JP3264723B2 - インクジェット用記録液、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用記録液、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置

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JP3264723B2
JP3264723B2 JP6847193A JP6847193A JP3264723B2 JP 3264723 B2 JP3264723 B2 JP 3264723B2 JP 6847193 A JP6847193 A JP 6847193A JP 6847193 A JP6847193 A JP 6847193A JP 3264723 B2 JP3264723 B2 JP 3264723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に用いられる記録液及びこれを用いたインクジェット記
録方法及び記録機器に関し、さらに詳しくは、上質紙、
コピー用紙、レター用紙、熱転写用紙、ワイアードット
プリンター用紙用ビジネスフォーム紙、などのいわゆる
普通紙を用いて、印字濃度が高く、品位に優れかつ定着
性の良い記録を実現する記録液及びインクジェット記録
方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジ
ェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より水溶性の染料を水性媒体中に溶
解した水性インクがインクジェット用の記録液として用
いられている。これらの記録液においては、 (1)充分な濃度の画像を与えること (2)被記録材上での乾燥性が良いこと (3)記録画像ににじみがないこと (4)水、アルコールなどと接触しても記録画像の流れ
出しがないこと (5)記録画像が耐光性にすぐれること (6)ノズルの先端でのめづまりを生じないこと (7)連続印字したときや、長時間放置後の記録開始時
に記録画像の掠れなどの不都合が生じないこと (8)保存時、インクが安定であること (9)使用者の安全性に問題が無いこと (10)使用時、記録手段を構成する部材と接触しても
問題を起さないことなどが要求され、更に熱エネルギー
を利用するインクジェット記録方式では上記要求項目に
加えて (11)耐熱性にすぐれ且熱エネルギー発生素子に悪影
響を与えないことが必要である。
【0003】これらの性質に関して、従来実用されてい
るインクジェット記録液の材料構成では、互いに上記項
目がトレードオフの関係になり、近年の性能要求は満足
出来にくくなっている。従来から実用されている記録液
はそのほとんどが水溶性の染料と水、水溶性有機溶剤か
らなり印字品位と定着性を両立させることは特に難しい
課題であった。従来典型的には、水系記録液にポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導
体、などの水溶性樹脂を添加することによって不規則に
じみを減少し、印字品位をたかめることは知られてい
る。しかしながらこれらの材料ではインクの粘度が高く
なり、吐出の応答周波数が低下する、ノズルの先端にお
ける乾燥による増粘によって初期の応答性が悪化する、
蒸発乾燥が逆に悪くなる、などの弊害が見られ、実用性
はいまだ不十分といわざるを得なかった。
【0004】また定着性を上げるために記録液に臨界ミ
セル濃度以上の量の界面活性剤を添加する方法の提案も
ある。この方法を取ると、極めて素早く記録液が浸透
し、紙の種類、紙表面のむら等に比較的依存することな
く、記録液を浸透させることが出来、不規則にじみが少
ない印字を得る事が出来る。しかしながら記録液のドッ
トの広がりが大きく、ぼやけた印字濃度になることは防
ぎようがなく解決手段とはなりがたい手段である。すな
わち界面活性剤にも大きな限界が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は水系イン
クの定着性と印字品位を両立させ、上記の各要求性能も
満足させるインクの新規な構成の提案である。従来技術
の既存水溶性樹脂の添加では解決し得なかった上記欠点
を解決することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下に示す発
明により解決される。すなわち本発明は、水、水溶性有
機溶剤、着色剤、および水溶性ウレタンオリゴマーを含
む水性記録液において、該水溶性ウレタンオリゴマーが
下記構造式(1)で表されるアセチレングリコール型疎
水性ジオールと1分子中に2個の水酸基と1ないし2個
のカルボキシル基を持つカルボキシル型親水性ジオール
とジイソシアナートからなる水溶性ポリウレタンである
事を特徴とするインクジェット用記録液に関するもので
ある。構造式(1)
【0007】
【化2】 また、インクを記録信号に応じてオリフィスから吐出さ
せて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法にお
いて、インクとして前記記載のインクジェット用記録液
