JP3244457B2 - 内燃機関のアイドル制御方法 - Google Patents

内燃機関のアイドル制御方法

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    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力される振動特
性に応じて防振特性を可変制御される可変防振支承装置
により支承される内燃機関のアイドル制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等では、内燃機関を車体側へ支承
する装置として、内燃機関のアイドル振動やエンジンシ
ェイク等の種々の振動が車体側へ伝達されるのを防止す
るために、種々の振動特性に応じた防振特性を実現する
可変防振支承装置が用いられる。
【0003】このような可変防振支承装置としては、特
開平3−66949号公報に記載されたアクティブマウ
ントや特開平6−137361号公報に記載された液体
封入防振装置等が知られている。
【0004】特開平3−66949号公報に記載された
アクティブマウントは、内燃機関からの振動が入力され
ると、制御信号に応じて圧電素子積層体が伸縮して前記
振動に追従し、内燃機関から車体側へ伝達される振動を
減衰しようとする装置である。
【0005】また、特開平6−137361号公報に記
載された液体封入防振装置は、装置内にゴム製の弾性部
材と、液体が封入された主液室と、この主液室と絞り通
路(オリフィス)を介して連通された副液室と、前記副
液室内を液体封入室と空気室とに画成する可動自在なダ
イヤフラムとを有し、前記空気室に吸気負圧と大気圧と
を選択的に導入することにより装置全体の動バネ特性を
変更し、種々の振動特性に適応した防振特性を実現しよ
うする装置である。
【0006】上記したような装置によれば、種々の振動
に応じた減衰効果や防振効果を得ることができるので、
ドライバリティの向上を図ることができる。ところで,
上記したような可変防振支承装置では、使用環境条件が
考慮されておらず、例えば、常温下で所望の防振特性や
減衰特性が得られるよう設定された装置を極低温下で使
用した場合には、弾性体の硬化や圧電素子の伸縮特性の
変化等により装置全体の動バネ特性が変化し、所望の防
振効果や減衰効果を得られない。
【0007】また、前記した液体封入防振装置を高地等
で使用した場合は、大気圧や吸気負圧が低下するので所
望の防振効果を得ることができない。さらに、バッテリ
が経年劣化した場合等には、可変防振支承装置の駆動電
圧が変化し、圧電素子等の作動が不十分となり、所望の
防振効果や減衰効果を得ることができなくなる。
【0008】このような問題に対し、従来では、特開平
6−288421号公報に記載された能動型防振装置に
おける異常時制御装置がある。この異常時制御装置は、
圧電素子の温度を検出し、検出された素子温度が所定値
以上になるとアクティブマウントの駆動を停止する。つ
まり、前記異常時制御装置は、圧電素子積層体の伸縮特
性が大きく変動する高温時は、所望の防振効果や減衰効
果が得られないばかりか、却って振動が悪化してしまう
場合があるため、アクティブマウントの駆動を停止し、
車両性能に悪影響を及ぼす振動の発生を防止しようとい
うものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、所望の防振特
性が得られない環境下でアクティブマウントの駆動を停
止するだけでは、内燃機関の振動がそのまま車体側へ伝
達されてしまう。特に、内燃機関のアイドル時にアクテ
ィブマウントの駆動が停止された場合、アクティブマウ
ントにより支承される内燃機関のアイドル回転数は、ア
クティブマウントの防振効果を見込んで、通常のエンジ
ンマウントで支承される内燃機関より低く設定されるよ
う制御されるので、通常よりも大きなアイドル振動が車
体側へ伝達され、乗り心地の悪化を招くという問題があ
る。
【0010】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されてものであり、種々の振動に応じた防振特性を実現
する可変防振支承装置により支承される内燃機関におい
て、使用環境条件の変化により所望の防振効果が得られ
ない場合でもアイドル振動の悪化を抑制する技術を提供
