JPH06193670A - 流体封入式防振装置 - Google Patents
流体封入式防振装置Info
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- JPH06193670A JPH06193670A JP35919292A JP35919292A JPH06193670A JP H06193670 A JPH06193670 A JP H06193670A JP 35919292 A JP35919292 A JP 35919292A JP 35919292 A JP35919292 A JP 35919292A JP H06193670 A JPH06193670 A JP H06193670A
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- chamber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 比較的高周波の振動に対して動バネ定数を低
くし、こもり音、エンジンノイズを遮断する。 【構成】 振動体に連結される連結金具6と、車体に連
結されるホルダ8と、これらの間に設けられるインシュ
レータ7とからなる防振装置において、インシュレータ
7に対して直列に、非圧縮性流体の封入された防振機構
部を3個設ける。これら防振機構部は、それぞれ非圧縮
性流体の封入される受圧室11、21、31と、空気等
圧縮性流体の収納される平衡室13、23、33と、こ
れら受圧室と平衡室との間を仕切る弾性隔膜からなるダ
イヤフラム12、22、32とからなる。第一受圧室1
1と第二受圧室21とを大径オリフィス4で連結し、上
記第一受圧室11と第三受圧室31とを小径オリフィス
5で連結する。第一平衡室13及び第二平衡室23には
連通パイプ19、29を設け、これらを通じて上記各室
を負圧導入または大気圧導入のいずれかの状態に制御す
る。
くし、こもり音、エンジンノイズを遮断する。 【構成】 振動体に連結される連結金具6と、車体に連
結されるホルダ8と、これらの間に設けられるインシュ
レータ7とからなる防振装置において、インシュレータ
7に対して直列に、非圧縮性流体の封入された防振機構
部を3個設ける。これら防振機構部は、それぞれ非圧縮
性流体の封入される受圧室11、21、31と、空気等
圧縮性流体の収納される平衡室13、23、33と、こ
れら受圧室と平衡室との間を仕切る弾性隔膜からなるダ
イヤフラム12、22、32とからなる。第一受圧室1
1と第二受圧室21とを大径オリフィス4で連結し、上
記第一受圧室11と第三受圧室31とを小径オリフィス
5で連結する。第一平衡室13及び第二平衡室23には
連通パイプ19、29を設け、これらを通じて上記各室
を負圧導入または大気圧導入のいずれかの状態に制御す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に封入された流体
の流動に基づいて防振効果が得られるようにした流体封
入式の防振装置に関するものであり、特に、流体の流動
に伴って発揮される防振特性を、簡単な構造をもって複
数段に切換えることができるとともに、高周波域におい
ても、本防振装置の動ばね定数を低くすることができる
ようにした装置に関するものである。
の流動に基づいて防振効果が得られるようにした流体封
入式の防振装置に関するものであり、特に、流体の流動
に伴って発揮される防振特性を、簡単な構造をもって複
数段に切換えることができるとともに、高周波域におい
ても、本防振装置の動ばね定数を低くすることができる
ようにした装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドル運転の状態から最大回転速度までの
間、種々の状況下で使用されるため、防振装置として
は、広い範囲の周波数に対応できるものでなければなら
ない。一般に、エンジンマウントとしての防振装置は、
エンジンの爆発燃焼に起因するトルク変動を対象とした
アイドリング振動、あるいはエンジンとエンジンマウン
トとの共振現象を対象としたシェーク等の振動を遮断す
ることを目的に、系の設定(チューニング)が行なわれ
る。しかしながら、これらの振動を防振(遮断)するた
めには、ばね定数を選定することによって共振現象を避
けるようにする場合と、共振現象を避けることは難しい
ので、減衰係数を大きくすることによって車体側への振
動遮断を図るようにする場合とが考えられる。これら複
数の条件に対応するため、内部に2つの液室を設け、そ
の間をオリフィスをもって連結し、更に、当該オリフィ
スの径を変えることができるようにして対処するように
した、いわゆる可変特性方式の流体封入式エンジンマウ
ント装置がすでに案出されており、例えば特開平4−6
0231号公報等により公知となっている。
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドル運転の状態から最大回転速度までの
間、種々の状況下で使用されるため、防振装置として
は、広い範囲の周波数に対応できるものでなければなら
ない。一般に、エンジンマウントとしての防振装置は、
エンジンの爆発燃焼に起因するトルク変動を対象とした
アイドリング振動、あるいはエンジンとエンジンマウン
トとの共振現象を対象としたシェーク等の振動を遮断す
ることを目的に、系の設定(チューニング)が行なわれ
る。しかしながら、これらの振動を防振(遮断)するた
めには、ばね定数を選定することによって共振現象を避
けるようにする場合と、共振現象を避けることは難しい
ので、減衰係数を大きくすることによって車体側への振
動遮断を図るようにする場合とが考えられる。これら複
数の条件に対応するため、内部に2つの液室を設け、そ
の間をオリフィスをもって連結し、更に、当該オリフィ
スの径を変えることができるようにして対処するように
した、いわゆる可変特性方式の流体封入式エンジンマウ
ント装置がすでに案出されており、例えば特開平4−6
0231号公報等により公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公知の
ものは、低周波数域における2種類の入力振動に対処す
るため、2つのオリフィスが設けられており、これらの
オリフィスを作動させることによって、2種類の振動、
例えば、エンジンアイドリング振動と、エンジンシェー
クとに対応(振動遮断)することができるようになって
いる。しかしながら、これらの振動は、その周波数が1
0Hzないし30Hz前後のものである。ところで、自
動車用エンジンは種々の状況下において使用されるもの
であり、当該エンジン及び当該エンジンを支持するエン
ジンマウントを介して車室内に伝播される振動・騒音の
周波数域も広範囲のものとなっている。特に、最近にお
いては、上記アイドリング振動やエンジンシェークの外
に、これらよりも高周波数域の振動であるこもり音等の
エンジンノイズに関する振動・騒音が問題とされてい
る。これらの比較的高周波数域の振動遮断を図るため、
これらの周波数域において、低動ばね定数を形成するこ
とができるようにした流体封入式の防振装置を提供しよ
うとするのが本発明の目的(課題)である。
ものは、低周波数域における2種類の入力振動に対処す
