JP2619078B2 - プリンタの印字ヘッド取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 プリンタのキャリアに着脱自在に設けられた印字ヘッ
ドを、キャリアの所定位置に取り付けるためのプリンタ
の印字ヘッド取付装置に関し、 キャリアの所定位置に印字ヘッドを正確に取り付ける
ことができ、しかも工具等を用いることなく着脱作業を
簡単に短時間で行うことができるようにすることを目的
とし、 印字ヘッドのキャリアに対する位置決めを複数方向に
おいて行うために上記キャリアと上記印字ヘッドとに設
けられた複数対のストッパと、上記キャリアと上記印字
ヘッドとの間に係脱自在に設けられた弾性体とを有し、
上記弾性体を上記キャリアと上記印字ヘッドとに係合さ
せると、上記弾性体の付勢力によって上記複数対のスト
ッパがそれぞれ当接して上記印字ヘッドが上記キャリア
の所定位置に固定され、上記弾性体の上記係合を解く
と、上記印字ヘッドが上記キャリアから取り外されるよ
うに構成する。

〔産業上の利用分野〕

この発明は、プリンタのキャリアに着脱自在に設けら
れた印字ヘッドを、キャリアの所定位置に取り付けるた
めのプリンタの印字ヘッド取付装置に関する。

印字ヘッドはプリンタを構成する部品の中で最も消耗
が激しく、しかもその消耗は印字品質に直接影響を及ぼ
すので、交換をしなければならなくなることが少なくな
い。したがって、印字ヘッドは交換し易いようにキャリ
アに取り付ける必要がある。

〔従来の技術〕

第７図は、インパクトドット印字ヘッド51をキャリア
52に取り付けるための従来のプリンタの印字ヘッド取付
装置を示し、第６図はその印字ヘッド51を示しており、
印字ヘッド51は、キャリア52にねじ53によって固定され
ていた。ただし、固定時にはプラテン54と印字ヘッド51
との間隔ｔを正確に所定寸法にしなければならない。そ
こで、キャリア52と印字ヘッド51とに一対の位置決め用
のストッパ55を形成し、このストッパ55を当接させなが
らねじ53を締め付けるようにしていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、ストッパ55を当接させるのは手作業であり、
手加減によってストッパ55を押し当てながらねじ53を締
め付ける工程では、ストッパ55の当たり具合が作業者に
よってばらつく。そのため、プラテン54と印字ヘッド51
との間隔ｔが所定寸法にならず、印字品質不良の原因と
なることがあった。

また、上述の作業は、ドライバなどの工具を必要とす
るうえ、印字ヘッド51の交換作業に時間がかかる欠点が
あった。

本発明は、そのような従来の欠点を解消し、キャリア
の所定位置に印字ヘッドを正確に取り付けることがで
き、しかも工具等を用いることなく着脱作業を簡単に短
時間で行うことができるプリンタの印字ヘッド取付装置
を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本発明のプリンタの印字
ヘッド取付装置は、実施例を説明するための第１図に示
されるように、キャリア１に着脱自在に設けられた印字
ヘッド２を上記キャリア１の所定位置に取り付けるため
のプリンタの印字ヘッド取付装置において、上記印字ヘ
ッド２の上記キャリア１に対する位置決めを複数方向に
おいて行うために上記キャリア１と上記印字ヘッド２と
に設けられた複数対のストッパ3,4と、上記キャリア１
と上記印字ヘッド２との間に係脱自在に設けられた弾性
体５とを有し、上記弾性体５を上記キャリア１と上記印
字ヘッド２とに係合させると、上記弾性体５の付勢力に
よって上記複数対のストッパ3,4がそれぞれ当接して上
記印字ヘッド２が上記キャリア１の所定位置に固定さ
れ、上記弾性体５の上記係合を解くと、上記印字ヘッド
２が上記キャリア１から取り外されるようにしたことを
特徴とする。

そして、上記弾性体５は、ばね性のある金属製線材に
よって形成することができ、上記弾性体５は中間部分で
上記印字ヘッド２と係合すると共にその両側で上記キャ
リア１と係合して、上記印字ヘッド２を前後方向及びそ
れと直角の方向に付勢し、それによって上記複数対のス
トッパ3,4が各々当接するようにしてもよい。

〔作用〕

上記弾性体５を上記キャリア１と上記印字ヘッド２と
に係合させると、上記弾性体５の付勢力によって上記複
数対のストッパ3,4がそれぞれ当接して上記印字ヘッド
２が上記キャリア１の所定位置に固定され、上記弾性体
５の上記係合を解くと、上記印字ヘッド２が上記キャリ
ア１から取り外される。

〔実施例〕

図面を参照して実施例を説明する。

第５図はプリンタの斜視図である。１はキャリアであ
り、図示されていないスペースモータによって、プラテ
ン11の軸線と平行の方向に、ステーシャフト20に沿って
移動する。キャリア１にはインパクトドット印字ヘッド
２が、プラテン11に対向する位置に着脱可能に搭載され
ている。12は、キャリア３な着脱自在に取り付けられた
リボンカセットである。

第１図は、キャリア１から印字ヘッド２を取り外した
状態を示している。キャリア１には、印字ヘッド２を取
り付けるための取付板13が一体に立設されていて、その
上部中央には凹形の溝６が上方から穿設されている。

取付板13の両側上端には各々突片14,15が突設されて
いる。そして、一方の突片（支点側突片）14に穿設され
た孔には、例えばばね用ステンレス鋼線材を用いた金属
製線ばね（弾性体）５の一端が、Ｕ字形に曲げられて、
揺動自在に緩く係止されている。線ばね５の他端側は、
指先などでつまめるように環状に形成されており、その
部分の近傍を係合させられるように、もう一方の突片
（係合側突片）15には、内方に向いた溝15aと後面に小
さな突起15bとが形成されている。

一方、印字ヘッド２には、上方（矢印Ａ方向）から取
付板13の凹溝６にちょうど嵌め込まれる寸法の括れ部７
と、その上方に、線ばね５が緩く嵌め込まれる寸法の細
溝８が形成されている。16は、インパクトドットワイヤ
の先端が整列された印字面。17は電気的接続を行うコネ
クタである。

また、３及び４は、印字ヘッド２のキャリア１に対す
る位置決めを行うために、キャリア１と印字ヘッド２と
に形成された２対のストッパであり、上下方向の位置決
めをするための一対のストッパ３と、前後方向の位置決
めをするためのもう一対のストッパ４とが設けられてい
る。これについては、第２図ないし第４図を参照して以
下に説明をする。

第２図ないし第４図は、上方（第１図の矢印Ａ方向）
から印字ヘッド２の括れ部７をキャリア１の凹溝６に嵌
め込み、線ばね５を印字ヘッド２の細溝８内を経て係合
側突片15に係合させた状態を示している。線ばね５は、
先側を指先でつまんで簡単に操作することができる。そ
して、括れ部７と凹溝６との係合により、印字ヘッド２
のキャリア１に対する左右方向の位置が決まる。なお、
各図において、印字ヘッド２の内部構造は図示が省略さ
れている。

第２図に示されるように、印字ヘッド２の細溝８は、
線ばね５の真直の走行ルートより少し上に位置している
ので、線ばね５は細溝８と係合することによって上下方
向に緩くカーブした状態になり、印字ヘッド２は線ばね
５によって下方（矢印Ｄ方向）に付勢される。

その結果、キャリア１の凹溝６の底面と、印字ヘッド
２の括れ部７の底面とで形成される一対のストッパ３が
当接する。このストッパ３は、キャリア１に対する印字
ヘッド２の上下方向の位置決めを行うように形成されて
おり、ストッパ３が当接することにより、印字ヘッド２
は上下方向に関してキャリア１の所定位置に固定され
る。

また、第４図に示されるように、印字ヘッド２の細溝
８の後面は、線ばね５の真直の走行ルートより少し前に
位置しているので、線ばね５は細溝８と係合することに
よって前後方向に緩くカーブした状態になり、印字ヘッ
ド２は後方（矢印Ｂ方向）に付勢される。

その結果、キャリア１の取付板13の前面と印字ヘッド
２の括れ部７前側の突起の後面とで形成される一対のス
トッパ４が当接する。このストッパ４は、キャリア１に
対する印字ヘッド２の前後方向の位置決めを行うように
形成されており、ストッパ４が当接することにより、印
字ヘッド２は前後方向に関してキャリア１の所定位置に
固定される。

ただし、この線ばね５の付勢力だけが印字ヘッド２に
働くと、第３図に２点鎖線で示されるように、印字ヘッ
ド２が上向きに傾いてしまう。そこで、キャリア１の取
付板13には、印字ヘッド２の下部を、後方（矢印Ｃ方
向）に付勢する補助板ばね18が取り付けられている。し
たがって、印字ヘッド２は、上部を線ばね５によって後
方に付勢されると同時に、下部を補助板ばね18によって
後方に付勢された状態となり、傾くことなくキャリア１
に取り付けられる。

このようにして、印字ヘッド２は、前後、上下、左右
の各方向に関してキャリア１の所定位置に固定され、印
字ヘッド２とプラテン11間の間隔Ｔなどが、何らの調整
的作業を行うことなく正確に所定の状態となる。

なお、印字ヘッド２をキャリア１から取り外す際に
は、線ばね５の先側を指先でつまんで、係合側突片15及
び細溝８との係合を解くだけでよい。

〔発明の効果〕

本発明のプリンタの印字ヘッド取付装置によれば、弾
性体をキャリアと印字ヘッドとに係合させるだけで、弾
性体の付勢力によって複数対のストッパが当接して印字
ヘッドがキャリアの所定位置に固定されるので、工具等
を用いることなく、簡単かつ短時間でキャリアの所定位
置に印字ヘッドを取り付けることができる優れた効果を
有し、さらに、弾性体の係合を解くだけでキャリアから
印字ヘッドを取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は印字ヘッドを取り外した状態の実施例の斜視
図、 第２図は実施例の正面断面図、 第３図は実施例の側面断面図、 第４図は実施例の平面断面図、 第５図は実施例のプリンタの全体斜視図、 第６図は従来例の印字ヘッドの斜視図、 第７図は従来例の側面図である。 図中、１……キャリア、 ２……印字ヘッド、 ３……ストッパ、 ４……ストッパ、 ５……弾性体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−224380（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−219675（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−180742（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−38744（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−20346（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−39252（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭59−23277（ＪＰ，Ｂ１) 実公 平２−43739（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キャリア（１）に着脱自在に設けられた印
   字ヘッド（２）を上記キャリア（１）の所定位置に取り
   付けるためのプリンタの印字ヘッド取付装置において、 上記キャリア（１）には、上記印字ヘッド（２）を取り
   付けるための取付板（13）を、板面の前面がプラテン
   （11）に対向するように立設して、上方が開口した凹形
   の溝（６）及び上下方向ストッパ（３）と前後方向スト
   ッパ（４）とを上記取付板（13）に形成し、 上記印字ヘッド（２）には、その印字ヘッド（２）の印
   字面（16）が上記プラテン（11）と上記取付板（13）と
   の間に位置する如く上記溝（６）に嵌め込まれる括れ部
   （７）と、その括れ部（７）が上記溝（６）に嵌め込ま
   れた状態において、上記取付板（13）のストッパ（3,
   4）にそれぞれ当接し得るストッパ（3,4）とを設けると
   ともに、 上記印字ヘッド（２）に前方に向けて開口形成された溝
   （８）と係合することにより、上記印字ヘッド（２）を
   下方向及び上記取付板（13）の板面と垂直の前後方向に
   付勢して、上記ストッパ（3,4）をそれぞれ相互に当接
   させる弾性体（５）を上記キャリア（１）に設けたこと
   を 特徴とするプリンタの印字ヘッド取付装置。
2. 【請求項２】上記弾性体（５）が、上記溝（６）の両側
   方に形成された突片（14,15）にその両端が係合される
   ばね性のある金属製線材よりなる請求項１記載のプリン
   タの印字ヘッド取付装置。