JPH10184773A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

Info

Publication number
JPH10184773A
JPH10184773A JP34842096A JP34842096A JPH10184773A JP H10184773 A JPH10184773 A JP H10184773A JP 34842096 A JP34842096 A JP 34842096A JP 34842096 A JP34842096 A JP 34842096A JP H10184773 A JPH10184773 A JP H10184773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
chamber
insulator
atmospheric pressure
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34842096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3453266B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Saruwatari
智之 猿渡
Hisayoshi Kato
久佳 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP34842096A priority Critical patent/JP3453266B2/ja
Publication of JPH10184773A publication Critical patent/JPH10184773A/ja
Priority to US09/729,958 priority patent/US6527260B2/en
Priority to US10/126,517 priority patent/US6712344B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3453266B2 publication Critical patent/JP3453266B2/ja
Priority to US10/747,172 priority patent/US20040150146A1/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】振動体にて発生する振動が車室内に伝播するの
をより確実に抑制することのできる防振装置を提供す
る。 【解決手段】エンジンマウント3は、エンジンに対し取
付けられる連結金具11と、車体側に取付けられるホル
ダ12と、連結金具11及びホルダ12間に設けられ、
エンジン1から伝播される振動を主として吸収するため
のインシュレータ13と、該インシュレータ13に連続
して設けられた防振機構部14とを備える。防振機構部
14は、主液室15、オリフィス16、副液室17、平
衡室19、空気室21等を備える。平衡室19には、V
SV31のオン・オフ切換により、負圧及び大気圧が交
互に導入される。大気圧管路36の途中には、該管路3
6よりも大径の拡張室51が設けられており、平衡室1
9と拡張室51との長さL2は、0.85cT/4≦L
2≦1.15cT/4を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振装置に係り、
特に、内部に封入された液体の流動に基づいて防振効果
が得られるようにした防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動体であるところのエンジンは、アイ
ドリング運転の状態から最大回転数までの間、種々の運
転状況下で使用されるものである。従って、防振装置の
うち、特に、自動車用エンジンマウント等にあっては、
広い範囲の振動数に対応できるものでなければならな
い。このため、内部に2つの液室を設け、その間をオリ
フィスをもって連結するようにした、いわゆる液体封入
式のエンジンマウント(防振装置)が提案されている
(特開平4−60231号公報等)。
【0003】ところで、上記公知技術では、低周波数域
における2種類の入力振動に対処するため、2つのオリ
フィスを有するように構成されている。そして、これら
のオリフィスを作動させることによって、2種類の振
動、例えばアイドリング振動と、エンジンシェークとに
対応することができるようになっている。
【0004】しかし、これらの振動は、その振動数が1
0Hz乃至30Hz前後であるのに対し、実際のエンジ
ンは上述のように種々の運転状況下で使用され、エンジ
ンマウントを介して車室内に伝播される振動・騒音の振
動数域も広範囲なものとなっている。特に、最近におい
ては、比較的高振動数域の振動である「こもり音」等の
エンジンノイズに関する振動・騒音が問題とされてい
る。
【0005】このように、比較的高振動数域における振
動の遮断を図るべく、本願出願人は、次のような防振装
置を既に提案している。すなわち、この防振装置は、防
振体(エンジンマウント)と、切換手段[バキュームス
イッチングバルブ(以下、「VSV」という)]と、切
換手段を制御するための制御手段とを備えている。防振
体は、振動体としてのエンジンに取付けられる連結具
と、車体側に取付けられるホルダと、前記連結具及びホ
ルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸収するた
めのインシュレータと、該インシュレータに連続して設
けられた防振機構部とを備えている。さらに、前記防振
機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が
形成され、内部に液体の封入された主液室と、主液室に
オリフィスを介して前記液体が流動するように連結され
る副液室と、主液室の一部にダイヤフラムを介して設け
られ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡
室と、副液室の周りにダイヤフラムを介して設けられ、
常時空気の導入される空気室とを備えている。
【0006】そして、上記防振装置では、制御手段によ
って切換手段が制御されることで、平衡室内には、負圧
及び大気圧が特定の振動数をもって交互に導入されたり
する。例えばエンジンのアイドリング振動に対しては、
上記切換手段のスイッチング動作によって、負圧及び大
気圧がアイドリング振動に相当する振動数をもって交互
に導入され、これに応じて平衡室の圧力、ひいては容積
が変化する。そして、かかる容積変化によって、アイド
リング振動によって生じ、上記インシュレータを介して
入力される主液室内の液圧変動が積極的に制御され、吸
収される。このように、上記技術によれば、制御手段に
て上記切換手段を制御することで、任意の振動数に対応
させることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術の
みでは、次に記すような問題が起こりうる。すなわち、
本来的には、平衡室内の圧力変動は、正弦波の如く滑ら
かに挙動するものであることが望ましい。しかしなが
ら、切換手段は、VSV等により構成され、オンオフ切
換されるものである。このため、図4に示すように、V
SVの切換に伴い、高調波成分が発生してしまい、不要
な波が混じってしまう。従って、平衡室内の圧力変動
は、理想とは異なったものとなってしまい、振動体(エ
ンジン)の振動に合わせて主液室内の液圧変動を完全に
相殺することが困難となってしまうおそれがあった。そ
の結果、搭乗者は防振装置を設けているにもかかわら
ず、振動を感じてしまうおそれがあった。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、振動体にて発生する振
動が車室内に伝播するのをより確実に抑制することので
きる防振装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、振動体に取付け
られる連結具、車体側に取付けられるホルダ、前記連結
具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの振動を吸
収するためのインシュレータ、並びに前記インシュレー
タに連続して設けられた防振機構部であって、該防振機
構部は、前記インシュレータの一部にて自身の壁室が形
成され、内部に液体の封入された主液室、前記主液室に
オリフィスを介して前記液体が流動するように連結され
る副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフラムを介
して設けられ、自身の室内容積が変化するように形成さ
れた平衡室を含むものであることを備えた防振体と、前
記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気圧
吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよう、
前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求振動
数に基づいて切換作動する切換手段と、前記切換手段を
制御する制御手段とを備えた防振装置において、 前記大気圧吸入口から前記平衡室までの管路の長さL1
を、 0.85cT/4≦L1≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
ている時間[秒]) としたことをその要旨としている。
【0010】また、請求項2に記載の発明においては、
振動体に取付けられる連結具、車体側に取付けられるホ
ルダ、前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体
からの振動を吸収するためのインシュレータ、並びに前
記インシュレータに連続して設けられた防振機構部であ
って、該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて
自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主液
室、前記主液室にオリフィスを介して前記液体が流動す
るように連結される副液室、及び、前記主液室の一部に
ダイヤフラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化
するように形成された平衡室を含むものであることを備
えた防振体と、前記平衡室に対し、負圧源から導入され
る負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧を交互に
導入させるよう、前記振動体の振動に同期させるべく求
められた要求振動数に基づいて切換作動する切換手段