るため、2つのオリフィスが設けられており、これらの
オリフィスを作動させることによって、2種類の振動、
例えば、エンジンアイドリング振動と、エンジンシェー
クとに対応(振動遮断)することができるようになって
いる。しかしながら、これらの振動は、その周波数が1
0Hzないし30Hz前後のものである。ところで、自
動車用エンジンは種々の状況下において使用されるもの
であり、当該エンジン及び当該エンジンを支持するエン
ジンマウントを介して車室内に伝播される振動・騒音の
周波数域も広範囲のものとなっている。特に、最近にお
いては、上記アイドリング振動やエンジンシェークの外
に、これらよりも高周波数域の振動であるこもり音等の
エンジンノイズに関する振動・騒音が問題とされてい
る。これらの比較的高周波数域の振動遮断を図るため、
これらの周波数域において、低動ばね定数を形成するこ
とができるようにした流体封入式の防振装置を提供しよ
うとするのが本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、振動体側に取付けられる連結金具と、車
体等のベース部側に取付けられるホルダと、これら連結
金具とホルダとの間にあって上記振動体からの振動を遮
断する機能を発揮するインシュレータと、当該インシュ
レータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体の
封入されている防振機構部等からなる流体封入式の防振
装置において、上記防振機構部を、非圧縮性流体の封入
される受圧室と、空気等圧縮性流体の収納される平衡室
と、これら受圧室と平衡室との間を仕切る弾性隔膜状の
ダイヤフラムとで形成するとともに、当該防振機構部を
複数個設け、これら複数個の防振機構部のうちの第一の
防振機構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第二の
防振機構部に設けられた受圧室(第二受圧室)との間を
大径のオリフィスにて連結し、また、上記第一の防振機
構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第三の防振機
構部に設けられた受圧室(第三受圧室)との間を小径の
オリフィスにて連結し、更に、上記第一の防振機構部に
設けられた平衡室(第一平衡室)及び上記第二の防振機
構部に設けられた平衡室(第二平衡室)には、それぞれ
連通パイプを設け、当該連通パイプを介して上記第一平
衡室及び第二平衡室のそれぞれを、別個独立に負圧導入
または大気圧導入のいずれかの状態に保持することがで
きるような構成を採ることとした。
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、振動体側に取付けられる連結金具と、車
体等のベース部側に取付けられるホルダと、これら連結
金具とホルダとの間にあって上記振動体からの振動を遮
断する機能を発揮するインシュレータと、当該インシュ
レータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体の
封入されている防振機構部等からなる流体封入式の防振
装置において、上記防振機構部を、非圧縮性流体の封入
される受圧室と、空気等圧縮性流体の収納される平衡室
と、これら受圧室と平衡室との間を仕切る弾性隔膜状の
ダイヤフラムとで形成するとともに、当該防振機構部を
複数個設け、これら複数個の防振機構部のうちの第一の
防振機構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第二の
防振機構部に設けられた受圧室(第二受圧室)との間を
大径のオリフィスにて連結し、また、上記第一の防振機
構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第三の防振機
構部に設けられた受圧室(第三受圧室)との間を小径の
オリフィスにて連結し、更に、上記第一の防振機構部に
設けられた平衡室(第一平衡室)及び上記第二の防振機
構部に設けられた平衡室(第二平衡室)には、それぞれ
連通パイプを設け、当該連通パイプを介して上記第一平
衡室及び第二平衡室のそれぞれを、別個独立に負圧導入
または大気圧導入のいずれかの状態に保持することがで
きるような構成を採ることとした。
【0005】
【作用】上記構成を採ることにより、本発明においては
次のような作用を呈する。すなわち、図1において、振
動体側(図示せず)からの振動は、連結金具6を介し
て、ゴム材等からなるインシュレータ7に伝播される。
これによって、当該インシュレータ7は振動あるいは変
位をして、上記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断す
る。従って、大半の振動は、このインシュレータ7の部
分で遮断されることとなるが、一部のものは、当該イン
シュレータ7の外側に設けられたシリンダ81及び当該
シリンダ81の外側に設けられたホルダ8を介して、車
体等のベース部に伝播されるおそれがある。そこで、本
発明においては、このインシュレータ7の部分で遮断し
きれなかった成分(周波数)の振動を、当該インシュレ
ータ7の下方部に設けられた第一防振機構部1、第二防
振機構部2、第三防振機構部3のそれぞれの作用によっ
て、吸収あるいは遮断させようとするものである。その
具体的作用について、図2ないし図4に基づいて説明す
る。
次のような作用を呈する。すなわち、図1において、振
動体側(図示せず)からの振動は、連結金具6を介し
て、ゴム材等からなるインシュレータ7に伝播される。
これによって、当該インシュレータ7は振動あるいは変
位をして、上記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断す
る。従って、大半の振動は、このインシュレータ7の部
分で遮断されることとなるが、一部のものは、当該イン
シュレータ7の外側に設けられたシリンダ81及び当該
シリンダ81の外側に設けられたホルダ8を介して、車
体等のベース部に伝播されるおそれがある。そこで、本
発明においては、このインシュレータ7の部分で遮断し
きれなかった成分(周波数)の振動を、当該インシュレ
ータ7の下方部に設けられた第一防振機構部1、第二防
振機構部2、第三防振機構部3のそれぞれの作用によっ
て、吸収あるいは遮断させようとするものである。その
具体的作用について、図2ないし図4に基づいて説明す
る。
【0006】まず、エンジンアイドリング振動に対する
防振作用について、図2を基に説明する。なお、この場
合、対象となる振動数は35Hz〜40Hz程度であ
る。そこで第一平衡室13内に、連通パイプ19を介し
て負圧を導入し、当該第一平衡室13の容積をゼロにす
る。すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフラム
12を作動しないようにしておく。このような状態にお
いて、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が伝播
された場合、本発明にかかる防振装置の動バネ定数は、
インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に封入さ
れた非圧縮性流体の大径オリフィス4あるいは小径オリ
