JP3309038B2 - サーマルヘッド保持構造 - Google Patents

サーマルヘッド保持構造

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JP3309038B2
JP3309038B2 JP25333995A JP25333995A JP3309038B2 JP 3309038 B2 JP3309038 B2 JP 3309038B2 JP 25333995 A JP25333995 A JP 25333995A JP 25333995 A JP25333995 A JP 25333995A JP 3309038 B2 JP3309038 B2 JP 3309038B2
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    • B41J25/316Bodily-movable mechanisms for print heads or carriages movable towards or from paper surface with tilting motion mechanisms relative to paper surface
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばラベル台紙
上に一定間隔おきに貼着されたラベルにサーマルヘッド
を用いて所望の印字を行うラベルプリンタをはじめ、各
種サーマル印字装置におけるサーマルヘッド保持構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドを用いた印字装置として
は、ラベル台紙上に一定間隔おきに貼着された空白のラ
ベルに対し、商品名、ロッド番号、バーコード、届け
先、発送元等の各種情報を印字するラベルプリンタが知
られている。
【0003】この種のラベルプリンタでは、印字位置と
なるサーマルヘッドの発熱体にプラテンが押圧接触して
対向配置されており、サーマルヘッドとプラテンとの間
にラベルの貼着されたラベル台紙を搬送しながら発熱体
を発熱駆動して各ラベルに所望の印字を行っている。こ
のため、サーマルヘッドとプラテンとが一定の位置関係
になければ、ラベル等の被印字物に対して所望の印字を
鮮明に行うことができず、サーマルヘッドとプラテンと
の間の位置決めが重要な問題となってくる。
【0004】そこで、上記問題を解消したサーマルヘッ
ド保持構造として、特開昭62−152882号に示す
サーマルヘッド用位置調整機構が知られている。
【0005】このサーマルヘッド用位置調整機構は、図
5に示すように、サーマルヘッド100を支持するため
のヘッド支持用フレーム101と、サーマルヘッド10
0とヘッド支持用フレーム101との間に移動可能に設
けられた移動中継板102と、サーマルヘッド100の
印字位置に接するように不図示の筐体本体のフレームに
軸支されたプラテン103と、プラテン103の移動に
対応してサーマルヘッド100の印字位置を常にプラテ
ン103と接するように追随させるために移動中継板1
02と一体となったサーマルヘッド位置調整体104と
を備えて構成されている。
【0006】ヘッド支持用フレーム101は、図5の紙
面奥行方向の両端部側にねじ孔105が形成され、その
一端部が支軸106を回転中心として図5の矢印方向に
回動可能に不図示の筐体の上に開く側に支持され、他端
部がばね等の弾性部材107により所望の押圧力で押圧
されている。移動中継板102は、ヘッド支持用フレー
ム101の下面101aに沿って平行に移動し得るよう
にヘッド支持用フレーム101とサーマルヘッド100
との間に設けられ、ねじ孔105の中心軸線上を中心軸
として孔部108が形成されている。孔部108にはつ
ば付き受け台109が挿入されてねじ110によりヘッ
ド支持用フレーム101のねじ孔105にねじ止めされ
ている。サーマルヘッド100は、移動中継板102に
裏面側から皿ねじ111によりねじ止めされ、移動中継
板102と一体的に前後方向に移動できる構成となって
いる。
【0007】サーマルヘッド100の裏面側には、サー
マルヘッド100の駆動を制御するための信号が供給さ
れるヘッド側コネクタ112が設けられている。ヘッド
側コネクタ112は、ヘッド支持用フレーム101及び