し、乗り心地の悪化を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下のような手段を採用した。すなわち、
本発明にかかる内燃機関のアイドル制御方法は、アイド
ル運転時にアイドル振動を低減すべく防振特性を可変制
御される可変防振支承装置により支承される内燃機関に
おいて、前記可変防振支承装置により所望の防振効果を
得られない使用環境下では、前記内燃機関のアイドル回
転数を所定回転数上昇させることを特徴とする。
【0012】通常、内燃機関のアイドル振動は、機関回
転数が高くなるほど周波数が高くなり、車体側へ伝達さ
れ難くなるので、所望の防振特性が得られない使用環境
下でアイドル回転数を所定回転数高くすることにより、
内燃機関で発生するアイドル振動が車体側へ伝達され難
くくなり、アイドル振動の悪化が防止される。
【0013】ここで、前記可変防振支承装置が少なくと
も弾性体を具備する装置である場合は、前記弾性体の温
度が上限値または下限値を越える使用環境下では、弾性
体の特性が変化して可変防振支承装置の防振特性を所望
の特性にすることができなくなるが、そのような場合
に、アイドル回転数を所定回転数上昇させるようにして
もよい。
【0014】また、前記可変防振支承装置が装置内に液
体を封入して構成される液体封入式エンジンマウントで
ある場合は、前記液体の温度が上限値または下限値を越
える使用環境下では、前記液体の特性が変化して可変防
振支承装置の防振特性を所望の特性にすることができな
くなるが、そのような場合に、アイドル回転数を所定回
転数上昇させるようにしてもよい。
【0015】さらに、前記可変防振支承装置が装置内に
大気圧を導入することにより防振特性を変更する装置で
ある場合は、大気圧が上限値または下限値を越える使用
環境下では、大気圧が低下して可変防振支承装置の防振
特性を所望の特性にすることができなくなるが、そのよ
うな場合に、アイドル回転数を所定回転数上昇させるよ
うにしてもよい。
【0016】また、前記可変防振支承装置がバッテリ電
圧により駆動される装置である場合は、前記バッテリ電
圧が上限値または下限値を越える使用環境下では、前記
可変防振支承装置を正確に駆動することができなくなる
が、そのような場合に、前記内燃機関のアイドル回転数
を所定回転数上昇させるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる可変防振支
承装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明にかかる可変防振支承装置
を適用する内燃機関1の概略構成を示す図であり、この
内燃機関1は、複数の気筒29を備え、各気筒29には
軸方向へ摺動自在なピストン18が装填され、このピス
トン18は、機関出力軸であるクランクシャフト27と
連結される。そして、前記ピストン18の上方には、燃
焼室19が形成され、この燃焼室19に臨むよう点火栓
20が取り付けられる。さらに、燃焼室19には、吸気
ポート21及び排気ポート22の開口端が形成され、こ
れらの開口端は、内燃機関1に取り付けられた吸気弁2
3及び排気弁24により開閉される。そして、前記吸気
弁23及び前記排気弁24は、内燃機関1のシリンダヘ
ッドに回転自在に取り付けられたインテーク側カムシャ
フト25とエキゾースト側カムシャフト26によりそれ
ぞれ開閉駆動される。
【0019】続いて、前記内燃機関1には、クランクシ
ャフト27とともに回転するタイミングロータ28aと
電磁ピックアップ28bとからなるクランクポジション
センサ28と、冷却水の温度に対応した電気信号を出力
する水温センサ30とが取り付けられ、これらクランク
ポジションセンサ28及び水温センサ30の出力信号
は、電気配線を介してエンジンコントロール用の電子制
御ユニット:ECU31に入力される。
【0020】次に、前記吸気ポート21は、内燃機関1
に取り付けられた吸気枝管5と連通し、前記吸気枝管5
はサージタンク6に連結され、次いで前記サージタンク
6は吸気管7を介してエアクリーナボックス9と接続さ
れる。そして、前記吸気枝管5には、その噴孔が前記吸
気ポート21に臨むよう燃料噴射弁17が取り付けら
れ、前記吸気管7には、図示しないアクセルペダルと連
動して前記吸気管7内の吸気通路を開閉するスロットル
弁8が設けられる。
【0021】続いて、前記スロットル弁8より上流の吸
気管7には、吸気管7内を流れる空気(吸気)の質量に
応じて電気信号を出力するエアフローメータ12と、吸