フィス5を経ての第二受圧室21あるいは第三受圧室3
1への流動運動作用とによって決定される。また、減衰
特性は、非圧縮性流体の上記大径オリフィス4内及び上
記小径オリフィス5内での流動運動作用によって決定さ
れる。その結果、この場合の動バネ定数の値は、図2の
実線図示の如くなる。すなわち、動バネ定数は、大径オ
リフィス4及び小径オリフィス5内における非圧縮性流
体の共振作用等により30Hz付近が最小となり、その
後上昇して一定の値となる。また、減衰係数は、上記大
径オリフィス4及び小径オリフィス5内を流動する上記
非圧縮性流体の作用により、35Hz〜40Hz付近に
おいて最大となる。すなわち、破線図示のようになる。
これらの結果、エンジンアイドリング時の振動に対して
は、振幅が減衰させられること等によって、振動の遮断
が行なわれる。
防振作用について、図2を基に説明する。なお、この場
合、対象となる振動数は35Hz〜40Hz程度であ
る。そこで第一平衡室13内に、連通パイプ19を介し
て負圧を導入し、当該第一平衡室13の容積をゼロにす
る。すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフラム
12を作動しないようにしておく。このような状態にお
いて、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が伝播
された場合、本発明にかかる防振装置の動バネ定数は、
インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に封入さ
れた非圧縮性流体の大径オリフィス4あるいは小径オリ
フィス5を経ての第二受圧室21あるいは第三受圧室3
1への流動運動作用とによって決定される。また、減衰
特性は、非圧縮性流体の上記大径オリフィス4内及び上
記小径オリフィス5内での流動運動作用によって決定さ
れる。その結果、この場合の動バネ定数の値は、図2の
実線図示の如くなる。すなわち、動バネ定数は、大径オ
リフィス4及び小径オリフィス5内における非圧縮性流
体の共振作用等により30Hz付近が最小となり、その
後上昇して一定の値となる。また、減衰係数は、上記大
径オリフィス4及び小径オリフィス5内を流動する上記
非圧縮性流体の作用により、35Hz〜40Hz付近に
おいて最大となる。すなわち、破線図示のようになる。
これらの結果、エンジンアイドリング時の振動に対して
は、振幅が減衰させられること等によって、振動の遮断
が行なわれる。
【0007】次に、エンジン自体とサスペンション機構
等バネ下質量との間の共振現象によって生ずるエンジン
シェークに対する防振作用について、図3を基に説明す
る。この場合、第一平衡室13及び第二平衡室23に、
連通パイプ19及び29を介して負圧を導入し、当該第
一平衡室13及び第二平衡室23の容積をゼロにする。
すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフラム12
及び第二防振機構部2におけるダイヤフラム22のいず
れもが作動しないようにしておく。このような状態にお
いて、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が伝播
された場合、本発明にかかる防振装置の動バネ定数は、
インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に封入さ
れた非圧縮性流体の小径オリフィス5を経ての第三受圧
室31への流動運動作用とによって決定される。また、
減衰特性は、非圧縮性流体の上記小径オリフィス5内で
の流動運動作用によって決定される。その結果、この場
合における動バネ定数及び減衰係数の値は、図3の実線
図示及び破線図示の如くなる。すなわち、動バネ定数
は、小径オリフィス5内における非圧縮性流体の共振作
用等により10Hz付近が最小となり、その後上昇して
一定値となる。また、減衰係数は、上記小径オリフィス
5内を流動する上記非圧縮性流体の作用により10Hz
付近において最大となる。これらの結果、上記エンジン
シェークに対しては、上記減衰係数の最大化により振幅
を抑えることによって、防振作用を行なわせることとし
ている。
等バネ下質量との間の共振現象によって生ずるエンジン
シェークに対する防振作用について、図3を基に説明す
る。この場合、第一平衡室13及び第二平衡室23に、
連通パイプ19及び29を介して負圧を導入し、当該第
一平衡室13及び第二平衡室23の容積をゼロにする。
すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフラム12
及び第二防振機構部2におけるダイヤフラム22のいず
れもが作動しないようにしておく。このような状態にお
いて、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が伝播
された場合、本発明にかかる防振装置の動バネ定数は、
インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に封入さ
れた非圧縮性流体の小径オリフィス5を経ての第三受圧
室31への流動運動作用とによって決定される。また、
減衰特性は、非圧縮性流体の上記小径オリフィス5内で
の流動運動作用によって決定される。その結果、この場
合における動バネ定数及び減衰係数の値は、図3の実線
図示及び破線図示の如くなる。すなわち、動バネ定数
は、小径オリフィス5内における非圧縮性流体の共振作
用等により10Hz付近が最小となり、その後上昇して
一定値となる。また、減衰係数は、上記小径オリフィス
5内を流動する上記非圧縮性流体の作用により10Hz
付近において最大となる。これらの結果、上記エンジン
シェークに対しては、上記減衰係数の最大化により振幅
を抑えることによって、防振作用を行なわせることとし
ている。
【0008】次に、車室内へのこもり音として問題とさ
れる比較的高周波数域のエンジンノイズに対する防振作
用について、図4を基に説明する。この場合、第二平衡
室23に、連通パイプ19を介して負圧を導入し、当該
第二平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第二防
振機構部2におけるダイヤフラム22が作動しないよう
にしておく。このような状態において、エンジン等の振
動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本発明に
かかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7の変
位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体の当
該第一受圧室11内での流動運動作用、及び小径オリフ
ィス5を経由しての第三受圧室31への流動運動作用と
によって決定される。また、減衰特性は、非圧縮性流体
の上記小径オリフィス5内での流動運動作用によって決
定される。その結果、この場合における動バネ定数及び
減衰係数の値は、図4の実線図示及び破線図示の如くな
る。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内にお