移動中継板102のそれぞれに形成された貫通穴11
3,114を介してヘッド支持用フレーム101の裏面
側に表出している。ヘッド側コネクタ112には、プラ
テン103が軸支された不図示の筐体本体側の回路基板
にフラットケーブル等の線材115を介して基板側コネ
クタ116が接続されている。サーマルヘッド位置調整
体104は、移動中継板102に設けられ、両端部側に
U字状切欠き部117が形成されてている。U字状切欠
き部117は、プラテン103のプラテン軸103aに
被着された軸受118に係着されている。
【0008】そして、上記のように構成された位置調整
機構は、設計時にサーマルヘッド100の印字位置の線
上にサーマルヘッド位置調整体104のU字状切欠き部
117の中心線が位置するように設定される。これによ
り、装置駆動源の振動や部品の寸法誤差等によってプラ
テン103が水平方向にずれても、サーマルヘッド位置
調整体104と一緒にサーマルヘッド100が追随移動
するので、サーマルヘッド100とプラテン103の法
線位置上にサーマルヘッド100の印字位置を一致させ
ることができ、装置の動作時に振動等が生じてもサーマ
ルヘッド100とプラテン103とを適切な位置関係を
保持して印字動作が行なえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成に
よる位置調整機構において、サーマルヘッド100をヘ
ッド支持用フレーム101から取り外す場合には、ま
ず、筐体のサーマルヘッドのある上側部分を開いてサー
マルヘッド位置調整体104のU字状切欠き部117か
らプラテン103を開放した後、ねじ110を取り外し
てサーマルヘッド100の固定された移動中継板102
をヘッド支持用フレーム101から離脱させる。次に、
ヘッド側コネクタ112と基板側コネクタ116が接続
された状態のまま移動中継板102に固定されたサーマ
ルヘッド100を引き出し、皿ねじ11を外すことによ
り移動中継板102からサーマルヘッド100を離脱さ
せる。その後、ヘッド側コネクタ112を基板側コネク
タ116から取り外す。これに対し、サーマルヘッド1
00をヘッド支持用フレーム101に取り付ける場合に
は、上述した作業を逆に行う。
【0010】このように、上記位置調整機構では、サー
マルヘッド100を取り外す場合、サーマルヘッド10
0が固定された移動中継板102をヘッド支持用フレー
ム101から取り外した後にコネクタ112,116間
の取り外しが行なわれるので、コネクタ112,116
を含めて線材115の引き出しが行えるように線材11
5を長くする必要があった。このため、線材115を筐
体内に収めるための余分なスペースが必要となり、しか
も、線材115が長くなることから、サーマルヘッド1
00の着脱時に線材115が邪魔になって他の部品に引
っかける等して傷つけるおそれがあった。このように、
一般使用者がこの種の装置を取り扱うには、コネクタ1
12,116の着脱を含めてサーマルヘッド100の着
脱作業が面倒で抵抗感があった。
【0011】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、工具を用いることなくコネクタを含
めてサーマルヘッドの着脱及び位置決め作業が容易に行
えるサーマルヘッド保持構造を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による請求項1のサーマルヘッド保持構造
は、2分割された第1筐体1と第2筐体2とが一側部に
おいて開閉自在に取り付けられた筐体11と、前記第2
筐体に対して回転可能に軸支されたプラテン10と、被
印字物4aに所望の印字を行うための発熱体30が矩形
状の基台28の一面側に設けられ、前記発熱体がある面
に対して直角方向に抜き差し可能なヘッド側コネクタ3
4を有するサーマルヘッド26と、前記筐体が閉状態の
ときに前記プラテンとの位置決めをする位置決め部材4
2と、前記基台の四方の側面28a,28b,28c,
28dに当接して前記サーマルヘッドを位置決めする位
置決め突起46a,46b,46cとを有して前記第1
筐体側に取り付けられ、該第1筐体の前後方向に移動可
能なサーマルヘッド取付部材40と、前記ヘッド側コネ
クタに対向して前記サーマルヘッド取付部材に取り付け
られ、該サーマルヘッド取付部材に対して前後左右に微
