JP3283405B2 - エンジン駆動式船舶推進機のシフト制御方法および装置 - Google Patents
エンジン駆動式船舶推進機のシフト制御方法および装置Info
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- JP3283405B2 JP3283405B2 JP19134795A JP19134795A JP3283405B2 JP 3283405 B2 JP3283405 B2 JP 3283405B2 JP 19134795 A JP19134795 A JP 19134795A JP 19134795 A JP19134795 A JP 19134795A JP 3283405 B2 JP3283405 B2 JP 3283405B2
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- control
- shift
- cylinder
- engine
- fuel injection
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D29/00—Controlling engines, such controlling being peculiar to the devices driven thereby, the devices being other than parts or accessories essential to engine operation, e.g. controlling of engines by signals external thereto
- F02D29/02—Controlling engines, such controlling being peculiar to the devices driven thereby, the devices being other than parts or accessories essential to engine operation, e.g. controlling of engines by signals external thereto peculiar to engines driving vehicles; peculiar to engines driving variable pitch propellers
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/008—Controlling each cylinder individually
- F02D41/0087—Selective cylinder activation, i.e. partial cylinder operation
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- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子制御式内燃機関の点
火時期および燃料噴射制御に関し、特に動力伝達系のシ
フト操作時の制御に関するものである。
火時期および燃料噴射制御に関し、特に動力伝達系のシ
フト操作時の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船外機や船内外機他のエンジン駆動式の
船舶推進機において、エンジンの回転力をプロペラ軸に
伝達するための動力伝達系のシフトは、船内のスロット
ルレバーにより操作される。このシフト操作は、スロッ
トルレバーを中立位置から前進側または後進側に移動さ
せてクラッチを接合してトランスミッションをシフトさ
せ、さらにレバーを移動することによりスロットル開度
を大きくして回転数を上げるものである。走行中に危険
回避のため、あるいは接岸のためにスロットルレバーを
急激に戻しニュートラルにシフトさせようとした場合、
エンジン回転がこれに追従して直ちには落ちないためト
ランスミッションのギヤに大きなトルクがかかった状態
のままシフト操作をすることになり、ギヤの噛み合いが
外れずニュートラルに戻れない場合がある。
船舶推進機において、エンジンの回転力をプロペラ軸に
伝達するための動力伝達系のシフトは、船内のスロット
ルレバーにより操作される。このシフト操作は、スロッ
トルレバーを中立位置から前進側または後進側に移動さ
せてクラッチを接合してトランスミッションをシフトさ
せ、さらにレバーを移動することによりスロットル開度
を大きくして回転数を上げるものである。走行中に危険
回避のため、あるいは接岸のためにスロットルレバーを
急激に戻しニュートラルにシフトさせようとした場合、
エンジン回転がこれに追従して直ちには落ちないためト
ランスミッションのギヤに大きなトルクがかかった状態
のままシフト操作をすることになり、ギヤの噛み合いが
外れずニュートラルに戻れない場合がある。
【0003】このような点に対処するため、従来気化器
を用いた船外機において、シフトレバーとトランスミッ
ションギヤを連結するシフトワイヤの張力を検出するた
めのシフトカットスイッチを設け、ワイヤの張力が一定
値以上になった場合にシフトカットスイッチをオンに
し、このオン信号に基づいて、特定気筒の点火を停止し
てエンジンのトルクを落とすことによりシフト操作を円
滑に行っていた。そしてシフト完了により張力が低下
し、シフトカットスイッチがオフとなった時再び点火を
回復させるようにしていた。
を用いた船外機において、シフトレバーとトランスミッ
ションギヤを連結するシフトワイヤの張力を検出するた
めのシフトカットスイッチを設け、ワイヤの張力が一定
値以上になった場合にシフトカットスイッチをオンに
し、このオン信号に基づいて、特定気筒の点火を停止し
てエンジンのトルクを落とすことによりシフト操作を円
滑に行っていた。そしてシフト完了により張力が低下
し、シフトカットスイッチがオフとなった時再び点火を
回復させるようにしていた。
【0004】一方、燃料噴射式エンジンを搭載した船外
機においては、シフトカットスイッチオンの場合、この
オン信号に基づいて特定気筒の燃料噴射を停止し、エン
ジントルク低下に伴いシフトが完了し、シフトカットス
イッチが再びオフとなると燃料噴射を回復するようにす
ることが考えられる。
機においては、シフトカットスイッチオンの場合、この
オン信号に基づいて特定気筒の燃料噴射を停止し、エン
ジントルク低下に伴いシフトが完了し、シフトカットス
イッチが再びオフとなると燃料噴射を回復するようにす
ることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシフトカット制御方法を燃料噴射式の電子制御エン
ジンに適用して、シフトカットスイッチによる検出張力
が大きい場合に、燃料の噴射を停止するか、その時のス
ロットル開度に対応した通常航走状態における燃料噴射
量以下に噴射量を減少させると、特に2サイクルエンジ
ンの場合、低回転域での燃焼が不安定であるため、エン
ジンストールの可能性が大きくなる。
来のシフトカット制御方法を燃料噴射式の電子制御エン
ジンに適用して、シフトカットスイッチによる検出張力
が大きい場合に、燃料の噴射を停止するか、その時のス
ロットル開度に対応した通常航走状態における燃料噴射
量以下に噴射量を減少させると、特に2サイクルエンジ
ンの場合、低回転域での燃焼が不安定であるため、エン
ジンストールの可能性が大きくなる。
【0006】なお、前進全速航行状態から急停止する場
合には、スロットル弁を急閉して急減速をするととも
に、シフト操作を行いニュートラル状態を経て後進状態
にし、スロットル弁を開き惰性航走を打ち消した時、再
度シフト操作を行いニュートラルにすることが実施され
る。急減速時に燃料カットを行うものでは、シフト操作
に先行する急減速中においてもエンジンストールの可能
性が大きくなる。
合には、スロットル弁を急閉して急減速をするととも
に、シフト操作を行いニュートラル状態を経て後進状態
にし、スロットル弁を開き惰性航走を打ち消した時、再
度シフト操作を行いニュートラルにすることが実施され
る。急減速時に燃料カットを行うものでは、シフト操作
に先行する急減速中においてもエンジンストールの可能
性が大きくなる。
【0007】なお、4サイクル多気筒内燃機関において
は、スロットル開度が小さい低負荷の時一部の気筒の燃
焼を停止させる気筒休止制御が行われている。この気筒
休止制御は、予めスロットルバルブのイニシャル開度
(全閉時の開度)を大きくし、低回転域で燃焼を停止さ
せる休止気筒を設けて燃焼気筒数を減少させることによ
り、燃焼気筒に対する負荷を大きくして燃焼の安定化と
燃費の低減を図るものである。
は、スロットル開度が小さい低負荷の時一部の気筒の燃
焼を停止させる気筒休止制御が行われている。この気筒
休止制御は、予めスロットルバルブのイニシャル開度
(全閉時の開度)を大きくし、低回転域で燃焼を停止さ
せる休止気筒を設けて燃焼気筒数を減少させることによ
り、燃焼気筒に対する負荷を大きくして燃焼の安定化と
燃費の低減を図るものである。
【0008】2サイクルエンジンにおいては、中低速回
転や低負荷時にシリンダ内のガス交換作用が低下して新
気が充分に吸入されず燃焼が不規則となって不正燃焼を
生ずることがある。このため、中低速域での回転安定性
が悪くなり、2サイクルエンジン特有の振動を発生した
り、また特に船外機においてはエンジンが水平に振動す
る首ふり現象が起こる。またこのような不正燃焼におけ
る排気ガス中には、燃焼が行われずそのまま排気される
燃料が含まれるため、無駄な燃料消費となり燃費の低下
となる。このような点を改善するため上記気筒休止運転
方法は2サイクルエンジンにおいては効果的である。
転や低負荷時にシリンダ内のガス交換作用が低下して新
気が充分に吸入されず燃焼が不規則となって不正燃焼を
生ずることがある。このため、中低速域での回転安定性
が悪くなり、2サイクルエンジン特有の振動を発生した
り、また特に船外機においてはエンジンが水平に振動す
る首ふり現象が起こる。またこのような不正燃焼におけ
る排気ガス中には、燃焼が行われずそのまま排気される
燃料が含まれるため、無駄な燃料消費となり燃費の低下
となる。このような点を改善するため上記気筒休止運転
方法は2サイクルエンジンにおいては効果的である。
【0009】すなわち、船舶用内燃機関として従来なか
った上記気筒休止運転方法を採用することは、4サイク
ルエンジンであっても2サイクルエンジンであっても効
果的である。
った上記気筒休止運転方法を採用することは、4サイク
ルエンジンであっても2サイクルエンジンであっても効
果的である。
【0010】しかし、この気筒休止運転方法を採用する
に当っては、シフト操作に伴いエンジンストールを起こ
さないようにすることが求められる。
に当っては、シフト操作に伴いエンジンストールを起こ
さないようにすることが求められる。
【0011】例えば、気筒休止制御中にシフトカット制
御を行うと、気筒休止制御による休止気筒とシフトカッ
ト制御による点火カット気筒の整合が取れなくなり、あ
るいは休止する気筒数が多くなって、低回転域において
出力低下が大きくなりすぎ、回転不安定やエンジンスト
ールのおそれが発生するからである。
御を行うと、気筒休止制御による休止気筒とシフトカッ
ト制御による点火カット気筒の整合が取れなくなり、あ
るいは休止する気筒数が多くなって、低回転域において
出力低下が大きくなりすぎ、回転不安定やエンジンスト
ールのおそれが発生するからである。
【0012】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
って、船外機等におけるトランスミッションのニュート
ラルへのシフト時に回転不安定やエンジンストールを起
こすことなく円滑にシフト操作ができる船舶用内燃機関
のシフト制御方法および装置の提供を目的とする。
って、船外機等におけるトランスミッションのニュート
ラルへのシフト時に回転不安定やエンジンストールを起
こすことなく円滑にシフト操作ができる船舶用内燃機関
のシフト制御方法および装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、動力伝達系のシフト操作力を検出し、
この検出出力に応じて点火時期および燃料噴射量を制御
する船舶用内燃機関のシフト制御方法において、前記シ
フト操作力が所定値以上の場合に、燃料噴射を継続した
まま特定気筒の点火を停止することを特徴とするエンジ
ン駆動式船舶推進機のシフト制御方法を提供する。
め、本発明では、動力伝達系のシフト操作力を検出し、
この検出出力に応じて点火時期および燃料噴射量を制御
する船舶用内燃機関のシフト制御方法において、前記シ
フト操作力が所定値以上の場合に、燃料噴射を継続した
まま特定気筒の点火を停止することを特徴とするエンジ
ン駆動式船舶推進機のシフト制御方法を提供する。
【0014】好ましい実施例においては、急減速時に緩
速遅角および燃料増量補正による急減速制御を行い、前
記急減速時に上記シフト操作力が所定値以上になった場
合に、前記急減速制御を継続した状態で特定気筒の点火
を停止することを特徴としている。
速遅角および燃料増量補正による急減速制御を行い、前
記急減速時に上記シフト操作力が所定値以上になった場
合に、前記急減速制御を継続した状態で特定気筒の点火
を停止することを特徴としている。
【0015】別の好ましい実施例においては、所定の運
転状態のときに一部の気筒の燃焼を停止させる気筒休止
制御を行い、前記気筒休止制御中に前記シフト操作力が
所定値以上になった場合に、上記シフト制御に優先して
前記気筒休止制御を行うことを特徴としている。
転状態のときに一部の気筒の燃焼を停止させる気筒休止
制御を行い、前記気筒休止制御中に前記シフト操作力が
所定値以上になった場合に、上記シフト制御に優先して
前記気筒休止制御を行うことを特徴としている。
【0016】本発明ではさらに、動力伝達系のシフト操
作力が所定の操作力以上の場合に検出信号を発するシフ
トカットスイッチを含む各種運転状態検出手段と、運転
状態に応じて予め定めたシーケンスにしたがって点火時
期および燃料噴射の制御量を演算する制御プログラムか
らなる演算処理装置と、演算された前記制御量にしたが
って点火および燃料噴射を行う点火手段および燃料噴射
手段とを具備した船舶用内燃機関のシフト制御装置にお
いて、前記制御プログラムは、前記シフトカットスイッ
チが所定の操作力以上を検出した場合に、全気筒に対し
演算された燃料噴射制御量に従って燃料噴射を行うとと
もに特定気筒の点火を停止するように構成されたことを
特徴とするエンジン駆動式船舶推進機のシフト制御装置
を提供する。
作力が所定の操作力以上の場合に検出信号を発するシフ
トカットスイッチを含む各種運転状態検出手段と、運転
状態に応じて予め定めたシーケンスにしたがって点火時
期および燃料噴射の制御量を演算する制御プログラムか
らなる演算処理装置と、演算された前記制御量にしたが
って点火および燃料噴射を行う点火手段および燃料噴射
手段とを具備した船舶用内燃機関のシフト制御装置にお
いて、前記制御プログラムは、前記シフトカットスイッ
チが所定の操作力以上を検出した場合に、全気筒に対し
演算された燃料噴射制御量に従って燃料噴射を行うとと
もに特定気筒の点火を停止するように構成されたことを
特徴とするエンジン駆動式船舶推進機のシフト制御装置
を提供する。
【0017】
【作用】シフト操作力が大きくなってシフトカットスイ
ッチがオンになると、特定気筒の点火が停止され出力を
低下させてトランスミッション系の噛み合いトルクの低
減を図る。このとき、燃料噴射を停止することなく、シ
フトカットスイッチがオンになった時点での制御モード
にしたがって噴射量を演算し噴射を継続する。ギヤがニ
ュートラルに移行してシフトカットスイッチがオフにな
ると、シフトカットスイッチがオンになった時点での制
御モード(シフトカット制御を行う前の制御モード)に
復帰する。
ッチがオンになると、特定気筒の点火が停止され出力を
低下させてトランスミッション系の噛み合いトルクの低
減を図る。このとき、燃料噴射を停止することなく、シ
フトカットスイッチがオンになった時点での制御モード
にしたがって噴射量を演算し噴射を継続する。ギヤがニ
ュートラルに移行してシフトカットスイッチがオフにな
ると、シフトカットスイッチがオンになった時点での制
御モード(シフトカット制御を行う前の制御モード)に
復帰する。
【0018】気筒休止制御を行っている場合には、これ
を優先して続行し、シフトカットの制御モードによる点
火停止は行わない。
を優先して続行し、シフトカットの制御モードによる点
火停止は行わない。
【0019】
【実施例】図1は本発明が適用される船舶用2機掛け船
外機の外観図である。図に示すように、船体405の船
尾に2機のエンジンを包含する船外機406−1、40
6−2が装着される。これは、海上等において充分な推
進力を得るとともに、どちらか一方の船外機が故障した
場合であっても航行を可能として帰港の確保を図るため
の構成である。
外機の外観図である。図に示すように、船体405の船
尾に2機のエンジンを包含する船外機406−1、40
6−2が装着される。これは、海上等において充分な推
進力を得るとともに、どちらか一方の船外機が故障した
場合であっても航行を可能として帰港の確保を図るため
の構成である。
【0020】このような船外機の2機掛け航行時、エン
ジンは2機駆け状態で運転される。この2機駆けエンジ
ンの駆動制御を行う場合、各エンジンはそれぞれ独自に
運転可能とする必要があるため、各エンジンごとに駆動
制御装置を有している。各制御装置は、エンジン回転速
度、スロットル開度、アクセル位置、吸気管負圧等のい
わゆる負荷、吸気温度、排気ガス酸素濃度、シフト位置
等の各種運転状態を検出し、この検出情報に基づいて、
予め定めた制御プログラムに従って、そのときの最適空
燃比や燃料噴射量、噴射タイミング、点火タイミング等
を演算し、この演算値を基にエンジンを駆動制御してい
る。この場合、上記制御プログラムは、検出情報の読み
込みルーチンと、読み込んだ検出情報に基づいて各制御
量を演算する複数の演算ルーチンを予め定めたシーケン
スに従って配置したメインルーチンを有し、このメイン
ルーチンに従って演算処理が行われる。
ジンは2機駆け状態で運転される。この2機駆けエンジ
ンの駆動制御を行う場合、各エンジンはそれぞれ独自に
運転可能とする必要があるため、各エンジンごとに駆動
制御装置を有している。各制御装置は、エンジン回転速
度、スロットル開度、アクセル位置、吸気管負圧等のい
わゆる負荷、吸気温度、排気ガス酸素濃度、シフト位置
等の各種運転状態を検出し、この検出情報に基づいて、
予め定めた制御プログラムに従って、そのときの最適空
燃比や燃料噴射量、噴射タイミング、点火タイミング等
を演算し、この演算値を基にエンジンを駆動制御してい
る。この場合、上記制御プログラムは、検出情報の読み
込みルーチンと、読み込んだ検出情報に基づいて各制御
量を演算する複数の演算ルーチンを予め定めたシーケン
スに従って配置したメインルーチンを有し、このメイン
ルーチンに従って演算処理が行われる。
【0021】図2は、上記2機掛けの内一方の船外機の
スロットル及びギヤシフトの駆動操作系統の構成図であ
る。船外機本体38は、ブラケット37aおよびクラン
プブラケット37bを介して船体36に対しチルト軸3
05廻りにトリム角θを変更可能に取付けられる。30
6はトリム角可変アクチュエータ、39はトリム角セン
サーを表している。トリム角θとはプロペラ10の中心
軸の方向が船底からどれだけ傾いたかを示すものであ
る。トリム角が0°すなわちプロペラ10中心軸が船底
と平行の時、一般的に船外機本体38の前縁が鉛直線に
一致するように船外機は形成されるので、船外機の鉛直
線に対する相対角度θをトリム角と言っても良い。
スロットル及びギヤシフトの駆動操作系統の構成図であ
る。船外機本体38は、ブラケット37aおよびクラン
プブラケット37bを介して船体36に対しチルト軸3
05廻りにトリム角θを変更可能に取付けられる。30
6はトリム角可変アクチュエータ、39はトリム角セン
サーを表している。トリム角θとはプロペラ10の中心
軸の方向が船底からどれだけ傾いたかを示すものであ
る。トリム角が0°すなわちプロペラ10中心軸が船底
と平行の時、一般的に船外機本体38の前縁が鉛直線に
一致するように船外機は形成されるので、船外機の鉛直
線に対する相対角度θをトリム角と言っても良い。
【0022】カム51を端部に有するシフトレバー50
は、カウリング内でピボット片52を介してリンクバー
53に連結される。このカム51は、エンジンとプロペ
ラ軸とを連結するクラッチをシフトさせるためのもので
ある。リンクバー53の端部にはピン55が突出して設
けられる。このピン55は、カウリング内に固定した長
孔ガイド54内で矢印Aのようにスライド可能に装着さ
れる。
は、カウリング内でピボット片52を介してリンクバー
53に連結される。このカム51は、エンジンとプロペ
ラ軸とを連結するクラッチをシフトさせるためのもので
ある。リンクバー53の端部にはピン55が突出して設
けられる。このピン55は、カウリング内に固定した長
孔ガイド54内で矢印Aのようにスライド可能に装着さ
れる。
【0023】一方、船内にはギヤシフトおよびスロット
ル操作用のリモコンボックス56が各船外機406−
1,406−2用に2個設けられる。このリモコンボッ
クス56は、船外機本体38に対しシフトケーブル5
7、スロットルケーブル58および電気信号ケーブル5
9の3本のケーブルを介して連結さていれる。シフトケ
ーブル57はカウリング内で前述のリンクバー53のピ
ン55に結合されている。リモコンボックス56には操
作レバー60が設けられ、これを中立位置(N)から前
進または後進側に駆動操作してシフトケーブル57を介
してピン55を長孔リング54内でスライドさせる。こ
れにより、リンクバー53が平行移動するとともに、そ
の根元部のピボット片52を矢印Bのように回転させ
る。これにより、シフトレバー50がその軸廻りに回転
し、カム51が回転して、ドッグクラッチを介してクラ
ンク軸と前進用ギヤまたは後進用ギヤとを連結する。操
作レバー60を前進または後進のシフト操作完了位置即
ちスロットル弁全閉位置からさらにF方向(前進時)ま
たはR方向(後進時)に移動させることにより、スロッ
トルケーブル58を介して船外機38内のエンジンのス
ロットル弁が全開方向に動作する。このシフトケーブル
57には、シフトカットスイッチ(図示しない)が設け
られている。これは、高負荷運転時にドッグクラッチを
ギヤから切り離そうとする際、クラッチとギヤ間の噛み
合い面圧が非常に大きくなるため、ケーブルに大きな負
荷がかかる。シフトカットスイッチは、この負荷による
ケーブルの弾性変形量を検出することにより過大なクラ
ッチ噛み合い圧力を検知し、エンジン回転を下げてクラ
ッチの切り替えを楽に行うようにするためのものであ
る。このようなシフトカットスイッチはカウリング内に
設けてもよいし、あるいはリモコンボックス内に設けて
もよい。
ル操作用のリモコンボックス56が各船外機406−
1,406−2用に2個設けられる。このリモコンボッ
クス56は、船外機本体38に対しシフトケーブル5
7、スロットルケーブル58および電気信号ケーブル5
9の3本のケーブルを介して連結さていれる。シフトケ
ーブル57はカウリング内で前述のリンクバー53のピ
ン55に結合されている。リモコンボックス56には操
作レバー60が設けられ、これを中立位置(N)から前
進または後進側に駆動操作してシフトケーブル57を介
してピン55を長孔リング54内でスライドさせる。こ
れにより、リンクバー53が平行移動するとともに、そ
の根元部のピボット片52を矢印Bのように回転させ
る。これにより、シフトレバー50がその軸廻りに回転
し、カム51が回転して、ドッグクラッチを介してクラ
ンク軸と前進用ギヤまたは後進用ギヤとを連結する。操
作レバー60を前進または後進のシフト操作完了位置即
ちスロットル弁全閉位置からさらにF方向(前進時)ま
たはR方向(後進時)に移動させることにより、スロッ
トルケーブル58を介して船外機38内のエンジンのス
ロットル弁が全開方向に動作する。このシフトケーブル
57には、シフトカットスイッチ(図示しない)が設け
られている。これは、高負荷運転時にドッグクラッチを
ギヤから切り離そうとする際、クラッチとギヤ間の噛み
合い面圧が非常に大きくなるため、ケーブルに大きな負
荷がかかる。シフトカットスイッチは、この負荷による
ケーブルの弾性変形量を検出することにより過大なクラ
ッチ噛み合い圧力を検知し、エンジン回転を下げてクラ
ッチの切り替えを楽に行うようにするためのものであ
る。このようなシフトカットスイッチはカウリング内に
設けてもよいし、あるいはリモコンボックス内に設けて
もよい。
【0024】リモコンボックス56にはさらに落水検知
スイッチ(図示しない)が設けられている。この落水検
知スイッチは、例えば乗員の身体に結び付けたワイヤに
スイッチを連結し、乗員が落水した時にはスイッチを動
作させてエンジンを停止させ直ちに船を停止させるため
のものである。また、リモコンボックス56には独立の
エンジン停止操作スイッチ(図示しない)も設けられて
いる。
スイッチ(図示しない)が設けられている。この落水検
知スイッチは、例えば乗員の身体に結び付けたワイヤに
スイッチを連結し、乗員が落水した時にはスイッチを動
作させてエンジンを停止させ直ちに船を停止させるため
のものである。また、リモコンボックス56には独立の
エンジン停止操作スイッチ(図示しない)も設けられて
いる。
【0025】図3は、前述の2機掛け船外機にそれぞれ
搭載されるV型6気筒エンジンの内、一つの気筒まわり
のエンジン詳細図である。
搭載されるV型6気筒エンジンの内、一つの気筒まわり
のエンジン詳細図である。
【0026】図3に示すように、クランク室22には、
吸気マニホルド24に連通する吸気ポート80が開口す
る。吸気ポート80にはリード弁23が設けられる。吸
気マニホルド24にはインジェクター26が設けられる
とともにスロットル弁25が備る。吸気マニホルド24
には吸気温度センサー32が設けられる。また、吸気マ
ニホルド24の外側において、スロットル弁25にはス
ロットル開度センサー15(図4参照)が設けられる。
吸気マニホルド24に連通する吸気ポート80が開口す
る。吸気ポート80にはリード弁23が設けられる。吸
気マニホルド24にはインジェクター26が設けられる
とともにスロットル弁25が備る。吸気マニホルド24
には吸気温度センサー32が設けられる。また、吸気マ
ニホルド24の外側において、スロットル弁25にはス
ロットル開度センサー15(図4参照)が設けられる。
【0027】インジェクター26に供給される燃料は燃
料タンク63内に溜められている。この燃料タンク63
内の燃料は低圧燃料ポンプ64により水分離およびゴミ
除去用フィルター66を介してサブタンク67に送られ
る。サブタンク67内の燃料は、高圧燃料ポンプ65に
より分配管を経て各気筒のインジェクター26に送ら
れ、後述のように制御された噴射量および噴射タイミン
グで燃料が吸気マニホルド24内に噴射され所定空燃比
の混合気を形成する。インジェクター26で噴射されな
かった高圧燃料は、戻り配管70を通してサブタンク6
7に回収される。戻り配管70上には圧力レギュレータ
69が設けられ、インジェクター26の噴射圧力を一定
に保つ。これにより、インジェクター26の開弁による
噴射時間を制御することにより燃料噴射量が制御でき
る。
料タンク63内に溜められている。この燃料タンク63
内の燃料は低圧燃料ポンプ64により水分離およびゴミ
除去用フィルター66を介してサブタンク67に送られ
る。サブタンク67内の燃料は、高圧燃料ポンプ65に
より分配管を経て各気筒のインジェクター26に送ら
れ、後述のように制御された噴射量および噴射タイミン
グで燃料が吸気マニホルド24内に噴射され所定空燃比
の混合気を形成する。インジェクター26で噴射されな
かった高圧燃料は、戻り配管70を通してサブタンク6
7に回収される。戻り配管70上には圧力レギュレータ
69が設けられ、インジェクター26の噴射圧力を一定
に保つ。これにより、インジェクター26の開弁による
噴射時間を制御することにより燃料噴射量が制御でき
る。
【0028】図4は、前述のエンジンを含む船外機の各
種運転状態を検出するための検出手段および燃料噴射や
点火を駆動する手段を含む駆動制御システムの詳細を示
す。この例は2機掛けされる船舶用6気筒エンジンを搭
載した船外機の一方の制御システムを代表して示す。
種運転状態を検出するための検出手段および燃料噴射や
点火を駆動する手段を含む駆動制御システムの詳細を示
す。この例は2機掛けされる船舶用6気筒エンジンを搭
載した船外機の一方の制御システムを代表して示す。
【0029】気筒検出手段#1〜#6は、クランク軸廻
りに6個配置され、メインルーチンで実施される各気筒
についてイベント割込み(TDC割込み)を実行するた
めのトリガ信号を発生する。これは、例えば各気筒のピ
ストンが上死点またはそれより所定角度(クランク角
度)手前に位置する瞬間に信号を発するように構成す
る。従って、本実施例ではクランク軸の1回転中に60
度ごとに1つの気筒検出信号(TDC信号)が各気筒#
1〜#6から順番に演算処理装置に送られる。このイベ
ント割込みフローの中で、メインルーチン中に求められ
た各気筒についての制御演算結果に基づいて点火及び燃
料噴射が実施される。
りに6個配置され、メインルーチンで実施される各気筒
についてイベント割込み(TDC割込み)を実行するた
めのトリガ信号を発生する。これは、例えば各気筒のピ
ストンが上死点またはそれより所定角度(クランク角
度)手前に位置する瞬間に信号を発するように構成す
る。従って、本実施例ではクランク軸の1回転中に60
度ごとに1つの気筒検出信号(TDC信号)が各気筒#
1〜#6から順番に演算処理装置に送られる。このイベ
ント割込みフローの中で、メインルーチン中に求められ
た各気筒についての制御演算結果に基づいて点火及び燃
料噴射が実施される。
【0030】クランク角検出手段は、点火時期制御のベ
ースとなる角度パルスを発するものであり、クランク軸
に係合するリングギヤの歯数に対応してパルス信号を発
する。例えばギヤ歯数112歯に対応して1回転中に4
48パルスを発するように構成すれば、1パルスごとに
クランク軸が0.8度回転することになる。
ースとなる角度パルスを発するものであり、クランク軸
に係合するリングギヤの歯数に対応してパルス信号を発
する。例えばギヤ歯数112歯に対応して1回転中に4
48パルスを発するように構成すれば、1パルスごとに
クランク軸が0.8度回転することになる。
【0031】スロットル開度検出手段15は、吸気マニ
ホルド24に設けたスロットル弁25の開度に応じてア
ナログ電圧信号を発する。演算処理装置はこのアナログ
信号をA/D変換してマップ読取り等の演算処理を行
う。
ホルド24に設けたスロットル弁25の開度に応じてア
ナログ電圧信号を発する。演算処理装置はこのアナログ
信号をA/D変換してマップ読取り等の演算処理を行
う。
【0032】さらに詳しくいうと、前述のスロットルレ
バー60(図2)に連結されたスロットルワイヤのリン
クがスロットル弁25の弁軸の一端に接続されている。
この弁軸の反対側の端部に抵抗摺動式のセンサーが取り
つけられる。スロットル弁の開度に応じて弁軸が回転し
センサーの抵抗値が変わる。この抵抗値変化を電圧変化
としてとり出しスロットル開度の検出信号とする。
バー60(図2)に連結されたスロットルワイヤのリン
クがスロットル弁25の弁軸の一端に接続されている。
この弁軸の反対側の端部に抵抗摺動式のセンサーが取り
つけられる。スロットル弁の開度に応じて弁軸が回転し
センサーの抵抗値が変わる。この抵抗値変化を電圧変化
としてとり出しスロットル開度の検出信号とする。
【0033】次のトリム角度検出手段から吸気温度検出
手段までは、エンジンの運転条件に対する環境変化があ
った場合にこの変化に応じて制御量を補正するためのも
のである。トリム角度検出手段は、船外機の取付け角度
を検出するものである。E/G温度検出手段は、各気筒
(または特定の基準気筒)のシリンダブロックに温度セ
ンサーを取付けその気筒の温度を検出するものである。
大気圧検出手段は、カウリング内の適当な位置に設けら
れる。吸気温度検出手段32は吸気通路上の適当な位置
に設けられる。大気圧および吸気温度は空気の体積に直
接影響するものであり、演算処理装置は、これらの大気
圧および吸気温度の検出値に応じて空燃比等の制御量に
対する補正演算を行う。
手段までは、エンジンの運転条件に対する環境変化があ
った場合にこの変化に応じて制御量を補正するためのも
のである。トリム角度検出手段は、船外機の取付け角度
を検出するものである。E/G温度検出手段は、各気筒
(または特定の基準気筒)のシリンダブロックに温度セ
ンサーを取付けその気筒の温度を検出するものである。
大気圧検出手段は、カウリング内の適当な位置に設けら
れる。吸気温度検出手段32は吸気通路上の適当な位置
に設けられる。大気圧および吸気温度は空気の体積に直
接影響するものであり、演算処理装置は、これらの大気
圧および吸気温度の検出値に応じて空燃比等の制御量に
対する補正演算を行う。
【0034】既燃ガス検出手段は、所定の気筒例えば#
1気筒に設けられる酸素濃度センサー(O2センサ)の
ことである。検出した酸素濃度に応じて燃料噴射量等の
フィードバック制御を行う。
1気筒に設けられる酸素濃度センサー(O2センサ)の
ことである。検出した酸素濃度に応じて燃料噴射量等の
フィードバック制御を行う。
【0035】ノック検出手段34は、各気筒の異常燃焼
を検出するものであり、ノッキングがおきた場合に点火
を遅角側にシフトさせたりまたは燃料をリッチ側に設定
してノッキングを解消し、エンジンの損傷発生を防止す
る。
を検出するものであり、ノッキングがおきた場合に点火
を遅角側にシフトさせたりまたは燃料をリッチ側に設定
してノッキングを解消し、エンジンの損傷発生を防止す
る。
【0036】オイルレベル検出手段は、カウリング内の
サブタンク67および船内のメインタンク63の両方に
レベルセンサーを設けたものである。
サブタンク67および船内のメインタンク63の両方に
レベルセンサーを設けたものである。
【0037】V型バンクの左右各バンクに1個づつ設け
られたサーモスイッチは、バイメタル式温度センサー等
の応答性の速いセンサーからなり、冷却系異常等による
エンジンの温度上昇等を検出し焼き付きを防止するため
の失火制御を行う。なお、前述のエンジン温度検出手段
はシリンダブロックに設けられ燃料噴射の制御量補正の
ために使用されるが、このサーモスイッチはエンジンの
温度上昇に直ちに対処するため応答性が速いことが要求
される。
られたサーモスイッチは、バイメタル式温度センサー等
の応答性の速いセンサーからなり、冷却系異常等による
エンジンの温度上昇等を検出し焼き付きを防止するため
の失火制御を行う。なお、前述のエンジン温度検出手段
はシリンダブロックに設けられ燃料噴射の制御量補正の
ために使用されるが、このサーモスイッチはエンジンの
温度上昇に直ちに対処するため応答性が速いことが要求
される。
【0038】シフトカットスイッチは、クラッチを切り
替えるためのシフトケーブルのテンションを検出してプ
ロペラに直結するドッグクラッチの切り替えを容易にす
るためのものである。
替えるためのシフトケーブルのテンションを検出してプ
ロペラに直結するドッグクラッチの切り替えを容易にす
るためのものである。
【0039】運転状態検出手段とは、他方の船外機の運
転状態を検知するためのものであり、該手段には気筒休
止運転検出手段、2機掛け運転状態検知手段及びDES
検出手段がが含まれる。DES検出手段は、2機掛け運
転の場合他のエンジンが異常により失火運転状態にある
時これを知らせるための信号であるDESを検知するも
のである。すなわち、該手段は船尾に船外機を2台並列
して備えた型式の船舶において、一方の船外機のエンジ
ンがオイル不足、温度上昇等により失火制御を行ってい
る場合には、そのエンジンのDES出力手段からDES
が出力されており、このDESを検出しこの失火運転状
態を検知するためのものである。このDESの検出によ
り、他方のエンジンも同様に失火制御を行って、両方の
エンジンの運転状態を同じにして走行のバランスを保
つ。また、2機掛け運転状態検知手段とは他方の船外機
が同時に運転されている2機掛け運転状態にあるか否か
を検知するものであり、気筒休止運転検出手段とは、2
機掛け運転状態下において、他方の船外機のエンジンが
気筒休止運転状態であるか否かを検知するものである。
一方の船外機のエンジンが気筒休止運転となった場合、
そのエンジンより気筒休止信号が出力されており、この
信号が検知されると他方のエンジンも同様に気筒休止運
転を行い、両船外機による走行バランスを保つようにす
る。
転状態を検知するためのものであり、該手段には気筒休
止運転検出手段、2機掛け運転状態検知手段及びDES
検出手段がが含まれる。DES検出手段は、2機掛け運
転の場合他のエンジンが異常により失火運転状態にある
時これを知らせるための信号であるDESを検知するも
のである。すなわち、該手段は船尾に船外機を2台並列
して備えた型式の船舶において、一方の船外機のエンジ
ンがオイル不足、温度上昇等により失火制御を行ってい
る場合には、そのエンジンのDES出力手段からDES
が出力されており、このDESを検出しこの失火運転状
態を検知するためのものである。このDESの検出によ
り、他方のエンジンも同様に失火制御を行って、両方の
エンジンの運転状態を同じにして走行のバランスを保
つ。また、2機掛け運転状態検知手段とは他方の船外機
が同時に運転されている2機掛け運転状態にあるか否か
を検知するものであり、気筒休止運転検出手段とは、2
機掛け運転状態下において、他方の船外機のエンジンが
気筒休止運転状態であるか否かを検知するものである。
一方の船外機のエンジンが気筒休止運転となった場合、
そのエンジンより気筒休止信号が出力されており、この
信号が検知されると他方のエンジンも同様に気筒休止運
転を行い、両船外機による走行バランスを保つようにす
る。
【0040】バッテリ電圧検出手段は、インジェクタの
駆動電源電圧の変化によりバルブの開閉動作の速さが変
り吐出量が変化するため、バッテリ電圧を検出してこの
電圧に基づいて噴射量を補正制御するために用いる。
駆動電源電圧の変化によりバルブの開閉動作の速さが変
り吐出量が変化するため、バッテリ電圧を検出してこの
電圧に基づいて噴射量を補正制御するために用いる。
【0041】スタータスイッチ検出手段は、エンジンが
始動運転中かどうかを検出するためのものである。始動
状態であれば、燃料のリッチ化等を行い始動運転用の制
御を行う。
始動運転中かどうかを検出するためのものである。始動
状態であれば、燃料のリッチ化等を行い始動運転用の制
御を行う。
【0042】2種類あるE/Gストップスイッチ検出手
段は、エンジン停止操作スイッチや落水検知スイッチの
ことであり、このうち落水検知スイッチは乗員が落水し
た場合これを検出するものであり、エンジンを直ちに停
止するように制御する。この2種のE/Gストップスイ
ッチ検出手段を図中便宜上一つのE/Gストップスイッ
チ検出手段として表示する。
段は、エンジン停止操作スイッチや落水検知スイッチの
ことであり、このうち落水検知スイッチは乗員が落水し
た場合これを検出するものであり、エンジンを直ちに停
止するように制御する。この2種のE/Gストップスイ
ッチ検出手段を図中便宜上一つのE/Gストップスイッ
チ検出手段として表示する。
【0043】以上のような各検出手段からの入力信号に
基づいて、演算処理装置内で各制御量の演算を行い、演
算結果に基づいて出力側(図4の右側)の燃料噴射手段
#1〜#6、点火手段#1〜#6、燃料ポンプおよびオ
イルポンプを駆動制御する。なお、燃料噴射手段および
点火手段はそれぞれ、インジェクタおよび点火プラグで
あり、各気筒ごとに独立して順番に制御される。
基づいて、演算処理装置内で各制御量の演算を行い、演
算結果に基づいて出力側(図4の右側)の燃料噴射手段
#1〜#6、点火手段#1〜#6、燃料ポンプおよびオ
イルポンプを駆動制御する。なお、燃料噴射手段および
点火手段はそれぞれ、インジェクタおよび点火プラグで
あり、各気筒ごとに独立して順番に制御される。
【0044】このような演算処理装置での演算を実行す
るために、図示したように、演算処理装置には、制御プ
ログラムやマップ等を格納したROM等からなる不揮発
性メモリおよび各検出信号やこれに基づく演算のための
一時的なデータを記憶するためのRAM等からなる揮発
性メモリが備る。
るために、図示したように、演算処理装置には、制御プ
ログラムやマップ等を格納したROM等からなる不揮発
性メモリおよび各検出信号やこれに基づく演算のための
一時的なデータを記憶するためのRAM等からなる揮発
性メモリが備る。
【0045】次に、図5を参照して、本発明が適用され
る船外機エンジンの点火時期制御および燃料噴射制御に
ついて説明する。図5はこのような制御フローを実行す
るための構成を示すブロック図である。各ブロックは、
前述の図4の演算処理装置内に演算処理回路として組込
まれている。
る船外機エンジンの点火時期制御および燃料噴射制御に
ついて説明する。図5はこのような制御フローを実行す
るための構成を示すブロック図である。各ブロックは、
前述の図4の演算処理装置内に演算処理回路として組込
まれている。
【0046】気筒判別手段201は、気筒検出手段#1
〜#6(図4)に対応するものであり、各気筒からの入
力信号に基づいてその気筒番号を判別する。周期計測手
段1000は、この気筒検出手段からの検出信号に基づ
いて、各気筒からの入力信号の時間間隔を計測し、これ
を6倍することにより1回転の時間(周期)を算出す
る。エンジン回転数算出手段203は、この周期の逆数
を演算して回転数を求める。スロットル開度読み込み手
段204は、スロットル開度に対応したアナログ電圧信
号により開度を読み込む。
〜#6(図4)に対応するものであり、各気筒からの入
力信号に基づいてその気筒番号を判別する。周期計測手
段1000は、この気筒検出手段からの検出信号に基づ
いて、各気筒からの入力信号の時間間隔を計測し、これ
を6倍することにより1回転の時間(周期)を算出す
る。エンジン回転数算出手段203は、この周期の逆数
を演算して回転数を求める。スロットル開度読み込み手
段204は、スロットル開度に対応したアナログ電圧信
号により開度を読み込む。
【0047】スロットル開度読み込み手段204からの
スロットル開度信号はA/D変換され、E/G回転数算
出手段203からの回転数信号さらにスタータスイッチ
からの起動情報が、基本点火時期算出手段210および
基本燃料噴射算出手段211に送られ、基準気筒である
#1の気筒の点火時期および燃料噴射量が通常運転モー
ドあるいは始動モードのそれぞれにおいてそれぞれ3次
元マップを用いて算出される。このエンジン回転数信号
およびスロットル開度信号は、さらに気筒別点火時期補
正値演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算
手段209に送られ、残りの気筒#2〜#6についての
基本点火時期および基本噴射量に対する補正値を各気筒
ごとにマップ演算して求める。
スロットル開度信号はA/D変換され、E/G回転数算
出手段203からの回転数信号さらにスタータスイッチ
からの起動情報が、基本点火時期算出手段210および
基本燃料噴射算出手段211に送られ、基準気筒である
#1の気筒の点火時期および燃料噴射量が通常運転モー
ドあるいは始動モードのそれぞれにおいてそれぞれ3次
元マップを用いて算出される。このエンジン回転数信号
およびスロットル開度信号は、さらに気筒別点火時期補
正値演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算
手段209に送られ、残りの気筒#2〜#6についての
基本点火時期および基本噴射量に対する補正値を各気筒
ごとにマップ演算して求める。
【0048】一方、トリム角度読み込み手段205、機
関温度読み込み手段206および大気圧読み込み手段2
07は、それぞれの検出手段(図4)からの検出信号を
読取り、これを点火時期補正値算出手段212および燃
料噴射量補正値・補正係数算出手段213に送り、各運
転状態に応じた補正値及び補正係数を算出する。この場
合、点火時期補正値については、基本点火進角の値に対
して加算する補正進角(あるいは遅角)の角度数を、各
読み込みデータの種類ごとに予め記憶させたマップによ
り求める。また、燃料噴射量の補正係数については、予
め記憶されたマップデータにより運転状態に応じた値を
求める。
関温度読み込み手段206および大気圧読み込み手段2
07は、それぞれの検出手段(図4)からの検出信号を
読取り、これを点火時期補正値算出手段212および燃
料噴射量補正値・補正係数算出手段213に送り、各運
転状態に応じた補正値及び補正係数を算出する。この場
合、点火時期補正値については、基本点火進角の値に対
して加算する補正進角(あるいは遅角)の角度数を、各
読み込みデータの種類ごとに予め記憶させたマップによ
り求める。また、燃料噴射量の補正係数については、予
め記憶されたマップデータにより運転状態に応じた値を
求める。
【0049】なお、点火時期補正および燃料噴射量補正
について、図示していないが、さらに吸気温度の検出デ
ータを各算出手段212、213に入力して吸気温度に
基づく補正を行ってもよい。燃料の噴射量補正値・補正
係数算出手段213にはスタータSWからの始動開始情
報、及びエンジン回転数情報あるいはさらにE/G(エ
ンジン)温度検出手段からの温度情報に基づき、始動運
転モードから通常運転モードへの移行時点からスタート
するタイマーの経過時間情報も入力される。燃料噴射量
補正値・補正係数算出手段213においては基本噴射量
に乗算される補正係数と、気筒別補正値以外の補正値、
即ち始動後補正値及び始動運転モードから通常運転モー
ドへの移行時点からの時間経過に対応した過渡期補正値
が算出される。
について、図示していないが、さらに吸気温度の検出デ
ータを各算出手段212、213に入力して吸気温度に
基づく補正を行ってもよい。燃料の噴射量補正値・補正
係数算出手段213にはスタータSWからの始動開始情
報、及びエンジン回転数情報あるいはさらにE/G(エ
ンジン)温度検出手段からの温度情報に基づき、始動運
転モードから通常運転モードへの移行時点からスタート
するタイマーの経過時間情報も入力される。燃料噴射量
補正値・補正係数算出手段213においては基本噴射量
に乗算される補正係数と、気筒別補正値以外の補正値、
即ち始動後補正値及び始動運転モードから通常運転モー
ドへの移行時点からの時間経過に対応した過渡期補正値
が算出される。
【0050】点火時期補正値算出手段212および燃料
噴射量補正値・補正係数算出手段213の算出出力は、
それぞれ点火時期補正手段214および燃料噴射量補正
手段215に入力され、ここで基本点火時期に補正値が
加算されるとともに基本燃料噴射の算出値に補正係数が
乗算され、且つ始動後補正値と過渡時補正値が加算され
て#1気筒の点火時期および燃料噴射の制御量が算出さ
れる。
噴射量補正値・補正係数算出手段213の算出出力は、
それぞれ点火時期補正手段214および燃料噴射量補正
手段215に入力され、ここで基本点火時期に補正値が
加算されるとともに基本燃料噴射の算出値に補正係数が
乗算され、且つ始動後補正値と過渡時補正値が加算され
て#1気筒の点火時期および燃料噴射の制御量が算出さ
れる。
【0051】この基準気筒#1の点火時期および燃料噴
射の制御量は気筒別点火時期補正手段216および気筒
別燃料噴射量補正手段217に入力され、ここで#1気
筒についての補正された点火時期および燃料噴射量に対
し、#2〜#6の気筒についての気筒別点火時期補正量
演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算手段
209による制御補正量を加えることにより、#2〜#
6までの気筒の点火時期および燃料噴射量の制御量が算
出される。
射の制御量は気筒別点火時期補正手段216および気筒
別燃料噴射量補正手段217に入力され、ここで#1気
筒についての補正された点火時期および燃料噴射量に対
し、#2〜#6の気筒についての気筒別点火時期補正量
演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算手段
209による制御補正量を加えることにより、#2〜#
6までの気筒の点火時期および燃料噴射量の制御量が算
出される。
【0052】このようにして算出された#1から#6ま
での各気筒に対する点火時期および燃料噴射の制御量に
基づいて、点火出力手段218は、各気筒ごとの点火進
角の角度の値で算出された制御量をタイマーセットし、
燃料出力手段219は開弁時間に相当するクランク角を
タイマーセットする。
での各気筒に対する点火時期および燃料噴射の制御量に
基づいて、点火出力手段218は、各気筒ごとの点火進
角の角度の値で算出された制御量をタイマーセットし、
燃料出力手段219は開弁時間に相当するクランク角を
タイマーセットする。
【0053】図6および図7は、本発明の実施例に係る
2機掛け船外機のそれぞれのエンジンについての制御全
体のフローチャートである。このフローチャートは、各
エンジンの制御装置(演算処理装置)のCPUに組込ま
れた制御プロセス全体のシーケンスプログラムを示すメ
インルーチンのフローである。
2機掛け船外機のそれぞれのエンジンについての制御全
体のフローチャートである。このフローチャートは、各
エンジンの制御装置(演算処理装置)のCPUに組込ま
れた制御プロセス全体のシーケンスプログラムを示すメ
インルーチンのフローである。
【0054】メインスイッチが投入され電源が立上がっ
てエンジン操作が開始されると、所定のリセット時間後
まず制御処理装置内の各処理回路が初期化される(ステ
ップS11)。
てエンジン操作が開始されると、所定のリセット時間後
まず制御処理装置内の各処理回路が初期化される(ステ
ップS11)。
【0055】次にステップS12において、運転状態が
判断され結果がメモリに保持される。ここでは、メイン
スイッチのON,0FF情報、図4のスタータSW検出
手段を使って読み込まれたスタータSWのON,OFF
情報、及び気筒判別手段からの検出信号の時間間隔から
算出されるエンジン回転数情報により始動状態か否か判
断する始動判断、スロットル開度検出手段から読み取ら
れるスロットル開度情報、エンジン回転数情報、運転状
態検出手段により読み取られる他方の船外機の運転状態
情報である運転状態情報、あるいは下記するオーバーヒ
ート、オイル不足等の異常状態情報、あるいはスロット
ル開度情報の時間変化から算出される急加減速情報等に
基づき特定気筒を休止すべきかどうかの気筒休止判断、
主にスロットル開度情報、エンジン回転数情報に基づき
酸素濃度のフィードバック制御を行うかどうかの判断、
及び主に同2つの情報に基づき特定の制御条件の場合に
制御データを学習記憶させるかどうかの判断、エンジン
回転数情報に基づき過剰回転にあるかどうかのオーバー
レボ判断、スロットル開度情報、エンジン回転数情報及
びエンジン(E/G)温度検出手段あるいはそのより具
体的手段であるサーモSWによる温度情報に基づきオー
バーヒート状態であるかどうかのオーバーヒート判断、
スロットル開度情報、エンジン回転数情報及びオイルレ
ベル検出手段による残存オイル量情報に基づき残存オイ
ル量が少ないかどうかのオイルエンプティ判断を行う。
過剰回転状態、オーバーヒート状態及び残存オイル量少
状態の場合は下記するように失火制御を行う。ステップ
S12においてはさらに、スロットル情報、クランク角
情報、O2センサ情報あるいはクランク角検出手段の一
種であるパルサーコイルからのパルサー情報に基づき、
これらの情報が欠落あるいは異常であるフェール状態で
あるか否かのフェール判断、運転状態情報により他の船
外機も運転されている2機掛け運転状態にあるかどうか
の判断、気筒休止状態信号により他方の船外機が気筒休
止運転状態にあるかの判断、及びDES(異常対応の失
火制御状態を報知する信号)により他方の船外機が異常
対応の失火制御状態にあるかの判断の3つの判断からな
る2機掛け運転状態判断、前記したスロットル開度情報
の時間変化から急加減速状態にあるかどうかの急加減速
判断、高速回転状態からのシフト操作時作動するシフト
カットSWのON,OFF情報に基づくシフトカット状
態にあるかどうかのシフトカット判断がなされる。
判断され結果がメモリに保持される。ここでは、メイン
スイッチのON,0FF情報、図4のスタータSW検出
手段を使って読み込まれたスタータSWのON,OFF
情報、及び気筒判別手段からの検出信号の時間間隔から
算出されるエンジン回転数情報により始動状態か否か判
断する始動判断、スロットル開度検出手段から読み取ら
れるスロットル開度情報、エンジン回転数情報、運転状
態検出手段により読み取られる他方の船外機の運転状態
情報である運転状態情報、あるいは下記するオーバーヒ
ート、オイル不足等の異常状態情報、あるいはスロット
ル開度情報の時間変化から算出される急加減速情報等に
基づき特定気筒を休止すべきかどうかの気筒休止判断、
主にスロットル開度情報、エンジン回転数情報に基づき
酸素濃度のフィードバック制御を行うかどうかの判断、
及び主に同2つの情報に基づき特定の制御条件の場合に
制御データを学習記憶させるかどうかの判断、エンジン
回転数情報に基づき過剰回転にあるかどうかのオーバー
レボ判断、スロットル開度情報、エンジン回転数情報及
びエンジン(E/G)温度検出手段あるいはそのより具
体的手段であるサーモSWによる温度情報に基づきオー
バーヒート状態であるかどうかのオーバーヒート判断、
スロットル開度情報、エンジン回転数情報及びオイルレ
ベル検出手段による残存オイル量情報に基づき残存オイ
ル量が少ないかどうかのオイルエンプティ判断を行う。
過剰回転状態、オーバーヒート状態及び残存オイル量少
状態の場合は下記するように失火制御を行う。ステップ
S12においてはさらに、スロットル情報、クランク角
情報、O2センサ情報あるいはクランク角検出手段の一
種であるパルサーコイルからのパルサー情報に基づき、
これらの情報が欠落あるいは異常であるフェール状態で
あるか否かのフェール判断、運転状態情報により他の船
外機も運転されている2機掛け運転状態にあるかどうか
の判断、気筒休止状態信号により他方の船外機が気筒休
止運転状態にあるかの判断、及びDES(異常対応の失
火制御状態を報知する信号)により他方の船外機が異常
対応の失火制御状態にあるかの判断の3つの判断からな
る2機掛け運転状態判断、前記したスロットル開度情報
の時間変化から急加減速状態にあるかどうかの急加減速
判断、高速回転状態からのシフト操作時作動するシフト
カットSWのON,OFF情報に基づくシフトカット状
態にあるかどうかのシフトカット判断がなされる。
【0056】このような判断は、前のルーチンにおいて
読取ったセンサーからの検出情報や演算結果等の各種情
報に基づいて行われる。
読取ったセンサーからの検出情報や演算結果等の各種情
報に基づいて行われる。
【0057】次にステップS13において、ループ1の
ルーチンワークを行うかどうかの判別が行われる。YE
Sであれば、ステップS14に進みスイッチ情報の読み
込みが行われる。ここではE/Gストップスイッチ検出
手段、メインスイッチ、スタータスイッチ検出手段およ
びサーモSWからの情報が読取られる。続いてステップ
S15において、ノックセンサー(ノック検出手段)お
よびスロットルセンサー(スロットル開度検出手段)か
らの情報が読取られる。このループ1による情報読み込
みの終了後ステップS16に進み、ループ2のルーチン
ワークを行うかどうかが判別される。
ルーチンワークを行うかどうかの判別が行われる。YE
Sであれば、ステップS14に進みスイッチ情報の読み
込みが行われる。ここではE/Gストップスイッチ検出
手段、メインスイッチ、スタータスイッチ検出手段およ
びサーモSWからの情報が読取られる。続いてステップ
S15において、ノックセンサー(ノック検出手段)お
よびスロットルセンサー(スロットル開度検出手段)か
らの情報が読取られる。このループ1による情報読み込
みの終了後ステップS16に進み、ループ2のルーチン
ワークを行うかどうかが判別される。
【0058】演算処理装置はハード的あるいはソフト的
に4ms間隔でループ1の処理用フラグ1を1にセット
し、8ms間隔でループ2の処理用フラグ2を1にセッ
トする。
に4ms間隔でループ1の処理用フラグ1を1にセット
し、8ms間隔でループ2の処理用フラグ2を1にセッ
トする。
【0059】図8はこのようなループ1およびループ2
を実行するためのタイマー割込みのフローチャートであ
る。このようなタイマーのセットはイニシャライズステ
ップS11において行われ、各ループ1、2のルーチン
を実行中にはそのフラグがセットされるとともに次回の
そのルーチンのためのタイマーがセットされる。
を実行するためのタイマー割込みのフローチャートであ
る。このようなタイマーのセットはイニシャライズステ
ップS11において行われ、各ループ1、2のルーチン
を実行中にはそのフラグがセットされるとともに次回の
そのルーチンのためのタイマーがセットされる。
【0060】図6に戻り、ステップS13において、フ
ラグ1をチェックし1であればステップS14、ステッ
プS15を実施する。なお、ステップS14に進むと同
時にフラグ1はクリアされ0となる。ステップS13に
おいて、フラグ1が0であることが確認されると、ステ
ップS16に進み、フラグ2が1であるかをチェックす
る。フラグ2が1であればステップS17に進むと同時
にフラグ2はクリアされ0となる。ステップS16でフ
ラグ2が0である場合はステップS12に戻る。
ラグ1をチェックし1であればステップS14、ステッ
プS15を実施する。なお、ステップS14に進むと同
時にフラグ1はクリアされ0となる。ステップS13に
おいて、フラグ1が0であることが確認されると、ステ
ップS16に進み、フラグ2が1であるかをチェックす
る。フラグ2が1であればステップS17に進むと同時
にフラグ2はクリアされ0となる。ステップS16でフ
ラグ2が0である場合はステップS12に戻る。
【0061】ステップS17においては、オイルレベル
の検出、高回転状態からのシフト操作時大となるシフト
ケーブルのテンションに応じて作動し、テンションが大
なる時ONとなるシフトカットスイッチのON,OFF
状態の検知、およびエンジン2機掛け運転信号、気筒休
止状態信号及びDES信号の検出が行われる。さらにス
テップS18において、大気圧情報、吸気温度情報、ト
リム角情報、エンジン温度情報、バッテリ電圧情報、お
よび排気ガス中の酸素濃度情報が大気圧検出手段、吸気
温度検出手段、トリム角度検出手段、E/G(エンジ
ン)温度検出手段、バッテリ電圧検出手段、及びO2セ
ンサーによりそれぞれ読取られる。なお、酸素濃度情報
に基づき燃焼前のA/F情報が算出される。
の検出、高回転状態からのシフト操作時大となるシフト
ケーブルのテンションに応じて作動し、テンションが大
なる時ONとなるシフトカットスイッチのON,OFF
状態の検知、およびエンジン2機掛け運転信号、気筒休
止状態信号及びDES信号の検出が行われる。さらにス
テップS18において、大気圧情報、吸気温度情報、ト
リム角情報、エンジン温度情報、バッテリ電圧情報、お
よび排気ガス中の酸素濃度情報が大気圧検出手段、吸気
温度検出手段、トリム角度検出手段、E/G(エンジ
ン)温度検出手段、バッテリ電圧検出手段、及びO2セ
ンサーによりそれぞれ読取られる。なお、酸素濃度情報
に基づき燃焼前のA/F情報が算出される。
【0062】次に、ステップS19において、失火制御
が行われる。これは、読み込んだ情報から、前記ステッ
プS12の運転状態判断において、過回転、所定以上の
スロットル開度及びエンジン回転数におけるオーバーヒ
ート、オイルエンプティ等の異常状態にある、あるいは
他のエンジンが異常状態にあるとの判断結果が検出され
たときに、特定気筒の失火を行うように燃料制御するも
のである。さらに、下記するステップS24の気筒別補
正において、失火させる気筒の燃料噴射量を他の気筒よ
り半減させるべく、失火制御状態にあることをメモリに
出力する失火時燃料制御が実施される。次に、エンジン
が回転しているかどうかの判断およびオイルタンクのレ
ベルセンサーからの情報に基づいて、燃料ポンプおよび
オイルポンプが駆動制御される(ステップS20)。こ
れは、燃料については、エンジンが回転中ならば燃料ポ
ンプを駆動し、エンジン停止中ならば燃料ポンプを停止
し、オイルについては、オイルタンク内の量が少ないと
きにポンプを駆動して船体内のオイルタンクからオイル
を補給するかまたは船内タンクが空の場合はエンジン回
転数を低下させオイル消費量を低下させるものである。
が行われる。これは、読み込んだ情報から、前記ステッ
プS12の運転状態判断において、過回転、所定以上の
スロットル開度及びエンジン回転数におけるオーバーヒ
ート、オイルエンプティ等の異常状態にある、あるいは
他のエンジンが異常状態にあるとの判断結果が検出され
たときに、特定気筒の失火を行うように燃料制御するも
のである。さらに、下記するステップS24の気筒別補
正において、失火させる気筒の燃料噴射量を他の気筒よ
り半減させるべく、失火制御状態にあることをメモリに
出力する失火時燃料制御が実施される。次に、エンジン
が回転しているかどうかの判断およびオイルタンクのレ
ベルセンサーからの情報に基づいて、燃料ポンプおよび
オイルポンプが駆動制御される(ステップS20)。こ
れは、燃料については、エンジンが回転中ならば燃料ポ
ンプを駆動し、エンジン停止中ならば燃料ポンプを停止
し、オイルについては、オイルタンク内の量が少ないと
きにポンプを駆動して船体内のオイルタンクからオイル
を補給するかまたは船内タンクが空の場合はエンジン回
転数を低下させオイル消費量を低下させるものである。
【0063】次に、ステップS21において、気筒休止
判断結果の判別を行う。これは、前述の運転状態判断ス
テップS12において、所定の条件のときに気筒休止運
転を行う判断をした場合に、演算処理のマップを選択す
るための判別ステップである。気筒休止運転でなければ
通常の全気筒運転による通常運転マップを用いて点火時
期および噴射時間の基本演算およびこれに対する気筒別
の補正演算を行う(ステップS22)。なお、失火制御
状態にあるかどうかの判断もなされ、失火制御状態にあ
る場合は失火気筒にも、他の点火気筒への燃料噴射量と
同じか所定割合を減じた燃料を供給すべく噴射時間の設
定がなされる。これにより所定以上のスロットル開度及
びエンジン回転数の時からの失火制御においても燃料を
供給するので、気化熱によりピストン等を冷却でき損傷
を防止できる。気筒休止運転状態であれば、特定の気筒
を休止した気筒休止運転用の気筒休止マップを用いて点
火時期および噴射時間の演算および気筒別の補正演算を
行う(ステップS24)。次に、図7のステップS23
において、大気圧やトリム角等の運転状態に応じて、基
本の点火時期や燃料噴射に対する補正値が演算される。
続いて、ステップS25において、酸素濃度のフィード
バック制御に伴う補正値が演算される。このとき、演算
情報の学習判定とO2センサーの活性化の判定が行われ
る。さらに、ステ ップS26において、ノックセンサ
ーからの検出信号に基づいて、エンジンの焼き付き防止
等のために制御量の補正値が演算される。
判断結果の判別を行う。これは、前述の運転状態判断ス
テップS12において、所定の条件のときに気筒休止運
転を行う判断をした場合に、演算処理のマップを選択す
るための判別ステップである。気筒休止運転でなければ
通常の全気筒運転による通常運転マップを用いて点火時
期および噴射時間の基本演算およびこれに対する気筒別
の補正演算を行う(ステップS22)。なお、失火制御
状態にあるかどうかの判断もなされ、失火制御状態にあ
る場合は失火気筒にも、他の点火気筒への燃料噴射量と
同じか所定割合を減じた燃料を供給すべく噴射時間の設
定がなされる。これにより所定以上のスロットル開度及
びエンジン回転数の時からの失火制御においても燃料を
供給するので、気化熱によりピストン等を冷却でき損傷
を防止できる。気筒休止運転状態であれば、特定の気筒
を休止した気筒休止運転用の気筒休止マップを用いて点
火時期および噴射時間の演算および気筒別の補正演算を
行う(ステップS24)。次に、図7のステップS23
において、大気圧やトリム角等の運転状態に応じて、基
本の点火時期や燃料噴射に対する補正値が演算される。
続いて、ステップS25において、酸素濃度のフィード
バック制御に伴う補正値が演算される。このとき、演算
情報の学習判定とO2センサーの活性化の判定が行われ
る。さらに、ステ ップS26において、ノックセンサ
ーからの検出信号に基づいて、エンジンの焼き付き防止
等のために制御量の補正値が演算される。
【0064】次にステップS27において、基本の点火
時期および燃料噴射の制御量に対し補正係数を乗算しさ
らに補正値を加えてあるいは補正係数を乗算して最適な
点火時期、噴射時間および噴射時期を演算する。この
後、ステップS290において、エンジン停止前制御の
演算が行われる。これは、ステップS12で、メインス
イッチあるいはエンジンストップスイッチ等が切られ
て、エンジン停止状態と判断された場合に、再始動を考
慮して点火のみを止めて燃料噴射は所定時間継続するた
めの制御ルーチンである。以上によりループ2のルーチ
ンを終了し、元の運転状態判断ステップS12に戻る。
時期および燃料噴射の制御量に対し補正係数を乗算しさ
らに補正値を加えてあるいは補正係数を乗算して最適な
点火時期、噴射時間および噴射時期を演算する。この
後、ステップS290において、エンジン停止前制御の
演算が行われる。これは、ステップS12で、メインス
イッチあるいはエンジンストップスイッチ等が切られ
て、エンジン停止状態と判断された場合に、再始動を考
慮して点火のみを止めて燃料噴射は所定時間継続するた
めの制御ルーチンである。以上によりループ2のルーチ
ンを終了し、元の運転状態判断ステップS12に戻る。
【0065】図9はTDC割込みルーチンのフローを示
す。クランク軸には各気筒検出手段近傍を順次通過する
時各気筒においてピストンが上死点にあることを知らせ
る信号を各気筒検出手段から出力させるマーカが固着さ
れている。TDC割込みとは、#1から#6までの気筒
検出手段による各気筒からのTDC信号の入力に基づ
き、随時メインルーチンに割込まれるルーチンである。
す。クランク軸には各気筒検出手段近傍を順次通過する
時各気筒においてピストンが上死点にあることを知らせ
る信号を各気筒検出手段から出力させるマーカが固着さ
れている。TDC割込みとは、#1から#6までの気筒
検出手段による各気筒からのTDC信号の入力に基づ
き、随時メインルーチンに割込まれるルーチンである。
【0066】まず、信号が入力された気筒の番号を判定
する(ステップS28)。次にその気筒番号を前回の入
力信号の気筒番号と比較することにより、運転すべき回
転方向に対するエンジンの正逆回転を判定する(ステッ
プS29)。逆転していればエンジンを直ちに停止する
(ステップS33)。エンジンが正転していれば、例え
ば#1と#2の気筒間の時間間隔をカウントしてこれを
6倍することによりエンジン回転の周期を算出する(ス
テップS30)。続いてこの周期の逆数を演算すること
により、回転数を算出する(ステップS31)。この回
転数が予め定めた所定の回転数よりも小さいときには、
エンジンを停止する(ステップS32、33)。
する(ステップS28)。次にその気筒番号を前回の入
力信号の気筒番号と比較することにより、運転すべき回
転方向に対するエンジンの正逆回転を判定する(ステッ
プS29)。逆転していればエンジンを直ちに停止する
(ステップS33)。エンジンが正転していれば、例え
ば#1と#2の気筒間の時間間隔をカウントしてこれを
6倍することによりエンジン回転の周期を算出する(ス
テップS30)。続いてこの周期の逆数を演算すること
により、回転数を算出する(ステップS31)。この回
転数が予め定めた所定の回転数よりも小さいときには、
エンジンを停止する(ステップS32、33)。
【0067】次に、ステップS34において、入力され
たTDC割込み信号が特定の基準気筒#1からのものか
どうかが判別される。基準気筒#1からの信号であれ
ば、休筒運転状態かどうかが判別され(ステップS3
5)、休筒運転中であれば、休止すべき気筒のパターン
を変更すべきかどうかが判別され(ステップS37)、
パターンを切り替え(ステップS38)または切り替え
ずにそのままステップS39に進み、点火制御による休
筒運転情報をセットする。割込み信号が#1からでない
場合(ステップS34)あるいは休筒運転中でない場合
(ステップS35)には、そのまま、あるいは休筒情報
をクリアして(ステップS36)ステップS39に進
み、点火制御による休筒運転情報をセットする。この点
火休筒情報に基づき点火すべき気筒の点火パルスをセッ
トする(ステップS40)。
たTDC割込み信号が特定の基準気筒#1からのものか
どうかが判別される。基準気筒#1からの信号であれ
ば、休筒運転状態かどうかが判別され(ステップS3
5)、休筒運転中であれば、休止すべき気筒のパターン
を変更すべきかどうかが判別され(ステップS37)、
パターンを切り替え(ステップS38)または切り替え
ずにそのままステップS39に進み、点火制御による休
筒運転情報をセットする。割込み信号が#1からでない
場合(ステップS34)あるいは休筒運転中でない場合
(ステップS35)には、そのまま、あるいは休筒情報
をクリアして(ステップS36)ステップS39に進
み、点火制御による休筒運転情報をセットする。この点
火休筒情報に基づき点火すべき気筒の点火パルスをセッ
トする(ステップS40)。
【0068】この点火パルスセットの詳細を図9に示
す。演算により求められる点火時期は、V型6気筒エン
ジンにおいて、TDCより60度前のクランク角すなわ
ち基準に何度になるかに換算され、0.8で割ってパル
ス数にまるめられる。60度前にTDCとなる気筒のT
DC信号が入力されると、点火出力手段218を構成す
るタイマーにまるめられたパルス数のデータが保持され
ると同時に、以降クランク角検出手段からのパルスがタ
イマーに届くごとに、保持するパルス数を1づつ減じて
いき、保持パルス数が0となると、点火出力手段218
が点火プラグ19をスパークさせる。
す。演算により求められる点火時期は、V型6気筒エン
ジンにおいて、TDCより60度前のクランク角すなわ
ち基準に何度になるかに換算され、0.8で割ってパル
ス数にまるめられる。60度前にTDCとなる気筒のT
DC信号が入力されると、点火出力手段218を構成す
るタイマーにまるめられたパルス数のデータが保持され
ると同時に、以降クランク角検出手段からのパルスがタ
イマーに届くごとに、保持するパルス数を1づつ減じて
いき、保持パルス数が0となると、点火出力手段218
が点火プラグ19をスパークさせる。
【0069】本実施例は、例えば6気筒のV型2バンク
型式のエンジンを対象とし、奇数番号の気筒(#1、
3、5)を左バンクに配設し、偶数番号の気筒(#2、
4、6)を右バンクに配設している。これらの気筒をバ
ンクごとに制御するために、バンクごとに別のタイマー
を有している。これらのタイマーに点火時期に対応する
クランク角パルス数をセットする場合、図示したよう
に、まず気筒番号が偶数か奇数かを判別し、偶数か奇数
かに応じてそれぞれ点火時期データを対応するバンクの
タイマー(図では奇数バンクをタイマ3、偶数バンクを
タイマ4としている)にセットし、点火気筒番号をセッ
トする。
型式のエンジンを対象とし、奇数番号の気筒(#1、
3、5)を左バンクに配設し、偶数番号の気筒(#2、
4、6)を右バンクに配設している。これらの気筒をバ
ンクごとに制御するために、バンクごとに別のタイマー
を有している。これらのタイマーに点火時期に対応する
クランク角パルス数をセットする場合、図示したよう
に、まず気筒番号が偶数か奇数かを判別し、偶数か奇数
かに応じてそれぞれ点火時期データを対応するバンクの
タイマー(図では奇数バンクをタイマ3、偶数バンクを
タイマ4としている)にセットし、点火気筒番号をセッ
トする。
【0070】その後、点火制御において失火させる休止
気筒について燃料噴射制御における燃料噴射量を減少さ
せる気筒を燃料噴射制御による休筒情報としてセットし
(図9のステップS41)、該点火制御において失火さ
せる休止気筒について算出される燃料噴射の制御量より
減少させた燃料噴射量に対応する噴射時間と、その他の
気筒について算出される燃料噴射の制御量に対応した噴
射時間に、それぞれ気筒ごとに対応した噴射パルスをセ
ットする(ステップS42)。
気筒について燃料噴射制御における燃料噴射量を減少さ
せる気筒を燃料噴射制御による休筒情報としてセットし
(図9のステップS41)、該点火制御において失火さ
せる休止気筒について算出される燃料噴射の制御量より
減少させた燃料噴射量に対応する噴射時間と、その他の
気筒について算出される燃料噴射の制御量に対応した噴
射時間に、それぞれ気筒ごとに対応した噴射パルスをセ
ットする(ステップS42)。
【0071】前述のエンジン周期を計測する場合、1つ
の気筒からの入力信号(TDC信号)があると、これに
応じて図9のTDC割込みが行われるとともに、TDC
周期計測タイマーがTDC信号の入力時点で一定周波数
パルスのパルス数のカウントを開始し、次の気筒のTD
C信号が入力した時点でリセットされ次の気筒のカウン
トを開始する。この場合、カウント値が所定値以上にな
ると、オーバーフローとなりカウントがリセットされ
る。このオーバーフローが起きた時点、即ち、クランク
角60度の周期が所定以上の時間である低速回転である
ことが検知された時点でタイマーオーバーフロー割込み
が実行される。
の気筒からの入力信号(TDC信号)があると、これに
応じて図9のTDC割込みが行われるとともに、TDC
周期計測タイマーがTDC信号の入力時点で一定周波数
パルスのパルス数のカウントを開始し、次の気筒のTD
C信号が入力した時点でリセットされ次の気筒のカウン
トを開始する。この場合、カウント値が所定値以上にな
ると、オーバーフローとなりカウントがリセットされ
る。このオーバーフローが起きた時点、即ち、クランク
角60度の周期が所定以上の時間である低速回転である
ことが検知された時点でタイマーオーバーフロー割込み
が実行される。
【0072】図11は、このオーバーフロー割込みを示
す。オーバーフローが起きるとまずその回数を記憶する
とともに、エンジンの始動運転状態かどうかが判別され
る。始動状態の運転モードであればオーバーフローはエ
ンジン回転が低いためであり、そのまま運転を続ける。
始動モードでない場合には、TDC信号のパルスが抜け
た、即ち何等かのトラブルによりTDC信号パルスが伝
えられなかったためのオーバーフローかどうかが判別さ
れ、パルス抜けのない正常な信号伝達によるオーバーフ
ロー検出であればエンジンが低回転であるためエンジン
を停止する。パルス抜けがあった場合には、オーバーフ
ロー検出が2回目かどうかが判別され、2回目となった
場合も回転が低すぎるとしてエンジンを停止する。これ
により、低回転において信号発信系統に異常があるとき
には必ずエンジン停止することとなる。
す。オーバーフローが起きるとまずその回数を記憶する
とともに、エンジンの始動運転状態かどうかが判別され
る。始動状態の運転モードであればオーバーフローはエ
ンジン回転が低いためであり、そのまま運転を続ける。
始動モードでない場合には、TDC信号のパルスが抜け
た、即ち何等かのトラブルによりTDC信号パルスが伝
えられなかったためのオーバーフローかどうかが判別さ
れ、パルス抜けのない正常な信号伝達によるオーバーフ
ロー検出であればエンジンが低回転であるためエンジン
を停止する。パルス抜けがあった場合には、オーバーフ
ロー検出が2回目かどうかが判別され、2回目となった
場合も回転が低すぎるとしてエンジンを停止する。これ
により、低回転において信号発信系統に異常があるとき
には必ずエンジン停止することとなる。
【0073】図12は、各気筒の点火タイミングを設定
するための前述の各バンクに対応したタイマー3、4の
割込みルーチンを示す。エンジン回転信号(TDC信
号)が各気筒から入力されるとこのタイマー3、4のカ
ウントダウンが開始され、アンダーフローにより割込み
が行われる。まず、エンジンが所定の低回転以下の状態
のために点火休筒運転を行うかどうかの休筒情報および
オーバーヒートあるいはオーバーレボ(過回転)検出に
より点火を失火させるかどうかの失火情報を読み込む。
その後、休筒情報あるいは失火情報により失火させる場
合には、点火処理のルーチンは行わないためタイマーで
設定されたタイミングになっても点火プラグへの放電は
させないようにして、120°位相が遅れた気筒の点火
タイミングをメモリより読み込み、該タイマにタイミン
グをセットし、そのままメインフローに戻る。失火させ
ない場合には、点火すべき気筒の番号を読み込み、その
気筒の点火駆動回路の点火出力ポートからパルス(H
I)を出力して点火プラグを放電させる。点火時間はパ
ルス幅に対応しタイマにより設定される、又は、所定回
数、実行に所定時間必要となるループを実行し、必要な
パルス幅を得る。この所定の点火時間が経過後、点火出
力ポートからの信号をLOWとし点火プラグの放電が終
了する。また、点火駆動回路がLOWアクティブであれ
ば論理は上記と逆となる。
するための前述の各バンクに対応したタイマー3、4の
割込みルーチンを示す。エンジン回転信号(TDC信
号)が各気筒から入力されるとこのタイマー3、4のカ
ウントダウンが開始され、アンダーフローにより割込み
が行われる。まず、エンジンが所定の低回転以下の状態
のために点火休筒運転を行うかどうかの休筒情報および
オーバーヒートあるいはオーバーレボ(過回転)検出に
より点火を失火させるかどうかの失火情報を読み込む。
その後、休筒情報あるいは失火情報により失火させる場
合には、点火処理のルーチンは行わないためタイマーで
設定されたタイミングになっても点火プラグへの放電は
させないようにして、120°位相が遅れた気筒の点火
タイミングをメモリより読み込み、該タイマにタイミン
グをセットし、そのままメインフローに戻る。失火させ
ない場合には、点火すべき気筒の番号を読み込み、その
気筒の点火駆動回路の点火出力ポートからパルス(H
I)を出力して点火プラグを放電させる。点火時間はパ
ルス幅に対応しタイマにより設定される、又は、所定回
数、実行に所定時間必要となるループを実行し、必要な
パルス幅を得る。この所定の点火時間が経過後、点火出
力ポートからの信号をLOWとし点火プラグの放電が終
了する。また、点火駆動回路がLOWアクティブであれ
ば論理は上記と逆となる。
【0074】以上が本発明が適用される船外機エンジン
の機構上の構成および制御系全体のシステム構成および
その作用のフローである。
の機構上の構成および制御系全体のシステム構成および
その作用のフローである。
【0075】図13は本発明に係るシフトカット制御の
フローチャートである。(a)図に示すように、この制
御は、前述のメインルーチン(図6)の運転状態判断ス
テップS12において行われる。このステップS12に
おいて、図6に示したように、各種運転状態が判断され
る。これらの各種運転状態の1つとして(b)図に示す
ように、シフトカット判断が行われる。このシフトカッ
ト判断においては、まず図13(c)図のフローチャー
トに示すように、気筒休止制御中かどうかが判別される
(ステップS1401)。これは、メインルーチンのス
テップS12(図6)において行われる気筒休止条件の
判断(後述の図16参照)に基づくフラグにより判別さ
れる。即ち、気筒休止条件となっていればフラグをセッ
トして気筒休止運転を行うが、そのフラグの有無により
気筒休止中かどうかを判別するものである。気筒休止中
であれば、シフトカット制御は行わずそのままメインル
ーチンに戻る。このとき、気筒休止制御はそのまま続け
られる。
フローチャートである。(a)図に示すように、この制
御は、前述のメインルーチン(図6)の運転状態判断ス
テップS12において行われる。このステップS12に
おいて、図6に示したように、各種運転状態が判断され
る。これらの各種運転状態の1つとして(b)図に示す
ように、シフトカット判断が行われる。このシフトカッ
ト判断においては、まず図13(c)図のフローチャー
トに示すように、気筒休止制御中かどうかが判別される
(ステップS1401)。これは、メインルーチンのス
テップS12(図6)において行われる気筒休止条件の
判断(後述の図16参照)に基づくフラグにより判別さ
れる。即ち、気筒休止条件となっていればフラグをセッ
トして気筒休止運転を行うが、そのフラグの有無により
気筒休止中かどうかを判別するものである。気筒休止中
であれば、シフトカット制御は行わずそのままメインル
ーチンに戻る。このとき、気筒休止制御はそのまま続け
られる。
【0076】気筒休止制御中でなければ、次にシフトカ
ットスイッチがオンかどうかが判別される(ステップS
1402)。これは、メインルーチンのステップS17
においてRAMに記録されたシフトカットスイッチ情報
を読み出して判別するものである。オンであればシフト
カット制御を行うために、点火カットのフラグをセット
するとともに、特定の気筒に対し、後述のように、燃料
噴射を続けたまま点火カットを行う。シフトカットスイ
ッチがオフであれば、シフトカット制御中であることを
示す点火カットフラグを降ろしてメインルーチンに戻
る。
ットスイッチがオンかどうかが判別される(ステップS
1402)。これは、メインルーチンのステップS17
においてRAMに記録されたシフトカットスイッチ情報
を読み出して判別するものである。オンであればシフト
カット制御を行うために、点火カットのフラグをセット
するとともに、特定の気筒に対し、後述のように、燃料
噴射を続けたまま点火カットを行う。シフトカットスイ
ッチがオフであれば、シフトカット制御中であることを
示す点火カットフラグを降ろしてメインルーチンに戻
る。
【0077】図14は、本発明に係るシフトカット制御
における点火時期および燃料噴射のグラフである。この
グラフは、急減速制御のときの状態を示す。点火時期に
ついては、緩速遅角制御が行われる。これは、通常運転
の制御モードで演算すると図の点線のように、急減速を
検知した時点で点火時期が急激に遅角側に変位するが、
急減速時の緩速遅角制御により、実線で示すように、点
火時期の急激な変化を避け徐々に遅角側に変化させるも
のである。この緩速遅角制御を実行中に、シフトカット
スイッチがオンになると、この急減速制御モードによる
緩速遅角制御演算を続けながら点火のみをカットする。
この場合所定数の特定の気筒の点火を停止する。これに
より、エンジン出力が低下してトランスミッションギヤ
の噛み合いトルクが低下し、クラッチが外れてニュート
ラルへの移行が円滑に行われる。ニュートラルへのシフ
トが行われるとシフトカットスイッチはオフになる。こ
の時点で点火カットによるシフトカット制御は終了し、
点火カット前の運転制御モードに復帰する。即ち、この
例では、図示したように、点火カット終了後は元の急減
速時の緩速遅角制御モードに戻る。
における点火時期および燃料噴射のグラフである。この
グラフは、急減速制御のときの状態を示す。点火時期に
ついては、緩速遅角制御が行われる。これは、通常運転
の制御モードで演算すると図の点線のように、急減速を
検知した時点で点火時期が急激に遅角側に変位するが、
急減速時の緩速遅角制御により、実線で示すように、点
火時期の急激な変化を避け徐々に遅角側に変化させるも
のである。この緩速遅角制御を実行中に、シフトカット
スイッチがオンになると、この急減速制御モードによる
緩速遅角制御演算を続けながら点火のみをカットする。
この場合所定数の特定の気筒の点火を停止する。これに
より、エンジン出力が低下してトランスミッションギヤ
の噛み合いトルクが低下し、クラッチが外れてニュート
ラルへの移行が円滑に行われる。ニュートラルへのシフ
トが行われるとシフトカットスイッチはオフになる。こ
の時点で点火カットによるシフトカット制御は終了し、
点火カット前の運転制御モードに復帰する。即ち、この
例では、図示したように、点火カット終了後は元の急減
速時の緩速遅角制御モードに戻る。
【0078】一方、燃料噴射制御については、減速増量
補正が行われる。これは通常運転の制御モードで演算す
ると図の点線のように、急減速を検知した時点で燃料噴
射量が急激に減少するが、増量補正により図の実線のよ
うに燃料を増加して焼き付きやバックファイヤおよびエ
ンジンストールの防止を図るものである。このような急
減速時の増量補正制御中に、シフトカットスイッチがオ
ンになると、そのまま減速増量補正演算を続け、点火カ
ットの気筒を含め全気筒に対し燃料噴射を継続する。し
たがって、ニュートラルへの移行が完了してシフトカッ
ト制御が終了すると、点火カットの気筒に対し、そのま
ま元の減速増量補正制御による燃料噴射が行われる。
補正が行われる。これは通常運転の制御モードで演算す
ると図の点線のように、急減速を検知した時点で燃料噴
射量が急激に減少するが、増量補正により図の実線のよ
うに燃料を増加して焼き付きやバックファイヤおよびエ
ンジンストールの防止を図るものである。このような急
減速時の増量補正制御中に、シフトカットスイッチがオ
ンになると、そのまま減速増量補正演算を続け、点火カ
ットの気筒を含め全気筒に対し燃料噴射を継続する。し
たがって、ニュートラルへの移行が完了してシフトカッ
ト制御が終了すると、点火カットの気筒に対し、そのま
ま元の減速増量補正制御による燃料噴射が行われる。
【0079】図15は、本発明が適用される船外機の動
力伝達系のプロペラ軸上のクラッチ部分の構成図であ
る。これは、前述の図2に示したギヤシフト駆動系に連
結される部分である。軸を鉛直方向に配置したクランク
軸21にドライブシャフト42が連結され、その下端部
にピニオン43が固定される。このピニオン43の前後
に前進ギヤ44および後進ギヤ45がそれぞれ噛み合い
反対方向に回転する。前進ギヤ44および後進ギヤ45
の間にドッグクラッチ46が設けられる。このドッグク
ラッチ46はプロペラ軸35の軸に沿って摺動可能であ
り、前進ギヤ44または後進ギヤ45のいずれか一方と
選択的に噛み合うことができる。図はいずれのギヤとも
噛み合っていない中立位置を示している。このドッグク
ラッチ46は、プロペラ軸35を構成する前方軸35b
および後方軸35aのうち前方軸35bに対してスプラ
イン結合しており、前後方向に摺動可能かつ回転方向に
前方軸35bと一体化しており、さらにクロスピン47
を介してプロペラ軸35の軸方向に摺動可能なスライダ
ー48に連結される。スライダー48の前端頭部はカム
フォロア49に対し回転自在に連結される。このカムフ
ォロア49は、シフトレバー50の下端部に設けたカム
51により駆動される。即ち、シフトレバー50をその
軸廻りに回転させてカム51を回転させ、これに応じて
カムフォロア49を前(F)または後(R)に移動させ
る。これにより、スライダー48が前後に摺動し、ドッ
グクラッチ46が前進ギヤ44または後進ギヤ45のい
ずれか一方と噛み合い、ピニオン43の回転を前進方向
または後進方向の回転力として前方軸35bに伝え、前
方軸35bと摩擦溶接により一体化された後方軸35a
に伝達する。
力伝達系のプロペラ軸上のクラッチ部分の構成図であ
る。これは、前述の図2に示したギヤシフト駆動系に連
結される部分である。軸を鉛直方向に配置したクランク
軸21にドライブシャフト42が連結され、その下端部
にピニオン43が固定される。このピニオン43の前後
に前進ギヤ44および後進ギヤ45がそれぞれ噛み合い
反対方向に回転する。前進ギヤ44および後進ギヤ45
の間にドッグクラッチ46が設けられる。このドッグク
ラッチ46はプロペラ軸35の軸に沿って摺動可能であ
り、前進ギヤ44または後進ギヤ45のいずれか一方と
選択的に噛み合うことができる。図はいずれのギヤとも
噛み合っていない中立位置を示している。このドッグク
ラッチ46は、プロペラ軸35を構成する前方軸35b
および後方軸35aのうち前方軸35bに対してスプラ
イン結合しており、前後方向に摺動可能かつ回転方向に
前方軸35bと一体化しており、さらにクロスピン47
を介してプロペラ軸35の軸方向に摺動可能なスライダ
ー48に連結される。スライダー48の前端頭部はカム
フォロア49に対し回転自在に連結される。このカムフ
ォロア49は、シフトレバー50の下端部に設けたカム
51により駆動される。即ち、シフトレバー50をその
軸廻りに回転させてカム51を回転させ、これに応じて
カムフォロア49を前(F)または後(R)に移動させ
る。これにより、スライダー48が前後に摺動し、ドッ
グクラッチ46が前進ギヤ44または後進ギヤ45のい
ずれか一方と噛み合い、ピニオン43の回転を前進方向
または後進方向の回転力として前方軸35bに伝え、前
方軸35bと摩擦溶接により一体化された後方軸35a
に伝達する。
【0080】なお、図15において、73はロアケーシ
ング下部の排気通路を示し、排気ガスが冷却水とともに
矢印Cのように流れ、主排気口13から矢印Dのように
水中に放出される。
ング下部の排気通路を示し、排気ガスが冷却水とともに
矢印Cのように流れ、主排気口13から矢印Dのように
水中に放出される。
【0081】図16は、本実施例における気筒休止運転
を行うかどうかの各種条件を判断する気筒休止判断ルー
チンのフローチャートである。この気筒休止判断ルーチ
ンは、前述のメインルーチン(図6、図7)における気
筒休止判断(ステップS12の内の1つ)の詳細フロー
チャートである。この判断に基づくフラグにより、前述
の図13(c)のシフトカット判断のフローチャートで
のステップS1401の判別が行われる。まずスロット
ル開度が所定の中開度または低開度の範囲内かどうかが
判断される(ステップS401)。これはメインルーチ
ンのセンサ情報読み込みステップS15で記録したスロ
ットルセンサの開度情報を読み出して判別するものであ
る。この所定の範囲はエンジンが不整燃焼を起こすおそ
れが大きい中低速以下の範囲である。このような範囲に
なければ通常の全気筒運転の判定を行う。次にエンジン
回転数が所定の中低速以下(例えば2000rpm)の
範囲内かどうかが判別され(ステップS402)、範囲
外であれば全気筒運転の判定を行う。このエンジン回転
数は、前述のように各気筒からのTDC信号に基づき演
算されメモリに記録されたデータを読み出して判断す
る。次に急加速または急減速中かどうかが判別される
(ステップS403)。このような急加減速の判断は、
例えばスロットルセンサの開度変化や回転数の変化ある
いはアクセル開度の変化等を検出することにより加速ま
たは減速状態を判断するものである。変化率の大きい急
加減速中は、応答性を向上させるために全気筒運転の判
定を行う。また特に急減速中にはエンジンストールを防
止するために全気筒運転の判定を行う。ただし本発明の
シフトカット制御が行われる場合には、特定気筒の点火
カットが行われる。
を行うかどうかの各種条件を判断する気筒休止判断ルー
チンのフローチャートである。この気筒休止判断ルーチ
ンは、前述のメインルーチン(図6、図7)における気
筒休止判断(ステップS12の内の1つ)の詳細フロー
チャートである。この判断に基づくフラグにより、前述
の図13(c)のシフトカット判断のフローチャートで
のステップS1401の判別が行われる。まずスロット
ル開度が所定の中開度または低開度の範囲内かどうかが
判断される(ステップS401)。これはメインルーチ
ンのセンサ情報読み込みステップS15で記録したスロ
ットルセンサの開度情報を読み出して判別するものであ
る。この所定の範囲はエンジンが不整燃焼を起こすおそ
れが大きい中低速以下の範囲である。このような範囲に
なければ通常の全気筒運転の判定を行う。次にエンジン
回転数が所定の中低速以下(例えば2000rpm)の
範囲内かどうかが判別され(ステップS402)、範囲
外であれば全気筒運転の判定を行う。このエンジン回転
数は、前述のように各気筒からのTDC信号に基づき演
算されメモリに記録されたデータを読み出して判断す
る。次に急加速または急減速中かどうかが判別される
(ステップS403)。このような急加減速の判断は、
例えばスロットルセンサの開度変化や回転数の変化ある
いはアクセル開度の変化等を検出することにより加速ま
たは減速状態を判断するものである。変化率の大きい急
加減速中は、応答性を向上させるために全気筒運転の判
定を行う。また特に急減速中にはエンジンストールを防
止するために全気筒運転の判定を行う。ただし本発明の
シフトカット制御が行われる場合には、特定気筒の点火
カットが行われる。
【0082】次に始動時または始動後(暖機前)の運転
状態かどうかが判別される(ステップS404)。これ
は、スタータスイッチの動作の読み込みデータ(メイン
ルーチンのスイッチ情報読み込みステップS14)を読
み出して判別するものである。このような始動状態の場
合には、爆発の回数を多くして速やかな始動を達成する
ために全気筒による通常運転の判定を行う。次に、暖機
運転中かどうかが判別される(ステップS405)。こ
れは、エンジン温度が所定値以上かどうか、あるいは始
動後所定時間が経過したかどうかにより判断される。暖
機運転中は速やかにエンジン温度を高めるために気筒休
止は行わず全気筒運転の判定を行う。
状態かどうかが判別される(ステップS404)。これ
は、スタータスイッチの動作の読み込みデータ(メイン
ルーチンのスイッチ情報読み込みステップS14)を読
み出して判別するものである。このような始動状態の場
合には、爆発の回数を多くして速やかな始動を達成する
ために全気筒による通常運転の判定を行う。次に、暖機
運転中かどうかが判別される(ステップS405)。こ
れは、エンジン温度が所定値以上かどうか、あるいは始
動後所定時間が経過したかどうかにより判断される。暖
機運転中は速やかにエンジン温度を高めるために気筒休
止は行わず全気筒運転の判定を行う。
【0083】続いて、失火制御中かどうかが判別され
(ステップS406〜S407)、さらに2機掛け運転
のときに他方のエンジンがDESを出力し失火制御中か
どうか(ステップS409)、また気筒休止運転中かど
うかが判別される(ステップS410)。
(ステップS406〜S407)、さらに2機掛け運転
のときに他方のエンジンがDESを出力し失火制御中か
どうか(ステップS409)、また気筒休止運転中かど
うかが判別される(ステップS410)。
【0084】失火制御条件は、(イ)オーバーヒート状
態、(ロ)オーバーレボ状態、(ハ)オイルエンプティ
状態、および(ニ)2機がけ運転時に片方のエンジンが
上記(イ)〜(ハ)のいずれかの状態となってDES検
出された状態の場合である。(イ)のオーバーヒート状
態の失火制御とは、例えばシリンダヘッドに設けたバイ
メタルスイッチによりエンジン過熱が検出された場合
に、燃焼を抑えて温度を下げるために回転数を例えば2
000rpm以下に抑える目的で、特定気筒の点火を止
めるものである。また、(ロ)のオーバーレボ状態と
は、エンジン回転数が例えば6000rpm以上の高回
転となった場合であり、この場合にも回転を抑えるため
に、特定気筒の失火を行う。(ハ)のオイルエンプティ
状態とは、オイルレベルスイッチによりカウリング内の
オイルタンク内のオイル量が減った場合に、オイルの消
費を抑えるために回転数を低下させるものである。この
ようなオイルエンプティの場合にも特定気筒を失火させ
回転数を例えば2000rpm以下に抑えることによ
り、オイルの消費を抑え、特に船外機の場合、少ないオ
イルで確実な帰港を図るものである。
態、(ロ)オーバーレボ状態、(ハ)オイルエンプティ
状態、および(ニ)2機がけ運転時に片方のエンジンが
上記(イ)〜(ハ)のいずれかの状態となってDES検
出された状態の場合である。(イ)のオーバーヒート状
態の失火制御とは、例えばシリンダヘッドに設けたバイ
メタルスイッチによりエンジン過熱が検出された場合
に、燃焼を抑えて温度を下げるために回転数を例えば2
000rpm以下に抑える目的で、特定気筒の点火を止
めるものである。また、(ロ)のオーバーレボ状態と
は、エンジン回転数が例えば6000rpm以上の高回
転となった場合であり、この場合にも回転を抑えるため
に、特定気筒の失火を行う。(ハ)のオイルエンプティ
状態とは、オイルレベルスイッチによりカウリング内の
オイルタンク内のオイル量が減った場合に、オイルの消
費を抑えるために回転数を低下させるものである。この
ようなオイルエンプティの場合にも特定気筒を失火させ
回転数を例えば2000rpm以下に抑えることによ
り、オイルの消費を抑え、特に船外機の場合、少ないオ
イルで確実な帰港を図るものである。
【0085】また、船外機の2機がけ運転の場合、片方
のエンジンが上記(イ)〜(ハ)のいずれかの失火すべ
き状態となっていることが検出された場合には、この状
態がDES検出手段(図3参照)により検出され演算処
理装置に検出信号が送られる。このような場合には、他
方のエンジンも同様に失火制御を行って両方のエンジン
の運転のバランスをとる。従って、DES信号により一
方のエンジンの異常が検出され失火制御を行っている場
合には(ステップS409でNOの場合)、さらに気筒
休止運転を行うと、失火制御による失火気筒と休筒制御
による休止気筒との整合性がばらばらになって、出力の
異常低下や制御エラー等の原因となるため、気筒休止運
転は行わず、通常の全気筒運転の判定を行う。但し、こ
こで言う全気筒運転とは、実際に全気筒に対し演算結果
の制御量に基づいて点火及び燃料噴射を実施し全気筒燃
焼させることではなく、制御量の演算を全気筒について
実施するが、失火制御のため、所定の気筒は点火させな
い運転状態のことである。また、2機掛け運転で一方の
エンジンが気筒休止運転をしていれば他方のエンジンも
これに合せて気筒休止運転を行い、一方のエンジンが通
常運転を行っていれば他方のエンジンもこれに合せて通
常運転を行う。これにより、2機のエンジンの出力のバ
ランスを保ち、安定した運転状態を得る。もしバランス
が取れないと2つの船外機のプロペラ推力に差が出て船
が旋回し、直進が困難になるからである。
のエンジンが上記(イ)〜(ハ)のいずれかの失火すべ
き状態となっていることが検出された場合には、この状
態がDES検出手段(図3参照)により検出され演算処
理装置に検出信号が送られる。このような場合には、他
方のエンジンも同様に失火制御を行って両方のエンジン
の運転のバランスをとる。従って、DES信号により一
方のエンジンの異常が検出され失火制御を行っている場
合には(ステップS409でNOの場合)、さらに気筒
休止運転を行うと、失火制御による失火気筒と休筒制御
による休止気筒との整合性がばらばらになって、出力の
異常低下や制御エラー等の原因となるため、気筒休止運
転は行わず、通常の全気筒運転の判定を行う。但し、こ
こで言う全気筒運転とは、実際に全気筒に対し演算結果
の制御量に基づいて点火及び燃料噴射を実施し全気筒燃
焼させることではなく、制御量の演算を全気筒について
実施するが、失火制御のため、所定の気筒は点火させな
い運転状態のことである。また、2機掛け運転で一方の
エンジンが気筒休止運転をしていれば他方のエンジンも
これに合せて気筒休止運転を行い、一方のエンジンが通
常運転を行っていれば他方のエンジンもこれに合せて通
常運転を行う。これにより、2機のエンジンの出力のバ
ランスを保ち、安定した運転状態を得る。もしバランス
が取れないと2つの船外機のプロペラ推力に差が出て船
が旋回し、直進が困難になるからである。
【0086】なお、フローチャートにおいて、オーバー
レボによる失火制御条件の判断が行われていないが、こ
れはオーバーレボとなるような高い回転数では低回転域
での気筒休止制御が行われることがないためである。即
ち、ステップS402のエンジン回転数範囲の条件から
当然にオーバーレボ状態は除外されるからである。
レボによる失火制御条件の判断が行われていないが、こ
れはオーバーレボとなるような高い回転数では低回転域
での気筒休止制御が行われることがないためである。即
ち、ステップS402のエンジン回転数範囲の条件から
当然にオーバーレボ状態は除外されるからである。
【0087】前述のように、本発明では、このような気
筒休止制御が行われる条件であれば、シフトカット制御
に優先してこの気筒休止を行う。
筒休止制御が行われる条件であれば、シフトカット制御
に優先してこの気筒休止を行う。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、シフ
ト操作力が大きくなってシフトカットスイッチがオンに
なると、燃料噴射を継続したまま特定気筒の点火が停止
されるため、安定した燃焼を保ちエンジンストールを起
こすことなく出力を低下させてトランスミッション系の
噛み合いトルクの低減を図ることができる。
ト操作力が大きくなってシフトカットスイッチがオンに
なると、燃料噴射を継続したまま特定気筒の点火が停止
されるため、安定した燃焼を保ちエンジンストールを起
こすことなく出力を低下させてトランスミッション系の
噛み合いトルクの低減を図ることができる。
【0089】また急減速時において、燃料噴射を停止す
ることなく、シフトカットスイッチがオンになった時点
での急減速制御モードにしたがって噴射量を演算し噴射
を継続し、ギヤがニュートラルに移行してシフトカット
スイッチがオフになると、そのまま急減速制御モードに
復帰する。したがって、急減速によるエンジンの焼き付
きやバックファイアおよびエンジンストールの防止が図
られる。
ることなく、シフトカットスイッチがオンになった時点
での急減速制御モードにしたがって噴射量を演算し噴射
を継続し、ギヤがニュートラルに移行してシフトカット
スイッチがオフになると、そのまま急減速制御モードに
復帰する。したがって、急減速によるエンジンの焼き付
きやバックファイアおよびエンジンストールの防止が図
られる。
【0090】また、気筒休止制御を行っている場合に
は、これを優先して続行し、シフトカットの制御モード
による点火停止は行わないため、極端な出力低下が防止
されエンジンストールのおそれが回避される。
は、これを優先して続行し、シフトカットの制御モード
による点火停止は行わないため、極端な出力低下が防止
されエンジンストールのおそれが回避される。
【図1】 本発明が適用される2機掛け船外機の外観図
である。
である。
【図2】 本発明が適用される船外機のスロットルレバ
ーの構成説明図である。
ーの構成説明図である。
【図3】 本発明の船外機の燃料系統を含む構成図であ
る。
る。
【図4】 2機掛け船外機の駆動制御系の構成説明図で
ある。
ある。
【図5】 図3の制御系の制御ブロック図である。
【図6】 本発明が適用される内燃機関の制御シーケン
スにおけるメインルーチンのフローチャートである。
スにおけるメインルーチンのフローチャートである。
【図7】 図5のフローチャートの続き部分である。
【図8】 図5のフローチャートにおけるタイマー割込
みルーチンのフローチャートである。
みルーチンのフローチャートである。
【図9】 図5のフローチャートにおけるTDC割込み
ルーチンのフローチャートである。
ルーチンのフローチャートである。
【図10】 点火パルスのセットルーチンのフローチャ
ートである。
ートである。
【図11】 タイマーオーバーフロー割込みルーチンの
フローチャートである。
フローチャートである。
【図12】 バンクごとのタイマー割込みルーチンのフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図13】 本発明に係るシフトカット判断フローの説
明図である。
明図である。
【図14】 本発明に係るシフトカット制御における点
火時期および燃料噴射の説明図である。
火時期および燃料噴射の説明図である。
【図15】 本発明が適用される船外機のプロペラ軸へ
の動力伝達機構の構成図である。
の動力伝達機構の構成図である。
【図16】 本発明に係る気筒休止判断のフローチャー
トである。
トである。
21:クランク軸、35:プロペラ軸、46:ドッグク
ラッチ、50:シフトレバー、51:カム、56:リモ
コンボックス、60:操作レバー、210:基本点火時
期算出手段、211:基本燃料噴射量算出手段、21
4:点火時期補正手段、215:燃料噴射量補正手段。
ラッチ、50:シフトレバー、51:カム、56:リモ
コンボックス、60:操作レバー、210:基本点火時
期算出手段、211:基本燃料噴射量算出手段、21
4:点火時期補正手段、215:燃料噴射量補正手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−41668(JP,A) 特開 平4−278896(JP,A) 特開 平6−213112(JP,A) 特開 平7−332130(JP,A) 特開 平6−10722(JP,A) 特開 昭58−20968(JP,A) 特開 昭58−122289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 11/02 - 11/04 F02D 17/02 F02D 29/02 B63H 21/00
Claims (3)
- 【請求項1】動力伝達系のシフト操作力を検出し、この
検出出力に応じて点火時期および燃料噴射量を制御する
船舶用内燃機関のシフト制御方法において、前記シフト
操作力が所定値以上の場合に、燃料噴射を継続したまま
特定気筒の点火を停止するシフトカット制御を行い、 運転状態情報の時間変化から急加減速状態にあるかどう
かの急加減速判別ステップを有し、 通常の全気筒運転による通常運転マップを用いて点火時
期および噴射時間の基本演算を行う通常運転制御モード
と、前記急加減速判断ステップで急減速を検知したとき
に行う急減速制御モードとを有し、 この急減速制御モードでは、前記通常運転制御モードに
よる点火時期の遅角側への急激な変化を避け徐々に遅角
側に変化させる緩速遅角制御又は同じく前記通常運転制
御モードによる燃料噴射量の急激な減少に対し燃料を増
加する増量補正制御とを行い、 前記急減速時に上記シフト操作力が所定値以上になった
場合に、前記急減速制御を継続した状態で前記シフトカ
ット制御を行う ことを特徴とするエンジン駆動式船舶推
進機のシフト制御方法。 - 【請求項2】所定の運転状態のときに一部の気筒の燃焼
を停止させる気筒休止制御を行い、前記気筒休止制御中
に前記シフト操作力が所定値以上になった場合に、上記
シフト制御に優先して前記気筒休止制御を行うことを特
徴とする請求項1に記載のエンジン駆動式船舶推進機の
シフト制御方法。 - 【請求項3】動力伝達系のシフト操作力が所定の操作力
以上の場合に検出信号を発するシフトカットスイッチを
含む各種運転状態検出手段と、運転状態に応じて予め定
めたシーケンスにしたがって点火時期および燃料噴射の
制御量を演算する制御プログラムからなる演算処理装置
と、演算された前記制御量にしたがって点火および燃料
噴射を行う点火手段および燃料噴射手段とを具備した船
舶用内燃機関のシフト制御装置において、前記制御プロ
グラムは、前記シフトカットスイッチが所定の操作力以
上を検出した場合に、全気筒に対し演算された燃料噴射
制御量に従って燃料噴射を行うとともに特定気筒の点火
を停止するように構成されたことを特徴とする請求項1
または2に記載のエンジン駆動式船舶推進機のシフト制
御方法を実施するためのシフト制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19134795A JP3283405B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | エンジン駆動式船舶推進機のシフト制御方法および装置 |
US08/681,164 US5827150A (en) | 1995-07-27 | 1996-07-22 | Engine control having shift assist with fuel injected during ignition cutoff while shifting |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19134795A JP3283405B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | エンジン駆動式船舶推進機のシフト制御方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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