JP2004036895A - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004036895A
JP2004036895A JP2003296925A JP2003296925A JP2004036895A JP 2004036895 A JP2004036895 A JP 2004036895A JP 2003296925 A JP2003296925 A JP 2003296925A JP 2003296925 A JP2003296925 A JP 2003296925A JP 2004036895 A JP2004036895 A JP 2004036895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
chamber
negative pressure
insulator
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003296925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3567936B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Saruwatari
猿渡 智之
Hisayoshi Kato
加藤 久佳
Tatsuo Suzuki
鈴木 達雄
Sadaki Shimoda
下田 禎己
Shigeki Takeo
竹尾 茂樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2003296925A priority Critical patent/JP3567936B2/ja
Publication of JP2004036895A publication Critical patent/JP2004036895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3567936B2 publication Critical patent/JP3567936B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

【課題】振動体にて発生する振動が車室内に伝播するのをより確実に抑制することのできる防振装置を提供する。
【解決手段】エンジンマウント3は、エンジンに対し取付けられる連結金具11と、車体側に取付けられるホルダ12と、連結金具11及びホルダ12間に設けられ、エンジン1から伝播される振動を主として吸収するためのインシュレータ13と、該インシュレータ13に連続して設けられた防振機構部14とを備える。防振機構部14は、主液室15、オリフィス16、副液室17、平衡室19、空気室21等を備える。平衡室19には、VSV31のオン・オフ切換により、負圧及び大気圧が交互に導入される。平衡室19とVSV31とを連通する連通路23の途中にはサイドブランチ51が設けられており、これにより、脈動の共鳴効果によって、平衡室19内の圧力波形が整形され、滑らかなものとなる。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、防振装置に係り、特に、内部に封入された液体の流動に基づいて防振効果が得られるようにした防振装置に関するものである。
 振動体であるところのエンジンは、アイドリング運転の状態から最大回転数までの間、種々の運転状況下で使用されるものである。従って、防振装置のうち、特に、自動車用エンジンマウント等にあっては、広い範囲の振動数に対応できるものでなければならない。このため、内部に2つの液室を設け、その間をオリフィスをもって連結するようにした、いわゆる液体封入式のエンジンマウント(防振装置)が提案されている(特開平4−60231号公報等)。
 ところで、上記公知技術では、低周波数域における2種類の入力振動に対処するため、2つのオリフィスを有するように構成されている。そして、これらのオリフィスを作動させることによって、2種類の振動、例えばアイドリング振動と、エンジンシェークとに対応することができるようになっている。
 しかし、これらの振動は、その振動数が10Hz乃至30Hz前後であるのに対し、実際のエンジンは上述のように種々の運転状況下で使用され、エンジンマウントを介して車室内に伝播される振動・騒音の振動数域も広範囲なものとなっている。特に、最近においては、比較的高振動数域の振動である「こもり音」等のエンジンノイズに関する振動・騒音が問題とされている。
 このように、比較的高振動数域における振動の遮断を図るべく、本願出願人は、次のような防振装置を既に提案している。すなわち、この防振装置は、防振体(エンジンマウント)と、切換手段[バキュームスイッチングバルブ(以下、「VSV」という)]と、切換手段を制御するための制御手段とを備えている。防振体は、振動体としてのエンジンに取付けられる連結具と、車体側に取付けられるホルダと、前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するためのインシュレータと、該インシュレータに連続して設けられた防振機構部とを備えている。さらに、前記防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室と、主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように連結される副液室と、主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室と、副液室の周りにダイヤフラムを介して設けられ、常時空気の導入される空気室とを備えている。
