JP3410867B2 - 内燃機関の制御方法および装置 - Google Patents

内燃機関の制御方法および装置

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JP3410867B2
JP3410867B2 JP19008095A JP19008095A JP3410867B2 JP 3410867 B2 JP3410867 B2 JP 3410867B2 JP 19008095 A JP19008095 A JP 19008095A JP 19008095 A JP19008095 A JP 19008095A JP 3410867 B2 JP3410867 B2 JP 3410867B2
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の制御方法およ
び装置に関し、特にエンジン温度センサーのフェール時
における燃料噴射と点火時期の制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子制御式内燃機関において、メインス
イッチ投入後、スタータスイッチによるクランキング運
転を行う始動時には始動モードの制御が行われ、エンジ
ン回転が所定回転数に達すると通常運転モードに移行し
て制御が行われる。また、この始動モードから通常運転
モードに移行した直後の所定時間内(始動後)は運転モ
ードの円滑な移行を図るために始動後の補正制御が行わ
れる。
【0003】このようなスタータモータの回転による起
動時およびエンジンが自力回転するようになる起動後の
暖機運転時には燃焼促進のために燃料の増量補正が行わ
れる。この増量補正制御においては、暖機状態を判断す
るためにエンジン温度を検出して、このエンジン温度デ
ータに基づいて必要な増量値が演算される。
【0004】また通常運転時において、各種運転状態に
基づいて燃料噴射や点火時期について基本制御量を演算
し、この基本制御量に対しエンジン温度等のデータに基
づいて補正演算を行って最適な燃焼制御を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内燃機関の制御方法において、エンジン温度検出系のエ
ンジン温度センサーそのもの、途中の信号線の断線、あ
るいは電子制御装置内でのエンジン温度信号のデジタル
信号化における異常等の故障すなわちフェールにより、
正常なエンジン温度データが得られなくなると、暖機状
態の把握ができなくなり、運転状態に対応した最適な制
御ができなくなる。
【0006】特にこのような内燃機関が船外機等の船舶
用エンジンとして用いられた場合、エンジン温度センサ
ーからのエンジン温度情報がフェールした時であって
も、海上等で一旦エンジン停止後再始動するときの始動
性を確実にするため、及び通常運転時においてもエンジ
ンストール等を起こさず安定した燃焼を行って、確実な
帰港を図ることが重要である。
【0007】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
であって、エンジン温度情報フェール時において実際の
運転状態に充分対応した適正な燃料噴射および/または
点火時期の制御方法および装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、エンジン温度センサーを含む各
種運転状態検出手段からの検出信号に基づいて燃料噴射
および/または点火時期を制御する内燃機関の制御方法
において、上記エンジン温度センサーによるエンジン温
度信号のフェール時にエンジン温度センサーからの実際
の検出信号に代えて予め定めた特定のデータに基づいて
上記制御を行うことを特徴とする内燃機関の制御方法を
提供する。
【0009】好ましい実施例においては、エンジン始動
後に予め定めたエンジン温度に基づく増量補正初期値を
書込んだマップを用いて燃料噴射を増量補正する燃料噴
射制御方法であって、補正増量値を上記初期値から所定
時間内にゼロまで減少させる内燃機関の始動後制御方法
において、エンジン温度信号フェール時に用いる初期値
として上記マップに書込まれた低温側の値を予め定めて
おくことを特徴としている。
【0010】さらに好ましい実施例においては、エンジ
ン始動後に燃料噴射の増量補正を行うとともに、所定時
間の間点火時期の遅角側への下限値を設定して点火時期
変化量を抑制する内燃機関の始動後制御方法において、
上記点火時期の下限値を設定する所定時間は、上記始動
後の増量補正を行う所定時間より長いことを特徴として
いる。
【0011】別の好ましい実施例においては、エンジン
温度に基づいて燃料の増量補正を行う燃料噴射制御方法
であって、エンジン温度信号フェール時に、エンジン始
動後の所定時間の間は予め定めた暖機前の低温側のエン
ジン温度を設定し、所定時間経過後は予め定めた暖機時
のエンジン温度を設定することを特徴としている。
【0012】本発明ではさらに、エンジン温度センサー
を含む各種運転状態検出手段からの検出信号に基づいて
燃料噴射および/または点火時期の制御量を演算する演
算処理プログラムを有する内燃機関の制御装置におい
て、上記演算処理プログラムは、上記エンジン温度信号
フェール時にエンジン温度センサーからの実際の検出信
号に代えて予め定めた特定のデータに基づいて上記制御
量を演算するフェール時演算ルーチンを有することを特
徴とする内燃機関の制御装置を提供する。
【0013】
【作用】エンジン温度信号がフェールしたと判定される
と、制御量演算のベースとなる実際のエンジン温度検出
データに代えて予め定めたフェール時用の温度データに
基づいて演算処理が行われる。
【0014】始動後補正噴射制御において、噴射増量値
をマップ演算する場合、マップの低温側の特定の値を信
号フェール時の初期値として予め設定し、所定時間内に
この初期増量値がゼロになるように徐々に増量値を減少
させる。
【0015】始動後期間に噴射量補正とともに点火時期
補正制御が行われる。この始動後の点火時期制御におい
て、始動時の進角補正から遅角側に点火時期がシフトさ
れる。このとき遅角側への変化量が大きくなり過ぎない
ように所定時間の間点火時期に下限値が設けられる。こ
の下限値を設けて点火時期制御を行う始動後点火時期制
御時間は、始動後の噴射量補正制御時間より長く設定す
る。これにより、回転変動に対する影響が大きい点火時
期の変化を抑制する時間を長くして回転の落込みを確実
に防止する。
【0016】また、信号フェール時において、エンジン
始動後の所定時間内は、エンジン温度を暖機前の低温値
に設定しておき、所定時間経過後に設定値を暖機前より
上昇した暖機中の温度に変更する。これにより、実際の
温度変化に近い設定値につづいて適正な補正制御演算処
理が行われる。
【0017】
【実施例】図1は本発明が適用される船舶用2機掛け船
外機の外観図である。図に示すように、船体405の船
尾に2機のエンジンを包含する船外機406−1、40
6−2が装着される。これは、海上等において充分な推
進力を得るとともに、どちらか一方の船外機が故障した
場合であっても航行を可能として帰港の確保を図るため
の構成である。
【0018】このような船外機の2機掛け航行時、エン
ジンは2機駆け状態で運転される。この2機駆けエンジ
ンの駆動制御を行う場合、各エンジンはそれぞれ独自に
運転可能とする必要があるため、各エンジンごとに駆動
制御装置を有している。各制御装置は、エンジン回転速
度、スロットル開度、アクセル位置、吸気管負圧等のい
わゆる負荷、吸気温度、排気ガス酸素濃度、シフト位置
等の各種運転状態を検出し、この検出情報に基づいて、
予め定めた制御プログラムに従って、そのときの最適空
燃比や燃料噴射量、噴射タイミング、点火タイミング等
を演算し、この演算値を基にエンジンを駆動制御してい
る。この場合、上記制御プログラムは、検出情報の読み
込みルーチンと、読み込んだ検出情報に基づいて各制御
量を演算する複数の演算ルーチンを予め定めたシーケン
スに従って配置したメインルーチンを有し、このメイン
ルーチンに従って演算処理が行われる。
【0019】図2は、上記2機掛けの内一方の船外機の
スロットル及びギヤシフトの駆動操作系統の構成図であ
る。船外機本体38は、ブラケット37aおよびクラン
プブラケット37bを介して船体36に対しチルト軸3
05廻りにトリム角θを変更可能に取付けられる。30
6はトリム角可変アクチュエータ、39はトリム角セン
サーを表している。トリム角θとはプロペラ10の中心
軸の方向が船底からどれだけ傾いたかを示すものであ
る。トリム角が0°すなわちプロペラ10中心軸が船底
と平行の時、一般的に船外機本体38の前縁が鉛直線に
一致するように船外機は形成されるので、船外機の鉛直
線に対する相対角度θをトリム角と言っても良い。
【0020】カム51を端部に有するシフトレバー50
は、カウリング内でピボット片52を介してリンクバー
53に連結される。このカム51は、エンジンとプロペ
ラ軸とを連結するクラッチをシフトさせるためのもので
ある。リンクバー53の端部にはピン55が突出して設
けられる。このピン55は、カウリング内に固定した長
孔ガイド54内で矢印Aのようにスライド可能に装着さ
れる。
【0021】一方、船内にはギヤシフトおよびスロット
ル操作用のリモコンボックス56が各船外機406−
1,406−2用に2個設けられる。このリモコンボッ
クス56は、船外機本体38に対しシフトケーブル5
7、スロットルケーブル58および電気信号ケーブル5
9の3本のケーブルを介して連結さていれる。シフトケ
ーブル57はカウリング内で前述のリンクバー53のピ
ン55に結合されている。リモコンボックス56には操
作レバー60が設けられ、これを中立位置(N)から前
進または後進側に駆動操作してシフトケーブル57を介
してピン55を長孔リング54内でスライドさせる。こ
れにより、リンクバー53が平行移動するとともに、そ
の根元部のピボット片52を矢印Bのように回転させ
る。これにより、シフトレバー50がその軸廻りに回転
し、カム51が回転して、ドッグクラッチを介してクラ
ンク軸と前進用ギヤまたは後進用ギヤとを連結する。操
作レバー60を前進または後進のシフト操作完了位置即
ちスロットル弁全閉位置からさらにF方向(前進時)ま
たはR方向(後進時)に移動させることにより、スロッ
トルケーブル58を介して船外機38内のエンジンのス
ロットル弁が全開方向に動作する。このシフトケーブル
57には、シフトカットスイッチ(図示しない)が設け
られている。これは、高負荷運転時にドッグクラッチを
ギヤから切り離そうとする際、クラッチとギヤ間の噛み
合い面圧が非常に大きくなるため、ケーブルに大きな負
荷がかかる。シフトカットスイッチは、この負荷による
ケーブルの弾性変形量を検出することにより過大なクラ
ッチ噛み合い圧力を検知し、エンジン回転を下げてクラ
ッチの切り替えを楽に行うようにするためのものであ
る。このようなシフトカットスイッチはカウリング内に
設けてもよいし、あるいはリモコンボックス内に設けて
もよい。
【0022】リモコンボックス56にはさらに落水検知
スイッチ(図示しない)が設けられている。この落水検
知スイッチは、例えば乗員の身体に結び付けたワイヤに
スイッチを連結し、乗員が落水した時にはスイッチを動
作させてエンジンを停止させ直ちに船を停止させるため
のものである。また、リモコンボックス56には独立の
エンジン停止操作スイッチ(図示しない)も設けられて
いる。
【0023】図3は、前述の2機掛け船外機にそれぞれ
搭載されるV型6気筒エンジンの内、一つの気筒まわり
のエンジン詳細図である。
【0024】図3に示すように、クランク室22には、
吸気マニホルド24に連通する吸気ポート80が開口す
る。吸気ポート80にはリード弁23が設けられる。吸
気マニホルド24にはインジェクター26が設けられる
とともにスロットル弁25が備る。吸気マニホルド24
には吸気温度センサー32が設けられる。また、吸気マ
ニホルド24の外側において、スロットル弁25にはス
ロットル開度センサー15(図4参照)が設けられる。
【0025】インジェクター26に供給される燃料は燃
料タンク63内に溜められている。この燃料タンク63
内の燃料は底圧燃料ポンプ64により水分離およびゴミ
除去用フィルター66を介してサブタンク67に送られ
る。サブタンク67内の燃料は、高圧燃料ポンプ65に
より分配管を経て各気筒のインジェクター26に送ら
れ、後述のように制御された噴射量および噴射タイミン
グで燃料が吸気マニホルド24内に噴射され所定空燃比
の混合気を形成する。インジェクター26で噴射されな
かった高圧燃料は、戻り配管70を通してサブタンク6
7に回収される。戻り配管70上には圧力レギュレータ
69が設けられ、インジェクター26の噴射圧力を一定
に保つ。これにより、インジェクター26の開弁による
噴射時間を制御することにより燃料噴射量が制御でき
る。
【0026】図4は、前述のエンジンを含む船外機の各
種運転状態を検出するための検出手段および燃料噴射や
点火を駆動する手段を含む駆動制御システムの詳細を示
す。この例は2機掛けされる船舶用6気筒エンジンを搭
載した船外機の一方の制御システムを代表して示す。
【0027】気筒検出手段#1〜#6は、クランク軸廻
りに6個配置され、メインルーチンで実施される各気筒
についてイベント割込み(TDC割込み)を実行するた
めのトリガ信号を発生する。これは、例えば各気筒のピ
ストンが上死点またはそれより所定角度(クランク角
度)手前に位置する瞬間に信号を発するように構成す
る。従って、本実施例ではクランク軸の1回転中に60
度ごとに1つの気筒検出信号(TDC信号)が各気筒#
1〜#6から順番に演算処理装置に送られる。このイベ
ント割込みフローの中で、メインルーチン中に求められ
た各気筒についての制御演算結果に基づいて点火及び燃
料噴射が実施される。
【0028】クランク角検出手段は、点火時期制御のベ
ースとなる角度パルスを発するものであり、クランク軸
に係合するリングギヤの歯数に対応してパルス信号を発
する。例えばギヤ歯数112歯に対応して1回転中に4
48パルスを発するように構成すれば、1パルスごとに
クランク軸が0.8度回転することになる。
【0029】スロットル開度検出手段15は、吸気マニ
ホルド24に設けたスロットル弁25の開度に応じてア
ナログ電圧信号を発する。演算処理装置はこのアナログ
信号をA/D変換してマップ読取り等の演算処理を行
う。
【0030】さらに詳しくいうと、前述のスロットルレ
バー60(図2)に連結されたスロットルワイヤのリン
クがスロットル弁25の弁軸の一端に接続されている。
この弁軸の反対側の端部に抵抗摺動式のセンサーが取り
つけられる。スロットル弁の開度に応じて弁軸が回転し
センサーの抵抗値が変わる。この抵抗値変化を電圧変化
としてとり出しスロットル開度の検出信号とする。
【0031】次のトリム角度検出手段から吸気温度検出
手段までは、エンジンの運転条件に対する環境変化があ
った場合にこの変化に応じて制御量を補正するためのも
のである。トリム角度検出手段は、船外機の取付け角度
を検出するものである。E/G温度検出手段は、各気筒
