JP3570106B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に封入された流体(液体)の流動作用に基づいて防振効果の得られるようにした液体封入式の防振装置に関するものであり、特に、液室内の液体を特定の周波数にて加振する、その加振機構部を簡単な構造からなるようにするとともに、当該加振機構部を、インシュレータの下方部であって液体の封入される主室の上方部側に設けるようにした液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防振装置のうち、特に、自動車用のエンジンマウント等にあっては、動力源であるところのエンジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度までの間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範囲の周波数に対応できるものでなければならない。また、最近においては、比較的高周波数の振動である100Hzないし600Hz程度の振動に関連するこもり音の遮断を目的とした、エンジンマウントのチューニングが行なわれるようになっている。このような複数の条件に対応させるために、内部に液室を設けるとともに、当該液室内に特定の周波数にて容積変化をする流体袋を有するタイプの液体封入式防振装置が案出されており、例えば、特公平6−29634号公報等により、すでに公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この公知のものは、液室内に流体袋を設けるようにするとともに、当該流体袋を所定の周波数にて容積変化させ、これによって生ずる脈動圧によって、振動入力側の液室の液体をオリフィスを介して他方の液室側へと流動させるようにしているものである。具体的には、アイドリング振動を主とした低周波数域では、上記振動入力側の液室の液圧を上昇させて、高減衰特性が得られるようにしているものである。また、一方、高周波数域においては、上記振動入力側の液室内の液圧上昇を回避するようにして、低動バネ定数が得られるようにしているものである。しかしながら、最近の自動車用エンジンマウントに関しては、低周波数域の振動として、動バネ定数を低減化することによって、その共振現象を避けるようにすることを狙いとするアイドリング振動、及び減衰特性を高めることによって、その振動を抑え込むようにすることを狙いとするエンジンシェークに関する振動等が対象となっている。
【0004】
このような相反する条件に対応させた防振装置を得るためには、振動入力側の液室内の液体を、単に同相あるいは逆相にて加振するだけでは不十分である。このような問題点を解決するために、アイドリング振動を主とした低周波数域の振動、及びこもり音の原因となる高周波数域の振動の、いずれの振動に対しても、低動バネ定数化(低動バネ特性)を得ることができるようにするとともに、エンジンシェークを対象とした低周波数域の振動に対しては高減衰特性を得ることのできるようにした、液体封入式防振装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される液室を備えてなる防振機構部と、からなる液体封入式の防振装置に関して、上記防振機構部は、インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって、液体の封入される主室の上方部に、中央部に剛体からなる円錐形状のディスク部を有するダイヤフラムを介して形成される平衡室と、当該平衡室の下方部であって剛体からなる仕切板の上方部に形成される主室と、当該主室とオリフィスを介して上記液体が流動するように連結される副室と、を備えてなり、このような構成からなる上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを、連続的に、あるいはエンジン振動に同期させ交互に導入させるように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設けるようにした構成を採ることとした。この場合、請求項4記載のように、前記防振機構部は、前記副室の下方部にダイヤフラムを介して設けられるものであって、常時、空気の導入される空気室を備えてもよい。
【0006】
上記構成を採ることにより、本発明においては次のような作用を呈することとなる。すなわち、振動体側からの振動は、上記連結部材を介して、防振ゴム材等からなるインシュレータへと伝播される。これによって、当該インシュレータは振動あるいは変形をして、上記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断する。従って、大半の振動は、このインシュレータの部分で遮断されることとなるが、一部のものは、当該インシュレータのところでは遮断されず、次の防振機構部のところで遮断されることとなる。以下に、この防振機構部における具体的な作用について説明する。まず、アイドリング振動に対しては、上記切換手段を作動させることによって、上記インシュレータの下方部であって上記主室の上方部のところに設けられた平衡室内へ、負圧または大気圧を特定の周波数をもって交互に導入させるようにする。すなわち、上記切換手段を特定の周波数にて作動させることによって、上記平衡室内の圧力(容積)を変化させ、これによって、上記インシュレータを介して入力されるアイドリング振動によって生ずる上記主室内の液圧変動を吸収するようにする。その結果、上記インシュレータ及び本防振機構部にて形成されるバネ系の動バネ定数が低下することとなる。これによって、アイドリング振動の吸収及び遮断が行なわれることとなる。