 そして、上記防振装置では、制御手段によって切換手段が制御されることで、平衡室内には、負圧及び大気圧が特定の振動数をもって交互に導入されたりする。例えばエンジンのアイドリング振動に対しては、上記切換手段のスイッチング動作によって、負圧及び大気圧がアイドリング振動に相当する振動数をもって交互に導入され、これに応じて平衡室の圧力、ひいては容積が変化する。そして、かかる容積変化によって、アイドリング振動によって生じ、上記インシュレータを介して入力される主液室内の液圧変動が積極的に制御され、吸収される。このように、上記技術によれば、制御手段にて上記切換手段を制御することで、任意の振動数に対応させることが可能となる。
 ところが、上記技術のみでは、次に記すような問題が起こりうる。すなわち、本来的には、平衡室内の圧力変動は、正弦波の如く滑らかに挙動するものであることが望ましい。しかしながら、切換手段は、VSV等により構成され、オンオフ切換されるものであるため、平衡室内の圧力は、VSVの切換に伴い図8に示すような変動挙動を示してしまい、そのため、高調波成分が発生して、不要な波が混じってしまう。従って、平衡室内の圧力変動は、理想とは異なったものとなってしまい、振動体(エンジン)の振動に合わせて主液室内の液圧変動を完全に相殺することが困難となってしまうおそれがあった。その結果、搭乗者は防振装置を設けているにもかかわらず、振動を感じてしまうおそれがあった。
 本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、振動体にて発生する振動が車室内に伝播するのをより確実に抑制することのできる防振装置を提供することにある。
 上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、振動体に取付けられる連結具、車体側に取付けられるホルダ、前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するためのインシュレータ、並びに、前記インシュレータに連続して設けられた防振機構部であって、該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室を含むものであることを備えた防振体と、前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよう、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動数に基づいて切換作動する切換手段と、前記切換手段を制御する制御手段とを備えた防振装置において、
 前記切換手段と前記平衡室との間を連通する連通路の途中に、別途の収容空間を設けたことをその要旨としている。
 また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の防振装置において、前記収容空間は、先端が閉塞されたサイドブランチであることをその要旨としている。
 更に、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の防振装置において、前記切換手段は、バキュームスイッチングバルブであり、前記サイドブランチは前記バキュームスイッチングバルブに設けられていることをその要旨としている。
 併せて、請求項4に記載の発明では、振動体に取付けられる連結具、車体側に取付けられるホルダ、前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するためのインシュレータ、並びに、前記インシュレータに連続して設けられた防振機構部であって、該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室を含むものであることを備えた防振体と、前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよう、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動数に基づいて切換作動する切換手段と、前記切換手段を制御する制御手段とを備えた防振装置において、
 前記切換手段と前記平衡室との間を連通する連通路の途中に、前記平衡室への負圧及び大気圧の導入を緩やかなものとするための抵抗を設けたことをその要旨としている。
 加えて、請求項5に記載の発明では、請求項1から4のいずれかに記載の防振装置において、前記振動体は、車体に搭載されたエンジンであり、かつ、前記負圧源は、前記エンジンの吸気通路の途中に設けられたスロットル弁の下流側にて発生する負圧に基づくものであることをその要旨としている。
 また、請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の防振装置において、前記要求振動数は、前記エンジンのアイドリング振動に同期させるべく求められたものであることをその要旨としている。
 (作用)
