JP3269106B2 - ピリジニウム塩化合物を含有する硬化性組成物 - Google Patents

ピリジニウム塩化合物を含有する硬化性組成物

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JP3269106B2 JP05653292A JP5653292A JP3269106B2 JP 3269106 B2 JP3269106 B2 JP 3269106B2 JP 05653292 A JP05653292 A JP 05653292A JP 5653292 A JP5653292 A JP 5653292A JP 3269106 B2 JP3269106 B2 JP 3269106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性組成物に関し、更
に詳しくは、光照射及び/又は熱により、低温かつ短時
間で硬化するカチオン重合性組成物に関する。該組成物
の硬化物は、優れた物性を有するため塗料、接着剤、イ
ンキ等の材料として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】光照射によりエポキシ化合物などのカチ
オン重合性化合物を硬化させる触媒及びその組成物の例
は、特開昭50−151997号、特開昭50−158
680号等に記載されている。加熱によりエポキシ化合
物などのカチオン重合性化合物を硬化させる触媒及びそ
の組成物が記載されているものとして、特開昭56−1
52833号、特開昭58−37003号、特開昭63
−223002号、特開平2−178319号、特開平
3−17119号などが知られている。また、光照射及
び熱によりエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物
を硬化させる触媒及びその組成物については、特開平2
−196812号などに記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ化合物などの
カチオン重合性化合物をカチオン硬化した化合物は、ア
クリル化合物などのラジカル重合性化合物をラジカル硬
化した化合物に比べ、硬化収縮が小さいことや硬化の際
に酸素の影響を受けないなどの種々の特徴を有してい
る。このカチオン硬化には、一般にカチオン重合触媒が
用いられ、これには光触媒と熱触媒がある。例えば、光
照射によりカチオン重合性化合物を硬化させる触媒とし
て、スルホニウム塩系及び鉄−アレン錯体などがある。
これらの触媒は高い光活性を示すが、通常使用される温
度範囲の加熱によってカチオン重合性組成物を硬化させ
ることができないため、光硬化の後に、加熱処理を行っ
ても厚膜を硬化することはできないという問題点があ
る。一方、特開昭58−37003号、特開昭63−2
23002号、特開平2−178319号、特開平3−
17119などで述べられている触媒は、熱触媒のため
カチオン重合性化合物を光照射で硬化することができな
い上、重合を開始させる温度も高いものが多く実用上問
題がある。また、特開平2−196812号などで述べ
られている触媒は、カチオン重合性化合物を加熱及び光
照射により硬化させることがきると言われているもの
の、光硬化の場合においては、その触媒活性は著しく低
い。
【0004】従って、光と熱の両方に高い活性を示す触
媒及びそれを含有する硬化性組成物は、これまで知られ
ていない。そこで、この光と熱の両方に高い硬化性を示
す組成物が提供されれば、その応用の広さからいって産
業上有益なことは言うまでもない。本発明は、これらの
事情からみてなされたもので、光照射及び/又は熱によ
り、低温かつ短時間で、カチオン重合性化合物を硬化さ
せることができる高性能な硬化性組成物を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意検討したところ、光硬化の場合は
ピリジニウム塩化合物と光照射により活性ラジカルを発
生する化合物を併用することで、ピリジニウム塩化合物
を光カチオン重合触媒として作用させることができ、カ
チオン重合性化合物を光硬化させることが可能となるこ
とを見出し、また、熱硬化の場合はピリジニウム塩化合
物と加熱により活性ラジカルを発生する化合物を併用す
ることで、ピリジニウム塩化合物の分解温度をより低温
度で起こることを見出し、本発明のカチオン重合性化合
物を光及び/又は熱により、低温かつ短時間で硬化させ
る硬化性組成物を得た。
【0006】本発明は、成分(A):カチオン重合性化
合物、成分(B):ピリジニウム塩化合物及び成分
(C):活性ラジカルを発生する化合物を含有してなる
硬化性組成物である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる成分(A)のカチオン重合性化合物として、次の
ような化合物が挙げられる。 (a)エポシキ基を有する化合物として、1,1,3−
テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイ
ド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA型エポシキ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールA型エポシキ樹脂、o−,m−,p−ク
レゾールノボラック型エポシキ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポシキ樹脂、多価アルコールのポリグリシジル
エーテル等のエポシキ化合物がある。
【0008】(b)ビニル化合物として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチ
レン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニ
ルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類;エチニル
ビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエ
ーテル等のアルキニルビニルエーテル類;フェニルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の
アリールビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエ
ーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビ
ニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミ
ンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレング
リコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ
ーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシ
ノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル
類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等
のカチオン重合性窒素含有化合物等がある。
【0009】(C)ビシクロオルソエステル化合物とし
て、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ〔2,2,2〕オクタン,1−エチル−4−
ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等 (d)スピロオルソカーボネート化合物として、1,
5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオ
キサスピロ〔5,5〕ウンデカン等や1,4,6−トリ
オキサスピロ〔4,4〕ノナン,2−メチル−1,4,
6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,1,4,6−
トリオキサスピロ〔4,5〕デカン等のスピロオルソエ
ステル化合物等がある。これらは単独若しくは2種以上
を併用して用いても差し支えない。 (a)〜(d)の内で、殊に(a)のエポシキ基を有す
る化合物が好んで使用される。
【0010】本発明で用いる成分(B)のピリジニウム
塩化合物とは、下記一般式〔1〕、〔2〕で示される化
合物である。ピリジニウム塩化合物〔1〕として、
【0011】
【化1】 (式中、R1は、水素原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等のアルキル基、又はシアノ基を表し、R2
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基
又は置換されているもよいフェニル基を表し、R3及び
4は、水素原子、F、Cl、Br、I等のハロゲン原
子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ニトロ基、
シアノ基、ビニル基、カルバモイル基又はアルカノイル
基を表わし、Xは、SbF6、AsF6、PF6、又はB
4を表す。)ピリジニウム塩化合物[2]として、
【0012】
【化2】 (式中、R5、R6は、水素原子、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル等のアルキル基、F、Cl、Br、I等の
ハロゲン原子、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基を
表し、R7及びR8は、水素原子、F、Cl、Br、I等
のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等
のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、
ニトロ基、シアノ基、ビニル基、カルバモイル基又はア
ルカノイル基を表わし、Xは、SbF6、AsF6、PF
6、又はBF4を表す。)
【0013】本発明で用いられるピリジニウム塩化合物
〔1〕は、例えば、次の方法により得ることができる。
シンナミルブロマイド、クロチルブロマイド、1ーブロ
モー3ーメチルー2ーブテン等の3ー置換ー1ーハロゲ
ノー2ーブテンとピリジン又はピリジン誘導体とを等モ
ルずつ、必要に応じてメチルアルコール、アセトン、ア
セトニトリル等の不活性溶媒存在下にて室温から還流温
度で数時間から30日間反応させ、次いで、得られた生
成物をイオン交換を行うことによって得ることができ
る。イオン交換に用いられる塩としては、例えば、Sb
6 、AsF6 、PF6 又はBF4 のアルカリ金属又は
アリカリ土類金属塩を例示することができる。
【0014】本発明でもちられるピリジニウム塩化合物
〔2〕は、例えば、次の方法により得ることができる。
αーブロモメチルナフタレン又はβーブロモメチルナフ
タレンのようなハロゲン化メチルナフタレン誘導体とピ
リジン又はピリジン誘導体とを等モルずつ、必要に応じ
てメチルアルコール、アセトン、アセトニトリル等の不
活性溶媒存在下にて室温から還流温度で数時間から30
日間反応させ、次いで、得られる生成物をイオン交換さ
せて得ることができる。イオン交換に用いられる塩とし
ては、例えば、SbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4
のアルカリ金属又はアリカリ土類金属塩を例示すること
ができる。
【0015】本発明の成分(C)である活性ラジカルを
発生する化合物とは、加熱又は光照射により活性ラジカ
ルを発生する化合物であり、その例として下記のような
ものが挙げられる。
【0016】(a)光照射により活性ラジカルを発生す
る化合物 光照射により活性ラジカルを発生する化合物としては、
一般的に知られている光ラジカル開始剤が適用でき、例
えばベンジル系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタ
ール系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系などがあ
る。その他にも、アゾイソブチロニトリルなどのアゾ化
合物、アジド化合物、ジスルフィド化合物、パーオキサ
イド化合物などが適用可能である。特に、ケトン系の光
ラジカル開始剤が好ましく適用される。例えば、ベンゾ
フェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフ
ィド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
トン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピル
チオキサントン、アントラキノン、2−エチルアントラ
キノン、1,8−ジクロロアントラキノン、1,2−ベ
ンズアントラキノン、9−フルオレノン、ベンズアンス
ロン、9,10−フェナントレンキノンキサントンなど
が使用される。
【0017】(b)加熱により活性ラジカルを発生する
化合物 加熱により活性ラジカルを発生する化合物としては、一
般的に知られているアゾイソブチロニトリル等のアゾ化
合物、アジド化合物、ジスルフィド化合物、パーオキサ
イド化合物などが適用される。特に、パーオキサイド化
合物が好ましく適用され、例えば下記のようなものが使
用される。メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキ
サイドのようなケトンパーオキサイド;1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサノン、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンのようなパーオキ
シケタール;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサ
イド;ジクミルパパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイドのようなジアルキルパーオキサイド;イソブ
チルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオサイドのようなジアシルパーオキサイド;ジ
イソプロピルパーオキシカーボネートなどのパーオキシ
カーボネート;t−ブチルパーオキシアセテート、クミ
ルパーオキシネオデカネートのようなパーオキシエステ
ル;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイ
ド、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノンなどが適用できる。特に、芳香族のジアシルパ
ーオキサイドやパーオキシエステルなどが好ましく使用
される。
【0018】成分(A)のカチオン重合性化合物と成分
(B)のピリジニウム塩化合物との配合割合は、カチオ
ン重合性化合物100重量部に対し、ピリジニウム塩化
合物0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部の割合で配合する。このピリジニウム塩化合物量が
0.01重量部未満であるとカチオン重合性化合物の硬
化性が低下し、20重量部を超えると硬化物の特性が低
下する。
【0019】一方、成分(A)のカチオン重合性化合物
と成分(C)の活性ラジカルを発生する化合物との配合
割合は、カチオン重合性化合物100部に対し、活性を
発生する化合物0.01〜20重量部、好ましくは0.
1〜10重量部の割合で配合する。活性ラジカルを発生
剤量が、0.01未満であるとカチオン重合性化合物の
光硬化性の低下や硬化温度の低減ができなくなり、20
重量部を超え過剰になると硬化物の特性が低下する。
【0020】本発明の硬化性組成物は、光及び/又は熱
により容易に硬化することがきる。本発明の硬化性組成
物を光硬化する場合は、波長500nm以下の光、特に
紫外線が好適に使用されるため、光源として低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、クセノンランプ、カーボンアーク灯等が
用いられる。熱硬化する場合は、30〜200℃、好ま
しくは、60〜180℃の範囲で使用される。
【0021】また、本発明の硬化性組成物は、α線、β
線、γ線、中性子線、加速電子線のような電離性放射線
によっても容易に短時間で硬化することができる。電離
性放射線による硬化の場合は通常0.5〜60Mrad
の線量の範囲が使用でき、1〜50Mradの範囲が好
ましい。なお、光、電離性放射線及び熱を併用して硬化
させることも可能である。
【0022】本発明の硬化性組成物において、ピリジニ
ウム塩化合物の成分(B)は潜在性熱カチオン重合性開
始剤であるため、カチオン重合性化合物成分(A)を熱
により硬化でき、厚膜硬化が可能である。一方、ピリジ
ニウム塩化合物と光照射により活性ラジカルを発生する
化合物を用いることで、ピリジニウム塩化合物を光触媒
として機能させることができるため、カチオン重合性化
合物を光硬化させることができる。また、ピリジニウム
塩化合物と加熱により活性ラジカルを発生する化合物を
用いることで、ピリジニウム塩化合物の分解温度が低温
度で起こるようになり、カチオン重合性化合物をより低
温度で熱硬化させることができる。
【0023】本発明に用いる成分以外に、例えば、成分
(A)のカチオン重合性化合物として、前記(a)のエ
ポキシ基を有する化合物を用いる場合は、エポキシ樹脂
の硬化剤として通常用いられている、フェノール系硬化
剤、酸無水物類硬化剤等の硬化剤が使用される。また、
本発明の硬化性組成物に必要に応じ、反応性希釈剤、硬
化促進剤、溶剤、顔料、染料、カップリング剤、無機充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維、界面活性剤等を添加して
使用することも可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に
何等限定されるものではない。 実施例1〜50 各種ピリジニウム塩化合物をプロピレンカーボネートに
溶解させ、ERL−4221(UCC社製脂環型エポキ
シ)又はUVR−6410(UCC社製グリシジル型エ
ポキシ)に、純分として2.5 重量部になるように、ま
た、各種活性ラジカルを発生する化合物を、各エポキシ
に対して2.5 重量部添加し、硬化性組成物を調製した。
( 調製時の組成内容の詳細は、表1〜表5に纏めて示し
た)
【0025】比較例1〜50 活性ラジカルを発生する化合物を除いた配合組成で、各
実施例と対応した硬化性組成物を同様に調製した。( 調
製時の組成内容の詳細は、前記表2〜表5に纏めて示し
た)
【0026】<試験用テストピースの作製>実施例及び
比較例の試験I及び試験IIで使用するテストピース
は、前記硬化性組成物を用い、ドクターブレードでブリ
キ板に厚さ10μmになるように塗布して作製した。
【0027】<試験方法> (i)光硬化性試験I テストピースに超高圧水銀灯で5J/ cm2 照射した。こ
の時、塗膜が硬化したものは○印、硬化しなかったもの
には×印で表1(101〜104)、表2に示した。
【0028】
【表101】
【0029】
【表102】
【0030】
【表103】
【0031】
【表104】
【0032】
【表2】
【0033】(ii)光硬化性試験II 硬化組成物について、UV−DSC測定を行い、UV照
射から発熱ピークのトップまでの時間を求め、表3に纏
めて示した。なお、UV−DSCの測定条件は下記の通
りである。 DSCの測定機器 : DSC220C(セイコー電子
工業社製) UV 照射器 : 超高圧水銀灯 雰 囲 気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 測 定 温 度 : 50℃ サンプル量 : 0.1 〜0.3 mg 膜 厚 : 2〜10μm 照 射 時 間 : 15分 照 度 : 10mW/cm2 (365nm)
【0034】
【表3】
【0035】(iii)電子線硬化性試験 テストピースに加速電圧175KVで20Mrad電子
線を照射した。この時、塗膜が硬化したものは○印、配
合物が増粘したものは△印で表4に示した。
