JP2002294114A - インクジェット記録用インク及びインク保持容器 - Google Patents

インクジェット記録用インク及びインク保持容器

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JP2002294114A
JP2002294114A JP2001102007A JP2001102007A JP2002294114A JP 2002294114 A JP2002294114 A JP 2002294114A JP 2001102007 A JP2001102007 A JP 2001102007A JP 2001102007 A JP2001102007 A JP 2001102007A JP 2002294114 A JP2002294114 A JP 2002294114A
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water
jet recording
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JP2001102007A
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Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
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Canon Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタンフォームからなるインク吸収体
を有するインク保持容器を使用した場合に、該インク保
持容器にインクを収納した場合に、インク吸収体より溶
出する未反応物等の水不溶性物質が吐出特性に悪影響を
与えることのないインクジェット記録用インクの提供。 【解決手段】 ポリウレタンフォームをインク吸収体と
して有するインク保持容器に収納されるインクであっ
て、少なくとも、色材、水溶性有機溶剤、水、及び、上
記インク吸収体から溶出した水不溶性物質をインク中に
安定に溶解及び/又は分散させるための上記水不溶性物
質及び水に対して両親媒性物質を含有することを特徴と
するインクジェット記録用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
インク及び、インク保持容器に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録分野において、発熱
素子や電気エネルギーを固体の変異に変換し、発泡現象
をもたらす電気機械変換体等の吐出素子をインク(液
体)の供給経路中に配置させ、該吐出素子の作用を用い
て液体を吐出させるインクジェット記録方式が知られて
いる。この種のインクジェット記録方式の装置として
は、連続的にインク供給を行うための液路や、供給を効
率よく行うための液室があり、この流路又は液室にイン
クを供給するための供給管、更には、この供給管等にイ
ンクを供給するためのインクタンク(インク保持容器)
が交換式又は一体式に設けられているものがある。
【0003】そして、これらのインク供給経路、特には
インク保持容器には、多くの場合、負圧発生用及び/又
はキャリッジ振動による液面の変動防止を目的として、
高分子樹脂(ゴムも含む)材料で成形された、インクの
吸収及び保持能力のある発泡体や繊維集合体が収納され
ることが多い。更に、インク保持容器やインク流路自体
も、多くの場合は、高分子樹脂を用いて成形されてい
る。
【0004】ところが、上記の目的で使用される発泡体
に、発泡制御が比較的容易で、しかも安価なものとして
知られているポリウレタンフォームを使用した場合に
は、発泡体製造の際の発泡工程中で発生する未反応物
や、結合力の弱いウレタン結合部分の分解等に起因して
生じる水不溶性物質が、インク中に溶出する場合があ
る。このポリウレタンフォーム等からなるインク吸収体
を有するインク保持容器を使用した場合に、特に、該イ
ンク保持容器にインクを収納した初期段階において、イ
ンクの供給等に対し、上記した未反応物等の水不溶性物
質が悪影響を与えることが、従来より解決すべき技術課
題として認識されている。かかる課題の解決手段とし
て、例えば、特開昭64−26452号公報や特開平4
−348947号公報では、インク保持容器に配置する
前に、予め、上記したような発泡体材料からなるインク
吸収体自体を洗浄することで、特に、インク供給の初期
段階に、インクジェットヘッドへ供給されることが多か
った上記水不溶性物質のインク中への溶出を防止するこ
とを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、本
発明者らの検討によると、上記の予め洗浄し、未反応物
質等の水不溶性物質を除去したポリウレタンフォームか
らなるインク吸収体を用いたインク保持容器を使用した
としても、収納されるインクのpHが高かったり、或い
は高温でインクを長期間保存したりすると、インクの吐
出特性に悪影響を生じることがあることがわかった。
【0006】従って、本発明の目的は、ポリウレタンフ
ォームからなるインク吸収体を有するインク保持容器を
使用し、該インク保持容器にインクを収納した場合に、
インク吸収体より溶出する未反応物等の水不溶性物質が
吐出特性に悪影響を与えることのないインクジェット記
録用インクを提供することにある。又、本発明の他の目
的は、ポリウレタンフォームからなるインク吸収体を具
備しているにもかかわらず、内蔵しているインクのイン
クジェット吐出特性を良好に保つことのできるインクジ
ェット用インクの保持容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、ポリウレタ
ンフォームをインク吸収体として有するインク保持容器
に収納されるインクであって、少なくとも、色材、水溶
性有機溶剤、水、及び、上記インク吸収体から溶出した
水不溶性物質をインク中に安定に溶解及び/又は分散さ
せるための上記水不溶性物質及び水に対して両親媒性物
質を含有することを特徴とするインクジェット記録用イ
ンクである。又、上記の目的を達成することのできるイ
ンクジェット用インクの保持容器は、ポリウレタンフォ
ームからなるインク吸収体を具備しているインク収容部
にインクジェット用インクを保持しているインクジェッ
ト用インクの保持容器であって、該インクは、色材、水
溶性有機溶剤、水及び両親媒性物質を含有しているイン
クであることを特徴とするものである。
【0008】本発明にかかるインクジェット記録用イン
クの好ましい形態は、前記水不溶性物質が、インク保持
容器中にインクを収納した状態でインク重量に対して3
00ppm以上存在するもの、インク保持容器中に収納
されたインクのpHが9以上であるものが挙げられる。
又、本発明のインクジェット記録用インクの好ましい形
態は、前記ポリウレタンフォームがポリエーテルポリウ
レタンフォームであり、且つ、水不溶性物質がポリエー
テルポリオール系物質を含むものが挙げられる。更に、
本発明のインクジェット記録用インクの好ましい形態
は、前記両親媒性物質が、ヒドロトロピー剤であるも
の、該ヒドロトロピー剤のインク中の含有量が、0.0
5〜10重量%、より好ましくは、0.1〜3重量%で
あるものが挙げられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施形態を挙げて
本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来
技術の課題について鋭意研究した結果、予め洗浄し、イ
ンク吸収体から溶出してくる未反応物質等の水不溶性物
質を除去したポリウレタンフォームからなるインク吸収
体を有するインク保持容器を使用したとしても、インク
の吐出特性に悪影響を生じる場合があることについて詳
細な検討を行った結果、この原因が、洗浄したインク吸
収体を使用したとしても、インク保持容器にインクを収
納した場合に、インク吸収体からppm単位以下の測定
できない程の微量な溶出物が継続的に溶出しており、こ
れらの溶出物がインクジェット記録ヘッドの吐出に係る
部分に徐々に蓄積(集合化し、所定の部分で増大化する
ものと考えられる)し、かかる集合物がインクの吐出特
性に影響を与えていることを見いだした。更に、特に、
上記の傾向は、インクの吐出量が小さくなる程、又は、
インクジェット記録ヘッドが高密度へッドになる程、更
には、収納させるインクのpHが高い場合、或いは、吐
出速度、応答周波数や吐出エネルギー等の条件を比較的
高くしたり、気泡の発生を利用とすると共に外気を連通
する方式を利用したインクジェット記録ヘッドを使用す
る場合、更には、印字する環境が低温低湿だったりする
場合に多く発生することもわかった。
【0010】本発明は、従来においては認識されていな
かった上記した新たな課題に基づいてなされたものであ
る。即ち、本発明者らは、上記した従来は認識されてな
かった課題に対し、インク中に特定の添加剤を加えれ
ば、インク保持容器内にインクを収納した場合にインク
吸収体から継続的に溶出してくる水不溶性物質のインク
中への溶解性、分散性を飛躍的に向上させることがで
き、この結果、インク中に溶出した水不溶性物質がイン
クジェット記録ヘッドの吐出に係る部分に蓄積(集合
化)することが飛躍的に防止されることを知見して本発
明に至った。
【0011】前記した構成を有する本発明にかかるイン
クジェット記録用インクを用いることで、以下の優れた
効果が達成される。(1)インク吸収体から継続的に溶
出してくる未反応物等の水不溶性物質に対するインクへ
