本発明に基づいた各実施の形態における半導体装置、半導体装置の実装方法、および実装用治具について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1〜図9を参照して、本実施の形態について説明する。
(半導体装置111A)
図1を参照して、本実施の形態における半導体装置111Aは、プリント配線板100の表面に実装されるいわゆる表面実装型の半導体装置であり、たとえばプラスティックパッケージのQFPである。
半導体装置111Aは、本体112と複数の電極端子113とを備えている。本体112は、外周が略直方体に成型された絶縁性のモールド樹脂から構成されている。絶縁性のモールド樹脂とは、たとえばガラス粒が充填されたエポキシ樹脂である。本体112におけるモールド樹脂は、半導体素子(図示せず)、およびこの半導体素子と電極端子113(電極端子113におけるインナーリード部)とを接続するボンディングワイヤ(図示せず)等を内部に封止している。
本体112は、上面112A、下面112B、および側面112Sを有している。側面112Sの高さ方向(紙面上下方向)の中心の位置には、中央部112CAが規定されている。換言すると、中央部112CAから側面112Sの上端112Tまでの寸法HAと、中央部112CAから側面112Sの下端112Uまでの寸法HAとは等しくなっている。
各電極端子113は本体112の周囲(側面112Sに関する周囲)に並んで配設され、本体112の側面112Sから、本体112に対して外側に向かって突出している。各電極端子113はたとえば銅から構成されている。各電極端子113の表面には良好なはんだ付けを得るために錫めっき処理が施されているとよい。
各電極端子113は、突出部114、延在部115、および水平部116を有している。突出部114の一端(インナーリード部)は、本体112の内部に含まれており、ボンディングワイヤによって半導体素子と電気的に接続されている。突出部114の他端(先端側)は、本体112の側面112Sから、本体112の上面112Aと平行な方向に突出している。
突出部114の先端から、本体112の下面112B側に向かって延在部115が垂れ下がるように延在している。延在部115は、突出部114の先端から垂れ下がりつつ、下面112Bの本体112に対する外側に向かって傾斜している。
延在部115の先端から、本体112とは反対側(本体112に対するさらに外側)に向かって水平部116が延びている。水平部116は、本体112の上面112Aと平行な方向に延びている。水平部116の下面116Bは、本体112の下面112Bよりも下方側(紙面下側)に位置している。
本体112および電極端子113の各寸法等はたとえば次の通りである。本体112の図1紙面左右方向における幅は約20mm〜約40mmである。本体112の高さ(図1における寸法HA+寸法HAの値)は約1mm〜約2mmである。電極端子113の図1紙面上下方向における厚さは、約0.1mm〜約0.15mmである。電極端子113の図1紙面垂直方向における幅(図3における幅R1参照)は、約0.2mmである。隣り合う電極端子113の間隔(図3における間隔R2参照)は、約0.2mmである。
ここで、幅方向(図1紙面左右方向)において、水平部116の先端116Eと本体112の側面112Sにおける上端112Tとの間には、寸法L1Aが規定されている。高さ方向(図1紙面上下方向)において、水平部116の下面116Bと側面112Sの上端112Tとの間には寸法L2Aが規定されている。寸法L2Aは、寸法L1A以上となっている(L2A≧L1A)。
さらに、突出部114の上面114Tは、本体112の側面112Sにおける中央部112CAよりも、本体112の下面112B側に位置している。
(半導体装置111Aの実装方法)
図2〜図9を参照して、本実施の形態における半導体装置111Aの実装方法について説明する。図2〜図9は、この実装方法における各工程を経時的に示している。この実装方法は、フローはんだ付け法であれば、静止槽方式(DIP方式)および噴流方式(フロー方式)の2つの方式のいずれであってもよい。この実装方法について、ここでは静止槽方式(DIP方式)に基づいて説明する。
図2および図3を参照して、この実装方法においては、プリント配線板100と上述の半導体装置111Aとが準備される。
プリント配線板100は、たとえばガラスエポキシ性の配線基材101を有している。配線基材101における半導体装置111Aが実装される表面には、配線導体102および配線電極104が形成されている。配線導体102および配線電極104の図2紙面上下方向における厚さは、たとえば約50μmである。
配線導体102および配線電極104は、銅箔等をエッチングすることによりパターニングされている。配線電極104は、配線導体102に電気的に繋がっている。プリント配線板100の表面にはソルダレジスト103が形成されている。ソルダレジスト103は絶縁性を有する表面部材の一例であり、たとえばエポキシ樹脂から構成される。ソルダレジスト103は、余分なはんだが配線導体102に付着しないように配線導体102を覆っている。
ソルダレジスト103には、配線電極104が露出するように平面視矩形状(図3参照)の開口(開口部103a〜開口部103b)が形成されている。平面視において、この開口(開口部103a〜開口部103b)の形状は、半導体装置111Aにおける電極端子113の水平部116(図1参照)の形状よりも大きい。平面視において、この開口は電極端子113の水平部116を含むことが可能となっている。矢印AR1に示すように、半導体装置111Aはプリント配線板100の表面に載置される。
図4を参照して、半導体装置111Aは、プリント配線板100の表面に載置された後、所定の接着材(図示せず)によってプリント配線板100に仮固定される。開口部103bは、半導体装置111Aがプリント配線板100の表面に仮固定された状態において、電極端子113の先端116Eよりも幅方向(図4紙面左右方向)の外側に位置している。この状態においては、電極端子113の水平部116と配線電極104とは接触していてもよく(図4に示す状態)、わずかな隙間を空けて図4紙面上下方向に離間していてもよい。
図5を参照して、はんだ槽(図示せず)内に貯留された溶融はんだ131が準備される。溶融はんだ131は、たとえば、Sn−3.0Ag−0.5Cuの組成比を有する鉛フリーはんだ合金である。溶融はんだ131の溶融温度はたとえば約250℃である。
プリント配線板100の半導体装置111Aが仮固定されている側の表面を下方にした状態で、半導体装置111Aはその上面側から溶融はんだ131に浸漬される。半導体装置111Aは、溶融はんだ131の表面に対して垂直に浸漬されてもよく、溶融はんだ131の表面に対して斜めに浸漬されてもよい。
図6〜図8を参照して、半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬されたときの、半導体装置111Aの周囲に位置する溶融はんだ131の経時的な変化について説明する。
図6を参照して、半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬された直後では、溶融はんだ131の表面131Sは、本体112に上方から押さえ付けられるようにして下方に下がる。
溶融はんだ131の表面131Sは、図6に示すような曲率半径の小さな曲面形状(比較例と対比し、詳細は後述する)を呈する。溶融はんだ131の強い表面張力によって、溶融はんだ131の表面131Sは、半導体装置111Aの外形形状に沿う(半導体装置111Aの表面をなぞるように濡れ広がる)ことはない。
ここで、半導体装置111Aにおいては上述のとおり(図1参照)、寸法L2Aは寸法L1A以上となっており、且つ突出部114の上面114Tは本体112の側面112Sにおける中央部112CAよりも本体112の下面112B側に位置している。当該構成によって、半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することはない。
溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する(接触端141を参照)。溶融はんだ131と配線電極104との接触端141に濡れが生じる。この濡れにより、接触端141は本体112に徐々に近づく(矢印AR2方向)。
図7を参照して、接触端141の移動に伴って、溶融はんだ131は電極端子113の先端に接触する(接触端142を参照)。溶融はんだ131と電極端子113との接触端142にも濡れが生じる。この濡れにより、接触端142は本体112に近づく(矢印AR3方向)。
図8を参照して、接触端142が本体112に近づくことによって、電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給される。この状態に到達した後、半導体装置111Aおよびプリント配線板100は溶融はんだ131から引き抜かれる。半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬されてから、半導体装置111Aが溶融はんだ131から引き抜かれるまでの時間は、たとえば2秒〜3秒である。電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に供給された溶融はんだ131は、その温度が低下することによって凝固する。
図9を参照して、溶融はんだ131から引き抜かれたプリント配線板100においては、電極端子113が、凝固したはんだ132によって配線電極104に接合されている。この接合により、半導体装置111Aはプリント配線板100に実装される。
(作用・効果)
半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない(図6参照)。換言すると、浸漬直後においては、電極端子113には溶融はんだ131が供給されない。溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する。電極端子113には、プリント配線板100の配線電極104に生じる濡れを通して溶融はんだ131が徐々に供給される(図7から図8に示す状態)。
半導体装置111Aにおいては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されている(比較例と対比し、詳細は後述する)。隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量も少なくなる。電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給された後、半導体装置111Aおよびプリント配線板100は溶融はんだ131から引き抜かれる。
隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、隣り合う電極端子113間におけるブリッジの発生が抑制される。結果として、隣り合う電極端子113間における短絡の発生も抑制されることが可能となる。