を使用することを特徴とするインクジェット記録方法に
関するものである。さらに、インクを収容したインク収
容部及び該インクをインク滴として吐出させるためのヘ
ッド部を備えた記録ユニットにおいて、前記インクが前
記記載のインクジェット用記録液であることを特徴とす
る記録ユニットに関するものである。またさらに、イン
クを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジ
において、前記インクが前記記載のインクジェット用記
録液であることを特徴とするインクカートリッジに関す
るものである。また、インクを収容したインク収容部及
び該インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部
を備えた記録ユニットを備えたインクジェット記録装置
において、前記インクが前記記載のインクジェット用記
録液であることを特徴とするインクジェット記録装置に
関するものである。さらに、インク滴を吐出するための
記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するイ
ンクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘ
ッドにインクを供給するためのインク供給部を備えたイ
ンクジェット記録装置において、前 記インクが前記記載
のインクジェット用記録液であることを特徴とするイン
クジェット記録装置に関するものである。以下本発明を
更に詳細に説明する。
【0008】ここで本発明で用いられるアセチレングリ
コール型疎水性ジオールは、それ自身界面活性剤として
知られている物質を合成反応の原料として使用すること
が出来る。すなわち、以下の化合物である。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】 アセチレングリコール類は、Air Products Co.(Allento
wn U.S.A. )、日信化学工業(日本)、川研ファインケ
ミカル(日本)、等のメーカーから上記の化合物が界面
活性剤として入手することが出来る。
【0013】カルボキシル型親水性ジオール化合物は、
下記のような化合物である。ジオール(1)は、ジメチ
ロールプロピオン酸という名称で、市販されている物質
である。ジオール(2)以下はいずれもグリセリン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコールと無水コハク
酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の多塩基酸無
水物との反応によって得られるエステルである。このよ
うな物質は、上記以外の多価アルコールと多塩基酸無水
物からの誘導体として種々可能である。これらの中で下
記物質が本発明の水溶性ウレタンオリゴマーの合成に適
する。ジオール基は多価イソシアナートと反応し、連鎖
結合に使用される。一方カルボキシル基はアニオン型の
水溶性を与える官能基として作用する。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】
【化15】
【0023】
【化16】 本発明の水溶性ポリウレタンに用いるイソシアナート化
合物としては、従来から知られているところのトリレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
ジフェニルメタンジイソシアナート、イソフォロンジイ
ソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イ
ソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアナート、及び、ヨリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、のアダクト体、ウレタン変性体、アロファネート変
性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウ
レタンプレポリマー等が用いられる。本発明の水溶性ポ
リウレタンを合成するには、基本的は2官能性のイソシ
アナートを用いるが、分岐構造をとらせる場合などは、
可溶性を保ち得る範囲で3官能性以上の多価イソシアナ
ートを併用することももちろん出来る。
【0024】水溶性ウレタン化合物の合成方法は、反応
そのものとしては特別に新規な条件はなく、典型的に
は、以下のような手順にて行う。 [1]ブロック型ウレタンオリゴマー (1)疎水性ジオールのオリゴマー化 疎水性ジオールを活性水素を持たない溶媒に溶解する。
ここで好ましい溶媒としてはグリコール化合物のジアル
キルエーテル類、ジエステル類、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ケトン類、ジオキサン、酢
酸エステル類、ハロゲン化芳香族化合物、等である。こ
のようにして作成した溶液を、60〜110℃に保持
し、攪拌させつつ、ジイソシアナート化合物溶液を滴下
反応させる。反応溶液の粘度と水酸基価をモニターして
一定の反応率に到達したならば、滴下を止める。次いで
ウレタン化反応の触媒溶液を滴下し、同一の温度ない
