JP3306561B2

JP3306561B2 - 容器のキャップ装置

Info

Publication number: JP3306561B2
Application number: JP30770793A
Authority: JP
Inventors: 一郎荒井
Original assignee: Shinko Chemical Co Ltd
Current assignee: Shinko Chemical Co Ltd
Priority date: 1993-12-08
Filing date: 1993-12-08
Publication date: 2002-07-24
Anticipated expiration: 2017-07-24
Also published as: JPH07156955A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ねじ付きのキャップ
を使用し、良好な密閉性を実現することができる容器の
キャップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】薬液などを収容するプラスチック製の容
器において、キャップの天面に環状の突条を形成し、容
器の口部の端面に、キャップ側の突条に適合する凹溝を
形成することにより、良好な気密性、水密性を実現する
ことができるキャップ装置が提案されている（実開昭５
２−１１８７４０号公報）。

【０００３】このものは、キャップ側の突条を断面Ｖ字
状とし、容器側の凹溝は、突条の断面形状に合わせて断
面Ｖ字状となっている。そこで、このものは、キャップ
を締めることにより、突条が凹溝内に嵌入し、凹溝内に
おいて圧縮変形するから、良好な密閉性能を実現するこ
とができるという。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、キャップの密閉性は、容器側の凹溝の両壁面に
対し、キャップ側の突条の両側面が均一に密着すること
に依存しているから、キャップがねじ付きであり、多数
回の開閉を必要とする用途には、適用困難であるという
問題があった。すなわち、キャップを外したとき、容器
の口部の端面にきずが付いたりして、凹溝の壁面に部分
的な欠陥が生じると、密閉性が簡単に失われてしまう
上、キャップを締める際に、キャップが口部に対して偏
心しがちであり、その場合にも、十分な密閉性能を得る
ことができないからである。なお、このような不適正な
状態でキャップを締めると、突条や凹溝の形状を損い、
その後は、如何に正確にキャップを装着しても、密閉性
能を回復させることは困難である。

【０００５】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、キャップ側の突条に対し、格段に広幅
の凹溝を口部の端面に形成することによって、キャップ
がねじ付きであり、多数回の開閉を必要とする用途に対
しても、十分に適用可能な容器のキャップ装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、ねじ付きの口部を有する容器
と、口部に装着するねじ付きのキャップとからなり、キ
ャップは、環状の突条を天面に形成し、口部の端面に
は、頂部に向けて幅が漸減する突条に対応し、突状の中
間幅より広幅の環状の凹溝を形成し、キャップを締める
と、突条の頂部が凹溝の底部に当接して変形することを
その要旨とする。

【０００７】なお、突条は、断面形状を非対称に形成す
ることができ、また、オーバハングを有することができ
る。

【０００８】さらに、キャップは、口部に嵌合する筒体
を天面に形成してもよい。

【０００９】

【作用】かかる発明の構成によるときは、容器の口部側
の凹溝は、キャップ側の突条より十分広幅に形成されて
おり、密閉性能は、突条が凹溝の底部に当接して変形す
ることによって実現されている。そこで、口部の端面に
きずが付き、凹溝の壁面が部分的に損傷した場合であっ
ても、凹溝の底部が健全である限り、密閉性が損われる
おそれがない。また、キャップを締める際、キャップが
偏心したりしても、それによって密閉性能が回復不能に
損われたりするおそれもない。

【００１０】突条の断面形状を非対称に形成するとき
は、突条は、その断面形状により、たとえば、内周側に
のみ選択的に変形することができるから、一層良好な密
閉性を実現することができる。

【００１１】突条に内周側のオーバハングを設ければ、
突条は、一層効果的に内周側に変形させ、良好な密閉性
を実現することが可能である。ただし、オーバハング
は、突条の内周側に設ける他、外周側にも設けることが
できる。オーバハングは、その形成方向に拘らず、突条
の変形度合を大きくし、突条と凹溝の底部との密着性を
向上させることができるからである。

【００１２】キャップの天面に筒体を形成するときは、
筒体は、口部に嵌合することにより、独立のシール部分
を形成することができ、さらに密閉性能を向上させるこ
とができる。

【００１３】

【実施例】以下、図面を以って実施例を説明する。

【００１４】容器のキャップ装置は、ねじ付きの口部１
１を有する容器１０と、ねじ付きのキャップ２０とを組
み合わせてなる（図１、図２）。

【００１５】容器１０は、所定容量のプラスチック製容
器であり、口部１１の外周には、雄ねじ１２の他、キャ
ップ２０の下端部を安定させるための環状のリブ１３が
形成されている。また、口部１１の外周上端部には、段
部１４が形成され、口部１１の端面には、環状の凹溝１
５が形成されている。

【００１６】キャップ２０は、口部１１に適合するプラ
スチック製の蓋体であり、内周には、雄ねじ１２に適合
する雌ねじ２１が形成され、外周には、ローレット２２
が形成されている。また、キャップ２０の天面２０ａに
は、スカート状の筒体２３と、環状の突条２４とが形成
されている。

【００１７】筒体２３の外周下端部は、先細に形成され
ており、中間部より上方の外径は、口部１１の内径に対
し、口部１１内に嵌合するように設定するものとする。
また、突条２４は、筒体２３に対して同心円状に配置さ
れており、容器１０側の凹溝１５に対応するようにし
て、頂部２４ａに向けて幅が漸減する断面Ｖ字状に形成
されている（図３）。突条２４の高さｈは、凹溝１５の
深さｄに対し、ｈ＞ｄであり、凹溝１５の幅ｗは、突条
２４の中間幅ｗ1 に対し、ｗ≫ｗ1 となっている。ただ
し、突条２４の中間幅ｗ1 とは、天面２０ａからの距離
ｈ1 ≒ｈ−ｄにおける突条２４の幅をいう。

【００１８】かかるキャップ２０は、雄ねじ１２、雌ね
じ２１を介し、容器１０の口部１１に対し、取外し自在
に装着することができる。また、キャップ２０を締める
とき、キャップ２０側の筒体２３が口部１１に嵌合する
とともに、突条２４の頂部２４ａが凹溝１５の底部１５
ａに当接して変形するので（図３の二点鎖線）、良好な
密閉性を得ることができる。なお、凹溝１５は、突条２
４の中間幅ｗ1 よりも十分に広幅であるから、キャップ
２０を締める際に、キャップ２０が多少偏心したりして
も、突条２４、凹溝１５の相対関係は、実質的に一定に
保つことができる。

【００１９】以上の説明において、キャップ２０の筒体
２３は、口部１１に嵌合することにより、口部１１との
間に独立のシール部分を形成するとともに、突条２４と
凹溝１５との相対関係を一定に保つためにも有効であ
る。ただし、筒体２３は、凹溝１５の幅ｗを十分大きく
することにより、これを省略してもよい。凹溝１５の幅
ｗが大きければ、キャップ２０が多少偏心したとして
も、突条２４は、凹溝１５の底部１５ａに対し、安定に
当接することができるからである。

【００２０】

【他の実施例】キャップ２０側の突条２４は、その頂部
２４ａを円弧状に丸めてもよい（図４）。頂部２４ａ
は、凹溝１５の底部１５ａに当接して変形するとき、底
部１５ａに対する接触面積を大きくとることができるか
ら、キャップ２０が容器１０よりも軟質である場合に、
一層良好な密閉性を実現することができる。

【００２１】突条２４は、断面形状を非対称としてもよ
い（図５）。また、突条２４は、その内周側にオーバハ
ングａを設けてもよい（同図）。突条２４は、頂部２４
ａが凹溝１５の底部１５ａに当接するとき、極めて容易
に内周側に変形し、密閉性能を一層向上させることがで
きる。なお、このときのオーバハングａは、キャップ２
０を成形する際に型抜きが困難にならないように、材質
によって許容される微少量に留めるべきである。また、
オーバハングａは、突条２４の外周側に設けてもよい。

【００２２】キャップ２０には、乾燥剤Ｋを収納するた
めの中蓋３０を装着することができる（図６、図７）。

【００２３】キャップ２０には、天面２０ａに接近して
環状の係合リブ２５を形成する他、天面２０ａの中心部
に小径の筒体２６が垂設されており、筒体２６の外周に
も、係合リブ２６ａが形成されている。一方、中蓋３０
は、底部に通気孔３１、３１を有する浅い皿状に形成さ
れており、上部のフランジ３２は、キャップ２０の天面
２０ａにおける内径に等しく形成されている。また、フ
ランジ３２の下面３２ａには、口部１１に嵌合する筒体
３３と、凹溝１５に対応する環状の突条３４とが形成さ
れている。なお、中蓋３０の内周には、キャップ２０側
の係合リブ２６ａに対して上方から係合する係合リブ３
５が形成されている。

【００２４】中蓋３０は、内部に乾燥剤Ｋを収納した
上、キャップ２０の内部に押し込むと、フランジ３２の
外周が係合リブ２５を越え、係合リブ３５が係合リブ２
６ａを越えることにより、キャップ２０に対して一体に
装着することができる。そこで、かかる中蓋３０付きの
キャップ２０を容器１０の口部１１に装着すれば、中蓋
３０の筒体３３、突条３４は、図１ないし図３の実施例
における筒体２３、突条２４と全く同様に作用して、良
好な密閉性を実現することが可能である。すなわち、こ
の発明において、キャップ２０の天面２０ａとは、中蓋
３０のフランジ３２の下面３２ａを含むものとし、突条
２４とは、突条３４を含むものとし、筒体２３とは、筒
体３３を含むものとする。

【００２５】なお、図６、図７の実施例において、乾燥
剤Ｋは、脱臭剤であってもよく、また、筒体３３は、こ
れを省略してもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、キャップの天面に突条を形成し、容器の口部の端面
に広幅の凹溝を形成することによって、突条は、頂部が
凹溝の底部に当接して変形することにより良好な密閉性
を実現し、凹溝の壁面に接触することがないから、キャ
ップを締める際に、キャップが偏心したりしても、ある
いは、口部の端面にきずが付いたりしても、密閉性能が
損われるおそれがなく、したがって、キャップがねじ付
きであり、多数回の開閉操作を必要とする用途に対して
も、好適に適用することができるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体構成図

【図２】要部拡大図

【図３】動作説明図

【図４】他の実施例を示す図３相当図（１）

【図５】他の実施例を示す図３相当図（２）

【図６】他の実施例を示す図１相当図

【図７】他の実施例を示す図２相当図

【符号の説明】

ａ…オーバハングｗ1 …中間幅１０…容器１１…口部１５…凹溝１５ａ…底部２０…キャップ２０ａ…天面２３…筒体２４…突条２４ａ…頂部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 41/04 B65D 53/02

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ねじ付きの口部を有する容器と、前記口
部に装着するねじ付きのキャップとからなり、該キャッ
プは、環状の突条を天面に形成し、前記口部の端面に
は、頂部に向けて幅が漸減する前記突条に対応し、該突
状の中間幅より広幅の環状の凹溝を形成し、前記キャッ
プを締めると、前記突条の頂部が前記凹溝の底部に当接
して変形することを特徴とする容器のキャップ装置。
【請求項２】前記突条は、断面形状を非対称に形成す
ることを特徴とする請求項１記載の容器のキャップ装
置。
【請求項３】前記突条は、オーバハングを有すること
を特徴とする請求項２記載の容器のキャップ装置。
【請求項４】前記キャップは、前記口部に嵌合する筒
体を天面に形成することを特徴とする請求項１ないし請
求項３のいずれか記載の容器のキャップ装置。