JP2002089617A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JP2002089617A JP2000282898A JP2000282898A JP2002089617A JP 2002089617 A JP2002089617 A JP 2002089617A JP 2000282898 A JP2000282898 A JP 2000282898A JP 2000282898 A JP2000282898 A JP 2000282898A JP 2002089617 A JP2002089617 A JP 2002089617A
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憲弘 山田
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啓司 三吉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つのオリフィスにてエンジンアイドリング
振動及びエンジンシェークの制振作用を行なわせる。 【解決手段】 振動体からの振動を吸収及び遮断するゴ
ム状のインシュレータ8、インシュレータ8の一部にて
その室壁が形成されるものであって液体の封入される主
室6、主室6に第一オリフィス5を介して連結されると
ともに第一ダイヤフラム41にて室壁の一部が区画形成
される副室7、主室6と副室7との間を仕切る仕切部材
3、負圧または大気圧が適宜導入されるものであって主
室6に対して第二ダイヤフラム2を介して区画形成され
る作動室1からなる液体封入式防振装置において、第二
ダイヤフラム2の方が第一ダイヤフラム41よりも、そ
の撓み変形剛性において高い値を有するようにする。第
一オリフィス5を、第一オリフィス5内に存在する液体
がエンジンアイドリング運転時における入力振動と共振
作用をするようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定周波数域の振
動遮断を図るように形成された液体封入式防振装置に関
するものであり、特に、例えばエンジンアイドリング振
動とエンジンシェークと等、二つの周波数域の振動遮断
を目的としたダイヤフラム及びオリフィスが、上記主室
と副室との間を仕切る仕切部材のところに設けられるよ
うにした液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度まで
の間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い
範囲の周波数に対応できるものでなければならない。そ
のため、内部に二つの液室を設け、その間をオリフィス
をもって連結するとともに、上記液室内の液圧変動に対
して自由振動をするように形成されたダイヤフラム及び
作動室等からなる防振機構部を有する切換式の液体封入
式防振装置が案出され、例えば実開平4−77041号
等により、既に公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは、例えばエンジンアイドリング振動の入力に対し
ては、上記作動室に大気圧を導入するとともに、当該作
動室を大気開放状態にして、当該作動室を区画形成する
第二ダイヤフラムを自由振動状態に維持するようにして
いるものである。これによって、上記エンジンアイドリ
ング振動の入力に対して、上記主室内の液圧変動を上記
第二ダイヤフラムの自由振動によって吸収し、上記エン
ジンアイドリング振動の吸収及び遮断を図るようにして
いるものである。また、エンジンアイドリング振動より
も低周波数域の振動であるエンジンシェークに対して
は、上記作動室に負圧を導入して上記第二ダイヤフラム
を吸引し、当該第二ダイヤフラムを作動させないように
しているものである。これによって、エンジンシェーク
に関する上記主室内の液圧変動に対しては、上記主室内
の液体をオリフィス内へ積極的に流動させるようにし、
高減衰特性を得るようにしているものである。このよう
に、上記従来のものにおいては、オリフィスを、エンジ
ンシェーク制振のための減衰力発揮機構としてのみ機能
させるようにしているものである。また、上記第二ダイ
ヤフラムを、副室と空気室との間を仕切る第一ダイヤフ
ラムとは別個独立に設けるようにしている等、組立作業
性あるいは部品管理を含めて、全体の製造コストが高く
ならざるを得ないと言う問題点を有する。このような問
題点を解決するために、上記オリフィスをエンジンアイ
ドリング振動の制振作用にも寄与させるようにするとと
もに、上記第一ダイヤフラム及び第二ダイヤフラムを一
体化して全体の製造コストの低減化を図ることのできる
ようにした液体封入式防振装置を提供しようとするの
が、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、振動体