し、可能ならば温度を上げ、更に数時間攪拌を行う。こ
のようにしてジイソシアナートの反応を完結させ、未反
応のジイソシアナートを残さないようにする。このよう
な処置は公知の事柄であるが以後の反応でゲル化等の問
題を起こさない為に重要である。このようにして水酸基
末端の疎水性ジオールオリゴマーを得る。 (2)カルボキシル型ジオールのオリゴマー化 カルボキシル型ジオールをウレタンオリゴマー化する反
応も基本的には上記と同様であるが、以下の点に注意す
れば容易に反応を進めることが出来る。すなわち、カル
ボキシル基とイソシアナートとの反応を抑制するため
に、反応温度は、60℃以下、好ましくは45℃付近に
制御する。反応に伴う温度上昇が80℃以上になること
の無いように、滴下速度には注意する。このようにして
イソシアナート末端のカルボキシル型ジオールオリゴマ
ーを得る。 (3)疎水性ジオールオリゴマーとカルボキシル型ジオ
ールオリゴマーからブロック型ウレタンオリゴマー この反応はDMF等の極性溶媒にそれぞれを溶解し疎水
性ジオールオリゴマー側にウレタン化触媒を加え、この
溶液を、イソシアナート末端のカルボキシル型ジオール
オリゴマー溶液中に滴下する。反応させる物質の量比
は、目的とするブロック構造によるが平均的な繰り返し
数はイソシアナートと水酸基のモル数によって決る。生
成する物質を水溶液として取り出す場合には、反応が終
了した段階で、所定の塩基を加え、水可溶な状態とし、
減圧下DMFを蒸留除去しつつ、徐々に水と塩基を補い
ながら水系に置き換えていくことによって達成する。こ
こで用いる塩基としては、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、等のアルコールア
ミン類、アミノメチルプロパノール等に代表される、ア
ミノアルコール類、アンモニア、モルフォリン、ピペリ
ジン、等の環状アミン類、アルカリ金属、アルキルアミ
ン類、である。[2]ランダム型ウレタンオリゴマー 上記の疎水性ジオールとカルボキシル型ジオールをラン
ダムに結合することももちろん可能である。このような
物質は、それぞれのジオールを所定の量で混合し、ジイ
ソシアナートを滴下しつつ一括して反応させることによ
って得ることが出来る。この場合、疎水性ジオールとカ
ルボキシル型オリゴマーがなるべく交互に連鎖に入るよ
うにするには両ジオールを共通に溶解出来る溶媒であっ
て、かつ生成するウレタン化合物をも良く溶解する溶媒
を選択することが重要である。
【0025】本発明の水溶性ウレタンオリゴマーは種々
の構造をとる。疎水性ジオールからなるウレタンオリゴ
マーをUA、親水性ジオールからなるウレタンオリゴマ
ーをUBと表すならば 1.UA−UB−UA 2.UB−UA−UB 3.UA−UB 4.[UA−UB−UA]n 5.[UB−UA−UB]m 8.[UA−UB]r 等である。
【0026】ランダムに結合させた場合は、上記のよう
な機能分離構造ではないので界面活性能は低いが、相溶
性はむしろ高いという特徴を持つ。これらの中で好まし
い構造は、上記のような機能分離構造を持った物質であ
る。
【0027】以上のようにして合成される本発明の水溶
性ウレタンオリゴマーの分子量は概ね500〜5000
程度であり、好ましくは3500以下である。5000
よりも大きいと溶解性が低下すると共に、粘度が高いと
いう欠点が生じる。
【0028】本発明に用いられる色材としては、水溶性
染料およびまたは顔料分散体のいずれでもよい。水溶性
染料としては、特開昭59−93765号、特開昭59
−174664号、特開昭59−56466号、特開昭
59−78273号に開示されているような染料種、す
なわち、アゾ、アントラキノン、フルオラン、オキサジ
ン、ジオキサジン、フタロシアニン、などである。これ
らは特開昭61−113668号、特開昭61−113
669号に開示されているような手段を用いてインクジ
ェットインク用に精製された、純度の高いものである事
が必要である。顔料としてはアゾ系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン
系、インジゴ、チオインジゴ系、ペリノン、ペリレン
系、イソインドリノン系、アゾメチンアゾ系、カーボン
ブラックなどであり、それらの分散体である。
【0029】本発明で使用する色材の使用割合は、被記
録材に充分な着色濃度を与える濃度であればいずれの濃
度でも良いが、一般的には記録液中で2乃至10重量%
を示す割合が好ましい。顔料を色材として用いる場合に
は、分散剤によってあらかじめ水性分散体として処理し
ておくことが必要であるが、好適な分散剤は特開昭56
−147863号に開示されるような付加重合型高分子
分散剤を用い、製造は特開平2−255875号に開示
されている分散方法に従う事が望ましい。
【0030】本発明の記録液は水溶性有機溶剤を、乾燥
防止剤として必須に用いる。そのような水溶性有機溶剤
としては、γブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、等のアミド類、ジアセトンアル
コール等のケトアルコール類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6ヘキサントリオール、1,2,4ブタントリ