気の温度に応じた電気信号を出力する吸気温センサ13
が取り付けられ、これらのセンサ12、13は、電気配
線を介してECU31と接続される。
【0022】さらに、前記吸気管7には、前記スロット
ル弁8の上流と下流とを連通させるバイパス通路10が
取り付けられ、このバイパス通路10には、バイパス通
路10内を流れる新気の流量を調節するアイドルスピー
ドコントロールバルブ(ISCV)11が取り付けられ
る。
【0023】前記アイドルスピードコントロールバルブ
11は、開閉を繰り返す弁体と、この弁体を駆動するソ
レノイドとからなり、前記弁体の全開時間と全閉時間の
比率に相当するデューティ比を有する駆動パルス信号を
入力すると、前記ソレノイドが前記駆動パルス信号に従
って前記弁体を駆動し、前記バイパス通路10内の空気
流量を調節する。
【0024】次に、前記内燃機関1は、可変エンジンマ
ウント2及びエンジンマウント3等により自動車の車体
側4に支承される。前記可変エンジンマウント2は、本
発明にかかる可変防振支承装置の一例であり、図2、3
に示すように、上部が開口した外筒金具32と、この外
筒金具32の内径と略同径の外径を有する円板状の剛体
からなり前記外筒金具32の内部を上下2室に仕切る仕
切板33と、ゴムなどの弾性体からなり前記仕切板33
より上側の空間に圧入されて前記外筒金具32に固着さ
れる防振基体35と、ゴムなどの弾性体からなり前記仕
切板33より下側の空間に圧入されて前記外筒金具32
に固着される防振基体36とを備える。
【0025】そして、前記仕切板33より上側には、前
記防振基体35と前記仕切板33とに囲まれるよう空間
が形成され、この空間は、その周縁が前記仕切板33に
固定されたダイヤフラム39によって空間部37と空間
部41とに分割される。そして、前記空間部37には、
液体が封入される。
【0026】また、前記可変エンジンマウント2の前記
仕切板33より下側には、前記防振基体36と前記仕切
板33とに囲まれるよう形成された空間部38が形成さ
れ、この空間部38には、液体が封入される。そして、
前記空間部38と前記空間部37は、前記仕切板33に
形成されるオリフィス40を介して連通する。
【0027】さらに、前記仕切板37及び前記外筒金具
32には、前記空間部41と外部とを連通する連通路3
4が形成され、この連通路34は、バキュームスイッチ
ングバルブVSV16へ通じている。
【0028】ここで、VSV16は、前記連通路34と
接続されるとともに、前記スロットル弁8より上流の前
記吸気管7に接続された通路14と、前記サージタンク
6に接続された通路15とが接続された三方弁で構成さ
れ、この三方弁は、前記可変エンジンマウント2及び前
記通路14の連通(通路15の閉塞)と前記可変エンジ
ンマウント2及び前記通路15の連通(通路14の閉
塞)とを切り換える弁体、及びECU31からの制御信
号に応じて前記弁体を駆動するソレノイドを有する。前
記ソレノイドは、車両に搭載されたバッテリ44を駆動
源とする。
【0029】そして、前記VSV16にて前記可変エン
ジンマウント2及び前記通路14が連通されると、図2
に示すように、前記吸気管7内を流れる大気(圧)が可
変エンジンマウント2の空間部41に導入され、空間部
41の容積が増加されると同時に作動液室37の容積が
縮小され、その結果、作動液室37内が増圧される。
【0030】一方、前記VSV16にて前記可変エンジ
ンマウント2及び前記通路15が連通されると、図3に
示すように、前記サージタンク6内の吸気負圧が可変エ
ンジンマウント2の空間部41に導入され、空間部41
内の大気が吸い出されてダイヤフラム39が仕切板33
と密着し、空間部41の容積が縮小されると同時に作動
液室37の容積が増加され、その結果、作動液室37内
の圧力が減圧される。
【0031】次に、前記ECU31は、各センサからの
出力信号より内燃機関1の運転状態を判定し、次いで判
定した運転状態に応じて点火栓20、燃料噴射弁17、
アイドルスピードコントロールバルブ11、あるいはV
SV16を制御する。
【0032】前記アイドルスピードコントロールバルブ
11を制御する際、ECU31は、内燃機関1の運転状
態に応じた目標アイドル回転数を算出するとともに、前
記クランクポジションセンサ28の出力信号より実際の
機関回転数を算出し、次いで前記目標アイドル回転数と
実際の機関回転数とを比較し、両者の偏差を小さくすべ
く最適なデューティ比を算出する。そして、ECU31
は、前記デューティ比に対応したパルス信号を前記アイ
ドルスピードコントロールバルブ11に印加し、実際の
機関回転数が目標アイドル回転数となるよう制御を行
う。
【0033】また、ECU31は、内燃機関1のアイド
ル振動を防振すべく前記VSV16を制御する際、各気
筒29の点火時期(もしくは爆発行程の時期)より、各
気筒29での混合気の燃焼により発生する内燃機関1の
振動方向を判定し、その振動方向の振動を吸収するよう
前記VSV16を制御する。ここで、内燃機関1は、各
気筒29の爆発行程毎にクランクシャフト27の回転方
向(図1では右回り)側へ回動しようとするので、その
際、可変エンジンマウント2には、圧縮方向の力が加わ
る。そこで、ECU31は、可変エンジンマウント2と
通路15とが連通するようVSV16を制御し、前記内
燃機関1の振動に追従して空間部37を減圧させる。こ
のとき、可変エンジンマウント2の動バネ定数が前記圧
縮方向の振動に追従して低くなるので、前記圧縮方向の
振動は、前記可変エンジンマウント2によって吸収され
る。
【0034】続いて、前記内燃機関1が前記した回動の
反動で反対方向へ回動する際には、前記可変エンジンマ
ウント2には、引っ張り方向の力が加わる。そこで、E
CU31は、可変エンジンマウント2と通路14とが連
通するようVSV16を制御し、前記内燃機関1の振動
に追従して空間部37を増圧させる。このとき、可変エ
ンジンマウント2の動バネ定数が前記引っ張り方向の振
動に追従して高くなるので、前記引っ張り方向の振動
は、前記可変エンジンマウント2によって吸収される。
【0035】さらに、ECU31は、上記したVSV1
6の制御と並行して、可変エンジンマウント2の使用環
境が可変エンジンマウント2の防振特性を所望の特性に
制御することができる使用環境であるか否かを判別し、
可変エンジンマウント2の防振特性を所望の特性にする
ことができない使用環境であると判定した場合は、アイ
ドルスピードコントロールバルブ11の制御に使用され
る目標アイドル回転数を、アイドル振動が車体側4へ伝
達されない回転数まで高める。
【0036】ここで、可変エンジンマウント2は、大気
圧と吸気負圧とを選択的に導入することにより所望の防
振特性を実現するよう構成されるので、高地等の気圧が
低い環境では、大気圧あるいは吸気負圧が小さくなり、
空間部37内の圧力を所望の圧力にすることができず、
可変エンジンマウント2の防振特性を所望の特性にする
ことができない。
【0037】また、可変エンジンマウント2は、弾性体
35、36を具備するとともに、装置内に液体を封入し
ているので、極低温下では、弾性体35、36や液体の
温度も低下し、弾性体35、36の硬化度合や液体の粘
性度合が変化する。このように弾性体35、36や液体
の特性が変化すると、可変エンジンマウント2のバネ定
数が変化し、その結果、可変エンジンマウント2の防振
特性を所望の特性にすることができない。
【0038】さらに、可変エンジンマウント2は、VS
V16の正確な動作により所望の防振特性を実現するよ
う構成されるので、VSV16の駆動電圧、すなわちバ
ッテリ44の出力電圧が低下すると、VSV16が正確
に動作せず、可変エンジンマウント2の防振特性を所望
の特性にすることができない。
【0039】このように、大気圧が低い環境、外気温が
低い環境、あるいはバッテリ電圧が低下した状態では、
可変エンジンマウント2の防振特性が所望の特性となら
ないので、可変エンジンマウント2以外の手段を用いて
アイドル振動の悪化を防止する必要がある。
【0040】そこで、本実施の形態では、外気温に対応
した電気信号を出力する外気温センサ42と大気圧に対
応した電気信号を出力する大気圧センサ43とを車体側
4に取り付けるとともに、これらセンサ42、43とE
CU31を電気配線を介して接続し、各センサ42、4
3の出力信号がECU31に入力されるようにしてい
る。さらに、バッテリ44とECU31とを電気配線で
接続し、バッテリ44の出力電圧がECU31に入力さ
れるようにしている。
【0041】そして、ECU31は、内燃機関1のアイ
ドル時に、外気温センサ42及び大気圧センサ43の出
力信号とバッテリ44の出力電圧とを入力し、外気温が
所定温度:B(C°)以下である場合、大気圧が所定気
圧:A(mmHg)以下である場合、あるいはバッテリ電圧
が所定電圧:C(V)以下である場合は、可変エンジン
