JP5867420B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Description
この発明は、フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、この膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えたような車両の前部車体構造に関する。
一般に、カウルパネルには、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、フロントウインドウ部材を支持する所謂ガラス支持剛性と歩行者保護性能の確保とを備えることが要求される。
そこで、本発明者等は次のような構造のカウルパネルを備えた車両の前部車体構造を検討している。
そこで、本発明者等は次のような構造のカウルパネルを備えた車両の前部車体構造を検討している。
すなわち、図13に側面図で示すように、フロントウインドウ部材81の傾斜下端部を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部82と、この膨出部82の下端から下方に延びる縦壁部83と、を有し、断面略S字形状のカウルパネル84(いわゆるS字カウル)を備えた車両の前部車体構造である。
このように構成することで、膨出部82によりカウルパネル84の後方のスペースを広く確保することができるので、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、上記膨出部82が前方へ張り出した形状であるため、ガラス支持剛性の確保ができ、また図13に矢印で示す衝突荷重の入力時には、その第1段階で、膨出部82が変形してエネルギを吸収し、その後の第2段階で縦壁部83が後方かつ下方に倒れてエネルギを吸収するので、歩行者保護性能を確保することができる。
図13に示すように、断面略S字形状のカウルパネル84の助手席側背面には、空調装置85の外気導入ダクト86の前端開口部(いわゆるダクト開口)が、ウレタン部材87等を介して気密状に当接されており、空調装置85は車体に対して強固に固定されている関係上、次のような新たな課題が生ずることが判明した。
つまり、衝突荷重の吸収時にカウルパネル84は図13に2点鎖線αで示すように変形し、外気導入ダクト86は同図に点線βで示すように変形して、外気導入ダクト86が、変形した断面略S字形状のカウルパネル84の膨出部82に挟まれ、歩行者保護性能への影響が生じる。
また、外気導入ダクト86には車両の略前後方向に延びる稜線86aが存在し、この稜線86aが前後方向に突っ張って、エネルギ吸収時に折れ点β1が発生して、外気導入ダクト86が図13に点線βで示すように側面視で「への字形状」に変形する。
つまり、衝突荷重の吸収時にカウルパネル84は図13に2点鎖線αで示すように変形し、外気導入ダクト86は同図に点線βで示すように変形して、外気導入ダクト86が、変形した断面略S字形状のカウルパネル84の膨出部82に挟まれ、歩行者保護性能への影響が生じる。
また、外気導入ダクト86には車両の略前後方向に延びる稜線86aが存在し、この稜線86aが前後方向に突っ張って、エネルギ吸収時に折れ点β1が発生して、外気導入ダクト86が図13に点線βで示すように側面視で「への字形状」に変形する。
さらに、同図に点線β2,β3で示すように、外気導入ダクト86の下部が空調装置85の空調装置本体に対して底付き、該外気導入ダクト86の下部が突っ張ることになるので、衝撃吸収にはストロークが必要であるにもかかわらず、斯る底付きにより衝撃吸収ストロークが短くなる。
上述のような、外気導入ダクトの挟まれ変形、折れ点発生(への字変形)、底付き、という新たな課題が生ずることが判明した。
上述のような、外気導入ダクトの挟まれ変形、折れ点発生(への字変形)、底付き、という新たな課題が生ずることが判明した。
ところで、特許文献1には、車体の側面視でU字形状とされるフロントカウルと、該フロントカウルの内部空間を通し外気を導入する外気導入口の開口縁部がフロントカウルの後縦壁にボルト結合される空気調和装置とを備え、空気調和装置のダクトにおける外気導入口の開口縁部と、この開口縁部がボルト結合された後縦壁の部分とのそれぞれの縦方向中途部に、フロントカウルが衝撃力を受けた時に、このフロントカウルの塑性変形を促進させるべく、側面視で「くの字状」の脆弱部を形成した車両の前部車体構造が開示されている。
つまり、この特許文献1に開示された従来構造は、ダクトをボルト締結することによりフロントカウルの後縦壁が強固になり過ぎるのを、上記脆弱部にて防止するものである。
しかしながら、該特許文献1には本発明の技術的課題および構成の開示が全くないものである。
つまり、この特許文献1に開示された従来構造は、ダクトをボルト締結することによりフロントカウルの後縦壁が強固になり過ぎるのを、上記脆弱部にて防止するものである。
しかしながら、該特許文献1には本発明の技術的課題および構成の開示が全くないものである。
