JP3286765B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
リードのはんだ接合部の信頼性を向上させた半導体装置
に関する。
部の信頼性を向上させる従来技術としては、特開昭59
−108334号公報、特開昭63−255950号公
報、特開平1−140647号公報および特開平3−1
57961号公報に開示されているように、はんだ接合
部の空間を確保して、この空間内に充分な量のはんだを
充填させるようにすることが提案されている。
は、はんだのぬれ性を良くすることにより信頼性を向上
させることが、また、特開昭63−181363号公報
および特開昭64−19756号公報には、はんだのぬ
れ性を制御することにより信頼性を向上させることがそ
れぞれ提案されている。
る表面実装型半導体装置は、リードを基板に直接はんだ
付けする構造となっている。ところが、一般に半導体装
置のパッケージと基板の線膨張係数が異なるため、繰返
しの温度変化に対してはんだ接合部に繰返しの熱ひずみ
が加わる。このため、はんだ接合部が熱疲労破壊するこ
とがあり、信頼性の面で問題となっている。
子装置の製造時や使用時に、基板に曲げ変形が生じ、こ
のためにはんだ接合部が破壊することもある。特に最近
は、高密度実装のために、はんだ接合部が微細化してお
り、はんだ接合部の信頼性がますます厳しくなってい
る。
けられているが、はんだ接合部の信頼性が最も厳しくな
るのは、ほとんどの場合半導体装置の隅部に配置された
リードのはんだ接合部である。これには2つの理由があ
り、4方向にリードが配置されたQFPパッケージ(ク
アッドフラットパッケージ)を例にそれを説明する。
されたQFPパッケージの平面図を図11に示す。パッ
ケージ2の側面に設けられたリード1−1〜1−44
(図ではリードの全てに符号を記してないが、符号は左
周りに1−1〜1−44の順となっている)は、はんだ
6により基板8に設けられた配線板7に接合されてい
る。
ージ2と基板8の線膨張係数が異なるので、リード1−
1〜1−44の根元は、基板8に対して図に示すx,y
方向に変位する。このとき、変形の中心は、パッケージ
2の中心に一致するので、パッケージ2の中心線上のリ
ード1−6,1−17,1−28,1−39はxあるいは
yの一方向のみに変位する。これに対し、パッケージの
隅部に配置されたリード1−1,1−11,1−12,1
−22,1−23,1−33,1−34,1−44は、x,
y両方向にほぼ同じ量だけ変位する。このため、隅部に
近いリードの方がはんだ接合部に発生するひずみが大き
くなり、信頼性が厳しくなる。基板の曲げ変形により生
じるはんだ接合部のひずみについても同様である。
半導体装置のリードは、非常に微細化しており、実装時
に加わるわずかな外力によってもパッケージの平面内で
曲がりが生じることがある。この時、確率的に最も外力
が加わりやすいのは、図12に示すように、パッケージ
2の隅部に位置するリード(例えばリード1−1)であ
り、このリードの内側のリード(例えばリード1−2)
は、外側のリード1−1にガードされるので、曲がりが
生じにくい。このような曲がりが生じたリードをはんだ
付けすると、リードと基板の配線板がずれているので、
はんだ接合面積が小さくなり、破壊が生じやすくなる。
性を向上させるようにした、前述の従来技術のうち、は
んだ接合部の空間を確保してその空間内にはんだを充填
する方法はリードの形状が複雑になるため、微細化した
リードに適用することが困難である。さらに、はんだの
ぬれ性向上あるいはぬれ性制御により信頼性を向上させ
る方法もリードの形状が複雑になり、効果を保証するの
が困難であるといった欠点がある。また、従来技術では
いずれのものも、リードの微細化やパッケージの隅部に
配置されたリードに対する配慮がなされていなかった。
されたリードのはんだ接合部の信頼性を向上させること
ができる半導体装置を提供することである。
めに、本発明は、半導体チップと、該半導体チップに電
気的に接続された複数のリードと、前記半導体チップを
封止するとともに前記リードを部分的に封止する封止体
とを備えた半導体装置において、前記封止体の隅部に配
置されたリードと該リードに隣接するリードとからなる
2つのリードは、前記封止体の内部で一体にされ、前記
封止体の隅部の一の側辺と他の側辺に配置されたそれぞ