半導体装置111Aが溶融はんだに浸漬されてから、半導体装置111Aが溶融はんだ131から引き抜かれるまでの時間については、半導体装置111Aの本体112の大きさ、電極端子113の幅R1(図3参照)、または隣り合う電極端子113の間隔R2(図3参照)等に応じて、良好なはんだ付けが得られ、且つブリッジの発生が抑制されるように最適化されるとよい。
上述の各寸法L1A,L2A(図1参照)、および本体112および電極端子113の各寸法等についても、半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬された直後において溶融はんだ131が電極端子113に接触せず、且つ、配線電極104に電極端子113よりも先に接触した溶融はんだ131が電極端子113に向かって良好に濡れ広がるように最適化されるとよい。
以上述べたとおり、半導体装置111Aによれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、プリント配線板100に良好に実装されることが可能となる。半導体装置111Aの実装方法によれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、半導体装置111Aをプリント配線板100に良好に実装することが可能となる。
[比較例]
図10を参照して、半導体装置111Zについて説明する。半導体装置111Zは、上述の実施の形態1における半導体装置111Aに対する比較例である。図10は、半導体装置111Zを溶融はんだ131に浸漬した直後の様子を示す断面図である。
半導体装置111Zにおいては、幅方向(図10紙面左右方向)において、水平部116の先端と本体112の側面における上端との間に寸法L1Zが規定されている。高さ方向(図10紙面上下方向)において、水平部116の下面と側面の上端との間に寸法L2Zが規定されている。半導体装置111Zにおいては、寸法L2Zは、寸法L1Z以上とはなっていない(L2Z<L1Z)。
さらに、半導体装置111Zにおいては、突出部114の上面は、本体112の側面における中央部よりも、本体112の下面側(紙面上方側)には位置していない。
半導体装置111Zが溶融はんだ131に浸漬された直後では、溶融はんだ131の表面131Sは、本体112に上方から押さえられるようにして下方に下がる。
半導体装置111Zにおいては、溶融はんだ131の表面131Sは、図10に示すような曲率半径の大きな曲面形状を呈する。比較例における表面131Sは、上述の実施の形態1における表面131S(図5参照)に比べてなだらかな曲面を呈している。
半導体装置111Zが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は、配線電極104だけでなく電極端子113にも既に接触している(接触端142を参照)。溶融はんだ131と電極端子113との接触端142に濡れが生じる。この濡れによって、電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)には、上述の実施の形態1に比べて多くの量の溶融はんだ131が浸漬直後において供給される。浸漬直後において既に電極端子113と配線電極104との間に溶融はんだ131が供給されているため、本比較例における半導体装置111Zにおいては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が調整されることはできない状態となっている。
半導体装置111Zが溶融はんだ131から引き抜かれたとき、隣り合う電極端子113間への溶融はんだ131の供給量が多いため、隣り合う電極端子113間における溶融はんだ131は、はんだ槽(図示せず)に戻らずに残留する。残留した溶融はんだ131によって、ブリッジが発生する。結果として、半導体装置111Zによれば、隣り合う電極端子113間における短絡が発生してしまう。
一方、上述の実施の形態1における半導体装置111A(図5参照)によれば、寸法L1A,L2Aおよび電極端子113の突出部114の上面114Tの位置が上記のとおり設定されている。この考慮によって、半導体装置111Aが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触しない状態が実現されている。
その結果、上述の実施の形態1における半導体装置111Aによれば、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることが可能とされている。電極端子113には、プリント配線板100の配線電極104に生じる濡れを通して溶融はんだ131は徐々に供給される。隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、隣り合う電極端子113間におけるブリッジの発生が抑制される。結果として、隣り合う電極端子113間における短絡の発生も抑制されることが可能となる。
[実施の形態1の他の構成]
図11を参照して、実施の形態1の他の構成における半導体装置111Aa、および半導体装置111Aaの実装方法について説明する。ここでは上述の実施の形態1との相違点について説明する。
半導体装置111Aaは、複数の仕切部120をさらに備えている。仕切部120は、隣り合う電極端子113同士の間を空間的に仕切るように配設され、絶縁性および溶融はんだ131(図5参照)に対して非濡れ性を有している。ここでいう非濡れ性とは、溶融はんだ131と金属的な結合反応を起こさない性質を意味する。
各仕切部120は、たとえばガラス粒が充填されたエポキシ樹脂によって平板状に構成される。各仕切部120は、本体112と一体的に成型されているとよい。各仕切部120は、本体112とは別体に成型され、成型後に本体112に接合されてもよい。
半導体装置111Aaは、上述の実施の形態1と同様に、溶融はんだ131(図5参照)に浸漬された後、溶融はんだ131から引き抜かれる。仕切部120が隣り合う電極端子113同士の間を空間的に仕切っていることによって、溶融はんだ131の流動による隣り合う電極間における短絡の発生がより抑制されることが可能となる。
各仕切部120は、隣り合う電極端子113同士の間を完全に仕切るように構成されていても、隣り合う電極端子113同士の間を部分的に仕切るように構成されていてもよい。ここで言う部分的にとは、たとえば仕切部120の先端側の一部が、電極端子113の先端側から本体112側に向かって後退するように構成されていることである。
各仕切部120が隣り合う電極端子113同士の間を部分的に仕切っている場合であっても、半導体装置111Aaが浸漬される溶融はんだ131の表面張力によって、隣り合う電極端子113同士の間には溶融はんだ131は供給されない。結果として、この場合であっても溶融はんだ131の流動による隣り合う電極間における短絡の発生がより抑制されることが可能となる。
各仕切部120は、絶縁性および溶融はんだ131に対して非濡れ性を有している材質であれば、ポリイミド等の樹脂であってもよく、アルミナ等のセラミックであってもよい。
[実施の形態2]
図12〜図14を参照して、本実施の形態について説明する。
(半導体装置111B)
図12を参照して、本実施の形態における半導体装置111Bは、プリント配線板100の表面に実装されるいわゆる表面実装型の半導体装置であり、たとえばプラスティックパッケージのQFPである。
半導体装置111Bは、本体112と複数の電極端子113とを備えている。本体112は、(後述する張出部117が設けられている部分を除いて)外周が略直方体に成型された絶縁性のモールド樹脂から構成されている。
各電極端子113は、上述の実施の形態1における半導体装置111Aの各電極端子113と同様に、本体112の周囲(側面112Sに関する周囲)に並んで配設され、本体112の側面112Sから、本体112に対して外側に向かって突出している。
半導体装置111Bにおいては、本体112の側面112Sから幅方向(図12紙面左右方向)外側に向かってフランジ状に張り出す張出部117が本体112に設けられている。張出部117は平板状に構成され、その外形は平面視正方形となっている。張出部117は、電極端子113の上方を含むように位置している。
張出部117は、たとえばガラス粒が充填されたエポキシ樹脂から構成される。張出部117は、本体112と一体的に成型されているとよい。張出部117は、本体112とは別体に成型され、成型後に本体112に接合されてもよい。張出部117が本体112とは別体に成型される場合、張出部117は溶融はんだ131(図5参照)に対して非濡れ性を有している材質であれば、ポリイミド等の樹脂であってもよく、アルミナ等のセラミックであってもよい。
ここで、幅方向(図12紙面左右方向)において、張出部117の先端117Tは、電極端子113の水平部116の先端116Eよりも本体112側に位置している。換言すると、幅方向(図12紙面左右方向)において、側面112Sから水平部116の先端116Eまでの寸法113Rは、側面112Sから張出部117の先端117Tまでの寸法117Rより小さい(117R<113R)。
好適には、張出部117の先端117Tを水平部116側(図12紙面下側)に投影したときに得られる先端117Tに対応する投影像(投影点)の位置は、水平部116が設けられている領域116R内に含まれているとよい。
(半導体装置111Bの実装方法)
図13および図14を参照して、本実施の形態における半導体装置111Bの実装方法について説明する。図13および図14は、この実装方法における各工程の一部を経時的に示している。この実装方法は、フローはんだ付け法であれば、静止槽方式(DIP方式)および噴流方式(フロー方式)の2つの方式のいずれであってもよい。この実装方法について、ここでは静止槽方式(DIP方式)に基づいて説明する。
図13を参照して、この実装方法においては、上述の実施の形態1と同様なプリント配線板100と、上述の半導体装置111Bとが準備される。半導体装置111Bは、プリント配線板100の表面に仮固定される。
図14を参照して、上述の実施の形態1と同様な溶融はんだ131が準備される。プリント配線板100の半導体装置111Bが仮固定されている側の表面を下方にした状態で、半導体装置111Bはその上面側から溶融はんだ131に浸漬される。
半導体装置111Bが溶融はんだ131に浸漬された直後では、溶融はんだ131の表面131Sは、本体112に上方から押さえ付けられるようにして下方に下がる。
溶融はんだ131の強い表面張力、およびフランジ状に張り出す張出部117が本体112に設けられていることによって、溶融はんだ131の表面131Sは、半導体装置111Bの外形形状に沿う(半導体装置111Bの表面をなぞるように濡れ広がる)ことはない。半導体装置111Bが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない。
溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する(接触端141を参照)。溶融はんだ131と配線電極104との接触端141に濡れが生じる。この濡れにより、接触端141は本体112に徐々に近づく(矢印AR4方向)。
接触端141の移動に伴って、溶融はんだ131は電極端子113の先端に接触する。この接触により、溶融はんだ131と電極端子113との間に濡れが生じる。この濡れにより、電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給される。この状態に到達した後、半導体装置111Bおよびプリント配線板100は溶融はんだ131から引き抜かれる。
電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に供給された溶融はんだ131は、その温度が低下することによって凝固する。こうして、半導体装置111Bはプリント配線板100に実装される。
(作用・効果)
半導体装置111Bが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない(図14参照)。換言すると、浸漬直後においては、電極端子113には溶融はんだ131が供給されない。溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する。電極端子113には、プリント配線板100の配線電極104に生じる濡れを通して溶融はんだ131が徐々に供給される。
半導体装置111Bにおいては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されている。隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量も少なくなる。電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給された後、半導体装置111Bおよびプリント配線板100は溶融はんだ131から引き抜かれる。
隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量も少なくなることによって、隣り合う電極端子113間におけるブリッジの発生が抑制される。結果として、隣り合う電極端子113間における短絡の発生も抑制されることが可能となる。
以上述べたとおり、半導体装置111Bによれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、プリント配線板100に良好に実装されることが可能となる。半導体装置111Bの実装方法によれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、半導体装置111Bをプリント配線板100に良好に実装することが可能となる。
[実施の形態2の他の構成]
図15を参照して、実施の形態2の他の構成における半導体装置111Ba、および半導体装置111Baの実装方法について説明する。ここでは上述の実施の形態2との相違点について説明する。
半導体装置111Baは、上述の実施の形態1の他の構成と同様な、複数の仕切部120をさらに備えている。
半導体装置111Baは、上述の実施の形態2と同様に、溶融はんだ131(図14参照)に浸漬された後、溶融はんだ131から引き抜かれる。仕切部120が隣り合う電極端子113同士の間を空間的に仕切っていることによって、溶融はんだ131の流動による隣り合う電極間における短絡の発生がより抑制されることが可能となる。
各仕切部120は、隣り合う電極端子113同士の間を完全に仕切るように構成されていても、隣り合う電極端子113同士の間を部分的に仕切るように構成されていてもよい。
[実施の形態3]
図16および図17を参照して、実施の形態3における半導体装置111Bb、および半導体装置111Bbの実装方法について説明する。ここでは、上述の実施の形態2との相違点について説明する。
半導体装置111Bbにおける張出部117には、張出部117を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔117Hが設けられている。各貫通孔117Hの位置は、各電極端子113の位置に対応している。各貫通孔117Hは、各電極端子113の上方の一部を含んでいる。平面視において、各貫通孔117Hは各電極端子113の長手方向の一部を含んでいる。各貫通孔117Hの形状は、平面視矩形状であってもよく、平面視円形状等であってもよい。
半導体装置111Bbの製造時において、細径のピン状部材(プレス治具)(図示せず)を貫通孔117Hの上方から下方に向かって通過させる。ピン状部材によるプレス加工によって、電極端子113を容易に曲げることが可能となる。
(実施の形態3の他の構成)
図18を参照して、実施の形態3の他の構成としての半導体装置111Bcのように、上述の実施の形態2の他の構成(図15参照)と同様な複数の仕切部120が、隣り合う電極端子113同士の間を空間的に仕切るように配設されていてもよい。
(実施の形態3のさらに他の構成)
図19を参照して、実施の形態3のさらに他の構成としての半導体装置111Bdのように、貫通孔117Hは2以上の電極端子113を平面視において跨ぐように、長孔状に形成されていてもよい。図19に示す態様において、図18のような複数の仕切部120(図19において図示せず)がさらに配設されていてもよい。
[実施の形態4]
図20〜図22を参照して、本実施の形態について説明する。
(半導体装置111C)
図20を参照して、本実施の形態における半導体装置111Cは、プリント配線板100の表面に実装されるいわゆる表面実装型の半導体装置であり、たとえばプラスティックパッケージのQFPである。
半導体装置111Cは、本体112と複数の電極端子113とを備えている。本体112は、外周が略直方体に成型された絶縁性のモールド樹脂から構成されている。各電極端子113は、上述の実施の形態1における半導体装置111Aの各電極端子113と同様に、本体112の周囲(側面112Sに関する周囲)に並んで配設され、本体112の側面112Sから、本体112に対して外側に向かって突出している。
(半導体装置111Cの実装方法)
本実施の形態における半導体装置111Cの実装方法について説明する。この実装方法は、フローはんだ付け法であれば、静止槽方式(DIP方式)および噴流方式(フロー方式)の2つの方式のいずれであってもよい。この実装方法について、ここでは静止槽方式(DIP方式)に基づいて説明する。
図21を参照して、この実装方法においては、上述の実施の形態1と同様なプリント配線板100と、上述の半導体装置111Cと、実装用治具150とが準備される。半導体装置111Cは、プリント配線板100の表面に仮固定される。
実装用治具150は、上面150Aおよび下面150Bを有する平板状のたとえば耐熱性を有するエポキシ樹脂であり、溶融はんだ131(図22参照)に対して非濡れ性を有している。
実装用治具150は、本体112の上面112A(図20参照)と実装用治具150の下面150B(図20参照)とが接するように、本体112にたとえば接着剤(図示せず)等によって取り付けられる。
図20を再び参照して、実装用治具150が本体112に取り付けられた状態において、本体112の側面112Sおよび実装用治具150の側面150Sを合算した高さ寸法における高さ方向(紙面上下方向)の中心の位置には、中央部112CBが規定されている。換言すると、中央部112CBから実装用治具150の側面150Sの上端150Tまでの寸法HBと、中央部112CBから本体112の側面112Sの下端112Uまでの寸法HBとは等しくなっている。
幅方向(図20紙面左右方向)において、水平部116の先端116Eと実装用治具150の側面150Sにおける上端150Tとの間には、寸法L1Bが規定されている。高さ方向(図20紙面上下方向)において、水平部116の下面116Bと実装用治具150の側面150Sの上端150Tとの間には寸法L2Bが規定されている。寸法L2Bは、寸法L1B以上となっている(L2B≧L1B)。
さらに、突出部114の上面114Tは、上述の中央部112CBよりも、本体112の下面112B側に位置している。
図22を参照して、上述の実施の形態1と同様な溶融はんだ131が準備される。プリント配線板100の半導体装置111Cが仮固定されている側の表面を下方にした状態で、半導体装置111Cはその上面側(実装用治具150が取り付けられている側)から溶融はんだ131に浸漬される。
半導体装置111Cが溶融はんだ131に浸漬された直後では、溶融はんだ131の表面131Sは、実装用治具150に上方から押さえ付けられるようにして下方に下がる。
溶融はんだ131の強い表面張力、および実装用治具150が本体112に取り付けられていることによって、溶融はんだ131の表面131Sは、半導体装置111Cの外形形状に沿う(半導体装置111Cの表面をなぞるように濡れ広がる)ことはない。半導体装置111Cが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない。
溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する(接触端141を参照)。溶融はんだ131と配線電極104との接触端141に濡れが生じる。この濡れにより、接触端141は本体112に徐々に近づく(矢印AR5方向)。
接触端141の移動に伴って、溶融はんだ131は電極端子113の先端に接触する。この接触により、溶融はんだ131と電極端子113との間に濡れが生じる。この濡れにより、電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給される。この状態に到達した後、半導体装置111Cおよびプリント配線板100は、実装用治具150とともに溶融はんだ131から引き抜かれる。
電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に供給された溶融はんだ131は、その温度が低下することによって凝固する。こうして、半導体装置111Cはプリント配線板100に実装される。この実装後、実装用治具150は本体112から取り外されるように構成してもよい。
(作用・効果)
半導体装置111Cが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない(図22参照)。換言すると、浸漬直後においては、電極端子113には溶融はんだ131が供給されない。溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する。電極端子113には、プリント配線板100の配線電極104に生じる濡れを通して溶融はんだ131が徐々に供給される。
半導体装置111Cにおいては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されている。隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量も少なくなる。電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給された後、半導体装置111Cおよびプリント配線板100は実装用治具150とともに溶融はんだ131から引き抜かれる。
隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、隣り合う電極端子113間におけるブリッジの発生が抑制される。結果として、隣り合う電極端子113間における短絡の発生も抑制されることが可能となる。
以上述べたとおり、実装用治具150を用いた半導体装置111Cの実装方法によれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、半導体装置111Cをプリント配線板100に良好に実装することが可能となる。半導体装置111Cの本体112の大きさに特別な寸法条件などを要求せずとも、実装用治具150によって上記の式(L2B≧L1B)などを満足するように構成するとよい。
(実施の形態4の他の構成)
図23を参照して、実施の形態4の他の構成としての半導体装置111Caのように、上述の実施の形態1の他の構成(図11参照)と同様な複数の仕切部120が、隣り合う電極端子113同士の間を空間的に仕切るように配設されていてもよい。仕切部120は、本体112に一体的に設けられていてもよく、実装用治具150から垂れ下がるように実装用治具150に一体的に設けられていてもよい。
[実施の形態5]
図24〜図26を参照して、本実施の形態について説明する。
(半導体装置111D)
図24を参照して、本実施の形態における半導体装置111Dは、プリント配線板100の表面に実装されるいわゆる表面実装型の半導体装置であり、たとえばプラスティックパッケージのQFPである。
半導体装置111Dは、本体112と複数の電極端子113とを備えている。本体112は、外周が略直方体に成型された絶縁性のモールド樹脂から構成されている。各電極端子113は、上述の実施の形態1における半導体装置111Aの各電極端子113と同様に、本体112の周囲(側面112Sに関する周囲)に並んで配設され、本体112の側面112Sから、本体112に対して外側に向かって突出している。
(半導体装置111Dの実装方法)
本実施の形態における半導体装置111Dの実装方法について説明する。この実装方法は、フローはんだ付け法であれば、静止槽方式(DIP方式)および噴流方式(フロー方式)の2つの方式のいずれであってもよい。この実装方法について、ここでは静止槽方式(DIP方式)に基づいて説明する。
図25を参照して、この実装方法においては、上述の実施の形態1と同様なプリント配線板100と、上述の半導体装置111Dと、実装用治具150とが準備される。半導体装置111Dは、プリント配線板100の表面に仮固定される。
実装用治具150は、上面150Aおよび下面150Bを有する平板状のたとえば耐熱性を有するエポキシ樹脂であり、溶融はんだ131(図26参照)に対して非濡れ性を有している。
実装用治具150は、本体112の上面112A(図24参照)と実装用治具150の下面150B(図24参照)とが接するように、本体112にたとえば接着剤(図示せず)等によって取り付けられる。
図24を再び参照して、実装用治具150は、張出部118を有している。実装用治具150が本体112に取り付けられた状態において、張出部118は、本体112の側面112S上方から幅方向(図24紙面左右方向)外側に向かってフランジ状に張り出している。張出部118は平板状に構成され、その外形は平面視正方形となっている。張出部118は、電極端子113の上方を含むように位置している。
ここで、幅方向(図24紙面左右方向)において、張出部118の先端118Tは、電極端子113の水平部116の先端116Eよりも本体112側に位置している。換言すると、幅方向(図24紙面左右方向)において、側面112Sから水平部116の先端116Eまでの寸法113Rは、側面112Sから張出部118の先端118Tまでの寸法118Rより小さい(118R<113R)。
好適には、張出部118の先端118Tを水平部116側(図24紙面下側)に投影したときに得られる先端118Tに対応する投影像(投影点)の位置は、水平部116が設けられている領域116R内に含まれているとよい。
図26を参照して、上述の実施の形態1と同様な溶融はんだ131が準備される。プリント配線板100の半導体装置111Dが仮固定されている側の表面を下方にした状態で、半導体装置111Dはその上面側(実装用治具150が取り付けられている側)から溶融はんだ131に浸漬される。
半導体装置111Dが溶融はんだ131に浸漬された直後では、溶融はんだ131の表面131Sは、実装用治具150に上方から押さえ付けられるようにして下方に下がる。
溶融はんだ131の強い表面張力、および実装用治具150が本体112に取り付けられていることによって、溶融はんだ131の表面131Sは、半導体装置111Dの外形形状に沿う(半導体装置111Dの表面をなぞるように濡れ広がる)ことはない。半導体装置111Dが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない。
溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する(接触端141を参照)。溶融はんだ131と配線電極104との接触端141に濡れが生じる。この濡れにより、接触端141は本体112に徐々に近づく(矢印AR6方向)。
接触端141の移動に伴って、溶融はんだ131は電極端子113の先端に接触する。この接触により、溶融はんだ131と電極端子113との間に濡れが生じる。この濡れにより、電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給される。この状態に到達した後、半導体装置111Dおよびプリント配線板100は、実装用治具150とともに溶融はんだ131から引き抜かれる。
電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に供給された溶融はんだ131は、その温度が低下することによって凝固する。こうして、半導体装置111Dはプリント配線板100に実装される。この実装後、実装用治具150は本体112から取り外されるように構成してもよい。
