JPH08270478A - 酸素濃度センサを用いた内燃機関の制御方法及び装置及びその内燃機関 - Google Patents

酸素濃度センサを用いた内燃機関の制御方法及び装置及びその内燃機関

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JPH08270478A
JPH08270478A JP7074783A JP7478395A JPH08270478A JP H08270478 A JPH08270478 A JP H08270478A JP 7074783 A JP7074783 A JP 7074783A JP 7478395 A JP7478395 A JP 7478395A JP H08270478 A JPH08270478 A JP H08270478A
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control
engine
cylinder
fuel injection
oxygen concentration
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Kyoji Mukumoto
恭司 椋本
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの焼き付き防止を図った内燃機関の
O2フィードバック制御方法を提供する。 【構成】 既燃ガスの酸素濃度を検出するための酸素濃
度センサからの出力に応じて、目標値に対するリッチ側
およびリーン側への燃料噴射制御を繰返す内燃機関の制
御方法において、失火制御中か否かを判別し、失火制御
中以外のときにのみ酸素濃度センサの出力に基づく燃料
噴射制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多気筒内燃機関の制御方
法に関し、特に酸素濃度センサ(O2センサ)を用いた
燃料噴射制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車を含む車両搭載エンジンや、
モーターボートその他の小型船舶用エンジンは、マイク
ロコンピュータ等からなる制御回路を備え、予めセット
されたプログラムに従って、運転状態に対応して最適な
点火時期や燃料噴射量あるいは噴射タイミングを演算
し、エンジンを最適な駆動状態で運転するように制御さ
れる。
【0003】このようなエンジン(内燃機関)の制御方
法において、2サイクルエンジンや4サイクルエンジン
あるいは単気筒エンジンと多気筒エンジンに対応してそ
れぞれに適合した制御を行う必要がある。2サイクルエ
ンジンは4サイクルエンジンに比べ、動弁機構を持たな
いため構造が簡単で小型となり、同一排気量、同一回転
速度の場合大きな出力が得られる反面、掃排気を行う機
構上ガス交換が完全に行われにくく、吹き抜け損失や燃
料消費およびシリンダ等の熱損失が大きくなる。このた
め2サイクルエンジンでは運転状態に対応した微妙な制
御がむつかしく、4サイクルエンジンでは実用化されて
いるO2 センサー等を用いたエンジン制御は2サイクル
エンジンでは実用化の段階に至ってない。
【0004】従来は、多気筒エンジンにおいても、点火
マップ、燃料噴射量マップも各々1枚づつを用意し、基
本点火時期データ及び基本燃料噴射量データの算出がさ
れ、さらにエンジン温度や大気圧等の各種検出データに
基づいて演算された補正値が加えられた全気筒共通の最
終的な点火時期データ及び燃料噴射量データが演算され
るようにしていた。
【0005】内燃機関の制御を行う場合、エンジン回転
速度、スロットル開度、吸気温度、排気ガス酸素濃度、
シフト位置等の各種運転状態を検出し、この検出情報に
基づいて、予め定めた制御プログラムに従って、そのと
きの最適空燃比や燃料噴射量、噴射タイミング、スロッ
トル開度等を演算し、この演算値を基にエンジンを駆動
制御している。この場合、制御プログラムは、検出情報
の読み込みルーチンと、読み込んだ検出情報に基づいて
各制御量を演算する複数の演算ルーチンを予め定めたシ
ーケンスに従って配置したメインルーチンを有し、この
メインルーチンに従って演算処理が行われる。演算ルー
チンにおいては、読み込んだ最新データに基づいて、各
種運転状態に対応して予め最適制御量を記憶させた2次
元マップあるいは3次元マップから、必要な読み込みデ
ータに対応して演算を行うようにしていた。
【0006】多気筒エンジンの場合は、各気筒の配置状
態の相違や気筒同士の影響により気筒ごとに運転状態が
異なってくるため、各気筒をそれぞれ別個に制御する必
要があり、制御方法も単気筒エンジンに比べ複雑にな
る。このため、マップ演算においては、例えば多気筒エ
ンジンの点火時期演算処理の場合、スロットル開度デー
タとエンジン回転数データを縦横の座標軸として、所定
のデータ値ごとに3次元的に点火時期のデータを記録し
た点火マップを気筒ごとに有し、この複数の点火マップ
を不揮発性メモリに予め記憶させておく。読み込んだデ
ータ値、例えば検出した回転数データは、このマップの
回転数データ軸の値と低回転側から順次比較され、検出
データと一致するまで高回転側に進む。同様にスロット
ル開度データのマップ値と検出値の一致点を検索し両デ
ータ値の交点のマップ上に記録されている点火時期デー
タを読む。この場合、検出データがマップの座標軸上の
データの中間位置のときには、比例演算処理により記録
されたマップデータから検出データに対応した点火時期
データを算出する。これを全気筒について各気筒ごとの
点火マップに基づき順次実施し、全気筒の点火時期デー
タを算出する。
【0007】このようにして各気筒ごとに点火時期をマ
ップ演算した後、この演算値を基本点火時期として、さ
らにエンジン温度や大気圧等の各種検出データに基づい
て補正量を演算し、この補正を上記基本点火時期演算値
に加えて最終的な各気筒ごとの点火時期を算出する。同
様にして、燃料噴射量についても基本噴射量と補正量を
検出データに基づいて各気筒ごとにマップ演算により算
出し、運転状態に応じた各気筒ごとの最適燃料噴射量が
演算される。
【0008】なお、クランク室圧縮式2サイクル燃料噴
射エンジンにおいて、吸気管をリードタイプの逆止弁を
介してクランク室と連結し、吸気管に燃料を噴射するも
のが考えられる。このタイプのエンジンでは、吸気管へ
の燃料噴射のタイミングを一定にしても特にエンジン性
能に影響を与えない場合がある。すなわち、噴射された
燃料がピストンが上死点方向に移動する上昇行程におい
て新気とともに一旦クランク室に入り、次のピストンが
下死点方向に移動する下降行程の途中から始まる掃排気
行程中クランク室から燃焼室に入るので、クランク室に
滞留中まわりから熱をもらい充分気化し、新気とよく混
合する場合である。
【0009】なおさらに、この場合でも、新気のクラン
ク室への吸気行程中に噴射すればクランク室に燃料が入
る前に霧化が促進されることになり、運転状態により変
化する吸気管内の新気の流動に合わせ吸気管への燃料噴
射のタイミングを制御することもあり得る。また、クラ
ンク室圧縮式2サイクル燃料噴射エンジンでも燃焼室に
直接噴射する場合、4サイクル燃料噴射エンジンでは吸
気管噴射あるいは燃焼室への直接噴射の場合等において
は、燃料噴射のタイミングを制御する必要があり、燃料
噴射量のみならず燃料噴射のタイミングについても基本
噴射タイミングと補正量を検出データに基づいてマップ
演算により算出し、運転状態に応じた各気筒ごとの最適
噴射タイミングを演算することが考えられる。
【0010】このような演算処理において、検出データ
の読み込みは、メインルーチンの実行中に行われ、予め
定めた一定の時間間隔で一定の読み込み処理時間で最新
データが揮発性メモリに取込まれ、順次演算が行われ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】多気筒4サイクル内燃
機関においては、通常排気管の集合部後方に排気ガス浄
化用の三元触媒が設けられる。この三元触媒の触媒作用
効率が最大となる空燃比で排気ガス浄化を行うために、
三元触媒の前にO2センサを設け、このO2センサの出力
に応じてほぼ理論空燃比(A/F=14.7)となるよ
うに燃料噴射量のフィードバック制御を行っている。こ
の場合、目標値となる理論空燃比に向けてリーン方向お
よびリッチ方向の燃料噴射が全気筒に対し繰返される。
【0012】このO2センサの出力は、理論空燃比近傍
を境として大きく変化するため、このO2センサを用い
て、三元触媒による浄化の効率最大化の目的以外にある
いは加えて空燃比制御による燃料噴射制御を行うことが
考えられる。
【0013】一方、2サイクル内燃機関においては、そ
の掃気行程で新気の吹き抜け現象が起こり、排気ガス中
に新気中のO2成分が混入する。この新気中のO2成分の
量は気筒燃焼状態や運転状態により大きく変化し既燃ガ
ス中のO2成分に対する比率が変動する。このため、排
気管にO2センサを取付けても、気筒内で実際に燃焼し
たガス中のO2成分の量を正確に検出できず、従って、
この検出結果によっては空燃比を適正に制御することが
できない。
【0014】この問題に対処するため、燃焼室から排気
ポートを介して燃焼ガスが排出されるタイミング以前
に、燃焼ガスを燃焼室シリンダ壁の別のポートを介して
取り出し、この燃焼ガスのO2濃度を検出することによ
りO2センサによる空燃比のフィードバック制御を行う
ことが考えられる。
【0015】このような4サイクルあるいは2サイクル
の多気筒内燃機関におけるO2センサによる空燃比フィ
ードバック制御(以下単にO2フィードバック制御とい
う)は、各気筒について点火時期および燃料噴射等の基
本制御量を演算しさらにエンジン温度その他の運転状態
検出データに基づく補正演算を行った後に行われる。こ
れにより、各気筒について演算した燃料噴射量等の制御
結果に基づいてフィードバック制御により最適な空燃比
が確実に得られるようにしている。
【0016】しかしながら、このようなO2フィードバ
ック制御を行う場合、例えば急加速や急減速時等におい
て、出力増加やエンジンストール防止等のためにリッチ
側への制御が必要とされている場合に、O2フィードバ
ック制御によりリッチ側およびリーン側に繰り返し制御
されることは好ましくない。特に三元触媒のないシステ
ムにおいては、リッチ側及びリーン側に繰り返し制御す
ることによる浄化効率向上を考慮する必要がなく、更に
燃費向上のためにリーン側にセットしたエンジンにおい
ては、リッチ側およびリーン側への繰り返し制御による
空燃比の変化が燃焼状態に大きく影響してエンジン回転
数の顕著な変動となって表れるため、運転の安定性が損
われるといった不具合が生ずる。
【0017】特に船舶用エンジンの場合、オーバーヒー
トやオーバーレボ(過回転)あるいはオイルエンプティ
等が検出された場合、および船外機の2機がけ運転で片
方のエンジンについてこれらが検出された場合に、エン
ジンの焼き付きを防止するため、燃料を増量したり、特
定気筒に対し燃料を供給したまま点火を行わず失火制御
を行うことが考えられる。
【0018】このような失火制御中にO2フィードバッ
ク制御によりリーン化された燃料が供給されると点火気
筒のエンジン温度が異常に上昇して焼き付きを起こす。
【0019】本発明は上記O2フィードバック制御にお
いて考えられる欠点に鑑みなされたものであって、エン
ジンの焼き付き防止を図った内燃機関のO2フィードバ
