JP3302716B2 - 除湿剤 - Google Patents

除湿剤

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佳徳 井下
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エステー化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンス、押し入れ、衣
料収納容器、プラスチック製袋体内等に設置し、衣類、
ふとん等の乾燥に利用される除湿剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マンション等のコンクリート住宅
が増加するにつれて、屋内、特に押し入れ等の湿気が大
きな問題となり、湿気を除去するための除湿剤がひろく
使用されている。現在提供されている除湿剤は、通気性
を有する微多孔膜等の透湿性フィルムと非通気性フィル
ムで構成される袋体中に塩化カルシウム、シリカゲル等
の化学物質が吸湿薬剤として充填されていることが多
く、透湿性フィルムの微孔等を通して空中の水蒸気を吸
湿薬剤が吸収するが、一旦吸収された水分はこの微孔か
ら除湿剤外に出ない構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現実には塩
化カルシウムのような潮解性物質を除湿成分として使用
する除湿剤では、潮解した溶液が除湿剤より外部に滲み
だし、衣類や毛皮等を汚染することがままあり、その解
決が強く求められていた。したがって、このような問題
を生じない除湿剤の開発が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく滲みだしが生じるメカニズムについて種々
検討を行なった。 そしてその結果、滲みだしは、透湿
性フィルム上の表面張力の変化に基づいて発生する現象
であり、このような現象は透湿性フィルムを撥水処理す
ることにより防げることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、成型容器体の少なくと
も1面に、撥水処理した微多孔膜からなる透湿性フィル
ムでシールされた通気部を設け、当該成型容器体内に吸
湿薬剤を封入したことを特徴とする除湿剤を提供するも
のである。
【0006】以下図面とともに本発明を説明する。図1
は、本発明の1実施例である除湿剤の外観を示す図面、
図2はその断面を示す図面である。 図1に示す容器体
5 は成型により調製されたものであり、その上側が通
気部 4 となっている。 この通気部 4 は、下側を撥
水透湿性フィルム 2 、上側を保気性保護材 1 でシー
ルされており、この部分から内部に空気が流通し、充填
された吸湿薬剤 3 に水蒸気が吸湿される。
【0007】撥水透湿性フィルム 2 は、水蒸気を通過
させ、吸湿薬剤 3 に一定速度で吸着させるものであ
り、撥水剤を用い、常法に従って透湿フィルムを撥水剤
処理することにより調製される。
【0008】この透湿性フィルムとしては、一般に透湿
性フィルムとして使用されているウレタンフィルムや、
微多孔膜、例えばセルポア(積水化学(株))、NFシ
ート(徳山曹達(株))、ニトフロン(日東電工
(株))等の商品名で市販されているものを使用するこ
とができる。 好ましい透湿性フィルムのうち、微多孔
膜としては、その平均孔径が1μm程度で、最大孔径1
0μm、最小孔径0.1μm程度のものが挙げられる。
【0009】撥水処理の例としては、透湿フィルムに撥
水剤を刷毛やローラーで塗布するコーティング法、撥水
剤を噴霧塗布するスプレー法、撥水剤溶液に浸漬するデ
ィッピング法等が挙げられ、これらの何れの方法で行な
っても良い。
【0010】撥水剤による処理は、透湿フィルムの片面
または両面を行なうが、両面について撥水剤処理を行な
うことが好ましく、片面処理の場合は吸湿薬剤と接する
面を行なうほうが効果的である。
【0011】この処理において用いられる撥水剤として
は、公知の撥水剤、例えばフッ素樹脂系、シリコン樹脂
系、ワックスエマルジョン系、アクリル樹脂パラフィン
ワックス併用系、金属錯塩系、アルキル尿素系等の撥水
剤を挙げることができる。
【0012】これらの中でも、フッ素樹脂系もしくはシ
リコン樹脂系のものを用いることが好ましい。 より具