動可能な回路側コネクタ50とを備えたことを特徴とし
ている。
【0013】請求項2のサーマルヘッド保持構造は、2
分割された第1筐体1と第2筐体2とが一側部において
開閉自在に取り付けられた筐体11と、前記第2筐体に
対して回転可能に軸支されたプラテン10と、被印字物
4aに所望の印字を行うための発熱体30が矩形状の基
台28の一面側に設けられ、前記発熱体がある面に対し
て直角方向に抜き差し可能なヘッド側コネクタ34を有
するサーマルヘッド26と、前記筐体が閉状態のときに
前記プラテンとの位置決めをする位置決め部材42と、
前記基台の四方の側面28a,28b,28c,28d
に当接して前記サーマルヘッドを位置決めする位置決め
突起46a,46b,46cとを有して前記第1筐体側
に移動可能に取り付けられたサーマルヘッド取付部材4
0と、前記ヘッド側コネクタに対向して前記サーマルヘ
ッド取付部材に微動可能に取り付けられた回路側コネク
タ50と、前記基台における前記発熱体の反対面に設け
られ、前記基台を前記第1筐体に固着させる磁性部材3
8とを備えたことを特徴としている。
【0014】請求項3のサーマルヘッド保持構造におい
て、前記サーマルヘッド取付部材40は、前記第1筐体
1に対し、一端の中央部分が一軸で支持され、他端側両
端部が前記発熱体30を前記プラテン10側に押圧付勢
する付勢部材68を介して固定されており、前記サーマ
ルヘッド取付部材と前記第1筐体との間には、前記筐体
が開状態のときに前記付勢部材の付勢力による前記サー
マルヘッド取付部材の前記プラテン側への移動を規制す
るストッパ部材70,72が設けられている。
【0015】上記サーマルヘッド保持構造では、筐体1
1を開いた状態で、基台28の四方の側面28a,28
b,28c,28dを対応する位置決め突起46a,4
6b,46cに一致させてサーマルヘッド26をサーマ
ルヘッド取付部材40上に載置する。これにより、サー
マルヘッド26は、基台28の四方の側面28a,28
b,28c,28dが対応する各位置決め突起46a,
46b,46cの内側面に当接した状態で磁性部材38
がサーマルヘッド取付部材40の表面に吸着し、サーマ
ルヘッド取付部材40の前後左右方向に移動することな
く位置決め固定される。このサーマルヘッド26の取り
付けに伴ってヘッド側コネクタ34がサーマルヘッド取
付部材40に取り付けられた回路側コネクタ50に嵌合
して接続される。筐体11が閉められると、第2筐体2
側のプラテン10がサーマルヘッド26の発熱体30の
表面に押しつけられた状態でサーマルヘッド取付部材4
0の位置決め部材42の位置決め用切欠き44に係合さ
れ、プラテン10に対するサーマルヘッド26の位置決
めがなされる。そして、サーマルヘッド26の発熱体3
0は、サーマルヘッド取付部材40に設けられた付勢部
材68により、例えばラベルの貼着されたラベル台紙等
の被印字物を挟んだ状態でプラテン10側に押圧付勢さ
れる。
【0016】サーマルヘッド取付部材40に位置決め固
定されたサーマルヘッド26を取り外す場合には、筐体
11を開いてプラテン10を位置決め部材42による位
置決めから解除した後、サーマルヘッド26をサーマル
ヘット取付部材40から抜き取る。これにより、磁性部
材38による基台28とサーマルヘッド取付部材40と
の間の吸着が解除されてサーマルヘッド26がサーマル
ヘッド取付部材40から外れる。このサーマルヘッド2
6の抜き取り動作によりコネクタ34,50間の嵌合も
一緒に解除され、ヘッド側コネクタ34が回路側コネク
タ50から外れる。その際、付勢部材68の付勢力によ
るサーマルヘッド取付部材40のプラテン10側への移
動は、サーマルヘッド取付部材40と第1筐体1との間
に設けられたストッパ部材70,72によって規制され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるサーマルヘッ
ド保持構造が適用されるラベルプリンタの全体構成を示
す斜視図、図2は同サーマルヘッド保持構造におけるヘ
ッドフレーム部分の拡大平面図、図3は同サーマルヘッ
ド保持構造のカバーを開き、サーマルヘッドも外した状
態の部分拡大断面図、図4は同サーマルヘッド保持構造
のカバーを閉じた状態の部分拡大断面図である。
【0018】図1に示すように、サーマルヘッド印字装
置をなすラベルプリンタは、矩形状の筐体本体(第1筐