(作用・効果)
半導体装置111Dが溶融はんだ131に浸漬された直後において、溶融はんだ131は電極端子113に接触することがない(図26参照)。換言すると、浸漬直後においては、電極端子113には溶融はんだ131が供給されない。溶融はんだ131は、電極端子113よりも外側に位置する配線電極104に、電極端子113よりも先に接触する。電極端子113には、プリント配線板100の配線電極104に生じる濡れを通して溶融はんだ131が徐々に供給される。
半導体装置111Dにおいては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されている。隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量も少なくなる。電極端子113と配線電極104との間(およびこれらの周辺)に所定量の溶融はんだ131が供給された後、半導体装置111Dおよびプリント配線板100は実装用治具150とともに溶融はんだ131から引き抜かれる。
隣り合う電極端子113同士の間への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、隣り合う電極端子113間におけるブリッジの発生が抑制される。結果として、隣り合う電極端子113間における短絡の発生も抑制されることが可能となる。
以上述べたとおり、実装用治具150を用いた半導体装置111Dの実装方法によれば、フローはんだ付け法によっても、隣り合う電極端子113間における短絡の発生が抑制され、半導体装置111Dをプリント配線板100に良好に実装することが可能となる。半導体装置111Cの本体112の大きさに特別な寸法条件などを要求せずとも、実装用治具150によって上記の式(118R<113R)などを満足するように構成するとよい。
(実施の形態5の他の構成)
図27を参照して、実施の形態5の他の構成としての、半導体装置111Daおよび実装用治具150のように、上述の実施の形態2の他の構成(図15参照)と同様な複数の仕切部121が、隣り合う電極端子113同士の間を仕切るように配設されていてもよい。仕切部121は、本体112に設けられていてもよく、実装用治具150から垂れ下がるように実装用治具150に一体的に設けられていてもよい。
上述の実施の形態3における貫通孔117H(図16〜図18参照)と同様に、張出部118には複数の貫通孔118Hが設けられていてもよい。上述の実施の形態3における貫通孔117H(図19参照)と同様に、貫通孔118Hは、2以上の電極端子113を平面視において跨ぐように、長孔状に形成されていてもよい。
以上、本発明に基づいた各実施の形態における半導体装置、半導体装置の実装方法、および実装用治具について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
上述の各実施の形態においては、半導体装置がQFPである場合について説明したが、表面実装型の半導体装置であれば、SOP等であってもよい。上記の各実施の形態における半導体装置については、これらの半導体装置がフローはんだ付け方法によって実装されるという態様に基づき説明したが、上記の実施の形態1および実施の形態2(それぞれ他の構成を含む)における半導体装置としては、リフロー法によるはんだ付けによって実装されてもよい。
上述の各実施の形態においては、電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、各半導体装置の溶融はんだ131への浸漬直後において、溶融はんだ131が電極端子113に接触しないという態様に基づいて説明した。電極端子113への溶融はんだ131の供給量が少なくなるように調整されることによって、各半導体装置の溶融はんだ131への浸漬直後において、溶融はんだ131が電極端子113にわずかに接触するように構成してもよい。この構成において、良好なはんだ付けが得られ、且つブリッジの発生が抑制されるように他の寸法等が最適化されるとよい。
半導体装置の本体がエポキシ樹脂から構成される場合について説明したが、絶縁性を有する材料であれば、ポリイミド等他の樹脂であってもよく、アルミナ等のセラミックであってもよい。
半導体装置の電極が銅から構成される場合について説明したが、42アロイ等他の金属材料であってもよい。半導体装置の電極には錫めっき処理が施されるとよいと述べたが、Sn−Pb合金めっき、Sn−BiまたはSn−Cuなどの錫系めっき、PdまたはAg等のめっきによる処理が施されていてもよく、ベンゾイミダゾール等の有機系の表面処理が施されていてもよい。
溶融はんだとしてSn−3Ag−0.5Cuを用いる場合について説明したが、はんだであれば他の合金組成(スズ鉛はんだ)であってもよい。鉛フリーはんだの場合、溶融はんだの表面にはより強い表面張力を有する酸化膜が形成される。鉛フリーはんだを用いる場合の方が、スズ鉛はんだなどに比べて今回の発明の効果をより得ることができる。
実装用治具としては、耐熱性および溶融はんだに対して非濡れ性を有している材質であれば、ポリイミド等の樹脂であってもよく、アルミナ等のセラミックであってもよく、アルミニウム、ステンレスまたはチタンのように表面膜(不導体膜)を持つ金属であってもよい。ただし、アルミニウムなどのように熱伝導性が高い材質を採用すると、浸漬時に溶融はんだの熱が奪われるため熱伝導性が低いセラミック系、好ましくは樹脂系の材質が採用されるとよい。耐熱性の観点からは、樹脂系の中でもエポキシ系またはポリイミド系が好ましい。
したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。