ック制御方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、既燃ガスの酸素濃度を検出する
ための酸素濃度センサからの出力に応じて、目標値に対
するリッチ側およびリーン側への燃料噴射制御を繰返す
内燃機関の制御方法において、失火制御中か否かを判別
し、失火制御中以外のときにのみ酸素濃度センサの出力
に基づく燃料噴射制御を行うことを特徴とする酸素濃度
センサを用いた内燃機関の制御方法を提供する。
【0021】好ましい実施例においては、前記失火制御
は、オーバーヒート、オーバーレボ、オイルエンプティ
またはDES信号のいづれかが検出されたときに行われ
ることを特徴としている。
【0022】さらに好ましい実施例においては、前記失
火制御の条件とともに、燃料増量のための制御を行って
いるかどうかを判別し、この燃料増量のための制御を行
っているとき以外のときに酸素濃度センサの出力に基づ
く燃料噴射制御を行うことを特徴としている。
【0023】本発明ではさらに、特定の気筒に設けた酸
素濃度センサと、負荷情報及びエンジン回転数情報、あ
るいは時間当たりの空気量情報、あるいは負荷情報及び
エンジン回転数情報により算出される時間当たりの空気
量情報、あるいは時間当たりの空気量情報及びエンジン
回転数情報、を含む運転検知状態検出情報に基づいて前
記気筒に対する基本燃料噴射量を演算する手段と、この
基本燃料噴射量に対し前記酸素濃度センサの出力に応じ
て補正係数を演算する手段と、エンジンの失火制御中か
どうかを判別する手段と、前記補正係数に基づいて燃料
噴射を制御する制御装置と、を具備し、前記制御装置
は、失火制御を判別する手段の判別結果に応じて前記補
正係数を演算するか否かを判別するように構成したこと
を特徴とする酸素濃度センサを用いた内燃機関の制御装
置を提供する。
【0024】さらに本発明は、特定の気筒に設けた酸素
濃度センサと、負荷情報及びエンジン回転数情報、ある
いは時間当たりの空気量情報、あるいは負荷情報及びエ
ンジン回転数情報により算出される時間当たりの空気量
情報、あるいは時間当たりの空気量情報及びエンジン回
転数情報、を含む運転検知状態検出情報に基づいて前記
気筒に対する基本燃料噴射量を演算する手段と、この基
本燃料噴射量に対し前記酸素濃度センサの出力に応じて
補正係数を演算する手段と、エンジンの失火制御中かど
うかを判別する手段と、前記補正係数に基づいて燃料噴
射を制御する制御装置と、を具備した内燃機関であっ
て、前記制御装置は、失火制御を判別する手段の判別結
果に応じて前記補正係数を演算するか否かを判別するよ
うに構成したことを特徴とする内燃機関を提供する。
【0025】
【作用】酸素濃度センサ(O2センサ)によるO2フィー
ドバック制御は、失火制御中かどうかの判断の後に失火
制御中でないと判断されたときにのみ行われる。これに
より失火制御が確実に実行されるため、エンジンの焼き
付き防止が図られる。
【0026】
【実施例】まず、図1から図11を参照して本発明の実
施例が適用される船外機について説明する。なお、各図
において図を分かりやすくするために細部の省略や相違
点および縮尺の相違等があるが基本構成は同じである。
【0027】図1は本発明実施例に係る船外機の船尾側
からみた立面構成図であり、図2は平面図である。図2
のFは船の進行方向前方を示す。また、図3は上記船外
機エンジンの燃料系統を含む構成図であり、図4は船外
機の外観側面図である。なお図3においては、図の単純
化のため1気筒のみ示してある。
【0028】なおここで、本発明の実施例である点火制
御、燃料噴射制御方法および装置を搭載する船外機につ
いての特徴を以下のとおり要約する。
【0029】水上での使用という異なる使用条件及び船
尾板に取付けのため、陸上の車両搭載エンジンに比べ構
成や機能が異なってくる。
【0030】(1)エンジンのクランク軸が縦置き(鉛
直方向)に配置される。従って、多気筒エンジンの場
合、複数の気筒を縦に1列または2列に配設している。
【0031】(2)エンジンのシリンダが水平置きに配
置される。即ち、上記(1)の縦置きクランク軸に対応
してシリンダは横(水平)に設けられる。
【0032】(3)排気通路を構成する排気管が垂直方
向に延設され、この排気管端部がカウリング下部の膨張
室内に開口する。主排気通路はこの膨張室からさらに下
方に延び、水面下のプロペラボスの後端またはロアケー
シングの後端に設けた主排気口と連通する。この構成に
より、高速前進時に水流によりプロペラボスの後端(た
はロアケーシングの後端)の主排気口部分は負圧とな
り、排気ガスが吸出されるため、膨張室の圧力が下が
り、特に2サイクルエンジンの場合、エンジンからの排
気効率および掃気効率が促進され性能向上が図られてい
る。なお、4サイクルエンジンを使用する船外機でも排
気効率の向上、排気行程の終期と吸気行程の初期が重な
り合う動弁系をもつものでは、吸気効率の向上により、
性能向上を図ることができる。
【0033】このような排気通路の構成、機能上の特徴
に対応して、船速に応じた点火時期制御、燃料噴射量制
御および噴射タイミング制御を実施している。この場
合、船の重量、船底形状が定まれば、プロペラ性能によ
りプロペラ回転数(エンジン回転数に対し所定比で減
速)は、船速とほぼ一定の関係となる。従って、エンジ
ン回転数および/またはスロットル開度(アクセル位
置)に応じて上記各エンジン制御を行う。船外機におい
ては、自動車等の車両に比べ、このようなエンジン回転
数やスロットル開度変化による加速や減速の影響が非常
に大きいため制御方法についてもこの点を充分考慮して
実施している。
【0034】また、後進時には、主排気口に水圧が作用
して膨張室の圧力が上昇する。このため前進時に比べ排
気効率が低下してエンジン性能が低下するとともに燃費
の低下や排気エミッションの悪化を来す。このような不
具合を防止するため、後進時には、前進航行時とは異な
る点火時期制御、燃料噴射量制御および燃料噴射タイミ
ング制御を実施している。
【0035】さらに、前進航行時には、船は船尾側の水
を引っ張りながら進行する。このためアクセル閉動作や
失火制御等の減速時に、船は先に減速されるが、船が引
っ張っている水は船尾側から船に押寄せる形となりいわ
ゆる追波が発生する。これにより、主排気口に水圧がか
かり排気効率が低下する。従って、この場合にも一定速
度の航行時とは異なる制御が必要となる。このために
は、排気膨張室の圧力を検出したりあるいは船外機の前
進、後進の切替を検知することにより、これらの検出情
報に基づいて各制御を行うことが有効であり、これを採
用している。
【0036】(4)前述の膨張室から水面上の排気口に
連通する副排気通路を有している。低速運転時には、エ
ンジンからの排気圧力より水圧の方が大きいので、水面
下の主排気口からの排気はできないため、水面上の副排
気口から大気中に排気ガスを放出する。この場合、騒音
対策のため副排気通路は迷路構造を採用している。
【0037】(5)縦置きエンジン構造で、排気通路が
垂直方向配置で排気ガスが上から下に流れる構造のた
め、下の気筒程温度上昇しやすくまた排気管路長さが短
い。このため、下気筒の方が噴射燃料が気化しやすく、
また膨張室の負圧レベルの影響が上下の気筒で異なるた
め排気脈動の利用による性能向上は上下の気筒で一律で
はない。従って、これを配慮した制御を実施している。
【0038】(6)排気ガスの温度を下げるため、膨張
室内に冷却水を導入している。この冷却水ポンプはプロ
ペラ軸に取付けられ、エンジン回転数に応じて冷却水量
が増加する。従って、エンジン回転数に応じて膨張室の
温度や排気管温度が変化し排気脈動に影響する。従っ
て、膨張室の温度や排気管温度に応じて点火時期等を制
御することにより、排気脈動の有効利用を可能としてい
る。
【0039】(7)排気通路冷却のための冷却水がエン
ジン脈動によりエンジン近傍に逆流することがある。こ
の逆流に対する抵抗性が必要になる。
【0040】(8)船体の抵抗特性として、特に軽い船
やエンジン出力が大きい船の場合、船速が増加しても抵
抗は船速に伴って単純に増加するわけではない。これは
ある特定の船速で船全体が波の上に浮き上がるプレーニ
ング現象により抵抗が減少するためである。従って、船
速を検出して制御する場合、この船の抵抗特性を考慮し
て制御している。
【0041】(9)船体に対し取付け角度が調整可能で
ある。この船外機の鉛直線に対する相対角度(船体に対
する相対取付け角度)はトリム角と呼ばれる。トリム角
の変化により、船体に対するプロペラ推力の方向が変化
し船速が変化する。プロペラ性能上、船速に応じた最適
トリム角がある。さらに、トリム角は主排気口の水深を
変化させるので背圧に影響する。特に主排気口をプロペ
ラボス後端に設けた船外機においては、トリム角がより
背圧に影響し、この点でもエンジン性能に影響する。
【0042】吸気管噴射の場合、トリム角変化により、
吸気管路の水平面に対する姿勢が変化する。一方、噴射
直後の燃料は十分気化していないので、燃料の一部が液
膜流として吸気管壁に沿って流れる。トリム角が変化す
ると、この液膜流の流れが変化し、燃焼室の空燃比が変
化する。これは過渡応答的に発生する。従って、トリム
角に応じて点火時期や燃料噴射量および噴射タイミング
を制御することによりエンジン性能や燃費および排気エ
ミッションを向上あるいは維持可能としている。
【0043】(10)船は波浪中を高速で航行すると、
水面上にジャンプすることがある。プロペラは空中に出
ると抵抗がなくなり、エンジン負荷が極端に減少するた
めエンジンが過回転状態になり、エンジントラブルを起
こすおそれがある。従って、水面とプロペラの相対位置
を検知するか、エンジン回転数そのものを検知して過回
転状態にならないように、失火制御あるいは燃料噴射量
を絞る等により出力ダウンする必要がある。
【0044】また、水面上の流木等に衝突するとき、跳
ね上がることにより衝撃を緩和するデバイスが取付けら
れている。このような流木衝突時にもプロペラは空中に
出る。跳ね上げ後プロペラが水中に戻るとき、出力が大
であると急激に加速されることになってエンジン燃焼が
不安定になる。これに対処するための燃料噴射制御も実
施している。
【0045】(11)船は始動性を特に要求される。始
動悪化の原因は、自動車等の車両と同様に低いエンジン
温度、混合気(燃料)不足および火花低下等がある。特
に船外機の場合、火花電流が海水雰囲気のため漏電しや
すく火花低下を起こしやすい。また、制御装置等の電装
品の耐海水性が要求される。よって本実施例船外機では
これらに対する対策が取られている。
【0046】(12)船速が遅いとき(エンジン回転数
が小さいとき)にはトリム角を小さくし、プレーニング
の後にはトリム角を大きくした方がエンジン性能が向上
する。従って、加速中この点を考慮してトリム角を制御
することにより、加速性能(時間当たりの加速割合)を
向上させている。
【0047】(13)吸気中に海水ミストが入りやす
く、噴射装置、燃料供給装置、クランク室圧力センサー
等の耐海水性対策が施されている。
【0048】(14)燃料の主タンクは船内に配置し、
副タンクを船外機のカウリング内に配置し、この2つの
燃料タンク間にクランク室の圧力変化を駆動源とする燃
料ポンプを設けている。
【0049】(15)2サイクルエンジンである本実施
例船外機では、潤滑油(エンジンオイル)の供給も制御
しなければならず、点火制御および燃料噴射制御と同時
