JP2010228711A - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の剛性を確保しつつ、エンジン音、熱、排気、水、及び埃等の車室への侵入を抑制し、且つ生産性の向上を図る。
【解決手段】ダッシュパネル4は、車幅方向に沿って配置されて車室7の前方を区画し、フロアパネル3から起立する。カウルパネル5は、車幅方向に沿って配置され、ダッシュパネル4にそれぞれ溶着される上端部20及び下端部24を有し、これら上端部20と下端部24との間でダッシュパネル4の前方に膨出してダッシュパネル4との間で閉断面形状の内部空間25を形成し、上端部24でフロントウインドウパネル16の下縁部16aを支持する。
【選択図】図2
【解決手段】ダッシュパネル4は、車幅方向に沿って配置されて車室7の前方を区画し、フロアパネル3から起立する。カウルパネル5は、車幅方向に沿って配置され、ダッシュパネル4にそれぞれ溶着される上端部20及び下端部24を有し、これら上端部20と下端部24との間でダッシュパネル4の前方に膨出してダッシュパネル4との間で閉断面形状の内部空間25を形成し、上端部24でフロントウインドウパネル16の下縁部16aを支持する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の前部車体構造に関する。
実開平2−143368号公報には、カウルトップアウタパネルとカウルトップインナパネルとダッシュパネルの3部材を閉断面形状に結合したカウルが開示されている。
しかし、上記構造は、カウルを3部材で構成しているため、コストや重量の増大を招く。また、3つの部材を三次元的に組み合わせるため、各部材の製造誤差を吸収して組み合わせることが難しく、各部材に対して高い寸法精度が要求される。従って、生産性の向上を図ることが難しい。
そこで、本発明は、生産性を向上させることが可能な車両の前部車体構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の車両の前部車体構造は、フロアパネルとダッシュパネルとカウルパネルとを有する。ダッシュパネルは、車幅方向に沿って配置されて車室前方を区画し、フロアパネルから起立する。カウルパネルは、車幅方向に沿って配置され、ダッシュパネルの前面にそれぞれ溶着される上端部及び下端部を有し、これら上端部と下端部との間でダッシュパネルの前方に膨出してダッシュパネルとの間で閉断面形状の内部空間を形成し、上端部でフロントウインドウパネルの下縁部を支持する。
上記構成では、フロントウインドウパネルとエンジンフードとの間に配置する車体部材を、フロアパネルとダッシュパネルの2部材で構成しているので、コストや重量の低減を図ることができる。また、2つの部材の組み合わせであるため、各部材の製造誤差を吸収し易く、生産性が向上する。
また、カウルパネルとダッシュパネルとの間には、車幅方向に沿った閉断面が形成されるので、所望の車体剛性を確保することができる。
また、前方のエンジンルームと後方の車室とを1つのダッシュパネルによって仕切っているので、複数の部材を接合して仕切った場合に必要となる接合部分が存在せず、エンジンルームと車室とを完全に遮断することが可能となる。従って、エンジン音、熱、排気、水、及び埃等のエンジンルームから車室への侵入を確実に抑制することができる。
また、カウルパネルは、エンジンフードの後端縁との間で外気を流入させる外気流入口を区画するとともに、外気流入口の下方領域と内部空間とを連通する上流側通気孔を有してもよく、ダッシュパネルは、内部空間を後方へ開口する下流側通気孔を、上流側通気孔と対向する位置又は上流側通気孔よりも上方位置に有してもよい。
上記構成では、外気流入口から取り入れられた外気は、上流側通気孔から下流側通気孔に向かってほぼ水平方向か或いは斜め上方に流れ、ダッシュパネルの後方の車室へ流入する。従って、雨等の水が下側通気孔から車室内へ侵入するのを抑制することができる。
本発明によれば、所望の剛性を確保しつつ、エンジン音、熱、排気、水、及び埃等の車室への侵入を抑制し、且つ生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。なお、以下において、前後方向は車両の前後である。
自動車1の車体前部のエンジンルーム2の後方には、フロアパネル3、ダッシュパネル4、カウルパネル5、エアガイドパネル6などが設けられている。フロアパネル3は、車室の床面を形成する。
ダッシュパネル4は、エンジンルーム2の後端で車幅方向に沿って配置されて車室7の前端を区画する。ダッシュパネル4は、フロアパネル3の前端部3aに重ねられて接合されるダッシュパネル下端部10と、ダッシュパネル下端部10から前上方へ曲折するダッシュパネル下傾斜部11と、ダッシュパネル下傾斜部11の上端から上方へ曲折するダッシュパネル中間部12と、ダッシュパネル中間部12の上端から後上方へ曲折するダッシュパネル上傾斜部13と、ダッシュパネル上傾斜部13の後端から上方へ曲折するダッシュパネル上部14と、ダッシュパネル上部14の上端から後上方へ曲折するダッシュパネル上端部15とを有する。ダッシュパネル4の車幅方向両端部は、ホイールハウスを形成するホイールハウスパネル8に結合され支持される。
カウルパネル5は、ダッシュパネル4の前方上部で車幅方向に沿って配置され、その両端部は、ホイールハウスパネル8又はフロントピラー9に結合され支持される。カウルパネル5は、ダッシュパネル上傾斜部13の下端部に重ねられて溶着されるカウルパネル下端部20と、カウルパネル下端部20の上端から前上方へ曲折するカウルパネル下部21と、カウルパネル下部21の上端から後上方へ曲折するカウルパネル上部22と、カウルパネル上部22の上端から後下方へ曲折するカウルパネル段部23と、カウルパネル段部23の後端から後上方へ曲折するカウルパネル上端部24とを有する。カウルパネル上端部24は、ダッシュパネル上端部15に重ねられて溶着される。これにより、カウルパネル上部22及びカウルパネル下部21は、カウルパネル上端部24とカウルパネル下端部20との間でダッシュパネル4の前方に膨出して、ダッシュパネル4との間で閉断面形状の内部空間25を形成する。カウルパネル上部22の後端部とカウルパネル上端部24とは、フロントウインドウパネル16の下縁部16aを支持する。カウルパネル上部22の後端部に重ねられたフロントウインドウパネル16の下縁部16aとカウルパネル上端部24との間には、カウルパネル段部23によって間隙が生じ、この間隙に充填される接着剤17によってフロントウインドウパネル16の下縁部16aがカウルパネル上端部24に固定される。
エアガイドパネル6は、カウルパネル5の前方に配置される。エアガイドパネル6は、カウルパネル下部21に重ねられて溶着されるエアガイドパネル後端部30と、エンジンルーム2を開閉自在に閉止するエンジンフード33の後端部33aの下方に配置されるエアガイドパネル前端部32とを有し、エアカウルパネル下部21との間で外気取込空間35を区画する。エアガイドパネル前端部32には、エンジンフード33の後端部33aとの間隙を密閉する樹脂製のリップ34が取り付けられている。カウルパネル5とエンジンフード33の後端部33aとの間には外気流入口36が区画され、外気流入口36から外気取込空間35へ外気が流入する。
カウルパネル下部21には上流側通気孔26が形成され、ダッシュパネル上部14には下流側通気孔27が形成される。上流側通気孔26は、外気流入口36の下方領域である外気取込空間35と内部空間25とを連通し、下流側通気孔27は、上流側通気孔26と対向する位置又は上流側通気孔26よりも上方位置に配置され、内部空間25を後方へ開口する。
本実施形態によれば、フロントウインドウパネル16とエンジンフード33との間に配置されて外気を車室7へ導入する構造を、フロアパネル3とダッシュパネル4の2部材で構成しているので、コストや重量の低減を図ることができる。また、2つの部材の組み合わせであるため、各部材の製造誤差を吸収し易く、生産性が向上する。
カウルパネル5とダッシュパネル4との間には、車幅方向に沿った閉断面(内部空間25)が車幅方向に沿って形成されるので、所望の車体剛性を確保することができる。
前方のエンジンルーム2と後方の車室7とを1つのダッシュパネル4によって仕切っているので、この境界部分に複数の部材を接合して仕切った場合に必要となる接合部分が存在せず、エンジンルーム2と車室7とを完全に遮断することが可能となる。従って、エンジン音、熱、排気、水、及び埃等のエンジンルーム2から車室7への侵入を確実に抑制することができる。
外気流入口36から取り入れられた外気は、上流側通気孔26から下流側通気孔27に向かってほぼ水平方向か或いは斜め上方に流れ、ダッシュパネル4の後方の車室7へ流入する。従って、雨等の水が下側通気孔27から車室7への侵入するのを抑制することができる。
なお、上記のダッシュパネル4及びカウルパネル5は一例であり、本発明は上記の形状及び配置に限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、上記ダッシュパネル4からダッシュパネル上部14とダッシュパネル上端部15とを除去し、ダッシュパネル下端部10とダッシュパネル下斜部11とダッシュパネル中間部12とダッシュパネル上傾斜部13とを残したダッシュパネル40と、上記カウルパネル5にカウルパネル下部21の上端から上方へ曲折するカウルパネル中間部28を加え、カウルパネル上部22をカウルパネル中間部28の上端から後上方へ曲折させたカウルパネル41とを設けてもよい。カウルパネル上端部24は、ダッシュパネル40の上端部であるダッシュパネル上傾斜部13に重ねられて溶着される。カウルパネル上部22、カウルパネル中間部28及びカウルパネル下部21は、カウルパネル上端部24とカウルパネル下端部20との間でダッシュパネル40の前方に膨出して、ダッシュパネル40との間で内部空間25を形成する。カウルパネル中間部28には上流側通気孔26が形成され、ダッシュパネル中間部12には下流側通気孔27が形成される。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明は、車両のピラー補強構造として広く適用可能である。
2:エンジンルーム
3:フロアパネル
4:ダッシュパネル
5:カウルパネル
6:エアガイドパネル
7:車室
16:フロントウインドウパネル
20:カウルパネル上端部
24:カウルパネル下端部
25:内部空間
26:上流側通気孔
27:下流側通気孔
33:エンジンフード
36:外気流入孔
40:ダッシュパネル
41:カウルパネル
3:フロアパネル
4:ダッシュパネル
5:カウルパネル
6:エアガイドパネル
7:車室
16:フロントウインドウパネル
20:カウルパネル上端部
24:カウルパネル下端部
25:内部空間
26:上流側通気孔
27:下流側通気孔
33:エンジンフード
36:外気流入孔
40:ダッシュパネル
41:カウルパネル
Claims (2)
- フロアパネルと、
車幅方向に沿って配置されて車室前方を区画し、前記フロアパネルから起立するダッシュパネルと、
前記ダッシュパネルの前方上部で車幅方向に沿って配置され、前記ダッシュパネルにそれぞれ溶着される上端部及び下端部を有し、これら上端部と下端部との間で前記ダッシュパネルの前方に膨出して該ダッシュパネルとの間で閉断面形状の内部空間を形成し、前記上端部で前記フロントウインドウパネルの下縁部を支持するカウルパネルと、を備えた
ことを特徴とする車両の車体前部構造。 - 請求項1に記載の車両の車体前部構造であって、
前記カウルパネルは、エンジンフードの後端縁との間で外気を流入させる外気流入口を区画するとともに、該外気流入口の下方領域と前記内部空間とを連通する上流側通気孔を有し、
前記ダッシュパネルは、前記内部空間を後方へ開口する下流側通気孔を、前記上流側通気孔と対向する位置又は該上流側通気孔よりも上方位置に有する
ことを特徴とする車両の車体前部構造。
Priority Applications (2)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009081281A JP2010228711A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 車両の前部車体構造 |
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JP2014151658A (ja) * | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Mazda Motor Corp | 車両の前部車体構造 |
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2009
- 2009-03-30 JP JP2009081281A patent/JP2010228711A/ja active Pending
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2010
- 2010-03-29 WO PCT/JP2010/055608 patent/WO2010113896A1/ja active Application Filing
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100706 |
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