ける非圧縮性流体の共振作用等により5Hz〜10Hz
付近が最小となり、その後上昇して一定の値となる。特
に、本発明においては、この場合、第一防振機構部1の
平衡室13には大気圧が導入されており、ダイヤフラム
12が作動するようになっているので、連結金具6を介
して第一受圧室11内の非圧縮性流体に伝播される10
0Hz〜600Hz間の振動は、上記ダイヤフラム12
を介して、第一平衡室13内の圧縮性流体(空気等)を
圧縮するように伝播される。その結果、上記100Hz
〜600Hz程度の比較的高周波数の振動に対して、動
バネ定数が低く設定されることとなる。これらの結果、
上記こもり音等に関するエンジンノイズに対しては、動
バネ定数を低く抑えることによって振動遮断が行なわれ
る。
れる比較的高周波数域のエンジンノイズに対する防振作
用について、図4を基に説明する。この場合、第二平衡
室23に、連通パイプ19を介して負圧を導入し、当該
第二平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第二防
振機構部2におけるダイヤフラム22が作動しないよう
にしておく。このような状態において、エンジン等の振
動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本発明に
かかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7の変
位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体の当
該第一受圧室11内での流動運動作用、及び小径オリフ
ィス5を経由しての第三受圧室31への流動運動作用と
によって決定される。また、減衰特性は、非圧縮性流体
の上記小径オリフィス5内での流動運動作用によって決
定される。その結果、この場合における動バネ定数及び
減衰係数の値は、図4の実線図示及び破線図示の如くな
る。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内にお
ける非圧縮性流体の共振作用等により5Hz〜10Hz
付近が最小となり、その後上昇して一定の値となる。特
に、本発明においては、この場合、第一防振機構部1の
平衡室13には大気圧が導入されており、ダイヤフラム
12が作動するようになっているので、連結金具6を介
して第一受圧室11内の非圧縮性流体に伝播される10
0Hz〜600Hz間の振動は、上記ダイヤフラム12
を介して、第一平衡室13内の圧縮性流体(空気等)を
圧縮するように伝播される。その結果、上記100Hz
〜600Hz程度の比較的高周波数の振動に対して、動
バネ定数が低く設定されることとなる。これらの結果、
上記こもり音等に関するエンジンノイズに対しては、動
バネ定数を低く抑えることによって振動遮断が行なわれ
る。
【0009】このように本発明においては、第一平衡室
13あるいは第二平衡室23をそれぞれ別個独立に、負
圧導入あるいは大気圧導入の状態に制御することによっ
て、防振装置全体の動バネ定数及び減衰特性を制御し、
これによって、低周波数域のエンジンアイドリング振動
及びエンジンシェーク等を遮断することとしている。更
には、比較的高周波数域での100Hz〜600Hz付
近の動バネ定数を低くすることによって、エンジンノイ
ズの遮断を図ることとし、これによって、こもり音の発
生を防止することとしている。
13あるいは第二平衡室23をそれぞれ別個独立に、負
圧導入あるいは大気圧導入の状態に制御することによっ
て、防振装置全体の動バネ定数及び減衰特性を制御し、
これによって、低周波数域のエンジンアイドリング振動
及びエンジンシェーク等を遮断することとしている。更
には、比較的高周波数域での100Hz〜600Hz付
近の動バネ定数を低くすることによって、エンジンノイ
ズの遮断を図ることとし、これによって、こもり音の発
生を防止することとしている。
【0010】
【実施例】本発明の実施例について、図1ないし図4を
基に説明する。本実施例の構成は、図1に示す如く、エ
ンジン等の振動体に連結される連結金具6と、車体等の
ベース部に連結されるホルダ8と、これら連結金具6と
ホルダ8との間にあって上記振動体からの大変位(大振
幅)の振動を遮断するインシュレータ7と、当該インシ
ュレータ7に対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流
体の封入されてなる複数の(3つの)防振機構部1、
2、3とからなるとともに、第一の防振機構部1に設け
られた第一受圧室11と第二の防振機構部2に設けられ
た第二受圧室21との間を連結する大径オリフィス4
と、第一防振機構部1に設けられた上記第一受圧室11
と第三防振機構部3に設けられた第三受圧室31との間
を連結する小径オリフィス5とからなる流体封入式の防
振装置であることを基本とするものである。
基に説明する。本実施例の構成は、図1に示す如く、エ
ンジン等の振動体に連結される連結金具6と、車体等の
ベース部に連結されるホルダ8と、これら連結金具6と
ホルダ8との間にあって上記振動体からの大変位(大振
幅)の振動を遮断するインシュレータ7と、当該インシ
ュレータ7に対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流
体の封入されてなる複数の(3つの)防振機構部1、
2、3とからなるとともに、第一の防振機構部1に設け
られた第一受圧室11と第二の防振機構部2に設けられ
た第二受圧室21との間を連結する大径オリフィス4
と、第一防振機構部1に設けられた上記第一受圧室11
と第三防振機構部3に設けられた第三受圧室31との間
を連結する小径オリフィス5とからなる流体封入式の防
振装置であることを基本とするものである。
【0011】このような基本構成において、第一の防振
機構部1は、非圧縮性流体の封入される第一受圧室11
と、空気等の圧縮性流体の導入される第一平衡室13
と、これら第一受圧室11と第一平衡室13との間を仕
切るゴム等の弾性隔膜からなるダイヤフラム12とから
なるものである。そして、上記第一受圧室11は上記イ
ンシュレータ7の下面に直接連なるように設けられてい
る構成からなるものである。すなわち、非圧縮性流体の
封入される第一受圧室11は、上記インシュレータ7の
下面に設けられ、当該インシュレータ7の弾性変形が直
接上記第一受圧室11に伝播されるようになっている。
また、上記第一平衡室13には連通パイプ19が連結さ
れており、当該連通パイプ19を介して、上記第一平衡
室13には負圧または大気圧が導入されるようになって
いる。その結果、上記第一平衡室13に負圧が導入され
ている場合には当該第一平衡室13の容積はゼロとな
り、ダイヤフラム12は作動しなくなり、第一受圧室1
1内の非圧縮性流体は当該第一受圧室11内では流動し
なくなる。従って、上記第一平衡室13内に大気圧が導
入されている状態においてのみ、上記ダイヤフラム12
は作動し、かつ、第一受圧室11内での非圧縮性流体の
流動が行なわれる構成となっている。
機構部1は、非圧縮性流体の封入される第一受圧室11
と、空気等の圧縮性流体の導入される第一平衡室13
と、これら第一受圧室11と第一平衡室13との間を仕
切るゴム等の弾性隔膜からなるダイヤフラム12とから
なるものである。そして、上記第一受圧室11は上記イ
ンシュレータ7の下面に直接連なるように設けられてい
る構成からなるものである。すなわち、非圧縮性流体の
封入される第一受圧室11は、上記インシュレータ7の
下面に設けられ、当該インシュレータ7の弾性変形が直
接上記第一受圧室11に伝播されるようになっている。
また、上記第一平衡室13には連通パイプ19が連結さ
れており、当該連通パイプ19を介して、上記第一平衡
室13には負圧または大気圧が導入されるようになって
いる。その結果、上記第一平衡室13に負圧が導入され
ている場合には当該第一平衡室13の容積はゼロとな
り、ダイヤフラム12は作動しなくなり、第一受圧室1
1内の非圧縮性流体は当該第一受圧室11内では流動し
なくなる。従って、上記第一平衡室13内に大気圧が導
入されている状態においてのみ、上記ダイヤフラム12
は作動し、かつ、第一受圧室11内での非圧縮性流体の
流動が行なわれる構成となっている。
【0012】次に、第二の防振機構部2について説明す
る。この第二防振機構部2も上記第一防振機構部1と同
様、非圧縮性流体の封入される第二受圧室21と、空気
等圧縮性流体の導入される第二平衡室23と、これら第
二受圧室21と第二平衡室23との間を仕切るゴム状の
弾性隔膜からなるダイヤフラム22とからなることを基
本とするものである。そして更に、上記第二平衡室23
には連通パイプ29が連結され、この連通パイプ29を
介して、上記第二平衡室23には負圧または大気圧が導
入されるようになっている。その結果、上記第二平衡室
23に負圧が導入されている場合には、当該第二平衡室
23の容積はゼロとなり、ダイヤフラム22は作動しな
くなり、第二受圧室21内の非圧縮性流体は当該第二受
圧室21内では流動しなくなる。従って、上記第二平衡
室23内に大気圧が導入されている状態においてのみ、
上記ダイヤフラム22は作動し、第二受圧室21内及び
大径オリフィス4内での非圧縮性流体の流動が行なわれ
る構成となっている。
る。この第二防振機構部2も上記第一防振機構部1と同
様、非圧縮性流体の封入される第二受圧室21と、空気
等圧縮性流体の導入される第二平衡室23と、これら第
二受圧室21と第二平衡室23との間を仕切るゴム状の
弾性隔膜からなるダイヤフラム22とからなることを基
本とするものである。そして更に、上記第二平衡室23
には連通パイプ29が連結され、この連通パイプ29を
介して、上記第二平衡室23には負圧または大気圧が導
入されるようになっている。その結果、上記第二平衡室
23に負圧が導入されている場合には、当該第二平衡室
23の容積はゼロとなり、ダイヤフラム22は作動しな
くなり、第二受圧室21内の非圧縮性流体は当該第二受
圧室21内では流動しなくなる。従って、上記第二平衡
室23内に大気圧が導入されている状態においてのみ、
上記ダイヤフラム22は作動し、第二受圧室21内及び
大径オリフィス4内での非圧縮性流体の流動が行なわれ
る構成となっている。
【0013】次に、第三の防振機構部3について説明す
る。この第三防振機構部3も上記第一防振機構部1及び
第二防振機構部2と基本構成は同じである。すなわち、
非圧縮性流体の封入される第三受圧室31と、空気等圧
縮性流体の導入される第三平衡室33と、これら第三受
圧室31と第三平衡室33との間を仕切るゴム状の弾性
隔膜からなるダイヤフラム32とからなるものである。
なお、第三防振機構部3の第三平衡室33は常に大気圧
が導入されるようになっており、当該第三平衡室33の
下部には大気への連通口39が設けられている構成とな
っている。従って、本第三防振機構部3における第三受
圧室31内、並びに当該第三受圧室31と上記第一受圧
室11との間を連結する小径オリフィス5内の非圧縮性
流体は、常時流動するようになっている。
る。この第三防振機構部3も上記第一防振機構部1及び
第二防振機構部2と基本構成は同じである。すなわち、
非圧縮性流体の封入される第三受圧室31と、空気等圧
縮性流体の導入される第三平衡室33と、これら第三受
圧室31と第三平衡室33との間を仕切るゴム状の弾性
隔膜からなるダイヤフラム32とからなるものである。
なお、第三防振機構部3の第三平衡室33は常に大気圧
が導入されるようになっており、当該第三平衡室33の
下部には大気への連通口39が設けられている構成とな
っている。従って、本第三防振機構部3における第三受
圧室31内、並びに当該第三受圧室31と上記第一受圧
室11との間を連結する小径オリフィス5内の非圧縮性
流体は、常時流動するようになっている。
【0014】このような構成からなる各防振機構部1、
2、3が仕切部材15、25を隔てて設けられ、更に、
インシュレータ7等と一体的にまとめられて筒状のシリ
ンダ81内に収納され、更にその外側にホルダ8が設け
られて、全体として流体封入式の防振装置が形成されて
いる。また、このような防振装置において、上記インシ
ュレータ7の上方部には剛体からなるストッパ82が設
けられ、更に、上記連結金具6の上方部には、本防振装
置全体を覆うようにダストカバー61が設けられ、これ
らによって流体封入式のエンジンマウント装置が形成さ
れている。
2、3が仕切部材15、25を隔てて設けられ、更に、
インシュレータ7等と一体的にまとめられて筒状のシリ
ンダ81内に収納され、更にその外側にホルダ8が設け
られて、全体として流体封入式の防振装置が形成されて
いる。また、このような防振装置において、上記インシ
ュレータ7の上方部には剛体からなるストッパ82が設
けられ、更に、上記連結金具6の上方部には、本防振装
置全体を覆うようにダストカバー61が設けられ、これ
らによって流体封入式のエンジンマウント装置が形成さ
れている。
【0015】上記構成からなる本実施例の作用につい
て、図1ないし図4を基に説明する。すなわち、図1に
おいて、エンジン等振動体(図示せず)からの振動が、
連結金具6を介して、ゴム材等からなるインシュレータ
7に伝播されると、当該インシュレータ7が振動あるい
は変位をして、上記入力振動の大部分を吸収し、ここで
遮断する。しかしながら、一部のある特定の成分の振動
等は、シリンダ81、ホルダ8を介して車体側に伝播さ
れるおそれがある。そこで、本実施例においては、この
インュレータ7の部分では遮断されなかった成分(周波
数)の振動・騒音を、上記各防振機構部1、2、3の各
作用によって遮断させようとするものである。その具体
的作用について、図2ないし図4を基に説明する。
て、図1ないし図4を基に説明する。すなわち、図1に
おいて、エンジン等振動体(図示せず)からの振動が、
連結金具6を介して、ゴム材等からなるインシュレータ
7に伝播されると、当該インシュレータ7が振動あるい
は変位をして、上記入力振動の大部分を吸収し、ここで
遮断する。しかしながら、一部のある特定の成分の振動
等は、シリンダ81、ホルダ8を介して車体側に伝播さ
れるおそれがある。そこで、本実施例においては、この
インュレータ7の部分では遮断されなかった成分(周波
数)の振動・騒音を、上記各防振機構部1、2、3の各
作用によって遮断させようとするものである。その具体
的作用について、図2ないし図4を基に説明する。
【0016】まず、エンジンアイドリング振動に対する
防振作用について、図2を基に説明する。なお、この場
合、6気筒のエンジンであるとすると、アイドリング時
の固有振動数は35Hz〜40Hz程度となる。そこで
この場合、まず、第一平衡室13内に連通パイプ19を
介して負圧を導入し、当該第一平衡室13の容積をゼロ
にする。すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフ
ラム12を作動しないようにしておく。このような状態
において、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が
伝播された場合、本実施例にかかる防振装置の動バネ定
数は、インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に
封入された非圧縮性流体の大径オリフィス4あるいは小
径オリフィス5を経ての第二受圧室21あるいは第三受
圧室31への流動運動作用とによって決定される。ま
た、減衰特性は、非圧縮性流体の上記大径オリフィス4
内及び小径オリフィス5内での流動運動作用によって決
定される。その結果、この場合の動バネ定数及び減衰係
数の値は、図2の実線図示及び破線図示の如くなる。す
なわち、動バネ定数は、大径オリフィス4及び小径オリ
フィス5内における非圧縮性流体の共振作用等により3
0Hz付近が最小となり、その後上昇して一定の値とな
る。また、減数係数は、上記大径オリフィス4及び小径
オリフィス5内を流動する上記非圧縮性流体の作用によ
り、35Hz〜40Hz付近において最大となる。これ
らの結果、エンジンアイドリング時の振動に対して、振
幅が減衰させられること等によって、振動遮断が行なわ
れることとなる。
防振作用について、図2を基に説明する。なお、この場
合、6気筒のエンジンであるとすると、アイドリング時
の固有振動数は35Hz〜40Hz程度となる。そこで
この場合、まず、第一平衡室13内に連通パイプ19を
介して負圧を導入し、当該第一平衡室13の容積をゼロ
にする。すなわち、第一防振機構部1におけるダイヤフ
ラム12を作動しないようにしておく。このような状態
において、エンジン等の振動体から連結金具6に振動が
伝播された場合、本実施例にかかる防振装置の動バネ定
数は、インシュレータ7の変位と、第一受圧室11内に
封入された非圧縮性流体の大径オリフィス4あるいは小
径オリフィス5を経ての第二受圧室21あるいは第三受
圧室31への流動運動作用とによって決定される。ま
た、減衰特性は、非圧縮性流体の上記大径オリフィス4
内及び小径オリフィス5内での流動運動作用によって決
定される。その結果、この場合の動バネ定数及び減衰係
数の値は、図2の実線図示及び破線図示の如くなる。す
なわち、動バネ定数は、大径オリフィス4及び小径オリ
フィス5内における非圧縮性流体の共振作用等により3
0Hz付近が最小となり、その後上昇して一定の値とな
る。また、減数係数は、上記大径オリフィス4及び小径
オリフィス5内を流動する上記非圧縮性流体の作用によ
り、35Hz〜40Hz付近において最大となる。これ
らの結果、エンジンアイドリング時の振動に対して、振
幅が減衰させられること等によって、振動遮断が行なわ
れることとなる。
【0017】次に、エンジンシェークに対する防振作用
について、図3を基に説明する。この場合、第一平衡室
13及び第二平衡室23内には、連通パイプ19及び2
9を介して負圧を導入し、当該第一平衡室13及び第二
平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第一防振機
構部1におけるダイヤフラム12及び第二防振機構部2
におけるダイヤフラム22のいずれもが作動しないよう
にしておく。このような状態において、エンジン等の振
動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本実施例
にかかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7の
変位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体の
小径オリフィス5を経ての第三受圧室31への流動運動
作用とによって決定される。また、減衰特性は、非圧縮
性流体の上記小径オリフィス5内で流動運動作用によっ
て決定される。その結果、この場合における動バネ定数
及び減衰係数の値は、図3の実線図示及び破線図示の如
くなる。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内
における非圧縮性流体の共振作用等により10Hz付近
が最小となり、その後上昇して一定の値となる。また、
減衰係数は、上記小径オリフィス5内を流動する上記非
圧縮性流体の作用により10Hz付近において最大とな
る。これらの結果、上記エンジンシェークに対しては、
上記減衰係数の最大化により振幅を抑えることによっ
て、防振作用を行なわせることとしている。
について、図3を基に説明する。この場合、第一平衡室
13及び第二平衡室23内には、連通パイプ19及び2
9を介して負圧を導入し、当該第一平衡室13及び第二
平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第一防振機
構部1におけるダイヤフラム12及び第二防振機構部2
におけるダイヤフラム22のいずれもが作動しないよう
にしておく。このような状態において、エンジン等の振
動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本実施例
にかかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7の
変位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体の
小径オリフィス5を経ての第三受圧室31への流動運動
作用とによって決定される。また、減衰特性は、非圧縮
性流体の上記小径オリフィス5内で流動運動作用によっ
て決定される。その結果、この場合における動バネ定数
及び減衰係数の値は、図3の実線図示及び破線図示の如
くなる。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内
における非圧縮性流体の共振作用等により10Hz付近
が最小となり、その後上昇して一定の値となる。また、
減衰係数は、上記小径オリフィス5内を流動する上記非
圧縮性流体の作用により10Hz付近において最大とな
る。これらの結果、上記エンジンシェークに対しては、
上記減衰係数の最大化により振幅を抑えることによっ
て、防振作用を行なわせることとしている。
【0018】次に、車室内へのこもり音として問題とさ
れる比較的高周波数域のエンジンノイズに対する防振作
用について、図4を基に説明する。この場合、第二平衡
室23には、連通パイプ19を介して負圧を導入し、当
該第二平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第二
防振機構部2におけるダイヤフラム22が作動しないよ
うにしておく。このような状態において、エンジン等の
振動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本実施
例にかかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7
の変位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体
の当該第一受圧室11内での流動運動作用、及び小径オ
リフィス5を経由しての第三受圧室31への流動運動作
用とによって決定される。また、減衰特性は、非圧縮性
流体の上記小径オリフィス5内での流動運動作用によっ
て決定される。その結果、この場合における動バネ定数
及び減衰係数の値は、図4の実線図示及び破線図示の如
くなる。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内
における非圧縮性流体の共振作用等により5Hz〜10
Hz付近が最小となり、その後上昇して一定の値とな
る。特に、本実施例においては、この場合、第一防振機
構部1の平衡室13には大気圧が導入されており、ダイ
ヤフラム12が作動するようになっているので、連結金
具6を介して第一受圧室11内の非圧縮性流体に伝播さ
れる100Hz〜600Hz間の振動は、上記ダイヤフ
ラム12を介して第一平衡室13内の圧縮性流体(空気
等)を圧縮するように伝播される。その結果、上記10
0Hz〜600Hz程度の比較的高周波数域の振動に対
して、動バネ定数が低く設定されることとなる。これら
の結果、上記こもり音等に関するエンジンノイズに対し
ては、動バネ定数を低く抑えることによって振動遮断が
行なわれる。
れる比較的高周波数域のエンジンノイズに対する防振作
用について、図4を基に説明する。この場合、第二平衡
室23には、連通パイプ19を介して負圧を導入し、当
該第二平衡室23の容積をゼロにする。すなわち、第二
防振機構部2におけるダイヤフラム22が作動しないよ
うにしておく。このような状態において、エンジン等の
振動体から連結金具6に振動が伝播された場合、本実施
例にかかる防振装置の動バネ定数は、インシュレータ7
の変位と、第一受圧室11内に封入された非圧縮性流体
の当該第一受圧室11内での流動運動作用、及び小径オ
リフィス5を経由しての第三受圧室31への流動運動作
用とによって決定される。また、減衰特性は、非圧縮性
流体の上記小径オリフィス5内での流動運動作用によっ
て決定される。その結果、この場合における動バネ定数
及び減衰係数の値は、図4の実線図示及び破線図示の如
くなる。すなわち、動バネ定数は、小径オリフィス5内
における非圧縮性流体の共振作用等により5Hz〜10
Hz付近が最小となり、その後上昇して一定の値とな
る。特に、本実施例においては、この場合、第一防振機
構部1の平衡室13には大気圧が導入されており、ダイ
ヤフラム12が作動するようになっているので、連結金
具6を介して第一受圧室11内の非圧縮性流体に伝播さ
れる100Hz〜600Hz間の振動は、上記ダイヤフ
ラム12を介して第一平衡室13内の圧縮性流体(空気
等)を圧縮するように伝播される。その結果、上記10
0Hz〜600Hz程度の比較的高周波数域の振動に対
して、動バネ定数が低く設定されることとなる。これら
の結果、上記こもり音等に関するエンジンノイズに対し
ては、動バネ定数を低く抑えることによって振動遮断が
行なわれる。
【0019】このように本実施例においては、第一平衡
室13あるいは第二平衡室23をそれぞれ別個独立に、
負圧導入あるいは大気圧導入の状態に制御することによ
って、防振装置全体の動バネ定数及び減衰特性を制御
し、これによって、低周波数域のエンジンアイドリング
振動及びエンジンシェーク等を遮断することとしてい
る。更には、比較的高周波数域での動バネ定数を低くす
ることによって、100Hz〜600Hz付近のエンジ
ンノイズの遮断を図ることとし、これによって、こもり
音の発生を防止することとしている。
室13あるいは第二平衡室23をそれぞれ別個独立に、
負圧導入あるいは大気圧導入の状態に制御することによ
って、防振装置全体の動バネ定数及び減衰特性を制御
し、これによって、低周波数域のエンジンアイドリング
振動及びエンジンシェーク等を遮断することとしてい
る。更には、比較的高周波数域での動バネ定数を低くす
ることによって、100Hz〜600Hz付近のエンジ
ンノイズの遮断を図ることとし、これによって、こもり
音の発生を防止することとしている。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、振動体側に取付けられ
る連結金具と、車体等のベース部側に取付けられるホル
ダと、これら連結金具とホルダとの間にあって上記振動
体からの振動を遮断する機能を発揮するインシュレータ
と、当該インシュレータに対して直列に設けられ、か
つ、非圧縮性流体の封入されている防振機構部等からな
る流体封入式の防振装置において、上記防振機構部を、
非圧縮性流体の封入される受圧室と、空気等圧縮性流体
の収納される平衡室と、これら受圧室と平衡室との間を
仕切る弾性隔膜状のダイヤフラムとで形成するととも
に、当該防振機構部を複数個設け、これら複数個の防振
機構部のうちの第一の防振機構部に設けられた受圧室
(第一受圧室)と第二の防振機構部に設けられた受圧室
(第二受圧室)との間を大径のオリフィスにて連結し、
また、上記第一の防振機構部に設けられた受圧室(第一
受圧室)と第三の防振機構部に設けられた受圧室(第三
受圧室)との間を小径のオリフィスにて連結し、更に、
上記第一の防振機構部に設けられた平衡室(第一平衡
室)及び上記第二の防振機構部に設けられた平衡室(第
二平衡室)には、それぞれ連通パイプを設け、当該連通
パイプを介して上記第一平衡室及び第二平衡室のそれぞ
れを、別個独立に負圧導入または大気圧導入のいずれか
の状態に保持することができるような構成を採ることと
したので、上記第一平衡室あるいは第二平衡室に適宜負
圧導入あるいは大気圧導入をすることによって、本防振
装置の動バネ特性及び減衰特性を3態様に制御すること
ができるようになった。これによって、従来のものと同
様、エンジンアイドリング振動及びエンジンシェーク等
の振動を遮断することができるとともに、更に、比較的
高周波数域(100Hz〜600Hz)の振動・騒音に
対しても動バネ特性を低く制御することができるように
なり、こもり音の原因となるエンジンノイズ等を遮断す
ることができるようになった。
る連結金具と、車体等のベース部側に取付けられるホル
ダと、これら連結金具とホルダとの間にあって上記振動
体からの振動を遮断する機能を発揮するインシュレータ
と、当該インシュレータに対して直列に設けられ、か
つ、非圧縮性流体の封入されている防振機構部等からな
る流体封入式の防振装置において、上記防振機構部を、
非圧縮性流体の封入される受圧室と、空気等圧縮性流体
の収納される平衡室と、これら受圧室と平衡室との間を
仕切る弾性隔膜状のダイヤフラムとで形成するととも
に、当該防振機構部を複数個設け、これら複数個の防振
機構部のうちの第一の防振機構部に設けられた受圧室
(第一受圧室)と第二の防振機構部に設けられた受圧室
(第二受圧室)との間を大径のオリフィスにて連結し、
また、上記第一の防振機構部に設けられた受圧室(第一
受圧室)と第三の防振機構部に設けられた受圧室(第三
受圧室)との間を小径のオリフィスにて連結し、更に、
上記第一の防振機構部に設けられた平衡室(第一平衡
室)及び上記第二の防振機構部に設けられた平衡室(第
二平衡室)には、それぞれ連通パイプを設け、当該連通
パイプを介して上記第一平衡室及び第二平衡室のそれぞ
れを、別個独立に負圧導入または大気圧導入のいずれか
の状態に保持することができるような構成を採ることと
したので、上記第一平衡室あるいは第二平衡室に適宜負
圧導入あるいは大気圧導入をすることによって、本防振
装置の動バネ特性及び減衰特性を3態様に制御すること
ができるようになった。これによって、従来のものと同
様、エンジンアイドリング振動及びエンジンシェーク等
の振動を遮断することができるとともに、更に、比較的
高周波数域(100Hz〜600Hz)の振動・騒音に
対しても動バネ特性を低く制御することができるように
なり、こもり音の原因となるエンジンノイズ等を遮断す
ることができるようになった。
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の作動状態を示す説明図であって、エン
ジンアイドリング振動を遮断するように作動している状
態を示す図である。
ジンアイドリング振動を遮断するように作動している状
態を示す図である。
【図3】本発明の作動状態を示す説明図であって、エン
ジンシェークを遮断するように作動している状態を示す
図である。
ジンシェークを遮断するように作動している状態を示す
図である。
【図4】本発明の作動態様を示す説明図であって、比較
的高周波数域の振動に対して動バネ定数が低くなるよう
に作動している状態を示す図である。
的高周波数域の振動に対して動バネ定数が低くなるよう
に作動している状態を示す図である。
1 第一防振機構部 11 第一受圧室 12 ダイヤフラム 13 第一平衡室 15 仕切部材 19 連通パイプ 2 第二防振機構部 21 第二受圧室 22 ダイヤフラム 23 第二平衡室 25 仕切部材 29 連通パイプ 3 第三防振機構部 31 第三受圧室 32 ダイヤフラム 33 第三平衡室 39 連通口 4 大径オリフィス 5 小径オリフィス 6 連結金具 61 ダストカバー 7 インシュレータ 8 ホルダ 81 シリンダ 82 ストッパ
Claims (1)
- 【請求項1】 振動体側に取付けられる連結金具と、車
体等のベース部側に取付けられるホルダと、これら連結
金具とホルダとの間にあって上記振動体からの振動を遮
断する機能を発揮するインシュレータと、当該インシュ
レータに対して直列に設けられ、かつ、非圧縮性流体の
封入されている防振機構部等からなる流体封入式の防振
装置において、上記防振機構部を、非圧縮性流体の封入
される受圧室と、空気等圧縮性流体の収納される平衡室
と、これら受圧室と平衡室との間を仕切る弾性隔膜状の
ダイヤフラムとで形成するとともに、当該防振機構部を
複数個設け、これら複数個の防振機構部のうちの第一の
防振機構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第二の
防振機構部に設けられた受圧室(第二受圧室)との間を
大径のオリフィスにて連結し、また、上記第一の防振機
構部に設けられた受圧室(第一受圧室)と第三の防振機
構部に設けられた受圧室(第三受圧室)との間を小径の
オリフィスにて連結し、更に、上記第一の防振機構部に
設けられた平衡室(第一平衡室)及び上記第二の防振機
構部に設けられた平衡室(第二平衡室)には、それぞれ
連通パイプを設け、当該連通パイプを介して上記第一平
衡室及び第二平衡室のそれぞれを、別個独立に、負圧導
入または大気圧導入のいずれかの状態に保持することが
できるように形成してなることを特徴とする流体封入式
防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35919292A JPH06193670A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 流体封入式防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35919292A JPH06193670A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 流体封入式防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06193670A true JPH06193670A (ja) | 1994-07-15 |
Family
ID=18463227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35919292A Pending JPH06193670A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 流体封入式防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06193670A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10238587A (ja) * | 1996-12-26 | 1998-09-08 | Toyoda Gosei Co Ltd | 防振装置 |
US6491290B2 (en) * | 2000-07-14 | 2002-12-10 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Fluid-filled vibration damping device having pressure receiving chamber whose spring stiffness is controllable |
JP2004036895A (ja) * | 1996-12-26 | 2004-02-05 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 防振装置 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP35919292A patent/JPH06193670A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10238587A (ja) * | 1996-12-26 | 1998-09-08 | Toyoda Gosei Co Ltd | 防振装置 |
JP2004036895A (ja) * | 1996-12-26 | 2004-02-05 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 防振装置 |
US6491290B2 (en) * | 2000-07-14 | 2002-12-10 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Fluid-filled vibration damping device having pressure receiving chamber whose spring stiffness is controllable |
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