オール、1,2,5ペンタントリオール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、チオ
ジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むア
ルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル、等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類、トリエチレングリコール
ジメチル(またジエチル)エーテル、テトラエチレング
リコールジメチル(またはジエチル)エーテル等の多価
アルコールの低級ジアルキルエーテル類、スルホラン、
N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等が挙げられる。
【0031】本発明に用いる材料の使用割合としては、
すべての材料組成物として、粘度が概ね6cps以下
(25℃)、表面張力が30〜60dyne/cm(2
5℃)、の範囲に入るようにすることが第1の要件であ
る。それぞれの物質としては、保湿剤としての水溶性有
機溶剤が5〜40wt%、水溶性ウレタンオリゴマー
0.05〜5wt%である。
【0032】本発明の記録液には新規な化合物として、
界面活性能を有する水溶性ウレタンオリゴマーを含有す
る。水溶性ウレタンオリゴマーは、従来公知の界面活性
剤と比較すると、繰り返し構造を有して重合度が大き
く、浸透速度の調節が容易である。またアニオン基を多
数持った重合体なので、記録紙上のインクから媒体
(水、水溶性有機溶剤)が、蒸発、浸透した時、粘度上
昇が大きく不規則にじみが生じにくいという特徴を示
す。スチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリ
ドン、/セルロース誘導体等の水溶性ポリマーを添加
すると、粘度上昇による不規則にじみ減少の効果がある
ことは以前から知られている。しかし、本発明の水溶性
ウレタンオリゴマーを用いた場合には、浸透性を高める
作用の後にそれが現れるので、定着速度を高めながら不
規則にじみを防止出来る。
【0033】これらの好ましい作用の現れる理由は明ら
かでないが、以下のように推定される。 1.乾燥の初期段階は大きな空隙への浸透である。疎水
性ジオールの持つ自由度の高い疎水性原子団は紙表面及
び空隙表面の疎水性部分に速やかに吸着し、浸透を早め
る。 2.水の蒸発が始まり、乾燥途中においては、カルボキ
シル基による凝集力によって粘度が上昇し、同時に水溶
性溶剤と水溶性ウレタンオリゴマーとの親和性が高いの
で、小さい空隙への拡散は止まり記録紙上で不規則にじ
みが減少する。 3.媒体の蒸発後は疎水性の側鎖が表面に現れ耐水性を
損なうことがない。 という作用を持っていると推察される。このような水溶
性ウレタンオリゴマーの効果によってこれまでのインク
ではトレードオフになっていた、印字品位と定着性の両
立が実現される。
【0034】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。 合成例1 疎水性ジオールからなるウレタンオリゴマー:UA−1 サーフィノール104(日信化学工業(株)の製品、本
文中の疎水性ジオール(1))0.5モル(11.3グ
ラム)をエチルセロソルブアセテート300グラムに溶
解し、窒素バブル装置、滴下装置、攪拌機を備えたフラ
スコにいれる。滴下装置にヘキサメチレンジイソシアナ
ートの0.45モル(約75.6グラム)をエチルセロ
ソルブアセテート100グラムと混合した溶液をいれ
る。フラスコを65℃に加熱、攪拌し、乾燥窒素を導入
しながら、3時間かけて滴下反応させた。その後4時間
攪拌を持続した。その間の温度上昇は最高で、105℃
であった。フラスコ中の温度が80℃に低下した段階
で、ジブチル錫ジラウリレートのトルエン溶液を滴下
し、(有効分0.1グラム)更に反応を2時間持続さ
せ、ウレタン化反応を完結させた。このようにして数平
均分子量1300の化合物を得た。 合成例2 親水性ジオールからなるウレタンオリゴマーUB−1 ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商(株)の製品、
本文中の親水性ジオール(1))1モル(134グラ
ム)をブチルセロソルブアセテート350グラムに溶解
し、窒素バブル装置、滴下装置、攪拌機を備えたフラス
コにいれる。滴下装置にヘキサメチレンジイソシアナー
トの0.9モル(約156グラム)をブチルセロソルブ
アセテート100グラムと混合した溶液をいれる。フラ
スコを45℃に加熱、攪拌し、乾燥窒素を導入しなが
ら、3時間かけて滴下反応させた。その後4時間攪拌を
持続した。その間の温度上昇は最高で、80℃であっ
た。フラスコ中の温度が60℃に低下した段階で、ジブ
チル錫ジラウリレートのトルエン溶液を滴下し、(有効
分0.2グラム)更に反応を2時間持続させ、ウレタン
化反応を完結させた。このようにして数平均分子量15
60の化合物を得た。 合成例3 UA−1とUB−1からなる水溶性ウレタンオリゴマー
UC−1 UA−1 35グラムとジブチル錫ジラウリレート0.