れ前記2つのリードは半導体チップの別の電極に接続さ
れてなることを特徴とするものである。
いて、前記隅部に配置された前記リードの幅を、他のリ
ードの幅よりも広くしたことを特徴とするものである。
いずれかを電子装置に実装したものである。
を、これに隣接するリードと電気的に短絡させた構成と
した場合は、隅部に配置されたリードのはんだ接合部が
破壊したときに、隣接するリードで電気信号の伝達を行
うことができ、半導体装置としての機能が損なわれるこ
とがない。
明する。図1は本発明の第1実施例による半導体装置の
斜視図である。本発明の特徴を明確にするため、図では
パッケージの隅部付近のみを拡大して示している。図に
示すように、半導体パッケージ2の側面に設けられたリ
ード1−1〜1−4の全てに対して、はんだ接合部分1
bの幅が他の部分1aの幅よりも広く形成されており、
その詳細は図2に示したとおりである。このようにリー
ド1−1〜1−4を形成することにより、はんだ接合部
分1bのみの面積を大きくし、しかも外力が加わった場
合の変位を他の部分1aで吸収することができるので、
はんだ接合部1bの信頼性を向上させることができる。
まず、本発明ではリードは図2のような形状のものを用
いる。図2に示したリードは、はんだ接合される範囲
(図においてL 3 と示した領域)のリード幅b 2 が、ほか
の範囲(L 1 、L 2 と示した領域)のリード幅b 1 よりも
広くなっている。このような形状にリードを形成する
と、はんだ接合部分1bの面積を大きくすることがで
き、リードの根元Aに変位が生じても、この変位は曲げ
剛性が小さい部分1aで吸収されるので、はんだ接合部
の変形は小さくて済む。その結果、はんだ接合部に生じ
るひずみが小さくなり、はんだ接合の信頼性を向上させ
ることができる。なお、接合部分の幅を広くする箇所
は、図2のように接合面全面にしなくてもよく、接合面
のうち封止体側に設けたリードとしたり、封止体と反対
側に設けたリードとしたり、あるいはそのようなリード
を交互に配置しても、上記と同様の効果を得ることがで
きる。また、封止体の隅部に配置されたリードを電気的
に絶縁すると、例え隅部に配置されたリードのはんだ接
合部が破壊しても、このリードは電気信号の伝達に用い
られていないので、半導体装置としての機能が損なわれ
ることがない。さらに、封止体の隅部に配置されたリー
ドとこれに隣接するリードとのピッチを他のリードのピ
ッチより大きくすると、隅部に配置されたリードに対す
る基板の配線板の幅を広くすることができるため、リー
ド曲がりによりリードと配線板との間にずれが生じて
も、はんだ接合面積は小さくならず、このリードの接続
信頼性を確保することができる。
置の斜視図である。本実施例は、隅部に配置されたリー
ド1−1のみに図2の形状のリードを適用した例であ
る。この場合は、特に隅部のリードの接続信頼性だけが
問題となる場合に有効である。
置の斜視図である。本実施例では、はんだ接合部分のう
ち一部分1b’の幅を他の部分1aの幅よりも広く形成
したものである。このようにすることでも、第1実施例
と同様の効果をあげることができる。そして、本実施例
では、幅広の部分が短いので、はんだのブリッジによる
リード同士の短絡が生じにくいという効果もある。
置の斜視図である。本実施例も、はんだ接合部分の一部
分1b”の幅を他の部分1aの幅よりも広くしたもので
あるが、その位置は第3実施例とは逆に、パッケージ
(封止体)2に近い部分になっている。このようにする
ことで、第3実施例と同様の効果をあげることができ
る。
置の斜視図である。本実施例も、はんだ接合部分の一部
分の幅を他の部分の幅よりも広くしたものであるが、幅
を広くした位置がパッケージ2側にあるリード(図5に
示したリードと同じ)1−1,1−3と、パッケージ2
と反対側であるリード先端部にあるリード(図4に示し
たリード)1−2,1−4とが交互に配置されている。
このような構成にすることでも、第1実施例と同様の効
果をあげることができ、さらに、リードのピッチを微細
化することが可能となる。
置の平面図である。この図では、パッケージの隅部付近
のみを示し、パッケージ内部の構造を説明するため、パ
ッケージ上部の封止体を取り除いてある。本実施例で
は、パッケージ2の側辺に配置されたリードが金属ワイ
ヤ5を介してタブ4に搭載されたチップ3の電極3aに
電気的に接続されている。しかし、隅部に配置されたリ
