、コントローラ22からソレノイド56dに所要デューティ比の励磁電流iが供給されると、その励磁電流iがオン状態である区間リターンスプリング56eに抗してノーマル位置56bから作動位置56cにスプールが移動制御され、デューティ比に応じたクラッチ圧Pcがトランスファ24側に出力される。これにより、摩擦クラッチ66のオイルシリンダ室66g内に押圧力が発生し、この押圧力によりクラッチピストン66eが移動して相互に離間していたフリクションプレート66b及びフリクションディスク66dが当接し、それらの摩擦力によりクラッチ圧Pcに応じたクラッチ締結力を付与する。これにより、第1出力軸44の回転駆動力を、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力に応じた所定のトルク配分比で、第1スプロケット68、チェーン72及び第2スプロケット70を介して第2出力軸54に伝達する。
【0019】
また、コントローラ22からの励磁電流iがオフ状態となると、リターンスプリング56eの付勢力によってノーマル位置56bに戻され、クラッチ圧Pcがドレインポート56を通じて消圧される。これにより、トランスファ24に供給されるクラッチ圧Pcが低下してリターンスプリング66fの付勢力によってフリクションプレート66b及びフリクションディスク66dが相互に離間すると、第1出力軸44の回転駆動力は第2出力軸54に伝達されない。
【0020】
一方、ホイールクラッチ機構18a、18bは、以下に示す構造とされている。なお、ホイールクラッチ機構18a、18bは同一構造のため、左側に配設されたホイールクラッチ機構18aについて説明する。
図4に示すように、前左側のドライブシャフト30aと、このドライブシャフト30aに内挿されたナックルスピンドル82との間には、軸受Jを介して筒状のハブ84が介装されている。そして、ドライブシャフト30aの先端部(右端部)の周面には、先端外周に外歯86aを備えたドライブギヤ86が配設されている。そして、このドライブギヤ86はスナップリングSにより右側への軸方向移動が規制されている。また、このドライブギヤ86の基端側とハブ84との間に軸受Jが介装されている。
【0021】
そして、ハブ84の右端側の外周面には、雄スプライン84aが形成されている。また、このハブ84の外周径と略同一内径を有する円筒状のハウジング88の内周には、前記雌スプライン88aが形成されている。そして、雄スプライン84a及び雌スプライン88aの互いの嵌合によりハブ84の右端側の外周面にハウジング88が外嵌されるとともに、ボルト89及びナット89aにより両者は一体化されている。
【0022】
また、ハウジング88の雌スプライン88aには、内歯90aを備えたスライドギヤ90が軸方向に移動自在に嵌合されている。また、このスライドギヤ90の右端には、このスライドギヤ90をドライブギヤ86に向けて進退させるシフトプレート100がスナップリングS2 を介して固定されている。このシフトプレート100とハウジング88の右端側を閉塞するキャップ102との間には、ダイヤフラム104及び押さえ部材106を介してシフトプレート100を左側に押圧するリターンスプリング108が装着されている。そして、シフトプレート100が右側に移動すると、スライドギヤ90及びドライブギヤ86の噛合状態が解除される。また、シフトプレート100が左側に移動すると、スライドギヤ90及びドライブギヤ86は噛み合う。
【0023】
さらに、シフトプレート100に対して左側の空間110には、ドライブシャフト30aの外周とハブ84の内周との間に形成した気体通路112を通過してエア供給装置23から所定正圧Pの作動空気が供給される。これにより、空間110は、エアシリンダ室とされている(以下、エアシリンダ室110と称する)。
【0024】
そして、エア供給装置23は、図2に示すように、電動モータ23aの駆動により所定圧Pの作動空気を発生するエアポンプ23bを空圧源としており、このエアポンプ23bの下流側に電磁比例制御形の供給用電磁開閉弁23cが接続されている。この供給用電磁開閉弁23cは、3ポート2位置に構成されたスプリングオフセット型のソレノイド切換弁であり、入力ポート23と、ホイールクラッチ機構18a、18bのエアシリンダ室110と接続する出力ポート23と、ドレインポート23とを有している。そして、弁内部に配設されたスプールが入力ポート23を遮断し且つ出力ポート23をドレインポート23に連通させる作動位置23cと、入力ポート23と出力ポート23とを連通させ且つドレインポート23を遮断するノーマル位置23cとに移動制御される弁である。そして、ノーマル位置23cでは、エアシリンダ室110が作動空気圧Pの圧力とされて昇圧される。また、コントローラ22からソレノイド23dに所定の電流iが供給されると、その電流iが供給状態である区間リターンスプリング23eに抗してノーマル位置23cから作動位置23cにスプールが移動制御されることにより、エアシリンダ室110の作動空気圧Pはドレインポート23を通じて消圧される。
【0025】
これにより、上記構成のホイールクラッチ機構18aは、エア供給装置23から所定圧Pの作動空気が供給されると、気体通路112を通過して流れ込む作動空気によりエアシリンダ室110が昇圧され、リターンスプリング108の付勢力に抗する方向にシフトプレート100が右側に移動する。これにより、スライドギヤ90とドライブギヤ86との噛合状態が解除されてハブ84がドライブシャフト30aと切り離された状態となる(以下、この動作をハブフリー動作と称する。)。これにより、前左側の車輪12FLの回転は、前左側のドライブシャフト30aに伝達されない。同様に、前右側に配設されホイールクラッチ機構18bにエア供給装置23から所定圧Pの作動空気が供給されると、前右側の車輪12FRの回転は、前右側の前輪側ドライブシャフト30bに伝達されない。
【0026】
また、エア供給装置23からホイールクラッチ機構18aへの作動空気供給を停止すると、エアシリンダ室110は大気圧状態となる。これにより、リターンスプリング108の付勢力によりシフトプレート100が左側に移動するので、スライドギヤ90がドライブギヤ86に噛合してハブ84がドライブシャフト30aに連結された状態となる(以下、この動作をハブロック動作と称する。)。これにより、ドライブシャフト30aの回転は、スライドギヤ90及びドライブギヤ86を介してハウジング88に伝達され、このハウジング88を介して前左側の車輪12FLに伝達される。これにより、駆動輪となった前左側の車輪12FLに対してドライブシャフト30aの回転駆動力が伝達可能とされる。同様に、前右側に配設されホイールクラッチ機構18bへの作動空気の供給を停止すると、駆動輪となった前右側の車輪12FRに対してドライブシャフト30bの回転駆動力が伝達可能とされる。
【0027】
また、運転席近傍には、2輪駆動モード及び4輪駆動モードを選択するモード選択スイッチ104が配設されている。このモード選択スイッチ104は、2輪駆動モード(2WDモード)と、摩擦クラッチ66を制御して前輪側への駆動力配分を0%から50%まで変更する4輪駆動モード(4WDモード)の2つのモードを選択可能に構成され、このモード選択スイッチ104から2輪駆動モードを選択したときに選択信号Mがオン状態となり、4輪駆動モードを選択したときに選択信号Mがオン状態となり、これら選択信号M(M、M)がコントローラ22に入力される。
【0028】
また、前左右側の車輪12FL、12FRには、車輪の回転数を検出する左側前輪回転数センサ(第3の回転数検出手段)105及び右側前輪回転数センサ(第3の回転数検出手段)106が配設されている。また、後輪側プロペラシャフト32には、その回転数を検出する駆動軸回転数センサ(第1の回転数検出手段)107が配設されている。さらに、フロントデファレンシャルギヤ28を介して前左右側のドライブシャフト30a、30bと連結する前輪側プロペラシャフト26には、その回転数を検出する従動軸回転数センサ(第2の回転数検出手段)108が配設されている。そして、これら回転数センサ105〜108から出力される回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFは、コントローラ22に入力されるようになっている。
【0029】
一方、コントローラ22は、モード選択スイッチ104に基づいて油圧供給装置16への励磁電流iを出力し、且つエア供給装置23への励磁電流iを出力するとともに、左側前輪回転数センサ105、右側前輪回転数センサ106、駆動軸回転数センサ107及び従動軸回転数センサ108からの検出信号に基づいて警報ランプ120を点灯する。
【0030】
このコントローラ22は、図5に示すように、マイクロコンピュータ122と、マイクロコンピュータ122から出力される制御信号CSに応じた所要デューティ比Dの励磁電流を出力する例えばパルス幅変調回路を備えて制御信号CSの指令値に応じたデューティDの励磁電流iを油圧供給装置16のデューティ制御電磁弁56のソレノイド56dに出力する駆動回路124aと、出力される制御信号CSの電圧値に応じた電流値の励磁電流iをエア供給装置23のソレノイド23dに供給する駆動回路124bと、出力される制御信号CSに応じて警報ランプ120に電流値iを供給する駆動回路122cとを備えている。
【0031】
前記マイクロコンピュータ122は、前記各センサ104、105、106、107、108からの検出信号を各検出値として読み込むためのA/D変換機能を有する入力インタフェース回路122aと、所定のプログラムに従って駆動力配分制御のための演算・制御処理等を行う演算処理装置122bと、ROM、RAM等の記憶装置122cと、制御信号CS、CS、CSSを出力するための出力インタフェース回路122dとを備えている。
【0032】
ここで、前記記憶装置112cには、演算処理装置112bの処理の実行に必要なプログラム及び固定データ等が予め記憶されているとともに、その処理結果が一時記憶可能とされている。この内、固定データとしては、図6から図8に示す各制御特性に対応した記憶テーブルを含んでいる。図6は、前後輪回転速度差ΔNに対応する前輪側への伝達トルクΔTの制御特性を示したものである。これによると、前輪側への伝達トルクΔTを回転速度差ΔNの増加に応じて非線形に増加させている。図7は、クラッチ圧Pcの増加に応じて直線的に増加する前輪側への伝達トルクΔTを示している。また、図8は、デューティ制御電磁弁56のソレノイド56dに供給する励磁電流値iのデューティ比Dの増加に応じて、非線形に放物線状に増加するクラッチ圧Pcの値を示している。
【0033】
そして、マイクロコンピュータ122で前後輪の回転速度差ΔNに基づいて図6から図8に対応する記憶テーブルを参照することにより前輪側への伝達トルクTが決定されると、図7、図8に対応する記憶テーブルを順次参照して、コントローラ22が出力しなければならないデューティ比Dの値が逆算されるようになっている。そして、図8で示すD〜Dの範囲のデューティ比に応じたクラッチ圧P〜Pが摩擦クラッチ66に供給されると、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力に応じた所定のトルク配分比が、後輪:前輪=100%:0〜後輪:前輪=50%:50%まで連続的に変化される。
【0034】
そして、マイクロコンピュータ122は、モード選択スイッチ104において4輪駆動モード(M)を選択すると、前述したようにデューティ制御電磁弁56のソレノイド56dに励磁電流値iを出力して油圧供給処理を行うとともに、駆動回路124bへの制御信号CSを出力し、ホイールクラッチ機構18a、18bのハブロック動作を行う。
【0035】
また、マイクロコンピュータ122は、モード選択スイッチ104で2輪駆動モード(M)を選択すると、駆動回路124bへの制御信号CSを出力して一度だけのホイールクラッチ機構18a、18bのハブロック動作を行い、回転数センサ105〜108から出力される回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFが正常値を示していないときには、ホイールクラッチ機構18a、18bの何れかが異常であると判断して警報を発する診断処理を行う。
【0036】
そして、マイクロコンピュータ122によるホイールクラッチ機構の診断処理は、図9のフロートチャートによって実行される。
この図9の演算処理は所定時間(例えばΔt=20msec)毎のタイマ割込によって実行され、先ず、ステップS1でモード選択信号M(M、M)、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFを読込み、記憶装置122cの所定記憶領域に更新記憶し、次いでステップS2に移行し、例えば前記回転数検出値NFR、NFLの平均値から車速Vを算出する。
【0037】
次いでステップS3に移行し、モード選択信号Mが2輪駆動モード(M=M)であるか否かを判定する。この判定により2輪駆動モードであるときにはステップS4に移行する。
このステップS4は、今回の判定前にハブロック診断動作を一度行ったことがあるか否かを判定するものである。ここで、ハブロック診断動作とは、モード選択スイッチ104で2輪駆動モード(M)が選択されている際に、ホイールクラッチ機構18a、18bが正常に作動するか否かを診断するために、スライドギヤ90及びドライブギヤ86を噛合させる動作のことを言う。
【0038】
そして、このステップS4においてハブロック診断動作を一度も行っていない場合にはフラグFが“0”にセットされ、ハブロック診断動作が一度行われている場合にはフラグFが“1”にリセットされている。そして、この判定でフラグF=0の場合にはステップS5に移行する。一方、フラグF=1である場合には、ハブロック診断動作が過去に一度行われているものと判断し、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0039】
ステップS5では、ハブロック診断動作を開始したか否かを判定するものであり、まだ、ハブロック診断動作を開始していない場合にはフラグFが“0”にセットされ、ハブロック動作を開始している場合にはフラグFが“1”にリセットされる。そして、この判定でF=0であるときには、ステップS6に移行する。
【0040】
このステップS6では、車速Vが零(0)か否かを判定する。この判定により車速V=0である場合にはステップS7に移行する。また、この判定において車速V≠0である場合には、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
そして、ステップS7では、制御信号CSを駆動回路124bに出力して車両停止時のハブロック診断動作を開始し、ステップS8に移行する。ステップS8では、車両停止時においてハブロック診断動作を開始したことを記憶するためにフラグFを“1”にリセットし、その後、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0041】
一方、前述したステップS5の判定結果によりフラグF=1であるときには、車両停止時にハブロック診断動作を開始していると判断してステップ9に移行する。
このステップS9は、車速Vが基準車速Vsに達しているか否かを判定するものである。検出されている回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFは、低車速領域では安定した回転数が得られない。そのため、各回転数検出値が変動の少ない安定した値を示す基準車速(例えば10Km/h)まで車速Vの比較判定を行っている。そして、この判定においてV<Vsであるときには、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFが安定した値を示していないものと判断してタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。そして、V≧Vsであるときには、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFが変動の少ない安定した値を示しているものと判断してステップS10に移行する。
【0042】
ステップS10は、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFを比較演算する。そして、NFR=NFL=NPR=NPFである場合には、ステップS11に移行する。このステップS11では、ホイールクラッチ機構18a、18bが正常に動作しているものと判断し、駆動回路124bへの制御信号CSをオフ状態としてハブフリー動作を行う。そして、ステップS12に移行し、2輪駆動モードにおいてハブロック診断動作を一度行ったことを記憶するためにフラグFを“1”にリセットし、その後、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0043】
一方、ステップS10において、NFR=NFL=NPR=NPFの判定結果が得られない場合(例えばNPF=0)には、ホイールクラッチ機構18a、18bの何れかが異常であると判断してステップS13に移行する。
そして、ステップS13では、ホイールクラッチ機構18a、18bの異常を表す警報ランプ120を点灯してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0044】
なお、ステップS3においてモード選択信号Mが4輪駆動モード(M=M)であるときには、ステップS14に移行してフラグF及びFを“0”にリセットし、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
ここで、結合動作開始手段は、ステップS7である。また、異常診断手段は、ステップS7である。また、車速判定手段は、ステップS6及びステップS9である。
【0045】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、車両が停車状態にあり、自動変速機20のシフトレバーがパーキングレンジ位置にあると共に、モード選択スイッチ104で2輪駆動モード(2WDモード)を選択しており、さらにエンジン10が停止しているものとする。この状態で、イグニッションスイッチをオン状態としてエンジン10を始動させると、コントローラ18に電源が投入されて、マイクロコンピュータ122により所定の演算処理が開始される。
【0046】
マイクロコンピュータ122で図9に示したホイールクラッチ機構の診断処理が実行されると、車両停止状態において2輪駆動モードが選択されているので、ステップS4,ステップS5、ステップS6を経てステップS7に移行し、供給用電磁開閉弁23cに対する制御信号CSを出力する。これにより、供給用電磁開閉弁23cは作動位置23cに移動するので、この供給用電磁開閉弁23cから出力される作動空気圧Pが零となり、ホイールクラッチ機構18a、18bのハブロック診断動作が開始される。
【0047】
ここで、車両停止状態には、前左側のドライシャフト30a及び前左側の車輪12FLの回転数差、且つ前右側のドライシャフト30及び前右側の車輪12FRの回転数差が発生しない。したがって、車両停止状態おいてホイールクラッチ機構18a、18bのハブロック診断動作を開始することにより、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86は容易に噛合する。
【0048】
その後、自動変速機20のシフトレバーでDレンジを選択し、ブレーキを解除してスロットルの踏込みにより車両を発進させたとき、車両は2輪駆動状態を維持しているので、自動変速機20からの駆動力が第1出力軸44に伝達され、後輪側プロペラシャフト32、リアディファレンシャルギヤ34及び後左右側のドライブシャフト36a、36bを介して後左右側の車輪12RL,12RRのみに伝達され、これら車輪12RL,12RRが回転して車両が所定車速Vで前進走行する。
【0049】
そして、再度、図9の処理が実行されると、ステップS4、ステップS5を経てステップS9に移行し、車速VがVs(V≧Vs)に達した時点で、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFの比較演算を行う(ステップS10)。ここで、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFは、変動の少ない安定した値で検出されているので、フリーホイルクラッチ機構18a、18bの正常若しくは異常動作が高精度に判断される。
【0050】
そして、ハブロック診断動作時(ステップS7)に、スライドギヤ90及びドライブギヤ86が正常に噛み合っていると、前左右側の車輪12FL、12FRの回転が、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86、前左右側のドライブシャフト30a、30b、フロントデファレンシャルギヤ28を介して前輪側プロペラシャフト26に伝達されるので、回転センサ105〜108から得られる回転数検出値は、NFR=NFL=NPR=NPFとなる。これにより、ホイールクラッチ機構18a、18bが正常に動作しているものと判断し、供給用電磁開閉弁23cに対する制御信号CSをオフとする(ステップS11)。このため、供給用電磁開閉弁23cはノーマル位置23cに移動するので、この供給用電磁開閉弁23cから所定の作動空気圧Pが出力される。これにより、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86を切り離すハブフリー動作が行われる。
【0051】
そして、フラグFを“1”にリセットしているので(ステップS12)、2輪駆動モードをさらに選択して図9の処理をさらに実行しても、ハブロック診断動作は一度だけしか行われない。これにより、2輪駆動モードを選択しても、前左右側の車輪12FL、12FRと、駆動力伝達系(ドライブシャフト30a、30bから前輪側プロペラシャフト26側への伝達系)との連れ回り回転が確実に防止され、燃費の向上や振動騒音の防止が図られる。
【0052】
ここで、ハブロック診断動作を行ってもホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86が噛み合わず、ハブフリー動作を継続した異常状態となっている場合には、前左右側の車輪12FL、12FRの回転が前輪側プロペラシャフト26に伝達されない。その際には、回転センサ105〜108から得られる回転数検出値がNFR=NFL=NPR、NPF=0となる。これにより、ステップS10の判定結果によってステップS13に移行し、警報ランプ120が点灯する。これにより、運転者にホイールクラッチ機構の異常を知らせることができる。
【0053】
また、悪路、砂地、オフロードや雪道或いは凍結路等の低摩擦係数路を走行する場合には、モード選択スイッチ104を4輪駆動モード(4WDモード)を選択する。この際、駆動回路124aから所定デューティ比の励磁電流iがデューティ制御電磁弁56に供給されることにより、デューティ制御電磁弁56からトランスファ24の摩擦クラッチ66に向けて所定のクラッチ圧Pcが出力される。また、駆動回路124bから所定の励磁電流iが供給用電磁開閉弁23cに供給される。これにより、供給用電磁開閉弁23cは作動位置23cに移動するので、この供給用電磁開閉弁23cから出力される作動空気圧Pが零となり、ホイールクラッチ機構18a、18bは、スライドギヤ90及びドライブギヤ86が噛合状態となるハブロック動作を行う。これにより、自動変速機20から第1出力軸33に伝達された回転駆動力は、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力に応じた所定のトルク配分比で第2出力軸54に伝達され、この第2出力軸54から前輪側プロペラシャフト26、前左右側のドライブシャフト30a、30b、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86を介して前左右側の車輪12FL、12FRに伝達される。
【0054】
なお、本実施形態では、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86が噛み合い、ハブロック動作を継続した状態で異常となっている場合には、4輪駆動走行を行う際に悪路の走破性や直進安定性に悪影響を与えないので、ホイールクラッチ機構18a、18bが異常であるとの判断を行わない。
【0055】
したがって、上記構成の四輪駆動車によれば、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86が噛み合わず、ハブフリー動作が継続された異常状態となっている場合には、2輪駆動モードにおいてハブロック診断動作を行い、回転センサ105〜108から得られる回転数検出値がNFR、NFL、NPR、NPFを比較演算し、その演算結果から例えば前輪側プロペラシャフト26の回転数検出値NPFがNPF=0となっていることから前左右側の車輪12FL、12FRの回転が前輪側プロペラシャフト26に伝達されていないことを判断し、ハブフリー動作が継続されている異常状態を検出することができる。そして、警報ランプ120の点灯によって運転者にホイールクラッチ機構18a、18bの異常を確実に知らせることができる。
【0056】
また、ハブブロック診断動作は、2輪駆動モードにおいて一度だけしか行われないので、前左右側の車輪12FL、12FRと駆動力伝達系との連れ回り回転を確実に防止することができ、燃費の向上や振動騒音の防止を図ることができる。
また、2輪駆動モードにおけるハブロック診断動作は、車両の停止状態において行われるので、前左側のドライシャフト30a及び前左側の車輪12FLの回転数差、且つ前右側のドライシャフト30及び前右側の車輪12FRの回転数差が発生しない。したがって、ハブロック診断動作を開始する際には、ホイールクラッチ機構18a、18bのスライドギヤ90及びドライブギヤ86の噛合動作を容易に行うことができる。
【0057】
さらに、回転数検出値NFR、NFL、NPR、NPFは、基準車速Vsに達した時点で変動の少ない安定した値として検出されるので、フリーホイルクラッチ機構18a、18bの正常若しくは異常動作の判断を高精度に行うことができる。
なお、上記実施形態においては、後輪駆動車ベースの四輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず前輪駆動車ベースの四輪駆動車に本発明を適用することもでき、その際には、ホイールクラッチ機構は後ろ左右側の車輪に装着する。
【0058】
また、本実施形態では、前左側のドライブシャフト30aと前左側の車輪12FLとの間、前右側のドライブシャフト30bと前右側の車輪12FRとの間には、それぞれホイールクラッチ機構18a、18bを装着したが、これに限るものではなく、一方側の駆動系にのみ装着しても同様の作用効果を得ることができる。また、本実施形態では、エアー式のフリーホイールハブ構造を採用したが、本発明の要旨はこれに限るものではなく、例えば副駆動軸側のデファレンシャルギヤとドライブギヤとの間にホイールクラッチ機構を装着しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
また、前左右側の車輪12FL、12FRに回転数センサ105及び106を配設したが、これら回転数センサの位置がその位置に限られるものではなく、ホイールクラッチ機構18a、18bより前左右側の車輪12FL、12FR側の駆動力伝達経路の回転数を検出可能であれば他の位置でもよい。また、後輪側プロペラシャフト32の回転数を検出している駆動軸回転数センサ107も、後輪側プロペラシャフト32と後左右側の車輪12RL、12RRとの間の駆動力伝達経路の回転数を検出可能であれば他の位置でもよい。さらに、前輪側プロペラシャフト26の回転数を検出している従動軸回転数センサ108も、ホイールクラッチ機構18a、18bと前輪側プロペラシャフト26間の駆動力伝達経路の回転数を検出可能であれば他の位置でもかまわない。
【0060】
また、上記実施形態では、励磁電流iがオン状態であるときにホイールクラッチ機構18a、18bがハブロック動作を行うようにエア供給装置23を構成したが、これに限定されるものではなく、励磁電流iがオフ状態であるときにホイールクラッチ機構18a、18bがハブロック動作を行うよう供給用電磁開閉弁23cのノーマル位置と作動位置とを入れ替えるようにしてもよい。
【0061】
また、励磁電流iがオフ状態であるときに2輪駆動状態となるように油圧回路を構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、励磁電流iがオフ状態であるときに4輪駆動状態となるようにデューティ制御電磁弁100のノーマル位置と作動位置とを入替えるようにしてもよく、この場合には図8の処理において、制御信号CSのオン・オフ状態を反転させると共に、デューティ比Dの設定を回転数差ΔNが小さいときにオンデューティ比を100%とし、この状態から回転数差ΔNが増加するに応じてオンデューティ比を徐々に減少させるようにすればよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の四輪駆動車は、ホイールクラッチ機構が切り離し動作を継続した状態で異常となっている場合には、車両が2輪状態を選択しているときに、結合動作開始手段によりホイールクラッチ機構の結合動作を一度だけ行い、異常診断手段により第1から第3の回転数検出手段から得られる回転数検出値の比較演算を行い、ホイールクラッチ機構が切り離し動作を継続していると、ホイールクラッチ機構より副推進軸側の副駆動力伝達経路の回転数を検出している第2の回転数検出手段の検出値が零となるので、異常診断手段はホイールクラッチ機構が結合動作を行っておらず異常状態であると診断することができる。したがって、ホイールクラッチ機構の異常を的確に判断して運転車に知らせることができる。
【0063】
また、請求項2記載の四輪駆動車は、ホイールクラッチ機構の異常を診断する結合動作開始手段は、車両が2輪駆動状態を選択しているときに一度だけしか行わず、2輪駆動状態では副駆動車輪から副推進軸側への回転力伝達経路が遮断されるので、副駆動車輪の回転による連れ回り回転を確実に防止することができる。それにより、燃費の向上や振動騒音の防止を図ることができる。
【0064】
また、請求項3記載の四輪駆動車は、車両の停止状態ではホイールクラッチ機構より副駆動車輪側の駆動力伝達経路とホイールクラッチ機構より副推進軸側の駆動力伝達経路とに回転数差が発生しない。そのため、車両の停止状態おいてお行われるホイールクラッチ機構の結合動作は、ドグクラッチどうしの噛合動作が容易となるので確実に行うことができる。
【0065】
また、請求項4記載の四輪駆動車は、異常診断手段により行われる第1から第3の回転数検出手段で得られた回転数検出値の比較は、それら回転数検出値が安定した値となる基準車速に達したときに行われるので、ホイールクラッチ機構の正常状態若しくは異常状態の判断をさらに高精度に行行うことができる。
さらに、異常診断手段によりホイールクラッチ機構が正常状態であると判断した後、ホイールクラッチ機構の切り離し動作を行うので、さらに燃費の向上や振動騒音の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】この発明の四輪駆動車の概略を示す構成図である。
【図3】この発明の駆動力配分調整手段及び駆動力配分制御手段を示す図である。
【図4】この発明にホイールクラッチ機構の構造を示す図である。
【図5】この発明に係るコントローラを示すブロック図である。
【図6】副駆動車輪側への伝達トルクと前後輪回転数差との制御特性を示すグラフである。
【図7】副駆動車輪側への伝達トルクと駆動力配分制御手段から供給されるクラッチ圧との制御特性を示すグラフである。
【図8】デューティ比に応じて変化するクラッチ圧の制御特性を示すグラフである。
【図9】この発明に係るホイールクラッチ機構の診断処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12RL、12RR 主駆動車輪
12FL、12FR 副駆動車輪
16 油圧供給装置(駆動力配分制御手段)
18a、18b ホイールクラッチ機構
20 自動変速機(変速機)
23 エア供給装置(ホイールクラッチ制御手段)
24 トランスファ(駆動力配分調整手段)
26 前輪側プロペラシャフト(副推進軸)
32 後輪側プロペラシャフト(主推進軸)
86 ドライブギヤ(ドグクラッチ)
90 スライドギヤ(ドグクラッチ)
104 モード選択スイッチ
105、106 前輪側回転数センサ(第3の回転数検出手段)
107 駆動軸回転数センサ(第1の回転数検出手段)
108 従動軸回転数センサ(第2の回転数検出手段)
Vs 基準車速

Claims (4)

  1. 車両の前後輪の何れか一方を主駆動車輪とし、他方を副駆動車輪として、変速機から伝達された駆動力を主推進軸及び副推進軸を介して前記主駆動車輪及び前記副駆動車輪に所定の駆動力配分比で配分する駆動力配分調整手段と、前記副推進軸と前記副駆動車輪との間の駆動力伝達経路の切り離し動作及び結合動作を行うドグクラッチ形式のホイールクラッチ機構と、前記主駆動車輪及び副駆動車輪の駆動力配分比を設定して前記駆動力配分調整手段を制御する駆動力配分制御手段と、前記ホイールクラッチ機構の切り離し動作及び結合動作を制御するホイールクラッチ制御手段とを備えた四輪駆動車において、
    前記主推進軸と前記主駆動車輪側との間の主駆動力伝達経路の回転数を検出する第1の回転数検出手段と、前記ホイールクラッチ機構より前記副推進軸側の副駆動力伝達経路の回転数を検出する第2の回転数検出手段と、前記ホイールクラッチ機構より前記副駆動車輪側の副駆動力伝達経路の回転数を検出する第3の回転数検出手段とを備えるとともに、
    前記駆動力配分制御手段により前記副駆動車輪への駆動力配分比を零として車両を2輪駆動状態としたときに、前記ホイールクラッチ制御手段の制御により前記ホイールクラッチ機構の結合動作を行う結合動作開始手段と、
    該結合動作開始手段により前記ホイールクラッチ機構の結合動作を行っているときに、前記第1から第3の回転数検出手段の検出結果を比較してそれらの検出結果が不一致である場合には前記ホイールクラッチ機構の結合動作が異常状態であると診断する異常診断手段とを備えたことを特徴とする四輪駆動車。
  2. 前記前記結合動作開始手段により、前記ホイールクラッチ機構の結合動作を一度だけ行うことを特徴とする請求項1記載の四輪駆動車。
  3. 車速を判定する車速判定手段を設け、該車速判定手段により車両が停止状態であると判定したときに、前記結合動作開始手段による前記ホイールクラッチ機構の結合動作を開始することを特徴とする請求項1又は2記載の四輪駆動車。
  4. 前記第1から第3の回転数検出手段により検出される回転数が変動の少ない安定した値となる低速の基準車速を予め設定しておき、前記車速判定手段により前記車両の車速が前記基準車速に達したときに、前記異常診断手段による前記ホイールクラッチ機構の結合動作の診断を開始するとともに、該異常診断手段により該ホイールクラッチ機構が正常状態であると判断した後に、このホイールクラッチ機構の切り離し動作を行うことを特徴とする請求項3記載の四輪駆動車。
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