体)1に対してカバー(第2筐体)2が開閉自在に設け
られた2分割構造の筐体11で構成されている。
【0019】筐体本体1は、上面及び前面が開放された
開口部1aを有しており、開口部1aの上方位置には板
状のベースフレーム3が固設されている。ベースフレー
ム3の中央より後部には、被印字物であるラベル4aが
表面に貼着されたロール状のラベル台紙4を支持する支
持板5,5が固設されている。各支持板5の上端部中央
には、台形状の切欠部6が形成されている。各切欠部6
には、互いに内方向に直角に折曲された軸受け突片7が
一体形成されている。各軸受け突片7は、ロール状のラ
ベル台紙4の芯に挿通された供給軸8の下半部を支持し
ている。
【0020】カバー2の内面には、ロール状のラベル台
紙4が位置する後端側部分をラベル台紙4を逃げるよう
に切欠いて両側部9aがコ字状に折曲されたカバーフレ
ーム9が固設されている。カバー2は、筐体本体1の後
端側において、基端部となる一端2aがカバーフレーム
9の側部9aを介して支持板5に軸支されており、筐体
本体1の開口部1aを閉塞するように開閉自在な構成と
なっている。
【0021】カバーフレーム9の両側部9aの先端に
は、ロール状のプラテン10が軸支されている。プラテ
ン10の回転軸10aの一端には、駆動ギヤ12がカバ
ーフレーム9の側部9aの外側に位置して固設されてい
る。この駆動ギヤ12は、カバー2が閉状態のときに、
筐体本体1側のモータ14の駆動軸に連結された伝達ギ
ヤ16に噛合している。そして、モータ14の動力が伝
達ギヤ16、駆動ギヤ12を経てプラテン10に伝達さ
れると、プラテン10が回転駆動されるようになってい
る。
【0022】カバーフレーム9の両側部9aには、カバ
ー2の表面側に設けられた不図示の操作レバーによって
回動可能なコ字状の開閉用レバー18が取り付けられて
いる。この開閉用レバー18は、カバー2が閉状態のと
きに、筐体本体1のベースフレーム3の先端側両側部に
形成された切欠き20に係止される。又、カバー2を閉
状態から開状態にするべく、不図示の操作レバーが操作
されたときに、切欠き20への係止が解除される。
【0023】カバーフレーム9の両側部9aと筐体本体
1の両側壁面1bとの間には、筐体本体1に対してカバ
ー2を支持するための支持アーム22が取り付けられて
いる。各支持アーム22には、カバー2を常に開く方向
に付勢するための例えばコイルスプリング等の付勢部材
24が介挿されている。
【0024】ラベル台紙4上の各ラベル4aに所望の印
字を行うサーマルヘッド26は、断面が長方形状に形成
されて四方の側面28a,28b,28c,28dが位
置決めの基準面となる矩形状の基台28を有している。
基台28の表面には、ラベル台紙4の搬送に伴って各ラ
ベル4aに所望の印字を行うための例えば帯状の発熱体
30と、この発熱体30を発熱駆動するための回路基板
32とが並んで接着固定されている。基台28は、例え
ばアルミ等の金属で構成され、発熱体30で発生した熱
を後述するヘッドフレーム40側に放熱している。回路
基板32は、その一部が基台28の後側面28dから後
方に突出している。この突出した回路基板32の裏面の
中央部分には、サーマルヘッド26の駆動を制御するた
めの信号が供給されるヘッド側コネクタ34が固設され
ている。回路基板32の上部には、回路基板32の表面
を保護するためのカバー部材36が取り付けられてい
る。基台28の裏面全体には、例えばシート状のマグネ
ット等の磁性部材38が接着固定されている。この磁性
部材38は、後述するヘッドフレーム40の所定位置に
吸着してヘッドフレーム40に対してサーマルヘッド2
6を定着している。なお、この磁性部材38は、基台2
8の裏面全体に設ける必要はなく、部分的に設ける構成
としてもよいし、付けなくともよい。
【0025】ベースフレーム3の前端側には、サーマル
ヘッド26を位置決め固定するための金属製のヘッドフ
レーム40が前後方向に移動可能に設けられている。ヘ
ッドフレーム40は、先端から後端に向かう中途位置が
所定角度下り勾配に傾斜しており、サーマルヘッド26
が載置される載置面40aを形成している。ヘッドフレ
ーム40の両側端部には、プラテン10との前後方向の
位置を決めるための位置決め片42が上方に向かって直
角に折曲して一体形成されている。各位置決め片42の
