JP3603173B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に封入された流体(液体)の流動作用に基づいて防振効果の得られるようにした液体封入式防振装置に関するものであり、特に、液体の流動に伴なって発揮される防振特性を、エンジン吸入負圧にて駆動される簡単な機構をもって複数段に切換えることができるようにするとともに、このような防振装置の主バネを形成するゴム状インシュレータの、その周りに液室を設け、これによって動バネ定数が熱の影響を受けることの無いようにした、液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防振装置のうち、特に、自動車用のエンジンマウント等にあっては、動力源であるところのエンジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度までの間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範囲の周波数に対応できるものでなければならない。また、最近においては、比較的高周波数域の振動に起因するこもり音の遮断を目的としたエンジンマウントのチューニングが行なわれるようになっている。このような複数の条件に対応させるために、内部に液室を設け、更には、当該液室内に、特定の周波数にて振動するものであって、エンジンの吸入負圧にて駆動される簡単な機構からなる加振装置を設け、これによって、アイドリング振動を初めとした各種振動の遮断を図るようにしたもの、例えば図4に示すようなものが、本出願人によって、すでに出願されている(特願平8−287524号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは、その防振機構部10とともに振動遮断を担うものであって主バネを形成するインシュレータ20が、エンジンルーム内に裸の状態で設置されるようになっているものである。従って、エンジンからの高温の熱の影響を受けるとともに、空気中の酸素に晒されることとなる。その結果、熱変形あるいは酸素劣化等により、その動バネ定数が高くなるように変化をすることとなる。このことは、アイドリング振動あるいはエンジンシェーク、更にはこもり音等、対象とする振動の振動数に合わせてチューニングの成されている本液体封入式防振装置においては、その動バネ定数が初めの設定状態から変動をすることとなり、好ましいことではない。従って、その対策としては、一つには、動バネ定数の変化を計測して、その結果を制御系に反映させることで最適なチューニング状態を保つようにする、いわゆるフィードバック制御手段を設けるようにするか、あるいは動バネ定数の変化分をあらかじめ見込んだ状態で、初期のチューニングを幅広く行なっておくようにする方法が考えられる。しかしながら、上記前者の方法では制御系が複雑となり、コストがかかりすぎるという問題点がある。また、一方、後者の方法では、最適にチューニングすることができず、装置の能力をフルに発揮させることができないと言う問題点がある。そこで、このような問題点を解決するために、初期の最適化されたチューニング状態を、長期に渡って維持することのできるようにしたフィードフォワード制御型のオートマテックコントロールエンジンマウント装置(ACM)を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって、非圧縮性流体である液体の封入される主室、及び当該主室とオリフィスを介して上記液体が流動するように連結される副室、更には上記主室内にダイヤフラムを介して形成されるものであって大気圧及び負圧のうち、いずれか一方のものが導入されるように形成された平衡室からなる防振機構部と、当該防振機構部の上記平衡室に負圧または大気圧のうちのいずれか一方のものを導入するように切換作動をする切換手段と、当該切換手段の切換作動を制御して、上記平衡室に負圧と大気圧のいずれか一方を連続的に導入する状態と、上記平衡室に負圧と大気圧を前記振動体の振動に同期させた状態で交互に導入させる状態とに切り換える制御手段と、からなる液体封入式防振装置において、上記インシュレータの外側に液室を設けるようにするとともに、当該液室の外郭を形成するところに耐熱性に優れた弾性隔膜を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明のものにおいては、上記インシュレータの、その外側に耐熱性に優れたゴム状の弾性隔膜が設けられるようになっているところから、本防振装置がエンジンルーム等、高温下に設置される場合においても、上記防振ゴム材からなるインシュレータの部分が直接高温に晒されることがない。また、本インシュレータは、その周りに液室が設けられるようになっているところから、その表面部が、直接大気中の酸素と接触することもない。すなわち、酸素遮断性において優れた構成となっている。従って、本発明における主バネを形成するインシュレータとしては、耐熱性及び対酸素劣化性については、特に配慮する必要がなく、低動バネ特性のみを追求すれば良い。その結果、通常の天然ゴムを主体とした防振ゴム材を採用することができるようになり、高周波数振動に対する動バネ定数の上昇を抑えることができるようになる。
