JP3269298B2 - 自動車の車体構造 - Google Patents

自動車の車体構造

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JP3269298B2
JP3269298B2 JP30757994A JP30757994A JP3269298B2 JP 3269298 B2 JP3269298 B2 JP 3269298B2 JP 30757994 A JP30757994 A JP 30757994A JP 30757994 A JP30757994 A JP 30757994A JP 3269298 B2 JP3269298 B2 JP 3269298B2
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徹 西内
涼二 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の車体構造、とり
わけ、車体のフロントウエスト部の車幅方向骨格部材と
しての機能と、空調装置の外気取入れ部としての機能を
併有するカウルボックスの側部周りの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6〜8は従来のカウルボックスの側部
周りの構造を示すもので、30はダッシュロアパネル3
1とダッシュアッパパネル32とからなるダッシュパネ
ルで、このダッシュアッパパネル32にカウルフロント
パネル34とカウルアッパパネル35とからなるカウル
トップパネル33を接合して車幅方向に延在する閉断面
のカウルボックス36を構成している。
【0003】カウルボックス36の側部の開放部はカウ
ルサイドパネル37を接合して閉塞してある。
【0004】カウルサイドパネル37の上縁部はカウル
アッパパネル35の下面に沿って側方へ延設して、端末
のフランジ37aをフロントピラーアウタロア38に接
合した断面逆L字状のフードリッジレインフォース39
の上壁40の後端部に形成したフランジ40aに接合し
てある。
【0005】カウルボックス36の底壁、つまり、ダッ
シュアッパパネル32の底壁36aはカウルサイドパネ
ル37の外側へ延設して端部をフロントピラーアウタロ
ア38のダッシュサイド部38aの上縁部に載置して接
合してあり、該底壁36aの中央部にはカウルボックス
36の内,外に亘って車幅方向に延在する排水用の樋部
42を凹設してある。
【0006】カウルサイドパネル37よりも外側に延設
した底壁36aの樋部42は、フードリッジパネル43
とフードリッジレインフォース39とで形成した閉断面
部44に続く前記カウルサイドパネル37とフードリッ
ジレインフォース39との間の閉断面部45内に存在
し、該フードリッジレインフォース39の側壁41には
前記樋部42端に対応する部位に下方に開口する排水口
46を凹設して、カウルボックス36内の樋部42から
エアボックス36外の樋部42に流出する水を排水口4
6から車外へ排水するようにしてある。
【0007】図6中、47はフロントストラットタワ
ー、48は該フロントストラットタワー47の上面から
フードリッジレインフォース39の上壁40及びカウル
アッパパネル35に亘って接合した補強用のガセットメ
ンバを示す。
【0008】この類似構造は、例えば特開平4−851
83号公報、特開平4−306123号公報に示されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】カウルトップパネル3
3には外気取入口(図示省略)が設けられて、空調装置
の作動時には該外気取入口からカウルボックス36内に
外気が導入されるが、この外気取入口が降雪時の積雪に
よって塞がれたり、あるいは落葉等の異物で塞がれる
と、排水口46から外気が閉断面部45内に導入され、
該閉断面部45内からカウルサイドパネル37の下縁3
7bと樋部42との間の狭い通路49を通ってカウルボ
ックス36内へ吸入されるようになる。
【0010】ところが、カウルボックス36の外側の樋
部42に水が残留していると、この残留水が前記狭隘な
通路49で流速が高められてカウルボックス36内へ吸
入される空気流によって飛沫となってカウルボックス3
6内へ逆流し、飛沫水が空気と共に空調装置へ導入され
て車室内へ侵入する可能性がある。
【0011】そこで、本発明はカウルボックスの外気取
入口が異物で塞がれた場合であっても、カウルボックス
外へ流出した水の逆流現象を生じることがなく、品質感
及び信頼性を一段と向上することができる自動車の車体
構造を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1にあっては、ダ
ッシュパネルの側縁部に接合されるダッシュサイドパネ
ルの上側部に前方へ張り出す延設部を設け、該延設部を
ダッシュパネルとカウルトップパネルとで閉断面に形成
したカウルボックスの側縁部に接合して該カウルボック
スの側部を閉塞すると共に、該延設部のカウルボックス
底部に対応する部分に排水口を設け、かつ、該排水口の
外側にダッシユサイドパネルと、ダッシュサイドパネル
に接合したフロントピラーアウタロアと、該フロントピ
ラーアウタロアに接合したフードリッジレインフォース
とで閉断面部を形成すると共に、該閉断面部の前記排水
口の下方位置に車外への開放口を形成し、前記ダッシュ
サイドパネルには、排水口の下側部から外側へ向けて斜
め下方で、かつ、斜め前方に傾斜して、排水口から流出
した水を開放口へ案内する傾斜ガイド面を形成し、か
つ、該傾斜ガイド面を延設部の前方へ至るにしたがって
漸次略水平に形状変化させて延設部の前側を断面略L字
状に形成して、該延設部とフードリッジレインフオース
とで前後方向に延在する閉断面部を形成したことを特徴
としている。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】請求項1によれば、カウルボックス内の底部か
ら側方の排水口へ流出した水は、該排水口から直ちにそ
の外側の閉断面部内の下方へ流下して該閉断面部下方の
開放口から車外へ排水される。
【0016】従って、排水口の外側部分には水の残留が
全くなく、カウルボックスの外気取入口が異物で塞がれ
た状態で空調装置を作動しても、外気が開放口から取入
れられて閉断面部を経由して排水口を通ってカウルボッ
クス内へ吸入される際に、該排水口の外側で吸入外気に
より水を巻き込んでカウルボックス内へ飛沫状に逆流す
る現象を生じることはない。
【0017】また、従来のカウルサイドパネルを不要と
することができるので、部品点数を削減できると共に、
パネル接合構造を簡略化できてコストダウンに大きく寄
与することができる。
【0018】前記排水口を設けたダッシュサイドパネル
には、該排水口の下側部から外側へ向けて斜め下方で、
かつ、斜め前方に傾斜する傾斜ガイド面を形成してある
から、この傾斜ガイド面が排水口の下側部で外側へ向け
て前上がり状態で斜め下方へ傾斜して存在し、この結
果、排水口から流出した水は閉断面部の前方へ分散する
ことなく全てこの傾斜ガイド面に沿って下方の開放口へ
集流するようになり、排水性を一段と向上することがで
きる。
【0019】また、傾斜ガイド面が外側へ前上がり状態
で傾斜しているため、エンジンルーム内の側面に沿って
配索したハーネスをダッシュパネルを貫通して車室内へ
挿入配索する際に、ハーネス先端がこの傾斜ガイド面に
よって挿入方向が車室中央方向へ偏向ガイドされ、ハー
ネスの車室内への引出し作業を容易に行うことができて
作業性を向上することもできる。
【0020】更に、排水口の外側に形成した閉断面部が
その前方へ延びて継目のない骨格構造が前後方向に構成
されるから、車体前部の曲げ剛性,捩れ剛性を高めるこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。
【0022】図1〜5において、1はダッシュロア部2
とダッシュアッパ部3とを一体成形したダッシュパネル
で、ダッシュアッパ部3に前壁5と上壁6とを一体成形
したカウルトップパネル4を接合して、車幅方向に延在
するカウルボックス7を構成している。
【0023】8はダッシュパネル1の側縁部に接合した
ダッシュサイドパネルで、その外側面にフロントピラー
アウタロア9を接合して閉断面のフロントピラーロア1
0を構成している。
【0024】ダッシュサイドパネル8の上側部には前方
へ張り出す延設部11を形成してあり、この延設部11
をカウルボックス7の側縁部に接合して該カウルボック
ス7の側部開放部を閉塞してある。
【0025】延設部11にはカウルボックス7の底部に
車幅方向に形成した排水用の樋部12に対応する部位に
排水口13を形成してある。
【0026】14は上壁15と側壁16とで断面逆L字
状に形成されて前記フロントピラーアウタロア9に接合
したフードリッジレインフォースで、該フードリッジレ
インフォース14を前記ダッシュサイドパネル8の延設
部11に接合して排水口13の外側に閉断面部17を形
成すると共に、該閉断面部17の前記排水口13の下方
位置にフロントピラーアウタロア9の前端壁とフードリ
ッジレインフォース14の下縁およびダッシュサイドパ
ネル8とで囲まれた車外への開放口18を設けてある。
【0027】本実施例では前記ダッシュサイドパネル8
に、排水口13の下側部から外側へ向けて斜め下方で、
かつ、斜め前方に傾斜して、排水口13から流出した水
を開放口18へ案内する傾斜ガイド面19を形成してあ
る。
【0028】この傾斜ガイド面19は延設部11の前方
へ至るにしたがって漸次略水平に形状変化させて延設部
11の前側を断面略L字状に形成してあり、該延設部1
1に接合したフードリッジレインフォース14とで前記
閉断面部17が前方へ延びてフロントピラーロア9から
図外のラジエータコアサポートパネルに亘って前後方向
に延在する閉断面部17Aを形成している。
【0029】フードリッジレインフォース14の上壁1
5の側縁部には、フロントストラットタワー20の上面
とカウルトップパネル4の上壁6とに跨って接合される
補強用のガセット部16aを一体成形してある。
【0030】以上の実施例構造によれば、カウルボック
ス7の底部の樋部12から側方の排水口13へ流出した
水は、該排水口13から直ちにその外側の閉断面部17
内の下方へ流下して該閉断面部17の下方の開放口18
から車外へ排水される。
【0031】カウルボックス7の上壁6に設けられた図
外の外気取入口が積雪や落葉等の異物で塞がれた状態で
空調装置を作動した場合には、外気が開放口18から取
入れられて閉断面部17および排水口13を通ってカウ
ルボックス7内に吸入されるが、前述のように排水口1
3へ流出した水は該排水口13から直ちに閉断面部17
内に流下して開放口18より排水され、排水口13の外
側部周りには水が残留することがないから、該排水口1
3の外側で吸入外気によって水がカウルボックス7内へ
巻き込まれて飛沫となって逆流することがなく、従っ
て、車室内への水侵入を未然に防止することができる。
【0032】特に本実施例では、排水口13を設けたダ
ッシュサイドパネル8には、排水口13の下側部から外
側へ向けて斜め下方で、かつ、斜め前方に傾斜する傾斜
ガイド面19を形成してあるから、この傾斜ガイド面1
9が排水口13の下側部で外側へ向けて前上がり状態で
斜め下方へ傾斜して存在し、従って、排水口13から流
出した水が閉断面部17内の前方へ分散することなく全
てこの傾斜ガイド面19に沿って下方の開放口18へ集
流するようになって排水性を一段と向上することができ
る。
【0033】また、図4に示すようにエンジンルームE
・R内の側部に沿って配索したハーネス21を、ダッシ
ュパネル1の側部に設けた貫通孔20を通して車室R内
へ引出して配索する場合、前述の傾斜ガイド面19が外
側へ前上がり状態で傾斜しているため、ハーネス21の
先端がこの傾斜ガイド面19によって挿入方向が車室中
央方向へ偏向ガイドされ、従って、ハーネス21の車室
R内への引出し作業を容易に行うことができて作業性を
向上することができる。
【0034】更に、傾斜ガイド面19は前述のように延
設部11の前方へ至るに従って漸次略水平に形状変化さ
せて断面略L字状に形成して、閉断面部17が前方へ延
びて前後方向に延在する閉断面部17Aを形成し、継目
のない骨格構造が前後方向に構成されるから、車体前部
の曲げ剛性および捩れ剛性を高めることができる。
【0035】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に述べる効果を
奏せられる。
【0036】請求項1によれば、ダッシュサイドパネル
の延設部でカウルボックスの側部開放部を閉塞し、カウ
ルボックス底部に対応する部位に排水口を設けると共
に、該排水口の外側にダッシュサイドパネルとフードリ
ッジレインフォースとで閉断面部を形成してその下方に
車外への開放口を形成してあるから、カウルボックス底
部から排水口へ流出した水を直ちに閉断面部内の下方へ
流下させて開放口から車外へ排水させることができ、排
水口の外側部周りに水が残留することがないのでカウル
ボックスの外気取入口が異物で塞がれた状態で空調装置
を作動しても、外気が開放口から取入れられて閉断面部
及び排水口を通ってカウルボックス内に吸入される際
に、該排水口の外側で吸入外気により水を巻き込んでカ
ウルボックス内に飛沫となって逆流し、これが車室内へ
侵入するのを未然に防止することができて品質感および
信頼性を一段と向上することができる。
【0037】また、従来のカウルサイドパネルを不要と
することができるので部品点数を削減できると共に、パ
ネル接合構造を簡略化できてコストダウンを実現するこ
ともできる。
【0038】前記排水口を設けたダッシュサイドパネル
には、該排水口の下側部から外側へ向けて斜め下方で、
かつ、斜め前方に傾斜する傾斜ガイド面を形成してある
から、この傾斜ガイド面が排水口の下側部で外側へ向け
て前上がり状態で斜め下方へ傾斜して存在し、この結
果、排水口から流出した水は閉断面部の前方へ分散する
ことなく全てこの傾斜ガイド面に沿って下方の開放口へ
集流するようになって排水性を一段と向上することがで
きる。
【0039】また、傾斜ガイド面が外側へ前上がり状態
で傾斜しているため、エンジンルーム内の側面に沿って
配索したハーネスをダッシュパネルを貫通して車室内へ
挿入配索する際に、ハーネス先端をこの傾斜ガイド面に
よって挿入方向を車室中央方向へ偏向ガイドさせること
ができて、ハーネスの車室内への引出し作業を容易に行
うことができて作業性を向上することもできる。
【0040】更に、排水口の外側に形成した閉断面部が
その前方へ延びて継目のない閉断面の骨格構造を前後方
向に構成できるから、車体前部の曲げ剛性および捩れ剛
性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例の分解斜視図。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図。
【図5】図1のC−C線に沿う断面図。
【図6】従来の構造を示す斜視図。
【図7】図6のD−D線に沿う断面図。
【図8】図6のE−E線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル 4 カウルトップパネル 7 カウルボックス 8 ダッシュサイドパネル 9 フロントピラーアウタロア 11 延設部 13 排水口 14 フードリッジレインフォース 17 閉断面部 18 開放口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 五十八 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−306122(JP,A) 特開 平4−39174(JP,A) 特開 昭59−32566(JP,A) 実開 平3−125675(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダッシュパネル(1)の側縁部に接合さ
    れるダッシュサイドパネル(8)の上側部に前方へ張り
    出す延設部(11)を設け、該延設部(11)をダッシ
    ュパネル(1)とカウルトップパネル(4)とで閉断面
    に形成したカウルボックス(7)の側縁部に接合して該
    カウルボックス(7)の側部を閉塞すると共に、該延設
    部(11)のカウルボックス(7)底部に対応する部分
    に排水口(13)を設け、かつ、該排水口(13)の外
    側にダッシュサイドパネル(8)と、ダッシュサイドパ
    ネル(8)に接合したフロントピラーアウタロア(9)
    と、該フロントピラーアウタロア(9)に接合したフー
    ドリッジレインフオース(16)とで閉断面部(17)
    を形成すると共に、該閉断面部(17)の前記排水口
    (13)の下方位置に車外への開放口(18)を形成
    し、前記ダッシュサイドパネル(8)には、排水口(1
    3)の下側部から外側へ向けて斜め下方で、かつ、斜め
    前方に傾斜して、排水口(13)から流出した水を開放
    口(18)へ案内する傾斜ガイド面(19)を形成し、
    かつ、該傾斜ガイド面(19)を延設部(11)の前方
    へ至るにしたがって漸次略水平に形状変化させて延設部
    (11)の前側を断面略L字状に形成して、該延設部
    (11)とフードリッジレインフオース(16)とで前
    後方向に延在する閉断面部(17A)を形成したことを
    特徴とする自動車の車体構造。
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JP6414551B2 (ja) * 2016-01-20 2018-10-31 マツダ株式会社 車両の前部車体構造
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