ード1−1および1−44は、チップ3及び他のリード
から電気的に絶縁されている。
り、たとえパッケージの隅部に配置されたリード1−1
もしくは1−44のはんだ接合部が破壊しても、このリ
ードは電気信号の伝達に用いられていないので、半導体
装置の機能は損なわれることがない。したがって、半導
体装置全体から見たリードの接続信頼性は向上すること
になる。なお、この図だけで本実施例を説明すると、隅
部に配置されたリード1−1および1−44は全く無駄
のように見られるが、これらのリードは実装前にその内
側のリード曲がりに対するガードの役割を果たすので、
無駄にはならない。
置の平面図である。本実施例では、隅部に配置されたリ
ード1−1および1−44が、それらに隣接するリード
1−2および1−43と一体になっており、電気的に短
絡している。このようにすることで、たとえパッケージ
の隅部に配置されたリード1−1もしくは1−44のは
んだ接合部が破壊しても、これらのリードは単独では電
気信号の伝達に用いられていないので、半導体装置の機
能は損なわれることがない。
置の平面図である。本実施例では、隅部に配置されたリ
ード1−1および1−44と、それらに隣接するリード
1−2および1−43とのピッチが、他のリードのピッ
チよりも広くなっている。このようにすることで、図に
破線で示した基板の配線板7−1、7−2の幅を広くす
ることができる。このため、リード曲がりによるリード
と基板の配線板がずれが生じても、このリードの接続信
頼性は確保される。
ード1−1および1−44の幅を、他のリードの幅より
も広くしたり、さらに、リード1−1および1−44と
これに隣接するリードとのピッチを、他のリードのピッ
チよりも大きくしたりすることができる。また図8にお
いても、隅部に配置されたリード1−1および1−44
の幅を、他のリードの幅よりも広くすることができる。
結果を図10を用いて説明する。この解析は、日本機械
学会論文集(A編)56巻525号1140ページ〜1
147ページに記載の手法により行ったものである。解
析モデルとして、図2に示したリードを用いた。寸法
は、L1=0.5mm、L2=1.5mm、L3=0.5mm、b1
=0.2mm、t=0.15mmであり、30mmのパッケージ
の隅部に配置されたリードの解析を行った。パッケージ
と基板との線膨張係数の差は、10×10~6/℃とし、
−50℃から150℃の温度変化を与えた。
生するひずみとの関係を図10に示す。リード幅が0.
2mmの場合がリード幅が一様の場合である。図より、リ
ード幅が広くなるにしたがってはんだのひずみは小さく
なることがわかる。リード幅が0.4mmの場合は、はん
だのひずみは0.2mmの場合に比べて約1/2に低減し
ている。はんだの熱疲労寿命は、発生ひずみのほぼ2乗
に逆比例するので、この場合の接続部の寿命は約4倍に
なり信頼性が大幅に向上する。
ば、信頼性が最も問題となる、隅部に配置されたリード
のはんだ接合部に対する配慮がなされているので、半導
体装置の接続信頼性を一層向上させることが可能とな
る。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
示した斜視図である。
示した平面図である。
示した平面図である。
示した平面図である。
である。
面図である。
ための図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体チップと、該半導体チップに電気
的に接続された複数のリードと、前記半導体チップを封
止するとともに前記リードを部分的に封止する封止体と
を備えた半導体装置において、前記封止体の隅部に配置
されたリードと該リードに隣接するリードとからなる2
つのリードは前記封止体の内部で一体にされ、前記封止
体の隅部の一の側辺と他の側辺に配置されたそれぞれ前
記2つのリードは半導体チップの別の電極に接続されて
なることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、前記 隅部に配置された前記リードの幅を、他のリードの
幅よりも広くしたことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の半導
体装置を実装した電子装置。
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