JP5840058B2 - 車両の車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバを設け、上記フロントカウルの内部空間の空気が車体内部の車室側に向けてブロワの作動により吸入されるようにした車両の車体前部構造に関するものである。
上記車両の車体前部構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両の車体前部構造は、車体の幅方向に延び、その長手方向の各部断面がU字形状をなすフロントカウルと、車体の幅方向に延びて上記フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバと、上記フロントカウルの後部板の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウルの内部空間の空気を車体内部の車室側に向けブロワの作動により吸入する空気吸入口と、上記カウルルーバから上記フロントカウルの内部空間に向かって突出し、上記カウルルーバの通気孔と空気吸入口との間に配置される遮水板とを備えている。
上記構成において、ブロワが作動して上記空気吸入口に空気が吸入されるとき、この空気吸入口に生じる負圧に応じて車体の外部の空気が上記カウルルーバの通気孔を通しフロントカウルの内部空間に供給され、また、このフロントカウルの内部空間から上記空気吸入口を通して車室側に吸入される。そして、このように、車室側に吸入された空気は、その後、車室に供給されて、この車室の換気や空調に利用される。
一方、雨天時や洗車時には、車体の外部から水滴がカウルルーバの通気孔を通りフロントカウルの内部空間に勢いよく飛び込むことがある。この場合、この水滴がフロントカウルの内面に勢いよく衝突して跳ね返り、上記空気吸入口に吸入される空気と共に吸入されて車室側に向かうおそれが生じる。しかし、上記水滴が上記空気吸入口に吸入されることは前記した遮水板により防止され、車室への浸入が防止されるようになっている。
特開2004−58722号公報
ところで、車室の換気や空調のため、上記ブロワの作動による空気吸入口での吸入空気量は頻繁に変化させられるものであり、この吸入空気量が多い場合には、上記空気吸入口の負圧は大きくなる。そして、この際、仮に、前記したように、水滴がフロントカウル内に勢いよく飛び込み、このフロントカウルの内面で勢いよく跳ね返ったとすると、この水滴は、上記遮水板の存在にかかわらず、上記した空気吸入口の大きい負圧によって吸入され、この結果、水滴が車室に浸入するという不都合を生じるおそれがある。
そこで、上記空気吸入口に十分に多い吸入空気量の確保ができるようにする一方、上記空気吸入口への水滴の吸入を、より確実に防止できるようにするため、別途に遮水板を設けたり、上記カウルルーバの通気孔から上記空気吸入口に至るまでの上記フロントカウルの内部空間における空気流動通路を、より複雑なラビリンス構造にしたりすることが考えられる。
しかし、上記のようにすると、フロントカウルの内部空間を流動する空気の圧力損失が無用に増加して車室側への吸入空気量が無用に低下するおそれがあり、また、車体前部の構成が複雑となって、その生産性が低下するおそれもある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバを設け、上記フロントカウルの内部空間の空気が車体内部の車室側に向けてブロワの作動により吸入されるようにした車両の車体前部構造において、車体の外部からカウルルーバの通気孔を通し水滴がフロントカウルの内部空間に勢いよく飛び込んだとしても、この水滴が車室側に浸入することを、より確実に防止するようにする一方、上記ブロワの作動による車室側への吸入空気量が十分に確保されるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2の幅方向に延び、その長手方向の各部断面がU字形状をなすフロントカウル3と、車体2の幅方向に延びて上記フロントカウル3をその上方から覆うカウルルーバ24と、上記フロントカウル3の後部板7の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウル3の内部空間12の空気30を車体2内部の車室20側に向けブロワ36の作動により吸入する空気吸入口35と、上記カウルルーバ24から上記フロントカウル3の内部空間12に向かって突出し、上記カウルルーバ24の通気孔31と空気吸入口35との間に配置される遮水板40とを備えた車両の車体前部構造において、
上記カウルルーバ24に対し上記遮水板40が前、後方回動A,B可能となるようにし、上記空気吸入口35の負圧に応じてこの空気吸入口35側に向かい上記遮水板40が後方回動Bする(図1中二点鎖線)ようにしたことを特徴とする車両の車体前部構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明は、車体の幅方向に延び、その長手方向の各部断面がU字形状をなすフロントカウルと、車体の幅方向に延びて上記フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバと、上記フロントカウルの後部板の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウルの内部空間の空気を車体内部の車室側に向けブロワの作動により吸入する空気吸入口と、上記カウルルーバから上記フロントカウルの内部空間に向かって突出し、上記カウルルーバの通気孔と空気吸入口との間に配置される遮水板とを備えた車両の車体前部構造において、
上記カウルルーバに対し上記遮水板が前、後方回動可能となるようにし、上記空気吸入口の負圧に応じてこの空気吸入口側に向かい上記遮水板が後方回動するようにしており、次の効果が生じる。
即ち、仮に、雨天時などに車体の外部から水滴がカウルルーバの通気孔を通りフロントカウルの内部空間の底部にまで勢いよく飛び込んだとし、上記水滴が上記フロントカウルの内部空間の底部内面に勢いよく衝突して跳ね返ったとする。この場合、上記水滴は上記空気吸入口に入り込むおそれがあるが、上記水滴は上記遮水板に衝突して上記空気吸入口に向かうことは防止される。よって、上記水滴が上記空気吸入口を通り車室側に浸入することは防止される。
一方、上記ブロワを作動させた場合で、このブロワの作動による空気吸入口での吸入空気量が少なく、このため、この空気吸入口の負圧が小さいときには、上記遮水板は上記空気吸入口から離れた原位置からわずかに後方回動するだけであり、上記空気吸入口は大きく開いた状態となる。このため、上記水滴は、上記したように大きく開いた空気吸入口に吸入空気と共に吸入されて車室側に浸入するおそれを生じる。
しかし、上記したようにブロワの作動による空気吸入口での吸入空気量は少なくて、この空気吸入口の負圧は小さいことから、この負圧により上記水滴が上記空気吸入口に吸入されることは防止される。よって、水滴が上記空気吸入口に吸入されて車室側に浸入することは防止される。
次に、上記ブロワの作動による空気吸入口での吸入空気量を多くすると、この空気吸入口の負圧は大きくなり、これに応じて、前記したように遮水板は上記原位置から空気吸入口側に向かって後方回動する。この場合、上記遮水板のうち、その回動中心から遠い側の下部側は、上記回動中心から遠い分、上記後方回動時の移動寸法が大きくなり、このため、この遮水板の下部側は上記空気吸入口の下部側に、より接近して、この空気吸入口の下部側をより狭めることとなる。
ここで、前記したようにフロントカウルの内部空間の底部内面に勢いよく衝突して跳ね返った水滴は、上記空気吸入口のうちの特に下部側に吸入空気と共に吸入されがちとなる。しかし、この空気吸入口の下部側は上記したように後方回動した遮水板の下部側によって、より狭められており、このため、上記水滴が上記空気吸入口の下部側に吸入空気と共に吸入されて車室側に浸入することは防止される。
また、上記遮水板が後方回動したとき、その回動中心に近い側である遮水板の上部側は、上記回動中心から近い分、上記後方回動時の移動寸法が小さくなり、このため、この遮水板の上部側は上記空気吸入口の上部側に接近することが抑制されることから、後方回動する上記遮水板の上部側によって上記空気吸入口の上部側が狭められることは抑制される。よって、上記遮水板の車体の幅方向での外側方における上記フロントカウルの内部空間の空気は、前記した空気吸入口の大きい負圧によって上記フロントカウルの後部板と遮水板との間の空間を通った後、上記空気吸入口の上部側に円滑に吸入される。この結果、上記ブロワの作動による空気吸入口での吸入空気量が十分に確保され、つまり、車室側へ吸入空気量が十分に確保される。
そして、上記発明によれば、車室側への水滴の浸入が防止されるものでありながら車室側への吸入空気量が十分に確保されるという上記効果は、上記したように空気吸入口の負圧に応じてこの空気吸入口側に向かい遮水板が後方回動することにより達成されたのであり、つまり、上記効果の達成のために、別途に遮水板を設けたり、上記カウルルーバの通気孔から上記空気吸入口に至るまでのフロントカウルの内部空間における空気流動通路を、より複雑なラビリンス構造にしたりすることは不要である。よって、その分、上記効果は簡単な構成で達成できる。
図2のI−I線矢視拡大断面図である。 車体前部の平面図である。 図2のIII−III線矢視拡大断面図である。
本発明の車両の車体前部構造に関し、フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバを設け、上記フロントカウルの内部空間の空気が車体内部の車室側に向けてブロワの作動により吸入されるようにした車両の車体前部構造において、車体の外部からカウルルーバの通気孔を通し水滴がフロントカウルの内部空間に勢いよく飛び込んだとしても、この水滴が車室側に浸入することを、より確実に防止するようにする一方、上記ブロワの作動による車室側への吸入空気量が十分に確保されるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両の車体前部構造は、車体の幅方向に延び、その長手方向の各部断面がU字形状をなすフロントカウルと、車体の幅方向に延びて上記フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバと、上記フロントカウルの後部板の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウルの内部空間の空気を車体内部の車室側に向けブロワの作動により吸入する空気吸入口と、上記カウルルーバから上記フロントカウルの内部空間に向かって突出し、上記カウルルーバの通気孔と空気吸入口との間に配置される遮水板とを備えている。上記カウルルーバに対し上記遮水板が前、後方回動可能となるようにし、上記空気吸入口の負圧に応じてこの空気吸入口側に向かい上記遮水板が後方回動するようにしている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての車両1の車体2の幅方向をいうものとする。
上記車体2前部は、この車体2の幅方向に長く延びてその各端部が不図示の左右フロントピラーの上下方向の中途部に両端支持されるフロントカウル3を備えている。これら各フロントピラーとフロントカウル3とは車体2の骨格部材を構成し、十分の強度と剛性とを有している。上記フロントカウル3は板金製で、その下部を構成するインナカウル4と、上部を構成して上記インナカウル4に結合されるアウタカウル5とを備えている。
また、上記インナカウル4は、その長手方向の各部断面がU字形状をなし、前後方向で離れて対面する前、後部板6,7と、ほぼ水平方向に延び、これら前、後部板6,7の各下端縁部同士を一体的に結合する底部板8と、上記前、後部板6,7の各上端縁部にそれぞれ一体的に形成される前、後外向きフランジ9,10とを備えている。
上記フロントカウル3のインナカウル4の内部空間12の後部をその上方から覆うよう上記アウタカウル5が設けられる。上記インナカウル4の後外向きフランジ10に上記アウタカウル5の後端縁部がスポット溶接S1されている。上記フロントカウル3の下方で、車体2の幅方向かつ上下方向に延びる板金製のダッシュパネル14が設けられ、上記インナカウル4の底部板8と上記ダッシュパネル14の上端縁部とがスポット溶接S2されている。
上記左右フロントピラーの各上部とフロントカウル3とで囲まれたフロントウィンド開口17を閉じるフロントウィンドパネル18が設けられる。上記フロントカウル3、ダッシュパネル14、およびウィンドパネル18の後方における車体2の内部空間が車室20とされ、上記フロントカウル3およびダッシュパネル14の前方における車体2の内部空間がエンジンルーム21とされる。
車体2の幅方向に長く延びると共に前後方向に延び、上記フロントカウル3の内部空間12の前部をその上方から覆う樹脂製のカウルルーバ24が設けられる。このカウルルーバ24の前端縁部は上記インナカウル4の前外向きフランジ9の上面に支持されている。また、上記カウルルーバ24の後端縁部は、上記ウィンドパネル18の前端縁部の上面にシール材25を介して支持され、かつ、このウィンドパネル18の前端縁部とアウタカウル5とを介して上記インナカウル4の後外向きフランジ10に支持されている。つまり、上記カウルルーバ24は、上記インナカウル4の前、後端縁部に両端支持されている。
上記アウタカウル5の前部には、その長手方向の各部断面がU字形状をなす樋29が形成され、この樋29は上記シール材25の下方に位置している。そして、上記ウィンドパネル18の前端縁部およびカウルルーバ24の後端縁部と上記シール材25との間の隙間を通して上記フロントカウル3の内部空間12に落下する水滴W1は、上記樋29内に捕捉され、この樋29の底部を通って車体2の外側方に排水される。
上記カウルルーバ24の前方空間は、上記エンジンルーム21を上方に向かって開く車体開口26とされ、この車体開口26をその上方から開閉可能に閉じるフード27が設けられている。上記カウルルーバ24の前端縁部に取り付けられ、このカウルルーバ24の前端縁部とフード27の後端部の下面との間をシールする弾性のシール材28が設けられる。
上記カウルルーバ24の右側部の前部には、車体2の外部の空気30を上記フロントカウル3の内部空間12における前、後空間12a,12bのうち、前空間12aに導入可能とさせる多数の通気孔31が形成されている。これら各通気孔31の上流端は上記カウルルーバ24の上方に向かって開口し、上記各通気孔31の下流端は上記フロントカウル3の内部空間12における前空間12aの上端部で、前方に向かって開口している。
また、上記フロントカウル3の内部空間12の空気30を吸入する一方、この空気30を車室20に供給する空調装置33が設けられる。この空調装置33は、上記フロントカウル3の内部空間12を車室20に連通させ、内部空間12の空気30を車室20に導入可能とする空気導入ダクト34と、上記フロントカウル3の後部板7の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウル3の内部空間12の空気30を上記空気導入ダクト34を通し車室20側に向けて吸入可能とする空気吸入口35と、上記フロントカウル3の内部空間12から車室20側に向けての空気30の吸入を可能とするブロワ36とを備えている。
上記カウルルーバ24の右側部において、このカウルルーバ24の前後方向での中途部から下方に向かって一体的に突出すると共に車体2の幅方向に延びる支持片38が設けられている。また、この支持片38側から上記フロントカウル3の内部空間12に向かって下方に延び、かつ、車体2の幅方向に延びるよう形成され、その上端縁部が上記支持片38に連結具39により連結される樹脂製の遮水板40が設けられている。
上記カウルルーバ24の通気孔31群、空気吸入口35、および遮水板40は、車体2の幅方向で互いに同じところに配置され、上記遮水板40は、上記フロントカウル3の内部空間12の上部側を前空間12aと後空間12bとに区画し、かつ、上記通気孔31群と空気吸入口35とを前後に仕切るよう設けられている。
車体2の側面視での上記遮水板40での断面視(図1)で、この遮水板40の上部板40aは上下方向に延びて上記支持片38に連結具39により連結されている。上記遮水板40の上下方向の中途部板40bは、上記上部板40aの下端縁部から一旦前方に向けて一体的に延出した後、後方に折り返された屈曲形状とされ、上記中途部板40bは、上記カウルルーバ24の通気孔31群をその下方から覆っている。
また、上記遮水板40の下部板40cは、上記中途部板40bの折り返し端縁部から後下方に傾斜した方向に向かって延び、上記下部板40cの下端部は上記フロントカウル3の底部板8から上方に少し離れるよう位置させられて自由端部とされている。前記空気吸入口35は前下方に向かって開口し、この空気吸入口35と上記遮水板40の下部板40cとの各下端部は互いにほぼ同じ高さに位置している。
上記カウルルーバ24に対し上記遮水板40は前、後方回動A,B可能とされている。具体的には、上記遮水板40の下部板40cに対し後方に向かう外力を与え、この遮水板40の中途部板40bをその弾性に対抗するよう屈曲させれば、上記カウルルーバ24に連結された遮水板40の上部板40aに対し下部板40cは、図1中実線で示す原位置から後方回動B可能とされる。また、このように後方回動Bさせた上記下部板40cから上記外力を除去すれば、上記中途部板40bの弾性的な復元力により上記下部板40cは上記した原位置まで前方回動Aすることとされている。
ここで、前記ブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量を多くした場合、この空気吸入口35の負圧が大きくなる。そして、この空気吸入口35の負圧に応じて、つまり、この負圧が上記外力として作用することにより上記遮水板40の下部板40cは、上記空気吸入口35側に向かい上記した原位置から後方回動Bすることとされている。
上記空調装置33を駆動させようとして上記ブロワ36を作動させると、上記フロントカウル3の内部空間12から上記空気吸入口35を通り車室20側に向けて空気30が吸入される。この場合、上記空気吸入口35に生じる負圧に応じて車体2の外部の空気30が上記カウルルーバ24の通気孔31を通しフロントカウル3の内部空間12に供給され、その一方、上記車室20側に吸入された空気30は、その後、車室20に供給されて、この車室20の換気や空調に利用される。
一方、雨天時や洗車時には、車体2の外部から上記カウルルーバ24の通気孔31を通り上記フロントカウル3の内部空間12に水が流入するが、この水は上記フロントカウル3の底部に集められて車体2の外側方に排水されるようになっている。
上記構成において、仮に、雨天時などに車体2の外部から水滴W2がカウルルーバ24の通気孔31を通りフロントカウル3の内部空間12における前空間12aの上部に勢いよく飛び込んだとする。この場合、上記水滴W2は、まず、上記通気孔31を通ることにより上記空気吸入口35から離反するよう前方に向かわされる。また、上記通気孔31を通過した上記水滴W2のほとんどは、上記遮水板40の中途部板40bの上面に衝突して勢いが弱められ、その後、上記フロントカウル3の底部に集められて車体2の外側方に排水される。よって、上記水滴W2が上記空気吸入口35を通り車室20側に浸入することは防止される。
また、仮に、車体2の外部から水滴W3がカウルルーバ24の通気孔31を通りフロントカウル3の内部空間12における前空間12aの底部にまで勢いよく飛び込んだとし、上記水滴W3が上記フロントカウル3の内部空間12の底部内面に勢いよく衝突して跳ね返ったとする。この場合、上記水滴W3は上記空気吸入口35に入り込むおそれがあるが、上記水滴W3は上記遮水板40に衝突して上記空気吸入口35に向かうことは防止され、その後、上記フロントカウル3の底部に集められて車体2の外側方に排水される。よって、上記水滴W3が上記空気吸入口35を通り車室20側に浸入することは防止される。
一方、前記空調装置33の駆動時において、上記ブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量が少なく、このため、この空気吸入口35の負圧が小さいときには、上記遮水板40は上記原位置(図1中実線)からわずかに後方回動Bするだけであり、上記空気吸入口35は大きく開いた状態となる。このため、上記水滴W3は、上記したように大きく開いた空気吸入口35に吸入空気30と共に吸入されて車室20側に浸入するおそれを生じる。
しかし、上記したようにブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量は少なくて、この空気吸入口35の負圧は小さいことから、この負圧により上記水滴W3が上記空気吸入口35に吸入されることは防止される。よって、この場合も、水滴W3が上記空気吸入口35に吸入されて車室20側に浸入することは防止される。
次に、上記空調装置33のブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量を多くすると、この空気吸入口35の負圧は大きくなり、これに応じて、前記したように遮水板40は上記原位置から空気吸入口35側に向かって後方回動Bする(図1中二点鎖線)。この場合、上記遮水板40のうち、その回動中心(遮水板40の中途部板40b)から遠い側の下部板40cの下部側は、上記回動中心から遠い分、上記後方回動B時の移動寸法が大きくなり、このため、この下部板40cの下部側は上記空気吸入口35の下部側に、より接近して、この空気吸入口35の下部側をより狭めることとなる(図1中二点鎖線)。
ここで、前記したようにフロントカウル3の内部空間12の底部内面に勢いよく衝突して跳ね返った水滴W3は、上記空気吸入口35のうちの特に下部側に吸入空気30と共に吸入されがちとなる。しかし、この空気吸入口35の下部側は上記したように後方回動Bした遮水板40の下部板40cの下部側によって、より狭められており、このため、上記水滴W3が上記空気吸入口35の下部側に吸入空気30と共に吸入されて車室20側に浸入することは防止される。
また、上記遮水板40が後方回動Bしたとき、その回動中心(遮水板40の中途部板40b)に近い側である遮水板40の下部板40cの上部側は、上記回動中心から近い分、上記後方回動B時の移動寸法が小さくなり、このため、この遮水板40の下部板40cの上部側は上記空気吸入口35の上部側に接近することが抑制されることから、後方回動Bする上記遮水板40の下部板40cの上部側によって上記空気吸入口35の上部側が狭められることは抑制される。よって、上記遮水板40の車体2の幅方向での外側方における上記フロントカウル3の内部空間12の空気30´は、前記した空気吸入口35の大きい負圧によって上記フロントカウル3の後部板7と遮水板40との間の後空間12bを通った後、上記空気吸入口35の上部側に円滑に吸入される。この結果、上記ブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量が十分に確保され、つまり、車室20側へ吸入空気量が十分に確保される。
そして、上記構成によれば、車室20側への水滴W2,W3の浸入が防止されるものでありながら車室20側への吸入空気量が十分に確保されるという上記効果は、上記したように空気吸入口35の負圧に応じてこの空気吸入口35側に向かい遮水板40が後方回動Bすることにより達成されたのであり、つまり、上記効果の達成のために、別途に遮水板を設けたり、上記カウルルーバ24の通気孔31から上記空気吸入口35に至るまでのフロントカウル3の内部空間12における空気30流動通路を、より複雑なラビリンス構造にしたりすることは不要である。よって、その分、上記効果は簡単な構成で達成できる。
ここで、上記空調装置33の駆動時には、ブロワ36の作動による空気吸入口35での吸入空気量は、多くされたり少なくされたりして頻繁に変化させられるものである。そして、このブロワ36の作動に応じて上記空気吸入口35の負圧が変化することから、上記カウルルーバ24に対する遮水板40の前、後方回動A,Bも頻繁に繰り返される。
このため、仮に、上記遮水板40の中途部板40bに薄肉などの脆弱部を形成してこの脆弱部の屈曲の繰り返しにより、上記遮水板40を前、後方回動A,Bさせたとすると、上記脆弱部が早期に損傷して上記遮水板40に寿命上の問題点を生じるおそれがある。
そこで、前記したように、遮水板40の中途部板40bを屈曲した形状とし、つまり、応力の発生を防止しつつ繰り返し屈曲させ易い形状として、上記遮水板40の下部板40cの前、後方回動A,Bをし易くさせたのであり、これにより、上記遮水板40の寿命の向上が達成される。
また、上記したように、遮水板40の中途部板40bを屈曲させ易い形状としたため、車両1がその走行中に、歩行者など何らかの物体と衝突(前突)し、この物体が上記カウルルーバ24に対しその上方から衝突したときには、上記遮水板40の中途部板40bが容易に屈曲変形して、上記物体の衝突に基づく衝撃力が緩和される。よって、この衝撃力の反力により上記物体が損傷することは小さく抑制される。
なお、以上は図示の例によるが、上記カウルルーバ24に遮水板40を一体的に形成してもよい。また、上記カウルルーバ24に対する遮水板40の前、後方回動A,Bは枢支具に依るものでもよく、枢支具とばね材との組み合わせによるものでもよい。
1 車両
2 車体
3 フロントカウル
4 インナカウル
5 アウタカウル
6 前部板
7 後部板
8 底部板
9 外向きフランジ
10 外向きフランジ
12 内部空間
12a 前空間
12b 後空間
20 車室
24 カウルルーバ
30,30´ 空気
31 通気孔
33 空調装置
34 空気導入ダクト
35 空気吸入口
36 ブロワ
38 支持片
39 連結具
40 遮水板
40a 上部板
40b 中途部板
40c 下部板
A 前方回動
B 後方回動
W 水滴

Claims (1)

  1. 車体の幅方向に延び、その長手方向の各部断面がU字形状をなすフロントカウルと、車体の幅方向に延びて上記フロントカウルをその上方から覆うカウルルーバと、上記フロントカウルの後部板の長手方向の一部に形成され、上記フロントカウルの内部空間の空気を車体内部の車室側に向けブロワの作動により吸入する空気吸入口と、上記カウルルーバから上記フロントカウルの内部空間に向かって突出し、上記カウルルーバの通気孔と空気吸入口との間に配置される遮水板とを備えた車両の車体前部構造において、
    上記カウルルーバに対し上記遮水板が前、後方回動可能となるようにし、上記空気吸入口の負圧に応じてこの空気吸入口側に向かい上記遮水板が後方回動するようにしたことを特徴とする車両の車体前部構造。
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