 上記請求項1に記載の発明によれば、振動体に取付けられる連結具と、車体側に取付けられるホルダとの間に設けられたインシュレータにより、振動体から伝播される振動の多くが吸収される。また、インシュレータに連続して設けられた防振機構部により、さらに振動が制御、吸収される。すなわち、主液室及び副液室の内部に封入された液体が、振動により、オリフィスを介して流動し、その流動により振動が制御、吸収される。また、これとともに、主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられた平衡室には、負圧源から導入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧が交互に導入される。この導入は、制御手段により制御される切換手段が、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動数に基づいて切換動作することにより行われる。この交互の導入により、負圧及び大気圧が要求振動数に相当する振動数をもって交互に導入され、これに応じて平衡室の圧力、ひいては容積が変化する。そして、かかる容積変化によって、振動体の振動によって生じ、上記インシュレータを介して入力される主液室内の液圧変動が積極的に制御され、吸収される。
 ここで、切換手段は、スイッチングにより切換えられるものであるため、その切換に伴い、高調波成分が発生してしまうおそれがある。これに対し、本発明では、切換手段と平衡室との間を連通する連通路の途中に、別途の収容空間が設けられている。このため、収容空間の存在により、負圧及び大気圧導入時に脈動が生じ、該脈動の共鳴効果によって、圧力波形が整形され、結果として不要な高調波成分が除去されることとなる。また、収容空間の存在により、平衡室内の圧力の上昇速度及び下降速度が緩やかなものとなる。従って、平衡室内の圧力変動は、正弦波の如くより滑らかに挙動することとなり、ひいては振動体の振動に合わせて主液室内の液圧変動を制御することが可能となる。
 また、請求項2に記載の発明によれば、収容空間は、先端が閉塞されたサイドブランチである。このため、上記請求項1に記載の発明が確実に奏されることとなる。
 さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記切換手段は、バキュームスイッチングバルブであり、前記サイドブランチは前記バキュームスイッチングバルブに設けられている。このため、バキュームスイッチングバルブと平衡室との間の距離が比較的短いものとなる。従って、平衡室内に対し、負圧及び大気圧がより確実に導入されやすいものとなる。そのため、防振機構部の作用がより確実なものとなる。
 また、バキュームスイッチングバルブに対しサイドブランチが直接設けられるため、連通路の途中に別途サイドブランチを取付けるためのジョイントが不要となる。そのため、部品点数の低減が図られ、組付作業の簡素化が図られる。
 併せて、請求項4に記載の発明によれば、基本的には請求項1に記載の発明と同等の作用が奏される。すなわち、切換手段と平衡室との間を連通する連通路の途中に抵抗が設けられている。この抵抗の存在により、平衡室内の圧力の上昇速度及び下降速度が緩やかなものとなる。従って、平衡室内の圧力変動は、正弦波の如くより滑らかに挙動することとなり、ひいては振動体の振動に合わせて主液室内の液圧変動を制御することが可能となる。
 さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4に記載の発明の作用に加えて、前記振動体は、車体に搭載されたエンジンであるため、該エンジンにて発生する振動を有効に制御、吸収することが可能となる。また、負圧源は、前記エンジンの吸気通路の途中に設けられたスロットル弁の下流側にて発生する負圧に基づくものである。このため、通常のエンジンの吸気システムを利用することができ、別途の負圧源を設ける必要がなくなる。
 加えて、請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、前記要求振動数は、前記エンジンのアイドリング振動に同期させるべく求められる。このため、特に、エンジンのアイドリング振動を有効に制御、吸収することが可能となる。
 以上詳述したように、本発明の防振装置によれば、振動体にて発生する振動が車室内に伝播するのをより確実に抑制することができるという優れた効果を奏する。
 (第1の実施の形態)
 以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
 図2は、本実施の形態のエンジンシステムを示す概略図である。振動体としてのエンジン1は、防振体としての複数のエンジンマウント2,3を介して車体に搭載されている。リア側に設けられたエンジンマウント2は、従来より一般的に用いられている液体封入式のものであって、ここでの詳しい説明は省略する。また、フロント側に設けられたエンジンマウント3は、液体封入式のものであって、かつ、負圧及び大気圧が交互に導入されうる構成を有しており、これについては後に詳述することとする。
 同図に示すように、エンジン1は、複数の燃焼室4(本実施の形態では例えばV型6気筒)を有しているとともに、各燃焼室4には、エアクリーナ5及び吸気通路6を介して吸入空気が導入されるようになっている。また、吸気通路6の途中には、スロットル弁7が設けられており、該スロットル弁7の開閉により、吸気通路6内を流れる吸入空気の流量が調整されるようになっている。さらに、吸気通路6のうち、燃焼室4の直前のポートには、図示しない燃料噴射弁が設けられ、該噴射弁から噴射される燃料と前記吸入空気とによって可燃混合気が形成され、該混合気が燃焼室4内に導入されるようになっている。かかるエンジン1の構成自体については周知の技術であるため、ここでのこれ以上の説明は省略する。