上端部側にはU字状の位置決め用切欠き44が形成され
ている。この位置決め用切欠き44にプラテン10の軸
受けが係合されることにより、プラテン10とヘッドフ
レーム40が前後方向にずれないように位置決めされ
る。
【0026】図2に示すように、ヘッドフレーム40の
前後左右6箇所には、サーマルヘッド26の基台28に
おける四方の側面28a,28b,28c,28dを位
置決めするための位置決め突起46が一体形成されてい
る。さらに説明すると、基台28の前側面28aを位置
決めする位置決め突起46aは、ヘッドフレーム40の
先端両角部分の一部位をヘッドフレーム40の載置面4
0aより上方に直角に折曲して2個形成されている。
又、基台28の横側面28b,28c及び後側面28d
を位置決めする位置決め突起46b、46cは、ヘッド
フレーム40の一部位をコ字状に切欠してヘッドフレー
ム40の載置面40aより上方に直角に折曲して各々2
個ずつ形成されている。
【0027】そして、サーマルヘッド26は、基台28
の四方の側面28a,28b,28c,28dがそれぞ
れ対応する各位置決め突起46a,46b,46cの内
側面に当接した状態で位置決めされ、ヘッドフレーム4
0の前後左右に対する基台28の位置が規制される。こ
れにより、サーマルヘッド26は、基台28の四方の側
面28a,28b,28c,28dが各位置決め突起4
6a,46b,46cの内側面に当接し、磁性部材38
がヘッドフレーム40の表面に吸着した状態でヘッドフ
レーム40に位置決め固定される。
【0028】ヘッドフレーム40の中央部分には、長方
形状の貫通穴48が形成されている。ヘッドフレーム4
0の裏面には、ヘッド側コネクタ34に着脱される回路
側コネクタ50が取り付けられている。回路側コネクタ
50は、ケーブル等の線材52を介してベースフレーム
3の裏面側に固定された回路基板54に電気的に接続さ
れている。回路側コネクタ50は、縦横の寸法がヘッド
フレーム40の貫通穴48を貫挿するように貫通穴48
よりも小さく設定されており、長方形状の取付板56の
左右両側2箇所で円柱形状の段付カラー58を介してネ
ジ等の固定手段60により取り付けられている。取付板
56の左右両側には取付穴56aが形成されている。
【0029】段付カラー58は、太径部58aと小径部
58bが同心上に一体形成されたもので、太径部58a
の外径φAが貫通穴48におけるヘッドフレーム40の
前後方向の幅H1よりも大きく、小径部58bの外径φ
Bが取付板56の左右両側に形成された取付穴56aの
内径φCよりも小さく形成されている。そして、回路側
コネクタ50は、貫通穴48を貫挿してヘッドフレーム
40の表面より所定量突出した状態で、ヘッドフレーム
40に対して前後左右に遊びを持って取り付けられてい
る。これにより、回路側コネクタ50は、ヘッドフレー
ム40に対してある程度の自由度を持って移動できるの
で、コネクタ34,54自身が持つバラツキやヘッドフ
レーム40にサーマルヘッド26を位置決めする際の基
準となる基台28に対するバラツキに対応することがで
きる。
【0030】ヘッドフレーム40の後端側の中央部分に
は、L字状の支持片62が一体に突出形成されている。
この支持片62には、横長の取付穴63が形成されてい
る。支持片62は、ベースフレーム3に固設されたL字
状の取付アングル64に対し、取付穴63を介して側面
側より遊びを持った状態でネジ等の固定手段66により
取り付けられている。ヘッドフレーム40の先端側両端
部は、それぞれコイルスプリング等の付勢部材68を介
してベースフレーム3に固定されている。これにより、
ヘッドフレーム40は、支持片62の支持軸62aを中
心として前後左右方向に遊びを持った状態でベースフレ
ーム3に取り付けられる。
【0031】付勢部材68は、支持片62の支持軸62
aを中心としてヘッドフレーム40を常に上方へ付勢し
ている。そして、付勢部材68は、カバー2が閉状態の
ときに、ヘッドフレーム40に位置決め固定されたサー
マルヘッド26の発熱体30を、その付勢力によりラベ
ル台紙4を挟んだ状態でプラテン10の外周面側に押し
つけている。これにより、サーマルヘッド26のプラテ
ン10に対する所望の接触圧を得ている。
【0032】ヘッドフレーム40の先端側の中央部分に
は、ヘッドフレーム40の後端側に向かってコ字状に折
