JP3036897B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3036897B2
JP3036897B2 JP3156962A JP15696291A JP3036897B2 JP 3036897 B2 JP3036897 B2 JP 3036897B2 JP 3156962 A JP3156962 A JP 3156962A JP 15696291 A JP15696291 A JP 15696291A JP 3036897 B2 JP3036897 B2 JP 3036897B2
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制御装置に係わ
り、特に差動制限装置とアンチスキッドブレーキ装置を
備えた4輪駆動車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの駆動力を前輪側と後輪
側に伝達するセンタ・デファレンシャルと、このデファ
レンシャルをロック状態とアンロック状態とするデフロ
ック装置を有する前後駆動装置を備えると共に、車輪の
回転制動力を車輪のスリップ状況に応じて制御するアン
チスキッドブレーキ装置を有する制動装置を備えた車両
が発達してきている。このような車両においては、デフ
ロック装置によりデファレンシャルをアンロック状態と
することにより、前輪及び後輪の回転差を吸収して車両
の通常走行を可能とし、又ロック状態とすることにより
前輪又は後輪がぬかるみに入り込んだ車両を脱出させた
り雪道上の走行を容易にしている。一方、上記アンチス
キッドブレーキ装置は、各車輪のスキッド状態を検出
し、このスキッド状態に応じて、各車輪の制動力を制御
し、ぬかるみ、雪道等における車両の制動力を最大限に
発揮し、かつ車両の方向安定性を確保するようにしてい
る。
【0003】このような車両において、アンチスキッド
ブレーキ装置の機能を十分に発揮させるため、ブレーキ
ペダルが踏み込まれたことを条件として、デファレンシ
ャルをアンロック状態に制御するようにしたものが、特
開昭61−287824号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の車両においては、ブレーキペダルが踏み込まれた
後直ちにデファレンシャルがアンロック状態にされるた
め、アンチスキッドブレーキ装置が作動しても、各車輪
がロックされやすくなり、このため車両が不安定な状態
に陥りやすい。そのため、車両の安定性を考えれば、ブ
レーキペダルが踏み込まれてもアンチスキッドブレーキ
装置が作動するまでの間は、デファレンシャルがロック
状態にあることが望ましい。
【0005】そこで本発明は、上記の従来技術の欠点を
解決するためになされたものであり、差動制限装置とア
ンチスキッドブレーキ装置の両者の機能を十分に発揮さ
せることができる車両の制御装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、車軸間デファレンシャルと車輪間デファ
レンシャルをロック状態として差動制限を行う差動制限
装置と、各車輪のスキッド状態を検出してこのスキッド
状態に応じて各車輪の制動力を制御するアンチスキッド
ブレーキ装置とを有する車両の制御装置において、車軸
間デファレンシャルに設けられた第1差動制限手段と、
車輪間デファレンシャルに設けられた第2差動制限手段
と、上記第1差動制限手段及び第2差動制限手段をそれ
ぞれ運転状態に応じて自動的に制御する第1モードと、
上記第1差動制限手段を完全ロック状態にすると共に上
記第2差動制限手段を運転状態に応じて自動的に制御す
る第2モードとを設定するモード設定手段と、上記第1
モードと第2モードを切り換える切り換え手段と、第1
モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制限手
段と第2差動制限手段を共にアンロック状態とし、第2
モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制限手
段を中間ロック状態とすると共に第2差動制限手段をア
ンロック状態とし、さらにアンチスキッドブレーキ装置
が作動した場合、第1差動制限手段をアンロック状態と
する差動制限制御手段と、を有することを特徴としてい
る。
【0007】上記のように構成した本発明においては、
第1モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制
限手段と第2差動制限手段を共にアンロック状態とし、
第2モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制
限手段を中間ロック状態とすると共に第2差動制限手段
をアンロック状態とし、さらにアンチスキッドブレーキ
装置が作動した場合、第1差動制限手段をアンロック状
態としているため、差動制限装置とアンチスキッドブレ
ーキ装置の両者の機能を十分に発揮させることができ、
さらに運転者が完全ロック状態であると意識していない
第1モードにおいて特にアンチスキッドブレーキ装置の
応答性を向上させることができる。
【0008】また、本発明においては、第1差動制限手
段と第2差動制限手段が、電磁クラッチを有することが
好ましい。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。
【0010】図1は、本発明の車両の制御装置の全体構
成を示す全体構成図である。先ず、図1に示された車両
の動力伝達系を説明する。10はエンシンであり、この
エンジン10にはトランスミッション11が接続され、
このトランスミッション11にはトランスファ12が接
続されている。このトランスファ12には、エンジン1
0からの出力を前輪側に伝達するフロント・プロペラシ
ャフト13及び後輪側に伝達するリヤ・プロペラシャフ
ト14がそれぞれ接続されている。このフロント・プロ
ペラシャフト13には、フロント・アクスル15を介し
て前輪16が接続されている。またリヤ・プロペラシャ
フト14には、リヤ・アクスル17を介して後輪18が
接続されている。さらにトランスファ12にはセンタ・
デファレンシャル20(以下、センタデフという。)、
フロント・アクスル15にはフロント・デファレンシャ
ル21(以下、フロントデフという。)、リヤ・アクス
ル17にはリヤ・デファレンシャル22(以下、リヤデ
フという。)がそれぞれ設けられている。
【0011】また各前輪16及び各後輪18には、各車
輪の車輪速を検出する車輪速センサ30がそれぞれ取り
付けられている。31はブレーキスイッチであり、この
ブレーキスイッチ31によりブレーキのオン・オフを検
出する。32はスロットルセンサであり、このスロット
ルセンサ32によりエンジン10のスロットル開度を検
出する。
【0012】40はエンジン用コントロール・ユニット
であり、このエンジン用コントロール・ユニット40に
はスロットルセンサ32からスロットル開度が入力され
る。41はアンチスキッドブレーキ装置用コントロール
・ユニット(以下、ABS用コントロール・ユニットと
いう。)であり、このABS用コントロール・ユニット
41には、車輪速センサ30から各車輪速が入力され
る。43はデファレンシャル用コントロール・ユニット
であり、このデファレンシャル用コントロール・ユニッ
ト43には、後述するデフロックのモード選択を行うマ
ニュアル・スイッチ44及びバッテリー45が接続され
ている。このデファレンシャル用コントロール・ユニッ
ト43には、スロットルセンサ32からスロットル開
度、ブレーキスイッチ31からブレーキ信号、ABS用
コントロール・ユニット41からアンチスキッドブレー
キ装置が作動しているか否かを示すABS信号及び各車
輪の車輪速、マニュアル・スイッチ44からモード信号
がそれぞれ入力される。これらの各入力された値に基づ
いて、デファレンシャル用コントロール・ユニット43
から、センタデフ20へセンタデフ電流、フロントデフ
21へはフロントデフ電流、リヤデフ22へはリヤデフ
電流がそれぞれ供給され、これらの電流値に基づいてセ
ンタデフ20、フロントデフ21及びリヤデフ22がア
ンロック状態、中間ロック状態、完全ロック状態とされ
る。またデファレンシャル用コントロール・ユニット4
3からABS用コントロール・ユニット41に、ABS
禁止信号が出力される。
【0013】図2は、センタデフに設けられた電磁多板
クラッチを示す断面図である。センタデフ20には、電
磁多板クラッチ50が設けられ、この電磁多板クラッチ
50によりセンタデフ20がアンロック状態、中間ロッ
ク状態、完全ロック状態とされる。この電磁多板クラッ
チ50は、フロント・プロペラシャフト13とリヤ・プ
ロペラシャフト14との差動を制限できるものであれ
ば、どのような形式のものでもよい。その一例を図2に
示す。図2において、電磁多板クラッチ50は複数枚の
インナディスクとアウタディスクとよりなるクラッチ板
51及びこのクラッチ板51へ押圧力を生じさせるアク
チュエータ52から構成されている。また53は軸受、
54は一方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動部
材、55は他方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動
部材である。アクチュエータ52は、ソレノイド56に
電流が流れる時に発生する磁力によってアーマチュア5
7がクラッチ板51を押圧するように構成されている。
この電磁多板クラッチ50においては、ソレノイド56
に流れる電流とクラッチ板51を摩擦係合させる押圧力
すなわち電磁多板クラッチ50で発生するトルクとが比
例関係にあるので、センタデフ20の作動回転数を電流
の増減により連続的に変化させることができる。
【0014】フロントデフ21及びリヤデフ22におい
ても、電磁多板クラッチが設けられているが、図2に示
すものと同様の構成のためその説明は省略する。次に表
1を参照してマニュアル・スイッチ44により選択され
た各モードにおける制御内容について説明する。
【0015】
【表1】
【0016】表1に示すように、マニュアル・スイッチ
44の「AUTO(Aモード)」においては、フロント
デフ21がアンロック状態、センタデフ20とリヤデフ
22がオートモード制御とされる。「C(Cモード)」
においては、フロントデフ21がアンロック状態、セン
タデフ20が完全ロック状態、リヤデフ22がオートモ
ード制御とされる。「R(Rモード)」においては、フ
ロントデフ21がアンロック状態、センタデフ20とリ
ヤデフ22が完全ロック状態とされる。「F(Fモー
ド)」においては、フロントデフ21、センタデフ20
及びリヤデフ22の全てが完全ロック状態とされる。こ
こで、Ifはフロントデフ電流、Icはセンタデフ電
流、Irはリヤデフ電流を、また数値はその電流値をそ
れぞれ表しており、各デフに設けられた電磁多板クラッ
チにこれらの値のデフ電流が供給されることにより、各
デフが完全ロック状態とされる。
【0017】これらに各モードは、運転者により任意に
選択される。「Aモード」においては、フロントデフ2
1がアンロック状態とされているため、駆動性に影響が
少なく操作性が優れており、市街地などの通常路を走行
するオンロード走行に適している。一方、「Fモード」
においては、フロントデフ21、センタデフ20及びリ
ヤデフ22の全てが完全ロック状態とされているため、
操作性は低下するが駆動性に優れており、悪路などを走
行するオフロード走行に適している。「Cモード」及び
「Rモード」は、これらの間の特性を有し、運転者の好
みに応じて選択される。
【0018】次に図3乃至図9を参照してデファレンシ
ャル用コントロール・ユニット43における制御内容を
説明する。これらの図において、符号Pはフローチャー
トにおける各ステップを示す。図3は「Aモード」のオ
ートモード制御における車体速演算ルーチンを示すフロ
ーチャートである。図3に示すように、P10において
各車輪速Nfr、Nfl、Nrr、Nrlを入力する。ここで、
Nfrは右前輪の車輪速、Nflは左前輪の車輪速、Nrrは
右後輪の車輪速、Nrlは左後輪の車輪速をそれぞれ表し
ている。次にP11において、これらの各車輪速Nfr、
Nfl、Nrr、Nrlの内の最低値を車体速度Vspと定義す
る。
【0019】図4は「Aモード」のオートモード制御に
おけるセンタデフ差動回転数演算ルーチンを示すフロー
チャートである。図4に示すように、P20において各
車輪速Nfr、Nfl、Nrr、Nrlを入力する。次にP21
において、回転差であるセンタデフ差動回転数ΔNcを
求める。図5は「Aモード」のオートモード制御におけ
るリヤデフ差動回転数演算ルーチンを示すフローチャー
トである。図5に示すように、P30において後輪の各
車輪速Nrr、Nrlを入力する。次にP31において、リ
ヤデフ差動回転数ΔNrを求める。
【0020】図6は「Aモード」のオートモード制御に
おけるセンタデフ電流の設定ルーチンを示すフローチャ
ートである。図6に示すように、P40において、セン
タデフ電流Icを設定する。このセンタデフ電流Ic
は、上記のセンタデフ差動回転数ΔNcとスロットル開
度TVOから求められる。図7は電流値I1 とセンター
デフ差動回転数ΔNcとの関係を示す線図、図8は電流
値I2 とスロットル開度TVOとの関係を示す線図であ
る。すなわち、センタデフ差動回転数ΔNcとスロット
ル開度TVOのいずれかが最大電流値Imaxとなった
場合、センターデフ電流Icを、「Ic=Imax」と
設定する。センタデフ差動回転数ΔNcとスロットル開
度TVOのいずれもが最大電流値Imax以下の場合、
そのときの電流値I1 と電流値I2 に基づきセンターデ
フ電流Icを所定の演算式を用いて求める。次にP41
において、センタデフ電流Icが最大電流値Imaxか
否かを判断し、センターデフ電流Icが最大電流値Im
axと異なる場合、すなわち最大電流値Imaxより小
さい場合は、P42において「Ic=Ic」と設定す
る。このとき、センタデフ20は中間ロック状態とな
り、また「Ic=0」の場合はアンロック状態となる。
センタデフ電流Icが最大電流値Imaxの場合、P4
3においてタイマをセットし、P44においてセンタデ
フ電流Icを「Ic=Imax」と設定する。このと
き、センタデフ20は完全ロック状態となる。次にP4
5においてタイマがカウントアップされ、P46におい
て所定時間経過したか否が判断される。すなわち、スリ
ップなどによりセンターデフ差動回転数ΔNcが急激に
増大したとき、センタデフ20を所定時間完全ロック状
態に保持するようにしている。
【0021】図9は「AUTOモード」のオート制御に
おけるリヤデフ制御電流値設定ルーチンを示すフローチ
ャートである。リヤデフ制御電流値設定ルーチンは、基
本的に上記のセンターデフ制御電流値設定ルーチンと同
様である。すなわち、図9に示すように、P50におい
て、リヤデフ電流Irを同様に設定する。次にP51に
おいて、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxか否か
を判断し、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxより
小さい場合は、P52において「Ir=Ir」と設定す
る。このとき、リヤデフ22は中間ロック状態となり、
また「Ic=0」の場合はアンロック状態となる。リヤ
デフ電流Irが最大電流値Imaxの場合、P53にお
いてタイマをセットし、P54においてリヤデフ電流I
rを「Ir=Imax」と設定する。このとき、リヤデ
フ22は完全ロック状態となる。次にP54においてタ
イマがカウントアップされ、P56において所定時間経
過したか否が判断される。すなわち、スリップなどによ
りリヤデフ差動回転数ΔNrが急激に増大したとき、リ
ヤデフ22を所定時間完全ロック状態に保持するように
している。
【0022】次に表2を参照してブレーキスイッチ及び
ABS装置が作動した場合の制御内容について説明す
る。
【0023】
【表2】
【0024】ABS装置は、車体速と各車輪速に基づい
て各車輪のスキッド状態を検出し、このスキッド状態に
応じて、制動時における車輪のロック傾向を打ち消すよ
うに各車輪の制動力を制御している。しかしながら、フ
ロントデフ21、センタデフ20及びリヤデフ22を有
する車両においては、これらのいずれかが完全ロック状
態とされた場合、車体速を推定することが出来なくな
り、そのため適切なABS制御を行うことが困難とな
る。このため、本発明の実施例においては、ブレーキス
イッチ31及びABS装置が作動した場合、表2に示し
た制御を行うようにしている。
【0025】先ず、「Aモード」においては、ブレーキ
が作動した場合すなわちブレーキ信号ONの場合、「I
f=0,Ic=0,Ir=0」と設定し、フロントデフ
21、センタデフ20及びリヤデフ22の全てをアンロ
ック状態とする。「Cモード」においては、ブレーキ信
号ONの場合、「If=0,Ic=0.8(0.2秒以
内),Ir=0」と設定し、フロントデフ21及びリヤ
デフ22をアンロック状態とし、センタデフ20がブレ
ーキ信号ONとされた時から0.2秒以内に中間ロック
状態とし差動制限力を低下させる。さらにABS装置が
作動した場合すなわちABS信号ONの場合、「If=
0,Ic=0(0.2秒以内),Ir=0」と設定し、
フロントデフ21、センタデフ20及びリヤデフ22の
全てをアンロック状態とする。
【0026】「Rモード」においては、ブレーキ信号O
Nの場合、「If=0,Ic=0.8,Ir=1.2」
と設定し、フロントデフ21をアンロック状態とし、セ
ンタデフ20及びリヤデフ22を中間ロック状態とし差
動制限力を低下させる。さらにABS信号ONの場合、
「If=0,Ic=0,Ir=0」と設定し、フロント
デフ21、センタデフ20及びリヤデフ22の全てをア
ンロック状態とする。
【0027】「Fモード」においては、ABS制御は行
わない。ここで図10は、「Fモード」におけるABS
制御禁止ルーチンを示すフローチャートである。図10
に示すように、P60においてモードを入力し、P61
において入力されたモードが「Fモード」か否かを判別
し、「Fモード」以外の場合はP62においてABS制
御を可能とし、「Fモード」の場合はP63においてA
BS制御が禁止される。
【0028】以上説明した表2に示す制御においては、
「Aモード」、「Cモード」及び「Rモード」におい
て、ブレーキ信号がONの時、制御内容がアンロック状
態若しくはオートモード制御とされている各デフをアン
ロック状態とすると共に、制御内容が完全ロック状態と
されているデフを中間ロック状態としている。その後、
ABS信号がONとされた時、フロントデフ21、セン
タデフ20及びリヤデフ22の全てをアンロック状態と
する。このため、ABS装置作動時に各デフを全てアン
ロック状態としても、ブレーキ作動時に予め各デフの作
動制限力を低下させているため、ABS制御の応答性を
向上させることができる。また「Fモード」において
は、ABS制御より差動制御を優先されることにより、
運転車が希望した駆動力を得ることができる。
【0029】次に表3を参照して高速走行時の省電力制
御について説明する。
【0030】
【表3】
【0031】表3は高速走行時の省電力制御を示すフロ
ーチャートである。まず、「Cモード」、「Rモード」
及び「Fモード」においては、表2に示すように強制的
にセンタデフ20を完全ロック状態としている。これら
の各モードにおいて、センタデフ20を、車体速Vsp
が100km/h以下の場合は完全ロック状態で保持
し、100km/h以上の場合は「オートモード制御」
に切り換える。同様に「Rモード」及び「Fモード」に
おいて、リヤデフ22を強制的に完全ロック状態として
いる。リヤデフ22においては、車体速Vspが50k
m/h以下の場合は完全ロック状態に保持し、50km
/h以上の場合は「オートモード制御」に切り換える。
「Fモード」において、フロントデフ21を強制的に完
全ロック状態とされており、車体速Vspが30km/
h以下の場合は完全ロック状態で保持され、30km/
h以上の場合はアンロック状態に切り換える。
【0032】この高速走行時の省電力制御における作用
について説明する。「Cモード」、「Rモード」及び
「Fモード」において、車体速Vspが100km/h
以上の場合、加速時でも各車輪にスリップが生じる可能
性はほとんどなく、またオフロード走行することもな
い。そのためセンタデフ20を完全ロック状態から「オ
ートモード制御」に切り換えても問題は生じない。さら
に、「オートモード制御」に切り換えることにより、上
述したように所定の条件で、アンロック状態、中間ロッ
ク状態若しくは完全ロック状態とされるため、必要な時
以外センタデフ20に設けられた電磁多板クラッチが作
動せず、そのため省電力化が図られ燃費が向上する。ま
た、完全ロック状態以外場合は、車両が旋回する場合セ
ンタデフ20が作動し、スリップが生ずることなく、そ
の分走行抵抗が小さくなり燃費が向上する。また100
km/h以上の高速走行においてセンタデフ20を「オ
ートモード制御」に設定しているため、高速時の安定性
が得られる。
【0033】「Rモード」及び「Fモード」において
は、リヤデフ22を車体速Vspが50km/h以上の
場合、同様に「オートモード制御」に切り換える。この
場合も上記と同様に、省電力化及び走行抵抗の低下によ
り燃費の向上が図れると共に高速時の安定性が得られ
る。「Fモード」においては、フロントデフ21を30
km/h以上の場合にアンロック状態に切り換えること
により、操作性の向上を図っている。また同様に省電力
化により燃費の向上が図られる。
【0034】この高速走行時の省電力制御においては、
各デフを強制的な完全ロック状態から「オートモード制
御」若しくはアンロック状態に切り換える基準となる車
体速が異なっている。この理由は以下の通りである。車
両走行時においては、エンジンから各車輪に確実に駆動
力を伝達する必要がある。そのため、エンジン側に近い
センタデフ20を比較的高速である100km/hまで
完全ロック状態としている。また各車輪のみにしか影響
を及ぼさないリヤデフ22及びフロントデフ21におい
ては、リヤデフ22を比較的低速である50km/h若
しくは30km/h以上で完全ロック状態を解除するこ
とにより、省電力化を図り燃費を向上させている。ここ
でフロントデフ21は、操作性に極めて影響が大きいた
めより低速でアンロック状態とし操作性を向上させてい
る。また30km/h以上でフロントデフ21を完全ロ
ック状態とする必要性のあるオフロード走行をすること
はないと判断している。
【0035】次に図11を参照して本発明の一実施例に
よる車両の制御装置の総合的な制御内容について説明す
る。図11は、本発明の一実施例による車両の制御装置
の総合的な制御内容を示すフローチャートである。まず
P100において、「オートモード制御」におけるセン
タデフの電流値Ica及びリヤデフの電流値Ira、A
BS信号、ブレーキ信号、モード信号及び車体速Vsp
を入力する。次にP102において「Aモード」か否か
を判別し、「Aモード」の場合、P104においてブレ
ーキ信号に基づきブレーキ・オンか否かを判別し、ブレ
ーキ・オンでなければP106へ進む。P106におい
て、「If=0、Ic=Ica、Ir=Ira」と設定
し、フロントデフをアンロック状態、センタデフとリヤ
デフを「オートモード制御」とする。P104において
ブレーキ・オンの場合、P108において、「If=
0、Ic=0、Ir=0」と設定し、全てのデフをアン
ロック状態とする。
【0036】P102において「Aモード」ではないと
判別した場合、P110において、「Cモード」か否か
を判別する。「Cモード」の場合、P112においてブ
レーキ・オンか否かを判別し、ブレーキ・オンでなけれ
ばP114へ進む。P114において車体速Vspが1
00km/h以上が否かを判別し、100km/h以上
でなければP116において、「If=0、Ic=2.
2、Ir=Ira」と設定し、フロントデフをアンロッ
ク状態、センタデフを完全ロック状態、リヤデフを「オ
ートモード制御」とする。車体速Vspが100km/
h以上であれば、P118において、「If=0、Ic
=Ica、Ir=Ira」と設定し、フロントデフをア
ンロック状態、センタデフとリヤデフを「オートモード
制御」とする。P112においてブレーキ・オンと判別
した場合、P120においてABS信号に基づきABS
装置が差動しているか否かを判別する。ABS装置が差
動していない場合は、P122において「If=0、I
c=0.8、Ir=0」と設定し、フロントデフとリヤ
デフをアンロック状態、センタデフを中間ロック状態と
する。P120においてABS装置が差動していると判
別した場合は、P124において「If=0、Ic=
0、Ir=0」と設定し、全てのデフをアンロック状態
とする。
【0037】P110において「Cモード」ではないと
判別した場合、P126において、「Rモード」か否か
を判別する。「Rモード」の場合、P128においてブ
レーキ・オンか否かを判別し、ブレーキ・オンでなけれ
ばP130へ進む。P130において車体速Vspが1
00km/h以上が否かを判別し、100km/h以上
でなければP132において50km/h以上が否かを
判別する。50km/h以上でなければ、P134にお
いて、「If=0、Ic=2.2、Ir=4.1」と設
定し、フロントデフをアンロック状態、センタデフ及び
リヤデフを完全ロック状態とする。50km/h以上で
あれば、P136において、「If=0、Ic=2.
2、Ir=Ira」と設定し、フロントデフをアンロッ
ク状態、センタデフを完全ロック状態、リヤデフを「オ
ートモード制御」とする。100km/h以上であれ
ば、P138において、「If=0、Ic=Ica、I
r=Ira」と設定し、フロントデフをアンロック状
態、センタデフとリヤデフを「オートモード制御」とす
る。
【0038】P128においてブレーキ・オンであると
判別した場合、P140においてABS信号に基づきA
BS装置が差動しているか否かを判別する。ABS装置
が差動していない場合は、P142において「If=
0、Ic=0.8、Ir=1.2」と設定し、フロント
デフをアンロック状態、センタデフとリヤデフを中間ロ
ック状態とする。P140においてABS装置が差動し
ていると判別した場合は、P144において「If=
0、Ic=0、Ir=0」と設定し、全てのデフをアン
ロック状態とする。
【0039】P126において「Rモード」ではないと
判別した場合、この場合は残りの「Fモード」に該当
し、P146に進む。P146にて100km/h以上
でなく、P148で50km/h以上でなく、P150
で30km/h以上でないとそれぞれ判別された場合、
P152において、「If=2.1、Ic=2.2、I
r=4.1」と設定し、全てのデフを完全ロック状態と
する。P150において30km/h以上であると判別
した場合は、P154において、「If=0、Ic=
2.2、Ir=4.1」と設定し、フロントデフをアン
ロック状態、センタデフ及びリヤデフを完全ロック状態
とする。P148において50km/h以上であると判
別した場合は、P156において、「If=0、Ic=
2.2、Ir=Ira」と設定し、フロントデフをアン
ロック状態、センタデフを完全ロック状態、リヤデフを
「オートモード制御」とする。P146において100
km/h以上であると判別した場合は、P158におい
て、「If=0、Ic=Ica、Ir=Ira」と設定
し、フロントデフをアンロック状態、センタデフとリヤ
デフを「オートモード制御」とする。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レーキ作動時に車軸間デファレンシャルを中間ロック状
態にして差動制限装置の差動制限力を低下させ、さらに
アンチスキッドブレーキ装置作動時に車軸間デファレン
シャルをアンロック状態としたため、差動制限装置とア
ンチスキッドブレーキ装置の両者の機能を十分に発揮さ
せることができ、さらにアンチスキッドブレーキ装置の
応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の車両の制御装置の全体構成を
示す全体構成図である。
【図2】図2は、センタデフに設けられた電磁多板クラ
ッチを示す断面図である。
【図3】図3は、「Aモード」のオートモード制御にお
ける車体速演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4は、「Aモード」のオートモード制御にお
けるセンタデフ差動回転数演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図5】図5は、「Aモード」のオートモード制御にお
けるリヤデフ差動回転数演算ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図6】図6は、「Aモード」のオートモード制御にお
けるセンタデフ電流の設定ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図7】図7は、電流値I1 とセンターデフ差動回転数
ΔNcとの関係を示す線図である。
【図8】図8は、電流値I2 とスロットル開度TVOと
の関係を示す線図である。
【図9】図9は、「Aモード」のオートモード制御にお
けるリヤデフ制御電流値設定ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図10】図10は、「Fモード」におけるABS制御
禁止ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の一実施例による車両の制
御装置の総合的な制御内容を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
16 前輪 18 後輪 20 センタ・デファレンシャル(センタデフ) 21 フロント・デファレンシャル(フロントデフ) 22 リヤ・デファレンシャル(リヤデフ) 30 車輪速センサ 31 ブレーキスイッチ 32 スロットルセンサ 41 アンチスキッドブレーキ装置用コントロール・ユ
ニット 43 デファレンシャル用コントロール・ユニット 44 マニュアル・スイッチ 50 電磁多板クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 景山 文雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 和田 恭明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−56923(JP,A) 特開 昭60−143170(JP,A) 特開 昭61−102328(JP,A) 特開 昭62−166114(JP,A) 特開 昭62−251266(JP,A) 特開 昭63−137027(JP,A) 特開 昭63−207761(JP,A) 特開 平1−168553(JP,A) 実開 平2−108648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/35,23/04 B60T 8/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸間デファレンシャルと車輪間デファ
    レンシャルをロック状態として差動制限を行う差動制限
    装置と、各車輪のスキッド状態を検出してこのスキッド
    状態に応じて各車輪の制動力を制御するアンチスキッド
    ブレーキ装置とを有する車両の制御装置において、 車軸間デファレンシャルに設けられた第1差動制限手段
    と、 車輪間デファレンシャルに設けられた第2差動制限手段
    と、 上記第1差動制限手段及び第2差動制限手段をそれぞれ
    運転状態に応じて自動的に制御する第1モードと、上記
    第1差動制限手段を完全ロック状態にすると共に上記第
    2差動制限手段を運転状態に応じて自動的に制御する第
    2モードとを設定するモード設定手段と、 上記第1モードと第2モードを切り換える切り換え手段
    と、 第1モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制
    限手段と第2差動制限手段を共にアンロック状態とし、
    第2モード時にブレーキが作動した場合は、第1差動制
    限手段を中間ロック状態とすると共に第2差動制限手段
    をアンロック状態とし、さらにアンチスキッドブレーキ
    装置が作動した場合、第1差動制限手段をアンロック状
    態とする差動制限制御手段と、 を有することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 上記第1差動制限手段と第2差動制限手
    段が、電磁クラッチを有することを特徴とする請求項1
    に記載の車両の制御装置。
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