マウント2の防振特性を所望の特性に制御することがで
きないと判定し、可変エンジンマウント2の制御、すな
わちVSV16の制御を停止すると同時に、アイドルス
ピードコントロールバルブ11の制御に使用される目標
アイドル回転数を通常よりも所定回転数高く設定し、ア
イドル振動の振動周波数を高めて車体側4へ伝達し難く
なるよう制御する。
【0042】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。ECU31は、内燃機関1がアイドル状態に
あると判定した場合、図4に示す使用環境判定ルーチン
を実行する。この使用環境判定ルーチンにおいて、EC
U31は、先ず大気圧センサ43の出力信号値を入力
し、この出力信号値が所定値:A(mmHg)を越えている
か否かを判別する(S401)。
【0043】前記S401において前記大気圧センサ4
3の出力信号値が前記所定値:A(mmHg)を越えている
と判定した場合は、ECU31は、S402へ進み、外
気温センサ42の出力信号値を入力し、その出力信号値
が所定値:B(C°)を越えているか否かを判別する。
【0044】前記S402において外気温センサ42の
出力信号値が前記所定値:B(C°)を越えていると判
定した場合は、ECU31は、S403へ進み、バッテ
リ44の電圧値を入力し、その電圧値が所定値:C
(V)を越えているか否かを判別する。
【0045】前記S403においてバッテリ電圧が所定
値:C(V)を越えていると判定した場合は、ECU3
1は、可変エンジンマウント2の防振特性を所望の特性
となるよう制御可能な環境下で前記可変エンジンマウン
ト2が使用されていると判定し、使用環境判定ルーチン
の処理を終了する。この場合、可変エンジンマウント2
の制御、すなわちVSV16の制御は続行される。
【0046】また、前記S401で前記大気圧センサ4
3の出力信号値が前記所定値:A(mmHg)以下であると
判定した場合は、ECU31は、可変エンジンマウント
2の防振特性を所望の特性となるよう制御不可能な環境
下で前記可変エンジンマウント2が使用されていると判
定し、可変エンジンマウント2の制御、すなわちVSV
16の制御を停止すると同時に、アイドルスピードコン
トロールバルブ11の制御に使用される目標アイドル回
転数を通常よりも所定回転数高く設定する。このとき、
内燃機関1のアイドル振動は、回転数の上昇により高周
波の振動となり、車体側4へ伝達され難くなる。
【0047】続いて、前記S402で前記外気温センサ
42の出力信号値が前記所定値:B(C°)以下である
と判定した場合、もしくは前記S403でバッテリ電圧
が所定値:C(V)以下であると判定した場合も、EC
U31は、S404へ進み、可変エンジンマウント2の
制御を停止すると同時に、アイドルスピードコントロー
ルバルブ11の制御に使用される目標アイドル回転数を
所定回転数高める。
【0048】以上述べたように、本実施の形態によれ
ば、可変エンジンマウント2を極低温下、極低気圧下、
あるいはバッテリ電圧が低下した状態で使用する場合
等、可変エンジンマウント2による防振効果が得られな
い使用環境下では、アイドル回転数を上昇させることに
より、アイドル振動の周波数が高まるので、アイドル振
動が車体側4へ伝達され難く、乗り心地の悪化が抑制さ
れる。
【0049】尚、本実施の形態では、外気温センサ42
の出力信号が所定値以下の場合(外気温が極低温である
場合)にアイドル回転数を上昇させる例について述べた
が、外気温センサ42の出力信号値が所定値以上となっ
た場合、すなわち外気温が極高温となった場合もアイド
ル回転数を上昇させるようにしてもよい。これと同様
に、大気圧センサ43の出力信号値が所定値以上となっ
た場合、すなわち大気圧が極高気圧となった場合もアイ
ドル回転数を上昇させるようにしてもよい。
【0050】また、本実施の形態では、可変エンジンマ
ウント2の弾性体35、36の温度を外気温センサ42
の出力信号値で代用する例について述べたが、内燃機関
1の吸気系に取り付けられた吸気温センサ13で代用し
てもよく、あるいは、可変エンジンマウント2の弾性体
35もしくは36に直接温度センサを取り付けるように
してもよい。
【0051】さらに、本実施の形態では、可変エンジン
マウント2による防振効果が得られない使用環境を判定
するパラメータとして、外気温、大気圧、バッテリ電圧
を例にあげて説明したが、内燃機関1に振動センサを取