【0007】
また、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記主室と副室との間を連結するオリフィス内を、上記液体が流動するようにし、これによって、エンジンシェークの吸収及び遮断を行なうこととする。すなわち、このエンジンシェークに関する振動は、約10Hz前後の周波数を有するものであるので、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本発明においては、上記防振機構部を形成する上記平衡室に一定の負圧を連続的に導入するようにし、平衡室を形成するダイヤフラムを上方に引上げ、当該平衡室の容積をゼロに近い状態にする。これによって、平衡室を形成するダイヤフラムの中央部に設けられた剛体状のディスク部はインシュレータの下面部に接した状態(吸着した状態)となる。従って、振動体からの振動がインシュレータのところに伝播されて来ると、当該振動に応じて上記ディスク部は振動をし、上記主室内の液体を積極的に副室側へと流動させるように作動する。その結果、上記主室内の液体は、オリフィスを通って副室側へと流動することとなる。この液体の流動に伴う粘性抵抗によって、所定の減衰力が生ずることとなり、この減衰力によって、上記エンジンシェークが抑え込まれる(減衰される)こととなる。
【0008】
一方、車両の走行中に問題とされるこもり音の原因となる100Hzないし600Hz程度の高周波数の振動に対しては、上記切換手段を作動させて、上記平衡室を大気開放の状態にする。これによって、上記平衡室には大気圧が導入されるようになるとともに、大気圧導入ポート側に絞り弁が設けられているので、上記インシュレータからの振動入力に対して、上記平衡室は空気バネを形成することとなる。その結果、上記インシュレータ側からの振動入力に対して上記空気バネを介した状態で上記主室内の液体は、その圧力変動を受けることとなる。これらによって、本防振装置全体が形成するバネ系の動バネ定数は低く抑えられることとなる。従って、高周波数域の振動に対する、その遮断効果が高められることとなる。このように、本発明のものにおいては、切換バルブ等からなる切換手段、当該切換手段の作動によって、その室内容積の変化する平衡室等の作用によって、複数種類の振動が吸収及び遮断されることとなる。
【0009】
次に、請求項2記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載のものと同じである。その特徴とするところは、請求項1記載のものに加えて、上記ダイヤフラムを上記インシュレータの下方部に、常に結合させるようにしたことである。すなわち、本発明のものにおいては、請求項1記載の液体封入式防振装置に関して、上記平衡室の一部を形成するダイヤフラムの、その中央部に設けられた剛体状のディスク部を、上記インシュレータの取り付けられる上部連結部材の一部を成すボス金具のところに、直接結合させるようにした構成を採ることとした。
【0010】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記請求項1記載のものに加えて、更に、次のような作用を呈することとなる。すなわち、平衡室に負圧が導入されて、当該平衡室の、その容積がゼロに近い状態となって作動をするときに、従来のものにおいては、ゴム膜状のダイヤフラムとゴム状弾性体からなるインシュレータとが接触して、両者はこすれ合うこととなる。そして、このこすれ合い現象により、上記ゴム膜状の弾性体からなるダイヤフラムの部分が損傷するおそれがある。これに対して、本発明のものは、ダイヤフラムの中央部には金属製プレート等からなる剛体状のディスク部が設けられるようになっているとともに、この部分が上部連結部材の一部を成すボス金具に結合されるようになっているので、平衡室が負圧の状態となり、このような状態において、本防振機構部が作動をしたとしても、ダイヤフラムのゴム膜の部分が、インシュレータとこすれ合ったりするようなことが少なくなり、ゴム膜状のダイヤフラムの耐久強度が高められることとなる。
【0011】
また、本発明のものにおいては、ダイヤフラムの中央部が剛体からなるディスク部にて形成されているところから、エンジンシェークに関する低周波数の振動入力に対して、上記ディスク部のところが、上記上部連結部材のボス金具と一体となって振動をし、上記主室内の液圧を効果的に上昇させることとなる。すなわち、上記ディスク部はピストンの役目を果たすこととなる。その結果、上記主室内の液体が、効率良く、上記オリフィスを通じて副室側へと送り出されることとなる。これによって高減衰特性が得られることとなり、エンジンシェークの抑え込み(減衰)効果が高められることとなる。
【0012】