体的には、水系のフッ素樹脂系撥水剤であるアサヒガー
ド AG−610、同AG−620、同AG−640
や、溶剤系のフッ素樹脂系撥水剤であるアサヒガードA
G−410、同AG−430(以上、旭硝子(株)製)
等の市販のフッ素樹脂系撥水剤や、水系シリコン樹脂系
撥水剤であるポロンMF40、ポロンC、溶剤系のシリ
コン樹脂系撥水剤であるポロンA(以上、信越シリコー
ン(株)製)等の市販のシリコン樹脂系撥水剤を用いる
ことができる。
【0013】保気性保護材 1 は、撥水透湿性フィルム
2 の面を直接物体に接触させず、一定の空気を保持で
きるシートであり、必須ではないが存在するほうがより
好ましい。 この保気性保護剤は、上記性質を満足する
ものであれば、その材質は問わず、例えば、不織布、パ
ルプ製マット、ウレタンスポンジ、和紙、布、ネット等
が利用される。 この保気性保護材は、その厚みが少な
くとも0.1mm以上であることが好ましい。
【0014】また、容器体 5 は、難透湿性の材質であ
ることが必要であり、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル等の高分子材料により調製されたも
のを利用することができる。成型容器体 5 の中に封入
される吸湿薬剤 4 としては、公知の化合物を利用する
ことができ、例えば塩化カルシウム、五酸化リン等の潮
解性物質、シリカゲル、ゼオライト等の多孔性吸湿物質
等が挙げられる。
【0015】本発明吸湿剤において、吸湿薬剤として潮
解性物質を用いるときは、これと増粘性物質を組み合わ
せることができる。 このような増粘性物質の例として
はポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド、天然ガム類等が挙げられる。
【0016】図3は、複数の面に複数の通気部を有する
別のタイプの本発明除湿剤を示す図面である。この除湿
剤では、通気部を有する面の内側は、図4の部分断面図
に示すように保気性保護材−透湿フィルムの二重層によ
りシールされている。
【0017】図5は吊下げタイプの本発明除湿剤を示す
図面である。 この除湿剤では、正面および裏面に複数
のスリット状の通気部を有し、側面上部には吸湿薬剤の
状態を観察するための透明窓 6 が設けられている。
【0018】この透明窓 6 から吸湿薬剤の状態を目で
観察することにより、除湿剤の寿命を判断できる。 例
えば、潮解性物質を吸湿薬剤として用いる場合、吸湿に
従って固形状物質が流動性を帯びてくるので、これを観
察し、その寿命を判断すれば良い。
【0019】図6は据置タイプの本発明除湿剤を示す図
面である。 この除湿剤の成型容器体は、図7で示すよ
うに、容器体上部 5a と容器体下部 5b を支持柱 8
で連結しており、支持柱 8 の間の空間が通気部となっ
ている。 このタイプの除湿剤においては、支持柱 8
の外側をまず、撥水透湿性フィルム 2 で包み、更にそ
の外側を保気性保護材 1 で包み込む構造となってい
る。
【0020】以上のように構成される本発明の除湿剤に
より、除湿剤に生じる結露、滲みだしの問題を解決する
ことができるが、更に、保気性保護材の種類、厚み、目
付等を調製することにより、水蒸気吸収時間、すなわち
使用期間を調整することも可能である。
【0021】
【作用】本発明の除湿剤により、一旦吸収した水分の滲
みだしを防止できる理由は、未だ定かでないが、水分が
滲みでる機構は、次のように推定される。 すなわち、
通常は吸収された水分は微孔を通過しえないが、例えば
手指に付着したクリーム等の化粧品や洗剤に含まれる活
性剤が付着したり、吸湿薬剤に表面張力を下げる物質が
混入していた場合、透湿フィルム表面や吸収水の表面張
力が変化し、この結果吸収水が微孔を通過できるように
なるためと考えられている。
【0022】
【発明の効果】本発明の除湿剤は、水分を長期間にわた
りコンスタントに吸収するので、長期間にわたりタンス
や押し入れ等に設置することができ、また、水分を飽和
に吸収したとしても、結露を生じさせることがないの
で、安心して衣類やふとん等に使用することができる。
また、潮解性吸湿剤による滲みだしもないので、高級
衣料や毛皮等に対しても安心して使用できるものであ
る。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を説明する。
【0024】実 施 例 (1)除湿剤の調製 上部に開口部を有する、上面の面積が64cm2、高さ
11cmの大きさのポリエチレン製容器体(約直径9c
mの円筒)に塩化カルシウム180gを充填した。 こ
の容器体の開口部に、上面面積と同じ大きさの撥水処理
したセルポア(ポリエチレン製微多孔シート;平均孔径
1μm;積水化学工業(株)製)、次いで保気性保護
材を融着させて除湿剤を調製した。 保気性保護材とし
ては、厚さ0.15mmのスパンボンド不織布(目付 3
0g/m2)(本発明除湿剤A)および厚さ3mmの、
フッ素樹脂で撥水処理したパルプ製マット(目付 12
0g/m2)(本発明除湿剤B)を用いた。
【0025】セルポアのフッ素樹脂系撥水剤による処理
は、撥水剤としてアサヒガード AG−640(溶液タ
イプ)を用いた。 この撥水剤処理は、外側(透湿面
側)片側のみ、内側(吸湿薬剤側)片面のみおよび両面
の3通り行ない、片面塗布についてはペンキ塗用ローラ
ーで5往復させることにより行ない、両面処理の場合は
撥水剤に浸漬することによって行なった。 何れの場合
も、その後80℃で1〜2分放置した。
【0026】(2)滲みだし試験 (1)で得られた試験除湿剤を1区5個とし、その外側
(透湿面側)をハンドクリームを塗った直後の手で触っ
た。 ついで、これを40℃で90%飽和吸湿せしめ、
除湿剤を横にし、透湿面と潮解液が接触するようにし
た。 この除湿剤に次いて、滲みだしの有無を21日間
にわたって観察し、5個中いくつから滲みだしがあった
かを記録した。 この結果を表1に示す。
【0027】なお、対照品としては、撥水処理しないセ
ルポアを用い、かつ、ハンドクリームの手で触らなかっ
た除湿剤を用い、比較品としては、撥水処理しないセル
ポアを用い、かつ、ハンドクリームの手で触った除湿剤
を用いた。
【0028】
【0029】この結果から明らかなように、フッ素樹脂
系撥水剤で透湿フィルムを処理することにより、滲みだ
しを防ぐことが可能となり、特に両面を撥水処理した場
合は全く滲みだしが認められなかった。
【0030】実 施 例 2 フッ素樹脂系撥水剤をシリコン樹脂系撥水剤に代え、実
施例1(1)に準じて除湿剤を調製した。 シリコン樹
脂系撥水剤としては、ポロンMF−40を用い、塗布
後、80℃で1時間放置した。また、得られた除湿剤の
滲みだし試験を実施例1(2)に準じて5日間行なっ
た。 この結果を表2に示す。
【0031】
【0032】この結果から明らかなように、シリコン樹
脂系撥水剤で透湿フィルムを処理した場合も、滲みだし
を防ぐことが可能となり、特に両面を撥水処理した場合
は全く滲みだしが認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明除湿剤の一例の外観を示す図面。
【図2】図1で示す除湿剤の断面を示す図面。
【図3】本発明除湿剤の他の一例の外観を示す図面。
【図4】図3で示す除湿剤の部分断面図を示す図面。
【図5】本発明除湿剤の別の一例を示す図面。
【図6】本発明除湿剤の他の別の一例を示す図面。
【図7】図6の除湿剤の成型容器体の形状を示す図面。
【符号の説明】
1 保気性保護材 6 透明窓 2 撥水透湿性フィルム 7 フック 3 吸湿薬剤 8 支持柱 4 通気部 5a 容器体上部 5 容器体 5b 容器体下部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−79630(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/26 101 B65D 81/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成型容器体の少なくとも1面に、撥水処
    理した微多孔膜からなる透湿性フィルムでシールされた
    通気部を設け、当該成型容器体内に吸湿薬剤を封入した
    ことを特徴とする除湿剤。
  2. 【請求項2】 成型容器体の1部が透明である請求項第
    1項記載の除湿剤。
  3. 【請求項3】 透湿性フィルムの上側に保気性保護材を
    設けた請求項第1項または第2項記載の除湿剤。
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