そこで、この発明は、外気導入ダクトがカウルパネルの膨出部に挟まれることを低減し、カウルパネルの膨出部の折れ荷重の低減を図り、以て、歩行者保護性能の向上を図ることができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の前部車体構造は、フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、該膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造であって、上記膨出部に設けられた開口部に、空調装置の外気導入ダクトの開口が当接されており、上記外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面に、上記膨出部が外部から衝突荷重を受けた時に上記外気導入ダクトの開口の車体後方への変形を促進する変形促進部が設けられたものである。
上述の変形促進部は、ダクト側面に形成するスリットであってもよく、または薄肉部やV字状のノッチであってもよい。但し、ダクト側面にスリットを開口形成する場合には、当該スリットの表裏両面を、空気を通さないで、かつ、変形促進性能に影響を与えないテープ等で覆うことが好ましい。
上述の変形促進部は、ダクト側面に形成するスリットであってもよく、または薄肉部やV字状のノッチであってもよい。但し、ダクト側面にスリットを開口形成する場合には、当該スリットの表裏両面を、空気を通さないで、かつ、変形促進性能に影響を与えないテープ等で覆うことが好ましい。
上記構成によれば、カウルパネルの膨出部が外部から衝突荷重を受けた時、上記変形促進部により外気導入ダクトの開口側つまり前端部が車体後方へ変形し、該外気導入ダクトが後方へ移動するので、カウルパネルの膨出部に対して外気導入ダクトが挟まれることを低減し、これにより、カウルパネルの膨出部の折れ荷重が低減される。よって、膨出部の変形によりエネルギを吸収し、歩行者保護性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記変形促進部は、側面視で、上記開口部側において上下方向に延びる第1脆弱部で形成されたものである。
上記構成によれば、変形促進部を、膨出部の開口部側で上下方向に延びる第1脆弱部で形成したので、膨出部が外部から衝突荷重を受けた時、外気導入ダクト前端側の第1脆弱部により、該外気導入ダクトが後方へ移動し、当該ダクトの膨出部への挟まれが低減される。このため、カウルパネルの膨出部の折れ荷重が低減されて、歩行者保護性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記変形促進部は、外気導入ダクトの後方側で上下方向に延びる第2脆弱部と、上記第1脆弱部の下端と第2脆弱部の下端とを前後方向につなぐ第3脆弱部とを備えたものである。
上記構成によれば、第1脆弱部と第2脆弱部と第3脆弱部とが、側面視で凹形状に連続する構成となり、上記第1、第2、第3の各脆弱部で囲まれた外気導入ダクトの所定部位が、衝突荷重の入力時に、蓋が開くように後方移動するので、カウルパネルの膨出部内に位置する外気導入ダクトの後方への座屈変形がさらに容易となる。また、上記所定部位が、蓋が開くように変形することで、外気導入ダクト上面の側面視への字変形と底付きとが抑制され、カウルパネルにおける膨出部の折れ荷重をさらに低減することができる。
この発明の一実施態様においては、上記外気導入ダクトの側面と上面との間に角部が形成されたものにおいて、上記変形促進部が上記側面から角部を通って上面にも連続して形成されたものである。
上述の角部は、車両の略前後方向に延びる稜線と同意である。
上述の角部は、車両の略前後方向に延びる稜線と同意である。
上記構成によれば、変形促進部を、ダクト側面から角部を通ってダクト上面に至るように連続形成したので、外気導入ダクトが角部を備えていても、該ダクトのへの字変形をさらに確実に防止することができ、外気導入ダクトの角部による後方変形の阻害を抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、上記変形促進部は、側面視で上記カウルパネルの膨出部より後方に設けられたものである。
上記構成によれば、カウルパネルの膨出部よりも後方に変形促進部を設けたので、衝突荷重入力時に、カウルパネルの膨出部内の外気導入ダクトを円滑に後方へ移動させながら座屈変形することができる。
よって、歩行者保護性能のさらなる向上を図ることができる。
よって、歩行者保護性能のさらなる向上を図ることができる。
この発明によれば、フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、該膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造において、上記膨出部に設けられた開口部に、空調装置の外気導入ダクトの開口を当接し、上記外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面に、上記膨出部が外部から衝突荷重を受けた時に上記外気導入ダクトの開口の車体後方への変形を促進する変形促進部を設けたので、膨出部が外部から衝突荷重を受けた時、変形促進部により外気導入ダクトの開口が後方へ変形し、該外気導入ダクトが後方へ移動して、膨出部に外気導入ダクトが挟まれるのを低減し、これにより、カウルパネルの膨出部の折れ荷重が低減する。よって、膨出部の変形により衝突エネルギを吸収し、以って、歩行者保護性能の向上を図ることができる効果がある。
外気導入ダクトがカウルパネルの膨出部に挟まれることを低減し、カウルパネルの膨出部の折れ荷重の低減を図り、以て、歩行者保護性能の向上を図るという目的を、フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、該膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造において、上記膨出部に設けられた開口部に、空調装置の外気導入ダクトの開口が当接されており、上記外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面に、上記膨出部が外部から衝突荷重を受けた時に上記外気導入ダクトの開口の車体後方への変形を促進する変形促進部が設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1はその側面図、図2は図1の平面図、図3は要部の背面図、図4、図5はそれぞれ異なる方向から見た状態で示すカウルパネルの斜視図、図6はカウルパネルの底面図、図7は図6のA−A線矢視断面図、図8は図6のB−B線矢視断面図である。
図1,図2,図7,図8において、充填剤としての接着剤10を介してフロントウインドウ部材11の傾斜下部をその車幅方向の略全幅にわたって下方から支持するカウルパネル20を設けている。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1はその側面図、図2は図1の平面図、図3は要部の背面図、図4、図5はそれぞれ異なる方向から見た状態で示すカウルパネルの斜視図、図6はカウルパネルの底面図、図7は図6のA−A線矢視断面図、図8は図6のB−B線矢視断面図である。
図1,図2,図7,図8において、充填剤としての接着剤10を介してフロントウインドウ部材11の傾斜下部をその車幅方向の略全幅にわたって下方から支持するカウルパネル20を設けている。
このカウルパネル20は、フロントウインドウ部材11の傾斜下部における車幅方向の長さと略同等の車幅方向長さを有するもので、該カウルパネル20は、フロントウインドウ部材11が接合される上面部21と、この上面部21の下方につながって車両前方に円弧状に膨出する側面視略C字形状の膨出部22と、この膨出部22の下部に該膨出部22の下部のコーナアール部22Rを介して、該コーナアール部22Rから下方に延びる縦壁部23と、この縦壁部23の下端から車両前方に延びる下面部24とを有している。
図5に斜視図で示すように、上述の膨出部22は、その車幅方向の中央部22Cほど車両前側に張り出している。すなわち、膨出部22の前方への張り出し量は車幅方向中央部22Cで最大となり、車幅方向中央部22Cから車幅方向の左右に行くに従って、張り出し量が漸減するように形成されている。
また、図6に底面図で示すように、上述の縦壁部23の下端は、少なくとも車幅方向の中央部23C付近において車幅方向に延びる略直線状に形成されている。
この実施例では、縦壁部23を円滑に倒すことを目的として、図4,図5,図6に示すように、縦壁部23の下端における車幅方向全幅のうちの車幅方向長さLで示す過半部に略直線部23Aを形成している。
また、図6に底面図で示すように、上述の縦壁部23の下端は、少なくとも車幅方向の中央部23C付近において車幅方向に延びる略直線状に形成されている。
この実施例では、縦壁部23を円滑に倒すことを目的として、図4,図5,図6に示すように、縦壁部23の下端における車幅方向全幅のうちの車幅方向長さLで示す過半部に略直線部23Aを形成している。
そして、図1,図7,図8に示すように、上面部21、膨出部22、縦壁部23、下面部24を、側面視の断面形状が略S字形状となるように一体形成している。このようにカウルパネル20を断面略S字形状と成して、膨出部22により、カウルパネル20の後方スペースを広く確保することで、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、膨出部22の前方張り出し構造により、フロントウインドウ部材11の支持剛性、つまりガラス支持剛性の確保ができ、また、衝突荷重の入力時には、図10の(a)に示すノーマル状態(変形前の状態)から、その第1段階(変形初期)で図10の(b)に示すように、膨出部22が変形してエネルギを吸収し、これにより、歩行者保護性能を確保すべく構成している。
なお、上述のフロントウインドウ部材11の車幅方向両側の側縁部には、ヒンジピラー上端からルーフサイドレールにかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー(図示せず)が設けられており、フロントウインドウ部材11の車幅方向両側の側縁部は、該フロントピラーで支持されている。
なお、上述のフロントウインドウ部材11の車幅方向両側の側縁部には、ヒンジピラー上端からルーフサイドレールにかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー(図示せず)が設けられており、フロントウインドウ部材11の車幅方向両側の側縁部は、該フロントピラーで支持されている。
ここで、図7,図8,図10の(a)に示すように、カウルパネル20の下面部24は略水平に形成されており、この下面部24と縦壁部23とのなす角度θは90度以上、好ましくは略90度に設定されていて、衝突荷重入力時における縦壁部23の後方への倒れやすさを確保すると共に、断面略S字形状のカウルパネル20の上部と下部との実長差を可及的小さくし、当該カウルパネルのプレス成形時における成形歩留りの向上を図るように構成している。
なお、図中、20Lはカウルパネル20の車幅方向左端を示し、20Rはカウルパネル20の車幅方向右端を示す。
なお、図中、20Lはカウルパネル20の車幅方向左端を示し、20Rはカウルパネル20の車幅方向右端を示す。
図4,図7,図8に示すように、カウルパネル20の車両後方側に接合される複数の補強部材30…を設けている。この実施例では、カウルパネル20の車幅方向中央部後面と、この車幅方向中央部から所定距離車幅方向の左右にオフセットした位置の後面と、の合計3箇所に補強部材30…を設けている。この実施例では、合計3つ補強部材30は何れも上述の略直線部23Aの範囲内に設けられている。
これらの各補強部材30は、その上部にカウルパネル20の上面部21下側に接合される第1接合部31を有し、その下部にカウルパネル20の縦壁部23の後面(つまり背面)に接合される第2接合部32を有し、上述の第1接合部31と第2接合部32との間には、衝撃吸収時に後方へ突出する折曲げ部33が形成されている。
これらの各補強部材30は、その上部にカウルパネル20の上面部21下側に接合される第1接合部31を有し、その下部にカウルパネル20の縦壁部23の後面(つまり背面)に接合される第2接合部32を有し、上述の第1接合部31と第2接合部32との間には、衝撃吸収時に後方へ突出する折曲げ部33が形成されている。
上述の第1接合部31は、前低後高状にスラント形成されており、この第1接合部31は、カウルパネル20の上面部21とフロントウインドウ部材11との接合部、すなわち、接着剤10の配設位置近傍に接合されている。特に、車幅方向中央部に位置する補強部材30においては、その折曲げ部33が第1接合部31と第2接合部32との上下方向中間よりも下方位置に形成されている。
この構成により、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、歩行者保護性能を確保した断面略S字形状のカウルパネル構造において、上述の補強部材30によりガラス支持剛性の向上を図って、NVH性能の確保、特に、こもり音を低減すべく構成している。
図7,図8に示すように、上述の補強部材30は上端側の第1接合部31と折曲げ部33との間の上片部34と、折曲げ部33と下端側の第2接合部32との間の下片部35とを備えており、上片部34と下片部35との成す角は鈍角(詳しくは、90度+フロントウインドウ部材11の水平に対する傾斜角度)に設定されている。
ここで、上述の上片部34は側面視で、前高後低形状に形成されており、上述の下片部35は側面視で、上下方向に略真っ直ぐに形成されている。
また、図7,図8に示すように、カウルパネル20の長手方向と垂直な断面視において、上述の補強部材30の上片部34は、フロントウインドウ部材11と略垂直(つまり略直角)になるように形成されており、これにより、ガラス支持剛性のさらなる向上を図るように構成している。
ここで、上述の上片部34は側面視で、前高後低形状に形成されており、上述の下片部35は側面視で、上下方向に略真っ直ぐに形成されている。
また、図7,図8に示すように、カウルパネル20の長手方向と垂直な断面視において、上述の補強部材30の上片部34は、フロントウインドウ部材11と略垂直(つまり略直角)になるように形成されており、これにより、ガラス支持剛性のさらなる向上を図るように構成している。
さらに、図4に示すように、上述の補強部材30における第1接合部31の車幅方向の幅は、上片部34の車幅方向の幅よりも幅広に形成されており、この幅広の第1接合部31がカウルパネル20の上面部21下面に接合されており、これにより、ガラス支持剛性をより一層向上させると共に、溶接ガンの作業スペースを確保して、接合容易化を図るように構成している。
図7,図8に示すように、カウルパネル20の下面部24の前側には、側面視で断面が略凹状のカウルフロントパネル12を接合固定しており、このカウルフロントパネル12と上述の断面略S字形状のカウルパネル20との両者により、オープンカウルを構成している。
ここで、上述のカウルフロントパネル12は、その後部がカウルパネル20の下面部24における前側上面に接合される下面部12aと、この下面部12aの前端から上方に立上がる縦壁部12bと、この縦壁部12bの上端から前方に延びる上面部12cとを一体形成したものである。
ここで、上述のカウルフロントパネル12は、その後部がカウルパネル20の下面部24における前側上面に接合される下面部12aと、この下面部12aの前端から上方に立上がる縦壁部12bと、この縦壁部12bの上端から前方に延びる上面部12cとを一体形成したものである。
上述のカウルパネル20の下面部24と、車体フロアパネルとの間には、上下方向および車幅方向に延びるダッシュパネル(図示せず)が立設固定され、このダッシュパネルによりその前側のエンジンルームと後側の車室とを車両の前後方向に仕切るように構成している。
上述のエンジンルームの上部は、図7,図8に示すボンネット13で開閉可能に覆われており、このボンネット13は外表面を構成するアウタパネル14と、エンジンルーム側の面を構成するインナパネル15とを接合することで構成されている。このボンネット13は、その車幅方向両端の後端部が、図示しないボンネットヒンジを介して車体に連結されており、このボンネットヒンジにより、後端部を支点として開閉可能に支持されている。
上述のエンジンルームの上部は、図7,図8に示すボンネット13で開閉可能に覆われており、このボンネット13は外表面を構成するアウタパネル14と、エンジンルーム側の面を構成するインナパネル15とを接合することで構成されている。このボンネット13は、その車幅方向両端の後端部が、図示しないボンネットヒンジを介して車体に連結されており、このボンネットヒンジにより、後端部を支点として開閉可能に支持されている。
この実施例では、運転席が車両左側に位置し、助手席が車両右側に位置する左ハンドル車を例示しており、図4,図5に示すように、カウルパネル20の助手席側には、外気を取入れるための開口部25が、膨出部22および縦壁部23の上部に形成されている。この開口部25は図5に示すように、車幅方向の幅Wを有する横長形状に形成されている。
一方、車室側には、図1,図2,図3に示すように、空調装置としての空調ユニット40が配設されている。
この空調ユニット40は、フィルタ41,42およびブロア43を備えた空調装置本体44と、空調装置本体44に外気を導入する外気導入ダクト45と、を備えている。この外気導入ダクト45と空調装置本体44のアウタハウジングとは、合成樹脂により一体形成されるものである。
この空調ユニット40は、フィルタ41,42およびブロア43を備えた空調装置本体44と、空調装置本体44に外気を導入する外気導入ダクト45と、を備えている。この外気導入ダクト45と空調装置本体44のアウタハウジングとは、合成樹脂により一体形成されるものである。
図1に示すように、上述の外気導入ダクト45は空調装置本体44から前方かつ上方に延びており、その前端部はウレタン部材46(但し、本実施例の構成の明確化を図る目的で、該ウレタン部材46は図1のみに示し、他図においては、その図示を省略している)を介してカウルパネル20の開口部25口縁に当接されており、このカウルパネル20の開口部25と外気導入ダクト45の前端部の開口(ダクト開口)とが連通するように構成されている。
図3に示すように、上述の外気導入ダクト45は、車幅方向内側に位置する左側面45Aと、車幅方向外側に位置する右側面45Bと、上側に位置する上面45Cと、下側に位置する下面とを、合成樹脂で内部中空形状に一体形成したものである。
また、上述の外気導入ダクト45において、左側面45Aと、上面45Cとの間には、稜線部として車両の略前後方向に延びる角部45Dが形成されると共に、右側面45Bと上面45Cとの間にも、稜線部として車両の略前後方向に延びる角部45Eが形成されている。
また、上述の外気導入ダクト45において、左側面45Aと、上面45Cとの間には、稜線部として車両の略前後方向に延びる角部45Dが形成されると共に、右側面45Bと上面45Cとの間にも、稜線部として車両の略前後方向に延びる角部45Eが形成されている。
さらに、外気導入ダクト45の前端部には、ダクト開口の外方に延びるフランジ部45Fが一体形成されており、このフランジ部45F前面に上述のウレタン部材46が接着固定されていて、このウレタン部材46を介して外気導入ダクト45のフランジ部45Fを、カウルパネル20側の開口部25口縁の背面(リヤ側の面)に気密状に押付けることにより、振動による異音の発生防止と、カウルパネル20と外気導入ダクト45との間の隙間発生防止と、の両方を図るように構成している。
ここで、上述のウレタン部材46はフランジ部45Fの前面に対しては接着固定されているが、カウルパネル20の開口部25の口縁背面に対しては接着されておらず、これにより、後述する衝突荷重入力時の変形促進部による外気導入ダクト45の後方移動を阻害しないように構成している。
ここで、上述のウレタン部材46はフランジ部45Fの前面に対しては接着固定されているが、カウルパネル20の開口部25の口縁背面に対しては接着されておらず、これにより、後述する衝突荷重入力時の変形促進部による外気導入ダクト45の後方移動を阻害しないように構成している。
図9は外気導入ダクト45の要部を拡大して示す斜視図である。図1,図3,図9に示すように、上述の外気導入ダクト45の車幅方向の少なくとも一方の側面として車幅方向内側に位置する左側面45Aには、カウルパネル20の膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時に、上記外気導入ダクト45の開口の車体後方への変形を促進する変形促進部(第1脆弱部51、第2脆弱部52、第3脆弱部53のうち少なくとも第1脆弱部51参照)が設けられている。
上述の変形促進部である第1脆弱部51は、側面視(図1参照)で、膨出部22の開口部25側において上下方向に延びる所定前後幅のスリットで形成されている。
また、上述の変形促進部は、外気導入ダクト45の後方側で上下方向に延びる第2脆弱部52を有し、この第2脆弱部52も所定前後幅のスリットで形成されている。
さらに、上述の変形促進部は、第1脆弱部51の下端と第2脆弱部52の下端とを車両前後方向につなぐ第3脆弱部53を有しており、この第3脆弱部53も所定上下幅のスリットで形成されている。
つまり、上述の変形促進部は第1脆弱部51と第2脆弱部52と第3脆弱部53とで、側面視(図1参照)凹形状に形成されている。
上述の変形促進部である第1脆弱部51は、側面視(図1参照)で、膨出部22の開口部25側において上下方向に延びる所定前後幅のスリットで形成されている。
また、上述の変形促進部は、外気導入ダクト45の後方側で上下方向に延びる第2脆弱部52を有し、この第2脆弱部52も所定前後幅のスリットで形成されている。