【0006】
また、本防振装置における主バネを形成する上記インシュレータの部分は、耐熱性弾性隔膜等にて覆われており、その動バネ定数が、エンジンルーム内の熱等の影響によって変動を来すことが無い。従って、永年の使用によっても、振動遮断を目的にチューニングされた初期の設定条件が、ずれてしまう(外れてしまう)と言うようなことも無くなる。その結果、このような動バネ定数を基礎に、アイドリング振動を初めとした種々の振動が遮断されることとなる。以下、これらについて述べる。
【0007】
まず、アイドリング振動の遮断については、上記切換手段を作動させることによって、上記主室内の下方部のところに設けられた平衡室内へ、負圧または大気圧を特定の周波数をもって交互に導入させるようにする。すなわち、上記切換手段を特定の周波数にて作動させることによって、上記平衡室内の圧力(容積)を変化させ、これによって、上記インシュレータを介して入力されるアイドリング振動によって生ずる上記主室内の液圧変動を吸収するようにする。その結果、上記インシュレータ及び本防振機構部にて形成されるバネ系の動バネ定数が低く抑えられることとなる。これによってアイドリング振動の遮断が行なわれることとなる。
【0008】
次に、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記主室と副室との間を連結するオリフィス内を上記液体が流動するようにし、これによって、エンジンシェークの吸収及び遮断を行なうこととする。すなわち、このエンジンシェークに関する振動は、約10Hz前後の周波数を有するものであるので、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本発明においては、上記防振機構部を形成する上記平衡室に一定の負圧を連続的に導入するようにし、当該平衡室を形成するダイヤフラムを下方に引下げ、当該平衡室の容積をゼロの状態にする。これによって、平衡室内の容積変化が起こらないようにする。このような状態において、振動体からの振動がインシュレータのところに伝播されて来ると、当該振動に応じてインシュレータの下面部が振動をし、上記主室内の液体を積極的に副室側へと流動させるように作動する。その結果、上記主室内の液体は、オリフィスを通って副室側へと流動することとなる。この液体の流動に伴う粘性抵抗によって、所定の減衰力が生ずることとなり、この減衰力によって、上記エンジンシェークが抑え込まれる(減衰される)こととなる。
【0009】
また、車両の走行中に問題とされるこもり音の原因となる100Hzないし600Hz程度の高周波数の振動に対しては、上記切換手段を作動させて、上記平衡室を大気開放の状態にする。これによって、上記平衡室には大気圧が導入されるようになり、本平衡室を形成するダイヤフラムは自由に作動(振動)をするようになる。その結果、上記インシュレータ側からの振動入力に対して、上記主室内の液体は、比較的自由に上記主室内で流動することとなる。これらによって、本防振装置全体が形成するバネ系の動バネ定数は低く抑えられることとなる。従って、高周波数域の振動に対する、その遮断効果が高められることとなる。このように、本発明のものにおいては、切換バルブ等からなる切換手段の作動によって、複数種類の振動が吸収及び遮断されることとなる。
【0010】
次に、請求項2記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載のものと同じである。その特徴とするところは、上記インシュレータの外側に設けられる液室をもって、上記主室とオリフィスを介して連結される副室を形成させるようにした構成を採ることとしたことである。従って、当該液室(副室)の、その外郭を形成する弾性隔膜はダイヤフラムを形成することとなり、当該弾性隔膜の周りに存在する空間は、従来の液体封入式防振装置における空気室を形成することとなる。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記アイドリング振動を初めとした各種振動をフィードフォワード制御により遮断することのできるようにした本液体封入式防振装置の、その縦方向の長さを短くすることができるようになり、防振装置全体のコンパクト化を図ることができるようになる。
【0011】
次に、請求項3記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記請求項1及び請求項2記載のものと同じである。その特徴とするところは、上記請求項2記載のものに加えて、上記切換手段を、上記平衡室の下面部を形成する剛体状プレートのところに直接設置し、上記平衡室に負圧または大気圧を導入するための連通路を、上記剛体状プレートの厚み方向に貫通させて前記切換手段に接続したことである。このような構成を採ることにより、上記請求項2記載のものと同様、防振装置全体のコンパクト化が図られるようになるとともに、上記切換手段の切換バルブのところから上記平衡室内へ負圧または大気圧を導入するために設けられた空気導入のための連通路の、その長さを短くすることができるようになる。その結果、流体の流動抵抗が少なくなり、平衡室の容積変化及び当該平衡室を形成するダイヤフラムの振動に関する、その応答性を良くする(向上させる)ことができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1及び図2に示す如く、振動体に取り付けられる上部連結部材6と、車体側のメンバ等に取り付けられる下部連結部材9と、これら上部連結部材6と下部連結部材9との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータ2と、当該インシュレータ2に対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される主室12及び副室16にて形成される液室等からなる防振機構部1と、当該防振機構部1の一部を形成するものであって上記主室12内に設けられる平衡室13に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを連続的に、あるいはエンジン振動に同期させた状態で交互に導入させるように切換作動をする切換手段3と、当該切換手段3の切換作動を制御する制御手段5と、からなるとともに、上記インシュレータ2の周りに、液体の封入された第二の液室(第二液室)22が設けられるようになっていることを基本とするものである。
【0013】
このような基本構成において、その第一の実施の形態(第一実施形態)に関するものは、例えば、図1に示すような構成からなるものである。すなわち、インシュレータ2は、天然ゴムを主体とした防振ゴム材等からなるものであり、上記上部連結部材6に、その一方の端面が加硫接着手段等により一体的に結合されるようになっているものである。また、このようなインシュレータ2の外側には当該インシュレータ2を囲むように第二液室22が設けられるようになっているとともに、当該第二液室22の、その外郭を形成するところには耐熱性に優れたEPDM等からなる弾性隔膜21が設けられるようになっているものである。そして、このようなインシュレータ2に対して直列に設けられる防振機構部1は、上記インシュレータ2の下方部に、当該インシュレータ2に連続して設けられるものであって液体の封入される主室12と、当該主室12内の下方部にダイヤフラム11を介して設けられるものであって、上記切換手段3の切換作動に基づいて負圧または大気圧の導入される平衡室13と、上記主室12と仕切板14を介して設けられるものであって上記主室12と同様、液体の封入される副室16と、これら主室12と副室16との間を連結するオリフィス15と、上記副室16の下方部にダイヤフラム17を介して設けられるものであって、常に空気の導入される空気室18と、からなることを基本とするものである。
【0014】
このような主室12内にダイヤフラム11を介して設けられる平衡室13へ、負圧または大気圧を適宜切換えた状態で導入するように作動する切換手段3は、三方弁等からなる切換バルブ31と、当該切換バルブ31を駆動するソレノイド32と、からなるものである。そして、このような構成からなる上記切換バルブ31の大気圧導入ポート側には、大気圧の導入速度を負圧の導入速度とバランスさせるための調整用の絞り弁35が設けられるようになっている。また、本切換手段3の切換バルブ31と上記平衡室13との間には、上記負圧または大気圧を導入するための連通路19が設けられるようになっているものである。
【0015】
次に、このような構成からなる切換手段3の切換作動を制御する制御手段5は、マイクロプロセッサユニット(MPU)等の演算手段を基礎に形成されるマイクロコンピュータ(CPU)等からなるものであり、エンジン等の振動体からの振動を検出して、当該振動に応じて、上記切換手段3の切換作動を制御するようになっているものである。
【0016】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作動態様等について説明する。すなわち、振動体側からの振動は、図1に示す如く、上部連結部材6を介して、ゴム材等からなるインシュレータ2へと伝播される。これに伴なって、当該インシュレータ2は振動あるいは変形をして、上記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断をする。従って、大半の振動は、このインシュレータ2のところで遮断されることとなるが、一部のものは、当該インシュレータ2のところでは遮断されず、次の防振機構部1のところで遮断されることとなる。次に、この防振機構部1における具体的な作用について説明する。まず、アイドリング振動に対しては、上記切換手段3を作動させることによって、上記主室12内に設けられた平衡室13内へ、負圧または大気圧を特定の周波数をもって交互に導入させるようにする。すなわち、上記切換手段3を特定の周波数にて作動させることによって、上記平衡室13内の圧力(容積)を変化させ、これによって、上記インシュレータ2を介して入力されるアイドリング振動によって生ずる上記主室12内の液圧変動を吸収するようにする。その結果、上記インシュレータ2及び本防振機構部1にて形成されるバネ系の動バネ定数は低く抑えられることとなる。
【0017】
また、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記主室12と副室16との間を連結するオリフィス15内を、上記液体が流動するようにし、これによって、エンジンシェークの吸収及び遮断を行なうこととする。すなわち、このエンジンシェークに関する振動は、約10Hz前後の周波数を有するものであるので、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本実施の形態においては、図1に示す如く、上記防振機構部1を形成する上記平衡室13に一定の負圧を連続的に導入するようにし、平衡室13を形成する第一のダイヤフラムを下方に引下げ、当該平衡室13の容積をゼロの状態にする。これによって、平衡室13の容積変化が起こらないようにする。このような状態において、振動体からの振動がインシュレータ2のところに伝播されて来ると、当該振動に応じてインシュレータ2の下面部が振動をし、上記主室12内の液体を積極的に副室16側へと流動させるように作動する。その結果、上記主室12内の液体は、オリフィス15を通って副室16側へと流動することとなる。この液体の流動に伴う粘性抵抗によって、所定の減衰力が生ずることとなり、この減衰力によって、上記エンジンシェークが抑え込まれる(減衰される)こととなる。
【0018】
一方、車両の走行中に問題とされるこもり音の原因となる100Hzないし600Hz程度の高周波数の振動に対しては、上記切換手段3を作動させて、上記平衡室13を大気開放の状態にする。これによって、上記平衡室13には大気圧が導入されるようになり、本平衡室13を形成する第一のダイヤフラム11は自由に作動(振動)をするようになる。その結果、上記インシュレータ2側からの振動入力に対して、上記主室12内の液体は、比較的自由に上記主室12内で流動することとなる。これらによって、本防振装置全体が形成するバネ系の動バネ定数は低く抑えられることとなる。従って、高周波数域の振動に対する、その遮断効果が高められることとなる。
【0019】
このような各種振動の遮断作用において、本実施の形態のものにおいては、本防振装置の主バネを形成するインシュレータ2の部分が、図1に示す如く、第二の液室(第二液室)22及び耐熱性ゴム材からなる弾性隔膜21にて覆われた状態となっていることより、従来のものに較べて、更に、次のような作用を呈することとなる。すなわち、本液体封入式防振装置が、エンジンルーム等、高温下に設置される場合においても、上記インシュレータ2の部分が直接高温に晒されることがない。また、本インシュレータ2は、その周りに第二の液室(第二液室)22が設けられるようになっているところから、その表面部が、直接大気中の酸素に晒されることが無い。従って、耐熱性及び対酸素劣化性等については特に考慮する必要がない。その結果、このような高温下等に置かれても、本防振装置の主バネを形成するインシュレータ2の部分が、経年変化等により、その動バネ定数が上昇するのを抑えることができるようになる。従って、本防振装置においては、簡単な機構を用いることによって、各種振動遮断のためのフィードフォワード制御を行なうことができるようになる。また、上記インシュレータ2の、その外側に設けられる耐熱性の弾性隔膜21は、上記インシュレータ2の周りに設けられた第二液室22の、その外郭を規制する表皮部を形成するようになっているものであるので、その厚さを薄くすることができるようになる。また、本弾性隔膜21は、主バネを形成する上記インシュレータ2とは別個独立に設けられるようになっているものであるところから、本弾性隔膜21が、本液体封入式防振装置全体のバネ定数、特に動バネ定数(動バネ特性)に影響を及ぼすことが無い。これらのことから、本液体封入式防振装置全体の動バネ定数を低く抑えることができるようになるとともに、当該動バネ定数が熱の影響を受けて変動をするようなことを防止することができるようになる。
【0020】
次に、本発明の第二の実施形態(第二実施形態)について、図2を基に説明する。このものも、その基本的な点は、上記第一実施形態のところで述べたものと同じである。すなわち、上記インシュレータ2の外側に設けられる液室をもって、上記主室12とオリフィス15を介して連結される副室16を形成させるようにしたことである。従って、当該液室(副室)16の、その外郭を形成する弾性隔膜21はダイヤフラム17を形成することとなり、当該弾性隔膜21(17)の周りに存在する空間は、上記第一実施形態のものにおける空気室18を形成することとなる。
【0021】
また、このような構成からなる弾性隔膜21(17)の上方延長部は、図1ないし図3に示す如く、上部連結部材6の肩部のところにリング状のゴム塊25を形成するようになっている。そして、これが本防振装置におけるリバウンドストッパの役目を果たすようになっているものである。そして更に、本実施の形態のものにおいては、上記副室16が上記主室12よりも上方の位置である、インシュレータ2の周りに形成されるようになっているので、主室12の下方部に設けられる平衡室13の、その下方部には、上記第一実施形態のものにおける仕切板14は不必要となり、従って、これに代わって剛体状プレート141が設けられるようになっている。そして、この剛体状プレート141のところには、上記平衡室13に負圧または大気圧を導入するための連通路19が設けられるようになっているとともに、当該連通路19の一方の端部には切換手段3の切換バルブ31が連結されるようになっているものである。このような構成を採ることにより、本実施の形態のものにおいては、アイドリング振動を初めとした各種振動をフィードフォワード制御により遮断することのできるようにした液体封入式防振装置の、その縦方向の長さを短くすることができるようになる。すなわち、液体封入式防振装置全体のコンパクト化を図ることができるようになる。
【0022】
次に、本発明の第三の実施形態(第三実施形態)について、図3を基に説明する。このものも、その基本的な点は、上記第二の実施形態のものと同じである。その特徴とするところは、上記第二実施形態のものに加えて、更に、上記切換手段3を、上記平衡室13の下面部を形成する剛体状プレート141のところに、直接取り付けるようにしたことである。このような構成を採ることにより、本液体封入式防振装置のコンパクト化が図られるようになるとともに、上記切換手段3の切換バルブ31のところから上記平衡室13内へ、負圧または大気圧を導入するために設けられた空気導入のための連通路19の、その長さを短くすることができるようになる。その結果、流体の流動抵抗が少なくなり、平衡室13内の容積変化及び当該平衡室13を形成するダイヤフラム11の振動に関する、その応答性を良くする(向上させる)ことができるようになる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側のメンバ等に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される主室、及び当該主室とオリフィスを介して上記液体が流動するように連結される副室、更には上記主室内にダイヤフラムを介して形成されるものであって、大気圧及び負圧のうち、いずれか一方のものが導入されるように形成された平衡室等からなる防振機構部と、当該防振機構部の上記平衡室に上記負圧または大気圧のうちのいずれか一方のものを導入するように切換作動をする切換手段と、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段と、からなる液体封入式の防振装置に関して、上記インシュレータの外側に液室を設けるようにするとともに、当該液室の外郭を形成するところに耐熱性に優れた弾性隔膜を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記制御手段の制御作用による上記切換手段の作動に基づき、各種振動入力に対して、上記主室内の液圧変動を制御し、最終的に、本液体封入式防振装置の動バネ定数の低減化、更には低周波数域における高減衰特性を形成させることができるようになった。その結果、アイドリング振動を初めとした各種振動の遮断を図ることができるようになった。