次に、請求項3記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は、上記請求項1及び請求項2記載のものと同じである。その特徴とするところは、平衡室を形成するダイヤフラムとインシュレータの下面部との接触部を、常に一定の箇所となるようにしたことである。すなわち、本発明のものにおいては、請求項1記載の液体封入式防振装置に関して、上記上部連結部材に取り付けられるインシュレータの、その下方部のところに、ゴム玉状のストッパ部を設け、一方、上記平衡室の一部を形成するダイヤフラムの中央部に設けられる剛体状のディスク部のところであって上記ストッパ部と対向するところに、凹陥状のストッパ受け部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0013】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、本防振装置への振動入力時、インシュレータと上記ダイヤフラムとの接触部は、常に、上記インシュレータの下面部に設けられたストッパ部とダイヤフラムの中央部に設けられた剛体状ディスク部のストッパ受け部との間に限定されることとなる。すなわち、上記ダイヤフラムの薄膜状のゴム膜のところは、ゴム状弾性体からなるインシュレータのところと接触しないようになる。その結果、ゴム膜状ダイヤフラムの部分がこすれ合ったりすることが無くなり、本ダイヤフラムの耐久強度が高められることとなる。また、本ダイヤフラムが作動(振動)をする場合には、本ダイヤフラムの中央部に設けられた円錐形状のディスク部が上下振動をすることとなり、当該ディスク部が液室(主室)内に設けられたピストンの役目を果たすこととなる。その結果、エンジンシェークに関する振動に対して、主室内の液圧を効果的に上昇させることができるようになり、減衰特性の向上を図ることができるようになる。これによって、エンジンシェークの抑え込み(減衰)効果が高められることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1及び図2を基に説明する。本発明の実施の形態にかかるものの、その構成は、図1に示す如く、振動体に取り付けられる上部連結部材6と、車体側のメンバ等に取り付けられる下部連結部材9と、これら上部連結部材6と下部連結部材9との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータ2と、当該インシュレータ2に対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される主室12及び副室16にて形成される液室等からなる防振機構部1と、当該防振機構部1の一部を形成するものであって上記インシュレータ2と上記主室12との間に形成される平衡室13に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを、連続的に、あるいはエンジン振動に同期させた状態で交互に導入させるように切換作動をする切換手段3と、当該切換手段3の切換作動を制御する制御手段5と、からなることを基本とするものである。
【0015】
このような基本構成において、上記インシュレータ2は防振ゴム材等のゴム状弾性体からなるものであり、上記上部連結部材6に、その一方の端面が加硫接着手段等により一体的に結合されるようになっているものである。そして、このようなインシュレータ2に対して直列に設けられる防振機構部1は、上記インシュレータ2の下方部に設けられるものであって、上記切換手段3の切換作動に基づいて負圧または大気圧の導入される平衡室13と、当該平衡室13の下方部に、第一ダイヤフラム11を介して設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される主室12と、当該主室12と仕切板14を介して設けられるものであって上記主室12と同様、液体の封入される副室16と、これら主室12と副室16との間を連結するオリフィス15と、当該副室16の下方部に、第二ダイヤフラム17を介して設けられるものであって、常に空気の導入される空気室18と、からなることを基本とするものである。
【0016】
このような基本構成において、上記平衡室13と主室12との間を仕切る第一ダイヤフラム11は、その周囲がゴム膜状の部材からなるゴム膜部(ダイヤフラム周縁部)112と、これらダイヤフラム周縁部112の中央部に設けられるものであって円錐形状のディスク部111と、からなるものである。そして、当該ディスク部111は、金属製プレート等の剛体にて形成されるようになっているものである。このような構成からなる第一ダイヤフラム11のディスク部111の、その中心部は、多くの場合は、図1に示す如く、上記インシュレータ2の取り付けられる上部連結部材6の一部を成すボス金具66の下端部に、直接結合されるようになっているものである。なお、このようなディスク部111の、その中心部の構造としては、この外に、図2に示すようなタイプのものも考えられる。このものは、普段は、インシュレータ2と第一ダイヤフラム11とは離れた状態となっていることを基本とするものである。そして、上記上部連結部材6に連結されるインシュレータ2の、その下方部のところには、ゴム玉状のストッパ部22が形成されるようになっているとともに、第一ダイヤフラム11の中央部に設けられる剛体状のディスク部111の、その中心部のところには、上記ストッパ部22と対応させた凹陥状のストッパ受け部119が設けられるようになっているものである。そして、上記インシュレータ2及び第一ダイヤフラム11が作動したときに、上記インシュレータ2側のストッパ部22と第一ダイヤフラム11側の上記ストッパ受け部119とが必ず接触し、両者は係合するようになっているものである。従って、本実施の形態のものにあっては、これらディスク部111の周縁部に形成されるゴム膜状のダイヤフラム周縁部(ゴム膜部)112のところは、上記インシュレータ2のゴム部とは、こすれ合ったりすることがないようになっている。