に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバに取
付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と
第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を
吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該イン
シュレータの一部にてその室壁が形成されるものであっ
て液体の封入される主室と、当該主室に第一オリフィス
を介して連結されるとともに第一ダイヤフラムにて室壁
の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間
を仕切る仕切部材と、負圧または大気圧が適宜導入され
る作動室と上記主室との間を区画形成する第二ダイヤフ
ラムと、からなる液体封入式防振装置に関して、上記作
動室を区画形成する第二ダイヤフラムの方が、上記副室
を区画形成する第一ダイヤフラムよりも、その撓み変形
剛性において高い値を有するようにした構成を採ること
とした。
【0005】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、一つのオリフィスにてエンジンシェ
ークに対する減衰機能を発揮させるようにするととも
に、エンジンアイドリング振動に対してはオリフィス内
の液体を共振作用させ、これによって当該振動数域にお
ける動バネ定数の低減化を図ることができるようにな
る。その結果、一つのオリフィスにて、例えばエンジン
シェークの制振とエンジンアイドリング振動の吸収及び
遮断等、二つの振動の制振作用を行なわせることができ
るようになる。
【0006】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載の
ものと同じである。すなわち、本発明においては、請求
項1記載の液体封入式防振装置に関して、上記第二ダイ
ヤフラムと主室との間に第三液室を設けるとともに、当
該第三液室と上記主室との間に液体の流動する第二オリ
フィスを設けるようにした構成を採ることとした。この
ような構成を採ることにより、本発明のものにおいて
は、第二オリフィスを、主にエンジンアイドリング振動
の遮断を目的として調整するとともに、第一オリフィス
をエンジンシェークの吸収及び遮断を目的に調整するこ
とができるようになり、エンジンシェーク及びエンジン
アイドリングの両振動を効率的に吸収及び遮断すること
ができるようになる。
【0007】次に、請求項3記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は上記請求項2記載の
ものと同じである。すなわち、本発明においては、請求
項2記載の液体封入式防振装置に関して、上記第一オリ
フィス内に存在する液体と第二オリフィス内に存在する
液体とが、特定周波数の振動に対して連成し合うように
した構成を採ることとした。
【0008】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、本液体封入式防振装置における動バ
ネ定数が全周波数域において全体的に低減化されるとと
もに、エンジンアイドリング振動数域における2箇所の
特定周波数域において動バネ定数の低減域(ボトム)を
得ることができるようになる。その結果、通常のアイド
リング振動の外に、補器類の作動によるアイドリングア
ップ時における振動数域においても動バネ定数の低減化
を図ることができるようになる。すなわち、通常のアイ
ドリング振動とアイドリングアップ時の振動との二つの
場合の振動遮断に対応することができるようになる。
【0009】次に、請求項4記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は上記請求項1ないし
請求項3記載のものと同じである。すなわち、本発明に
おいては、請求項1ないし請求項3記載の液体封入式防
振装置に関して、上記第一ダイヤフラムと第二ダイヤフ
ラムとを一体的に形成させるようにした構成を採ること
とした。このような構成を採ることにより、本発明のも
のにおいては、上記二つのダイヤフラムについての製造
コストの低減化を図ることができるようになり、延いて
は本液体封入式防振装置全体の製造コストの低減化を図
ることができるようになる。すなわち、例えば、上記二
つのダイヤフラムを適当な一体成形手段にてまとめて成
形加工することができるようになり、部品管理も含めて
全体的な製造コストの低減化を図ることができるように
なる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図5を基に説明する。そのうちの第一の実施の
形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、振
