JP3257384B2 - 油圧エレベーター装置 - Google Patents

油圧エレベーター装置

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JP3257384B2
JP3257384B2 JP01162596A JP1162596A JP3257384B2 JP 3257384 B2 JP3257384 B2 JP 3257384B2 JP 01162596 A JP01162596 A JP 01162596A JP 1162596 A JP1162596 A JP 1162596A JP 3257384 B2 JP3257384 B2 JP 3257384B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、かごが油圧ジャ
ッキに係合されて昇降する油圧エレベーター装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図10及び図11は、例えば特開平5−
286670号公報に示された油圧エレベーター装置に
類似した従来の油圧エレベーター装置を示す図で、図1
0は油圧回路図、図11は図10の油圧エレベーター装
置の下降動作を示し時間(横軸)に対するかごの下降速
度(縦軸)及び開閉弁の開度(縦軸)のグラフである。
【0003】図において、1は油圧ジャッキ、2は油圧
ジャッキ1のプランジャーに支持されたかご、3は可逆
回転可能な油圧ポンプ、4は油圧ポンプ3を駆動する電
動機、5は開閉弁で、主室5a、弁体5b及び弁体5b
を介して主室5aと隔離された背室5cが設けられてい
る。
【0004】また、開閉弁5は油圧ジャッキ1と油圧ポ
ンプ3に主室5aが連通し、背室5c内の圧油の流出入
により弁体5bが作動して油圧ジャッキ1と油圧ポンプ
3との間の圧油流路を開閉して、かご2が走行している
ときは開口し、かご2が停止しているときは閉口する。
【0005】6は油圧の主回路で、油圧ジャッキ1、開
閉弁5、油圧ポンプ3を順次接続し、開閉弁5と油圧ポ
ンプ3の間に第一回路6aが形成され、また油圧ジャッ
キ1と開閉弁5の間に第二回路6bが形成される。7は
フィルタ、8は油槽、9はパイロット回路で、油圧ジャ
ッキ1と開閉弁5の背室5cを接続する圧油流入回路9
a及び開閉弁5の背室5cと油槽8を接続する圧油排出
回路9bが設けられている。
【0006】10は圧油排出回路9bに設けられて圧油
排出回路9bを開路又は閉路させる常時閉形の電磁弁で
ある。11は圧油流入回路9aに設けられた可変絞り
弁、12は圧油排出回路9bに設けられた可変絞り弁、
13は常時閉形の電磁弁10、油圧ポンプ3を駆動する
電動機4及びその他後述する機器に接続された制御装置
である。
【0007】従来の油圧エレベーター装置は上記のよう
に構成され、今、かご2が下降運転されるとすると各機
器が次に述べるように作動する。すなわち、制御装置1
3から下降運転指令が発せられ、常時閉形の電磁弁10
が付勢されて圧油排出回路9bが開路する。これによっ
て、開閉弁5の背室5c内の圧油が油槽8へ排出されて
11に示すように開閉弁5が開口する。
【0008】開閉弁5の開口により油圧ジャッキ1内の
圧油は、かご2の少なくとも自重によって押し出されて
油圧ジャッキ1、開閉弁5、油圧ポンプ3及びフィルタ
7を経て油槽8へ排出される。その後、制御装置13に
よって電動機4で駆動される油圧ポンプ3によって油圧
ジャッキ1内の圧油が排出される。そして、かご2の少
なくとも自重により発生する油圧ジャッキ1内の圧油の
圧力と油圧ジャッキ1から排出される圧油の流量によっ
て、油圧ポンプ3を駆動するために油圧ポンプ3に接続
された電動機4が発電制動運転される。
【0009】これにより、制御装置13によって電動機
4の回転速度が制御されることにより、図11に示すよ
うに所定の運転パターンに従ってかご2が下降運転され
る。そして、かご2が下降して所定の位置に到達すると