 次に、上記エンジンマウント3の構成について説明する。図1に示すように、エンジンマウント3は、エンジン1に対し取付けられる連結具としての連結金具11と、車体側に取付けられるホルダ12と、連結金具11及びホルダ12間に設けられ、エンジン1から伝播される振動を主として吸収するためのインシュレータ13と、該インシュレータ13に連続して設けられた防振機構部14とを備えている。上記インシュレータ13は、防振ゴム材からなるものであり、上記連結金具11に対し加硫接着等により一体的に結合されている。また、前記防振機構部14は、インシュレータ13の一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室15と、主液室15にオリフィス16を介して前記液体が流動するように連結される副液室17と、主液室15の一部に第1のダイヤフラム18を介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室19と、副液室17の周り(下側)に第2のダイヤフラム20を介して設けられ、常時空気の導入される空気室21とを備えている。また、前記主液室15と副液室17との間は、仕切板22によって仕切られている。
 さらに、上記平衡室19には、連通路23が設けられており、この連通路23の一端は、切換手段を構成するバキュームスイッチングバルブ(VSV)31に連通されている。このVSV31は、例えばソレノイド32によってオン・オフ切換される3方弁であって、第1、第2及び第3のポート33,34,35を有している。第1のポート33は上記のとおり、連通路23を介して平衡室19に連通されている。また、図1,2に示すように、第2のポート34は、大気圧管路36を介して、上記スロットル弁7よりも上流の吸気通路6に連通されている。さらに、第3のポート35は、負圧管路37を介してスロットル弁7よりも下流の吸気通路6(サージタンク)に連通されている。なお、負圧管路37の途中には、負圧源としてのバキュームタンク38が設けられており、該バキュームタンク38により、スロットル弁7下流にて発生した負圧が常時貯留されるようになっている。
 さらに、VSV31は、制御手段としての中央処理制御装置(CPU)41によって制御される。このCPU41は、例えば予め設定された周期毎にVSV31をオン・オフする旨の信号を出力する。そして、CPU41によりオン信号が出力された場合には、第1のポート33と第2のポート34とが連通状態となり、平衡室19には、スロットル弁7上流の吸入空気(大気圧)が導入されるようになっている。逆に、CPU41によりオフ信号が出力された場合には、第1のポート33と第3のポート35とが連通状態となり、平衡室19には、スロットル弁7下流で発生し、バキュームタンク38にて蓄えられた吸入空気(負圧)が導入されるようになっている。本実施の形態では、上記エンジンマウント3、VSV31及びCPU41により、防振装置が構成されている。
 次に、本実施の形態の特徴部分について説明する。本実施の形態では、前記VSV31の第1のポート33と平衡室19とを連通する連通路23の途中に、3方継手50が設けられており、該継手50の1つのポートには、収容空間を構成するサイドブランチ51が設けられている。このサイドブランチ51は、連通路23から分岐するようにして管状(管径は2mm以上が望ましい)に形成されており、その先端部は閉塞されている。また、本実施の形態では、サイドブランチ51の長さLは、次式を満たすように設定されている。
  0.85c/4f’≦L≦1.15c/4f’
 尚、cは音速[340m/秒]であり、f’は要求振動数(例えばアイドリング振動数)における高調波成分に相当する振動数[Hz]を示す。
 続いて、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
 ・上記実施の形態では、まず、インシュレータ13により、エンジン1から伝播される振動の多くが吸収される。また、インシュレータ13に連続して設けられた防振機構部14により、さらに振動が制御、吸収される。すなわち、主液室15及び副液室17の内部に封入された液体が、振動により、オリフィス16を介して流動し、その流動により振動が制御、吸収される。
 ・また、これとともに、主液室15の一部に第1のダイヤフラム18を介して設けられた平衡室19には、バキュームタンク38及び負圧管路37からの負圧及び大気圧管路36からの大気圧が交互に導入される。そして、この導入は、CPU41により制御されるVSV31が、エンジン1の振動に同期させるべく求められた要求振動数(例えばアイドリング振動数に相当するもの)fに基づいて切換動作されることにより行われる。この切換により、負圧及び大気圧が要求振動数fに相当する振動数をもって交互に導入され、これに応じて平衡室19の圧力、ひいては容積が変化する。そして、かかる容積変化によって、エンジン1の振動によって生じ、上記インシュレータ13を介して入力される主液室15内の液圧変動が積極的に制御され、吸収される。
 ・ここで、VSV31は、スイッチングにより切換えられるものであるため、その切換に伴い、高調波成分が発生してしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態では、連通路23の途中にサイドブランチ51を設けることとした。このため、大気圧管路36及び負圧管路37から導入される大気圧、負圧には、それぞれ脈動が生じうる。そして、図3に示すように、該脈動の共鳴効果によって、圧力波形が整形され、結果として不要な高調波成分が除去されることとなる。また、サイドブランチ51の存在により、平衡室19内の圧力の上昇速度及び下降速度が緩やかなものとなる。従って、平衡室19内の圧力変動は、正弦波の如くより滑らかに挙動することとなり、ひいてはエンジン1の振動に合わせて主液室15内の液圧変動を制御することができる。その結果、搭乗者は、上記防振装置によって、エンジン1にて発生する振動が車室内に伝播するのをより確実に抑制することができる。
 ・また、本実施の形態によれば、サイドブランチ51の長さLを、上記式を満たすように設定することで、発生する脈動を高調波成分が除去されるようなものに設定することができる。そのため、上記作用効果をより確実なものとすることができる。
 ・さらに、本実施の形態では、車体に搭載されたエンジン1が振動体である場合に本発明を適用することとした。このため、エンジン1にて発生する振動を有効に制御、吸収することができる。
 ・併せて、本実施の形態によれば、負圧源として、エンジン1の吸気通路6の途中に設けられたスロットル弁7の下流側にて発生する負圧に基づくものを利用することとした。このため、通常のエンジン1の吸気システムを利用することができ、別途の負圧源を設ける必要がなくなる。その結果、コストの増大を抑制することができる。
 ・加えて、本実施の形態によれば、要求振動数fをエンジン1のアイドリング振動に同期させたものとした。このため、特に、エンジン1のアイドリング振動を有効に制御、吸収することができる。
 (第2の実施の形態)
 以下、本発明を具体化した第2の実施の形態について説明する。但し、本実施の形態の基本的構成等においては、上述した第1の実施の形態と同等であるため、同一の部材等については同一の符号を付してその説明を省略する。そして、以下には、第1の実施の形態との相違点を中心として説明することとする。
 図4に示すように、本実施の形態においては、連通路23の途中に3方継手50が設けられていないという点に特徴を有している。すなわち、VSV31は、そのハウジングにおいて、Aポート42、Bポート43、Cポート44、Dポート45を有している。Aポート42には、連通路23が接続されており、VSV31の本体の第1のポート33からの負圧及び大気圧はAポート42及び連通路23を通って平衡室19に供給されるようになっている。また、Bポート43には、大気圧管路36が接続されている。さらに、Cポート44には、負圧管路37が接続されている。併せて、Dポート45は、Aポート42と同様、VSV31内部において、前記第1のポート33に連通されている。そして、このDポート45には、ゴム製のサイドブランチ51が設けられている。
 本実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態の作用及び効果に加えて、次の作用効果を奏する。
 ・すなわち、VSV31にDポート45を設け、該Dポート45に直接サイドブランチ51を設けることとしたため、サイドブランチ51を設けるための3方継手50を省略することができる。このため、3方継手50を設けなくてもよい分だけ、連通路23の長さ、つまり、第1のポート33と平衡室19との距離を短くすることができる。その結果、平衡室19内に対し、負圧及び大気圧がより確実に導入されやすいものとなる。そのため、防振機構部14の作用をより確実に奏せしめることができる。
 ・また、3方継手50を設けなくてもよいため、部品点数の低減を図ることができ、さらには、組付作業の簡素化を図ることができる。
 (第3の実施の形態)
 以下、本発明を具体化した第3の実施の形態について説明する。但し、本実施の形態の基本的構成等において、上述した第1の実施の形態と同等である部材等については同一の符号を付してその説明を省略する。そして、以下には、第1、第2の実施の形態との相違点を中心として説明することとする。
 図5に示すように、本実施の形態では、上記サイドブランチ51に代えて、連通路23の途中には、通気性を有する抵抗としての発泡体52が設けられている。
 ・本実施の形態においても、基本的には上記第1の実施の形態と同等の作用効果が奏される。すなわち、VSV31と平衡室19との間を連通する連通路23の途中に設けられた発泡体52の存在により、平衡室19内の圧力の上昇速度及び下降速度が緩やかなものとなる。従って、平衡室19内の圧力変動は、正弦波の如くより滑らかに挙動することとなり、ひいてはエンジン1の振動に合わせて主液室15内の液圧変動を制御することできる。その結果、第1の実施の形態と同等の効果が得られる。
 尚、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部を適宜に変更して次のように実施することもできる。
 (1)上記第3の実施の形態では、連通路23の途中に抵抗としての発泡体52を設けることとしたが、連通路23の圧力変動の抵抗となりうるものであれば、他のいかなるものを用いてもよい。例えば、図6に示すように、連通路23にオリフィス53を設け、これを抵抗としてもよい。また、図7に示すように、連通路23に多孔性のノズル54を設けるようにしてもよい。
 (2)また、上記第1の実施の形態では、収容空間を構成するべくサイドブランチ51を設ける構成としたが、これに代えて、箱状のレゾネータの如きものを設ける構成としてもよい。このような構成としても、上記のような共鳴効果により、優れた防振性能を確保することができる。
 (3)さらに、実施の形態では、振動体としてエンジン1の場合に具体化したが、他の振動体の防振装置に適用してもよい。
 (4)上記実施の形態では、負圧源として、エンジン1の吸気通路6の途中に設けられたスロットル弁7の下流側にて発生する負圧を貯留するバキュームタンク38を設けることとしたが、別途負圧をつくり出すもの(例えばバキュームポンプ)を負圧源としてもよい。
 (5)上記実施の形態では、連結具として連結金具11を用いたが、他の素材(例えば高強度樹脂素材)により構成してもよい。
 (6)上記実施の形態では、インシュレータ13として防振ゴム材を用いたが、所定の弾性を有し、振動を吸収する特性を有するものであれば、他の素材(例えば弾性樹脂素材)により構成してもよい。
第1の実施の形態のエンジンマウント等を示す断面図である。 エンジンの防振システムを模式的に示す構成図である。 時間の経過に対するVSV及び平衡室内の圧力の挙動を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態の主要部分を示す拡大断面図である。 第3の実施の形態の主要部分を示す拡大断面図である。 他の実施の形態の主要部分を示す拡大断面図である。 他の実施の形態の主要部分を示す拡大断面図である。 従来技術における時間の経過に対するVSV及び平衡室内の圧力の挙動を示すタイミングチャートである。
符号の説明
 1…振動体としてのエンジン、3…防振体としてのエンジンマウント、6…吸気通路、7…スロットル弁、11…連結具としての連結金具、12…ホルダ、13…インシュレータ、14…防振機構部、15…主液室、16…オリフィス、17…副液室、18…第1のダイヤフラム、19…平衡室、20…第2のダイヤフラム、21…空気室、22…仕切板、23…連通路23、31…切換手段としてのVSV、36…大気圧管路、37…負圧管路、38…負圧源としてのバキュームタンク、41…制御手段としてのCPU、51…サイドブランチ、52…抵抗としての発泡体、53…抵抗としてのオリフィス、54…抵抗としてのノズル。

Claims (6)

  1. 振動体に取付けられる連結具、
     車体側に取付けられるホルダ、
     前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するためのインシュレータ、並びに
     前記インシュレータに連続して設けられた防振機構部であって、該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室を含むものであること
    を備えた防振体と、
     前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよう、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動数に基づいて切換作動する切換手段と、
     前記切換手段を制御する制御手段と
    を備えた防振装置において、
     前記切換手段と前記平衡室との間を連通する連通路の途中に、別途の収容空間を設けたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記収容空間は、先端が閉塞されたサイドブランチであることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記切換手段は、バキュームスイッチングバルブであり、前記サイドブランチは前記バキュームスイッチングバルブに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
  4. 振動体に取付けられる連結具、
     車体側に取付けられるホルダ、
     前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するためのインシュレータ、並びに
     前記インシュレータに連続して設けられた防振機構部であって、該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室を含むものであること
    を備えた防振体と、
     前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよう、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動数に基づいて切換作動する切換手段と、
     前記切換手段を制御する制御手段と
    を備えた防振装置において、
     前記切換手段と前記平衡室との間を連通する連通路の途中に、前記平衡室への負圧及び大気圧の導入を緩やかなものとするための抵抗を設けたことを特徴とする防振装置。
  5. 前記振動体は、車体に搭載されたエンジンであり、かつ、前記負圧源は、前記エンジンの吸気通路の途中に設けられたスロットル弁の下流側にて発生する負圧に基づくものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防振装置。
  6. 前記要求振動数は、前記エンジンのアイドリング振動に同期させるべく求められたものであることを特徴とする請求項5に記載の防振装置。
JP2003296925A 1996-12-26 2003-08-20 防振装置 Expired - Fee Related JP3567936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296925A JP3567936B2 (ja) 1996-12-26 2003-08-20 防振装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34842196 1996-12-26
JP2003296925A JP3567936B2 (ja) 1996-12-26 2003-08-20 防振装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31519597A Division JP3533912B2 (ja) 1996-12-26 1997-11-17 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004036895A true JP2004036895A (ja) 2004-02-05
JP3567936B2 JP3567936B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=31719164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296925A Expired - Fee Related JP3567936B2 (ja) 1996-12-26 2003-08-20 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3567936B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60104310U (ja) * 1983-12-21 1985-07-16 株式会社デンソー ダンパ駆動装置
JPH03125045A (ja) * 1989-10-06 1991-05-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液体減衰式防振装置
JPH0579529A (ja) * 1991-07-23 1993-03-30 Bridgestone Corp 防振装置
JPH06193670A (ja) * 1992-12-25 1994-07-15 Toyoda Gosei Co Ltd 流体封入式防振装置
JPH1038018A (ja) * 1996-05-21 1998-02-13 Toyoda Gosei Co Ltd 液体封入式防振装置
JPH10184773A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Toyoda Gosei Co Ltd 防振装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60104310U (ja) * 1983-12-21 1985-07-16 株式会社デンソー ダンパ駆動装置
JPH03125045A (ja) * 1989-10-06 1991-05-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液体減衰式防振装置
JPH0579529A (ja) * 1991-07-23 1993-03-30 Bridgestone Corp 防振装置
JPH06193670A (ja) * 1992-12-25 1994-07-15 Toyoda Gosei Co Ltd 流体封入式防振装置
JPH1038018A (ja) * 1996-05-21 1998-02-13 Toyoda Gosei Co Ltd 液体封入式防振装置
JPH10184773A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Toyoda Gosei Co Ltd 防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3567936B2 (ja) 2004-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6527260B2 (en) Liquid-sealing type vibration isolating apparatus
JP3533912B2 (ja) 防振装置
JPH04302728A (ja) 液封入防振装置
JP3567936B2 (ja) 防振装置
JP3453266B2 (ja) 防振装置
JP3134799B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP2004003664A (ja) 防振装置
JP2005076797A (ja) 防振装置
JP3570105B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP4437892B2 (ja) 防振装置
JP3564592B2 (ja) 防振装置
JP3513655B2 (ja) 防振支持装置
JP3560038B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3533980B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3564594B2 (ja) 防振装置
JP3554981B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP2002096645A (ja) 液体封入式防振装置
JP3570106B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3586810B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3692919B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP2005024008A (ja) 防振装置
JP2006017164A (ja) 防振装置
JPH1172057A (ja) エンジンの燃料供給装置
JP2001059542A (ja) 液体封入式防振装置
JP2005036854A (ja) 防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees