JP4899260B2 - 差動制限装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の駆動系に配設された差動歯車機構の差動を制限するロック機構を有する差動制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の左右駆動車軸間および前後駆動車軸間に配設された差動歯車機構の差動を制限するロック機構(デフロック機構)を備えた差動制限装置が既に知られている。以下に差動歯車機構及び差動制限装置について説明する。
【0003】
エンジンからの出力はクラッチを介して変速機に伝達され、変速機の出力はプロペラシャフトを介して減速歯車機構と差動歯車機構を含む終減速装置へと伝達される。
【0004】
差動歯車機構はよく知られているように、車両の旋回時に生じる内外輪差を差動し、車輪のスリップを防止するためには有用なものである。その一方で問題点もある。即ち、路面が滑りやすい低μ路で左右の車輪の路面に対する滑りやすさが大きく異なっている場合には、車輪にグリップがかからない路面側(つまり滑りやすい摩擦係数の小さい路面側)の一方車輪のみが専ら回転させられ却ってスリップを助長し、他方の車輪は全く回転しない状態となり、発進時である場合は、発進が出来ないなどの不都合が生じる。
【0005】
そこで発進時などの車両の走行速度(車速)が低い場合でドライバーからの要求により、差動歯車機構の差動を制限(ロック)して左右の車輪が連結されるようにしたのが差動制限装置である。差動制限装置は左右の駆動車軸を連結するドッグクラッチを有するロック機構を備えている。このロック機構は基本的にはドライバーが差動制限を指示する差動制限スイッチからの差動制限信号に基づいて作動せしめられる。しかるに、差動歯車機構はもともと左右の駆動車輪に回転速度差が生じていてもスリップなどを起こさせないように回転速度差を差動するように機能するものであり、ロック機構が差動歯車機構の差動を制限するものである以上、回転速度差が生じている瞬間にロック機構を作動させると左右の駆動車輪の回転速度差によって生じる負荷をロック機構に与えることになる。特にロック機構に噛み合い式のドッグクラッチが用いられている場合、回転速度差が生じている最中にこのロック機構が作動するとドッグクラッチの噛み合いが円滑に行われないばかりか、ドッグクラッチを破損する原因となる。
【0006】
ところで、ここまで車両の左右の駆動車軸間に配設した差動歯車機構について説明してきたが、例えば4輪駆動車における前輪駆動車軸と後輪駆動車軸との間、或いは大型トラック等における後2軸車両における前後駆動車軸間に配設される差動歯車機構、所謂センターデファレンシャル機構においても全く同様の問題が生じることは改めて説明するまでもない。
【0007】
上記問題を解消するために、差動制限スイッチによって差動制限が指示された場合には、車速センサによって検出された車両の走行速度(車速)が零(0)であることを条件にロック機構を作動するようにした差動制限装置が特開平10−35314号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した車速を考慮した差動制限装置にも問題があることが判明した。即ち、一般的に車速センサは変速機の出力軸等の駆動系に設けられており、車速そのものは、設置された場所の回転速度と、車速センサから車輪までの減速歯車の減速比や車輪の径などを考慮した演算により求められる。すなわち大地に対する車両の移動速度を直接検出しているわけではない。
【0009】
したがって、例えば車両が滑りやすい路面を走行中に制動装置(ブレーキ)を作動させて減速しているときに車輪がロックし、実際には車両が移動しているにもかかわらず、車速信号は0と検出され、車両が停止しているものとして判断される場合がある。制動時に車輪がロックするような場合を想定して車輪のロックを防止すべく減速度を考慮して制動と制動解除を繰り返して制動作用を実行するアンチロックブレーキシステム(ABS装置)が装備されている場合があるが、停止直前のような微速走行時はABS装置が作動しないのが一般的であり、このような場合は車輪のロック状態が生じてもABS装置により制動解除がなされない。
【0010】
従って、上記のような車輪のロック状態になるとドライバーは自分の意志によりブレーキを緩めて路面とのロック状態を回避しようと操作するのが一般的であり、ブレーキペダルを緩めると車輪のロックは解除され、車輪は再び路面との摩擦により回転駆動され始める。