と、前記切換手段を制御する制御手段とを備えた防振装
置において、前記大気圧吸入口と前記切換手段との間
に、前記管路よりも大径の拡張室を設けるとともに、前
記拡張室から前記平衡室までの管路の長さL2を、 0.85cT/4≦L2≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
ている時間[秒]) としたことをその要旨としている。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載の防振装置において、前記振動体は、
車体に搭載されたエンジンであり、かつ、前記負圧源
は、前記エンジンの吸気通路の途中に設けられたスロッ
トル弁の下流側にて発生する負圧に基づくものであるこ
とをその要旨としている。
【0012】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項3に記載の防振装置において、前記要求振動数は、前
記エンジンのアイドリング振動に同期させるべく求めら
れたものであることをその要旨としている。
【0013】(作用)上記請求項1に記載の発明によれ
ば、振動体に取付けられる連結具と、車体側に取付けら
れるホルダとの間に設けられたインシュレータにより、
振動体から伝播される振動の多くが吸収される。また、
インシュレータに連続して設けられた防振機構部によ
り、さらに振動が制御、吸収される。すなわち、主液室
及び副液室の内部に封入された液体が、振動により、オ
リフィスを介して流動し、その流動により振動が制御、
吸収される。また、これとともに、主液室の一部にダイ
ヤフラムを介して設けられた平衡室には、負圧源から導
入される負圧及び大気圧吸入口から導入される大気圧が
交互に導入される。この導入は、制御手段により制御さ
れる切換手段が、前記振動体の振動に同期させるべく求
められた要求振動数fに基づいて切換動作することによ
り行われる。この交互の導入により、負圧及び大気圧が
要求振動数に相当する振動数をもって交互に導入され、
これに応じて平衡室の圧力、ひいては容積が変化する。
そして、かかる容積変化によって、振動体の振動によっ
て生じ、上記インシュレータを介して入力される主液室
内の液圧変動が積極的に制御され、吸収される。
【0014】ここで、切換手段は、スイッチングにより
切換えられるものであるため、その切換に伴い、高調波
成分が発生してしまうおそれがある。これに対し、本発
明では、大気圧吸入口から平衡室までの管路の長さL1
を、 0.85cT/4≦L1≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
ている時間[秒]) としている。このため、大気圧吸入口から導入される空
気には、脈動が生じ、一時的に慣性的過給状態となりう
る。そして、平衡室には大気圧よりも大きな圧力が導入
されることとなる。また、これとともに、圧力波形が整
形され、結果として不要な高調波成分が除去されること
となる。従って、平衡室内の圧力変動は、正弦波の如く
より滑らかに挙動することとなり、ひいては振動体の振
動に合わせて主液室内の液圧変動を制御することが可能
となる。
【0015】また、請求項2に記載の発明によれば、基
本的には請求項1に記載の発明と同等の作用が奏され
る。また、特に、本発明は、大気圧吸入口から平衡室ま
での管路の長さL1を上記式の範囲内に設定できない場
合に特に有効なものとなる。すなわち、本発明によれ
ば、大気圧吸入口と切換手段との間に、管路よりも大径
の拡張室が設けられ、拡張室から平衡室までの管路の長
さL2が、 0.85cT/4≦L2≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
ている時間[秒]) とされている。このため、実質上拡張室から平衡室まで
の管路の長さL2を適宜調整するだけで、上記と同等の
作用が得られることとなる。そのため、管路のとりまわ
しの都合上、大気圧吸入口から平衡室までの管路の長さ
L1を上記式の範囲内に設定できない場合には、長さL
2が上記式を満足するような拡張室を設ければよいこと
となる。
【0016】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1及び2に記載の発明の作用に加えて、前記振動
体は、車体に搭載されたエンジンであるため、該エンジ
ンにて発生する振動を有効に制御することが可能とな
る。また、前記負圧源は、前記エンジンの吸気通路の途
中に設けられたスロットル弁の下流側にて発生する負圧
に基づくものである。このため、通常のエンジンの吸気
システムを利用することができ、別途の負圧源を設ける
必要がなくなる。
【0017】加えて、請求項4に記載の発明によれば、
請求項3に記載の発明の作用に加えて、前記要求振動数
は、前記エンジンのアイドリング振動に同期させるべく
求められる。このため、特に、エンジンのアイドリング
振動を有効に制御することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本実施の形
態のエンジンシステムを示す概略図である。振動体とし
てのエンジン1は、防振体としての複数のエンジンマウ
ント2,3を介して車体に搭載されている。リア側に設
けられたエンジンマウント2は、従来より一般的に用い
られている液体封入式のものであって、ここでの詳しい
説明は省略する。また、フロント側に設けられたエンジ