に実施している。
【0050】(16)船は、風や潮流あるいは川の流れ
により位置が少しづつ移動する。魚釣り等においては、
漁場や釣りのポイントから船が移動しないように、長い
時間安定して船の位置を保持する必要がある。この場
合、アンカーでは海底が深い場所での船位置保持が困難
であり、また迅速に移動することが必要な場合の対応が
困難になる。従って、船位置保持のためには、アクセル
をほぼ最小あるいは任意の中間開度にほぼ保持した状態
でエンジンが停止することなく、安定して回転が持続す
ること、即ちエンジンに僅かの負荷がかかっている状態
で安定したエンジン回転が得られる低速安定性(トロー
リング性能)が要求される。
【0051】特に2サイクルエンジンは掃排気を実施し
ているため、低速において掃排気効率が低下し残留ガス
量が増加する。しかも各サイクルごとにこのガス量が変
化し、不整燃焼を引起こしてエンジン停止の原因となる
おそれがある。従って、低速での安定した回転のために
は、残留ガス量を減らしたりバラツキを押えることによ
り掃排気効率の向上を図ることが有効となる。この場
合、船外機特有の問題として、背圧が外部の波浪の影響
により変化し、その結果掃排気効率ひいては残留ガス量
のバラツキを引起こす原因になっている。
【0052】本実施例では以上説明したような点を踏ま
えて点火時期制御や燃料噴射量制御および噴射タイミン
グ制御を行っている。
【0053】なお、船内に搭載される小型船舶用の2サ
イクルあるいは4サイクルの燃料噴射エンジンにおいて
は、上記(3)(4)(6)(7)(8)(10)(1
1)(13)(15)(16)の特徴を付与する。ま
た、水噴射推進式小型艇において水噴射方向(これもト
リム角と呼ぶ)を変化させるものでは、水面に対して艇
体の傾きが変化し、これにより、水中の排気口に作用す
る水圧即ち背圧が変化するので、エンジンを含む推進装
置に(9)(12)の特徴をさらに付与する。
【0054】この船外機のエンジン1は、V型バンク型
式の2サイクル6気筒エンジンである。このエンジン1
は、#1〜#6の気筒を有し、3気筒づつ2列の左バン
ク2と右バンク3に配置される。左バンク2には奇数番
号の気筒#1、#3および#5が配列され、右バンク3
には偶数番号の気筒#2、#4および#6が配列され
る。各気筒はシリンダ本体4内に設けられる。シリンダ
本体4には各気筒周囲や排気通路周囲等に水冷ジャケッ
ト(図示しない)が形成されている。この左右のバンク
2、3は、図2に示すように、クランクケース22に対
しV型に設けられる。各気筒頭部にはシリンダヘッド2
0が設けられ気筒内燃焼室77(図3)に向けて点火プ
ラグ19が装着される。各気筒内にはコンロッド17を
介してクランク軸21に連結されたピストン18が装着
される。クランク軸21は垂直方向に設けられ、これに
対し各気筒#1〜#6が水平に設けられる。クランク軸
21の上端部にはフライホイルマグネット71が設けら
れる。6個の気筒#1〜#6は、同じクランク軸21に
対しコンロッド17が干渉しないように、#1〜#6の
順に高さをずらせて配置してある(図1参照)。
【0055】各気筒には排気ポート5が開口し、排気管
6に連通している。また各気筒には掃気ポート29が開
口し掃気通路30を介して燃焼室77とクランク室31
とを連通させる。エンジン1はカウリング7内に収容さ
れ、カウリング7の下部にはアッパーケーシング8が装
着されその下部にロアケーシング9が設けられる。ロア
ケーシング9の下部にプロペラ10が装着される。プロ
ペラ10は、プロペラ軸35上に装着され図示しない伝
達機構を介してエンジン1のクランク軸21と連結され
ている。
【0056】排気管6の端部はアッパーケーシング8内
の主膨張室11に開口する。主膨張室11は、ロアケー
シング9内に設けた排気通路(図示しない)を介してプ
ロペラ10の後面に設けた主排気口13に連通する。主
膨張室11はさらに水面上のカウリング7内の副膨張室
12と連通する。この副膨張室12には図示しない副排
気口が形成される。
【0057】気筒#1には後述する排気センサー(O2
センサー)14が設けられる。この実施例ではこの気筒
#1が基準気筒となり、後述のようにこの気筒#1につ
いての酸素濃度および各制御量を演算し、これを基本制
御量として残りの気筒#2〜#6については、この酸素
濃度または基本制御量に対する補正量をマップ演算して
各気筒の制御量を算出する。
【0058】この船外機38(図4)は、船体36に対
しブラケット37を介して枢支軸41廻りに回転可能で
あり、取付け角度(トリム角)が調整可能に装着され
る。ブラケット37にはトリム角を検出するためのトリ
ム角センサー39が設けられる。また、カウリング7内
には後述のシフトセンサー40が設けられる。
【0059】各気筒にはノックセンサー34(図3)お
よびエンジン温度センサー301(図1)が設けられ
る。なお、ノックセンサーおよびエンジン温度センサー
は、排気センサー14と同様に基準気筒#1にのみ設け
て他の気筒#2〜#6については、基準気筒#1の検出
データを補正して制御量演算用のデータを算出してもよ
い。また、クランク軸21にはリングギヤ(図示しな
い)の回転に応じてパルスを発してクランク角を検出す
るクランク角センサー33が設けられる。
【0060】複数気筒の内一つについて代表して図3に
示すように、クランク室22には、吸気マニホルド24
に連通する吸気ポート80が開口する。吸気ポート80
にはリード弁23が設けられる。吸気マニホルド24に
はインジェクター26が設けられるとともにスロットル
弁25が備る。吸気マニホルド24には吸気温度センサ
ー32が設けられる。また、吸気マニホルド24の外側
において、スロットル弁25にはスロットル開度センサ
ー15(図7参照)が設けられる。
【0061】インジェクター26に供給される燃料は燃
料タンク63内に溜められている。この燃料タンク63
内の燃料は低圧燃料ポンプ64により水分離およびゴミ
除去用フィルター66を介してサブタンク67に送られ
る。サブタンク67内の燃料は、高圧燃料ポンプ65に
よりインジェクター26に送られ、後述のように制御さ
れた噴射量および噴射タイミングで燃料が吸気マニホル
ド24内に噴射され所定空燃比の混合気を形成する。イ
ンジェクター26で噴射されなかった高圧燃料は、戻り
配管70を通してサブタンク67に回収される。戻り配
管70上には圧力レギュレータ69が設けられ、インジ
ェクター26の噴射圧力を一定に保つ。これにより、イ
ンジェクター26の開弁による噴射時間を制御すること
により燃料噴射量が制御できる。
【0062】図5は直列3気筒エンジンの詳細図であ
る。前述のV型6気筒エンジンと同様に、各気筒#1、
#2、#3のシリンダ壁には掃気ポート29および排気
ポート5が形成され、各排気ポート5は排気管6に連通
している。また、各気筒周囲のシリンダ本体4には水冷
ジャケット75が形成される。
【0063】基準気筒#1のシリンダ壁には排気ガス検
出ポート78が開口し、ガイド通路73を介して排気セ
ンサー14の蓄圧室(図示しない)に連通する。一方、
この排気センサー14の蓄圧室は、図示しない他のガイ
ド通路を介して他の気筒または#1気筒のクランク室に
開口する補助ポートと連通している。この補助ポートの
開口位置の設定により、ピストンのサイクル運動に伴う
各気筒内の圧力変動に応じて、基準気筒#1の燃焼ガス
のみを排気センサー14の蓄圧室に導入し、他の気筒の
燃焼ガスや掃気時の新気の導入を阻止することができ
る。これにより基準気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を
確実に検出することができる。他の気筒についてはこの
検出値を補正演算することにより酸素濃度データまたは
制御量を求めるように構成する。
【0064】図6は、直列3気筒エンジンを搭載する船
外機のアッパーケーシング8およびロアケーシング9内
の排気通路の構成図である。排気管6の端部は主膨張室
11に開口する。主膨張室11は、ロアケーシング9内
の排気通路73を介してプロペラ軸35を通り主排気口
(図1の13と同様)と連通する。主膨張室11内の排
気ガスは、水冷ジャケット72内の冷却水とともに排気
通路73を通して主排気口から水中に放出される。
【0065】図7は上記エンジンの吸気部を示す平面構
成図である。クランク室22には、吸気マニホルド24
に連通する吸気ポート80が開口する。吸気マニホルド
24には吸気通路79を通してエアクリーナ(図示しな
い)からの外気(吸気)が点線矢印Gのように導入され
る。吸気通路79の途中にはサイレンサ28が設けられ
る。81はオイルタンクを示し、76はスタータを示し
ている。オイルタンク81にはオイルレベル検出センサ
ー(図示しない)が設けられる。オイル供給系統は、図
3で説明した燃料供給系統と同様に、船内にメインタン
クを有し、オイルタンク81内の量が少なくなるとメイ
ンタンクから補給する。また、メインタンク内のオイル
量が空になるとエンジンの高負荷運転をしないように制
御される。スタータ76にはスタータ検出センサー(図
示しない)が連結される。オイルタンク81のオイル
は、クランク軸21により駆動されるオイルポンプ30
2により不図示のエンジンの潤滑必要部に送られる。オ
イル供給量はエンジン回転数が増加する程増加するとと
もに、スロットル弁レバー304の動きが連結リンク3
03によりオイルポンプ302に伝えられ、スロットル
開度が大となる程増加する。なお、図は排気センサー1
4が取付けられた基準気筒#1を示している。図8は排
気センサー14の詳細図である。この実施例の排気セン
サー14は、円筒形の金属製保護スリーブ104を有
し、この保護スリーブ104の一端に締結具105が取
付けられている。この保護スリーブ104内にジルコニ
ア製の検出素子106が収容される。この検出素子10
6は、保護スリーブ104から突出しさらに締結具10
5からも突出している。締結具105から突出した検出
素子106の端部は複数の孔111を有する着脱自在な
プロテクタ109により覆われる。検出素子106の反
対側の端部にはリード線107が連結され、後述の演算
処理装置に接続される。検出素子106の先端部の内部
には空洞108が形成され、またこの先端部近傍の検出
素子内にセラミックヒータ112が設けられる。
【0066】排気ガスはプロテクタ109の孔111を
通して自由に流通し内部の検出素子106に接する。こ
の検出素子106の内外両表面には白金の電極がメッキ
され、この検出素子106の内外の酸素濃度差に応じて
発生する起電力によって、排気ガス中の酸素濃度が検出
される。また、セラミックヒータ112により検出素子
106を適宜加熱することにより、運転状態によらず活
性化することができ、安定した検出ができる。このよう
な排気センサー14は、図5および図7に示すように、
燃焼ガスのガイド通路73を介して基準気筒#1の燃焼
室内および必要に応じて他の気筒と連通し、前述のよう
に、この気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を検出する。
V型6気筒エンジンにおいても、図1に示すように基準
気筒#1の排気ガス中の酸素濃度を検出する。
【0067】図9は、排気センサー14を別の位置に取
付けた構成例を示す。この例では、排気管6の途中にポ
ート83を開口し、このポート83を介して排気センサ
ー14側に排気ガスを導入する構成である。排気センサ
ー14は固定支持部82を介して排気管6の側面に保持
される。ポート83から導入する排気ガス中の酸素濃度
を代表値として検出し、これを直列3気筒エンジンでは
各気筒#1〜#3、V型6気筒エンジンでは各気筒#1
〜#6について補正演算して各気筒ごとの酸素濃度を求
める。この排気センサー14の配置は4サイクルエンジ
ンにおいて採用可能である。なお2サイクルエンジンで
も掃気サイクルでの新気がセンサー側に導入されること
を防止するために、この排気センサーの検出部をさらに
排気通路の下流側と連通させ、ピストンサイクルに伴う
圧力変動を利用して排気行程時にのみポート83を介し
て排気ガスを導入するように構成すればよい。
【0068】図10はプロペラ軸への動力伝達機構の詳
細図である。前述のように、軸を鉛直方向に配置したク
ランク軸21にドライブシャフト42が連結され、その
下端部にピニオン43が固定される。このピニオン43
の前後に前進ギヤ44および後進ギヤ45がそれぞれ噛
み合い反対方向に回転する。前進ギヤ44および後進ギ
ヤ45の間にドッグクラッチ46が設けられる。このド
ッグクラッチ46はプロペラ軸35の軸に沿って摺動可
能であり、前進ギヤ44または後進ギヤ45のいずれか
一方と選択的に噛み合うことができる。図はいずれのギ
ヤとも噛み合っていない中立位置を示している。このド
ッグクラッチ46は、プロペラ軸35を構成する前方軸
35bおよび後方軸35aのうち前方軸35bに対して
スプライン結合しており、前後方向に摺動可能かつ回転
方向に前方軸35bと一体化しており、さらにクロスピ
ン47を介してプロペラ軸35の軸方向に摺動可能なス
ライダー48に連結される。スライダー48の前端頭部
はカムフォロア49に対し回転自在に連結される。この
カムフォロア49は、シフトレバー50の下端部に設け
たカム51により駆動される。即ち、シフトレバー50
をその軸廻りに回転させてカム51を回転させ、これに
応じてカムフォロア49を前(F)または後(R)に移
動させる。これにより、スライダー48が前後に摺動
し、ドッグクラッチ46が前進ギヤ44または後進ギヤ
45のいずれか一方と噛み合い、ピニオン43の回転を
前進方向または後進方向の回転力として前方軸35bに
伝え、前方軸35bと摩擦溶接により一体化された後方
軸35aに伝達する。
【0069】なお、図10において、73はロアケーシ
ング下部の排気通路を示し、排気ガスが冷却水とともに
矢印Cのように流れ、主排気口13から矢印Dのように
水中に放出される。
【0070】図11は、上記ギヤシフトの駆動操作系統
の構成図である。船外機38は、前述のように、ブラケ
ット37aおよびクランプブラケット37bを介して船
体36に対しチルト軸305廻りにトリム角θを変更可
能に取付けられる。306はトリム角可変アクチュエー
タ、39はトリム角センサーを表している。
【0071】カム51を端部に有するシフトレバー50
は、カウリング内でピボット片52を介してリンクバー
53に連結される。リンクバー53の端部にはピン55
が突出して設けられる。このピン55は、カウリング内
に固定した長孔ガイド54内で矢印Aのようにスライド
可能に装着される。
【0072】一方、船内にはギヤシフトおよびスロット
ル操作用のリモコンボックス56が設けられる。このリ
モコンボックス56は、船外機38に対しシフトケーブ
ル57、スロットルケーブル58および電気信号ケーブ
ル59の3本のケーブルを介して連結されている。シフ
トケーブル57はカウリング内で前述のリンクバー53
のピン55に結合されている。リモコンボックス56に
は操作レバー60が設けられ、これを中立位置(N)か
ら前進または後進側に駆動操作してシフトケーブル57
を介してピン55を長孔リング54内でスライドさせ
る。これにより、リンクバー53が平行移動するととも
に、その根元部のピボット片52を矢印Bのように回転
させる。これにより、シフトレバー50がその軸廻りに
回転し、カム51が回転して、前述のように、ドッグク
ラッチを介してクランク軸と前進用ギヤまたは後進用ギ
ヤとを連結する。操作レバー60を前進または後進のシ
フト操作完了位置即ちスロットル弁全閉位置からさらに
F方向(前進時)またはR方向(後進時)に移動させる
ことにより、スロットルケーブル58を介して船外機3
8内のエンジンのスロットル弁が全開方向に動作する。
このシフトケーブル57には、シフトカットスイッチ
(図示しない)が設けられている。これは、高負荷運転
時にドッグクラッチ46(図10)をギヤ44または4
5から切り離そうとする際、クラッチとギヤ間の噛み合
い面圧が非常に大きくなるため、ケーブルに大きな荷重
がかかる。シフトカットスイッチは、この荷重によるケ
ーブルの弾性変形量を検出することにより過大なクラッ
チ噛み合い圧力を検知し、エンジン回転を下げてクラッ
チの切り替えを楽に行うようにするためのものである。
このようなシフトカットスイッチはカウリング内に設け
てもよいし、あるいはリモコンボックス内に設けてもよ
い。
【0073】リモコンボックス56にはさらに落水検知
スイッチ(図示しない)が設けられている。この落水検
知スイッチは、例えば乗員の身体に結び付けたワイヤに
スイッチを連結し、落水事故等の緊急時にスイッチを動
作させてエンジンを停止させ直ちに船を停止させるため
のものである。また、リモコンボックス56には独立の
エンジン停止操作スイッチ(図示しない)も設けられて
いる。
【0074】次に上記構成の船外機の制御全般について
図12から図18を参照して説明する。図12は、本実
施例の制御系統全体を示すシステムブロック図である。
制御プログラムを格納したマイクロコンピュータ等から
なる演算処理装置の入力側(図の左側)に、エンジンの
各種運転状態を検出するためのセンサー等からなる各検
出手段が接続される。これらの検出手段について、以下
順次説明する。
【0075】気筒検出手段#1〜#6は、クランク軸廻
りに6個配置され、各気筒についての制御演算を実行す
る場合のイベント割込み(後述のTDC割込み)を実行
するためのトリガ信号を発生する。これは、例えば各気
筒のピストンが上死点またはそれより所定角度(クラン
ク角度)手前に位置する瞬間に信号を発するように構成
する。従って、本実施例ではクランク軸の1回転中に6
0度ごとに1つの気筒検出信号が各気筒#1〜#6から
順番に演算処理装置に送られる。
【0076】クランク角検出手段202は、点火時期制
御のベースとなる角度パルスを発するものであり、クラ
ンク軸に係合するリングギヤの歯数に対応してパルス信
号を発する。例えばギヤ歯数112歯に対応して1回転
中に448パルスを発するように構成すれば、1パルス
ごとにクランク軸が0.8度回転することになる。
【0077】スロットル開度検出手段は、吸気マニホル
ドに設けたスロットル弁の開度に応じてアナログ電圧信
号を発する。演算処理装置はこのアナログ信号をA/D
変換してマップ読取り等の演算処理を行う。
【0078】次のトリム角度検出手段から吸気温度検出
手段までは、エンジンの運転条件に対する環境変化があ
った場合にこの変化に応じて制御量を補正するためのも
のである。トリム角度検出手段は、前述のように、船外
機の取付け角度を検出するものである。E/G温度検出
手段は、各気筒(または基準気筒)のシリンダブロック
に温度センサーを取付けその気筒の温度を検出するもの
である。大気圧検出手段は、カウリング内の適当な位置
に設けられる。吸気温度検出手段は吸気通路上の適当な
位置に設けられる。大気圧および吸気温度は空気の体積
に直接影響するものであり、演算処理装置は、これらの
大気圧および吸気温度の検出値に応じて空燃比等の制御
量に対する補正演算を行う。
【0079】既燃ガス検出手段は、前述の排気センサー
14のことである。検出した酸素濃度に応じて燃料噴射
量等のフィードバック制御を行う。
【0080】ノック検出手段は、各気筒の異常燃焼を検
出するものであり、ノッキングがおきた場合に点火を遅
角側にシフトさせたりまたは燃料をリッチ側に設定して
ノッキングを解消し、エンジンの損傷発生を防止する。
【0081】オイルレベル検出手段は、カウリング内の
サブタンクおよび船内のメインタンクの両方にレベルセ
ンサーを設けたものである。
【0082】サーモスイッチは、バイメタル式温度セン
サー等の応答性の速いセンサーからなり、冷却系異常等
によるエンジンの温度上昇等を検出し焼き付きを防止す
るための失火制御を行う。なお、前述のエンジン温度検
出手段はシリンダブロックに設けられ燃料噴射の制御量
補正のために使用されるが、このサーモスイッチはエン
ジンの温度上昇に直ちに対処するため応答性が速いこと
が要求される。
【0083】シフトカットスイッチは、前述のように、
シフトケーブル57(図11)のテンションを検出して
ドッグクラッチ46(図10)の切り替えを容易にする
ためのものである。
【0084】DES検出手段は、船尾に船外機を2台並
列して備えた型式の船舶において、一方の船外機のエン
ジンがオイル不足、温度上昇等により失火制御を行って
いる場合にこの失火運転状態を検出するものである。こ
のDESの検出により、他方のエンジンも同様に失火制
御を行って、両方のエンジンの運転状態を同じにして走
行のバランスを保つ。
【0085】バッテリ電圧検出手段は、インジェクタの
駆動電源電圧の変化によりバルブの開閉動作の速さが変
り吐出量が変化するため、バッテリ電圧を検出してこの
電圧に基づいて噴射量を制御するために用いる。
【0086】スタータスイッチ検出手段は、エンジンが
始動運転中かどうかを検出するためのものである。始動
状態であれば、燃料のリッチ化等を行い始動運転用の制
御を行う。
【0087】2種類あるE/Gストップスイッチ検出手
段は、エンジン停止操作スイッチや落水検知スイッチの
ことであり、このうち落水検知スイッチは落水事故等の
緊急状態を検出するものであり、緊急時にエンジンを直
ちに停止するように制御する。
【0088】以上のような各検出手段からの入力信号に
基づいて、演算処理装置内で各制御量の演算を行い、演
算結果に基づいて出力側(図12の右側)の燃料噴射手
段#1〜#6、点火手段#1〜#6、燃料ポンプおよび
オイルポンプを駆動制御する。なお、燃料噴射手段およ
び点火手段はそれぞれ、前述のインジェクタおよび点火
プラグであり、各気筒ごとに独立して順番に制御され
る。
【0089】このような演算処理装置での演算を実行す
るために、図示したように、演算処理装置には、制御プ
ログラムやマップ等を格納したROM等からなる不揮発
性メモリおよび各検出信号やこれに基づく演算のための
一時的なデータを記憶するためのRAM等からなる揮発
性メモリが備る。
【0090】次に、図13を参照して、本発明が適用さ
れる船外機エンジンの点火時期制御および燃料噴射制御
について説明する。図13はこのような制御フローを実
行するための構成を示すブロック図である。各ブロック
は、前述の図12の演算処理装置内に演算処理回路とし
て組込まれている。
【0091】気筒判別手段201は、気筒検出手段#1
〜#6(図12)に対応するものであり、各気筒からの
入力信号に基づいてその気筒番号を判別する。周期計測
手段1000は、この気筒検出手段からの検出信号に基
づいて、各気筒からの入力信号の時間間隔を計測し、こ
れを6倍することにより1回転の時間(周期)を算出す
る。エンジン回転数算出手段203は、この周期の逆数
を演算して回転数を求める。スロットル開度読み込み手