動体側に取り付けられる第一の連結部材91と、車体側
のメンバ等に取り付けられる第二の連結部材95と、こ
れら第一の連結部材91と第二の連結部材95との間に
あって上記振動体からの振動を遮断するゴム状のインシ
ュレータ8と、当該インシュレータ8に対して直列に設
けられ、かつ、非圧縮性流体である液体の封入される主
室6及び副室7と、これら主室6と副室7との間におい
て液体を流動させる第一オリフィス5と、上記主室6と
副室7との間を仕切る仕切部材3のところに設けられる
ものであって主室6に連通する連通路31と、上記副室
7の室壁の一部を形成するものであって空気室4との間
を仕切る第一ダイヤフラム41と、上記仕切部材3に形
成された連通路31のところに設けられるものであって
上記主室6内の液体の液圧変動に応じて振動するととも
に次に述べる作動室との間を仕切る第二ダイヤフラム2
と、当該第二ダイヤフラム2にてその室壁の一部が形成
されるものであって負圧または大気圧が適宜導入される
作動室1と、当該作動室1内へ大気圧または一定状態の
負圧を導入するように適宜切換作動をする切換手段11
と、からなることを基本とするものである。
【0011】このような構成からなるものにおいて、上
記第一オリフィス5の、その諸元(ディメンション)
は、上記第二ダイヤフラム2が負圧吸引状態にある場合
であって、このような状態において、上記主室6内の液
体へエンジンアイドリング振動が伝播されて来たとき
に、本第一オリフィス5内に存在する液体が共振作用を
するように設定されているものである。すなわち、上記
第一オリフィス5は、主室6の室壁の一部を形成するイ
ンシュレータ8にて主に決定される所定の拡張動バネ定
数下において、一般にエンジンアイドリング時の振動数
(周波数)である15Hz〜18Hzの特定周波数にて
本第一オリフィス5内の液体が共振するように、その径
あるいは長さが設定されるようになっているものであ
る。また、これに対して、上記作動室1が大気開放状態
にある場合における上記第二ダイヤフラム2の撓み変形
剛性は、上記第一ダイヤフラム41よりも高い値を有す
るものであって、エンジンシェークの入力時に、上記主
室6内の液体が第一オリフィス5を経由して副室7側へ
流動して行くのに十分なだけの剛性値を有するようにな
っているものである。このように、本第二ダイヤフラム
2の撓み変形剛性値は、エンジンシェーク入力時におけ
る第一オリフィス5内への液体の流動を考慮して、上記
主室6の室壁の一部を形成するインシュレータ8の変形
剛性値との兼合いで適宜設定されるものである。
【0012】従って、上記作動室1が大気開放状態にあ
るときには、上記第二ダイヤフラム2は第一ダイヤフラ
ム41より撓み変形がしにくい状態におかれ、その結
果、主室6内の液体への振動入力(主にエンジンシェー
ク)に対しては、主室6内の液圧上昇が生じ易くなり主
室6内の液体は第一オリフィス5を通じて副室7側へと
流動することとなる。そして更に、このような構成から
なる本第一ダイヤフラム41及び第二ダイヤフラム2
は、図1に示す如く、中央部に円盤状の第二ダイヤフラ
ム2を有するとともに、この周りに円環状(リング状)
に第一ダイヤフラム41が設けられるようになっている
ものである。そして、これらが所定の一体成形手段にて
一体的に形成されるようになっているものである。従っ
て、第一ダイヤフラム41及び第二ダイヤフラム2を含
めたダイヤフラムアセンブリについての部品点数が削減
化され、部品管理費及び組立工数を含めた全体の製造コ
ストの低減化が図られることとなる。
【0013】このような構成からなる第二ダイヤフラム
2にて区画形成される作動室1へ、大気圧または負圧を
適宜導入するように切換作動をする切換手段11は、三
方弁を主体に形成されるものであって、この三方弁の切
換作動を行なうソレノイド機構等が更に付け加えられる
ようになっているものである。そして、このような三方
弁からなる切換手段11の切換作動はマイクロコンピュ
ータ等からなる所定の制御手段12にて制御されるよう
になっているものである。
【0014】次に、このような構成からなる本実施の形
態のものについての作動態様等について説明する。ま
ず、エンジンアイドリング振動の制振作用について説明
する。この場合、制御手段12からの指令(信号)によ
り上記切換手段11を作動させ、上記作動室1を負圧吸
引状態に保持する。その結果、第二ダイヤフラム2は作
動室1の底壁111のところに吸着した状態となる。こ
のような状態において、上記主室6内の液体のところに
インシュレータ8を介して振動が入力されると、上記主
室6内の液体のところに生ずる液圧変動は、その逃げ場
が働かないところから、一般的には動バネ定数が上昇す
ることとなる。しかしながら、本実施の形態のものにお
いては、上記第一オリフィス5の諸元(ディメンショ
ン)が、本第一オリフィス5内の液体の共振周波数と上