(または特定の基準気筒)のシリンダブロックに温度セ
ンサーを取付けその気筒の温度を検出するものである。
大気圧検出手段は、カウリング内の適当な位置に設けら
れる。吸気温度検出手段32は吸気通路上の適当な位置
に設けられる。大気圧および吸気温度は空気の体積に直
接影響するものであり、演算処理装置は、これらの大気
圧および吸気温度の検出値に応じて空燃比等の制御量に
対する補正演算を行う。
【0032】既燃ガス検出手段は、所定の気筒例えば#
1気筒に設けられる酸素濃度センサー(O2センサ)の
ことである。検出した酸素濃度に応じて燃料噴射量等の
フィードバック制御を行う。
【0033】ノック検出手段34は、各気筒の異常燃焼
を検出するものであり、ノッキングがおきた場合に点火
を遅角側にシフトさせたりまたは燃料をリッチ側に設定
してノッキングを解消し、エンジンの損傷発生を防止す
る。
【0034】オイルレベル検出手段は、カウリング内の
サブタンク67および船内のメインタンク63の両方に
レベルセンサーを設けたものである。
【0035】V型バンクの左右各バンクに1個づつ設け
られたサーモスイッチは、バイメタル式温度センサー等
の応答性の速いセンサーからなり、冷却系異常等による
エンジンの温度上昇等を検出し焼き付きを防止するため
の失火制御を行う。なお、前述のエンジン温度検出手段
はシリンダブロックに設けられ燃料噴射の制御量補正の
ために使用されるが、このサーモスイッチはエンジンの
温度上昇に直ちに対処するため応答性が速いことが要求
される。
【0036】シフトカットスイッチは、クラッチを切り
替えるためのシフトケーブルのテンションを検出してプ
ロペラに直結するドッグクラッチの切り替えを容易にす
るためのものである。
【0037】運転状態検出手段とは、他方の船外機の運
転状態を検出するためのものである。該手段にはDES
検出手段が含まれる。DES検出手段は、2機掛け運転
の場合他のエンジンが異常により失火運転状態にある時
これを知らせるための信号であるDESを検知するもの
である。すなわち、該手段は船尾に船外機を2台並列し
て備えた型式の船舶において、一方の船外機のエンジン
がオイル不足、温度上昇等により失火制御を行っている
場合には、そのエンジンのDES出力手段からDESが
出力されており、このDESを検出しこの失火運転状態
を検知するためのものである。このDESの検出によ
り、他方のエンジンも同様に失火制御を行って、両方の
エンジンの運転状態を同じにして走行のバランスを保
つ。
【0038】バッテリ電圧検出手段は、インジェクタの
駆動電源電圧の変化によりバルブの開閉動作の速さが変
り吐出量が変化するため、バッテリ電圧を検出してこの
電圧に基づいて噴射量を補正制御するために用いる。
【0039】スタータスイッチ検出手段は、エンジンが
始動運転中かどうかを検出するためのものである。始動
状態であれば、燃料のリッチ化等を行い始動運転用の制
御を行う。
【0040】2種類あるE/Gストップスイッチ検出手
段は、エンジン停止操作スイッチや落水検知スイッチの
ことであり、このうち落水検知スイッチは乗員が落水し
た場合これを検出するものであり、エンジンを直ちに停
止するように制御する。この2種のE/Gストップスイ
ッチ検出手段を図中便宜上一つのE/Gストップスイッ
チ検出手段として表示する。
【0041】以上のような各検出手段からの入力信号に
基づいて、演算処理装置内で各制御量の演算を行い、演
算結果に基づいて出力側(図4の右側)の燃料噴射手段
#1〜#6、点火手段#1〜#6、燃料ポンプおよびオ
イルポンプを駆動制御する。なお、燃料噴射手段および
点火手段はそれぞれ、インジェクタおよび点火プラグで
あり、各気筒ごとに独立して順番に制御される。
【0042】このような演算処理装置での演算を実行す
るために、図示したように、演算処理装置には、制御プ
ログラムやマップ等を格納したROM等からなる不揮発
性メモリおよび各検出信号やこれに基づく演算のための
一時的なデータを記憶するためのRAM等からなる揮発
性メモリが備る。
【0043】次に、図5を参照して、本発明が適用され
る船外機エンジンの点火時期制御および燃料噴射制御に
ついて説明する。図5はこのような制御フローを実行す
るための構成を示すブロック図である。各ブロックは、
前述の図4の演算処理装置内に演算処理回路として組込
まれている。
【0044】気筒判別手段201は、気筒検出手段#1
〜#6(図4)に対応するものであり、各気筒からの入
力信号に基づいてその気筒番号を判別する。周期計測手
段1000は、この気筒検出手段からの検出信号に基づ
いて、各気筒からの入力信号の時間間隔を計測し、これ
を6倍することにより1回転の時間(周期)を算出す
る。エンジン回転数算出手段203は、この周期の逆数
を演算して回転数を求める。スロットル開度読み込み手
段204は、スロットル開度に対応したアナログ電圧信
号により開度を読み込む。
【0045】スロットル開度読み込み手段204からの
スロットル開度信号はA/D変換され、E/G回転数算
出手段203からの回転数信号さらにスタータスイッチ
からの起動情報が、基本点火時期算出手段210および
基本燃料噴射算出手段211に送られ、基準気筒である
#1の気筒の点火時期および燃料噴射量が通常運転モー
ドあるいは始動モードのそれぞれにおいてそれぞれ3次
元マップを用いて算出される。このエンジン回転数信号
およびスロットル開度信号は、さらに気筒別点火時期補
正値演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算
手段209に送られ、残りの気筒#2〜#6についての
基本点火時期および基本噴射量に対する補正値を各気筒
ごとにマップ演算して求める。
【0046】一方、トリム角度読み込み手段205、機
関温度読み込み手段206および大気圧読み込み手段2
07は、それぞれの検出手段(図4)からの検出信号を
読取り、これを点火時期補正値算出手段212および燃
料噴射量補正値・補正係数算出手段213に送り、各運
転状態に応じた補正値及び補正係数を算出する。この場
合、点火時期補正値については、基本点火進角の値に対
して加算する補正進角(あるいは遅角)の角度数を、各
読み込みデータの種類ごとに予め記憶させたマップによ
り求める。また、燃料噴射量の補正係数については、予
め記憶されたマップデータにより運転状態に応じた値を
求める。
【0047】なお、点火時期補正および燃料噴射量補正
について、図示していないが、さらに吸気温度の検出デ
ータを各算出手段212、213に入力して吸気温度に
基づく補正を行ってもよい。燃料の噴射量補正値・補正
係数算出手段213にはスタータSWからの始動開始情
報、及びエンジン回転数情報あるいはさらにE/G(エ
ンジン)温度検出手段からの温度情報に基づき、始動運
転モードから通常運転モードへの移行時点からスタート
するタイマーの経過時間情報も入力される。燃料噴射量
補正値・補正係数算出手段213においては基本噴射量
に乗算される補正係数と、気筒別補正値以外の補正値、
即ち始動後補正値及び始動運転モードから通常運転モー
ドへの移行時点からの時間経過に対応した過渡期補正値
が算出される。
【0048】点火時期補正値算出手段212および燃料
噴射量補正値・補正係数算出手段213の算出出力は、
それぞれ点火時期補正手段214および燃料噴射量補正
手段215に入力され、ここで基本点火時期に補正値が
加算されるとともに基本燃料噴射の算出値に補正係数が
乗算され、且つ始動後補正値と過渡時補正値が加算され
て#1気筒の点火時期および燃料噴射の制御量が算出さ
