JP2581385B2 - 油圧エレベータ装置 - Google Patents

油圧エレベータ装置

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JP2581385B2
JP2581385B2 JP4307042A JP30704292A JP2581385B2 JP 2581385 B2 JP2581385 B2 JP 2581385B2 JP 4307042 A JP4307042 A JP 4307042A JP 30704292 A JP30704292 A JP 30704292A JP 2581385 B2 JP2581385 B2 JP 2581385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油圧ポンプを回転数
制御する油圧エレベータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧エレベータ装置として、実
開昭57−144971号公報に掲載の技術を挙げるこ
とができる。
【0003】前記公報に掲載の技術は、かごを上昇運転
するときには油圧ポンプが付勢され、主回路に圧油が供
給され、上昇用の流量制御弁が制御装置の指令によって
その圧油流量を制御し、油圧ジャッキの上昇動作を制御
している。また、下降運転の場合には、油圧ジャッキ内
の圧油を下降用流量制御弁を介して排出することによ
り、油圧ジャッキの下降動作を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の油
圧エレベータ装置においては、かごの下降運転は、かご
の自重により発生する油圧ジャッキ内の圧力を、開閉弁
の開度によって油圧ジャッキから排出される流量制御で
行なっている。この開閉弁による流量制御では、特に、
開閉弁によって運動エネルギーが熱エネルギーに変換さ
れ、その圧油の温度上昇による流動性及び体積の変化、
開閉弁の開度の変化等によってかごの昇降運転特性が変
化する。
【0005】実開昭57−144971号公報に掲載の
技術では、圧油の温度を検出してそれによってかごの昇
降運転特性を変化させているが、昇降運動毎に開閉弁に
よって運動エネルギーが熱エネルギーに変換されるた
め、頻繁に昇降が行なわれた場合、必ずしも、昇降運転
が適性に行なわれるものでなかった。
【0006】そこで、本発明者等は油圧ポンプを駆動す
る電動機をVVVF制御することによって、かごの昇降
運動をポンプの回転数による流量制御とし、運動エネル
ギーを熱エネルギーに変換するエネルギー量を少なくす
るように試みた。この際のかごの下降運転は、油圧ポン
プに接続した電動機が発電制動(回生制動)運転され
る。ここで、かごの下降走行中に電動機の電源が遮断さ
れた場合には、発電制動運転されている電動機の制動力
がなくなるため、電動機の回転数が正規の制御回転数よ
りも大きくなり、開閉弁が完全に閉口してかごが停止す
るまでの走行距離が大きくなるという不都合が予測され
る。
【0007】この発明は、下降走行時の制御が安全にで
きる油圧エレベータ装置及びその制御方法を提供するこ
とを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る油
圧エレベータ装置は、油圧ジャッキに主回路を介して回
転数制御された油圧ポンプの圧油を供給することにより
かごを上昇または下降運転させる油圧パワーユニット
と、対応する主室及び背室を有し、前記油圧パワーユニ
ットに前記主室が接続され、かごが走行するときに開口
し、かごが停止しているときに閉口する開閉弁と、前記
油圧ジャッキの油圧を前記開閉弁の前記背室に導入する
電磁弁及び絞り弁を介して接続された圧油流入回路及び
前記開閉弁の背室の圧油を排出する電磁弁及び絞り弁を
介して接続された圧油排出回路とからなるパイロット回