さらに、上述の変形促進部は、第1脆弱部51の下端と第2脆弱部52の下端とを車両前後方向につなぐ第3脆弱部53を有しており、この第3脆弱部53も所定上下幅のスリットで形成されている。
つまり、上述の変形促進部は第1脆弱部51と第2脆弱部52と第3脆弱部53とで、側面視(図1参照)凹形状に形成されている。
第1,第2,第3の各脆弱部51,52,53はそれぞれスリットで形成されているので、これらスリットの形成領域の全体を、その表裏両面(ダクトの内外両面)から空気を通さないで、かつ、変形促進性能に影響を与えない脆弱なテープ等を覆うか、または各スリットに沿ってダクトの内外両面から脆弱なテープを貼着するが、変形促進部を構成する各脆弱部51,52,53の形状の明確化を図る目的で、上記テープ(脆弱部材)の図示は省略している。
また、図9に斜視図で示すように、第1脆弱部51と第2脆弱部52との両者は、外気導入ダクト45の左側面45Aから上述の角部45Dを通って当該ダクトの上面45Cにも連続して形成されている。
さらに、図1に側面図で示すように、上述の第1脆弱部51は、側面視で上記カウルパネル20の膨出部22後端部よりも後方の位置に形成されている。
ここで、第1脆弱部51は、膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時、外気導入ダクト45の開口を車体後方へ変形させ、この外気導入ダクト45の後方移動を図って、当該外気導入ダクト45がカウルパネル20の膨出部22に挟まれることを抑制する作用を奏するものである。
ここで、第1脆弱部51は、膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時、外気導入ダクト45の開口を車体後方へ変形させ、この外気導入ダクト45の後方移動を図って、当該外気導入ダクト45がカウルパネル20の膨出部22に挟まれることを抑制する作用を奏するものである。
また、第1脆弱部51と第2脆弱部52と第3脆弱部53とを、側面視で凹形状に連続する構成となすことにより、衝突時に、各脆弱部51,52,53で囲まれた外気導入ダクト45の所定部位が、あたかも蓋が開くように後方移動させ、膨出部22内に位置する外気導入ダクト45の後方への座屈変形を容易と成し、かつ外気導入ダクト45の上面45Cにおける側面視への字変形の抑制を図ると共に、底付きを抑制するものである。
さらに、第1脆弱部51の形成位置を、カウルパネル20の膨出部22後端部よりも後方に設定することで、衝突荷重入力時において、該膨出部22内の外気導入ダクト45を円滑に後方へ移動させつつ座屈変形のさらなる容易化を図ったものである。
さらに、第1脆弱部51の形成位置を、カウルパネル20の膨出部22後端部よりも後方に設定することで、衝突荷重入力時において、該膨出部22内の外気導入ダクト45を円滑に後方へ移動させつつ座屈変形のさらなる容易化を図ったものである。
加えて、上述の各脆弱部51,52,53をスリットにより形成し、各スリットをテープ等の脆弱部材で覆うことにより、簡易な構造で、外気導入ダクト45内に不要な外気が流入せず、空調性能を損なうことなく、衝突荷重入力時の変形促進性を確保すべく構成したものである。
さらにまた、外気導入ダクト45におけるフランジ部45Fの左側面45Aと対向する部位には、上下方向に間隔を隔てて複数の切欠きX,Y,Zを形成している。これら各切欠きX,Y,Zはフランジ部45Fと左側面45Aの前端部とにわたって形成されており、これらの各切欠きX,Y,Zにより、さらなる変形促進を図って、カウルパネル20の膨出部22の折れ荷重を、より一層低減すべく構成している。
さらにまた、外気導入ダクト45におけるフランジ部45Fの左側面45Aと対向する部位には、上下方向に間隔を隔てて複数の切欠きX,Y,Zを形成している。これら各切欠きX,Y,Zはフランジ部45Fと左側面45Aの前端部とにわたって形成されており、これらの各切欠きX,Y,Zにより、さらなる変形促進を図って、カウルパネル20の膨出部22の折れ荷重を、より一層低減すべく構成している。
このように構成した車両の前部車体構造において、フロントウインドウ部材11の傾斜下端部に上方から衝突荷重が入力(図11の矢印参照)すると、図10の(a)に示すノーマル状態から、まず図10の(b)に示すようにカウルパネル20の膨出部22が折畳まれるように変形して、衝突エネルギを吸収する。
衝突荷重のさらなる入力により、図10の(b)に示す状態から同図の(c)に示すように、カウルパネル20の縦壁部23が車両後方に倒れるように変形することで、上述の衝突エネルギがさらに吸収される。
衝突荷重のさらなる入力により、図10の(b)に示す状態から同図の(c)に示すように、カウルパネル20の縦壁部23が車両後方に倒れるように変形することで、上述の衝突エネルギがさらに吸収される。
この場合、カウルパネル20の助手席側においては、図1に示すように、外気導入ダクト45が存在するが、この外気導入ダクト45において膨出部22よりも後方で、かつ縦壁部23に近接する部位には、該ダクト45の左側面45Aに、上下方向に延びる所定前後幅のスリットから成る第1脆弱部51(変形促進部)が形成されているので、衝突荷重の入力時には図1に示す状態から図11に示すように、第1脆弱部51によって外気導入ダクト45の開口側を車体後方へ変形させて、該外気導入ダクト45を後方へ移動させるので、カウルパネル20の膨出部22に対して外気導入ダクト45が挟まれることを抑制することができて、膨出部22の折れ荷重を低減することができ、よって、膨出部22を適切に変形させて、衝突エネルギを吸収し、以って、歩行者保護性能の向上を図ることができる。