記エンジンアイドリング振動の入力振動数とが一致する
ように設定されていることより、この特定周波数の振動
(エンジンアイドリング振動)の入力に対して上記第一
オリフィス5内の液体が共振作用をすることとなる。そ
の結果、この特定周波数の振動入力に対して、本液体封
入式防振装置全体の動バネ定数は、図4に示す如く、低
減化されることとなる。すなわち、図4において、15
Hzないし18Hzの特定周波数域(エンジンアイドリ
ング振動)において動バネ定数のボトム値を得ることが
できるようになる。その結果、エンジンアイドリング振
動を効果的に遮断あるいは吸収することができるように
なる。
【0015】一方、上記エンジンアイドリング振動より
も低周波数の振動であるエンジンシェークの制振に関し
ては、図1において、切換手段11を大気圧導入側に切
換える。そして、作動室1を大気開放状態にし、当該作
動室1と主室6との間を区画する第二ダイヤフラム2及
び副室7と空気室4との間を区画する第一ダイヤフラム
41を、共に自由振動状態にする。このような状態にお
いて、主室6内にエンジンシェークに関する振動が入力
して来ると、当該主室6内の液体に生ずる液圧変動に対
して、第一ダイヤフラム41及び第二ダイヤフラム2が
共に自由振動状態にあることより、両者41、2は、撓
み変形をすることとなる。ところで、この場合、本実施
の形態のものにおいては、第二ダイヤフラム2の方が第
一ダイヤフラム41よりも、その撓み変形に対する剛性
値が高く設定されていることより、主室6内の液体は優
先的に第一オリフィス5側へと流動して行くこととな
る。すなわち、エンジンシェークに関する振動入力に対
して、主室6内の液体は第一オリフィス5側へと流動
し、これによって高減衰力が得られることとなる(図4
の細破線図示)。その結果、エンジンシェークの制振が
成されることとなる。このように、本実施の形態のもの
においては、一つのオリフィス(第一オリフィス)5に
て、エンジンシェーク制振のための減衰力発生機能を発
揮させるとともに、エンジンアイドリング振動に対して
は、オリフィス内液体の共振作用により動バネ定数の低
減化機能を発揮させるようにしているものである。すな
わち、一つのオリフィスを用いるとともに、ダイヤフラ
ムの撓み変形剛性に差をもたせることによって、例えば
エンジンシェークとエンジンアイドリング振動等、二つ
の振動の制振作用を行なわせるようにしているものであ
る。
【0016】次に、第二の実施形態について、図2及び
図5を基に説明する。このものも、その基本的な点は上
記第一の実施形態のものと同じである。異なる点は、第
二ダイヤフラム2と主室6との間に、第二オリフィス3
2並びに当該第二オリフィス32につながる第三液室3
3を設けるようにしたことである。すなわち、作動室1
を区画形成する第二ダイヤフラム2に接して所定の容積
を有する第三液室33を設けるとともに、当該第三液室
33と主室6との間を、所定の径及び長さを有する第二
オリフィス32にて連結するようにした構成を採ること
とした。そして、このような構成からなる上記第一オリ
フィス5及び第二オリフィス32において、それぞれの
オリフィス内に存在する液体が特定周波数の振動入力に
対して連成し合うように、それぞれの諸元(ディメンシ
ョン)を設定することとしている。具体的には、図5に
おいて、作動室1が大気開放状態にあって第二ダイヤフ
ラム2が自由振動状態にある場合に、エンジンアイドリ
ングアップ時の振動数である約25Hz付近において、
第二オリフィス32内の液体の振動と第一オリフィス5
内の液体の振動とが互いに連成し合うように、上記第二
オリフィス32の諸元(径または長さ等の各ディメンシ
ョン)を設定することとする。これによって、上記約2
5Hz付近においても本液体封入式防振装置全体の動バ
ネ定数におけるボトム値(低減域)を得ることができる
ようになる(図5の細実線図示)。
【0017】このような構成からなる本実施の形態のも
のについての、その作動態様について説明する。まず、
エンジンアイドリング振動の吸収及び遮断について説明
する。このうち、通常のものである15Hzないし18
Hzの周波数のものの吸収及び遮断に当っては、図2に
おいて、制御手段12からの指令(信号)に基づき切換
手段11を作動させて、作動室1を負圧状態にする。そ
して、第二ダイヤフラム2を作動室1の底壁111に吸
着させた状態に保持する。このような状態において、1
5Hzないし18Hzの周波数からなるエンジンアイド
リング振動の入力に対しては、上記第一の実施形態のと
ころで述べたと同様、第一オリフィス5内の液体の共振
作用により、動バネ定数の低減化域(ボトム値)が得ら
れることとなる(図5の太実線図示)。これに対して、
エンジン補器類の作動により、エンジンアイドリング振
動数が上昇したとき、すなわち、エンジンアイドリング
アップ時においては、図2における切換手段11を制御
手段12からの指令(信号)に基づいて作動させて、上