路とを具備し、かごの上昇または下降運転を前記油圧ポ
ンプの回転数制御によって行なうとともに、前記パイロ
ット回路によって前記開閉弁の開閉状態を前記油圧ポン
プの回転数制御の送給量を規制することのない範囲で開
度を規制すべく前記絞り弁を設定するものである。
【0009】請求項2の発明に係る油圧エレベータ装置
は、請求項1における絞り弁に代えて、油温または油圧
により、その絞りを制御できる可変絞り弁を使用して、
開閉弁の開閉状態を油圧ポンプによる給排油量を規制す
ることのない範囲で制限制御するものである。
【0010】請求項3の発明に係る油圧エレベータ装置
の制御方法は、かごの下降運転中に電動機が回転制動と
なるように、即ち、油圧ポンプと開閉弁の間の圧力を正
圧に保持できるように、開閉弁の開閉状態を設定または
制御するようにしたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明においては、油圧ジャッキに主
回路を介して回転数制御された油圧ポンプの圧油を供給
することによって、かごを上昇または下降運転させ、油
圧ジャッキに取付けられたかごの上昇または下降運転は
前記油圧ポンプの回転数制御によって行なう。このと
き、開閉弁はかごが走行するときに開口し、かごが停止
するときに閉口するが、パイロット回路の絞り弁によっ
て、その開閉状態を前記油圧ポンプの回転数制御の送給
量に近似させておく。これによって、下降運転の加速走
行時及び減速走行時の速度の変化に伴って、開閉弁の開
度も変化しており、開閉弁を通過する流量に対応した開
度に調整でき、回転数制御された油圧ポンプが電気的制
御から解放され、油圧ジャッキの圧油の影響を受けて油
圧ポンプが高速回転に入ろうとしても、開閉弁による制
御に移行し、譬え、電気的制御から解放されても、かご
の下降速度が異常に加速されるのを阻止できる。
【0012】請求項2の発明においては、油圧ジャッキ
に接続された主回路の開閉弁を開閉するパイロット回路
の絞り弁を制御可能な可変絞り弁とすることにより、油
温変化により油の粘度が変化しても、また、かご負荷に
よって油圧が変化しても、絞り弁を流通する油量を一定
に保って開閉弁を開閉する。これにより、かごの下降速
度が異常に高くなるのを阻止できる。
【0013】請求項3の発明においては、油圧ポンプと
開閉弁の間の圧力を正圧に保持できるようにすることに
より、かごの下降運転時に、油圧ポンプが開閉弁からの
排出油を吸引すること、即ち、負圧にすることがないか
ら、キャビテーションの発生に伴なう機器の損傷を防止
できる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1乃至図3によ
り説明する。 〈第一実施例〉図1はこの発明の第一実施例の油圧エレ
ベータ装置の一例を示す油圧回路図である。また、図2
は本発明の第一実施例の油圧エレベータ装置の下降運転
の制御に係る下降速度及び開閉弁の開度と時間の関係を
示す特性図である。
【0015】図において、1は油圧ジャッキ、2は油圧
ジャッキ1に取付けられたかご、3は可逆回転可能な油
圧ポンプ、4は油圧ポンプ3を駆動する電動機、5は主
室5aと、弁体5bを介して主室5aと離隔された背室
5cとを有し、油圧ジャッキ1と油圧ポンプ3との間に
主室5aが接続され、背室5c内の圧油の流入出により
弁体5bを作動させて油圧ジャッキ1と油圧ポンプ3と
の間の油圧流路を開閉し、かご2が昇降しているときは
開口し、かご2が停止しているときは閉口する開閉弁
で、開度の調整も可能である。6は油圧ジャッキ1と開
閉弁5と油圧ポンプ3とを順に接続した油圧の主回路、
7はフィルタ、8は油槽、9は油圧ジャッキ1と開閉弁
5の背室5cとを接続する圧油流入回路9a及び開閉弁
5の背室5cと油槽8とを接続する圧油排出回路9bと
からなるパイロット回路、10は圧油流入回路9aに設
けられ、この圧油流入回路9aを開路または閉路させる
常時開形の電磁弁、11は圧油排出回路9bに設けら
れ、この圧油排出回路9bを開路または閉路させる常時
閉形の電磁弁、12は圧油流入回路9aに設けられた可
変絞り弁、13は圧油排出回路9bに設けられた可変絞
り弁、14は常時開形の電磁弁10と常時閉形の電磁弁
11の開閉制御と可変絞り弁12及び可変絞り弁13の
絞り制御と油圧ポンプ3を駆動する電動機4をVVVF
制御等で速度制御する制御装置、15aは制御装置14
と電動機4とを接続する制御信号回路、15bは制御装
置14と常時開形の電磁弁10と常時閉形の電磁弁11
とを接続する制御信号回路、15cは制御装置14と可
変絞り弁12、可変絞り弁13とを接続する制御信号回
路で、油温や油圧が変化しても可変絞り弁12,13を
流通する油量を一定に保つように制御するものである。
【0016】なお、その制御は、油温または油圧と可変
絞り弁12,13の絞り量との関係を予め測定し、その
測定値を予め記憶装置に記憶させておく。稼働時間は、
油温や油圧の検出信号に対応する絞り量を記憶装置から
読みとって可変絞り弁12,13を制御するものであ
る。また、主回路6のうち開閉弁5と油圧ポンプ3の間
を第1回路6a、油圧ジャッキ1と開閉弁5との間を第
2回路6bとする。
【0017】次に、この第一実施例の油圧エレベータ装
置の動作について説明する。最初に、かご2の上昇運転
について説明する。まず、上昇運転指令が油圧エレベー
タの運転制御装置(図示せず)から発生すると、制御装
置14により、制御信号回路15bを介して常時開形の
電磁弁10が付勢され、パイロット回路9中の圧油流入
回路9aが閉路し、その後、常時閉形の電磁弁11が付
勢され、パイロット回路9中の圧油排出回路9bが開路
する。これにより、開閉弁5の背室5cの圧油が制御装
置14により制御された可変絞り弁13を介して、油槽
8へ排出されて開閉弁5が徐々に開口する。また、制御
装置14により、制御信号回路15aを介して速度制御
される電動機4の作用により、油圧ポンプ3が吐出流量
を変化させながら、油槽8から圧油を、フィルタ7→油
圧ポンプ3→開閉弁5を経て油圧ジャッキ1に供給する
ため、かご2は所定の速度で走行制御されながら上昇す
る。このとき、油圧ポンプ3の吐出流量の変化に伴な
い、開閉弁5の開度を漸増・漸減することで、開閉弁5
の圧力損失を適正になるように開閉弁5の開度を制御す
る。
【0018】即ち、開閉弁5の開度は、下降運転時にか
ご2の起動から停止まで第1回路6aが負圧にならない
範囲で流通させるように制限制御されるものである。こ
のため、電動機4はかご2の下降起動から停止まで回生
制動または発電制動を行なうものである。上昇運転にお
いても、開閉弁5が前述のように制御され、また、開閉
弁5を流通する油量は下降運転時と同量であることか
ら、開閉弁5により油量が制限されて油圧を異常に上昇
させることはないものである。
【0019】次に、かご2の下降運転について説明す
る。まず、下降運転指令が油圧エレベータの運転制御装
置(図示せず)から発生すると、制御装置14により、
制御信号回路15bを介して常時開形の電磁弁10が付
勢され、圧油流入回路9aが閉路し、その後、常時閉形
の電磁弁11が付勢され、圧油排出回路9bが開路す
る。これにより、開閉弁5の背室5cの圧油が油槽8へ
排出されて開閉弁5が徐々に開口する。そして、第1回
路6aの油圧の圧力が第2回路6bの油圧の圧力とほぼ
同圧となったことを、検出装置(図示せず)で検出する
と、運転制御装置は、次に、下降運転の加速走行指令を
出す。開閉弁5が開口したとき、制御装置14からの制
御信号が、制御信号回路15aを介して電動機4に供給
され、この電動機4で駆動される油圧ポンプ3が油圧ジ
ャッキ1内の圧油の排出を行なうように速度制御され
る。
【0020】油圧ジャッキ1内の圧油はかご2の自重に
より押出されて、油圧ジャッキ1→開閉弁5→油圧ポン
プ3→フィルタ7を経て油槽8へ排出される。このと
き、かご2の自重により発生する油圧ジャッキ1内の圧
力と油圧ジャッキ1から排出される流量で、油圧ポンプ
3側を駆動するため、油圧ポンプ3に接続した電動機4
が発電制動で運転される。即ち、油圧ポンプ3と開閉弁
5の間の圧力は正圧に保たれる。
【0021】そして、加速走行時に電動機4で駆動され
る油圧ポンプ3の回転速度が上昇する。一方、開閉弁5
の開度を徐々に増加させるように、制御装置14からの
制御信号が、制御信号回路15cを介して可変絞り弁1
3に供給され、可変絞り弁13の開度を変化させること
により、開閉弁5が、全閉から全開になるまでの時間を
調整することができる。このとき、開閉弁5が全開にな
る時間(開き終り)は、図2からわかるように、油圧ポ
ンプ3によるかご2の加速走行の終了よりも以前になる
よう設定されている。この条件が満たされないと、かご
2が一定速走行で開閉弁5を通過する流量が一定になっ
ても、開閉弁5の開度がさらに大きくなるため、開閉弁
5の通過抵抗が小さくなり、かご2の速度制御に対し外
乱を与えることになり、かご2の振動を発生することに
なる。このとき、油圧ポンプ3の排出量に伴ない、開閉
弁5の開度が漸増・漸減することで、開閉弁5の圧力損
失が適正となるように開閉弁5の開度が制御される。
【0022】さて、かご2が目的階の所定距離手前に到
達すると、電動機4は徐々に減速し、これに伴なって油
圧ポンプ3の排出量も漸減する。また、開閉弁5を閉口
させるために、常時閉形の電磁弁11が消磁(消勢)さ
れ、圧油排出回路9bが閉路し、圧油流入回路9aに設
けられた常時開形の電磁弁10が消磁(消勢)され、圧
油流入回路9aが開路する。これにより、減速走行時に
かご2の速度が減少するのに伴い、開閉弁5の開度を徐
々に減少させるようにする。開閉弁5の開度は、制御装
置14からの制御信号が制御信号回路15cを介して、
可変絞り弁12に供給され、可変絞り弁12の開度を変
化させることにより、開閉弁5の全開から全閉になるま
での時間を調整することができる。
【0023】このとき、開閉弁5が閉じ始める時間は、
図2に示したとおり、減速走行の開始よりも以後にすべ
きである。この条件が満たされないと、かご2が一定速
走行中で流量が一定であるにもかかわらず、開閉弁5の
通過抵抗が大きくなり、かご2の速度制御に対し外乱を
与えることになり、かご2の振動を発生することにな
る。
【0024】このように、本実施例の油圧エレベータ装
置は、油圧ジャッキ1に主回路6を介して回転数制御さ
れた油圧ポンプ3の圧油を供給することによりかご2を
上昇または下降運転させる油圧パワーユニットと、対応
する主室5a及び背室5cを有し、前記油圧パワーユニ
ットに主室5aが接続され、かご2が走行するときに開
口し、かご2が停止しているときに閉口する開閉弁5
と、油圧ジャッキ1の圧油を開閉弁5の背室5cに導入
する電磁弁10及び可変絞り弁12を介して接続された
圧油流入回路9a及び開閉弁5の背室5cの圧油を排出
する電磁弁11及び可変絞り弁13を介して接続された
圧油排出回路9bとからなるパイロット回路9とを具備
する油圧エレベータ装置において、かご2の上昇または
下降運転を油圧ポンプ3の回転数制御によって行なうと
ともに、パイロット回路9によって開閉弁5の開閉状態
を油圧ポンプ3の回転数制御の送給量に近似させるべく
可変絞り弁12,13を制御するものである。この油圧
エレベータ装置を請求項2の実施例とすることができ
る。
【0025】したがって、電磁弁10を閉じ、電磁弁1
1を開とすることにより、開閉弁5の主室5aが開とな
り、かご2は、主回路6を介して回転数制御された油圧
ポンプ3の圧油を油圧ジャッキ1に給排することによ
り、かご2が上昇または下降運転される。このとき、開
閉弁5は、図2に示すように、開閉弁5の単独でかご2
の上昇または下降運転させるかご速度特性の開度以上の
開度とすべく制御する。これによって、かご2は回転数
制御された油圧ポンプ3によって走行制御可能となる。
【0026】ここで、停電や制御回路の異常等で油圧ポ
ンプ3が機能しなくなって、圧油が油圧ポンプ3を自由
通過し、第1主回路6aから油槽8へ排出されたとして
も、開閉弁5の開度に規制されるので下降速度が異常に
高くなることはない。また、油圧ジャッキ1の圧油を可
変絞り弁12を介して背室5cに導入する電磁弁10が
開、背室5cの圧油を排出する電磁弁11が閉となり、
開閉弁5が徐々に閉じるから、かご2の下降動作は徐々
に停止する。この間、かご2は、僅かな時間で回転数制
御された油圧ポンプ3によるかご速度特性から開閉弁5
によるかご速度特性に移行するので暴走することはな
い。
【0027】よって、かご2の昇降移動中に、そのかご
2を昇降動作する回転数制御された油圧ポンプ3に異常
が発生して機能しなくなったとしても、かご2の暴走を
防止できる。特に、本実施例では、可変絞り弁12及び
可変絞り弁13の開口を制御して、図2に示すかご速度
に合わせて開度を漸増・漸減させることができるから、
油圧ポンプ3の制御に異常が発生しても、かご2内の乗
客に急激なショックを与えることなく昇降停止に入るこ
とができる。
【0028】なお、上記実施例の可変絞り弁12、13
の開度を変化させる手段としては、例えば、可変絞り弁
12、13の絞り調整軸を回転させるべく、制御装置1
4からの制御信号により駆動されるステッピングモータ
等の正逆転可能な電動機が用いられる。また、これらの
可変絞り弁12、13は、勿論、手動により予め所定の
開度に設定しておくこともできる。次に、その実施例を
説明する。
【0029】〈第二実施例〉図3はこの発明の第二実施
例の油圧エレベータ装置の一例を示す油圧回路図であ
る。なお、図中、第一実施例と同一符号及び記号は第一
実施例の構成部分と同一または相当する構成部分を示す
ものであるから、ここでは重複する説明を省略する。図
において、120は圧油流入回路9aに設けられ、所定
の絞りに予め設定された絞り弁、130は圧油排出回路
9bに設けられ、所定の絞りに予め設定された絞り弁で
ある。第一実施例の可変絞り弁12と可変絞り弁13と
の違いは、制御装置14によってその開口が電気的に調
整されるものでなく、本実施例のものは手動で予め設定
するものである。
【0030】次に、上記のような構成の油圧エレベータ
装置の動作について説明する。最初に、かご2の上昇運
転について説明する。まず、上昇運転指令が油圧エレベ
ータの運転制御装置(図示せず)から発生すると、制御
装置14によって制御信号回路15bを介して常時開形
の電磁弁10が付勢され、パイロット回路9中の圧油流
入回路9aが閉路し、その後、常時閉形の電磁弁11が
付勢され、パイロット回路9中の圧油排出回路9bが開
路する。これにより、開閉弁5の背室5cの圧油が予め
所定の絞り量に固定設定されている絞り弁130を介し
て、油槽8へ排出されて開閉弁5が徐々に開口する。ま
た、制御装置14により、制御信号回路15aを介して
速度制御される電動機4の作用により、油圧ポンプ3が
吐出流量を変化させながら、油槽8から圧油を、フィル
タ7→油圧ポンプ3→開閉弁5を経て油圧ジャッキ1に
供給するため、かご2は所定の速度で走行制御されなが
ら上昇する。このとき、図2の破線のように、油圧ポン
プ3が吐出流量の変化は、開閉弁5の開口によって規制
する流量以上の開口に制御されているので、直接、吐出
流量が規制されることがない。
【0031】次に、かご2の下降運転について説明す
る。同様に、下降運転指令が油圧エレベータの運転制御
装置(図示せず)から発生すると、制御装置14によっ
て制御信号回路15bを介して常時開形の電磁弁10が
付勢され、圧油流入回路9aが閉路し、その後、常時閉
形の電磁弁11が付勢され、圧油排出回路9bが開路す
る。これにより、開閉弁5の背室5cの圧油が油槽8へ
排出されて開閉弁5が徐々に開口する。開閉弁5が開口
したとき、制御装置14からの制御信号が、制御信号回
路15aを介して電動機4に供給され、この電動機4で
駆動される油圧ポンプ3が油圧ジャッキ1内の圧油の排
出を行なうように速度制御される。
【0032】油圧ジャッキ1内の圧油はかご2の自重に
より押出されて、油圧ジャッキ1→開閉弁5→油圧ポン
プ3→フィルタ7を経て油槽8へ排出される。このと
き、かご2の自重により発生する油圧ジャッキ1内の圧
力と油圧ジャッキ1から排出される流量で、油圧ポンプ
3側を駆動するため、油圧ポンプ3に接続した電動機4
が発電制動で運転される。即ち、油圧ポンプ3と開閉弁
5の間の圧力は正圧を保持している。
【0033】このときの、絞り弁130の開度の設定に
より、開閉弁5の全閉から全開になるまでの時間を設定
することができる。そして、加速走行時に電動機4で駆
動される油圧ポンプ3の回転速度が徐々に上昇する。一
方、開閉弁5の開度を徐々に増加させ、絞り弁130の
開度で設定された時間の経過により、開閉弁5が全閉か
ら全開になる。本実施例においても、図2に示すとお
り、開閉弁5が全開になる時間(開き終り)は、油圧ポ
ンプ3によるかご2の加速走行の終了よりも以前になる
ように設定されている。この条件が満たされないと、か
ご2が一定速走行で開閉弁5を通過する流量が一定にな
っても、開閉弁5の開度がさらに大きくなるため、開閉
弁5の通過抵抗が小さくなり、かご2の速度制御に対し
外乱を与えることになり、かご2の振動を発生すること
になる。当然、このときにおいても、油圧ポンプ3の排
出量に伴ない、開閉弁5の開度が漸増・漸減すること
で、開閉弁5の圧力損失が適正となるように開閉弁5の
開度が制御される。
【0034】さて、かご2が目的階の所定距離手前に到
達すると、電動機4は徐々に減速し、これに伴なって油
圧ポンプ3の排出量も漸減する。また、開閉弁5を閉口
させるために、常時閉形の電磁弁11が消磁(消勢)さ
れ、圧油排出回路9bが閉路し、圧油流入回路9aに設
けられた常時開形の電磁弁10が消磁(消勢)され、圧
油流入回路9aが開路する。これにより、減速走行時に
かご2の速度が減少する。一方、開閉弁5の開度を徐々
に減少させるようにする。なお、圧油流入回路9aに設
けられた絞り弁120の設定により、開閉弁5の全開か
ら全閉になるまでの時間を所望の値に設定しておく。こ
のとき、開閉弁5が閉じ始める時間は、図2からわかる
ように、減速走行の開始よりも以後にすべきである。こ
の条件が満たされないと、かご2が一定速走行中で流量
が一定であるにもかかわらず、開閉弁5の通過抵抗が大
きくなり、かご2の速度制御に対し外乱を与えることに
なり、かご2の振動を発生することになる。
【0035】このように、本実施例の油圧エレベータ装
置は、油圧ジャッキ1に主回路6を介して回転数制御さ
れた油圧ポンプ3の圧油を供給することによりかご2を
上昇または下降運転させる油圧パワーユニットと、対応
する主室5a及び背室5cを有し、前記油圧パワーユニ
ットに主室5aが接続され、かご2が走行するときに開
口し、かご2が停止しているときに閉口する開閉弁5
と、油圧ジャッキ1の圧油を開閉弁5の背室5cに導入
する電磁弁10及び絞り弁120を介して接続された圧
油流入回路9a及び開閉弁5の背室5cの圧油を排出す
る電磁弁11及び絞り弁130を介して接続された圧油
排出回路9bとからなるパイロット回路9とを具備する
油圧エレベータ装置において、かご2の上昇または下降
運転を油圧ポンプ3の回転数制御によって行なうととも
に、パイロット回路9によって開閉弁5の開閉状態を油
圧ポンプ3の回転数制御の送給量を規制することのない
範囲で、開度を制限すべく絞り弁120,130を設定
しておくものである。この油圧エレベータ装置を請求項
1の実施例とすることができる。
【0036】したがって、パイロット回路9の油圧ジャ