1グラムを150グラムのDMFに溶解し、窒素バブル
装置、滴下装置、攪拌機を備えたフラスコに入れる。滴
下装置にUB−1 80グラムを200グラムのDMF
に溶解した溶液を入れる。フラスコを80℃に加熱攪拌
し、乾燥窒素を導入しながら、1.5時間かけて滴下反
応させた。その後4時間攪拌を持続した。その間の温度
上昇は最高で、95℃であった。フラスコ中の温度が7
5℃に低下した段階で、ジブチル錫ジラウリレートのト
ルエン溶液を滴下し、(有効分0.04グラム)更に反
応を2時間持続させ、ウレタン化反応を完結させた。こ
のようにして数平均分子量4800の化合物を得た。生
成した化合物の理想的な構造は、[UB−1]−[UA
−1]−[UB−1]のブロックである。得られた物質
は、モノエタノールアミンで中和し、DMFを除去し、
水溶液とした。 合成例4 疎水性ジオールからなるウレタンオリゴマー:UA−2 サーフィノール465(日信化学工業(株)の製品、本
文中の疎水性ジオール(2)m+n=10)0.3モル
(200グラム)をエチルセロソルブアセテート350
グラムに溶解し、窒素バブル装置、滴下装置、攪拌機を
備えたフラスコにいれる。滴下装置にヘキサメチレンジ
イソシアナートの0.2モル(約33.6グラム)をエ
チルセロソルブアセテート100グラムと混合した溶液
をいれる。以下合成例1と同様にして反応を行い、エタ
ノールによる沈澱精製の後、数平均分子量2300の化
合物を得た。 合成例5 親水性ジオールからなるウレタンオリゴマー:UB−2 グリセリンとオルソ無水フタル酸の反応物、(本文中の
親水性ジオール(5))0.5モル(120グラム)を
エチレングリコールジメチルエーテル300グラムに溶
解し、窒素バブル装置、滴下装置、攪拌機を備えたフラ
スコにいれる。滴下装置にイソフォロンジイソシアナー
トの0.37モル(約121グラム)をエチレングリコ
ールジメチルエーテル200グラムと混合した溶液をい
れる。フラスコを45℃に加熱、攪拌し、乾燥窒素を導
入しながら、3時間かけて滴下反応させた。その後4時
間攪拌を持続した。その間の温度上昇は最高で、75℃
であった。フラスコ中の温度が60℃に低下した段階
で、ジブチル錫ジラウリレートのトルエン溶液を滴下
し、(有効成分0.2グラム)更に反応を3時間持続さ
せ、ウレタン化反応を完結させた。このようにして数平
均分子量1870の化合物を得た。 合成例6 UA−2とUB−2からなる水溶性ウレタンオリゴマー
UC−2 UA−2 40グラムとジブチル錫ジラウリレート0.
1グラムを150グラムのDMFに溶解し、窒素バブル
装置、滴下装置、攪拌機を備えたフラスコに入れる。滴
下装置にUB−2 60グラムを200グラムのDMF
に溶解した溶液を入れる。フラスコを80℃に加熱、攪
拌し、乾燥窒素を導入しながら、1.5時間かけて滴下
反応させた。その後4時間攪拌を持続した。その間の温
度上昇は最高で、87℃であった。フラスコ中の温度が
65℃に低下した段階で、ジブチル錫ジラウリレートの
トルエン溶液を滴下し、(有効成分0.04グラム)更
に反応を2時間持続させ、ウレタン化反応を完結させ
た。このようにして数平均分子量4500の化合物を得
た。生成した化合物の理想的な構造は、[UB−2]−
[UA−2]のブロックである。得られた物質は、モノ
エタノールアミンで中和し、DMFを除去し、水溶液と
した。 合成例7 疎水性ジオールと親水性ジオールからなる交互ウレタン
オリゴマー:UC−3 サーフィノール82(日信化学工業(株)の製品、本文
中の疎水性ジオール(3))0.5モル(85グラム)
と、トリメチロールプロパンと無水オルソフタル酸との
反応物(本文中の親水性ジオール(7))0.5モル
(141グラム)をエチルセロソルブアセテート250
グラムに溶解し、窒素バブル装置、滴下装置、攪拌機を
備えたフラスコにいれる。滴下装置にヘキサメチレンジ
イソシアナートの0.45モル(約75.6グラム)を
エチルセロソルブアセテート100グラムと混合した溶
液をいれる。以下合成例1と同様にして反応を行い、エ
タノールによる沈澱精製の後、数平均分子量1150の
化合物を得た。得られた物質は、モノエタノールアミン
で中和し、エチルセロソルブアセテートを除去し、水溶
液とした。
【0035】本発明のインクの作成方法としては、はじ
めに、本発明による分散樹脂、水を少なくとも含有する
水溶液に顔料を添加し、かくはんした後、後述の分散手
段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行
い、所望の分散液を得る。次に、この分散液に本発明に
おいて使用される化合物、上記で挙げたような成分を加
え、攪拌し記録液とする。
【0036】又、アルカリ可溶型樹脂を使用する場合、
樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要であ
る。更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプレミ
キシングを30分間以上行うことが効果的である。この
プレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔
料表面への吸着を促進するものである。アルカリ可溶型
樹脂を使用した場合の分散液に添加される塩基類として
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アンモ
ニア等の有機アミン、あるいは、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム等の無機塩基が好ましい。一方、本発明に
使用する分散機は、一般に使用される分散機なら、如何
なるものでも良いが、たとえば、ボールミル、ロールミ
ル、サンドミルなどが挙げられる。その中でも、高速型
のサンドミルが好ましく、たとえば、スーパーミル、サ
ンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレ
ンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いず
れも商品名)等が挙げられる。本発明において、所望の
粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉
砕メディアのサイズを小さくする。粉砕メディアの充填
率を大きくする、また処理時間を長くする、吐出速度を
遅くする、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級する
などの手法が用いられる。またはそれらの手法の組合せ
が挙げられる。
【0037】本発明のインクを用いて記録を行うのに好
適な記録装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記
録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーに
より液滴を発生させる装置が挙げられる。また、特に本
発明において、記録ヘッドはそのノズル表面が撥インク
処理されていなくともよいが、処理されていることがよ
り望ましく、効果的である。撥インク処理されていない
場合は、染料系のインクにおいても吐出口周辺部の液だ
まりの発生が著しいが、特に本発明によるインクを用い
る場合には、撥インク処理を施したヘッドについて効果
的である。その撥インク方法としては、特に限られるも
のではないが、例えば、シリコンオイル、含弗素低分子