【0036】
【表4】
【0037】(iv)熱硬化性試験 配合物について、DSC測定を行い、発熱開始温度とD
SC曲線のトップピーク温度を求め、表5に纏めて示し
た。なお、DSCの測定条件は下記の通りである。 DSCの測定機器 : DSC220C(セイコー電子
工業社 ) 雰 囲 気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 昇 温 速 度 : 10℃/分 サンプル量 : 0.3 〜0.8 mg
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硬化性組
成物は、光照射及び/又は熱により、低温かつ短時間で
硬化させることができる。すなわち、本発明は以下のよ
うな効果を有する。 (1)硬化時に、カチオン重合性化合物(A)、ピリジ
ニウム塩化合物(B)の他に、(C)成分として、光で
活性ラジカルを発生する化合物又は熱で活性ラジカルを
発生する化合物を、適宜選択して添加することにより、
硬化条件を自由に選択することができる。 (2)光で効果させる場合においては、光で活性ラジカ
ルを発生する化合物を添加しない場合は全く光硬化が進
行しないのに比べ、高い光硬化性を示す。 (3)熱で硬化させる場合においては、熱で活性ラジカ
ルを発生する化合物を添加しない場合に比べ、はるかに
低い温度で硬化させることができる。また、熱で活性ラ
ジカルを発生する化合物を適宜選択することにより、熱
硬化温度のコントロールも可能である。 (4)さらに、光で活性ラジカルを発生する化合物及び
熱で活性ラジカルを発生する化合物とを反応系内に共存
させて光硬化させた後、アフターキュアとして低温で熱
硬化させることも可能である。 (5)該硬化性組成物の硬化物は、優れた物性を有する
ため塗料、接着剤、インキ等の材料として好適に用いら
れる。 (以下、余白)
【化1】
【化1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−209931(JP,A) 特開 平4−63801(JP,A) 特開 平5−262813(JP,A) 特開 平5−262814(JP,A) 特開 平3−109465(JP,A) 特開 平5−132461(JP,A) 特開 平5−132462(JP,A) 特開 平4−328106(JP,A) 特開 平5−170737(JP,A) 特開 平5−222111(JP,A) 特開 平1−299803(JP,A) 特開 昭64−60607(JP,A) 特開 平2−43202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分(A):カチオン重合性化合物、成分
    (B):一般式(1)または一般式(2)で表される
    リジニウム塩化合物及び成分(C):光照射又は熱によ
    り活性ラジカルを発生する化合物を含有してなる硬化性
    組成物。 【化1】 (式中、R1は、水素原子、メチル、エチル、プロピ
    ル、ブチル等のアルキル基、又はシアノ基を表し、R2
    は、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基
    又は置換されているもよいフェニル基を表し、R3及び
    4は、水素原子、F、Cl、Br、I等のハロゲン原
    子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル
    基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ニトロ基、
    シアノ基、ビニル基、カルバモイル基又はアルカノイル
    基を表わし、Xは、SbF6、AsF6、PF6、又はB
    4を表す。) 【化2】 (式中、R5、R6は、水素原子、メチル、エチル、プロ
    ピル、ブチル等のアルキル基、F、Cl、Br、I等の
    ハロゲン原子、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基を
    表し、R7及びR8は、水素原子、F、Cl、Br、I等
    のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等
    のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、
    ニトロ基、シアノ基、ビニル基、カルバモイル基又はア
    ルカノイル基を表わし、Xは、SbF6、AsF6、PF
    6、又はBF4を表す。)
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