ッキ1の圧油を開閉弁5の背室5cに導入する電磁弁1
0を閉じ、開閉弁5の背室5cの圧油を排出する電磁弁
11を開とすることにより、開閉弁5の主室5aが開と
なり、油圧ジャッキ1に取付けられたかご2は、主回路
6を介して回転数制御された油圧ポンプ3の圧油を供給
することにより、かご2が上昇または下降運転される。
このとき、開閉弁5は、図2に示すように、開閉弁5の
単独でかご2の上昇または下降運転させるかご速度特性
の開度以上の開度となるように、絞り弁130の絞りが
設定されている。これによって、油圧ジャッキ1の圧油
は開閉弁5の開度の影響に左右されることなく、かご2
は回転数制御された油圧ポンプ3によって走行制御可能
となる。
【0037】ここで、例えば、かご2の下降中に、回転
数制御された油圧ポンプ3の発電制動が不能となると、
油圧ポンプ3は暴走しようとするが、このとき、油流は
急激に開閉弁5の開度に制限され、また、油圧ジャッキ
1の圧油を開閉弁5の背室5cに導入する電磁弁10が
開、開閉弁5の背室5cの圧油を排出する電磁弁11が
閉となり、開閉弁5が徐々に閉じるから、かご2の下降
動作は停止する。この間、かご2の暴走は、回転数制御
された油圧ポンプ3によるかご速度特性から開閉弁5に
よるかご速度特性に移行する僅かな時間となる。
【0038】よって、かご2の昇降移動中に、そのかご
2を昇降動作する回転数制御された油圧ポンプ3の制御
に異常が発生しても、かご2の暴走を防止できる。特
に、本実施例では、パイロット回路9の絞り弁120及
び絞り弁130により開閉弁5の開度が、図2に示すよ
うに制限されているから、油圧ポンプ3の制御に異常が
発生しても、かご2内の乗客に急激なショックを与える
ことなく昇降停止に入ることができる。
【0039】上記実施例の油圧エレベータ装置において
は、かご2の下降運転は、かご2の自重により発生する
油圧ジャッキ1内の圧力と油圧ジャッキ1から排出され
る流量で油圧ポンプ3を駆動し、油圧ポンプ3に接続し
た電動機4が発電制動によりその回転上昇を抑制する。
下降走行時に開閉弁5は徐々に開口するが、走行中に電
動機4への電力が遮断された場合、発電制動運転されて
いる電動機4の制動力がなくなるが、以降は、開閉弁5
の制御に切り替わり、電動機4の回転数が異常に大きく
なったり、開閉弁5が完全に停止するまでの走行距離が
大きくなるという不都合が生じない。
【0040】また、かご2が下降運転の加速走行開始以
前に開閉弁5が開き始め、加速走行が終了し一定速走行
になる前に開閉弁5が全開になるから、かご2の速度が
開閉弁5に左右されず、開閉弁5の通過抵抗が小さいか
ら、かご2の速度制御に対して外乱を与えることがない
から、かご2の移動中に共振振動等が発生しない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よる油圧エレベータ装置においては、開閉弁はかごが走
行するときに開口し、かごが停止するときに閉口する
が、パイロット回路の絞り弁によって、その開閉状態を
前記油圧ポンプの回転数制御の送給量に合せて漸増・漸
減させることによって、下降運転の加速走行時及び減速
走行時の速度の変化に伴って、開閉弁の開度も変化し、
開閉弁を通過する流量に対応した開度に設定できる。こ
のとき、喩え、回転数制御された油圧ポンプが電気的制
御から解放され、油圧ジャッキの圧油の影響を受けて油
圧ポンプが高速回転に入ろうとしても、開閉弁による制
御に移行し、かごの下降速度が加速されるのを阻止でき
る。したがって、開閉弁は通過する圧油の流量に対応し
た開度にでき、開閉弁による通過損失を大きくすること
がなく、また、回転数制御された油圧ポンプが電気的制
御から解放され、油圧ジャッキの圧油の影響を受けて油
圧ポンプが高速回転に入ろうとしても、開閉弁による制
御に移行し、かごの下降速度の増大を抑制することがで
き、かごの行き過ぎ走行量も小さくなり、フェイルセイ
フとなって、安全性が高い。
【0042】請求項2の発明による油圧エレベータ装置
においては、請求項1のパイロット回路の絞り弁に代え
て、制御可能な可変絞り弁としたので、開閉弁の開閉時
間は、油温による粘度変化に影響されないという効果を
併有し、更に、安全性が高い。
【0043】請求項3の発明による油圧エレベータ装置
においては、油圧ポンプと開閉弁の間の圧力を正圧に保
持したので、油圧ポンプが開閉弁から油圧を吸引するこ
とがない。このため、負圧によるキャビテーションの発
生に伴なう機器の損傷を防止できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例による油圧エレベー
タ装置を示す油圧回路図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例の油圧エレベータ装
置の下降運転の制御に係る下降速度及び開閉弁の開度と
時間の関係を示す特性図である。
【図3】図3は本発明の第二実施例による油圧エレベー
タ装置を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
1 油圧ジャッキ 2 かご 3 油圧ポンプ 4 電動機 5 開閉弁 8 油槽 9 パイロット回路 10 常時開形の電磁弁 11 常時閉形の電磁弁 12,13 可変絞り弁 14 制御装置 120 絞り弁 130 絞り弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 代詞男 愛知県稲沢市菱町1番地 三菱電機株式 会社 稲沢製作所内 (56)参考文献 特開 平4−39278(JP,A) 特開 昭63−202573(JP,A) 特開 平1−34880(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ジャッキに主回路を介して回転数制
    御された油圧ポンプにより、圧油を給排することにより
    かごを上昇または下降運転させる油圧パワーユニット
    と、対応する主室及び背室を有し、前記油圧パワーユニ
    ットに前記主室が接続され、かごが走行するときに開口
    し、かごが停止しているときに閉口する開閉弁と、前記
    油圧ジャッキの油圧を前記開閉弁の前記背室に導入する
    絞り弁を介して接続された圧油流入回路及び前記開閉弁
    の背室の圧油を排出する絞り弁を介して接続された圧油
    排出回路とからなるパイロット回路とを具備する油圧エ
    レベータ装置において、 かごの上昇または下降運転を前記油圧ポンプの回転数制
    御によって行なうとともに、前記パイロット回路によっ
    て前記開閉弁の開閉状態を前記油圧ポンプの回転数制御
    による給排油量を規制することのない範囲で開度を漸増
    ・漸減させる前記絞り弁を設定したことを特徴とする油
    圧エレベータ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1における絞り弁に代えて、油温
    または油圧等の信号により、その絞りが制御される可変
    絞り弁としたことを特徴とする油圧エレベータ装置。
  3. 【請求項3】 かごの下降運転を前記油圧ポンプの回転
    数制御によって行なうとともに、前記パイロット回路に
    よって前記開閉弁の開閉状態を前記油圧ポンプの回転数
    制御の送油量に合わせて漸増・漸減させるべく前記絞り
    弁を設定するものにおいて、かごの下降運転中に電動機
    が回転制動となるように、油圧ポンプと開閉弁の間の圧
    力を正圧に保持できるようにしたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の油圧エレベータ装置。
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