記作動室1を大気開放状態にし、上記第二ダイヤフラム
2を自由振動状態に保持する。このような状態におい
て、上記主室6内の液体へ特定周波数の振動が入力して
来ると、第二ダイヤフラム2は、第二オリフィス32を
介した液体の振動作用によって自由振動をする。そし
て、このとき、第二オリフィス32内の液体の共振作用
により、特定周波数域において動バネ定数の低減化が成
されることとなる。また、このとき、第一オリフィス5
内の液体も第一ダイヤフラム41の自由振動により多少
振動作用を呈する。そして、このとき、この第一オリフ
ィス5内の液体の振動作用と上記第二オリフィス32内
の液体の共振作用とが連成し合うようになり、上記主室
6内の液体の液圧変動は、より大きく吸収されることと
なる。その結果、本液体封入式防振装置全体の動バネ定
数は低減化されることとなる。すなわち、図5における
細実線図示の如く、25Hz付近において動バネ定数の
低減域(ボトム値)が得られることとなる。これによっ
て、エンジンアイドリングアップ時における振動の吸収
及び遮断が行なわれることとなる。
【0018】なお、エンジンシェークの制振に関して
は、上記第一の実施形態のところで述べたものと同じで
ある。すなわち、作動室1を大気開放状態にすることに
よって、第二ダイヤフラム2を自由振動状態にする。ま
た、このとき、上記第一ダイヤフラム41も自由振動状
態におかれる。そして、このような状態において、第二
ダイヤフラム2の撓み変形剛性は第一ダイヤフラム41
の撓み変形剛性よりも、その値が高く設定されているの
で、主室6内の液体は、第一オリフィス5側へと優先的
に流動して行くこととなる。その結果、この第一オリフ
ィス5への液体の流動によって所定の減衰力(ピーク
値)が得られることとなる(図5の細破線図示)。この
減衰力によってエンジンシェークの制振作用が行なわれ
ることとなる。
【0019】次に、本発明の第三の実施形態について、
図3を基に説明する。このものも、その基本的な点は上
記第二の実施形態のものと同じである。異なるところ
は、ダイヤフラムの配置に関する点である。すなわち、
各ダイヤフラムは、図3に示す如く、空気室4と副室7
との間を仕切る第一ダイヤフラム41が中央部に円盤状
に設けられるとともに、この円盤状第一ダイヤフラム4
1の周りにリング状に第二ダイヤフラム2が設けられる
ようになっているものである。そして、これら両ダイヤ
フラム41、2は、所定の一体成形手段にて一体的に形
成されるようになっているものである。また、このよう
各ダイヤフラム41、2は、上記第一の実施形態のもの
及び第二の実施形態のものと同様、第二ダイヤフラム2
の方が、第一ダイヤフラム41よりも、その撓み変形剛
性において高い値を有するように成っているものであ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、振動体に取付けられる
第一の連結部材と車体側のメンバに取付けられる第二の
連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材と
の間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断する
ゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部
にてその室壁が形成されるものであって液体の封入され
る主室と、当該主室に第一オリフィスを介して連結され
るとともに第一ダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成
される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材
と、負圧または大気圧が適宜導入される作動室と上記主
室との間を区画形成する第二ダイヤフラムと、からなる
液体封入式防振装置に関して、上記作動室を区画形成す
る第二ダイヤフラムの方が、上記副室を区画形成する第
一ダイヤフラムよりも、その撓み変形剛性において高い
値を有するようにしたので、一つのオリフィスにて、例
えばエンジンシェークの制振とエンジンアイドリング振
動の吸収及び遮断等、二種類の振動の制振作用を行なわ
せることができるようになった。
【0021】また、第二ダイヤフラムと主室との間に第
三液室を設けるようにするとともに、当該第三液室と上
記主室との間に液体の流動する第二オリフィスを設け、
上記第一オリフィス内に存在する液体と第二オリフィス
内に存在する液体とが、特定周波数の振動入力に対して
連成し合うようにした構成を採ることとしたものにおい
ては、エンジンアイドリング振動数域における2箇所の
特定周波数域において動バネ定数の低減域(ボトム値)
を得ることができるようになり、通常のアイドリング振
動の外に、補器類の作動によるアイドリングアップ時に
おける振動数域においても動バネ定数の低減化を図るこ
とができるようになった。その結果、通常のアイドリン
グ振動とアイドリングアップ時の振動との二つの場合の
振動遮断に対応することができるようになり、エンジン
アイドリング振動及びエンジンシェークの両振動を効率
的に吸収及び遮断することができるようになった。
【0022】また、本発明においては、第一ダイヤフラ
ムと第二ダイヤフラムとを一体的に形成させるようにし
た構成を採ることとしたので、上記二つのダイヤフラム
についての製造コストの低減化を図ることができるよう
になった。すなわち、例えば、上記二つのダイヤフラム
を適当な一体成形手段にてまとめて成形加工することが
できるようになり、部品管理をも含めて、本液体封入式
防振装置全体の製造コストの低減化を図ることができる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に関するものの、その
全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に関するものの、その
全体構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第三の実施形態に関するものの、その
全体構成を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に関するものの、その
機能特性を示す図(グラフ)である。
【図5】本発明の第二の実施形態に関するものの、その
機能特性を示す図(グラフ)である。
【符号の説明】
1 作動室 11 切換手段 111 底壁 12 制御手段 2 第二ダイヤフラム 3 仕切板 31 連通路 32 第二オリフィス 33 第三液室 4 空気室 41 第一ダイヤフラム 5 第一オリフィス 6 主室 7 副室 8 インシュレータ 91 第一の連結部材 95 第二の連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三吉 啓司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 下田 禎己 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA05 CA43 3J047 AA03 CA06 CB10 CD12 DA02 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に取付けられる第一の連結部材
    と、車体側のメンバに取付けられる第二の連結部材と、
    これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって
    上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のイン
    シュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁
    が形成されるものであって液体の封入される主室と、当
    該主室に第一オリフィスを介して連結されるとともに第
    一ダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室
    と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、負圧ま
    たは大気圧が適宜導入される作動室と上記主室との間を
    区画形成する第二ダイヤフラムと、からなる液体封入式
    防振装置において、上記作動室を区画形成する第二ダイ
    ヤフラムの方が、上記副室を区画形成する第一ダイヤフ
    ラムよりも、その撓み変形剛性において高い値を有する
    ようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体封入式防振装置にお
    いて、上記第二ダイヤフラムと主室との間に第三液室を
    設けるとともに、当該第三液室と上記主室との間に液体
    の流動する第二オリフィスを設けるようにしたことを特
    徴とする液体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液体封入式防振装置にお
    いて、上記第一オリフィス内に存在する液体と第二オリ
    フィス内に存在する液体とが、特定周波数の振動に対し
    て連成し合うようした構成からなることを特徴とする液
    体封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の液体封入
    式防振装置において、上記第一ダイヤフラムと第二ダイ
    ヤフラムとを一体的に形成させるようにしたことを特徴
    とする液体封入式防振装置。
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