【0017】
このようなインシュレータ2と第一ダイヤフラム11との間に形成される平衡室13に負圧または大気圧を適宜切換えた状態で導入するように作動する切換手段3は、三方弁等からなる切換バルブ31と、当該切換バルブ31を駆動するソレノイド32と、からなるものである。そして、このような構成からなる上記切換バルブ31の大気圧導入ポート側には、大気圧の導入速度を負圧の導入速度とバランスさせるための調整用の絞り弁35が設けられるようになっている。
【0018】
次に、このような構成からなる切換手段3の切換作動を制御する制御手段5は、マイクロプロセッサユニット(MPU)等の演算手段を基礎に形成されるマイクロコンピュータ等からなるものであり、エンジン等の振動体からの振動を検出して、当該振動に応じて、上記切換手段3の切換作動を制御するようになっているものである。
【0019】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作動態様等について説明する。すなわち、振動体側からの振動は、図1に示す如く、上部連結部材6を介して、ゴム材等からなるインシュレータ2へと伝播される。これによって、当該インシュレータ2は振動あるいは変形をして、上記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断する。従って、大半の振動は、このインシュレータ2の部分で遮断されることとなるが、一部のものは、当該インシュレータ2のところでは遮断されず、次の防振機構部1のところで遮断されることとなる。次に、この防振機構部1における具体的な作用について説明する。まず、アイドリング振動に対しては、上記切換手段3を作動させることによって、上記インシュレータ2の下方部であって上記主室12の上方部のところに設けられた平衡室13内へ、負圧または大気圧を特定の周波数をもって交互に導入させるようにする。すなわち、上記切換手段3を特定の周波数にて作動させることによって、上記平衡室13内の圧力(容積)を変化させ、これによって、上記インシュレータ2を介して入力されるアイドリング振動によって生ずる上記主室12内の液圧変動を吸収するようにする。その結果、上記インシュレータ2及び本防振機構部1にて形成されるバネ系の動バネ定数が低下することとなる。これによって、アイドリング振動の吸収及び遮断が行なわれることとなる。
【0020】
また、上記アイドリング振動よりも更に低周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、上記主室12と副室16との間を連結するオリフィス15内を、上記液体が流動するようにし、これによって、エンジンシェークの吸収及び遮断を行なわせるようにする。すなわち、このエンジンシェークに関する振動は、約10Hz前後の周波数を有するものであるので、これに対して、動バネ定数を低くすることによって振動遮断を図ることは困難である。そこで、本実施の形態のものにおいては、上記防振機構部1を形成する上記平衡室13に一定の負圧を連続的に導入させ、当該平衡室13を形成する第一ダイヤフラム11を上方に引き上げ、当該平衡室13の容積をゼロに近い状態にする。このような状態において、本実施の形態のものにおいては、図1に示す如く、第一ダイヤフラム11の中央部には金属製プレート等からなる剛体状のディスク部111が設けられるようになっているとともに、この部分が上部連結部材6の一部を成すボス金具66に結合されるようになっているので、エンジンシェークに関する低周波数の振動入力に対して、上記ディスク部111のところが、上記上部連結部材6のボス金具66と一体となって振動をし、上記主室12内の液体の液圧を効果的に上昇させることとなる。すなわち、上記ディスク部111はピストンの役目を果たすこととなる。その結果、上記主室12内の液体が、効率良く、上記オリフィス15を介して副室16側へと送り出されることとなる。これによって、高減衰特性が得られることとなり、エンジンシェークの抑え込み(減衰)が成されることとなる。
【0021】
一方、車両の走行中に問題とされるこもり音の原因となる100Hzないし600Hz程度の高周波数の振動に対しては、上記切換手段3を作動させて、上記平衡室13を大気開放の状態にする。これによって、上記平衡室13には大気圧が導入されるようになるとともに、上記切換バルブ31の大気圧導入ポート側に絞り弁35が設けられているので、上記インシュレータ2からの振動入力に対して、上記平衡室13は空気バネを形成することとなる。その結果、上記インシュレータ2側からの振動入力に対して上記空気バネを介した状態で上記主室12内の液体は、その圧力変動を受けることとなる。これらによって、本防振装置全体が形成するバネ系の動バネ定数は低く抑えられることとなる。従って、高周波数域の振動に対する、その遮断効果が高められることとなる。このように、本実施の形態のものにおいては、切換バルブ31等からなる切換手段3、当該切換手段3の作動によって、その室内容積の変化する平衡室13等の作用によって、複数種類の振動が吸収及び遮断されることとなる。