の溶解性及び分散性を向上させ、インクジェット記録ヘ
ッドの吐出に係る部分に、水不溶性物質が蓄積、集合化
するのを防止する。(2)インクを長期間保存しても十
分な効果がある。(3)インク中に添加させる特定の添
加剤は、比較的少ない添加量であっても効果がある。
(4)インクの表面張力を低下させることなく、十分な
効果がある。
【0012】尚、本明細書で問題とする水不溶性物質に
は、インク吸収体材料からインク中へと溶出されるとこ
ろのポリエーテルポリオール、活性剤、触媒、可塑剤、
中和剤、滑剤、製造時の未反応物、熱分解物、及びそれ
らの加水分解物であって、インクヘの溶解度の低い物質
等が含まれる。又、ここで問題となる水不溶性物質とし
ては、その量が、インク保持容器中に収納されるインク
重量に対して、総量で300ppm以上存在するように
なると特に印字特性悪化の原因となる。
【0013】(両親媒性物質)先ず、本発明にかかるイ
ンクジェット記録用インクを特徴づけるインク吸収体か
ら溶出してくる水不溶性物質をインク中に安定に溶解さ
せる物質(以下両親媒性物質とする)について説明す
る。両親媒性物質の選択は、上記性能を満たすことが要
求され、水不溶性物質と水に対して共に親媒性があれば
よいが、具体的には、上記水不溶性物質としてヒドロト
ロピー剤を使用することが望ましい。ヒドロトロピー剤
は、一般的な両親媒性物質、及び一般的な界面活性剤と
同様に、インク中に含まれる水不溶性物質をインク中に
溶解・分散させる働きがあることは言うまでもないが、
特に強調すべきことは、界面活性剤を用いたときに発生
する表面張力の低下を起こさないことを特徴とする。即
ち、界面活性剤を用いた結果インクの表面張力が低下し
たインクで画像形成を行うと、印字物の印字品位の低下
を生じる場合がある。
【0014】好適に用いることのできるヒドロトロピー
剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、サリチル酸
ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム等が挙げら
れるが、本発明は、特にこれに限定されない。
【0015】次に、本発明にかかるインクジェット記録
用インクを構成する他の成分について説明する。本発明
のインクジェット記録用インクは、上記に挙げた水不溶
性物質及び水に対して両親媒性の物質の他に、少なくと
も、色材、水溶性有機溶剤及び水を有する。この際に使
用する色材としては、水溶性染料を使用することが好ま
しく、特に、アニオン性基を可溶化基として有する水溶
性染料を使用することが好ましい。本発明のインクは、
使用する色材によって、各色の色画像を記録するため
の、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローイ
ンクとすることができる。
【0016】アニオン性基を有する水溶性染料として
は、カラーインデックス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の、酸性染料、直接染料、反応
性染料であれば特に限定されない。又、カラーインデッ
クスに記載のない染料であっても、アニオン性基、例え
ば、スルホン基を有するものも好適に利用できる。これ
らの染料は、インク中に1〜10重量%、好ましくは1
〜5重%の範囲で用いる。
【0017】具体的な染料としては、例えば、C.I.
ダイレクトイエロー8、11、12、27、28、3
3、39、44、50、58、85、86、87、8
8、98、100、110、C.I.ダイレクトレッド
2、4、9、11、20、23、24、31、39、4
6、62、75、79、80、83、89、95、19
7、201、218、220、224、225、22
6、227、228、230、C.I.ダイレクトブル
ー1、15、22、25、41、76、77、80、8
6、90、98、106、108、120、158、1
63、168、199、226、
【0018】C.I.アシッドイエロー1、3、7、1
1、17、23、25、29、36、38、40、4
2、44、76、98、99、C.I.アシッドレッド
6、8、9、13、14、18、26、27、32、3
5、42、51、52、80、83、87、89、9
2、94、106、114、115、133、134、
145、158、198、249、265、289、
【0019】C.I.アシッドブルー1、7、9、1
5、22、23、25、29、40、43、59、6
2、74、78、80、90、100、102、10
4、117、127、138、158、161、
【0020】C.I.ダイレクトブラック17、19、
22、31、32、51、62、71、74、112、
113、154、168、C.1.アシッドブラック
2、48、51、52、110、115、156、C.
I.リアクティブブラック1、8、12、13、C.
I.フードブラック1、2等が挙げられるが、勿論、こ
れらのものに限定されるものではない。
【0021】上記以外の色材としては、例えば、(1)
可溶化基として、カルボキシル基を持つ染料(pHに対
して溶解度の依存性を示す染料を含む)、(2)油溶性
染料、(3)顔料等を挙げることができる。
【0022】これらの(1)〜(3)に挙げた色材を含
むインクは、フルカラー画像等を形成する場合に、先に
述べたような水溶性のアニオン性染料を含有するインク
と接すると、境界部で析出する、互いに相溶しない等の
理由によって、画像間の境界滲みを生じない特性を有す
るものである。更に、上記の(1)〜(3)に挙げた色
材を有するインクによって形成された画像は、優れた耐
水性を持つものとなる。
【0023】上記の(1)に挙げたカルボキシル基を持
つ染料としては、例えば、以下に示す例示化合物1〜4
が挙げられるが、勿論、本発明はこれらの構造の染料に
限定されるものではない。
【0024】
【0025】
【0026】前記(2)に挙げた油溶性染料としては、
カラーインデックス(COLOURINDEX)に記載
されているものであれば特に限定はない。又、カラーイ
ンデックスに記載のない新規の染料であっても、特に制
限はない。具体的には、例えば、C.I.ソルベントブ
ルー33、38、42、45、53、65、67、7
0、104、114、115、135、C.I.ソルベ
ントレッド25、31、86、92、97、118、1
32、160、186、187、219、C.I.ソル
ベントイエロー1、49、62、74、79、82、8
3、89、90、120、121、151、153、1
54等が挙げられる。
【0027】これらの染料は、インク中に1〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用い、公知の方法
で、水系媒体に分散又はエマルジョン化して用いる。
【0028】本発明にかかるインクジェット記録用イン
クの色材として、前記の(3)に挙げた顔料を用いる場
合には、顔料の量は、インク全重量に対して、重量比で
1〜20重量%、好ましくは、2〜12重量%の範囲で
用いる。
【0029】使用し得る顔料としては、具体的には、黒
色のインクに使用されるものとしてカーボンブラックが
挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファ
ーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで
あって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET
法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油
量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜1
0%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく
用いられる。このような特性を有する市販品としては、
例えば、No.2300、No.900、MCF88、
No.33、No.40、No.45、No.52、M
A7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成
製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、R
EGAL400R、REGAL330R、REGAL6
60R、MOGULL(以上、キャボット製)、Col
or Black FW1、Color Black
FW18、Color Black S170、Col
or Black S150、Printex 35、
Printex U(以上、デグッサ製)等があり、い
ずれも好ましく使用することができる。
【0030】又、イエローインクに使用される顔料とし
ては、例えば、C.I.Pigment Yellow
1、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellow113、C.I.Pig
ment Yellow 16、C.I.Pigmen
t Yellow 83等が挙げられ、
【0031】マゼンタインクに使用される顔料として
は、例えば、C.I.PigmentRed 5、C.
I.Pigment Red 7、C.I.Pigme
ntRed 12、C.I.Pigment Red
48(Ca)、C.I.Pigment Red 48
(Mn)、C.I.Pigment Red 57(C
a)、C.I.Pigment Red 112、C.
I.PigmentRed 122等が挙げられ、
【0032】シアンインクに使用される顔料としては、
例えば、C.I.PigmentBlue 1、C.
I.Pigment Blue 2、C.I.Pigm
ent Blue 3、C.I.Pigment Bl
ue 15:3、C.I.Pigment Blue
16、C.I.Pigment Blue 22、C.
I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue
6等が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。又、以上の他、本発明のために新たに製造された顔
料も、勿論、使用することが可能である。
【0033】又、インクの色材として顔料を使用する場
合に、顔料をインク中に均一に安定に分散含有させるた
めの分散剤を使用することが好ましい。分散剤として
は、水溶性樹脂であればどのようなものでも使用するこ
とができるが、重量平均分子量が1,000〜30,0
00の範囲のものが好ましく、更には、3,000〜1
5,000の範囲のものが好ましく使用できる。このよ
うな分散剤としては、具体的には、スチレン、スチレン
誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコー
ルエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイ
ン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導
体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニ
ルピロリドン、アクリルアミド、及び、これらの誘導体
等から選ばれた少なくとも2つ以上の重合性単量体(こ
のうち少なくとも1つは親水性の単量体)からなるブロ
ック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共
重合体、又はこれらの塩等の水溶性樹脂が挙げられる。
或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も
好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基
を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂
である。尚、顔料分散剤として用いられるこれらの水溶
性樹脂は、インク全重量に対して、0.1〜5重量%の
範囲で含有させるのが好ましい。
【0034】特に、上記したような顔料を含有したイン
クとする場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に
調整されていることが好ましい。このようなものとすれ
ば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を
向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることが
できるので好ましい。但し、この場合、インクジェット
記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる
場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲、特
には、pH9以上とすることが望ましい。
【0035】この際に使用できるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン
等の各種有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の
無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。
【0036】本発明にかかるインクジェット記録用イン
クは、上記したような両親媒性物質及び色材を、水及び
水溶性有機溶媒からなる水系の混合液媒体に溶解及び分
散してなるが、この際に用いる水としては、種々のイオ
ンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオ
ン水)を使用するのが好ましい。
【0037】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のア
ルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類:アセトン、ジアセトンアル
コール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレン
グリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアル
キレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコ
ール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
メチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、
2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等を使用することができる。これらの多くの水溶性
有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アル
コール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ルが好ましい。
【0038】上記したような水溶性有機溶剤のインク中
における含有量は、一般的には、インク全重量の3〜5
0重量%の範囲とし、好ましくは3〜40重量%の範囲
とする。又、使用される水の含有量としては、インク全
重量の10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%
の範囲とする。
【0039】本発明にかかるインクジェット記録用イン
クは、前記した色材及び両親媒性物質を、上記した水及
び水溶性有機溶媒の水系混合液媒体に溶解分散させてな
るが、更に、必要に応じて、例えば、所望の物性値を持
つインクとするために、その他の成分、例えば、粘度調
整剤、防かび剤、防腐剤、中性又はアニオン性の界面活
性剤、消泡剤、酸化防止剤等を含ませることができる。
【0040】下記に本発明にかかるインクジェット記録
用インクの作製方法について述べる。本発明のインクジ
ェット記録用インクが色材として顔料を有する場合に
は、始めに、分散剤としての水溶性樹脂、水及び水溶性
有機溶媒との混合物からなる水系液媒体に顔料を添加
し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、
必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得
る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた
ような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本
発明にかかるインクを作製する。
【0041】尚、分散剤として前記したようなアルカリ
可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるため
に塩基を添加することが必要であるが、この際の塩基類
としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノー
ル、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用され
る。
【0042】又、顔料を有するインクの作製方法におい
ては、顔料を含む水性媒体を撹枠し分散処理する前に、
プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。
即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡
れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進するこ
とができるため、好ましい。
【0043】上記した顔料の分散処理の際に使用される
分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるもの
でもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサン
ドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミ
ルが好ましく使用され、このようなものとしては、例え
ば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、
アジテータミル、グレンミル、タイノーミル、パールミ
ル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0044】又、顔料を有するインクジェット記録用イ
ンクの場合には、記録ヘッドの吐出ノズル等に対する耐
目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料が
用いられるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法
としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする
こと、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時
間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フ
ィルターや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの
手法の組合せ等の手法が挙げられる。
【0045】本発明にかかるインクを顔料を含有するも
のとする場合には、インク中に上記で説明した各種成分
の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高
分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好まし
い。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられて
いない場合には、このようなアニオン性物質を添加する
ことが必須である。この際の添加量としては、0.05
〜10重責%、好ましくは0.2〜5重量%とする。
【0046】又、両性界面活性剤をその等電点以下のp
Hに調整して含有させるのも好ましい態様である。この
際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カ
ルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸
エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好
ましく使用することができる。又、アニオン性高分子の
例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリ
アクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル酸を
共重合したもの等を挙げることができるが、勿論これら
に限定されない。
【0047】上記のようにして構成される本発明にかか
るインクジェット記録用インクは、インク保持容器内に
ポリウレタンフォームからなるインク吸収体を有するイ
ンクジェット記録装置に使用した場合に、特に良好な効
果が得られる。即ち、本発明のインクジェット記録用イ
ンクには、上記インク吸収体よりインク中に溶出してく
る未反応物や分解物等の水不溶性物質に対して親媒性を
示し、更に水に対しても親媒性を示す両親媒性物質が含
有されているため、インク吸収体からインク中に溶出し
てくる上記水不溶性物質をインク中に溶解及び/又は分
散した状態で保持することができ、この結果、インク吸
収体からの溶出物がインクジェット記録ヘッドの吐出に
係る部分に徐々に蓄積し、集積するといったことを生じ
ることがなく、インクの吐出特性に与える悪影響が有効
に抑制される。
【0048】上記のインクジェット記録の際に使用され
る記録装置としては、記録へッドの室内のインクに記録
信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーに
より液滴を発生させる装置が挙げられる。
【0049】その装置の主要部である記録へッドの構成
例を、図1、図2及び図3に示す。ヘッド13は、イン
クを通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラ
スチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15
(図ではへッドが示されているが、これに限定されるも
のではない)とを接着して得られる。発熱へッド15
は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニ
ウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成され
る発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性
のよい基盤20とによりなっている。
【0050】インク21は、吐出オリフィス(微細孔)
22まできており、圧力Pによりメニスカス23を形成
している。今、電極17−1及び17−2に電気信号が
加わると、発熱へッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材
25に向かって飛翔する。図3に、図1に示すへッドを
多数並べたマルチヘッドの外観斜視図を示す。該マルチ
ヘッドは、マルチ溝26を有するガラス板27と、図1
に説明したものと同様な発熱へッド28を密着して製作
されている。尚、図1は、インク流路に沿ったへッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図で
ある。
【0051】図4に、かかるへッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61
は、ワイピング部材としてのブレードであり、その一端
はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、
カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録へッド
による記録領域に隣接した位置に配設され、又、図4に
示した装置の場合、記録へッドの移動経路中に突出した
形態で保持される。62はキャップであり、ブレード6
1に隣接するホームポジションに配設され、記録へッド
の移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、
キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレー
ド61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレ
ード61と同様、記録へッドの移動経路中に突出した形
態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸
収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード
61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵
埃等の除去が行われる。
【0052】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66は、記録ヘ
ッド65を搭載して記録へッド65の移動を行うための
キャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺
動可能に係合し、キャリッジ66の一部は、モータ68
によって駆動されるベルト69と接続(不図示)してい
る。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った
移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及び
その隣接した領域の移動が可能となる。51は、被記録
材を挿入するための給紙部、52は、不図示のモータに
より駆動される紙送りローラである。これらの構成によ
って記録へッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が
給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配
した排紙部へ排紙される。
【0053】上記構成において記録へッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、へッド回復部64の
キャップ62は記録へッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャンプ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド
65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録へッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領
域に隣接したホームポジションヘ移動し、この移動に伴
って上記ワイピングが行われる。
【0054】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋
であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをへッドに供給可能ならしめ
る。又、かかるインク袋中には、ポリウレタンフォーム
からなるインク吸収体を有する。44は廃インクを受容
する吸収体である。インク収容部としては、インクとの
接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成され
ているものが好ましい。本発明で使用されるインクジェ
ット記録装置としては、上記の如きへッドとインクカー
トリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如
きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0055】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するへッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。本発
明においては、インク吸収体の材料としては、ポリウレ
タンフォーム、特に好ましくは、ポリエーテルポリウレ
タンフォームが用いられる。72は記録ユニット内部を
大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユ
ニット70は、図4で示す記録へッドに代えて用いられ
るものであって、キャリッジ66に対して着脱自在にな
っている。
【0056】尚、本発明にかかるインクジェット記録用
インクを使用するのに好適な記録装置として、上記では
インクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出す
るインクジェット記録装置を挙げたが、その他、圧電素
子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも
同様に使用することができる。
【0057】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。先ず、実施例及び比較例で使用し
たインクを構成するインク成分、及び、該インクを収納
するインク吸収体を有するインク保持容器について説明
する。
【0058】(1)インク保持容器及びインク吸収体 <インク保持容器>インク吸収体として、下記のインク
吸収体A及びB用意し、インク保持容器は、ポリプロピ
レン(日本ポリケム製)を射出成形したものを用いた。
尚、このインク保持容器は、インクを約30g収納でき
る。 <インク吸収体A>インク吸収体Aは、製造過程に熱圧
縮工程を有するポリエーテルポリウレタンであり、吸収
体の重量は4gである。 <インク吸収体B>インク吸収体Bは、製造工程に熱圧
縮工程を有さないポリエーテルポリウレタンであり、吸
収体の重量は4gである。
【0059】(2)上記インク保持容器に収納されるイ
ンク組成 下記に、実施例及び比較例で使用した各インク組成A〜
Cを示した。 <インク組成A> ・C.I.フードブラック2 3部 ・グリセロール 10部 ・尿素 10部 上記物質を配合した後、純水を加えて全部で100部と
した。その後、ポアサイズ0.2ミクロンのメンブラン
フィルター(富士フィルム製)で加圧濾過してインク組
成Aを得た。その後、インクのpHを測定したところ
7.5であった。
【0060】<インク組成B>下記組成を配合した後、
純水を加えて100部とし、更に、アンモニアでインク
のpHを8.5に調整し、その後に、ポアサイズ0.2
ミクロンのメンブランフィルター(富士フィルム製)で
加圧濾過してインク組成Bを得た。 ・下記式で表される例示化合物4(RはNH4) 3部 ・グリセロール 10部 ・尿素 10部
【0061】
【0062】<インク組成C> ・明細書中、例示化合物2で示した物質(RはNH4)3部 ・グリセロール 10部 ・尿素 10部 ・アセチレノールEH 0.5部 上記成分組成を配合した後、純水を加えて100部と
し、更に、アンモニア水でインクのpHを10.5に調
整し、その後、ポアサイズ0.2ミクロンのメンブラン
フィルター(富士フィルム製)で、加圧濾過してインク
組成Cを得た。
【0063】(3)添加剤 インク吸収体から溶出した水不溶性物質をインク中に安
定に溶解及び/又は分散させるために上記したインク組
成A〜Cに添加して使用する両親媒性物質としては、下
記の両親媒性物質A及びBを使用した。 <両親媒性物質A>:ジエチレングリコールモノブチル
エーテル <両親媒性物質B>:安息香酸ナトリウム
【0064】[実施例1〜6]上記したインク組成A〜
C、それに両親媒性物質A及びBを表1に示したように
指定量配合してインクを調製後、表1に示したインク吸
収体を有するインク保持容器にインクを収納して各イン
クカートリッジを作製した。その後、得られた各インク
カートリッジについて、後述する評価方法によって評価
した。
【0065】[実施例7〜10]上記したインク組成A
〜C、それに両親媒性物質A及びBを表1に示したよう
に指定量配合してインクを調製後、表1に示したインク
吸収体を有するインク保持容器にインクを収納して各イ
ンクカートリッジを作製した。作製後、開口部をヒート
シールし、その状態で各インクカートリッジを60℃の
恒温槽で2週間保存した。その後、各インクカートリッ
ジについて、後述する評価方法によって評価した。
【0066】[比較例1〜4]表1に示したように、上
記したインク組成A〜Cをインク吸収体を有するインク
保持容器に収納して、比較用の各インクカートリッジを
作製した。その後、得られた各インクカートリッジにつ
いて、後述する評価方法によって評価した。
【0067】[比較例5]表1に示したように、上記し
たインク組成A〜Cをインク吸収体を有するインク保持
容器に収納して、比較用の各インクカートリッジを作製
した。作製後、開口部をヒートシールし、その状態で各
インクカートリッジを60℃の恒温槽で2週間保存し
た。その後、各インクカートリッジについて、後述する
評価方法によって評価した。
【0068】
【0069】<評価方法>上記で得られた実施例1〜1
0及び比較例1〜5のインクカートリッジを用いて、以
下の評価項目について、下記の評価方法及び基準で評価
を行った。表2にその結果を示した。
【0070】(1)評価1 キヤノン製BJC−700Jにカートリッジを挿入し、
各ノズルあたり、数十万発〜数百万発吐出後、専用のコ
ート紙(HR−101キヤノン製)に同ピッチで細線が
引かれたパターンを印字した。液滴の着弾点が正規の位
置であれば、人間の目には非常に均一なハーフトーンの
パターンとして認識される。もし、着弾点が正規の位置
からずれると、ムラやスジといった形が見えてくる。こ
のように印字されたものを目視で観察し、下記の基準で
評価した。 A:正常なドット径で、ムラ、ヨレがなく印字を持続で
きる。 B:若干の乱れはあるが、画像上は問題ないレベルであ
る。 C:ムラ、ヨレが目立つ。 D:ムラ、ヨレが目立ち、不吐出が発生する。
【0071】(2)評価2 キヤノン製BJC−700Jにカートリッジを挿入し、
各ノズルあたり、数十万発〜数百万発吐出後、ノズル方
向から光学顕微鏡でノズルに発生した透明の玉(水不溶
性物質)の量を観察し、下記の基準で評価した。 A:全く発生しない。 B:ノズル周辺に僅かに発生する。 C:ノズル周辺にかなり多量に発生し、ノズルによって
はノズル内にインクが供給されてない(インク落ち)場
所もある。
【0072】(3)評価3 キヤノン製BJC−700Jに各カートリッジを挿入
し、キヤノン製PP用紙(Canon−PB紙)上に文
字を印字し、印字物について目視で観察し、その品位を
下記の基準で評価した。A:エッジは非常にシャープで
ある。 B:エッジから白紙部への滲み(いわゆるフェザリン
グ)が発生する。
【0073】
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像を形成した場合に、ポリウレタンフォームからなる
インク吸収体から溶出してくる水不溶性物質によって生
じる透明の玉(特に、ポリエーテルポリオール)がへッ
ドの吐出口及びその周囲に発生が抑制され、印字ヨレを
防止し、着弾精度の向上させることができるインクジェ
ット記録用インクが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの縦断面図で
ある。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの横断面図で
ある。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15、28:発熱ヘッド 16:保護膜 17:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 40:インク袋 42:ゴム製の栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC01 FC02 KC11 KC14 KC21 2H086 BA01 BA52 BA53 BA55 BA60 BA62 4J039 BA04 BA29 BC07 BC19 BC29 BC33 BC41 BC52 BC54 BC66 BC73 BC77 BC79 BE01 BE03 BE04 BE06 BE07 BE12 CA03 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA41 EA44 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンフォームをインク吸収体と
    して有するインク保持容器に収納されるインクであっ
    て、少なくとも、色材、水溶性有機溶剤、水、及び、上
    記インク吸収体から溶出した水不溶性物質をインク中に
    安定に溶解及び/又は分散させるための上記水不溶性物
    質及び水に対して両親媒性物質を含有することを特徴と
    するインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 前記水不溶性物質が、インク保持容器中
    にインクを収納した状態でインク重量に対して300p
    pm以上存在する請求項1に記載のインクジェット記録
    用インク。
  3. 【請求項3】 インク保持容器中に収納されたインクの
    pHが、9以上である請求項1又は2に記載のインクジ
    ェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタンフォームがポリエーテ
    ルポリウレタンフォームであり、且つ、水不溶性物質が
    ポリエーテルポリオール系物質を含む請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 【請求項5】 前記両親媒性物質が、ヒドロトロピー剤
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェ
    ット記録用インク。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロトロピー剤のインク中の含有
    量が、0.05〜10重量%である請求項5に記載のイ
    ンクジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロトロピー剤のインク中の含有
    量が、0.1〜3重量%である請求項5に記載のインク
    ジェット記録用インク。
  8. 【請求項8】 ポリウレタンフォームからなるインク吸
    収体を具備しているインク収容部にインクジェット用イ
    ンクを保持しているインクジェット用インクの保持容器
    であって、該インクは、色材、水溶性有機溶剤、水及び
    両親媒性物質を含有しているインクであることを特徴と
    するインクジェット用インクの保持容器。
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