さらに、上述の外気導入ダクト45には、第1脆弱部51に加えて、第2脆弱部52と第3脆弱部53とを形成し、これらの各脆弱部51,52,53を側面視で凹形状に連続させているので、衝突荷重の入力時には、図9に示すノーマル状態から図12に示すように、衝突初期において、第1脆弱部51直後のダクト左側面45Aが図12に矢印aで示すように後方に逃げて、所謂挟まれを低減し、衝突後期においては、各脆弱部51,52,53で囲まれた部位が、図12に矢印bで示す如く、蓋が開くように、上方に変形移動して、外気導入ダクト45の上面40Cの側面視への字変形と、底付きとを抑制する。これにより、カウルパネル20の膨出部22の折れ荷重をさらに低減するので、膨出部22は円滑に変形して、衝突エネルギをさらに吸収するものである。
なお、図中、45Gは外気導入ダクトの補強用リブであり、図2における16はワイパブラケット、17はカウルサイドパネルである。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
なお、図中、45Gは外気導入ダクトの補強用リブであり、図2における16はワイパブラケット、17はカウルサイドパネルである。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、フロントウインドウ部材11を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部22と、該膨出部22の下端から下方に延びる縦壁部23と、を有するカウルパネル20を備えた車両の前部車体構造であって、上記膨出部22に設けられた開口部25に、空調装置(空調ユニット40参照)の外気導入ダクト45の開口が当接されており、上記外気導入ダクト45の車幅方向の少なくとも一方の側面(左側面45A参照)に、上記膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時に上記外気導入ダクト45の開口の車体後方への変形を促進する変形促進部(第1脆弱部51参照)が設けられたものである(図1,図5参照)。
この構成によれば、カウルパネル20の膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時、上記変形促進部(第1脆弱部51参照)により外気導入ダクト45の開口側つまり前端部が車体後方へ変形し、該外気導入ダクト45が後方へ移動するので、カウルパネル20の膨出部22に対して外気導入ダクト45が挟まれることを低減し、これにより、カウルパネル20の膨出部22の折れ荷重が低減される。よって、膨出部22の変形により衝突エネルギを吸収し、歩行者保護性能の向上を図ることができる。
また、上記変形促進部は、側面視で、上記開口部25側において上下方向に延びる第1脆弱部51で形成されたものである(図1,図9参照)。
また、上記変形促進部は、側面視で、上記開口部25側において上下方向に延びる第1脆弱部51で形成されたものである(図1,図9参照)。
この構成によれば、変形促進部を、カウルパネル20における膨出部22の開口部25側で上下方向に延びる第1脆弱部51で形成したので、膨出部22が外部から衝突荷重を受けた時、外気導入ダクト45前端側の第1脆弱部51により、該外気導入ダクト45が後方へ移動し、当該ダクト45の膨出部22への挟まれが低減される。このため、カウルパネル20の膨出部22の折れ荷重が低減されて、歩行者保護性能の向上を図ることができる。
さらに、上記変形促進部は、外気導入ダクト45の後方側で上下方向に延びる第2脆弱部52と、上記第1脆弱部51の下端と第2脆弱部52の下端とを前後方向につなぐ第3脆弱部53とを備えたものである(図1,図9参照)。
さらに、上記変形促進部は、外気導入ダクト45の後方側で上下方向に延びる第2脆弱部52と、上記第1脆弱部51の下端と第2脆弱部52の下端とを前後方向につなぐ第3脆弱部53とを備えたものである(図1,図9参照)。
この構成によれば、第1脆弱部51と第2脆弱部52と第3脆弱部53とが、側面視で凹形状に連続する構成となり、上記第1、第2、第3の各脆弱部51,52,53で囲まれた外気導入ダクト45の所定部位が、衝突荷重の入力時に、蓋が開くように後方移動するので、カウルパネル20の膨出部22内に位置する外気導入ダクト45の後方への座屈変形がさらに容易となる。また、上記所定部位が、蓋が開くように変形することで、外気導入ダクト45の上面45Cの側面視への字変形と底付きとが抑制され、カウルパネル20における膨出部22の折れ荷重をさらに低減することができる。
さらにまた、上記外気導入ダクト45の側面(左側面45A参照)と上面45Cとの間に角部45Dが形成されたものにおいて、上記変形促進部(第1脆弱部51、第2脆弱部52参照)が上記側面(左側面45A参照)から角部45Dを通って上面45Cにも連続して形成されたものである(図1,図9参照)。
さらにまた、上記外気導入ダクト45の側面(左側面45A参照)と上面45Cとの間に角部45Dが形成されたものにおいて、上記変形促進部(第1脆弱部51、第2脆弱部52参照)が上記側面(左側面45A参照)から角部45Dを通って上面45Cにも連続して形成されたものである(図1,図9参照)。