【0011】
一方、差動制限装置は、ドライバーにより差動制限スイッチが投入され差動制限が指示された場合において、ドライバーにより制動がかけられ、車両が路面に対して移動状態で車輪がロックすると、車速センサにより検出される車速が0になってしまうので、直ちにロック機構を作動する。そして、このロック機構が作動しはじめ、アクチュエータによりドッグクラッチを噛み合わせている最中に、ドライバーにより車輪のロックを回避すべくブレーキペダルが緩められると車輪が路面からの摩擦により回転を始め、即ちドッグクラッチの噛み合い部分にも回転が生じ、ドッグクラッチの円滑な噛み合いの妨げになるばかりでなく、ドッグクラッチを破損する畏れも生じることが判明した。
【0012】
以上より、本発明の主たる解決課題は、車両の駆動系に配設された差動歯車機構の差動を制限するロック機構の作動がスムーズに行われ、噛み合い部分の破損などの問題の発生を防止することができる差動制限装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決すべく本発明によれば、
「車両の駆動系に配設された差動歯車機構の差動を制限するロック機構を備えた差動制限装置において、
差動制限を指示する差動制限スイッチと、該駆動系に配設され車両の走行速度を検出する車速センサと、該差動制限スイッチおよび車速センサからの信号に基づいて該ロック機構を制御するコントローラとを備え、
該ロック機構は、噛み合い式のドッグクラッチを有し、該ドッグクラッチを噛み合わせて差動歯車機構の差動を制限するように構成され、かつ、
該コントローラは、該差動制限スイッチにより差動制限が指示され、該車速センサにより検出された車両の走行速度が零(0)である場合には、車両の走行速度が零(0)であることを検出した時から所定時間経過した後に、該ドッグクラッチを噛み合わせて該ロック機構を作動せしめる」
ことを特徴とする差動制限装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図2を用いて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1にはエンジン1が車両の前方に配置され後輪車軸を駆動する駆動系が示されている。従って、図1には前輪その他の詳細は省略されている。エンジン1の出力はクラッチ2を介して直列に配置された変速機3に伝達される。エンジンの回転は変速機3で変速され出力軸4からプロペラシャフト5に伝達される。変速機3の出力軸4とプロペラシャフト5の間にはユニバーサルジョイント6が設けられ、変速機3の出力軸4とプロペラシャフト5の連結状態の角度が変化しても回転は問題なく伝達される。
【0015】
プロペラシャフト5の回転は変速機3の出力軸4側と同様のユニバーサルジョイント6を介して終減速装置40内に収納されるドライブピニオンギア7に伝達される。ドライブピニオンギア7に伝達動力は大径なるリングギア8に伝達され、減速され且つ回転の方向を90°変化させられる。従って、ドライブピニオンギア7およびリングギア8は減速歯車機構として機能する。リングギア8が回転すると、リングギア8と一体的に設けられる差動歯車機構9を構成するデファレンシャルケース90が回転し、ディファレンシャルケース90内の空間を貫通して設けられるディファレンシャルピニオンシャフト10に対向して設けられたディファレンシャルピニオン11a、11bがディファレンシャルピニオンシャフト10とともに回動せしめられる。
【0016】
ディファレンシャルピニオン11a,11bが回動すると、これと噛み合っているディファレンシャルサイドギア12a,12bが回転せしめられる。ディファレンシャルサイドギア12a、12bはそれぞれ被駆動軸としての駆動車軸13a、13bの終減速装置40側の端部にスプライン嵌合しており、ディファレンシャルサイドギア12a,12bが回転することにより駆動車軸13a,13bが回転せしめられる。駆動車軸13a,13bの他端部には車輪14a,14bが設けられ、駆動車軸13a,13bと一体的に回転する。
【0017】
ここで、車両が十分に摩擦が得られる路面を直進する場合は、ディファレンシャルピニオン11a,11bは、ディファレンシャルサイドギア12a,12bと一体となって回転し、ディファレンシャルサイドギア12a,12bを等速度で回転せしめ、駆動車軸13aと13b即ち車輪14aと14bを同一の回転速度で駆動する。しかし、車両がコーナリングなどで内外輪差がある場合は、ディファレンシャルピニオン11a,11bが回転速度が遅い側のディファレンシャルサイドギア12aまたは12bに対して回転し、駆動車軸13aと13b即ち車輪14aと14bを異なる回転速度になるよう差動する。
【0018】
次に、差動制限装置について説明する。図示の実施形態における差動制限装置は、ディファレンシャルケース90と駆動車軸13aとの間に配設されたロック機構15を具備している。ロック機構15はドッグクラッチによって構成されており、ディファレンシャルケース90の端部に設けられたドッグ歯16aと、該ドッグ歯16aと対向する端面にドッグ歯16bを備え駆動車軸13aに軸方向に摺動自在にスプライン嵌合されたクラッチスリーブ16とからなっている。クラッチスリーブ16の外周には環状の係合溝16cが設けられており、この係合溝16cに終減速装置40内に設けられた支持部材17に支持された揺動レバー18の先端部が係合するようになっている。揺動レバー18は、エアタンク19に接続されたエアアクチュエータ20により作動せしめられる。エアアクチュエータ20へのエアの吸排気は、エアアクチュエータ20に設けられコントローラ22によって制御される電磁給排気バルブ21によって行われる。コントローラ22からの作動信号により電磁給排気バルブ21が吸気側に切り替わるとエアアクチュエータ19が揺動レバー18の先端部がディファレンシャルケース9側に揺動され、揺動レバー18の先端部が係合しているクラッチスリーブ16がディファレンシャルケース9側に摺動して、ディファレンシャルケース90の端部に設けられたドッグ歯16aにクラッチスリーブ16の端面に設けられたドッグ歯16bが噛み合う。この結果、駆動車軸13aと13bが連結された状態となり差動歯車機構9の差動が制限される。
【0019】
上記コントローラ22は図示しないCPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、I/O(入出力インターフェース)、タイマカウンタ(TC0,TC1)等からなり、I/Oには変速機3の出力軸4に対向して設けられ車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ23、ステアリング装置の操舵角(ステアリング角度)を検出する操舵角センサ24、差動歯車機構の差動を制限するように指示する差動制限スイッチ25が接続されている。そして、I/Oからは上記ロック機構15のクラッチスリーブ16を作動せしめるエアアクチュエータ20の電磁給排気バルブ21に制御信号を出力する。
【0020】
図2に上記コントローラ22のROMに組み込まれた制御フローチャートを示す。
フローチャートは車両のエンジンの始動キーをオンすることによりスタートする。まず、ステップS1で差動制限スイッチ25からの信号Dsw、車速センサ23からの車速信号V、操舵角センサ24からの操舵角信号Sが読み込まれる。次にステップS2においてステップS1にて検出した車速信号Vについて判定する。ここで、“V>0でない”すなわちV=0であると判定された場合は、ステップS3に進み、タイマカウンタTC0についてカウント回数の所定値MAX0に達したか否かで、車速信号Vが0になってから所定時間経過しているか否かを判定する。“MAX0”の値は後述する“車速信号Vが0になってから実際に停止していると判断してよい時間”に基づき決定される設定回数SET0よりも大きくその回数が設定される。
【0021】
TC0は後述するタイマカウンタTC1とともに初期値として“0”が代入されており一回目にステップS3を通過した場合は必ず、
“TC0<MAX0である”
と判定されステップS4へと進む。ステップS4ではTC0の値に“1”が加えられカウントアップする。ちなみにフローチャートが繰り返されてステップS3にきたとき
“TC0<MAX0でない”
つまりTC0が所定値MAX0に達した場合はそれ以上はカウントアップの必要が無いのでカウントアップするためのステップS4をスキップする。
【0022】
ステップS3及びステップS4を経たステップS5では、TC1に0を代入、すなわちTC1の値をクリアする。TC1は後述するように車速が所定の設定速度以上である場合に差動制限装置のロック機構15を解除する場合の時間経過を監視するタイマカウンタであり、ステップS5に来るということは車速信号Vは0であるということなのでタイマカウンタTC1をクリアするものである。
【0023】
ステップS2に戻り、車速信号Vが0より大きい、と判定された場合には次のステップS6に進む。ステップS6ではさらに車速が所定の設定速度Vd以上か否かが判断される。この設定速度Vdは差動制限装置のロック機構15を解除すべき速度が設定されるものであり、トラック等の車両に適用される場合は10km/hから20km/hの間で任意に設定される。
【0024】
ステップS6で設定速度Vd以上であると判断された場合は、ステップS7に進みTC1の値が予め設定された所定値MAX1より小さいか否かが判断される。“MAX1”の値は後述する“車速信号VがVd以上になってから実際に差動制限装置のロック機構15をOFFしても良い経過時間”に基づき決定される設定回数SET1よりも大きくその回数が設定される。この設定回数SET1は制御の安定性を確保する(例えば一時的な車輪の空転等を排除する)ために設けられるものであり、車速信号Vが設定速度Vdを超えたらすぐに差動制限装置のロック機構15を解除するのではなく、フローチャートが繰り返され、所定時間が経過する(ステップS15→NO)のを待って解除が実行されるようにしたものである。ステップS7→YESの場合には、ステップS8にてTC1に1が加えられてTC1をカウントアップする。またステップS7→NOの場合にはそれ以上カウントアップの必要が無いのでカウントアップするためのステップS8をスキップする。
次のステップS9では、フローチャートがステップS6からステップS7以下に進んできたということが車速信号Vが所定値以上あることを示しているので車速信号Vが0である場合にカウントアップされるタイマカウンタTC0をクリア(0を代入)する。
【0025】
ステップS6で車速信号Vが設定値Vd未満である場合は、車速信号Vが停止状態でもなく、差動制限装置のロック機構15を解除すべき速度にも達していない状態(Vd>V>0)と判断されるので、ステップS10,ステップS11にて各TC0,TC1がクリアされる。
【0026】
各ステップS5、ステップS9、ステップS11を経た後はステップS12に進み、差動制限装置のロック機構15に対する差動制限スイッチ(Dsw)が“ON”にされているか否かを判定する。“ON”になっていない、つまりドライバーからロック機構を作動させる要求がない場合はステップS18に進む。差動制限スイッチ(Dsw)が“ON”であると判定された場合は、ステップS13に進む。なお、ステップS18におけるDactは差動制限装置のロック機構15を実際に駆動するエアアクチュエータ20の電磁給排気バルブ21に対する指示信号であり、この信号を制御することにより実際の差動制限装置のロック機構15を駆動するものである。ステップS12でDswがOFFだった場合は運転状況に係わらずステップS18にてDactがOFFとされて差動制限装置のロック機構15がOFF(作動が解除される)となる。
【0027】
ステップS13では、操舵角センサからの信号(S)が所定の操舵角以下か否かが判定される。操舵角(S)が設定値Sd未満でない、すなわち操舵角が所定以上の角度である、と判断した場合はステップS18に進み、設定値未満である、と判断される場合はステップS14に進む。すなわちハンドルが所定値以上きられている場合に、そのままロック状態が維持されると高摩擦路面ではタイトコーナーブレーキング現象が発生し、低摩擦路面では横滑りが発生するなどの危険があるので、ステップS18にて他の運転状態を示す信号に係わらず差動制限装置のロック機構15がOFFとなり、ロック機構が解除される。
【0028】
ステップS14では、車速信号Vが0と検出されてからカウントアップされるTC0が設定値SET0未満か否かが判断される。設定値SET0未満でない、と判断される場合はステップS17へと進み、SET0未満であると判断される場合はステップS15へと進む。すなわち車速信号Vが0となってから実際に停止していると判断してよい時間が経過した場合はステップS17にてDactに“ON”信号を代入し実際に差動制限装置のロック機構15が作動せしめられる。この設定値SET0の回数は車速センサ23からの信号Vが0になってから、実際に停止していると判断してよい所定時間と、フローチャートに基づくプログラムルーチンが繰り返される時間間隔及び差動制限装置のロック機構15の作動特性が考慮され、一般的には時間換算で0.5秒から1.0秒程度になるように設定される。
【0029】