曲形成されたストッパ片70が一体形成されている。こ
のストッパ片70の先端は、ベースフレーム3の先端側
中央部に固設されたL字状の支持アングル72の横長の
切欠部72a内に位置している。支持アングル72は、
カバー2が開状態のときに、ストッパ片70が切欠部7
2aの上端面に当接し、付勢部材68の付勢力によりヘ
ッドフレーム40が所定量以上浮き上がらないように、
ヘッドフレーム40の上方への位置規制をしている。
【0033】上記構成において、ラベル4aに所望の印
字を行う場合には、まず、ヘッドフレーム40に対する
サーマルヘッド26の取付作業を行う。すなわち、サー
マルヘッド26の基台28の四方の側面28a,28
b,28c,28dがヘッドフレーム40の各位置決め
突起46a,46b,46cの内側面に当接するよう
に、サーマルヘッド26を上方よりヘッドフレーム40
の載置面40aに載置する。これにより、基台28の裏
面に設けられた磁性部材38がヘッドフレーム40の表
面に吸着する。そして、サーマルヘッド26は、基台2
8の四方の側面28a,28b,28c,28dがヘッ
ドフレーム40の各位置決め突起46a,46b,46
cの内側面に当接し、ヘッドフレーム40に対して前後
左右に移動することなく位置決め固定される。このヘッ
ドフレーム40への基台28の取り付けに伴ってヘッド
側コネクタ34が回路側コネクタ50に嵌合して接続さ
れる。その際、回路側コネクタ50は、ヘッドフレーム
40に対して前後左右方向にある程度の自由度を持って
取り付けられているので、コネクタ34,50間の接続
を確実に行うことができる。
【0034】そして、サーマルヘッド26がヘッドフレ
ーム40に位置決め固定されると、ロール状のラベル台
紙4の供給軸8を各支持板5の軸受け突片7に乗せてラ
ベル台紙4をセットする。次に、ラベル台紙4上の各ラ
ベル4aが発熱体30の幅内で通過するように、ラベル
台紙4の先端部分を筐体本体1の前面側に引き出してカ
バー2を閉める。
【0035】これにより、カバー2は、開閉用レバー1
8が筐体本体1側の切欠き20に係止して固定される。
そして、サーマルヘッド26の発熱体30とプラテン1
0とは、ヘッドフレーム40の位置決め用切欠き44に
プラテン10が係合され、かつ付勢部材68の付勢力に
よりラベル台紙4を挟んだ状態で所望の接触圧を持って
位置決め固定される。この状態で装置が起動されると、
ラベル台紙4がサーマルヘッド26とプラテン10との
間を通過して筐体本体1の前面側に搬送され、このラベ
ル台紙4の搬送に伴って各ラベル4aに所望の印字がな
される。
【0036】上記ラベル4aへの印字動作に伴い、筐体
本体1内のサーマルヘッド26の交換が発生した場合に
は、不図示の操作レバーにより筐体本体1側の切欠き2
0に対する開閉用レバー18の係止を解除してカバー2
を開ける。この状態で、サーマルヘッド26を上方に抜
き取りヘッドフレーム40から取り外す。その際、ヘッ
ド側コネクタ34は、サーマルヘッド26の抜き取り動
作によって回路側コネクタ50との間の接続が外れる。
その後、前述したサーマルヘッド26の取付作業を行
う。
【0037】したがって、上記サーマルヘッド保持構造
によれば、筐体本体1のベースフレーム3に取り付けら
れたヘッドフレーム40には、サーマルヘッド26の基
台28を位置決めするための位置決め突起46(46
a,46b,46c)が載置面40aとなる表面の前後
左右に設けられ、カバー2を閉めた際にプラテン10と
の位置を決める位置決め片42が両側部に設けられ、サ
ーマルヘッド26のヘッド側コネクタ34に着脱される
回路側コネクタ50がある程度の遊びを持って載置面4
0aに臨んで設けられており、従来のような固定用のね
じを一切用いない構成なので、ドライバー等の工具を必
要とせずにサーマルヘッド26の着脱、並びにサーマル
ヘッド26の位置決め固定を行うことができる。しか
も、サーマルヘッド26の着脱と一緒にコネクタ34,
50間の着脱を行うことができ、サーマルヘッド26を
着脱する際に線材52を含めて回路側コネクタ50を筐
体本体1から引き出す必要もない。このため、従来のよ
うに線材52自身を長くして余分な収納スペースを取っ
たり、サーマルヘッド26の着脱時に線材52を他の部
品に引っかけて損傷したりすることもなく、線材52の
取り扱いにかかる手間が省け、作業性の向上が図れる。
【0038】このように、コネクタ34,50間の着脱
を含むヘッドフレーム40に対するサーマルヘッド26
の着脱は、サーマルヘッド26のみを手で持ってヘッド
フレーム40上に載置するか、ヘッドフレーム40から
サーマルヘッド26を抜き取るかの操作で簡単に行うこ
とができるので、装置の保守、点検やラベル台紙、リボ
ン等の交換も容易に対処できる。
【0039】サーマルヘッド26が着脱されるヘッドフ
レーム40は、筐体本体1のベースフレーム3に対し、
一端の中央部分が遊びを持って一軸で固定され、他端の
両側が付勢部材68を介して取り付けられた構成であ
り、ヘッドフレーム40をベースフレーム3の前後左右
方向にある程度の自由度を持って移動できるので、例え
ば印字動作時に振動等が生じても、サーマルヘッド26
とプラテン10の法線位置上にサーマルヘッド26の印
字位置を一致させてプラテン10とサーマルヘッド26
とを適切な位置関係に保持し、カバー2を閉めたときの
付勢部材68の付勢力によりサーマルヘッド26をプラ
テン10に均一に押しつけて高精度な印字動作を行うこ
とができる。
【0040】サーマルヘッド26は、コネクタ34,5
0間の嵌合力だけでなく、磁性部材38を介してヘッド
フレーム40の載置面40a上に吸着されるので、ヘッ
ドフレーム40に対してより確実にサーマルヘッド26
を固定でき、カバー2を開いた際にサーマルヘッド26
がヘッドフレーム40から外れることもない。
【0041】サーマルヘッド26のヘッド側コネクタ3
4に接続される回路側コネクタ50は、ある程度の自由
度を持ってヘッドフレーム40に取り付けられるので、
コネクタ34,50自身やサーマルヘッド26を位置決
めする際の基準となる基台28に対するバラツキにも対
応することができる。
【0042】ところで、上述した実施の形態では、適用
される装置としてラベルプリンタを例にとって説明した
が、サーマルヘッドを用いた印字装置であればよく、図
示のラベルプリンタに限定されるものではない。
【0043】又、上記実施の形態では、プラテン10を
カバー2側に設け、サーマルヘッド26が位置決め固定
されるヘッドフレーム40を筐体本体1側に設けた構成
としたが、プラテン10とヘッドフレーム40の配設位
置を逆転させた構成としてもよい。その場合、ヘッドフ
レーム40は、カバー2のカバーフレーム9に対し、一
端の中央部分が遊びを持って一軸で固定され、他端の両
側が付勢部材68を介して取り付けられる。又、プラテ
ン10は筐体本体1側に設ける。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサーマル
ヘッド保持構造によれば、従来のような固定用のねじを
一切用いない構成なので、ドライバー等の工具を必要と
せずにサーマルヘッドの着脱、並びにサーマルヘッドの
位置決め固定を行うことができる。しかも、サーマルヘ
ッドの着脱と一緒にコネクタ間の着脱を行うことがで
き、サーマルヘッドを着脱する際に線材を含めて回路側
コネクタを筐体本体から引き出す必要もない。これによ
り、線材の取り扱いにかかる手間が省け、作業性の向上
が図れる。
【0045】請求項2のサーマルヘッド保持構造によれ
ば、サーマルヘッドは、コネクタ間の嵌合力だけでな
く、磁性部材を介してサーマルヘッド取付部材の表面に
吸着されるので、サーマルヘッド取付部材に対してより
確実にサーマルヘッドを固定でき、筐体を開いた際にサ
ーマルヘッドがサーマルヘッド取付部材から簡単に外れ
ることもない。
【0046】請求項3のサーマルヘッド保持構造によれ
ば、サーマルヘッドが着脱されるサーマルヘッド取付部
材は、第1筐体に対し、一端の中央部分が一軸で固定さ
れ、他端両側が付勢部材を介して取り付けられた構成で
あり、サーマルヘッド取付部材を第1筐体の前後左右方
向にある程度の自由度を持って移動できるので、例えば
印字動作時に振動等が生じても、サーマルヘッドとプラ
テンの法線位置上にサーマルヘッドの印字位置を一致さ
せてプラテンとサーマルヘッドとを適切な位置関係に保
持し、筐体を閉めたときの付勢部材の付勢力によりサー
マルヘッドをプラテンに均一に押しつけて高精度な印字
動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサーマルヘッド保持構造が適用さ
れるラベルプリンタの全体構成を示す斜視図
【図2】同サーマルヘッド保持構造におけるヘッドフレ
ーム部分の拡大平面図
【図3】同サーマルヘッド保持構造のカバーを開き、サ
ーマルヘッドも外した状態の部分拡大断面図
【図4】同サーマルヘッド保持構造のカバーを閉じた状
態の部分拡大断面図
【図5】従来のサーマルヘッド保持構造の一構成例を示
す部分断面図
【符号の説明】
1…筐体本体(第1筐体)、2…カバー(第2筐体)、
4a…ラベル(被印字物)、10…プラテン、11…筐
体、26…サーマルヘッド、28…基台、28a,28
b,28c,28d…側面、30…発熱体、34…ヘッ
ド側コネクタ、38…磁性部材、40…ヘッドフレーム
(サーマルヘッド取付部材)、42…位置決め片(位置
決め部材)、46(46a,46b,46c)…位置決
め突起、50…回路側コネクタ、68…付勢部材。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 25/312 B41J 2/32 B41J 25/316

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2分割された第1筐体(1)と第2筐体
    (2)とが一側部において開閉自在に取り付けられた筐
    体(11)と、 前記第2筐体に対して回転可能に軸支されたプラテン
    (10)と、 被印字物(4a)に所望の印字を行うための発熱体(3
    0)が矩形状の基台(28)の一面側に設けられ、前記
    発熱体がある面に対して直角方向に抜き差し可能なヘッ
    ド側コネクタ(34)を有するサーマルヘッド(26)
    と、 前記筐体が閉状態のときに前記プラテンとの位置決めを
    する位置決め部材(42)と、前記基台の四方の側面
    (28a,28b,28c,28d)に当接して前記サ
    ーマルヘッドを位置決めする位置決め突起(46a,4
    6b,46c)とを有して前記第1筐体側に取り付けら
    れ、該第1筐体の前後方向に移動可能なサーマルヘッド
    取付部材(40)と、 前記ヘッド側コネクタに対向して前記サーマルヘッド取
    付部材に取り付けられ、該サーマルヘッド取付部材に対
    して前後左右に微動可能な回路側コネクタ(50)とを
    備えたことを特徴とするサーマルヘッド保持構造。
  2. 【請求項2】 2分割された第1筐体(1)と第2筐体
    (2)とが一側部において開閉自在に取り付けられた筐
    体(11)と、 前記第2筐体に対して回転可能に軸支されたプラテン
    (10)と、 被印字物(4a)に所望の印字を行うための発熱体(3
    0)が矩形状の基台(28)の一面側に設けられ、前記
    発熱体がある面に対して直角方向に抜き差し可能なヘッ
    ド側コネクタ(34)を有するサーマルヘッド(26)
    と、 前記筐体が閉状態のときに前記プラテンとの位置決めを
    する位置決め部材(42)と、前記基台の四方の側面
    (28a,28b,28c,28d)に当接して前記サ
    ーマルヘッドを位置決めする位置決め突起(46a,4
    6b,46c)とを有して前記第1筐体側に移動可能に
    取り付けられたサーマルヘッド取付部材(40)と、 前記ヘッド側コネクタに対向して前記サーマルヘッド取
    付部材に微動可能に取り付けられた回路側コネクタ(5
    0)と、 前記基台における前記発熱体の反対面に設けられ、前記
    基台を前記第1筐体に 固着させる磁性部材(38)とを
    備えたことを特徴とする サーマルヘッド保持構造。
  3. 【請求項3】 前記サーマルヘッド取付部材(40)
    は、前記第1筐体(1)に対し、一端の中央部分が一軸
    で支持され、他端側両端部が前記発熱体(30)を前記
    プラテン(10)側に押圧付勢する付勢部材(68)を
    介して固定されており、 前記サーマルヘッド取付部材と前記第1筐体との間に
    は、前記筐体が開状態のときに前記付勢部材の付勢力に
    よる前記サーマルヘッド取付部材の前記プラテン側への
    移動を規制するストッパ部材(70,72)が設けられ
    た請求項1記載のサーマルヘッド保持構造。
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