【0024】
また、本発明のものにおいては、上記インシュレータの外側に、ゴム状の耐熱性弾性隔膜が設けられるようになっているところから、本液体封入式防振装置がエンジンルーム等、高温下に設置される場合においても、上記防振ゴム材からなるインシュレータの部分が直接高温に晒されることがなくなった。また、本インシュレータは、その周りに液室が設けられるようになっているところから、その表面部が、直接大気中の酸素と接触することもなくなった。従って、本発明における主バネを形成するインシュレータとしては、耐熱性及び対酸素劣化性等については、特に配慮する必要がなく、低動バネ特性のみを追求すれば良いようになった。その結果、通常の天然ゴムを主体とした防振ゴム材を採用することができるようになり、高周波数振動に対する動バネ定数の上昇を抑えることができるようになった。
【0025】
また、本防振装置における主バネを形成する上記インシュレータの部分は、耐熱性弾性隔膜等にて覆われており、その動バネ定数が、エンジンルーム内の熱等によって変動を来すことが無くなった。従って、永年の使用によっても、初期の設定値が、ずれてしまう(外れてしまう)と言うようなことも無くなり、簡単なフィードフォワード制御手段にて、アイドリング振動を初めとした各種振動の遮断を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的形態である第一の実施形態に関するものの、その全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に関するものの、その全体構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第三の実施形態に関するものの、その全体構成を示す縦断面図である。
【図4】従来例の全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 防振機構部
11 ダイヤフラム
12 主室
13 平衡室
14 仕切板
141 剛体状プレート
15 オリフィス
16 副室
17 ダイヤフラム
18 空気室
19 連通路
2 インシュレータ
21 弾性隔膜
22 第二の液室(第二液室)
25 ストッパ
3 切換手段
31 切換バルブ
32 ソレノイド
35 絞り弁
5 制御手段
6 上部連結部材
9 下部連結部材

Claims (3)

  1. 振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって、非圧縮性流体である液体の封入される主室、及び当該主室とオリフィスを介して上記液体が流動するように連結される副室、更には上記主室内にダイヤフラムを介して形成されるものであって大気圧及び負圧のうち、いずれか一方のものが導入されるように形成された平衡室からなる防振機構部と、当該防振機構部の上記平衡室に負圧または大気圧のうちのいずれか一方のものを導入するように切換作動をする切換手段と、当該切換手段の切換作動を制御して、上記平衡室に負圧と大気圧のいずれか一方を連続的に導入する状態と、上記平衡室に負圧と大気圧を前記振動体の振動に同期させた状態で交互に導入させる状態とに切り換える制御手段と、からなる液体封入式防振装置において、上記インシュレータの外側に液室を設けるようにするとともに、当該液室の外郭を形成するところに耐熱性に優れた弾性隔膜を設けるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 請求項1記載の液体封入式防振装置において、上記インシュレータの外側に設けられる液室をもって、上記主室にオリフィスを介して連結される副室を形成させるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  3. 請求項2記載の液体封入式防振装置において、上記切換手段を、上記平衡室の下面部を形成する剛体状プレートのところに直接設置し、上記平衡室に負圧または大気圧を導入するための連通路を、上記剛体状プレートの厚み方向に貫通させて前記切換手段に接続したことを特徴とする液体封入式防振装置。
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