及び高分子化合物等でヘッド表面を処理することが挙げ
られる。このような撥インク剤としては、具体的には、
KP−801(商品名、信越シリコン)、ディフェンサ
(商品名、大日本インキ)、CTX−105,805
(商品名、旭硝子)、テフロンAF(商品名、デュポ
ン)等多数のものが挙げられる。またその処理方法につ
いては、例えば、特開昭64−31642等公知の方法
で行うことができる。
【0038】次いで本発明の記録方法について説明す
る。本発明には記録ヘッドの記録インクに記録信号を与
え、発生した熱エネルギーにより液滴を吐出する方式が
好ましい。また電気機械変換素子を使用した記録ヘッド
も使用することが出来る。熱エネルギーを使用したその
装置の主要部である記録ヘッドの構成を図1、図2、図
3に示す。ヘッド13は、インク流路を形成したガラ
ス、セラミック、又はプラスチック等と間熱記録に用い
られている発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図では
ヘッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる、発熱ヘッド15は、酸化シ
リコンなどで形成される保護膜16、アルミニウム電極
17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗
体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板
20より成っている。
【0039】記録インク21は吐出オリフィス22まで
来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成してい
る。ここで電極17−1、17−2に電気信号が加わる
と、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱
し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカスが突出し、オリフィス22より記録液
滴24となり、被記録体25に向かって飛翔する。図3
には、図1に示したヘッドを多数並べた記録ヘッドの概
略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有するガラス
板27と、図1において説明したものと同様の発熱ヘッ
ド28を密着して作られる。
【0040】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−A線での断面図で
ある。図4に、該ヘッドを組み込んだインクジェット記
録装置の1例を示す。図4に、かかるヘッドを組み込ん
だインクジェット記録装置の一例を示す。図4におい
て、61はワイピング部材としてのブレードであり、そ
の一端はブレード保持部材によって保持されて固定端と
なりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘ
ッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、本
例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保
持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接
するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方
向と垂直な方向に移動して吐出面と当接しキャッピング
を行う構成を具える。さらに63はブレード61に隣接
して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。
【0041】上記ブレード61、キャップ62、吸収体
63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61
及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほ
こり等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手
段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材
にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録
ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うため
のキャリッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67
と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部は、モータ
68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)し
ている。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿
った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域
及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0042】51は、被記録材を挿入するための給紙
部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りロー
ラである。これら構成によって記録ヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するに
つれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0043】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64
のキャリッジ62は記録ヘッド65の移動経路から退避
しているが、ブレード61は移動経路中に突出してい
る。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピング
される。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口
面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は
記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。記
録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移
動する場合、キャップ62及びブレード61は上述した
ワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、こ
の移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピ
ングされる。
【0044】上述した記録ヘッドのホームポジションへ
の移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録
ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間
隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、こ