段204は、スロットル開度に対応したアナログ電圧信
号により開度を読み込む。
【0092】スロットル開度読み込み手段204からの
スロットル開度信号はA/D変換され、E/G回転数算
出手段203からの回転数信号とともに、基本点火時期
算出手段210および基本燃料噴射算出手段211に送
られ、基準気筒である#1の気筒の点火時期および燃料
噴射量がそれぞれ3次元マップを用いて算出される。こ
のエンジン回転数信号およびスロットル開度信号は、さ
らに気筒別点火時期補正値演算手段208および気筒別
燃料噴射量補正値演算手段209に送られ、残りの気筒
#2〜#6についての基本点火時期および基本噴射量に
対する補正値を各気筒ごとにマップ演算して求める。
【0093】一方、トリム角度読み込み手段205、機
関温度読み込み手段206および大気圧読み込み手段2
07は、それぞれの検出手段(図12)からの検出信号
を読取り、これを点火時期補正値算出手段212および
燃料噴射量補正値算出手段213に送り、各運転状態に
応じた補正値を算出する。この場合、点火時期補正値に
ついては、基本点火進角の値に対して加算する補正進角
(あるいは遅角)の角度数を、各読み込みデータの種類
ごとに予め記憶させたマップにより求める。また、燃料
噴射量の補正値については、予め定めた比例係数を基本
噴射量に対し乗算することにより求める。
【0094】なお、点火時期補正および燃料噴射量補正
について、図示していないが、さらに吸気温度の検出デ
ータを各算出手段212、213に入力して吸気温度に
基づく補正を行ってもよい。
【0095】点火時期補正値算出手段212および燃料
噴射量補正値算出手段213の算出出力は、それぞれ点
火時期補正手段214および燃料噴射量補正手段215
に入力され、ここで基本点火時期および基本燃料噴射の
算出値に加算して#1気筒の点火時期および燃料噴射の
制御量が算出される。
【0096】この基準気筒#1の点火時期および燃料噴
射の制御量は気筒別点火時期補正手段216および気筒
別燃料噴射量補正手段217に入力され、ここで#1気
筒についての補正された基本点火時期および燃料噴射量
に対し、#2〜#6の気筒についての気筒別点火時期補
正量演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算
手段209による制御補正量を加えることにより、#2
〜#6までの気筒の点火時期および燃料噴射量の制御量
が算出される。
【0097】このようにして算出された#1から#6ま
での各気筒に対する点火時期および燃料噴射の制御量に
基づいて、点火出力手段218は、各気筒ごとの点火進
角の角度の値で算出された制御量をタイマーセットし、
燃料出力手段219は開弁時間に相当するクランク角を
タイマーセットする。
【0098】次に、図14を参照して、本発明の実施例
に係る船外機の制御全体のフローについて説明する。図
14は、船外機エンジンの制御処理プロセス全体のシー
ケンスを示すメインルーチンのフローチャートである。
【0099】メインスイッチが投入され電源が立上がっ
てエンジン操作が開始されると、所定のリセット時間後
まず制御処理装置内の各処理回路が初期化される(ステ
ップS11)。次にステップS12において、運転状態
が判断され結果がメモリーに保持される。ここでは、図
12のスタータSW検出手段による始動判断、特定気筒
を休止させた気筒休止運転すべきかどうかの判断、酸素
濃度のフィードバック制御を行うべきかどうかの判断、
制御条件が変化したときにこれを記憶させる学習を行う
べきかどうかの判断、失火制御をさせるエンジンの過剰
回転、オーバーヒート、オイル不足、DES検知手段に
より分かるDES運転状態等のいずれかの状態にエンジ
ンがあるかの判断を行う。このような判断は、最初は始
動状態として判断され、以下のルーチンにおいて情報読
取り後は、読取ったセンサーからの検出情報や演算結果
等の各種情報に基づいて行われる。
【0100】次にステップS13において、ループ1の
ルーチンワークを行うかどうかの判別が行われる。YE
Sであれば、ステップS14に進みスイッチ情報の読み
込みが行われる。ここではE/Gストップスイッチ、メ
インスイッチおよびスタータスイッチからの情報が読取
られる。続いてステップS15において、ノックセンサ
ーおよびスロットルセンサーからの情報が読取られる。
このループ1による情報読み込みの終了後ステップS1
6に進み、ループ2のルーチンワークを行うかどうかが
判別される。
【0101】演算処理装置はハード的あるいはソフト的
に4ms間隔でループ1の処理用フラグ1を1にセット
し、8ms間隔でループ2の処理用フラグ2を1にセッ
トする。
【0102】ステップS13において、フラグ1をチェ
ックし1であればステップS14、ステップS15を実
施する。なお、ステップS14に進むと同時にフラグ1
はクリアされ0となる。ステップS13において、フラ
グ1が0であることが確認されると、ステップS16に
進み、フラグ2が1であるかをチェックする。フラグ2
が1であればステップS17に進むと同時にフラグ2は
クリアされ0となる。ステップS16でフラグ2が0で
ある場合はステップS12に戻る。
【0103】ステップS17においては、オイルレベル
の検出、シフトケーブルのテンションの検出、およびD
ES検出によるエンジン2機掛け運転状態のときに片側
のエンジンが異常運転をしているかどうかの検出が行わ
れる。さらにステップS18において、大気圧情報、吸
気温度情報、トリム角情報、エンジン温度情報、および
バッテリ電圧情報が読取られる。
【0104】次に、ステップS19において、失火制御
が行われる。これは、読み込んだ情報から、前記ステッ
プS12の運転状態判断において、過回転、オーバーヒ
ート、オイルエンプティ、DES等の異常状態が検出さ
れたときに、特定気筒の失火を行うように燃料制御する
ものである。次に、エンジンが回転しているかどうかの
判断およびオイルタンクのレベルセンサーからの情報に
基づいて、燃料ポンプおよびオイルポンプが駆動制御さ
れる(ステップS20)。これは、燃料については、エ
ンジンが回転中ならば燃料ポンプを駆動し、エンジン停
止中ならば燃料ポンプを停止し、オイルについては、オ
イルタンク内の量が少ないときにポンプを駆動してオイ
ルを補給するものである。
【0105】次に、ステップS21において、気筒休止
運転の判断を行う。これは、前述の運転状態判断ステッ
プS12において、所定の低負荷低回転状態のときに休
筒運転を行う判断をした場合に、演算処理のマップを選
択するための判別ステップである。休筒運転でなければ
通常の全気筒運転によるマップを用いて点火時期および
噴射時間の基本演算およびこれに対する気筒別の補正演
算を行う(ステップS22)。なお、4サイクルエンジ
ンに本燃料噴射システムを適用する場合にはこのステッ
プにおいて噴射タイミングの基本演算も行う。休筒運転
状態であれば、特定の気筒を休止した休筒運転用のマッ
プを用いて点火時期および噴射時間の演算(あるいはさ
らに、必要により噴射タイミングの演算)および気筒別
の補正演算を行う(ステップS24)。
【0106】次に、ステップS23において、大気圧や
トリム角等の運転状態に応じて、基本の点火時期や燃料
噴射に対する補正値が演算される。続いて、ステップS
25において、酸素濃度のフィードバック制御に伴う補
正値が演算される。このとき、演算情報の学習判定とO
2センサーの活性化の判定が行われる。さらに、ステッ
プS26において、ノックセンサーからの検出信号に基
づいて、エンジンの焼き付き防止等のために制御量の補
正値が演算される。
【0107】次にステップS27において、基本の点火
時期および燃料噴射の制御量に対し補正値を加えて最適
な点火時期、噴射時間および噴射時期を演算する。これ
によりループ2のルーチンを終了し、元の運転状態判断
ステップS12に戻る。
【0108】なお、上記したように点火時期制御、燃料
噴射量制御のみでなく、燃料噴射タイミング制御をする
2サイクルあるいは4サイクルのエンジンにおいては、
ステップ22〜27において燃料噴射タイミングについ
て基本マップに基づく基本演算、気筒別の補正演算、さ
らに気筒休止マップに基づく基本演算、気筒別の補正演
算、そして必要な補正係数演算、O2F/B制御補正係
数演算、ノック制御補正係数演算等を実施し、最終的に
基本の燃料噴射タイミングの制御量に対して補正値を加
えて最適な燃料噴射タイミングを演算する。
【0109】図15はTDC割込みルーチンのフローを
示す。クランク軸には各気筒検出手段近傍を順次通過す
る時各気筒においてピストンが上死点にあることを知ら
せる信号を各気筒検出手段から出力させるマーカが固着
されている。TDC割込みとは、#1から#6までの気
筒検出手段による各気筒からのTDC信号の入力に基づ
き、随時メインルーチンに割込まれるルーチンである。
【0110】まず、信号が入力された気筒の番号を判定
する(ステップS28)。次にその気筒番号を前回の入
力信号の気筒番号と比較することにより、運転すべき回
転方向に対するエンジンの正逆回転を判定する(ステッ
プS29)。逆転していればエンジンを直ちに停止する
(ステップS33)。エンジンが正転していれば、例え
ば#1と#2の気筒間の時間間隔をカウントしてこれを
6倍することによりエンジン回転の周期を算出する(ス
テップS30)。続いてこの周期の逆数を演算すること
により、回転数を算出する(ステップS31)。この回
転数が予め定めた所定の回転数よりも小さいときには、
エンジンを停止する(ステップS32、33)。
【0111】次に、ステップS34において、入力され
たTDC割込み信号が特定の基準気筒#1からのものか
どうかが判別される。基準気筒#1からの信号であれ
ば、休筒運転状態かどうかが判別され(ステップS3
5)、休筒運転中であれば、休止すべき気筒のパターン
を変更すべきかどうかが判別され(ステップS37)、
パターンを切り替え(ステップS38)または切り替え
ずにそのままステップS39に進み、点火制御による休
筒運転情報をセットする。割込み信号が#1からでない
場合(ステップS34)あるいは休筒運転中でない場合
(ステップS35)には、そのまま、あるいは休筒情報
をクリアして(ステップS36)ステップS39に進
み、点火制御による休筒運転情報をセットする。この点
火休筒情報に基づき点火すべき気筒の点火パルスをセッ
トする(ステップS40)。
【0112】この点火パルスセットの詳細を図16に示
す。演算により求められる点火時期は、V型6気筒エン
ジンにおいて、TDCより60度前のクランク角すなわ
ち基準に何度になるかに換算され、0.8で割ってパル
ス数にまるめられる。60度前にTDCとなる気筒のT
DC信号が入力されると、点火出力手段218を構成す
るタイマーにまるめられたパルス数のデータが保持され
ると同時に、以降クランク角検出手段からのパルスがタ
イマーに届くごとに、保持するパルス数を1づつ減じて
いき、保持パルス数が0となると、点火出力手段218
が点火プラグ19をスパークさせる。
【0113】本実施例は、図1に示したように、6気筒
のV型2バンク型式のエンジンを対象とし、奇数番号の
気筒(#1、3、5)を左バンクに配設し、偶数番号の
気筒(#2、4、6)を右バンクに配設している。これ
らの気筒をバンクごとに制御するために、バンクごとに
別のタイマーを有している。これらのタイマーに点火時
期に対応するクランク角パルス数をセットする場合、図
示したように、まず気筒番号が偶数か奇数かを判別し、
偶数か奇数かに応じてそれぞれ点火時期データを対応す
るバンクのタイマー(図では奇数バンクをタイマ3、偶
数バンクをタイマ4としている)にセットし、点火気筒
番号をセットする。
【0114】その後、点火制御において失火させる休止
気筒について燃料噴射制御における燃料噴射量を減少さ
せる気筒を燃料噴射制御による休筒情報としてセットし
(ステップS41)、該点火制御において失火させる休
止気筒について算出される燃料噴射の制御量より減少さ
せた燃料噴射量に対応する噴射時間と、その他の気筒に
ついて算出される燃料噴射の制御量に対応した噴射時間
に、それぞれ気筒ごとに対応した噴射パルスをセットす
る(ステップS42)。
【0115】なお、燃料噴射タイミング制御をするエン
ジンでは、気筒番号に対応して奇数の場合タイマー5
に、偶数の場合タイマー6にそれぞれ燃料噴射タイミン
グの演算値に基づき、噴射開始パルス数をセットする。
タイマー5あるいは6が0となると燃料噴射が開始さ
れ、ステップS42において燃料噴射量に対応する噴射
パルス数がセットされる別のタイマーが起動し、このタ
イマーが0となると燃料噴射を終了させる。
【0116】前述のエンジン周期を計測する場合、1つ
の気筒からの入力信号(TDC信号)があると、これに
応じて図15のTDC割込みが行われるとともに、TD
C周期計測タイマーがTDC信号の入力時点で一定周波
数パルスのパルス数のカウントを開始し、次の気筒のT
DC信号が入力した時点でリセットされ次の気筒のカウ
ントを開始する。この場合、カウント値が所定値以上に
なると、オーバーフローとなりカウントがリセットされ
る。このオーバーフローが起きた時点、即ち、クランク
角60度の周期が所定以上の時間である低速回転である
ことが検知された時点でタイマーオーバーフロー割込み
が実行される。
【0117】図17は、このオーバーフロー割込みを示
す。オーバーフローが起きるとまずその回数を記憶する
とともに、エンジンの始動運転状態かどうかが判別され
る。始動状態の運転モードであればオーバーフローはエ
ンジン回転が低いためであり、そのまま運転を続ける。
始動モードでない場合には、TDC信号のパルスが抜け
た、即ち何等かのトラブルによりTDC信号パルスが伝
えられなかったためのオーバーフローかどうかが判別さ
れ、パルス抜けのない正常な信号伝達によるオーバーフ
ロー検出であればエンジンが低回転であるためエンジン
を停止する。パルス抜けがあった場合には、オーバーフ
ロー検出が2回目かどうかが判別され、2回目となった
場合も回転が低すぎるとしてエンジンを停止する。これ
により、低回転において信号発信系統に異常があるとき
には必ずエンジン停止することとなる。
【0118】図18は、各気筒の点火タイミングを設定
するための前述の各バンクに対応したタイマー3、4の
割込みルーチンを示す。エンジン回転信号(TDC信
号)が各気筒から入力されるとこのタイマー3、4の割
込みが行われる。まず、エンジンが所定の低回転以下の
状態のために点火休筒運転を行うかどうかの休筒情報お
よびオーバーヒートあるいはオーバーレボ(過回転)検
出により点火を失火させるかどうかの失火情報を読み込
む。この後気筒番号に応じたタイマー3あるいは4に点
火タイミングに応じたタイマー値をセットする。その
後、休筒情報あるいは失火情報により失火させる場合に
は、点火処理のルーチンは行わないためタイマーで設定
されたタイミングになっても点火プラグへの放電はさせ
ないようにしてそのままメインフローに戻る。失火させ
ない場合には、点火すべき気筒の番号を読み込み、タイ
マーで設定されたタイミングでその気筒の点火駆動回路
の点火出力ポートからパルス(HI)を出力して点火プ
ラグを放電させる。点火時間はパルス幅あるいはパルス
数に対応しタイマにより設定される。このタイマによる
所定の点火時間が経過後点火出力ポートからの信号はL
OWとなり点火プラグの放電が終了する。
【0119】以上が本発明が適用される船外機エンジン
の機構上の構成および制御系全体のシステム構成および
その作用のフローである。
【0120】本発明は前述のように、O2センサを用い
た空燃比のフィードバック制御において、エンジンの焼
き付き防止を図った内燃機関のO2フィードバック制御
方法の提供を目的としている。
【0121】このような本発明の実施例について、図1
9〜図33を参照して以下にさらに説明する。この実施
例は、前述の船外機用6気筒V型バンクエンジンの気筒
#1〜#6のO2フィードバック制御を行う例を示すも
のである。
【0122】図19は、エンジン制御の演算処理に用い
るマップの使用領域を示すマップ遷移図である。マップ
領域は、エンジン温度TEと、エンジン回転数Nと、ス
ロットル開度θとによって定まる。全気筒マップ領域
は、6気筒全てを燃焼させる運転領域であり、エンジン
温度TEと、エンジン回転数Nと、スロットル開度θの
ほぼ全使用領域をカバーする。この全気筒運転領域のう
ち、特に2サイクルエンジンにおいて、特定の運転状態
の場合に一部の気筒の燃焼を停止し、不正燃焼を抑えガ
ス交換を促進して燃焼安定性および燃費の向上等を図る
ために、休筒運転が行われる。この休筒運転で用いる休
筒マップ領域は、エンジン回転数Nが約400〜190
0rpm、スロットル開度θは全閉から約10°(スロ
ットルセンサ出力約1V)の範囲である。また、エンジ
ン温度については、40℃以下(矢印Aの領域)では暖
機運転のため全回転域で全気筒マップを使用し、休筒マ
ップは使用しない。これは、例えば冷気始動時の温度が
低い状態であり、休筒運転を行うと休止気筒の温度が上
昇しないため、休筒運転を行わない領域である。
【0123】なお、基準気筒の吸気マニホールド24の
スロットル弁25の下流側に配置される吸気温センサー
32の近傍に吸気負圧センサーを配置し(図3参照)し
ても良い。この場合図19はThrθ軸を吸気負圧に置
き替えたマップ遷移図となる。休筒マップ領域、O2F
/B領域、学習制御領域の位置関係に変化はない。この
場合、図14のステップ15で実施されるセンサ情報読
込み1においてスロットルセンサ情報の替わりに吸気負
圧情報を読み込ませ、吸気負圧を用いた基本制御量マッ
プ、等により各制御量を演算させるようにする。
【0124】また、吸気マニホールド24のスロットル
弁25の下流側に抵抗線、カルマン渦カウンター等によ
る空気量検知装置を配置し時間当たりの空気量を算出す
るか、クランク室31に圧力センサーを配置し、最大圧
力と最小圧力の差圧から時間当たりの空気量を算出する
ようにしても良い。この場合図19は、Thrθ軸の替
わりに空気量に置き替えたマップ遷移図となる。空気量
は、スロットル角度Thrθとエンジン回転数rpmに
より定まるものであり、各領域はこれに応じて位置関係
に変化はないものの形状は変わることとなる。
【0125】O2フィードバック制御領域は、エンジン
回転数が約500〜5200rpmの範囲であり、スロ
ットル開度はほぼ全域に対応する。またサーモスイッチ
が所定のオーバーヒート温度に達してONになると(矢
印Bの領域)、燃料をリッチ化して焼き付き防止を図る
必要があり、O2フィードバック制御によるリッチ、リ
ーンの繰り返し噴射を避けるためにO2フィードバック
制御を行なわない。
【0126】このO2フィードバック制御領域の一部
(エンジン回転数約3000〜5000rpm,スロッ
トル開度約20°〜30°(1.5V〜2.0V)の範
囲)に学習制御領域がある。この領域は、例えば一定の
高速運転を行うクルージング領域であり、常にリーン状
態にセットされる領域である。この学習制御領域では、
リーン状態にセットされた運転状態において、O2フィ
ードバック制御のマップ演算によるリッチ、リーンの最
適繰り返し噴射量時のO2センサの検出値を記憶し、こ
の検出値に基づき噴射量の学習補正係数演算マップを書
換えることにより、次回のO2F/B開始後の収束まで
の時間短縮を図る。
【0127】図20はO2センサの出力電圧を示すグラ
フである。出力電圧は、理論空燃比Stを境に急激に変
化する。この変化位置の傾きは2サイクルエンジンでは
緩くなる傾向にあり、またリッチ側に移行する傾向にあ
る。本実施例においては、このO2センサを基準気筒で
ある#1気筒に設け、O2センサからの出力電圧に基づ
いて基準気筒#1の空燃比フィードバック制御を行って
いる。このO2フィードバック制御は、前述の図14の
メインフローに示したように、点火時期および燃料噴射
について各気筒について基本演算を行って基本制御量を
算出し(ステップS22またはS24)、その後トリム
角やエンジン温度等に基づいて補正係数演算を行なった
後(ステップS23)O2F/Bの補正係数の演算を行
ない(ステップS25)、各気筒についての制御量を算
出した後(ステップS27)、この演算した制御量と、
O2センサを用いて燃料噴射量のフィードバック制御を
行い、所定A/Fに空燃比を制御するものである。この
O2フィードバック制御は、目標とするA/Fにするた
めマップを用いて補正係数を演算し、O2センサの出力
に応じてこの補正係数を付加した燃料噴射を行う。
【0128】図21は、基準気筒のO2フィードバック
制御における補正係数の変化の状態を示す図である。O
2フィードバック制御が開始されると、まずリッチ方向
の制御パラメータに基づいて噴射量が制御される。Δt
1は制御開始直後の収束前の制御周期であり、Δt2は
収束後の制御周期である。収束前は、目標とする空燃比
に短時間で収束させるためにΔt1はΔt2よりも短く
設定されている。Δt1の周期で一旦収束した後は空燃
比の制御精度を高めるために周期を変えてΔt2の周期
で制御が行われる。P1、P2はそれぞれリッチ側およ
びリーン側に切り替えたときの比例定数であり、次の切
り替え点に速く達するために噴射量をステップ的に変化
させる係数である。I1,I2はそれぞれリッチ方向お
よびリーン方向の積分定数である。前述の周期Δt1ま
たはΔt2における補正係数の増加量を表す。このよう
に、比例定数P1、P2および積分定数I1,I2をリ
ッチ方向およびリーン方向にそれぞれ独立してもつの
は、O2センサの応答性が制御方向により異なるためで
ある。
【0129】図22は、補正係数を演算する場合の上記
各制御パラメータのマップテーブルを示す。これらの図
は、上記パラメータ、P1,P2,I1,I2,Δt
1,Δt2およびリッチからリーンへの切り替え電圧V
1とリーンからリッチへの切り替え電圧V2のテーブル
を示す。V1およびV2は、それぞれ基準気筒#1をO
2センサの出力に基づいて制御する場合に、目標とする
空燃比を越えた時点でリッチからリーンへおよびその逆
の方向へ制御を切替えるための閾値電圧である。このよ
うな8つの図示したテーブルには、エンジン回転数(r
pm)に対応して各パラメータの値が書込まれている。
このように各パラメータをエンジン回転数に応じて変え
ているのは、エンジン回転数に応じエンジン圧力波が変
化し、O2センサに対する既燃ガスの入替わり速度が異
なってくるためである。この場合、片方向側(例えばリ
ッチ側)の比例定数と積分定数のみをエンジン回転数に
応じて可変とするマップテーブルを作成し、もう一方
(リーン側)は、リッチ側の定数に予め実験等により求
めた係数を乗ずることにより演算してもよい。これによ
り、メモリ量を低下させるとともに演算時間の短縮が図
られる。
【0130】図23は、上記マップテーブルのパラメー
タを用いて演算した補正係数の変化状態を示す。時間t