れる。
【0049】この基準気筒#1の点火時期および燃料噴
射の制御量は気筒別点火時期補正手段216および気筒
別燃料噴射量補正手段217に入力され、ここで#1気
筒についての補正された点火時期および燃料噴射量に対
し、#2〜#6の気筒についての気筒別点火時期補正量
演算手段208および気筒別燃料噴射量補正値演算手段
209による制御補正量を加えることにより、#2〜#
6までの気筒の点火時期および燃料噴射量の制御量が算
出される。
【0050】このようにして算出された#1から#6ま
での各気筒に対する点火時期および燃料噴射の制御量に
基づいて、点火出力手段218は、各気筒ごとの点火進
角の角度の値で算出された制御量をタイマーセットし、
燃料出力手段219は開弁時間に相当するクランク角を
タイマーセットする。
【0051】図6および図7は、本発明の実施例に係る
2機掛け船外機のそれぞれのエンジンについての制御全
体のフローチャートである。このフローチャートは、各
エンジンの制御装置(演算処理装置)のCPUに組込ま
れた制御プロセス全体のシーケンスプログラムを示すメ
インルーチンのフローである。
【0052】メインスイッチが投入され電源が立上がっ
てエンジン操作が開始されると、所定のリセット時間後
まず制御処理装置内の各処理回路が初期化される(ステ
ップS11)。
【0053】次にステップS12において、運転状態が
判断され結果がメモリに保持される。ここでは、メイン
スイッチのON,0FF情報、図4のスタータSW検出
手段を使って読み込まれたスタータSWのON,OFF
情報、及びクランク角検出手段から読み取られるクラン
ク角パルス列から算出されるエンジン回転数情報により
始動状態か否か判断する始動判断、スロットル開度検出
手段から読み取られるスロットル開度情報、エンジン回
転数情報、運転状態検出手段により読み取られる他方の
船外機の運転状態情報である運転状態情報、あるいは下
記するオーバーヒート、オイル不足等の異常状態情報、
あるいはスロットル開度情報の時間変化から算出される
急加減速情報等に基づき特定気筒を休止すべきかどうか
の気筒休止判断、主にスロットル開度情報、エンジン回
転数情報に基づき酸素濃度のフィードバック制御を行う
かどうかの判断、及び主に同2つの情報に基づき特定の
制御条件の場合に制御データを学習記憶させるかどうか
の判断、エンジン回転数情報に基づき過剰回転にあるか
どうかのオーバーレボ判断、スロットル開度情報、エン
ジン回転数情報及びエンジン(E/G)温度検出手段あ
るいはそのより具体的手段であるサーモSWによる温度
情報に基づきオーバーヒート状態であるかどうかのオー
バーヒート判断、スロットル開度情報、エンジン回転数
情報及びオイルレベル検出手段による残存オイル量情報
に基づき残存オイル量が少ないかどうかのオイルエンプ
ティ判断を行う。過剰回転状態、オーバーヒート状態及
び残存オイル量少状態の場合は下記するように失火制御
を行う。ステップS12においてはさらに、スロットル
情報、クランク角情報、O2センサ情報あるいはクラン
ク角検出手段の一種であるパルサーコイルからのパルサ
ー情報に基づき、これらの情報が欠落あるいは異常であ
るフェール状態であるか否かのフェール判断、運転状態
情報により他の船外機も運転されている2機掛け運転状
態にあるかどうかの判断、気筒休止状態信号により他方
の船外機が気筒休止運転状態にあるかの判断、及びDE
S(異常対応の失火制御状態を報知する信号)により他
方の船外機が異常対応の失火制御状態にあるかの判断の
3つの判断からなる2機掛け運転状態判断、前記したス
ロットル開度情報の時間変化から急加減速状態にあるか
どうかの急加減速判断、高速回転状態からのシフト操作
時作動するシフトカットSWのON,OFF情報に基づ
くシフトカット状態にあるかどうかのシフトカット判断
がなされる。
【0054】このような判断は、前のルーチンにおいて
読取ったセンサーからの検出情報や演算結果等の各種情
報に基づいて行われる。
【0055】次にステップS13において、ループ1の
ルーチンワークを行うかどうかの判別が行われる。YE
Sであれば、ステップS14に進みスイッチ情報の読み
込みが行われる。ここではE/Gストップスイッチ検出
手段、メインスイッチ、スタータスイッチ検出手段およ
びサーモSWからの情報が読取られる。続いてステップ
S15において、ノックセンサー(ノック検出手段)お
よびスロットルセンサー(スロットル開度検出手段)か
らの情報が読取られる。このループ1による情報読み込
みの終了後ステップS16に進み、ループ2のルーチン
ワークを行うかどうかが判別される。
【0056】演算処理装置はハード的あるいはソフト的
に4ms間隔でループ1の処理用フラグ1を1にセット
し、8ms間隔でループ2の処理用フラグ2を1にセッ
トする。
【0057】図8はこのようなループ1およびループ2
を実行するためのタイマー割込みのフローチャートであ
る。このようなタイマーのセットはイニシャライズステ
ップS11において行われ、各ループ1、2のルーチン
を実行中にはそのフラグがセットされるとともに次回の
そのルーチンのためのタイマーがセットされる。
【0058】図6に戻り、ステップS13において、フ
ラグ1をチェックし1であればステップS14、ステッ
プS15を実施する。なお、ステップS14に進むと同
時にフラグ1はクリアされ0となる。ステップS13に
おいて、フラグ1が0であることが確認されると、ステ
ップS16に進み、フラグ2が1であるかをチェックす
る。フラグ2が1であればステップS17に進むと同時
にフラグ2はクリアされ0となる。ステップS16でフ
ラグ2が0である場合はステップS12に戻る。
【0059】ステップS17においては、オイルレベル
の検出、高回転状態からのシフト操作時大となるシフト
ケーブルのテンションに応じて作動し、テンションが大
なる時ONとなるシフトカットスイッチのON,OFF
状態の検知、およびエンジン2機掛け運転信号、気筒休
止状態信号及びDES信号の検出が行われる。さらにス
テップS18において、大気圧情報、吸気温度情報、ト
リム角情報、エンジン温度情報、バッテリ電圧情報、お
よび排気ガス中の酸素濃度情報が大気圧検出手段、吸気
温度検出手段、トリム角度検出手段、E/G(エンジ
ン)温度検出手段、バッテリ電圧検出手段、及びO2
ンサーによりそれぞれ読取られる。なお、酸素濃度情報
に基づき燃焼前のA/F情報が算出される。
【0060】次に、ステップS19において、失火制御
が行われる。これは、読み込んだ情報から、前記ステッ
プS12の運転状態判断において、過回転、所定以上の
スロットル開度及びエンジン回転数におけるオーバーヒ
ート、オイルエンプティ等の異常状態にある、あるいは
他のエンジンが異常状態にあるとの判断結果が検出され
たときに、特定気筒の失火を行うように燃料制御するも
のである。さらに、下記するステップS24の気筒別補
正において、失火させる気筒の燃料噴射量を他の気筒よ
り半減させるべく、失火制御状態にあることをメモリに
出力する失火時燃料制御が実施される。次に、エンジン
が回転しているかどうかの判断およびオイルタンクのレ
ベルセンサーからの情報に基づいて、燃料ポンプおよび
オイルポンプが駆動制御される(ステップS20)。こ
れは、燃料については、エンジンが回転中ならば燃料ポ
ンプを駆動し、エンジン停止中ならば燃料ポンプを停止
し、オイルについては、オイルタンク内の量が少ないと
きにポンプを駆動して船体内のオイルタンクからオイル
を補給するかエンジン回転数を低下させオイル消費量を
低下させるものである。
【0061】次に、ステップS21において、気筒休止
判断結果の判別を行う。これは、前述の運転状態判断ス
テップS12において、所定の低負荷低回転状態のとき
に休筒運転を行う判断をした場合に、演算処理のマップ
を選択するための判別ステップである。休筒運転でなけ
れば通常の全気筒運転による通常運転マップを用いて点
火時期および噴射時間の基本演算およびこれに対する気
筒別の補正演算を行う(ステップS22)。なお、失火
制御状態にあるかどうかの判断もなされ、失火制御状態
にある場合は失火気筒にも、他の点火気筒への燃料噴射
量と同じか所定割合を減じた燃料を供給すべく噴射時間
の設定がなされる。これにより所定以上のスロットル開
度及びエンジン回転数の時からの失火制御においても燃
料を供給するので、気化熱によりピストン等を冷却でき
損傷を防止できる。休筒運転状態であれば、特定の気筒
を休止した休筒運転用の気筒休止マップを用いて点火時
期および噴射時間の演算および気筒別の補正演算を行う
(ステップS24)。
【0062】次に、図7のステップS23において、大
気圧やトリム角等の運転状態に応じて、基本の点火時期
や燃料噴射に対する補正値が演算される。続いて、ステ
ップS25において、酸素濃度のフィードバック制御に
伴う補正値が演算される。このとき、演算情報の学習判
定とO2センサーの活性化の判定が行われる。さらに、
ステ ップS26において、ノックセンサーからの検出
信号に基づいて、エンジンの焼き付き防止等のために制
御量の補正値が演算される。
【0063】次にステップS27において、基本の点火
時期および燃料噴射の制御量に対し補正係数を乗算しさ
らに補正値を加えてあるいは補正係数を乗算して最適な
点火時期、噴射時間および噴射時期を演算する。この
後、ステップS290において、エンジン停止前制御の
演算が行われる。これは、ステップS12で、メインス
イッチあるいはエンジンストップスイッチ等が切られ
て、エンジン停止状態と判断された場合に、再始動を考
慮して点火のみを止めて燃料噴射は所定時間継続するた
めの制御ルーチンである。以上によりループ2のルーチ
ンを終了し、元の運転状態判断ステップS12に戻る。
【0064】図9はTDC割込みルーチンのフローを示
す。クランク軸には各気筒検出手段近傍を順次通過する
時各気筒においてピストンが上死点にあることを知らせ
る信号を各気筒検出手段から出力させるマーカが固着さ
れている。TDC割込みとは、#1から#6までの気筒
検出手段による各気筒からのTDC信号の入力に基づ
き、随時メインルーチンに割込まれるルーチンである。
【0065】まず、信号が入力された気筒の番号を判定
する(ステップS28)。次にその気筒番号を前回の入
力信号の気筒番号と比較することにより、運転すべき回
転方向に対するエンジンの正逆回転を判定する(ステッ
プS29)。逆転していればエンジンを直ちに停止する
(ステップS33)。エンジンが正転していれば、例え
ば#1と#2の気筒間の時間間隔をカウントしてこれを
6倍することによりエンジン回転の周期を算出する(ス
テップS30)。続いてこの周期の逆数を演算すること
により、回転数を算出する(ステップS31)。この回
転数が予め定めた所定の回転数よりも小さいときには、
エンジンを停止する(ステップS32、33)。
【0066】次に、ステップS34において、入力され
たTDC割込み信号が特定の基準気筒#1からのものか
どうかが判別される。基準気筒#1からの信号であれ
ば、休筒運転状態かどうかが判別され(ステップS3
5)、休筒運転中であれば、休止すべき気筒のパターン
を変更すべきかどうかが判別され(ステップS37)、
パターンを切り替え(ステップS38)または切り替え
ずにそのままステップS39に進み、点火制御による休
筒運転情報をセットする。割込み信号が#1からでない
場合(ステップS34)あるいは休筒運転中でない場合
(ステップS35)には、そのまま、あるいは休筒情報
をクリアして(ステップS36)ステップS39に進
み、点火制御による休筒運転情報をセットする。この点
火休筒情報に基づき点火すべき気筒の点火パルスをセッ
トする(ステップS40)。
【0067】この点火パルスセットの詳細を図9に示
す。演算により求められる点火時期は、V型6気筒エン
ジンにおいて、TDCより60度前のクランク角すなわ
ち基準に何度になるかに換算され、0.8で割ってパル
ス数にまるめられる。60度前にTDCとなる気筒のT
DC信号が入力されると、点火出力手段218を構成す
るタイマーにまるめられたパルス数のデータが保持され
ると同時に、以降クランク角検出手段からのパルスがタ
イマーに届くごとに、保持するパルス数を1づつ減じて
いき、保持パルス数が0となると、点火出力手段218
が点火プラグ19をスパークさせる。
【0068】本実施例は、例えば6気筒のV型2バンク
型式のエンジンを対象とし、奇数番号の気筒(#1、
3、5)を左バンクに配設し、偶数番号の気筒(#2、
4、6)を右バンクに配設している。これらの気筒をバ
ンクごとに制御するために、バンクごとに別のタイマー
を有している。これらのタイマーに点火時期に対応する
クランク角パルス数をセットする場合、図示したよう
に、まず気筒番号が偶数か奇数かを判別し、偶数か奇数
かに応じてそれぞれ点火時期データを対応するバンクの
タイマー(図では奇数バンクをタイマ3、偶数バンクを
タイマ4としている)にセットし、点火気筒番号をセッ
トする。
【0069】その後、点火制御において失火させる休止
気筒について燃料噴射制御における燃料噴射量を減少さ
せる気筒を燃料噴射制御による休筒情報としてセットし
(図9のステップS41)、該点火制御において失火さ
せる休止気筒について算出される燃料噴射の制御量より
減少させた燃料噴射量に対応する噴射時間と、その他の
気筒について算出される燃料噴射の制御量に対応した噴
射時間に、それぞれ気筒ごとに対応した噴射パルスをセ
ットする(ステップS42)。
【0070】前述のエンジン周期を計測する場合、1つ
の気筒からの入力信号(TDC信号)があると、これに
応じて図9のTDC割込みが行われるとともに、TDC
周期計測タイマーがTDC信号の入力時点で一定周波数
パルスのパルス数のカウントを開始し、次の気筒のTD
C信号が入力した時点でリセットされ次の気筒のカウン
トを開始する。この場合、カウント値が所定値以上にな
ると、オーバーフローとなりカウントがリセットされ
る。このオーバーフローが起きた時点、即ち、クランク
角60度の周期が所定以上の時間である低速回転である
ことが検知された時点でタイマーオーバーフロー割込み
が実行される。
【0071】図11は、このオーバーフロー割込みを示
す。オーバーフローが起きるとまずその回数を記憶する
とともに、エンジンの始動運転状態かどうかが判別され
る。始動状態の運転モードであればオーバーフローはエ
ンジン回転が低いためであり、そのまま運転を続ける。
始動モードでない場合には、TDC信号のパルスが抜け
た、即ち何等かのトラブルによりTDC信号パルスが伝
えられなかったためのオーバーフローかどうかが判別さ
れ、パルス抜けのない正常な信号伝達によるオーバーフ
ロー検出であればエンジンが低回転であるためエンジン
を停止する。パルス抜けがあった場合には、オーバーフ
ロー検出が2回目かどうかが判別され、2回目となった
場合も回転が低すぎるとしてエンジンを停止する。これ
により、低回転において信号発信系統に異常があるとき
には必ずエンジン停止することとなる。
【0072】図12は、各気筒の点火タイミングを設定
するための前述の各バンクに対応したタイマー3、4の
割込みルーチンを示す。エンジン回転信号(TDC信
号)が各気筒から入力されるとこのタイマー3、4の割
込みが行われる。まず、エンジンが所定の低回転以下の
状態のために点火休筒運転を行うかどうかの休筒情報お
よびオーバーヒートあるいはオーバーレボ(過回転)検
出により点火を失火させるかどうかの失火情報を読み込
む。この後気筒番号に応じたタイマー3あるいは4に点
火タイミングに応じたタイマー値をセットする。その
後、休筒情報あるいは失火情報により失火させる場合に
は、点火処理のルーチンは行わないためタイマーで設定
されたタイミングになっても点火プラグへの放電はさせ
ないようにして、120°位相が遅れた気筒の点火タイ
ミングをメモリより読み込み、該タイマにタイミングを
セットし、そのままメインフローに戻る。失火させない
場合には、点火すべき気筒の番号を読み込み、タイマー
で設定されたタイミングでその気筒の点火駆動回路の点
火出力ポートからパルス(HI)を出力して点火プラグ
を放電させる。点火時間はパルス幅に対応しタイマによ
り設定される、又は、所定回数、実行に所定時間必要と
なるループを実行し、必要なパルス幅を得る。この所定
の点火時間が経過後、点火出力ポートからの信号をLO
Wとし点火プラグの放電が終了する。また、点火駆動回
路がLOWアクティブであれば論理は上記と逆となる。
【0073】以上が本発明が適用される船外機エンジン
の機構上の構成および制御系全体のシステム構成および
その作用のフローである。
【0074】図13は本発明に係る船舶用内燃機関の運
転モード状態遷移図である。メインスイッチが投入され
ると所定のリセット時間後に各演算部が初期化されスタ
ンバイ状態の停止モードとなる。さらにスタータスイッ
チがONになると始動モードになる。この始動モードで
のクランキングにより所定回転数(N1)に達しない場
合または一旦所定回転数に達した後再び所定回転数以下
に低下した場合には停止モードに戻る。停止モードに戻
った後再びスタータスイッチがONになれば再度始動モ
ードに移行する。
【0075】始動モードにおいて後述のように運転状態
に応じた燃料噴射制御が行われ、エンジン回転数が所定
値(N2)以上に上がると通常の運転モードに移行す
る。
【0076】通常の運転モードにおいて、エンジン回転
数が低下してN1以下に低下した場合、ストップスイッ
チがONになった場合、あるいはメインスイッチが切ら
れた場合には、停止モードに戻る。ストップスイッチが
ONになるとは、エンジン停止用スイッチがONにされ
場合、あるいは落水スイッチがONになった場合であ
る。
【0077】図14は、始動時の演算処理のフローチャ
ートである。このフローは、図5のメインルーチンにお
けるステップS27、即ち点火時期、噴射時間、噴射時
期演算処理のためのステップにおいて行われる。まず始
動モードかどうかが判別される(ステップS110
0)。ここで始動モードのスイッチ情報の条件は、メイ
ンスイッチがONであること、ストップスイッチがOF
Fであること、およびスタータスイッチがONであるこ
とである。制御装置のCPU(図3の演算処理装置)は
RAMに記録されたスイッチ情報を読み込み(図5ステ
ップS14)、始動時かどうかを判別する。この場合ス
イッチ情報により予めフラグをセットし、このフラグに
より始動時かどうかを判別してもよい。
【0078】始動時であれば、ステップS1101に進
み、基本点火時期、基本噴射時間、および基本噴射時期
をROMから読み出す。これらの基本制御量のデータは
始動時の固定制御量として予め設定し記憶させておく。
次にステップS1102において、後述のように運転状
態に応じた補正や非同期噴射等を含めた始動時の制御量
を演算し、インジェクターや点火プラグの駆動系をセッ
トする。
【0079】上記始動モードの演算処理において、燃料
噴射時間Q0は、 Q0=Q1×C0+Q2 で計算する。ここでQ1は始動時の基本噴射時間、C0は
運転状態に応じた補正係数、Q2は無効噴射時間であ
る。なお、無効噴射時間とは、バッテリ電圧によりイン
ジェクターの弁の開閉時間が異なるため、バッテリ電圧
に応じてこれを補正するためのものである。
【0080】補正係数C0は、 C0=C1×C2×C3×C4 で計算する。ここでC1は、エンジン温度による補正係
数、C2は大気圧による補正係数、C3は吸気温度による
補正係数、C4はトリム角による補正係数である。この
ような演算処理は各気筒の検出信号であるTDC信号に
応じて各気筒ごとに行われる。演算結果に応じてTDC
信号に同期して点火プラグおよびインジェクターが駆動
される。
【0081】本発明においては、このようなTDC信号
との同期噴射に加えさらにTDC信号とは無関係に始動
時の非同期噴射を行う。
【0082】図15は始動時の非同期噴射演算処理のフ
ローチャートである。まずステップS1103でストッ
プスイッチがONかどうかが判別され、ONであればエ
ンジン停止や緊急時表示等の処理が行われる(ステップ
S1104)。ストップスイッチがOFFであればスタ
ータスイッチがONかどうかが判別される(ステップS
1105)。スタータスイッチがON状態であれば始動
モードのフラグをセットする(ステップS1106)。
前述の図13のステップS1100における始動モード
判別はこのフラグの状態に基づいて行うことができる。
続いて、ステップS1107において、非同期噴射の制
御量を演算しインジェクターを駆動するためのタイマー
をセットする。この場合、非同期噴射の噴射時間(噴射
量に対応)は予め作成したエンジン温度に基づく2次元
マップテーブルを読んで演算する。さらに噴射回数およ
び噴射周期を予め定めておいた所定の値とする。この場
合エンジン温度に基づいて噴射回数や周期を変えてもよ
い。また、トリム角等の他の運転状態データに基づいて
非同期噴射量を補正してもよい。このような非同期噴射
の制御量の演算は新たな専用のCPUを用いることなく
同期噴射の演算処理と同じCPUのプログラムを用いて
行うことができる。また、非同期噴射のインジェクター
についても同期噴射のインジェクターを用いて時間をず
らせて非同期燃料噴射を行うことができる。
【0083】このような始動時の非同期噴射は、始動時
を検知したら直ちにTDC信号の割込み前に行う。この
ように、始動時に同期噴射とともに非同期噴射を行うこ
とにより、運転状態や吸気マニホルド24の噴射部から
燃焼室への到達時間遅れ等にかかわらず充分な燃料が供
給され確実な始動運転が達成される。この後、エンジン
回転数が所定の値(N2)以上になったら始動モードを
解除し(フラグを降ろす)、通常の運転モード(例えば
暖機モード)に移行する。
【0084】図16は、本発明の実施例に係る始動後の
燃料噴射制御の補正噴射時間のグラフである。図示した
ように、補正噴射時間は、始動後の制御に切り換わった
時点(通常運転モードに移行した時点)での初期値QS
として時間経過とともに徐々に減少し時間t1が経過す
るとゼロになる。この初期値QSは、図示したエンジン
温度をパラメータとする2次元マップから補間演算によ
り求められる。この補正噴射時間をQ4、移行後の経過
時間をtとすれば、 Q4=QS−QS×t/t1 (Q4≧0、t≦t
1) で表わされる。なお、この式は図示した直線のグラフを
表わす式である。
【0085】このような補正噴射時間Q4を用いた最終
的な燃料噴射時間Q0は以下の計算式から求められる。
【0086】Q0=Q1×C0+Q2+Q3 ここで Q3=Q4+Q5+Q6 C0=C1×C2×C3×C4 であり、Q0〜Q6はmsec,C0は%で表わされ
る。また、Q1:基本噴射時間、Q2:無効噴射時間、
Q3:補正噴射時間、Q4:始動後補正噴射時間、Q
5:気筒別補正噴射時間、Q6:過渡時補正噴射時間、
C0:噴射時間補正係数、C1:エンジン温度による補
正係数、C2:大気圧による補正係数、C3:吸気温度
による補正係数、C4:トリム角による補正係数であ
る。
【0087】このように通常運転モードに移行した始動
後の所定期間に燃料を増量補正し、この補正量を徐々に
減少させることにより、始動時の増量運転から通常運転
に移行した際の急激な噴射量減少変化がなくなり円滑な
運転モードの移行が達成される。
【0088】図17は、本発明の実施例に係る始動後の
補正点火時期を示すグラフである。図示したように、始
動後の制御開始時点(通常運転モードに移行した時点)
からの時間経過(時間T1、T2)とともにあるいはエ
ンジン温度上昇(温度Q1、Q2)とともに、点火時期
の下限値を変化させる。図では2段階に変化させている
が3段階以上に変化させてもよい。この場合、時間経過
とともにあるいはエンジン温度上昇とともに、遅角側へ
の変化を大きくすることが可能なように下限値を設定す
る。即ち、通常運転モードに移行直後においては、遅角
側への設定を制限して始動時の進角値からの変化量を抑
制し、急激な変化を防止して円滑な運転モードの移行を
図るものである。
【0089】次に本発明のエンジン温度センサーそのも
の、途中の信号線の断線、あるいは演算処理装置内での
エンジン温度信号のデジタル信号化における異常等エン
ジン温度による補正係数C1算出までのエンジン温度情
報フェールの場合の制御についてさらに説明する。前述
のように、エンジン始動時には、基本噴射量に対しエン
ジン温度データに基づく補正係数C1が乗算される。ま
た、始動時の非同期噴射の噴射時間は予め作成したエン
ジン温度に基づく2次元マップテーブルを読んで演算さ
れる。
【0090】また、始動後においては、エンジン温度に
基づく補正を行って基本噴射時間を演算するとともに、
エンジン温度に基づく2次元マップの補間演算により補
正噴射量が求められる(図16)。また、この始動後の
点火時期制御においては、エンジン温度に基づいて遅角
側への点火時期下限値を段階的に設定している(図1
7)。
【0091】また、通常運転モードにおいて、図6、図
7のメインルーチンで示したように、エンジン温度に基
づく補正演算が行われ(図7ステップS23)、この温
度補正を加えて点火時期や燃料噴射の制御量が演算され
る(ステップS27)。
【0092】このような場合、エンジン温度は、図4の
エンジン温度検出手段(例えば、サーミスタからなる温
度センサーをシリンダブロックに取付けたもの)により
検出され、メインルーチンのセンサ情報読み込みステッ
プS18(図6)において、エンジン温度データとして
RAMに格納される。この場合、エンジン温度検出の信
号系の断線やショート、その他の故障により正常なエン
ジン温度データが得られなくなると、適正な制御量の演
算ができなくなる。
【0093】このようなエンジン温度情報フェール時に
おいて、本発明の始動後の補正噴射制御を行う場合、2
次元マップの低温側の特定の温度(例えば0℃)に対応
して書込まれた値を初期値QSとして、前述の始動後補
正噴射時間Q4の演算を行う。この初期値QSに基づい
て、前述のように、一定時間経過すると増量値がゼロに
なるように補正値が演算される。
【0094】また、始動後の点火時期補正制御におい
て、点火時期の下限値を設定して点火時期の補正制御を
行う時間T2(図17)を補正噴射時間t1(図16)
より長くする。即ち、始動時モードから通常運転モード
への移行を円滑にするための始動後制御における点火時
期の制御時間を燃料噴射の制御時間より長く続ける。こ
れにより、エンジン回転変動に対しより大きく影響する
点火時期変化を長く抑えるため、移行時の燃焼安定性が
確実に達成されエンジンストールを防止することができ
る。
【0095】また、通常運転モードに従って燃料噴射制
御を行う場合、エンジン温度センサーフェール時には、
始動時から通常運転モードに移行した直後の所定時間
は、エンジン温度を暖機前の低温(例えば0℃)に設定
し、所定時間経過後は暖機中の温度(例えば50℃)に
設定して補正演算を行う。この場合、設定したエンジン
温度に基づく補正係数の演算は、通常の演算処理に従っ
て2次元マップを用いて行う。このように、時間経過と
ともにエンジン温度の設定値を上昇させて演算処理を行
うことにより、実際の運転状態に近いデータに基づいて
補正係数が演算されるため運転状態に対応した適正な制
御を図ることができる。
【0096】図18は、本発明に係るエンジン温度セン
サーフェールの検出方法のフローチャートである。まず
ステップS1301において、エンジン温度センサー
(例えばサーミスタ)からの検出信号をA/D変換して
この検出値をサンプリングしてばらつきを補正するため
に平均化する。次にこの平均化した検出値がエンジン温
度検出値の有効範囲内かどうかが判別される(ステップ
S1302)。この有効範囲とは、センサーからのアナ
ログ電圧がセンサー能力の最小値(>0V)から最大値
(例えば5V)の範囲である。この範囲を越えた電圧が
入力されるとセンサーフェールと判別する。従って、ス
テップS1302でエンジン温度が有効範囲内であれ
ば、センサーは正常であると判別し、平均化されたエン
ジン温度データの平均値をRAMに格納する(ステップ
S1303)。
【0097】一方、ステップS1302で有効範囲外の
温度データが入力された場合には、センサーフェールと
判別して、エンジン温度センサーがフェールであること
を示すフラグをセットする(ステップS1304)。続
いて、運転モードが始動モードから通常運転モードに移
行した時点から所定時間経過したかどうかが判別される
(ステップS1305)。ここで所定時間経過前であれ
ば、前述のように、エンジン温度を暖機前の低温値にセ
ットする(ステップS1306)。所定時間が経過した
ら、暖機中の温度にセットする(ステップS130
7)。
【0098】なお上記実施例では、フェール時のエンジ
ン温度設定値を2段階に設定したが、さらに細かく3段
階以上に設定してもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、エンジン温度情報がフェールしたと判定されると、
制御量演算のベースとなる実際のエンジン温度検出デー
タに代えて予め定めたフェール時用の温度データに基づ
いて演算処理が行われるため、燃料噴射および点火時期
について運転状態に充分対応した適正な制御を続けるこ
とができる。これにより、エンジン回転を安定に保って
始動時あるいは始動後のエンジン回転不調やオーバーリ
ッチによるエミッションおよび燃費の悪化、あるいはリ
ーンスパイクによるエンジンストールの防止を図ること
ができる。特に船外機等の船舶用として用いたエンジン
の場合、海上運転中の場合によるショート等によるセン
サーフェール時において、エンジン回転不調やオーバー
リッチによる失火等を防止し始動性や燃焼安定性を確保
して確実な帰港を図ることができる。始動後補正噴射制
御において、噴射増量値をマップ演算する場合、マップ
の低温側の特定の値をセンサーフェール時の初期値とし
て予め設定し、所定時間内にこの初期増量値がゼロにな
るように徐々に増量値を減少させることにより、エンジ
ン温度情報フェール時において円滑な運転モードの移行
が達成される。
【0100】また、始動後期間に噴射量補正とともに点
火時期補正制御を行う場合、始動後点火時期制御時間を
始動後の噴射量補正制御時間より長く設定することによ
り、回転変動に対する影響が大きい点火時期の変化を抑
制する時間を長くして回転の落込みを確実に防止するこ
とができ、さらに円滑な運転モードの移行が達成され
る。
【0101】また、センサーフェール時において、エン
ジン始動後の所定時間内は、エンジン温度を暖機前の低
温値に設定しておき、所定時間経過後に設定値を暖機前
より上昇した暖機中の温度に変更することにより、実際
の温度変化に近い設定値に基づいて適正な補正制御演算
処理を行うことができる。この場合、エンジン始動時で
あれば、基本噴射量の補正演算や非同期噴射の適正な制
御量を演算により求めることができ、エンジン温度情報
フェール時であっても充分な始動性を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される2機掛け船外機の外観図
である。
【図2】 本発明が適用される船外機のスロットルレバ
ーの構成説明図である。
【図3】 本発明の船外機の燃料系統を含む構成図であ
る。
【図4】 2機掛け船外機の駆動制御系の構成説明図で
ある。
【図5】 図3の制御系の制御ブロック図である。
【図6】 本発明が適用される内燃機関の制御シーケン
スにおけるメインルーチンのフローチャートである。
【図7】 図5のフローチャートの続き部分である。
【図8】 図5のフローチャートにおけるタイマー割込
みルーチンのフローチャートである。
【図9】 図5のフローチャートにおけるTDC割込み
ルーチンのフローチャートである。
【図10】 点火パルスのセットルーチンのフローチャ
ートである。
【図11】 タイマーオーバーフロー割込みルーチンの
フローチャートである。
【図12】 バンクごとのタイマー割込みルーチンのフ
ローチャートである。
【図13】 本発明の実施例に係る内燃機関の運転モー
ド遷移図である。
【図14】 本発明の実施例に係る始動時制御のフロー
チャートである。
【図15】 本発明の実施例に係る始動時の非同期噴射
のタイマーセットのフローチャートである。
【図16】 本発明の実施例に係る始動後の補正噴射量
のグラフである。
【図17】 本発明の実施例に係る始動後の補正点火時
期の下限値を示すグラフである。
【図18】 本発明の実施例に係るエンジン温度センサ
ーフェール検出のフローチャートである。
【符号の説明】
210:基本点火時期算出手段、211:基本燃料噴射
量算出手段、214:点火時期補正手段、215:燃料
噴射量補正手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−41642(JP,A) 特開 昭62−113843(JP,A) 特開 昭61−226539(JP,A) 特開 昭61−89957(JP,A) 特開 昭61−76738(JP,A) 特開 昭61−31647(JP,A) 特開 昭59−108831(JP,A) 特開 昭59−61741(JP,A) 特開 昭58−172444(JP,A) 特開 平7−83151(JP,A) 特開 平4−265437(JP,A) 特開 平4−234573(JP,A) 特開 平3−294642(JP,A) 特開 平1−100346(JP,A) 実開 昭59−60364(JP,U) 実開 平4−11239(JP,U) 国際公開90/001631(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 F02M 69/00 F02N 17/08 F02P 5/145 - 5/155 F02D 29/00 - 29/06 F02D 17/00 - 17/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン温度センサーを含む各種運転状態
    検出手段からの検出信号に基づいて燃料噴射および点火
    時期を制御し、 エンジンの運転モードとして、メインスイッチがONに
    され制御系の演算部がリセットされた停止モードと、ス
    タータスイッチがONにされた始動モードと、エンジン
    回転数が所定値以上に上がった通常運転モードとを有
    し、 前記始動モードにおいて、気筒検出信号に同期して気筒
    ごとに同期噴射を行うとともに気筒検出信号とは無関係
    に非同期噴射を行い、 前記同期噴射の演算処理においては、予め設定した始動
    時の基本噴射時間に補正演算を行って燃料噴射時間を算
    する内燃機関の制御方法において、前記始動モードから通常運転モードに移行した後に所定
    時間だけ燃料の増量補正を行い、 上記エンジン温度センサーによるエンジン温度信号のフ
    ェール時にエンジン温度センサーからの実際の検出信号
    に代えて予め定めた特定のデータに基づいて上記制御を
    行うことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. 【請求項2】エンジン始動後に予め定めたエンジン温度
    に基づく増量補正初期値QSを書込んだマップを用いて
    燃料噴射を増量補正する燃料噴射制御方法であって、 補正増量値を上記初期値QSから所定時間t1内にほぼ
    直線状に徐々にゼロまで減少させる内燃機関の始動後制
    御方法において、 エンジン温度信号フェール時に用いる初期値QSとして
    上記マップに書込まれた低温側の値を予め定めておくこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  3. 【請求項3】エンジン始動後に燃料噴射の増量補正を行
    うとともに、所定時間T2の間点火時期の遅角側への下
    限値を設定して点火時期変化量を抑制する内燃機関の始
    動後制御方法において、 上記点火時期の下限値を設定する所定時間T2は、上記
    始動後の増量補正を行う所定時間t1より長いことを特
    徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
  4. 【請求項4】エンジン温度に基づいて燃料の増量補正を
    行う燃料噴射制御方法であって、 エンジン温度信号フェール時に、エンジン始動後の所定
    時間の間は予め定めた暖機前の低温側のエンジン温度を
    設定し、所定時間経過後は予め定めた暖機時のエンジン
    温度を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃
    機関の制御方法。
  5. 【請求項5】エンジン温度センサーを含む各種運転状態
    検出手段からの検出信号に基づいて燃料噴射および点火
    時期の制御量を演算する演算処理プログラムを有する内
    燃機関の制御装置において、 上記演算処理プログラムは、上記エンジン温度信号フェ
    ール時にエンジン温度センサーからの実際の検出信号に
    代えて予め定めた特定のデータに基づいて上記制御量を
    演算するフェール時演算ルーチンを有することを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の制御方法を実施するた
    めの制御装置。
  6. 【請求項6】前記内燃機関は船外機用エンジンであり、
    前記補正演算においてトリム角による補正係数を含むこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃
    機関の制御方法。
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