ステップS15でTC1が設定値SET1未満か否か判定される。TC1は車速信号Vが設定値Vd以上になってからの経過時間をカウントするタイマカウンタであり、TC1が設定値SET1以上である場合はステップS18に進み、TC1がSET1未満である場合はステップS16に進む。設定値SET1の回数は車速信号Vが設定値Vd以上になってから実際に差動制限機構のロック機構15を解除してもよい所定時間(ここでは1〜2秒)と、フローチャートに基づくプログラムルーチンが繰り返される時間間隔及び差動制限装置のロック機構15の作動特性が考慮される。
【0030】
そしてステップS16では現在の差動制限装置のロック機構15を駆動するアクチュエータに与えられている駆動信号Dactが“ON”か否か判定する。このステップは前段のステップまでで、現在の運転状況が差動制限装置のロック機構15の状態を維持すべきであると判断した場合の処理ステップであり、DactがONである場合はステップ17へ進み、DactがOFFである場合はステップS18に進む。ステップS17に進む場合でもステップS18に進む場合でも基本的にはDactの値がそのまま維持される。
【0031】
以上のステップを経て1ルーチンが終了し再びスタートからフローチャートが繰り返される。なお、フローチャートは定間隔で繰り返される。
【0032】
以上のように本発明の実施形態に示される制御フローチャートでは、ドライバーからの差動制限スイッチ(Dsw)がONであり(ステップS12)、車速センサにより検出した車速信号Vが0であっても、車速が0であることを検出した時から所定時間経過した(ステップS14)後に実際に該差動歯車機構9の差動をロック機構により制限するようにした(ステップS17)ところに特徴がある。
【0033】
なお、本発明の実施形態では車両の後輪のドライブアクスル中央に配置される終減速装置の差動制限装置のロック機構について説明したが、前輪、後輪軸に配置される二つの終減速装置の間に配置される差動歯車機構、所謂センターデファレンシャル機構のロック機構についても全く同様の技術思想で採用することが可能であり、本発明が適用できることは言うまでも無い。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明の差動制限装置では、差動制限スイッチ(Dsw)により差動制限が指示され、車速信号Vが0になっても即座に差動制限装置のロック機構を作動させるのではなく、実際に車両が停止していると判断してよい時間が経過してからロック機構を作動させるようにしたので、実際に車両が路面に対して移動しているのにもかかわらずロック機構の作動を実施してしまうようなことを防止し、車両が確実に停止していることを判断してからロック機構を作動させるので、ロック機構に過度な負担がかかるようなことも無くなり、破損などの惧れがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された作動制限装置の概略構成図。
【図2】本発明に基づく差動制限装置を構成するコントローラの制御フローチャート。
【符号の説明】
1:エンジン
2:クラッチ
3:変速機
4:変速機の出力軸
5:プロペラシャフト
6:ユニバーサルジョイント
7:ドライブピニオンギア
8:リングギア
9:差動歯車機構
90:デファレンシャルケース
10:ディファレンシャルピニオンシャフト
11a、11b:ディファレンシャルピニオン
12a,12b:ディファレンシャルサイドギア
13a、13b:被駆動軸
14a,14b:車輪
15:ロック機構
16:クラッチスリーブ
16a、16b:ドッグ歯
17:支持部材
18:揺動レバー
19:エアタンク
20:エアアクチュエータ
21:電磁給排気バルブ
22:コントローラ
23:車速センサ
24:操舵角センサ
25:差動制限スイッチ
40:終減速装置
Claims (1)
- 車両の駆動系に配設された差動歯車機構の差動を制限するロック機構を備えた差動制限装置において、
差動制限を指示する差動制限スイッチと、該駆動系に配設され車両の走行速度を検出する車速センサと、該差動制限スイッチおよび車速センサからの信号に基づいて該ロック機構を制御するコントローラとを備え、
該ロック機構は、噛み合い式のドッグクラッチを有し、該ドッグクラッチを噛み合わせて差動歯車機構の差動を制限するように構成され、かつ、
該コントローラは、該差動制限スイッチにより差動制限が指示され、該車速センサにより検出された車両の走行速度が零(0)である場合には、車両の走行速度が零(0)であることを検出した時から所定時間経過した後に、該ドッグクラッチを噛み合わせて該ロック機構を作動せしめる、ことを特徴とする差動制限装置。
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