の移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0045】図5は、ヘッドにインク供給チューブを介
して供給されるインクを収容したインクカートリッジ4
5の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを
収納したインク袋であり、その先端にはゴム製の栓42
が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入す
ることにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給
可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体
である。本発明で使用されるインクジェット記録装置と
しては、上記のごときヘッドとインクカートリッジとが
別体となったものに限らず、図6に示すごときそれらが
一体になった記録ユニットも好適に用いられる。図6に
おいて、70はインクジェットカートリッジであって、
この中にはインクを含浸させたインク吸収体が収納され
ており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフ
ィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出され
る構成になっている。72はカートリッジ内部を大気に
連通させるための大気連通口である。このインクジェッ
トカートリッジ70は、図3で示す記録ヘッド65に代
えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して
着脱自在になっている。
【0046】
【実施例】
実施例1 (顔料分散液の作成)下記表1の成分を混合し、ウオー
ターバスで50℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させ
る。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(M
A−200 三菱化成製)15部、イソプロピルアルコ
ール1.5部を加え、30分間プレミキシグをおこなっ
た後、下記の条件で分散処理を行った。 分散機 サンドグラインダー(五十嵐
機械製) 粉砕メディア ジルコニウムビーズ 1mm
径 粉砕メディアの充填率 50% 粉砕時間 3時間 さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0047】
【表1】 下記表2のように調製したインクを、記録信号に応じた
熱エネルギーを付与することによりインクを吐出させる
オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェッ
ト記録装置を用いて試験を行った。
【0048】
【表2】 実施例2 下記表3の成分を混合し、ウオーターバスで50℃に加
温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボン
ブラック(MCF88 三菱化成製)13部を加え、3
0分間プレミキシグをおこなった後、下記の条件で分散
処理を行った。 分散機 パールミル(アシザワ製) 粉砕メディア ガラスビーズ 1mm径 粉砕メディアの充填率 50%(体積) 吐出速度 100ml/min. さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0049】
【表3】 下記表4のように調製したインクを、記録信号に応じた
熱エネルギーを付与することによりインクを吐出させる
オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェッ
ト記録装置を用いて試験を行った。
【0050】
【表4】 実施例3
【0051】
【表5】 上記表5の成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加
温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試
作されたカーボンブラック(S170、デグサ製)15
部、イソプロピルアルコール1部を加え、60分間プレ
ミキシシグをおこなった後、下記の条件で分散処理を行
った。 分散機 サンドグラインダー(五十嵐
機械製) 粉砕メディア ジルコニウムビーズ 0.5
mm径 粉砕メディアの充填率 70% 粉砕時間 10時間 さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0052】下記表6のように調製したインクを、記録
信号に応じた熱エネルギーを付与することによりインク
を吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有する
インクジェット記録装置を用いて試験を行った。
【0053】
【表6】 実施例4 実施例1の顔料分散液の調製およびインクの作成におい
て、分散樹脂をα−メチルスチレン/メタクリル酸/イ
ソチルアクリレート共重合体(ガラス転移温度96℃、
酸価243、分子量6500)に変更しかつ、水溶性ウ
レタンオリゴマーとしUC−1を使用した以外は実施例
1と全く同様にして顔料分散液の調製およびインクの作
成、印字試験を行った。
【0054】実施例5 下記表7の成分を混合溶解し、口径0.2μのフィルタ
ーを用いて濾過し、記録液とした。なお染料はインクジ
ェット用に脱塩精製したものを用いた。
【0055】
【表7】 表7の水溶性黒色染料は下記構造からなる。
【0056】
【化17】 調製した各記録液を、BC−01カートリッジ(バブル
ジェット方式のインクジェット記録装置:BJ−10V
用に用いる記録ヘッド;キヤノン製)に充填し、1)印
字濃度、2)濃度むら、3)にじみの発生率、4)乾燥
時間の4項目の性能評価を行った。 (評価方法) (印字濃度)市販の電子写真コピー用紙に全ノズル同時
駆動させ、1.3cm×2.0cmのべた印字パッチを
作成し、24時間乾燥させた後、そのパッチの光学濃度
を測定した。
【0057】(濃度むら)印字濃度を測定したサンプル
の均一性を目視判定した。 判定基準; A:均一性が高い、 B:ややむらがあ
る、C:かなりむらがある。
【0058】(にじみの発生率)市販の電子写真コピー
用紙に300ドットが互いに接触しない様に連続印字
し、室内にて24時間自然乾燥させた後、顕微鏡で不定
形又は不規則なにじみが発生したドットの数を数え、そ
のパーセンテージを下記基準にて評価した。 判定基準; A:6%以下、 B:7〜12%、 C:
13〜35%、D:36%以上 (乾燥時間)市販の電子写真コピー用紙に英数文字を1
ページ印刷した後、5、10、20、30秒後にクリー
ニングペーパーにて印字部を擦り、印字部が汚れなくな
るまでの秒数を測定した。
【0059】これらの評価の結果は表8にまとめて示し
た。
【0060】なお、実施例1および5のそれぞれに対し
て、水溶性ウレタンオリゴマーの代わりに蒸留水を添加
した記録液を作成し、比較例1、2とし同時に結果表に
示した。
【0061】表8に見られるように、本発明の水溶性ウ
レタンオリゴマーを添加した記録液は優れた、定着性、
品位、そして実用的な信頼性を有する事が分かる。
【0062】
【表8】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクは、
インクジェットプリンターに適用したときに、長時間放
置してもヘッド先端におけるインクの固化を生じること
なく、実用的な保存安定性を有し、駆動条件の変動や長
時間の使用でも安定した吐出を行うことが可能で、信頼
性にも優れ、印字物は耐光性耐水性などの堅牢性に優れ
ることはもちろんのこと、とりわけ擦過性にも問題がな
く優れた実用性を有するという効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図
【図5】インクカートリッジの縦断面図
【図6】記録ユニットを示す斜視図
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 171 電極 172 電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 記録インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録液滴 25 被記録体 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク袋 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モーター 69 ベルト 70 インクジェットカートリッジ 71 ヘッド部 72 大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城田 勝浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野口 弘道 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−122846(JP,A) 特開 平6−100810(JP,A) 特開 平6−25573(JP,A) 特開 平5−339529(JP,A) 特開 平5−247393(JP,A) 特開 平4−359071(JP,A) 特開 平4−183761(JP,A) 特開 昭63−139964(JP,A) 特開 昭60−69170(JP,A) 特開 昭58−45272(JP,A) 特開 平2−276874(JP,A) 特開 昭57−16076(JP,A) 特開 昭56−147869(JP,A) 特開 昭56−157467(JP,A) 特開 昭56−157470(JP,A) 特開 平4−146979(JP,A) 特開 昭63−99217(JP,A) 特開 昭62−249961(JP,A) 特開 昭62−232424(JP,A) 特開 平4−136036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 13/00 C08G 18/00 - 18/87 C08G 71/00 - 71/04 C09C 1/00 - 3/12 C09D 15/00 - 17/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水溶性有機溶剤、着色剤、および水
    溶性ウレタンオリゴマーを含む水性記録液において、 該水溶性ウレタンオリゴマーが下記構造式(1)で表さ
    れるアセチレングリコール型疎水性ジオールと、1分子
    中に2個の水酸基と1ないし2個のカルボキシル基を持
    つカルボキシル型親水性ジオールと、ジイソシアナート
    からなる水溶性ポリウレタンである事を特徴とするイン
    クジェット用記録液。 構造式(1)【化1】
  2. 【請求項2】 該水溶性ウレタンオリゴマーを0.05
    〜5重量%含有する請求項1に記載のインクジェット用
    記録液。
  3. 【請求項3】 該水溶性ウレタンオリゴマーの数平均分
    子量が500〜5000である請求項1または2に記載
    のインクジェット用記録液。
  4. 【請求項4】 インクを記録信号に応じてオリフィスか
    ら吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録
    方法において、インクとして請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のインクジェット用記録液を使用することを特
    徴とするインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 インクに熱エネルギーを作用させてイ
    ンク滴を吐出させる請求項に記載のインクジェット記
    録方法。
  6. 【請求項6】 インクを収容したインク収容部及び該イ
    ンクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を備え
    た記録ユニットにおいて、前記インクが請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のインクジェット用記録液であるこ
    とを特徴とする記録ユニット。
  7. 【請求項7】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項
    に記載の記録ユニット。
  8. 【請求項8】 インクを収容したインク収容部を備えた
    インクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のインクジェット用記録液であ
    ることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. 【請求項9】 インクを収容したインク収容部及び該イ
    ンクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を備え
    た記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
    て、前記インクが請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    インクジェット用記録液であることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 該ヘッド部が、インクに熱エネルギー
    を作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
    9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出するための記録ヘッ
    ド、インクを収容したインク収容部を有するインクカー
    トリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにイ
    ンクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェ
    ット記録装置において、前記インクが請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のインクジェット用記録液であること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギ
    ーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求
    11に記載のインクジェット記録装置。
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