り付け、この振動センサの出力信号値をパラメータとし
て使用環境を判定するようにしてもよい。
【0052】また、本実施の形態では、可変エンジンマ
ウント2による防振効果が得られない使用環境下では、
可変エンジンマウント2の制御を停止する例について述
べたが、可変エンジンマウント2の制御を続行しつつア
イドル回転数を高めるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明では、可変防振支承装置の防振特
性を所望の特性にすることができない使用環境下では、
内燃機関のアイドル回転数を高めるので、アイドル振動
の振動周波数が高くなり、車体側へ伝達され難くなる。
【0054】従って、本発明によれば、可変防振支承装
置の防振特性を所望の特性にすることができない使用環
境下でも、乗り心地の悪化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる可変防振支承装置を適用する
内燃機関の概略構成を示す図
【図2】 可変防振支承装置の概略構成を示す図
【図3】 可変防振支承装置の動作を説明する図
【図4】 アイドル回転数制御ルーチンを示すフローチ
ャート図
【符号の説明】
1・・・内燃機関 2・・・可変エンジンマウント 4・・・車体側 11・・アイドルスピードコントロールバルブ 13・・吸気温センサ 16・・VSV(バキュームスイッチングバルブ) 31・・ECU 42・・外気温センサ 43・・大気圧センサ 44・・バッテリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−97841(JP,A) 特開 平6−50377(JP,A) 特開 平4−303151(JP,A) 特開 平5−319108(JP,A) 特開 平7−4289(JP,A) 特開 平8−218925(JP,A) 実開 平4−34442(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/16 B60K 5/12 F02D 41/08 315

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイドル運転時にアイドル振動を低減す
    べく防振特性を可変制御される可変防振支承装置を備え
    る内燃機関において、 前記可変防振支承装置により所望の防振効果を得られな
    い使用環境下では、前記内燃機関のアイドル回転数を所
    定回転数上昇させることを特徴とする内燃機関のアイド
    ル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記可変防振支承装置が少なくとも弾性
    体を具備する装置であり、 前記弾性体の温度が上限値または下限値を越える使用環
    境下では、前記内燃機関のアイドル回転数を所定回転数
    上昇させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の
    アイドル制御方法。
  3. 【請求項3】 前記可変防振支承装置が装置内に液体を
    封入して構成される液体封入式エンジンマウントであ
    り、 前記液体の温度が上限値または下限値を越える使用環境
    下では、前記内燃機関のアイドル回転数を所定回転数上
    昇させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のア
    イドル制御方法。
  4. 【請求項4】 前記可変防振支承装置が装置内に大気圧
    を導入することにより防振特性を変更する装置であり、 大気圧が上限値または下限値を越える使用環境下では、
    前記内燃機関のアイドル回転数を所定回転数上昇させる
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のアイドル制
    御方法。
  5. 【請求項5】 前記可変防振支承装置がバッテリ電圧に
    より駆動される装置であり、 前記バッテリ電圧が上限値または下限値を越える使用環
    境下では、前記内燃機関のアイドル回転数を所定回転数
    上昇させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の
    アイドル制御方法。
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