1でO2フィードバック制御がスタートすると、まずリ
ッチ方向への燃料噴射が行われる。ここでは、図21に
示したように、P1による増加後周期Δt1での短いス
テップ状に補正係数が演算されこれに基づきリッチ方向
に燃料噴射が行われる。時間t2でA/Fが目標空燃比
を上回ると、O2センサの出力電圧がV1に達し、リッ
チからリーン方向へ制御方向が切り替わる。ここで補正
係数がP2(図21)に対応して減少する。これがリッ
チ側からリーン側への第1回目の切り替わり点A1であ
る。ここからリーン方向への噴射を行い周期Δt2ごと
にI2に対応して補正係数を減少させ噴射量を減少させ
ると、時間t3で再び目標空燃比を下回り、O2センサ
の出力電圧がV2になる。この時点で再びリーン方向か
らリッチ方向へ制御方向を切り替える。ここがリーン方
向からリッチ方向への第1回目の切り替え点B1(切り
替え点としては2回目)である。ここで前述の比例定数
P1に対応して噴射量を立上げ、その後周期Δt2ごと
に積分定数I1に対応して燃料を増量する。これによ
り、再びA/Fが目標空燃比を上回り、時間t4でO2
センサの出力電圧がV1に達する。この時点でリッチか
らリーンへ制御方向が切り替わり、この方向の2回目の
補正係数の方向切り替わり点A2となる。ここで前記切
り替え点A1のときと同様に、比例定数P2に対応して
燃料を減量し、さらに周期Δt2ごとに積分定数I2に
対応して補正係数を減少させることにより、時間t5で
再び切り替え点B2に達する。以降同様にしてリッチ側
およびリーン側への噴射制御が繰り返し行われる。
【0131】補正係数を付加した燃料噴射量TINJは以
下のようにして演算される。
【0132】 TINJ=TINJB×TINJC+(TINJB+TL)×C+TL+TINV (1) ここで、TINJBは、図14のステップS22またはS2
4で演算した基本燃料噴射時間、TINJCは、ステップS
23で演算したエンジン温度補正係数、大気圧補正係数
およびトリム角補正係数を乗じた噴射補正係数である。
Cは本実施例に係るO2フィードバック制御により演算
した補正係数である(図14のステップS25)。また
TINVは、無効噴射時間である。これはバッテリ電圧に
よりインジェクタの弁の開閉時間が異なるため、バッテ
リ電圧に応じてこれを補正するためのものである。
【0133】以上のようにして、基準気筒#1に対して
は、O2センサの出力に基づいてO2フィードバック制御
が行われる。残りの気筒#2〜#6に対しては、第1回
目のリッチ側からリーン側への補正係数の切り替わり点
A1を除くこの方向の切り替わり点A2、A3・・・、
およびリーン側からリッチ側への補正係数の切り替わり
点B1、B2・・・のうち、連続して隣り合う2つの切
り替わり点の補正係数から代表値を算出し、この代表値
に基づき一定量の燃料を噴射する。即ち、反転するごと
に代表値の値を更新する。また実施例に示したように反
転のペアができる毎に値を更新してもよい。従って、#
2〜#6気筒に対しては、リッチ、リーンの周期的繰り
返し制御は行われず、一定の補正係数に基づいて燃料噴
射制御が行われる。代表値としては、2つの反転位置の
補正係数の平均値あるいは所定の中間値を演算する。こ
の場合、基準気筒#1のO2フィードバック制御開始後
の最初の補正係数の反転位置は、安定して理論空燃比に
近づく収束前の状態であるため、この最初の反転位置の
補正係数を代表値の演算に用いると、代表値が基準気筒
の補正係数と大きく異なりE/G回転変動等の影響が考
えられる。これを防止するために、安定して目標空燃比
に近づく収束後の状態となった2回目からの反転位置の
補正係数を代表値演算に用いる。
【0134】前述の基準気筒#1に対するO2フィード
バック制御は以下に示す条件1が満足された場合に行わ
れる。即ち、(イ)急加速あるいは急減速中でないこ
と、(ロ)始動時あるいは始動後の始動制御中でないこ
と、(ハ)エンジン回転およびスロットル開度が一定範
囲内にあること、(ニ)エンジン回転およびスロットル
開度の変動が一定範囲内にある状態が一定期間以上継続
すること、(ホ)エンジン温度が一定値以上であるこ
と、の5つである。(イ)の急加減速中は、出力増加あ
るいはエンジンストールや焼き付き防止のために燃料を
濃くする必要があるため、O2フィードバック制御は行
わない。(ロ)の始動制御中は、エンジン温度が低く暖
機のために燃料を増量する必要があるため、O2フィー
ドバック制御は行わない。(ハ)のエンジン回転および
スロットル開度一定範囲の条件は、例えばスロットル開
度70度以上、回転数5200rpm以上等の高負荷高
回転時には、燃料噴射量を振らせずに一定量を供給して
安定した運転状態とする必要があるためである。(ニ)
の安定したエンジン回転等の状態が一定期間以上続く条
件は、変動が激しい場合には、演算遅れ等のために応答
性が悪くなり、O2フィードバック制御により燃料噴射
量を振らせることは好ましくないからである。(ホ)の
エンジン温度が一定値以上の条件は、エンジン温度が低
いと、O2センサが活性化していない場合があり、O2濃
度検出値の信頼性が確かでない場合があるためであり、
またエンジン温度が低いとリッチ側にセットして暖機さ
れるため、O2フィードバック制御により噴射量を振ら
せてリーン側になると暖機に時間がかかり、またエンジ
ンストールの可能性があるためである。O2フィードバ
ック制御はこのような条件1をクリアした場合にのみ行
われる。
【0135】さらに、船外機特有の条件として、以下の
条件2による失火制御中の場合および粗悪ガソリン使用
等によるノック制御中については、O2フィードバック
制御によるリーン方向制御時の基準気筒のリーン化によ
ってエンジンが焼き付くことを防止するためO2フィー
ドバック制御は行わない。条件2の失火制御中とは、
(イ)オーバーヒート状態、(ロ)オーバーレボ(過回
転)状態、(ハ)オイルエンプティ状態、および(ニ)
2機がけ運転時の片方のエンジンが上記(イ)〜(ハ)
の状態となってDES検出された状態の場合である。
【0136】上記(イ)のオーバーヒート状態の失火制
御とは、例えばシリンダヘッドに設けたバイメタルスイ
ッチによりエンジン過熱が検出された場合に、燃焼を抑
えて温度を下げるために回転数を例えば2000rpm
以下に抑える目的で、特定気筒の点火を止めるものであ
る。また、(ロ)のオーバーレボ状態とは、エンジン回
転数が例えば6000rpm以上の高回転となった場合
であり、この場合にも回転を抑えるために特定気筒の失
火を行う。(ハ)のオイルエンプティ状態とは、オイル
レベルスイッチによりカウリング内のオイルタンク内の
オイル量が減った場合に、オイルの消費を抑えるために
回転数を低下させるものである。このようなオイルエン
プティの場合にも特定気筒を失火させ回転数を例えば2
000rpm以下に抑えることにより、オイルの消費を
抑え、特に船外機の場合、少ないオイルで確実な帰港を
図るものである。
【0137】図24は、メインフロー(図14)におけ
るO2フィードバック制御の補正演算ステップS25の
詳細フローを示す。まずステップS191で、O2セン
サが一定以上の温度となってO2濃度の検出が可能状態
かどうかの判定(活性化の判定)が行われる。次に、ス
テップS192で、O2フィードバック制御を行うかど
うかが判別される。これは、前述の急加減速中でない等
の条件1および失火制御中でない条件2およびノック制
御中でない状態を判定するものである。続いて、ステッ
プS193で、O2フィードバック制御の学習制御を行
うどうかが判別される。(ステップS192、193
は、図14ステップS12の運転状態判断結果をもと
に、制御を行なうかどうかの決定を行なうものであ
る。)これは、図19のマップ遷移図において、O2フ
ィードバック制御領域の内学習制御領域の条件となって
いるかどうかを判別するものである。これらの判別ステ
ップS192およびS193の結果に基づき、O2フィ
ードバック制御を行うとともに(ステップS194)、
学習領域であれば各運転状態およびそのときの噴射量よ
り学習補正噴射時間を求め、その値を書込んで学習マッ
プを更新する(ステップS195)。 図26は、上記
O2フィードバック制御の実行判定ステップS192の
詳細フローである。図示したとうり、各判別条件ステッ
プS278〜S289が適合した場合にのみO2フィー
ドバック制御の許可フラグがセットされる。1つでも条
件が満たされない場合にはO2フィードバック制御は行
われず、また学習制御も行われない。図中、ステップS
279〜S287は、前述の条件1を示す。またステッ
プS288は、前述の条件2の失火制御である。またス
テップS289はノック制御に対応している。
【0138】図25は、前述のステップS194におけ
るO2フィードバック制御の詳細フローを示す。まずス
テップS220で、前記判別ステップS192の結果に
基づきO2フィードバック制御を行うフラグが立ったか
どうかが判別される。O2フィードバック制御を行うの
であれば、ステップS221に進み、O2フィードバッ
ク制御が開始され初めてこの処理に入ったかどうかが判
断される。初回(YES)であれば、ステップS222
で周期計測のタイマO2F/B補正係数や制御方向フラ
グのリセット等の初期化を行う。続いて、ステップS2
23において、制御周期が計算される。これは、前述の
図22に示した収束前の周期Δt1あるいは収束後の周
期Δt2をマップ演算するものであり、その詳細フロー
を図27に示す。図示したように、制御方向が1回以上
反転していれば既に収束した状態であり、周期Δt2を
テーブル(図22)から演算し、1回も反転していない
状態であれば収束前であるため周期Δt1を演算する。
【0139】次にステップS224において、各周期ご
とに周期時間に達しているかどうかが判別される。周期
時間内の途中であれば何もせず周期時間に達するまでフ
ローを循環する。所定の制御周期時間(Δt1またはΔ
t2)に達すると、ステップS225に進み、O2フィ
ードバックの制御の方向状態が判定される。この詳細フ
ローを図28に示す。まずO2フィードバック制御が初
回かどうかが判別される(ステップS249)。初回で
あれば反転フラグを立てリッチ方向へ制御するフラグを
立てる。初回でなければ、ステップS250でリーン方
向へ制御中かが判別され、リーン方向であれば切り替え
電圧V2を図22のテーブルより演算する(ステップS
251)。このV2とO2センサの出力を比較し(ステ
ップS252)、O2センサ出力がV2に達して反転が
必要であれば、反転フラグを立てリッチ方向へ制御する
フラグをセットする(ステップS256)。一方、O2
センサ出力がV2に達せず反転が必要なければ、反転フ
ラグをクリアし、現在立てられているリーン方向のフラ
グをそのままセットする。(ステップS259)。一
方、ステップS250でリッチ方向の制御中であれば、
上記リーンの場合と全く逆にステップS253、S25
4、S268、S259、(またはS260、S25
6)を介して、リーン方向への反転またはリッチ制御の
続行が行われる。
【0140】図25のフローチャートに戻り、前述のよ
うにステップS225で制御方向が判定されいずれかの
方向にセットされさらに反転フラグがセットもしくはク
リアされている状態で、ステップS226に進む。ここ
で反転フラグの状態が判別される。方向反転時であれ
ば、比例定数P1またはP2(図22)を演算する(ス
