JP3301630B2 - 除湿剤 - Google Patents

除湿剤

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佳徳 井下
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エステー化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンス、押し入れ、衣
料収納容器、プラスチック製袋体内等に設置し、衣類、
ふとん等の乾燥に利用される除湿剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マンション等のコンクリート住宅
が増加するにつれて、屋内、特に押し入れ等の湿気が大
きな問題となり、湿気を除去するための除湿剤がひろく
使用されている。現在提供されている除湿剤は、通気性
を有する微多孔膜等の透湿性フィルムと非通気性フィル
ムで構成される袋体中に塩化カルシウム、シリカゲル等
の化学物質が吸湿薬剤として充填されていることが多
く、透湿性フィルムの微孔等を通して空中の水蒸気を吸
湿薬剤が吸収するが、一旦吸収された水分はこの微孔か
ら除湿剤外に出ない構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現実には塩
化カルシウムのような潮解性物質を除湿成分として使用
する除湿剤では、潮解した溶液が除湿剤より外部に滲み
だし、衣類や毛皮等を汚染することがままあり、その解
決が強く求められていた。したがって、このような問題
を生じない除湿剤の開発が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく滲みだしが生じるメカニズムについて種々
検討を行なった。 そしてその結果、滲みだしは、透湿
性フィルム上の表面張力の変化に基づいて発生する現象
であり、このような現象は透湿性フィルムを撥水処理す
ることにより防げることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、一部または全部が透湿
性フィルムよりなる袋体内に吸湿薬剤を封入した除湿剤
において、透湿フィルムを撥水処理したことを特徴とす
る除湿剤を提供するものである。
【0006】本発明の除湿剤において用いる透湿フィル
ムの撥水処理は、撥水剤を用い、常法に従って処理すれ
ば良い。撥水処理の例としては、透湿フィルムに撥水剤
を刷毛やローラーで塗布するコーティング法、撥水剤を
噴霧塗布するスプレー法、撥水剤溶液に浸漬するディッ
ピング法等が挙げられ、これらの何れの方法で行なって
も良い。撥水剤による処理は、透湿フィルムの片面また
は両面を行なうが、両面について撥水剤処理を行なうこ
とが好ましく、片面処理の場合は吸湿薬剤と接する面を
行なうほうが効果的である。
【0007】この処理において用いられる撥水剤として
は、公知の撥水剤、例えばフッ素樹脂系、シリコン樹脂
系、ワックスエマルジョン系、アクリル樹脂パラフィン
ワックス併用系、金属錯塩系、アルキル尿素系等の撥水
剤を挙げることができる。これらの中でも、フッ素樹脂
系もしくはシリコン樹脂系のものを用いることが好まし
い。 より具体的には、水系のフッ素樹脂系撥水剤であ
るアサヒガード AG−610、同AG−620、同A
G−640や、溶剤系のフッ素樹脂系撥水剤であるアサ
ヒガードAG−410、同AG−430(以上、旭硝子
(株)製)等の市販のフッ素樹脂系撥水剤や、水系シリ
コン樹脂系撥水剤であるポロンMF40、ポロンC、溶
剤系のシリコン樹脂系撥水剤であるポロンA(以上、信
越シリコーン(株)製)等の市販のシリコン樹脂系撥水
剤を用いることができる。
【0008】本発明の除湿剤は、上記のように透湿フィ
ルムを撥水処理する以外は従来公知の方法によって製造
することができる。
【0009】すなわち、透湿フィルムとしては、水蒸気
を通過させ、これを吸湿薬剤に一定速度で吸着させるも
のが使用でき、例えば、ウレタンフィルムや、微多孔フ
ィルム、例えばセルポア(積水化学(株))、NFシー
ト(徳山曹達(株))、ニトフロン(日東電工(株))
等の商品名で市販されているもの等を使用することがで
きる。透湿性フィルムのうち、好ましい微多孔膜として
は、その平均孔径が1μm程度で、最大孔径10μm、
最小孔径0.1μm程度のものが挙げられる。
【0010】本発明の除湿剤は、その袋体の一部または
全部がこの透湿フィルムで構成されるのであるが、一部
が透湿フィルムでない場合、この部分は難透湿性フィル
ムで構成することが好ましい。 難透湿性フィルムは、
透湿フィルムと比較した場合、実質的に水、水蒸気を通
過させないフィルムであり、具体的にはポリエチレンや
ポリプロピレン等のフィルム、これに更に他の高分子物
質を加えて調製したフィルム、ラミネートフィルム等が
挙げられる。 なお、難透湿性フィルムとして透明また
は半透明のものを使用した場合は、吸湿薬剤の変化が観
察できるのでより好ましい。
【0011】この難透湿性フィルムは、透湿フィルムと
関係なく選択することもできるが、一般には、袋体を形
成するときの工程上、特に接着性の面から同質のフィル
ムを利用することが好ましい。
【0012】さらに、本発明の除湿剤において、袋体の