ンマウント3は、液体封入式のものであって、かつ、負
圧及び大気圧が交互に導入されうる構成を有しており、
これについては後に詳述することとする。
【0019】同図に示すように、エンジン1は、複数の
燃焼室4(本実施の形態では例えばV型6気筒)を有し
ているとともに、各燃焼室4には、エアクリーナ5及び
吸気通路6を介して吸入空気が導入されるようになって
いる。また、吸気通路6の途中には、スロットル弁7が
設けられており、該スロットル弁7の開閉により、吸気
通路6内を流れる吸入空気の流量が調整されるようにな
っている。さらに、吸気通路6のうち、燃焼室4の直前
のポートには、図示しない燃料噴射弁が設けられ、該噴
射弁から噴射される燃料と前記吸入空気とによって可燃
混合気が形成され、該混合気が燃焼室4内に導入される
ようになっている。かかるエンジン1の構成自体につい
ては周知の技術であるため、ここでのこれ以上の説明は
省略する。
【0020】次に、上記エンジンマウント3の構成につ
いて説明する。図1に示すように、エンジンマウント3
は、エンジン1に対し取付けられる連結具としての連結
金具11と、車体側に取付けられるホルダ12と、連結
金具11及びホルダ12間に設けられ、エンジン1から
伝播される振動を主として吸収するためのインシュレー
タ13と、該インシュレータ13に連続して設けられた
防振機構部14とを備えている。上記インシュレータ1
3は、防振ゴム材からなるものであり、上記連結金具1
1に対し加硫接着等により一体的に結合されている。ま
た、前記防振機構部14は、インシュレータ13の一部
にて自身の壁室が形成され、内部に液体の封入された主
液室15と、主液室15にオリフィス16を介して前記
液体が流動するように連結される副液室17と、主液室
15の一部に第1のダイヤフラム18を介して設けら
れ、自身の室内容積が変化するように形成された平衡室
19と、副液室17の周り(下側)に第2のダイヤフラ
ム20を介して設けられ、常時空気の導入される空気室
21とを備えている。また、前記主液室15と副液室1
7との間は、仕切板22によって仕切られている。
【0021】さらに、上記平衡室19には、連通路23
が設けられており、この連通路23の一端は、切換手段
を構成するバキュームスイッチングバルブ(VSV)3
1に連通されている。このVSV31は、例えばソレノ
イド32によってオン・オフ切換される3方弁であっ
て、第1、第2及び第3のポート33,34,35を有
している。第1のポート33は上記のとおり、連通路2
3を介して平衡室19に連通されている。また、図1,
2に示すように、第2のポート34は、大気圧管路36
を介して、上記スロットル弁7よりも上流の吸気通路6
に連通されている。さらに、第3のポート35は、負圧
管路37を介してスロットル弁7よりも下流の吸気通路
6(サージタンク)に連通されている。なお、負圧管路
37の途中には、負圧源としてのバキュームタンク38
が設けられており、該バキュームタンク38により、ス
ロットル弁7下流にて発生した負圧が常時貯留されるよ
うになっている。
【0022】さらに、VSV31は、制御手段としての
中央処理制御装置(CPU)41によって制御される。
このCPU41は、例えば予め設定された周期毎にVS
V31をオン・オフする旨の信号を出力する。そして、
CPU41によりオン信号が出力された場合には、第1
のポート33と第2のポート34とが連通状態となり、
平衡室19には、スロットル弁7上流の吸入空気(大気
圧)が導入されるようになっている。逆に、CPU41
によりオフ信号が出力された場合には、第1のポート3
3と第3のポート35とが連通状態となり、平衡室19
には、スロットル弁7下流で発生し、バキュームタンク
38にて蓄えられた吸入空気(負圧)が導入されるよう
になっている。本実施の形態では、上記エンジンマウン
ト3、VSV31及びCPU41により、防振装置が構
成されている。
【0023】次に、本実施の形態の特徴部分について説
明する。本実施の形態では、前記大気圧管路36の途中
には、該管路36よりも大径の箱状の拡張室51が設け
られている。本実施の形態では、拡張室51の位置関係
が重要になってくる。すなわち、大気圧管路36を通っ
て平衡室19内に大気が導入される際に、吸気に脈動が
生じるのであるが、その脈動の振動数は、平衡室19
と、拡張室51との長さL2によって決定されるように
なっている。さらに、本実施の形態では、前記長さL2
は、次式を満たすように設定されている。
【0024】 0.85c/4f≦L2≦1.15c/4f 尚、cは音速[340m/秒]であり、fは要求振動数
(例えばアイドリング振動数に相当するもの)[Hz]
を示す。
【0025】続いて、上記のように構成されてなる本実
施の形態の作用及び効果について説明する。・上記実施
の形態では、まず、インシュレータ13により、エンジ
ン1から伝播される振動の多くが吸収される。また、イ
ンシュレータ13に連続して設けられた防振機構部14
により、さらに振動が制御、吸収される。すなわち、主
液室15及び副液室17の内部に封入された液体が、振
動により、オリフィス16を介して流動し、その流動に
より振動が制御、吸収される。
【0026】・また、これとともに、主液室15の一部
に第1のダイヤフラム18を介して設けられた平衡室1
9には、バキュームタンク38及び負圧管路37からの
負圧及び大気圧管路36からの大気圧が交互に導入され
る。そして、この導入は、CPU41により制御される
VSV31が、エンジン1の振動に同期させるべく求め
られた要求振動数(例えばアイドリング振動数に相当す
るもの)fに基づいて切換動作されることにより行われ
る。この切換により、負圧及び大気圧が要求振動数fに
相当する振動数をもって交互に導入され、これに応じて
平衡室19の圧力、ひいては容積が変化する。そして、
かかる容積変化によって、エンジン1の振動によって生
じ、上記インシュレータ13を介して入力される主液室
15内の液圧変動が積極的に制御され、吸収される。
【0027】・ここで、VSV31は、スイッチングに
より切換えられるものであるため、その切換に伴い、高
調波成分が発生してしまうおそれがある。これに対し、
本実施の形態では、平衡室19と、拡張室51との長さ
L2が、上記式を満たすように設定されている。このた
め、大気圧管路36から導入される空気には、脈動が生
じ、一時的に慣性的過給状態となりうる。そして、図3
に示すように、平衡室19には大気圧よりも大きな圧力
が導入されることとなる。また、これとともに、圧力波
形が整形され、結果として不要な高調波成分が除去され
ることとなる。従って、平衡室19内の圧力変動は、正
弦波の如くより滑らかに挙動することとなり、ひいては
エンジン1の振動に合わせて主液室15内の液圧変動を
制御することができる。その結果、搭乗者は、上記防振
装置によって、エンジン1にて発生する振動が車室内に
伝播するのをより確実に抑制することができる。
【0028】・また、本実施の形態によれば、大気圧管
路36の途中に拡張室38を設けることとした。そし
て、平衡室19と、拡張室51との長さL2を、上記式
を満たすように設定することで、振動が車室内に伝播す
るのを抑制するようにした。このため、実質上拡張室5
1から平衡室19までの管路の長さL2を適宜調整する
だけで、上記と同等の作用が得られることとなる。その
ため、大気圧管路36のとりまわしの都合上、大気圧管
路36自身の長さを任意に設定できない場合であって
も、確実に振動の伝播を抑制することができる。
【0029】・さらに、本実施の形態では、車体に搭載
されたエンジン1が振動体である場合に本発明を適用す
ることとした。このため、エンジン1にて発生する振動
を有効に制御、吸収することができる。
【0030】・併せて、本実施の形態によれば、負圧源
として、エンジン1の吸気通路6の途中に設けられたス
ロットル弁7の下流側にて発生する負圧に基づくものを
利用することとした。このため、通常のエンジン1の吸
気システムを利用することができ、別途の負圧源を設け
る必要がなくなる。その結果、コストの増大を抑制する
ことができる。
【0031】・加えて、本実施の形態によれば、要求振
動数fをエンジン1のアイドリング振動に同期させたも
のとした。このため、特に、エンジン1のアイドリング
振動を有効に制御、吸収することができる。
【0032】尚、実施の形態は上記に限定されるもので
はなく、次のように変更してもよい。 (1)上記実施の形態では、大気圧管路36の途中に拡
張室38を設けることとしたが、該拡張室38を設けな
い構成としてもよい。この場合には、大気圧吸入口から
平衡室19までの管路の長さL1を、 0.85cT/4≦L1≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (TはVSV31により平衡室19に大気が導入されて
いる時間[秒]) 0.85c/4f≦L2≦1.15c/4f とする必要がある。
【0033】(2)上記実施の形態では、振動体として
エンジン1の場合に具体化したが、他の振動体の防振装
置に適用してもよい。 (3)上記実施の形態では、負圧源として、エンジン1
の吸気通路6の途中に設けられたスロットル弁7の下流
側にて発生する負圧を貯留するバキュームタンク38を
設けることとしたが、別途負圧をつくり出すもの(例え
ばバキュームポンプ)を負圧源としてもよい。
【0034】(4)上記実施の形態では、連結具として
連結金具11を用いたが、他の素材(例えば高強度樹脂
素材)により構成してもよい。 (5)上記実施の形態では、インシュレータ13として
防振ゴム材を用いたが、所定の弾性を有し、振動を吸収
する特性を有するものであれば、他の素材(例えば弾性
樹脂素材)により構成してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の防振装置
によれば、振動体にて発生する振動が車室内に伝播する
のをより確実に抑制することができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態のエンジンマウント等を示す断面
図である。
【図2】エンジンの防振システムを模式的に示す構成図
である。
【図3】時間の経過に対するVSV及び平衡室内の圧力
の挙動を示すタイミングチャートである。
【図4】従来技術における時間の経過に対するVSV及
び平衡室内の圧力の挙動を示すタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1…振動体としてのエンジン、3…防振体としてのエン
ジンマウント、6…吸気通路、7…スロットル弁、11
…連結具としての連結金具、12…ホルダ、13…イン
シュレータ、14…防振機構部、15…主液室、16…
オリフィス、17…副液室、18…第1のダイヤフラ
ム、19…平衡室、20…第2のダイヤフラム、21…
空気室、22…仕切板、23…連通路23、31…切換
手段としてのVSV、36…大気圧管路、37…負圧管
路、38…負圧源としてのバキュームタンク、41…制
御手段としてのCPU、51…拡張室。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に取付けられる連結具、 車体側に取付けられるホルダ、 前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの
    振動を吸収するためのインシュレータ、並びに前記イン
    シュレータに連続して設けられた防振機構部であって、
    該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の
    壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記
    主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように
    連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフ
    ラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するよう
    に形成された平衡室を含むものであることを備えた防振
    体と、 前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気
    圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよ
    う、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求
    振動数に基づいて切換作動する切換手段と、 前記切換手段を制御する制御手段とを備えた防振装置に
    おいて、 前記大気圧吸入口から前記平衡室までの管路の長さL1
    を、 0.85cT/4≦L1≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
    ている時間[秒]) としたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動体に取付けられる連結具、 車体側に取付けられるホルダ、 前記連結具及びホルダ間に設けられ、前記振動体からの
    振動を吸収するためのインシュレータ、並びに前記イン
    シュレータに連続して設けられた防振機構部であって、
    該防振機構部は、前記インシュレータの一部にて自身の
    壁室が形成され、内部に液体の封入された主液室、前記
    主液室にオリフィスを介して前記液体が流動するように
    連結される副液室、及び、前記主液室の一部にダイヤフ
    ラムを介して設けられ、自身の室内容積が変化するよう
    に形成された平衡室を含むものであることを備えた防振
    体と、 前記平衡室に対し、負圧源から導入される負圧及び大気
    圧吸入口から導入される大気圧を交互に導入させるよ
    う、前記振動体の振動に同期させるべく求められた要求
    振動数に基づいて切換作動する切換手段と、 前記切換手段を制御する制御手段とを備えた防振装置に
    おいて、 前記大気圧吸入口と前記切換手段との間に、前記管路よ
    りも大径の拡張室を設けるとともに、前記拡張室から前
    記平衡室までの管路の長さL2を、 0.85cT/4≦L2≦1.15cT/4 (cは音速[340m/秒]) (Tは前記切換手段により前記平衡室に大気が導入され
    ている時間[秒]) としたことを特徴とする防振装置。
  3. 【請求項3】 前記振動体は、車体に搭載されたエンジ
    ンであり、かつ、前記負圧源は、前記エンジンの吸気通
    路の途中に設けられたスロットル弁の下流側にて発生す
    る負圧に基づくものであることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記要求振動数は、前記エンジンのアイ
    ドリング振動に同期させるべく求められたものであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
JP34842096A 1996-05-21 1996-12-26 防振装置 Expired - Fee Related JP3453266B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34842096A JP3453266B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 防振装置
US09/729,958 US6527260B2 (en) 1996-05-21 2000-12-06 Liquid-sealing type vibration isolating apparatus
US10/126,517 US6712344B2 (en) 1996-05-21 2002-04-22 Liquid-sealing type variation isolating apparatus
US10/747,172 US20040150146A1 (en) 1996-05-21 2003-12-31 Liquid-sealing type variation isolating apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34842096A JP3453266B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 防振装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003153486A Division JP2004003664A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10184773A true JPH10184773A (ja) 1998-07-14
JP3453266B2 JP3453266B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=18396896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34842096A Expired - Fee Related JP3453266B2 (ja) 1996-05-21 1996-12-26 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453266B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10238587A (ja) * 1996-12-26 1998-09-08 Toyoda Gosei Co Ltd 防振装置
JPH1182608A (ja) * 1997-09-16 1999-03-26 Toyoda Gosei Co Ltd 液体封入式防振装置
JP2004036895A (ja) * 1996-12-26 2004-02-05 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振装置
JP2004044797A (ja) * 2003-06-16 2004-02-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液体封入式防振装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10238587A (ja) * 1996-12-26 1998-09-08 Toyoda Gosei Co Ltd 防振装置
JP2004036895A (ja) * 1996-12-26 2004-02-05 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振装置
JPH1182608A (ja) * 1997-09-16 1999-03-26 Toyoda Gosei Co Ltd 液体封入式防振装置
JP2004044797A (ja) * 2003-06-16 2004-02-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液体封入式防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3453266B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6527260B2 (en) Liquid-sealing type vibration isolating apparatus
JPH0412161A (ja) エンジンの吸気装置
JP3533912B2 (ja) 防振装置
JPH04302728A (ja) 液封入防振装置
JPH10184773A (ja) 防振装置
JP3738717B2 (ja) 空気圧式能動型防振体およびそれを用いた防振装置
JP3567936B2 (ja) 防振装置
JP2004003664A (ja) 防振装置
JP3134799B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP4437892B2 (ja) 防振装置
JP3570105B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3513655B2 (ja) 防振支持装置
JPH11153181A (ja) 液体封入式防振装置
JP3564592B2 (ja) 防振装置
JP2002019475A (ja) 車載エンジンの懸架装置
JP3560038B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP3564594B2 (ja) 防振装置
JP3700610B2 (ja) 空気圧制御式防振装置
JP2002096645A (ja) 液体封入式防振装置
JP2005024008A (ja) 防振装置
JPH1172057A (ja) エンジンの燃料供給装置
JP4540864B2 (ja) 液封防振装置
JP2006017164A (ja) 防振装置
JP2002089615A (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP2002089617A (ja) 液体封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030708

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees