JP7234515B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

この発明は、前輪ホイールハウスのタイヤ外周のトレッドと対向する面を覆うマッドガードを備えた車体前部構造に関する。
従来、上述例の車体前部構造としては、図7、図8、図9に示す構造が知られている。図7は従来の車体前部構造を示す斜視図、図8は図7の平面図、図9は従来のマッドガードを示す斜視図である。但し、図9においては図示の便宜上、車両右側のマッドガードを示すが、車両左側のマッドガードは車両右側のマッドガードと左右対称である。
図7~図9において、ダッシュロアパネル71(ダッシュパネル)からエンジンルーム72の左右両サイド(但し、図7、図8においては車両左側の構成のみを示す)を車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム73が設けられる一方、エンジンルーム72の下部には、サブフレーム本体としての後側クロスメンバ74と、該後側クロスメンバ74の側部から車両前方に延びる左右の前方延長部75と、当該左右の前方延長部75の前端部相互間を車幅方向に連結する前側クロスメンバ76と、を備えたサブフレーム77が設けられている。
また、上述の後側クロスメンバ74には、前輪78を懸架するサスペンションアームとしてのロアアーム79を取付けている。上述の前輪78はナックル80により操舵可能に構成されている。
さらに、フロントサイドフレーム73の車幅方向外側において、ダッシュロアパネル71の車幅方向外端側と、フロントバンパフェース81の車幅方向外端後部との間には、前輪ホイールハウス82を設けている。
そして、図7~図9に示すように、前輪ホイールハウス82のタイヤ83外周のトレッド83t(tread、タイヤの踏み面)と対向する面を覆うマッドガード84を備えている。
図9に示すように、このマッドガード84は前側マッドガード部84Fと後側マッドガード部84Rとをアーチ形状に連結したもので、前側マッドガード部84Fの下端には、車両前方に延びる延設部84Eが一体形成されると共に、当該延設部84Eの基端側下面には、下方に突出するデフレクタ85が一体的に取付けられている。
加えて、図7、図8に示すように、前輪ホイールハウス82内とエンジンルーム72内とは、ロアアーム79の挙動を阻害しない形状のスプラッシュシールド86で覆われている。
なお、図7、図8において、87はセットプレート、88は取付けプレート、89はサブクラッシュカン、90はアンダカバーである。
図8に矢印X,Y,Zで示すように、一旦、前輪ホイールハウス82内に流入した走行風は、前輪ホイールハウス82下端からフロア下を流れる走行風(矢印X参照)と、後側マッドガード部84Rとタイヤ83外周との間の空隙から流出する走行風(矢印Y参照)と、ブレーキロータ91を含む前輪ブレーキを冷却した後に、タイヤ83のスポーク間から流出する走行風(矢印Z参照)と、に分かれる。
上述の走行風X,Y,Zのうち車体側面に流出する走行風Y,Zにより、車体側面流の乱れを引き起こし、この車体側面流の乱れに起因して、車体後流が乱れることで、空気抗力係数(いわゆるCd値)が悪化することになる。
上述の空気抗力係数の向上を図るためには、前輪用のデフレクタ85(図9参照)等によりフロア下から前輪ホイールハウス82に流入する走行風を減少させる構造を採用するのが一般的であった。
ところで、特許文献1には、ホイールハウス内における前輪に対する車体前後方向の後方に設けられ、車幅方向に延在させると共に車体上下方向の下側を向く空気流衝突壁と、空気流衝突壁における前輪から遠い側の端部から車体上下方向の下向きに延設された空気流案内壁と、空気流案内壁および空気流衝突壁の少なくとも一方における車幅方向の一部に形成され該車幅方向との交差方向に沿って延在する内向壁を含む段差部と、を備えた車両用空力構造が開示されており、この空力構造によりホイールハウス内を効果的に整流するよう構成している。
また、特許文献2には、車両の車体前部の空気導入口から導入された空気の流れが空気通路を通ってホイールハウスのマッドガードに開口された空気噴出口から噴出し、車輪の外周面に衝突してホイールハウス内の圧力が上昇し、これにより、バンパ下部と路面との間を経て車体下部からホイールハウス内に流入する空気の流れを減少させ、ホイールハウスのアーチ上部から外部に乱れた流れが噴出することを抑制し、以て、車両全体の空気抵抗を低減するよう構成した車両ホイールハウスの整流装置が開示されている。
上述の何れの特許文献1,2に開示された従来構造においても、前輪ホイールハウスから車体側面に流出する走行風を低減する程度のものに過ぎなかった。
特開2009-067159号公報 特開2014-125013号公報
本発明者等は、諸種の実験を繰返した結果、マッドガード形状により、タイヤ後面とホイールアーチとの間の空隙から車体側面流をホイールハウス内に引き込むことで、前輪ホイールハウス部の混合渦を抑制し、エネルギロスを最小化することを見出した。
そこで、この発明は、マッドガードの形状工夫のみで、前輪ホイールハウス後部の車体側面流の流れを抑制すると共に、前輪ホイールハウスよりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図ることができる車体前部構造の提供を目的とする。
この発明による車体前部構造は、前輪ホイールハウスのタイヤ外周のトレッドと対向する面を覆うマッドガードを備えた車体前部構造であって、上記マッドガードは、タイヤトレッド後面と対向する後面部と、当該後面部から接続部を介してタイヤの車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ内面と対向する内面部と、を有し、ホイール中心高さ部位およびその上側近傍部位において上記接続部の車両平面視における曲率が、その下部の曲率に対して小さく形成され、上記マッドガードに上記ホイール中心高さ部位から下方に延長された内面部の下方延長部を設け、当該下方延長部の下端がサブフレームに取付けられたものである。
上記構成によれば、マッドガードの上記接続部の曲率により、タイヤトレッド後面とマッドガードとの間の空間から車幅方向内側への空気の流れを速め、前輪タイヤ直後とホイールアーチ後縁部との間の空隙から、タイヤ外側面を通過した乱れた境界層的な空気の流れを、前輪ホイールハウス内に吸い込み、上記接続部の曲率に沿って前方へ指向する逆流を生成する。
この結果、マッドガードの形状工夫のみで前輪ホイールハウス後部の車体側面流の乱れを抑制することができると共に、前輪ホイールハウスよりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図ることができる。
しかも、上記マッドガードに上記ホイール中心高さ部位から下方に延長された内面部の下方延長部を設け、当該下方延長部の下端がサブフレームに取付けられたものであるから、車体形状にかかわらず、上記下方延長部を既存の部材(サブフレーム)を用いて確実に車体側に固定することができる
この発明によれば、マッドガードの形状工夫のみで、前輪ホイールハウス後部の車体側面流の乱れを抑制すると共に、前輪ホイールハウスよりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図ることができる効果がある。
本発明の車体前部構造を備えた車両前部の側面図 車体前部構造を示す斜視図 図2の平面図 図3の要部拡大平面図 マッドガードの斜視図 (a)は実施例のシミュレーション解析による流れの乱れの大きさを示す説明図、(b)は従来例のシミュレーション解析による流れの乱れの大きさを示す説明図 従来の車体前部構造を示す斜視図 図7の平面図 従来のマッドガードの構造を示す斜視図
マッドガードの形状工夫のみで、前輪ホイールハウス後部の車体側面流の乱れを抑制すると共に、前輪ホイールハウスよりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図るという目的を、前輪ホイールハウスのタイヤ外周のトレッドと対向する面を覆うマッドガードを備えた車体前部構造であって、上記マッドガードは、タイヤトレッド後面と対向する後面部と、当該後面部から接続部を介してタイヤの車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ内面と対向する内面部と、を有し、ホイール中心高さ部位およびその上側近傍部位において上記接続部の車両平面視における曲率が、その下部の曲率に対して小さく形成され、上記マッドガードに上記ホイール中心高さ部位から下方に延長された内面部の下方延長部を設け、当該下方延長部の下端がサブフレームに取付けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1は本発明の車体前部構造を備えた車両前部の側面図、図2は車体前部構造を示す斜視図、図3は図2の平面図、図4は図3の要部拡大平面図、図5はマッドガードの斜視図である。但し、図5においては図示の便宜上、車両右側のマッドガードを示すが、車両左側のマッドガードは車両右側のマッドガードと左右対称に形成されている。
図1において、エンジンルーム1の上方をボンネット2で覆い、エンジンルーム1の側方をフロントフェンダパネル3で覆い、エンジンルーム1の前方をフロントバンパフェース4で覆っている。
上述のフロントフェンダパネル3の後部には、ヒンジピラー5(図2、図3参照)と、フロントピラー6と、サイドシル7と、図示しないセンタピラーおよびルーフサイドレールとで囲繞されたフロントドア開口部8を形成しており、このフロントドア開口部8をサイドドアであるフロントドア9で開閉可能に覆っている。
また、上述のサイドシル7におけるサイドシルアウタの車幅方向外側および下側を覆うガーニッシュ10(詳しくはサイドシルガーニッシュ)を設け、このガーニッシュ10をサイドシル7に沿って車両前後方向に延設している。
さらに、前輪ホイールハウス11の前部下端には、車両下方へ突出するデフレクタ12(詳しくは、タイヤデフレクタ)を設け、このデフレクタ12でフロア下から前輪ホイールハウス11に流入する走行風を減少すべく構成している。
なお、図1において、13はフロントウインドガラス、14はヘッドランプ、15は前輪である。
図2、図3において、エンジンルーム1と車室とを車両前後方向に仕切るダッシュロアパネル(ダッシュパネル)を設け、該ダッシュロアパネルからエンジンルーム1の左右両サイド(但し、図2、図3においては車両左側の構成のみを示す)を車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム16が設けられている。
このフロントサイドフレーム16は、フロントサイドフレームインナ17とフロントサイドフレームアウタ18とを接合固定して、車両前後方向に延びる閉断面19を形成した車体強度部材であって、当該フロントサイドフレーム16の前端部には、セットプレート20(図2参照)、および、取付けプレートを介してメインクラッシュカン(図示せず)が取付けられている。
また、上述のフロントサイドフレーム16の後部には、該フロントサイドフレーム16と前後方向に連続するようにフロアフレーム21が連設されている(図3参照)。
上述のフロアフレーム21は逆ハット形状の断面構造に形成されており、車室の床面を形成するフロアパネル22との間に、車両前後方向に延びる閉断面を形成するものである。
上述のフロアパネル22の車幅方向中央部には、図2に示すように、車室側に突出するトンネル部23が、当該フロアパネル22と一体、または一体的に形成されている。なお、この実施例では、フロアパネル22とトンネル部23とを別部材にて形成している。
図2、図3に示すように、エンジンルーム1の下部にはサブフレーム25を設けている。
このサブフレーム25は、車幅方向に延びてサブフレーム本体を形成する後側クロスメンバ26と、該後側クロスメンバ26の車幅方向の側部から車両前方に延びる左右一対の前方延長部27(但し、図面では車両左側の前方延長部27のみを示す)と、当該左右の前方延長部27の前端部相互間を車幅方向に連結する前側クロスメンバ28と、を備えている。
図2、図3に示すように、上述の前方延長部27の前端部には、セットプレート29および取付けプレート30を介して、サブクラッシュカン31を取付けている。また、セットプレート29の背面と、前方延長部27前部の車幅方向外側の側面との間には、車両平面視で三角形状の補強部材32を取付けている。
一方、図3に示すように、上述のヒンジピラー5はヒンジピラーアウタ33とヒンジピラーインナ34とを接合固定して、車両の上下方向に延びるヒンジピラー閉断面35を有する車体強度部材である。
このヒンジピラー5におけるヒンジピラーアウタ33にヒンジブラケットを介して開閉可能に取付けられたフロントドア9は、ドアアウタパネル36とドアインナパネル37とをヘミング加工により一体化したものである。
図3に示すように、サブフレーム25の後側クロスメンバ26には、前輪15を懸架するサスペンションアームとしてのロアアーム38を取付けている。
前輪15は、外周のトレッド39tを含むタイヤ39、リム40、スポーク41、ブレーキロータ42等を備えており、ナックル43により操舵可能に構成されている。
図2、図3に示すように、フロントサイドフレーム16の車幅方向外側において、ダッシュロアパネルの車幅方向外端側と、フロントバンパフェース4の車幅方向外端後部との間には、上述の前輪ホイールハウス11を設けている。
そして、図2、図3に示すように、前輪ホイールハウス11の少なくともタイヤ39外周のトレッド39tと対向する面を覆うマッドガード50を備えている。
図5に示すように、このマッドガード50は車両側面視で前側マッドガード部50Fと後側マッドガード部50Rとをアーチ形状に連結したものである。
上述のマッドガード50の後側マッドガード部50Rは、図4に示すように、タイヤ39外周のトレッド39t後面と対向する後面部51と、当該後面部51から接続部52を介してタイヤ39の車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ39の内面と対向する内面部53と、を有している。
同様に、マッドガード50の前側マッドガード部50Fも、図2、図3に示すように、タイヤ39外周のトレッド39t前面と対向する前面部54と、当該前面部54から接続部55を介してタイヤ39の車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ39の内面と対向する内面部56と、を有している。
図5に示すように、前側マッドガード部50Fと後側マッドガード部50Rとは、マッドガード頂部の連結部57で一体に連結されると共に、マッドガード50の頂部において上記連結部57の車幅方向内側にはサスペンションダンパおよびサスペンションタワーを貫通させるための切欠部58が形成されている。
図5に示すように、後側マッドガード部50Rには、ホイール中心WHC(図1、図2参照)の高さ部位から下方に延長された内面部53の下方延長部53Eを設け、この下方延長部53Eの下端がサブフレーム25に取付けられている。
詳しくは、上述の下方延長部53Eの下端前後に取付け孔59,59を形成し、これらの各取付け孔59を、クリップ等の取付け部材を用いて、後側クロスメンバ26の車幅方向外側部に直接、またはブラケットを介して後側クロスメンバ26に取付けている。
また、図5に示すように、上述の下方延長部53Eよりも上側における内面部53は、車体のフロントサイドフレーム16の外側板材に取付けられている。
詳しくは、上述の内面部53の上下に取付け孔60,60を形成し、これらの各取付け孔60をクリップ等の取付け部材を用いて、フロントサイドフレーム16の外側板材としてのフロントサイドフレームアウタ18に直接、またはブラケットを介してフロントサイドフレームアウタ18に取付けている。
図5に示すように、後側マッドガード部50Rにおける接続部52の上端部にも取付け孔61を形成し、この取付け孔61をクリップ等の取付け部材を用いて、エプロンパネルに直接または間接的に取付けるよう構成している。
図5に示すように、後側マッドガード部50Rにおける接続部52の下端部にも取付け孔62を形成し、この取付け孔62をクリップ等の取付け部材を用いて、アンダカバーに直接または間接的に取付けるよう構成している。
図5に示すように、後側マッドガード部50Rにおける後面部51の車幅方向外側下部にも取付け孔63を形成し、この取付け孔63をクリップ等の取付け部材を用いて、サイドシル7の前端に取付けるよう構成している。
図5に示すように、前側マッドガード部50Fにおける接続部55の上下方向中間部位にも取付け孔64を形成し、この取付け孔64をクリップ等の取付け部材を用いて、バンパステーに直接または間接的に取付けるよう構成している。
図5に示すように、前側マッドガード部50Fの前面部54および接続部55の下端部にも取付け孔65,65を形成し、この取付け孔65をクリップ等の取付け部材を用いて、後述する前輪デフレクタパネル46(図3参照)に取付けるよう構成している。
上述のマッドガード50には、他にも複数の取付け孔が形成されており、これらの各取付け孔をクリップ等の取付け部材を用いて、当該マッドガード50と対向する車体側部材に直接または間接的に取付けるよう構成している。
さらに、図5に示すように、前側マッドガード部50Fおよび後側マッドガード部50Rには、周方向外方に突出する複数のビード66…が一体形成されており、これらの各ビード66によりマッドガード50の剛性向上を図るよう構成している。
しかも、図2~図5に示すように、ホイール中心WHCの高さ部位およびその上側近傍部位において上述の後側マッドガード部50Rの接続部52の車両平面視における曲率(curvature)は、その下部の曲率に対して小さく形成されている。
曲率半径(radius of curvature)をrとするとき、曲率は、曲率半径rの逆数1/rであるから、曲率が小さいことは、曲率半径rが大きいことを意味する。
このように、後側マッドガード部50Rの接続部52における上記所定部の曲率をその下部の曲率に対して小さくすることで、タイヤ39のトレッド39t後面とマッドガード50との間の空間から車幅方向内側への空気の流れ(図3の矢印A参照)を速め、前輪15のタイヤ39直後とホイールアーチ後縁部との間の空隙から、タイヤ39の外側面を通過した乱れた境界層的な空気の流れを、前輪ホイールハウス11内に吸い込み、上記接続部52の曲率に沿って前方へ指向する逆流(図3の矢印B参照)を生成する。
これにより、マッドガード50、特に、後側マッドガード部50Rの形状工夫のみで、前輪ホイールハウス11後部の車体側面流の乱れを抑制すると共に、図3に矢印Bで示す流れによりブレーキ冷却風を確保しつつ、前輪ホイールハウス11よりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図るよう構成したものである。なお、図3において、矢印Cは前輪ホイールハウス11の後部下端からフロア下に流出する走行風を示す。
一方、図2に示すように、前輪ホイールハウス11内とエンジンルーム1内とは、ロアアーム38の挙動を阻害しない形状のスプラッシュシールド45で覆われている。
また、図3に示すように、マッドガード50の前側マッドガード部50Fの下端直前部には、前輪デフレクタパネル46を設けており、図1で示したデフレクタ12は当該前輪デフレクタパネル46に一体または一体的に形成されたものである。
さらに、図2、図3において、47,48はアンダカバーである。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図6の(a)は図1~図5で示した本実施例の車体前部構造を備えた車両のシミュレーション解析による流れの乱れの大きさを示す説明図、図6の(b)は図7~図9で示した従来例の車体前部構造、すなわち、本実施例の接続部52および内面部53を備えていない従来構造の車両のシミュレーション解析による流れの乱れの大きさを示す説明図である。
図6においては、図示の便宜上、流れの乱れの大きさが大きいことを、ハッチング密度の密により示し、流れの乱れの大きさが小さいことを、ハッチング密度の粗により示している。
図6の(a)に示すように、本実施例においては、タイヤ39の外側面を通過した乱れた境界層的な空気の流れを、前輪ホイールハウス11内に吸い込み、接続部52の曲率に沿って前方へ指向する逆流を生成するので、図6の(b)に示す従来例と比較して前輪ホイールハウス11後部の車体側面流の乱れの大きさが相対的に小さくなる。換言すれば、ボディサイドの運動エネルギロスの抑制を図ることができる。
図6の(b)に示すように、従来構造においては、前輪ホイールハウス82とタイヤ83の後側外周との間の空隙、並びに、スポーク間から車体側面に流出する走行風により、車体側面流が乱れるので、図6の(a)に示す本実施例と比較して前輪ホイールハウス82後部の車体側面流の乱れの大きさが相対的に大きくなる。換言すれば、ボディサイドの運動エネルギロスが相対的に大きくなる。
なお、図1~図4においては車両の左側の構成のみを示したが、車両の右側の構成は車両左側のそれと左右対称または左右略対称に形成されており、図5においては車両右側のマッドガードの構成のみを示したが、車両左側のマッドガードは車両右側のそれと左右対称または左右略対称に形成されている。
このように、上記実施例の車体前部構造は、前輪ホイールハウス11のタイヤ39外周のトレッド39tと対向する面を覆うマッドガード50(特に、後側マッドガード部50R参照)を備えた車体前部構造であって、上記マッドガード50は、タイヤ39のトレッド39t後面と対向する後面部51と、当該後面部51から接続部52を介してタイヤ39の車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ39内面と対向する内面部53と、を有し、ホイール中心WHC高さ部位およびその上側近傍部位において上記接続部52の車両平面視における曲率が、その下部の曲率に対して小さく形成されたものである(図1~図5参照)。
この構成によれば、マッドガード50の上記接続部52の曲率により、タイヤ39のトレッド39t後面とマッドガード50との間の空間から車幅方向内側への空気の流れ(図3の矢印A参照)を速め、前輪15のタイヤ39直後とホイールアーチ後縁部との間の空隙から、タイヤ39外側面を通過した乱れた境界層的な空気の流れを、前輪ホイールハウス11内に吸い込み、上記接続部52の曲率に沿って前方へ指向する逆流(図3の矢印B参照)を生成する。
この結果、マッドガード50の形状工夫のみで前輪ホイールハウス11後部の車体側面流の乱れを抑制することができると共に、図3に矢印Bで示す流れによりブレーキ冷却風を確保しつつ、前輪ホイールハウス11よりも前側の車体外観デザインの自由度拡大を図ることができる。
また、この発明の一実施形態においては、上記マッドガード50に上記ホイール中心WHC高さ部位から下方に延長された内面部53の下方延長部53Eを設け、当該下方延長部53Eの下端がサブフレーム25に取付けられたものである(図2、図3、図5参照)。
この構成によれば、車体形状にかかわらず、上記下方延長部53Eを既存の部材(サブフレーム25)を用いて確実に車体側に固定することができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記内面部53が、車体のフロントサイドフレーム16の外側板材(フロントサイドフレームアウタ18参照)に取付けられたものである(図3、図5参照)。
この構成によれば、車体形状にかかわらず上記内面部53を既存の部材(フロントサイドフレーム16の外側板材)を用いて確実に車体側に固定することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロントサイドフレーム16の外側板材は、実施例のフロントサイドフレームアウタ18に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては内燃機関搭載車両を例示したが、電気自動車の場合には、エンジンルームに代えてモータルームを採用すればよい。
以上説明したように、本発明は、前輪ホイールハウスのタイヤ外周のトレッドと対向する面を覆うマッドガードを備えた車体前部構造について有用である。
11…前輪ホイールハウス
16…フロントサイドフレーム
18…フロントサイドフレームアウタ(外側板材)
25…サブフレーム
39…タイヤ
39t…トレッド
50…マッドガード
51…後面部
52…接続部
53…内面部
53E…下方延長部
WHC…ホイール中心

Claims (1)

  1. 前輪ホイールハウスのタイヤ外周のトレッドと対向する面を覆うマッドガードを備えた車体前部構造であって、
    上記マッドガードは、タイヤトレッド後面と対向する後面部と、当該後面部から接続部を介してタイヤの車幅方向の内側に回り込んで当該タイヤ内面と対向する内面部と、を有し、
    ホイール中心高さ部位およびその上側近傍部位において上記接続部の車両平面視における曲率が、その下部の曲率に対して小さく形成され、
    上記マッドガードに上記ホイール中心高さ部位から下方に延長された内面部の下方延長部を設け、
    当該下方延長部の下端がサブフレームに取付けられたことを特徴とする
    車体前部構造
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