中に封入される吸湿薬剤としては、公知の潮解性化合
物、例えば塩化カルシウム、五酸化リン等を利用するこ
とができ、更に必要に応じてこれと増粘性物質を組み合
わせることができる。 このような増粘性物質の例とし
ては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド、天然ガム類等が挙げられる。
【0013】更に本発明の除湿剤においては、必要に応
じて透湿性フィルムの前面に保気性保護材層を設けるこ
ともできる。 この保気性保護材は、透湿性フィルムの
面を直接、例えば指等に接触させず、一定の空気を保持
できるものであれば、その材質は問わず使用することが
できる。 保気性保護材の好ましい例としては、保気性
保護シートが挙げられ、より具体的には、不織布、パル
プ製マット、ウレタンスポンジ、和紙、布、ネット等が
例示される。 この保気性保護材は、その厚みが少なく
とも0.1mm以上のシートであることが好ましい。
【0014】
【作用】本発明の除湿剤により、一旦吸収した水分の滲
みだしを防止できる理由は、未だ定かでないが、水分が
滲みでる機構は、次のように推定される。 すなわち、
通常は吸収された水分は微孔を通過しえないが、例えば
手指に付着したクリーム等の化粧品や洗剤に含まれる活
性剤が付着したり、吸湿薬剤に表面張力を下げる物質が
混入していた場合、透湿フィルム表面や吸収水の表面張
力が変化し、この結果吸収水が微孔を通過できるように
なるためと考えられている。
【0015】
【発明の効果】本発明の除湿剤は、潮解性吸湿剤による
滲みだしがないので、高級衣料や毛皮等に対しても安心
して使用することができる。
【0016】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を説明する。 実 施 例 1 (1)除湿剤の調製 10cm×13cmの大きさの透明ポリエチレン−ナイ
ロンシートと、フッ素樹脂系撥水剤で撥水処理したセル
ポアNW−07(ポリエチレン製微多孔シート;平均孔
径 1μm;積水化学工業(株)製)の3辺を加熱融着
させ、この中に塩化カルシウム15gおよびα化澱粉
(増粘剤)5gをいれ、残りの辺を加熱融着して除湿剤
を調製した。
【0017】セルポアのフッ素樹脂系撥水剤による処理
は、撥水剤としてアサヒガード AG−640(溶液タ
イプ)を用いた。 この撥水剤処理は、外側(透湿面
側)片側のみ、内側(吸湿薬剤側)片面のみおよび両面
の3通り行ない、片面塗布についてはペンキ塗用ローラ
ーで5往復させることにより行ない、両面処理の場合は
撥水剤に浸漬することによって行なった。 何れの場合
も、その後80℃で1〜2分放置した。
【0018】(2)滲みだし試験 (1)で得られた試験除湿剤を1区5個とし、その外側
(透湿面側)をハンドクリームを塗った直後の手で触っ
た。 ついで、これを40℃で90%飽和吸湿せしめ、
同条件で吊下げておき、滲みだしの有無を21日間にわ
たって観察し、5個中いくつから滲みだしがあったかを
記録した。 この結果を表1に示す。
【0019】なお、対照品としては、撥水処理しないセ
ルポアを用い、かつ、ハンドクリームの手で触らなかっ
た除湿剤を用い、比較品としては、撥水処理しないセル
ポアを用い、かつ、ハンドクリームの手で触った除湿剤
を用いた。
【0020】
【0021】この結果から明らかなように、フッ素樹脂
系撥水剤で透湿フィルムを処理することにより、滲みだ
しを防ぐことが可能となり、特に両面を撥水処理した場
合は全く滲みだしが認められなかった。
【0022】実 施 例 2 フッ素樹脂系撥水剤をシリコン樹脂系撥水剤に代え、実
施例1(1)に準じて除湿剤を調製した。 シリコン樹
脂系撥水剤としては、ポロンMF−40を用い、塗布
後、80℃で1時間放置した。また、得られた除湿剤の
滲みだし試験を実施例1(2)に準じて5日間行なっ
た。 この結果を表2に示す。
【0023】
【0024】この結果から明らかなように、シリコン樹
脂系撥水剤で透湿フィルムを処理した場合も、滲みだし
を防ぐことが可能となり、特に両面を撥水処理した場合
は全く滲みだしが認められなかった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−294581(JP,A) 特開 昭63−35419(JP,A) 実開 平1−94088(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/26 101 B65D 81/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部または全部が透湿性フィルムよりな
    る袋体中に吸湿薬剤を封入した除湿剤において、透湿
    フィルムを撥水処理したことを特徴とする除湿剤。
  2. 【請求項2】 透湿フィルムの撥水処理が、フッ素樹
    脂系またはシリコン樹脂系撥水剤を用いて行われるもの
    である請求項第1項記載の除湿剤。
  3. 【請求項3】 透湿性フィルムの前面に保気性保護材を
    設けたものである請求項第1項または第2項記載の除湿
    剤。
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