この構成によれば、変形促進部を、ダクト45の側面(左側面45A参照)から角部45Dを通ってダクト45の上面45Cに至るように連続形成したので、外気導入ダクト45が角部45Dを備えていても、該ダクト45のへの字変形をさらに確実に防止することができ、外気導入ダクト45の角部45Dによる後方変形の阻害を抑制することができる。
加えて、上記変形促進部は、側面視で上記カウルパネル20の膨出部22より後方に設けられたものである(図1参照)。
加えて、上記変形促進部は、側面視で上記カウルパネル20の膨出部22より後方に設けられたものである(図1参照)。
この構成によれば、カウルパネル20の膨出部22よりも後方に変形促進部(第1脆弱部51参照)を設けたので、衝突荷重入力時に、カウルパネル20の膨出部22内の外気導入ダクト45を円滑に後方へ移動させながら座屈変形することができる。
よって、歩行者保護性能のさらなる向上を図ることができる。
よって、歩行者保護性能のさらなる向上を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の空調装置は、実施例の空調ユニット40に対応し、
以下同様に、
外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面は、左側面45Aに対応し、
変形促進部は、第1脆弱部51、第2脆弱部52、第3脆弱部53に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
この発明の空調装置は、実施例の空調ユニット40に対応し、
以下同様に、
外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面は、左側面45Aに対応し、
変形促進部は、第1脆弱部51、第2脆弱部52、第3脆弱部53に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、変形促進部を外気導入ダクト45の車幅方向の一方の側面(左側面45A)にのみ形成したが、該変形促進部は外気導入ダクト45の車幅方向の左右の両側面45A,45Bにそれぞれ形成してもよい。
また、上述の変形促進部は、上記実施例のスリットによる脆弱部に代えて、薄肉部やV字状のノッチなどの他の脆弱部により構成してもよい。
さらに、上記実施例においては車両の前部車体構造を、左ハンドル車に適用したが、本発明の車両の前部車体構造は、右ハンドル車つまり空調装置の外気導入ダクトが車両左側に位置する車両に適用してもよい。
また、上述の変形促進部は、上記実施例のスリットによる脆弱部に代えて、薄肉部やV字状のノッチなどの他の脆弱部により構成してもよい。
さらに、上記実施例においては車両の前部車体構造を、左ハンドル車に適用したが、本発明の車両の前部車体構造は、右ハンドル車つまり空調装置の外気導入ダクトが車両左側に位置する車両に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、この膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えたような車両の前部車体構造について有用である。
11…フロントウインドウ部材
20…カウルパネル
22…膨出部
23…縦壁部
25…開口部
40…空調ユニット(空調装置)
45…外気導入ダクト
45A…左側面(一方の側面)
45C…上面
45D…角部
51…第1脆弱部(変形促進部)
52…第2脆弱部(変形促進部)
53…第3脆弱部(変形促進部)
20…カウルパネル
22…膨出部
23…縦壁部
25…開口部
40…空調ユニット(空調装置)
45…外気導入ダクト
45A…左側面(一方の側面)
45C…上面
45D…角部
51…第1脆弱部(変形促進部)
52…第2脆弱部(変形促進部)
53…第3脆弱部(変形促進部)
Claims (5)
- フロントウインドウ部材を下方から支持し、支持した部位の下方に側面視での断面が前方に膨出する膨出部と、該膨出部の下端から下方に延びる縦壁部と、を有するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造であって、
上記膨出部に設けられた開口部に、空調装置の外気導入ダクトの開口が当接されており、
上記外気導入ダクトの車幅方向の少なくとも一方の側面に、上記膨出部が外部から衝突荷重を受けた時に上記外気導入ダクトの開口の車体後方への変形を促進する変形促進部が設けられた
車両の前部車体構造。 - 上記変形促進部は、側面視で、上記開口部側において上下方向に延びる第1脆弱部で形成された
請求項1記載の車両の前部車体構造。 - 上記変形促進部は、外気導入ダクトの後方側で上下方向に延びる第2脆弱部と、上記第1脆弱部の下端と第2脆弱部の下端とを前後方向につなぐ第3脆弱部とを備えた
請求項2記載の車両の前部車体構造。 - 上記外気導入ダクトの側面と上面との間に角部が形成されたものにおいて、
上記変形促進部が上記側面から角部を通って上面にも連続して形成された
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。 - 上記変形促進部は、側面視で上記カウルパネルの膨出部より後方に設けられた
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
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