制御装置13から開閉弁5の閉止指令が発せられて、圧
油排出回路9bに設けられた常時閉形の電磁弁10が消
勢されて圧油排出回路9bが閉路し、圧油流入回路9a
が開路する。そして、圧油が開閉弁5の背室5c内に流
入して開閉弁5が全閉してかご2が停止するようになっ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の油
圧エレベーター装置において、開閉弁5が開口し油圧ジ
ャッキ1内の圧油の圧力と油圧ジャッキ1から排出され
る圧油の流量により油圧ポンプ3駆動用の電動機4が発
電制動運転されて、かご2の下降運転が行われる。しか
し、異常発生、例えば停電等によって電動機4に供給さ
れている電力が遮断された場合には、発電制動運転され
ている電動機4が制動力を喪失する。このときに、電動
機4の回転速度が所定の制御回転速度よりも増大するの
で、開閉弁5が閉口してかご2が停止するまでの下降距
離が徒に長くなるという問題点があった。
【0011】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、異常発生等による制御状態の異
変時であっても、かごが正常に下降運転される油圧エレ
ベーター装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る油圧エレ
ベーター装置においては、圧油を油圧ジャッキへ圧送す
る油圧ポンプを駆動する電動機の回転速度を変化させて
油圧ポンプの吐出流量を変化させ、油圧ジャッキに係合
されたかごの上昇動作を制御し、電動機の回転速度を変
化させて油圧ジャッキ内の圧油の排出流量を制御してか
ごの下降動作を制御する制御装置と、油圧ジャッキ及び
油圧ポンプの間に設けられてかごが走行するときには開
口し、かごが停止しているときは閉口する開閉弁と、こ
の開閉弁の開度を検出する開度検出装置と、開閉弁の背
室及び圧油の油槽の間の油圧回路に設けられた比例電磁
弁と、かごの走行速度を検出するかご速度検出装置と、
開度検出装置の検出値とかご速度検出装置の検出値によ
開度検出装置の出力に対応した開閉弁の開度決定用の
開度調整指令を比例電磁弁に発し、かつかご速度パター
ンとかご速度検出装置の検出値の差が所定範囲内であれ
ば比例電磁弁の開度を調整すると共に、かご速度パター
ンとかご速度検出装置の検出値の差が所定範 囲外であれ
ば比例電磁弁の開度を固定状態とする下降制御手段とが
設けられる。
【0013】また、この発明に係る油圧エレベーター装
置においては、圧油を油圧ジャッキへ圧送する油圧ポン
プを駆動する電動機の回転速度を変化させて油圧ポンプ
の吐出流量を変化させ、油圧ジャッキに係合されたかご
の上昇動作を制御し、電動機の回転速度を変化させて油
圧ジャッキ内の圧油の排出流量を制御してかごの下降動
作を制御する制御装置と、油圧ジャッキ及び油圧ポンプ
の間に設けられてかごが走行するときには開口し、かご
が停止しているときは閉口する開閉弁と、この開閉弁の
開度を検出する開度検出装置と、開閉弁の背室及び圧油
の油槽の間の油圧回路に設けられた比例電磁弁と、油圧
ポンプ及び開閉弁の間の油圧回路の圧力を検出する第一
圧力検出装置と、開閉弁及び油圧ジャッキの間の油圧回
路の圧力を検出する第二圧力検出装置と、開度検出装置
の出力に対応した開閉弁の開度決定用の開度調整指令を
比例電磁弁に発し、かつ第一圧力検出装置及び第二圧力
検出装置の検出値の差が所定範囲内であれば比例電磁弁
の開度を調整すると共に、第一圧力検出装置及び第二圧
力検出装置の検出値の差が所定範囲外であれば比例電磁
弁の開度を固定状態とする下降制御手段とが設けられ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1〜図は、この発明の実施の形態の一例を示す図
で、図1は油圧回路図、図2は図1の油圧エレベーター
装置の下降動作を示し時間(横軸)に対するかごの下降
速度(縦軸)及び開閉弁の開度(縦軸)のグラフ、図3
は図1の油圧エレベーター装置の機器の電気的接続を示
す概念回路図、図4は図1の油圧エレベーター装置の動
作を説明するフローチャートである。
【0015】図において、1は油圧ジャッキ、2は油圧
ジャッキ1のプランジャーに支持されたかご、3は可逆
回転可能な油圧ポンプ、4は油圧ポンプ3を駆動する電
動機、5は開閉弁で、主室5a、弁体5b及び弁体5b
を介して主室5aと隔離された背室5cが設けられてい
る。
【0016】また、開閉弁5は油圧ジャッキ1と油圧ポ
ンプ3に主室5aが連通し、背室5c内の圧油の流出入
により弁体5bが作動して油圧ジャッキ1と油圧ポンプ
3との間の圧油流路を開閉して、かご2が走行している
ときは開口し、かご2が停止しているときは閉口する。
【0017】6は油圧の主回路で、油圧ジャッキ1、開
閉弁5、油圧ポンプ3を順次接続し、開閉弁5と油圧ポ
ンプ3の間に第一回路6aが形成され、また油圧ジャッ
キ1と開閉弁5の間に第二回路6bが形成される。7は
フィルタ、8は油槽、9はパイロット回路で、油圧ジャ
ッキ1と開閉弁5の背室5cを接続する圧油流入回路9
a及び開閉弁5の背室5cと油槽8を接続する圧油排出
回路9bが設けられている。
【0018】14は圧油排出回路9bに設けられて圧油
排出回路9bを開路又は閉路させる常時閉形の比例電磁
弁である。11は圧油流入回路9aに設けられた可変絞
り弁、15は開閉弁5に設けられて弁体5bの移動距
離、すなわち開度を検出する開度検出装置、16はかご
速度検出装置で、無端状に配置されて一側がかご2に連
結されたロープ機構により駆動されてかご2の速度を検
出する。
【0019】13は常時閉形の比例電磁弁14、油圧ポ
ンプ3を駆動する電動機4及びその他後述する機器に接
続された制御装置、17は下降制御手段で、運転方向判
別手段18、速度演算手段19及び開閉弁開度調整手段
20が設けられている。なお、図2に示すようにかご2
の下降動作時に速度が次第に増大する加速走行時では開
閉弁5の開度が次第に増す。また、一定走行時は開閉弁
5の開度も一定になり、また速度が次第に減少する減速
走行時では開閉弁5の開度が次第に減じる。
【0020】上記のように構成された油圧エレベーター
装置において、今、かご2が下降運転されるとすると各
機器が次に述べるように作動する。すなわち、制御装置
13から下降運転指令が発せられて電動機4が回転速度
制御されて運転され、電動機4によって油圧ポンプ3が
駆動される。
【0021】これにより、第一回路6aの圧力が上昇し
て第一回路6aの圧力が第二回路6bの圧力とほぼ同じ
になったときに、検出装置(図示しない)が動作して制
御装置13により常時閉形の比例電磁弁14が付勢され
て圧油排出回路9bが開路する。これによって、開閉弁
5の背室5c内の圧油が油槽8へ排出されて図2に示す
ように開閉弁5が開口する。
【0022】開閉弁5の開口により油圧ジャッキ1内の
圧油は、かご2の少なくとも自重によって押し出されて
油圧ジャッキ1、開閉弁5、油圧ポンプ3及びフィルタ
7を経て油槽8へ排出される。その後、制御装置13に
よって電動機4で駆動される油圧ポンプ3によって油圧
ジャッキ1内の圧油が排出される。そして、かご2の少
なくとも自重により発生する油圧ジャッキ1内の圧油の
圧力と油圧ジャッキ1から排出される圧油の流量によっ
て、油圧ポンプ3に接続された油圧ポンプ3駆動用の電
動機4が発電制動運転される。
【0023】そして、制御装置13によって電動機4の
回転速度が制御されることにより、図2に示すような所
定の運転パターンに従ってかご2が下降運転される。ま
た、圧油排出回路9bが開路すると共に、かご2の速度
がかご速度検出装置16によって検出され、また開閉弁
5の開度が開度検出装置15により検出されて下降制御
手段17にフィードバックされる。そして、開度検出装
置15の入力に対応した下降制御手段17の動作によ
り、比例電磁弁14の開度が調整されて、開閉弁5がか
ご2の所定の下降速度に対応した開度に設定される。
【0024】次いで、かご2の下降動作時に速度が次第
に増大する加速走行時において開閉弁5の開度を次第に
増加させ、全閉から全開に至る動作を行う。また、かご
2の一定下降速度走行時においても、かご2の速度がか
ご速度検出装置16によって検出され、また開閉弁5の
開度が開度検出装置15により検出されて下降制御手段
17にフィードバックされる。これにより、下降制御手
段17の動作により、比例電磁弁14の開度が調整され
て、開閉弁5がかご2の所定の一定下降速度に対応した
開度に設定される。
【0025】このため、かご2の一定下降速度時に開閉
弁5の開度がさらに大きくなることがなく、一定下降速
度時に不測の原因により開閉弁5の開度が増すことによ
り開閉弁5の通過抵抗が小さくなって、かご2の速度制
御に対して外乱を与える現象によって生じるかご2の振
動を抑制することができる。
【0026】また、下降動作中のかご2が減速走行し
て、停止位置前の所定位置に到達すると制御装置13に
より開閉弁5の閉口指令が発せられる。これによって、
かご2の速度がかご速度検出装置16によって検出さ
れ、また開閉弁5の開度が開度検出装置15により検出
されて下降制御手段17にフィードバックされる。これ
により、下降制御手段17の動作により、比例電磁弁1
4の開度が調整されて、開閉弁5がかご2の所定の減速
下降速度に対応した開度に設定される。
【0027】これにより、かご2の減速下降走行時に速
度を減少させるように、開閉弁5の開度を次第に減少さ
せて全開から全閉に至る動作を行う。このように、かご
2の下降の加速走行時及び減速走行時の速度の変化に伴
って開閉弁5の開度を変化させる。このため、開閉弁5
を通過する圧油の流量に対応して開閉弁5の開度が設定
されて通過損失が増大する不具合を防止することができ
る。
【0028】また、異常発生、例えば停電等によって電
動機4に供給されている電力が遮断された場合に、発電
制動運転されている電動機4が制動力を喪失したときで
あっても、電動機4の回転速度が所定の制御回転速度よ
りも増大することがない。このため、図2に示す所定の
運転パターンによって油圧エレベーター装置を運転する
ことができる。
【0029】したがって、かご2の下降速度が過大にな
ったり、開閉弁5が閉口してかご2が停止するまでの下
降距離が徒に長くなったりする不具合を解消することが
できる。これによって、異常発生等の制御状態の異変時
であっても、かご2を正常に下降運転することができ
て、油圧エレベーター装置の安全性を向上することがで
きる。
【0030】また、油圧エレベーター装置の動作とし
て、図4のステップ101によりかご2の上昇又は下降
の走行指令が制御装置13から発せられるとステップ1
02によりかご2が走行開始し、またかご2の速度がか
ご速度検出装置16により検出される。
【0031】次いで、ステップ103において制御装置
13の動作によりかご速度パターンが生成されて、ステ
ップ104へ進む。ステップ104によりかご速度パタ
ーンとかご速度検出値の差の絶対値が所定値以下であれ
ばステップ105へ進んで比例電磁弁14の開度が調整
される。
【0032】また、ステップ104によりかご速度パタ
ーンとかご速度検出値の差の絶対値が所定値よりも大き
い場合にはステップ106へ進んで比例電磁弁14の開
度が固定される。 そして、ステップ107によりかご2
の走行を続行して、かご2が停止位置前の所定位置に到
達すると通常の制御によりかご2を停止させる。
【0033】このように、かご速度パターンとかご速度
検出値の差によって比例電磁弁14の開度を介して開閉
弁5の開度が設定される。このため、開閉弁5を通過す
る圧油の流量に対応して開閉弁5の開度が設定されて通
過損失が増大する不具合を防ぐこと等の作用を得ること
ができる。
【0034】また、かご2内の乗客によってかご2が故
意に揺らされること等による外乱が発生した場合には、
開閉弁5の主室5a及び背室5cの圧力バランスがくず
れ、弁体5bが変位することにより開閉弁5の開度が変
化するために、かご2に揺れ が生じ易くなる。しかし、
かご速度パターンと検出したかごの実速度の差が所定値
の範囲外となったときには比例電磁弁14の開度が固定
状態となるので、かご2に外乱による負荷が作用したと
きの揺れを少なくすることができ、乗心地を向上するこ
とができる。
【0035】実施の形態2. 図5〜図も、この発明の他の実施の形態の一例を示す
図で、図5は油圧回路図、図6は図5の油圧エレベータ
ー装置の下降動作を示し時間(横軸)に対するかごの下
降速度(縦軸)及び開閉弁の開度(縦軸)のグラフ、図
7は図5の油圧エレベーター装置の下降動作に対応した
主回路の圧力を示し時間(横軸)に対する第一回路及び
第二回路の圧力(縦軸)のグラフ、図8は図5の油圧エ
レベーター装置の機器の電気的接続を示す概念回路図
図9は図5の油圧エレベーター装置の動作を説明するフ
ローチャートである。
【0036】図において、図1〜図と同符号は相当部
分を示し、21は第一回路6aの圧力を検出する第一圧
力検出装置、22は第二回路6bの圧力を検出する第二
圧力検出装置、23は第一圧力検出装置21及び第二圧
力検出装置22の検出値を演算する圧力検出演算手段で
ある。
【0037】上記のように構成された油圧エレベーター
装置において、今、かご2が下降運転されるとすると各
機器が次に述べるように作動する。すなわち、制御装置
13から下降運転指令が発せられて電動機4が回転速度
制御されて運転され、電動機4によって油圧ポンプ3が
駆動される。
【0038】これにより、第一回路6aの圧力が上昇し
て第一回路6aの圧力が第二回路6bの圧力とほぼ同じ
になったときに、圧力検出演算手段23の出力により制
御装置13が動作して常時閉形の比例電磁弁14が付勢
されて圧油排出回路9bが開路する。これによって、開
閉弁5の背室5c内の圧油が油槽8へ排出されて図6に
示すように開閉弁5が開口する。
【0039】開閉弁5の開口により油圧ジャッキ1内の
圧油は、かご2の少なくとも自重によって押し出されて
油圧ジャッキ1、開閉弁5、油圧ポンプ3及びフィルタ
7を経て油槽8へ排出される。その後、制御装置13に
よって電動機4で駆動される油圧ポンプ3によって油圧
ジャッキ1内の圧油が排出される。そして、かご2の少
なくとも自重により発生する油圧ジャッキ1内の圧油の
圧力と油圧ジャッキ1から排出される圧油の流量によっ
て、油圧ポンプ3に接続された油圧ポンプ3駆動用の電
動機4が発電制動運転される。
【0040】これにより、制御装置13によって電動機
4の回転速度が制御されることによって図6に示すよう
な所定の運転パターンに従ってかご2が下降運転され
る。また、かご2の下降運転における加速走行指令が発
せられると、制御装置13により常時閉形の比例電磁弁
14が付勢されて圧油排出回路9bが開路する。これと
共に、第一回路6aの圧力が第一圧力検出装置21によ
り、また第二回路6bの圧力が第二圧力検出装置22に
よってそれぞれ検出される。
【0041】そして、開閉弁5の開度が開度検出装置1
5により検出されて、その出力が制御装置13にフィー
ドバックされる。これにより、比例電磁弁14の開度が
調整されて、開閉弁5が第一回路6aの圧力と第二回路
6bの圧力の差に対応した開度に設定される。これによ
って、かご2の下降運転における加速走行時に速度が上
昇するに従って、開閉弁5の開度が次第に増加されて全
開する。
【0042】また、かご2の一定下降速度走行時におい
ても、第一回路6aの圧力が第一圧力検出装置21によ
り、また第二回路6bの圧力が第二圧力検出装置22に
よってそれぞれ検出される。そして、開閉弁5の開度が
開度検出装置15により検出されて、その出力が制御装
置13にフィードバックされて、比例電磁弁14の開度
が調整され、開閉弁5が第一回路6aの圧力と第二回路
6bの圧力の差にもとづくかご2の所定の一定下降速度
に対応した開度に設定される。
【0043】また、下降動作中のかご2が減速走行し
て、停止位置前の所定位置に到達すると制御装置13に
より開閉弁5の閉口指令が発せられる。これによって、
第一回路6aの圧力が第一圧力検出装置21により、ま
た第二回路6bの圧力が第二圧力検出装置22によって
それぞれ検出される。そして、開閉弁5の開度が開度検
出装置15により検出されて、その出力が制御装置13
にフィードバックされ、比例電磁弁14の開度が調整さ
れる。
【0044】これにより、開閉弁5が第一回路6aの圧
力と第二回路6bの圧力の差に対応した開度に設定され
る。これによって、かご2の下降運転における減速走行
時に速度が減少するに従って、開閉弁5の開度が次第に
減少されて全閉する。このように、かご2の下降の加速
走行時及び減速走行時の第一回路6aの圧力と第二回路
6bの圧力の差の変化に伴って開閉弁5の開度を変化さ
せる。
【0045】また、油圧エレベーター装置の動作とし
て、図9のステップ201によりかご2の上昇又は下降
の走行指令が制御装置13から発せられるとステップ2
02によりかご2が走行開始し、また第一回路6a及び
第二回路6bの圧力が検出される。
【0046】次いで、ステップ203において第一回路
6aの圧力と第二回路6bの圧力の差の絶対値が所定値
以下であればステップ204へ進んで比例電磁弁14の
開度が調整される。また、ステップ203により第一回
路6aの圧力と第二回路6bの圧力の差の絶対値が所定
値よりも大きい場合にはステップ205へ進んで比例電
磁弁14の開度が固定される。 そして、ステップ206
によりかご2の走行を続行して、かご2が停止位置前の
所定位置に到達すると通常の制御によりかご2を停止さ
せる。
【0047】また、かご2内の乗客によってかご2が故
意に揺らされること等による外乱が発生した場合には、
開閉弁5の主室5a及び背室5cの圧力バランスがくず
れ、 弁体5bが変位することにより開閉弁5の開度が変
化するために、かご2に揺れが生じ易くなる。しかし、
第一回路6aの圧力と第二回路6bの圧力の差が所定値
の範囲外となったときには比例電磁弁14の開度が固定
状態となるので、かご2に外乱による負荷が作用したと
きの揺れを少なくすることができ、乗心地を向上するこ
とができる。 したがって、詳細な説明を省略するが図5
〜図9の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態
と同様な作用が得られることは明白である。
【0048】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、圧油を
油圧ジャッキへ圧送する油圧ポンプを駆動する電動機の
回転速度を変化させて油圧ポンプの吐出流量を変化さ
せ、油圧ジャッキに係合されたかごの上昇動作を制御
し、電動機の回転速度を変化させて油圧ジャッキ内の圧
油の排出流量を制御してかごの下降動作を制御する制御
装置と、油圧ジャッキ及び油圧ポンプの間に設けられて
かごが走行するときには開口し、かごが停止していると
きは閉口する開閉弁と、この開閉弁の開度を検出する開
度検出装置と、開閉弁の背室及び圧油の油槽の間の油圧
回路に設けられた比例電磁弁と、かごの走行速度を検出
するかご速度検出装置と、開度検出装置の検出値とかご
速度検出装置の検出値により開度検出装置の出力に対応
した開閉弁の開度決定用の開度調整指令を比例電磁弁に
し、かつかご速度パターンとかご速度検出装置の検出
値の差が所定範囲内であれば比例電磁弁の開度を調整す
ると共に、かご速度パターンとかご速度検出装置の検出
値の差が所定範囲外であれば比例電磁弁の開度を固定状
態とする下降制御手段とを設けたものである。
【0049】このように、かご速度パターンとかご速度
検出値の差によって比例電磁弁の開度を介し開閉弁を通
過する圧油の流量に対応して開閉弁の開度が設定され、
通過損失が増大する不具合を防止することができる。ま
た、異常発生、例えば停電等によって電動機に供給され
ている電力が遮断された場合に、発電制動運転されてい
る電動機が制動力を喪失したときであっても、電動機の
回転速度が所定回転速度よりも増大することがない。
【0050】したがって、かごの下降速度が過大になっ
たり、開閉弁が閉口してかごが停止するまでの下降距離
が徒に長くなったりする不具合を解消することができ、
異常発生等の制御状態の異変時であってもかごを正常に
下降運転することができ、油圧エレベーター装置の安全
性を向上する効果がある。
【0051】また、かご内の乗客によってかごが故意に
揺らされること等による外乱が発生した場合には、開閉
弁の主室及び背室の圧力バランスがくずれて弁体が変位
することにより、開閉弁の開度が変化するためにかごに
揺れが生じ易くなる。しかし、かご速度パターンと検出
したかごの実速度の差が所定値の範囲外となったときに
は比例電磁弁の開度が固定状態となるので、かごに外乱
による負荷が作用したときの揺れを少なくすることがで
き、乗心地を向上する効果がある。
【0052】また、この発明は以上説明したように、圧
油を油圧ジャッキへ圧送する油圧ポンプを駆動する電動
機の回転速度を変化させて油圧ポンプの吐出流量を変化
させ、油圧ジャッキに係合されたかごの上昇動作を制御
し、電動機の回転速度を変化させて油圧ジャッキ内の圧
油の排出流量を制御してかごの下降動作を制御する制御
装置と、油圧ジャッキ及び油圧ポンプの間に設けられて
かごが走行するときには開口し、かごが停止していると
きは閉口する開閉弁と、この開閉弁の開度を検出する開
度検出装置と、開閉弁の背室及び圧油の油槽の間の油圧
回路に設けられた比例電磁弁と、油圧ポンプ及び開閉弁
の間の油圧回路の圧力を検出する第一圧力検出装置と、
開閉弁及び油圧ジャッキの間の油圧回路の圧力を検出す
る第二圧力検出装置と、開度検出装置の出力に対応した
開閉弁の開度決定用の開度調整指令を比例電磁弁に発
し、かつ第一圧力検出装置及び第二圧力検出装置の検出
値の差が所定範囲内であれば比例電磁弁の開度を調整す
ると共に、第一圧力検出装置及び第二圧力検出装置の検
出値の差が所定範囲外であれば比例電磁弁の開度を固定
状態とする下降制御手段とを設けたものである。
【0053】このように、かごの下降の加速走行時及び
減速走行時の第一圧力検出装置と第 二圧力検出装置の検
出値の差の変化に伴って開閉弁の開度が調整される。こ
れにより、開閉弁を通過する圧油の流量に対応して開閉
弁の開度が設定され、通過損失が増大する不具合を防止
することができる。また、異常発生、例えば停電等によ
って電動機に供給されている電力が遮断された場合に、
発電制動運転されている電動機が制動力を喪失したとき
であっても、電動機の回転速度が所定回転速度よりも増
大することがない。
【0054】したがって、かごの下降速度が過大になっ
たり、開閉弁が閉口してかごが停止するまでの下降距離
が徒に長くなったりする不具合を解消することができ、
異常発生等の制御状態の異変時であってもかごを正常に
下降運転することができ、油圧エレベーター装置の安全
性を向上する効果がある。
【0055】また、かご内の乗客によってかごが故意に
揺らされること等による外乱が発生した場合には、開閉
弁の主室及び背室の圧力バランスがくずれて弁体が変位
することにより、開閉弁の開度が変化するためにかごに
揺れが生じ易くなる。しかし、第一圧力検出装置及び第
二圧力検出装置の検出値の差が所定範囲外となったとき
には比例電磁弁の開度が固定状態となるので、かごに外
乱による負荷が作用したときの揺れを少なくすることが
でき、乗心地を向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す油圧回路図。
【図2】 図1の油圧エレベーター装置の下降動作を示
し時間(横軸)に対するかごの下降速度(縦軸)及び開
閉弁の開度(縦軸)のグラフ。
【図3】 図1の油圧エレベーター装置における機器の
電気的接続を示す概念回路図。
【図4】 図1の油圧エレベーター装置の動作を説明す
るフローチャート。
【図5】 この発明の実施の形態2を示す油圧回路図。
【図6】 図5の油圧エレベーター装置の下降動作を示
し時間(横軸)に対するかごの下降速度(縦軸)及び開
閉弁の開度(縦軸)のグラフ。
【図7】 図5の油圧エレベーター装置の下降動作に対
応した主回路の圧力を示し時間(横軸)に対する第一回
路及び第二回路の圧力(縦軸)のグラフ。
【図8】 図5の油圧エレベーター装置における機器の
電気的接続を示す概念回路図。
【図9】 図5の油圧エレベーター装置の動作を説明す
るフローチャート。
【図10】 従来の油圧エレベーター装置を示す油圧回
路図。
【図11】 図10の油圧エレベーター装置の下降動作
を示し時間(横軸)に対するかごの下降速度(縦軸)及
び開閉弁の開度(縦軸)のグラフ。
【符号の説明】
1 油圧ジャッキ、2 かご、3 油圧ポンプ、4 電
動機、5 開閉弁、5c 背室、8 油槽、13 制御
装置、14 比例電磁弁、15 開度検出装置、16
かご速度検出装置、17 下降制御手段、21 第一圧
力検出装置、22 第二圧力検出装置。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 1/00 - 9/193

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧油を油圧ジャッキへ圧送する油圧ポン
    プを駆動する電動機の回転速度を変化させて上記油圧ポ
    ンプの吐出流量を変化させ、上記油圧ジャッキに係合さ
    れたかごの上昇動作を制御し、上記電動機の回転速度を
    変化させて上記油圧ジャッキ内の圧油の排出流量を制御
    して上記かごの下降動作を制御する制御装置と、上記油
    圧ジャッキ及び油圧ポンプの間に設けられて上記かごが
    走行するときには開口し、上記かごが停止しているとき
    は閉口する開閉弁と、この開閉弁の開度を検出する開度
    検出装置と、上記開閉弁の背室及び圧油の油槽の間の油
    圧回路に設けられた比例電磁弁と、上記かごの走行速度
    を検出するかご速度検出装置と、上記開度検出装置の検
    出値と上記かご速度検出装置の検出値により上記開度検
    出装置の出力に対応した上記開閉弁の開度決定用の開度
    調整指令を上記比例電磁弁に発し、かつかご速度パター
    ンと上記かご速度検出装置の検出値の差が所定範囲内で
    あれば上記比例電磁弁の開度を調整すると共に、上記か
    ご速度パターンと上記かご速度検出装置の検出値の差が
    所定範囲外であれば上記比例電磁弁の開度を固定状態と
    する下降制御手段とを備えた油圧エレベーター装置。
  2. 【請求項2】 圧油を油圧ジャッキへ圧送する油圧ポン
    プを駆動する電動機の回転速度を変化させて上記油圧ポ
    ンプの吐出流量を変化させ、上記油圧ジャッキに係合さ
    れたかごの上昇動作を制御し、上記電動機の回転速度を
    変化させて上記油圧ジャッキ内の圧油の排出流量を制御
    して上記かごの下降動作を制御する制御装置と、上記油
    圧ジャッキ及び油圧ポンプの間に設けられて上記かごが
    走行するときには開口し、上記かごが停止しているとき
    は閉口する開閉弁と、この開閉弁の開度を検出する開度
    検出装置と、上記開閉弁の背室及び圧油の油槽の間の油
    圧回路に設けられた比例電磁弁と、上記油圧ポンプ及び
    開閉弁の間の油圧回路の圧力を検出する第一圧力検出装
    置と、上記開閉弁及び油圧ジャッキの間の油圧回路の圧
    力を検出する第二圧力検出装置と、上記開度検出装置の
    出力に対応した上記開閉弁の開度決定用の開度調整指令
    を上記比例電磁弁に発し、かつ上記第一圧力検出装置及
    び第二圧力検出装置の検出値の差が所定範囲内であれば
    上記比例電 磁弁の開度を調整すると共に、上記第一圧力
    検出装置及び第二圧力検出装置の検出値の差が所定範囲
    外であれば上記比例電磁弁の開度を固定状態とする下降
    制御手段とを備えた油圧エレベーター装置。
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