テップS227)。さらにステップS228で、残りの
気筒#2〜#6についての補正係数の代表値を計算し、
学習制御中であれば、学習により学習マップに書込む値
を計算する(ステップS229)。
【0141】一方、ステップS226で方向反転時でな
ければ、周期ごとのステップ状に燃料を増加または減少
するための積分定数I1またはI2(図22)がマップ
テーブルより演算される(ステップS230)。
【0142】これらのステップS227の比例定数計算
およびステップS230の積分定数計算のフローチャー
トをそれぞれ図29および図30に示す。図示したよう
に、比例定数計算においては、リッチかリーンの方向が
判別され(ステップS261)、リッチ方向であれば図
22のP1が演算され(ステップS262)、リーン方
向であればP2が演算される(ステップS264)。そ
の後、反転前の方向の積分演算の回数がクリアされる
(ステップS263)。
【0143】図30の積分定数計算においては、リッチ
かリーンの方向が判別され(ステップS265)、リッ
チ方向であれば図22のI1が演算され(ステップS2
66)、リーン方向であればI2が演算される(ステッ
プS268)。その後、積分演算の回数がインクリメン
トされる(ステップS267)。この積分回数は#1気
筒の補正係数演算に用いる(ステップS277)。
【0144】図31は、上記ステップS228における
補正係数の代表値計算のフローを示す。まずリッチから
リーン(またはその逆)に方向を反転した時点かどうか
が判別される。リーンからリッチの反転時であれば、反
転直前の#1気筒の補正係数Cをβn-1としてメモリに
保管する(ステップS270)。リーンからリッチの反
転後であれば、データβn-1が保管されているかどうか
が判別される(ステップS271)。保管されてなけれ
ば、リーンからリッチの反転前の状態であり代表値の演
算を行なわない。βn-1が保管されていれば、反転直前
の#1気筒の補正係数Cをβnとして保管する(ステッ
プS272)。続いて、ステップS273で、代表値を
計算する。この代表値は、2つの連続する反転位置の補
正係数の平均値となる。この場合、平均値をとる補正係
数のデータは2点に限らず、リッチ側からリーン側およ
びその逆方向の反転位置におけるそれぞれ2点づつの4
点の平均あるいはさらにそれ以上の点の平均を計算して
もよい。また、平均化の方法についても、常に新しい反
転位置のデータを用いる移動平均や新しいデータを順次
加える加算平均等を用いて演算してもよい。また、代表
値は平均値に限らず、2つあるいはそれ以上の反転位置
の補正係数の予め設定した所定の中間値としてもよい。
【0145】このようにして基準気筒#1のO2フィー
ドバック制御におけるP1、P2、I1、I2、積分回数及
び反転位置の補正係数から算出した代表値に基づいて、
図25のステップS231において、全気筒#1〜#6
の補正係数が演算される。この補正係数演算のフローを
図32に示す。前述のように、燃料噴射時間は(1)式
から算出する。
【0146】 TINJ=TINJB×TINJC+(TINJB+TL)×C+TL+TINV (1) (TINJ:補正係数を付加した燃料噴射量、TINJB:基
本噴射時間、TINJC:噴射補正係数、(TINJB+TL)
×C:O2フィードバック制御による補正量、TL:学習
補正噴射時間(マップ値)、C:O2フィードバック制
御の補正係数、TINV:無効噴射時間) まず、ステップS274で#2〜#6についての代表値
が演算されているかどうかが判別される。O2フィード
バック制御開始直後等で反転位置のデータ量が不足して
いるために代表値が計算されていない場合には、補正係
数Cを0として演算を続ける。代表値が演算されている
場合には、この代表値を補正係数Cとする(ステップS
275)。次に、ステップS277において、#1気筒
について図22の各パラメータ及び積分回数を用いて補
正係数を演算する。
【0147】補正係数は、C=C0+Px+n×Ixに
て、表わされる。ここで、 C0:補正係数初期値(O2F/Bスタート時はθ。リッ
チ/リーン切替え時は、切替え直前のCの値。) Px:P1、P2を方向により選択 Ix:I1、I2を方向により選択 n:積分回数(リッチ/リーン切替え時クリア) である。
【0148】このようにして全気筒の補正係数が計算さ
れたなら、ステップS232において、全気筒につい
て、前述の燃料噴射時間TINJ中の(TINJB+TL)×C
を計算する。またTINJの計算は、図14S27にて行
なう。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、失火制御中のときにはO2フィードバック制御を行
わないため、O2フィードバック制御でのリーン化によ
る過熱でエンジンが焼き付きを起こすことを防止するこ
とができる。特に船外機に適用した場合、エンジン焼き
付きによる航行不能状態が回避されるため、大きな効果
となり得る。さらに、エンジン温度や急加速急減速等の
各種条件と組合せることにより、必要なあるいは所望の
運転状態を得るための制御に支障を来すことなく、最適
な燃料噴射を行ってO2センサによる高精度で応答性の
速い空燃比制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される船外機の要部構成図であ
る。
【図2】 図1のエンジンの平面図である。
【図3】 図1の船外機の燃料系統を含む構成図であ
る。
【図4】 図1の船外機の側面外観図である。
【図5】 図1のエンジンの左バンクの詳細図である。
【図6】 図1のエンジンの排気通路の説明図である。
【図7】 図1のエンジンの吸気系を含む構成図であ
る。
【図8】 図1のエンジン制御に用いる排気センサーの
構成図である。
【図9】 排気センサーの別の取付け例の説明図であ
る。
【図10】 船外機プロペラ軸への伝達機構の構成図で
ある。
【図11】 船外機のシフト機構の要部構成図である。
【図12】 本発明実施例に係るシステムブロック図で
ある。
【図13】 本発明実施例に係る制御手段のブロック図
である。
【図14】 本発明実施例に係るメインルーチンのフロ
ー図である。
【図15】 図14のメインルーチンにおけるTDC割
込みのフロー図である。
【図16】 図16の点火パルスセットの詳細フロー図
である。
【図17】 図14のルーチンにおけるタイマーオーバ
ーフローの詳細フロー図である。
【図18】 図14のルーチンにおける点火時期制御用
タイマーの割込みフロー図である。
【図19】 本発明の実施例に係るマップ領域の遷移図
である。
【図20】 O2センサの出力電圧を示す図である。
【図21】 本発明の実施例に係るO2フィードバック
制御方法の補正係数の変化の説明図である。
【図22】 本発明の実施例に係るマップテーブルの説
明図である。
【図23】 本発明の実施例に係るO2フィードバック
制御の動作説明図である。
【図24】 図14のメインルーチンのO2フィードバ
ック制御の補正係数演算ステップの詳細フローチャート
である。
【図25】 図24のO2フィードバック制御の詳細フ
ローチャートである。
【図26】 図24のO2フィードバック制御の実行判
定ステップの詳細フローチャートである。
【図27】 図25のフローにおける制御周期計算ステ
ップの詳細フローチャートである。
【図28】 図25のフローにおけるO2フィードバッ
ク制御の状態判定ステップの詳細フローチャートであ
る。
【図29】 図25のフローにおける比例定数計算ステ
ップの詳細フローチャートである。
【図30】 図25のフローにおける積分定数計算ステ
ップの詳細フローチャートである。
【図31】 図25のフローにおける代表値計算ステッ
プの詳細フローチャートである。
【図32】 図25のフローにおける全気筒補正係数演
算ステップの詳細フローチャートである。
【符号の説明】
1:エンジン 2:左バンク 3:右バンク 4:シリンダ本体 5:排気ポート 6:排気管 7:カウリング 8:アッパーケーシング 9:ロアケーシング 13:主排気口 14:排気センサー 21:クランク軸 25:スロットル弁 26:インジェクタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既燃ガスの酸素濃度を検出するための酸
    素濃度センサからの出力に応じて、目標値に対するリッ
    チ側およびリーン側への燃料噴射制御を繰返す内燃機関
    の制御方法において、失火制御中か否かを判別し、失火
    制御中以外のときにのみ酸素濃度センサの出力に基づく
    燃料噴射制御を行うことを特徴とする酸素濃度センサを
    用いた内燃機関の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記失火制御は、オーバーヒート、オー
    バーレボ、オイルエンプティまたはDES信号のいづれ
    かが検出されたときに行われることを特徴とする請求項
    1に記載の酸素濃度センサを用いた内燃機関の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記失火制御の条件とともに、燃料増量
    のための制御を行っているかどうかを判別し、この燃料
    増量のための制御を行っているとき以外のときに酸素濃
    度センサの出力に基づく燃料噴射制御を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の酸素濃度センサを用いた内燃機
    関の制御方法。
  4. 【請求項4】 特定の気筒に設けた酸素濃度センサと、 負荷情報及びエンジン回転数情報、あるいは時間当たり
    の空気量情報、あるいは負荷情報及びエンジン回転数情
    報により算出される時間当たりの空気量情報、あるいは
    時間当たりの空気量情報及びエンジン回転数情報、を含
    む運転検知状態検出情報に基づいて前記気筒に対する基
    本燃料噴射量を演算する手段と、 この基本燃料噴射量に対し前記酸素濃度センサの出力に
    応じて補正係数を演算する手段と、 エンジンの失火制御中かどうかを判別する手段と、 前記補正係数に基づいて燃料噴射を制御する制御装置
    と、を具備し、 前記制御装置は、失火制御を判別する手段の判別結果に
    応じて前記補正係数を演算するか否かを判別するように
    構成したことを特徴とする酸素濃度センサを用いた内燃
    機関の制御装置。
  5. 【請求項5】 特定の気筒に設けた酸素濃度センサと、 負荷情報及びエンジン回転数情報、あるいは時間当たり
    の空気量情報、あるいは負荷情報及びエンジン回転数情
    報により算出される時間当たりの空気量情報、あるいは
    時間当たりの空気量情報及びエンジン回転数情報、を含
    む運転検知状態検出情報に基づいて前記気筒に対する基
    本燃料噴射量を演算する手段と、 この基本燃料噴射量に対し前記酸素濃度センサの出力に
    応じて補正係数を演算する手段と、 エンジンの失火制御中かどうかを判別する手段と、 前記補正係数に基づいて燃料噴射を制御する制御装置
    と、を具備した内燃機関であって、 前記制御装置は、失火制御を判別する手段の判別結果に
    応じて前記補正係数を演算するか否かを判別するように
    構成したことを特徴とする内燃機関。
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