【0022】
また、本実施の形態のものにおいては、上記第一ダイヤフラム11を上記インシュレータ2の下方部に、常に一定の状態で係合させるようにしたので、一般のダイヤフラムを形成するゴム膜部とインシュレータのゴム部との間のこすれ合い現象が避けられるようになり、ダイヤフラムにおけるゴム膜部の耐久強度が高められることとなる。すなわち、例えば図1に示すものにおいては、平衡室13の下方部に設けられる第一ダイヤフラム11の、その中央部のところには剛体状のディスク部111が設けられるようになっており、このディスク部111の、その中心部のところは、上部連結部材6の一部を成すボス金具66の先端部に結合されるようになっているものである。従って、上記上部連結部材6を介しての振動入力に対して、上記第一ダイヤフラム11の中央部に設けられたディスク部111と上記上部連結部材6及びインシュレータ2の下面部は一体となって振動をし、インシュレータ2の下面部と第一ダイヤフラム11のゴム膜部112とが、こすれ合ったりすることが無くなる。また、図2に示すものにおいては、上部連結部材6に取り付けられるインシュレータ2の、その下方部のところに、ゴム玉状のストッパ部22が設けられ、一方、上記平衡室13の一部を形成する第一ダイヤフラム11の中央部に設けられる剛体状のディスク部111のところであって上記ストッパ部22と対向するところには、凹陥状のストッパ受け部119が設けられるようになっているので、振動入力時、インシュレータ2と上記第一ダイヤフラム11との接触部は、常に、上記インシュレータ2の下面部に設けられたストッパ部22と第一ダイヤフラム11の中央部に設けられた剛体状ディスク部111のストッパ受け部119との間に限定されることとなる。すなわち、上記第一ダイヤフラム11の薄膜状のゴム膜部112のところは、ゴム状弾性体からなるインシュレータ2の下面部と接触しないようになる。その結果、ゴム膜状ダイヤフラムの部分(ゴム膜部)112がインシュレータ2の下面部とこすれ合ったりすることが無くなり、本第一ダイヤフラム11の耐久強度が高められることとなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側のメンバ等に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される液室等にて形成される防振機構部と、からなる液体封入式の防振装置に関して、上記防振機構部を、インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって、液体の封入される主室の上方部に、中央部に剛体からなる円錐形状のディスク部を有するダイヤフラムを介して形成される平衡室と、当該平衡室の下方部であって剛体からなる仕切板の上方部に形成される主室と、当該主室とオリフィスを介して上記液体が流動するように連結される副室と、からなるようにするとともに、このような構成からなる上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを、連続的に、あるいはエンジン振動に同期させた状態で交互に導入させるように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記制御手段の制御作用による上記切換手段の作動に基づき、上記平衡室内の容積変化を起こさせるようにし、これによって、各種振動入力に対して、上記主室内の液圧変動を制御し、最終的に、本液体封入式防振装置の動バネ定数の低減化、更には低周波数域における高減衰特性を形成させることができるようになった。その結果、アイドリング振動を初めとした各種振動の遮断を図ることができるようになった。
【0024】
また、上記平衡室の一部を形成するダイヤフラムを、その中央部に剛体状のものであって円錐形の形態からなるディスク部を設けるようにし、このディスク部と上記インシュレータの下面部あるいは当該インシュレータの取り付けられる上部連結部材とを、常に係合させるようにしたので、ダイヤフラム作動時、当該ディスク部が主に作動するようになり、主室内の液体の振動(加振)を効率良く行なうことができるようになった。また、当該ダイヤフラムの、その周縁部に設けられるゴム膜部(ダイヤフラム周縁部)のところが、インシュレータの下面部と接触し、お互いにこすれ合ったりすることが無くなったので、ダイヤフラムのゴム膜部の耐久強度が高められることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態にかかるものの、その全体構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 防振機構部
11 ダイヤフラム(第一ダイヤフラム)
111 ディスク部
112 ゴム膜部(ダイヤフラム周縁部)
119 ストッパ受け部
12 主室
13 平衡室
14 仕切板
15 オリフィス
16 副室
17 ダイヤフラム(第二ダイヤフラム)
18 空気室
2 インシュレータ
22 ストッパ部
3 切換手段
31 切換バルブ
32 ソレノイド
35 絞り弁
5 制御手段
6 上部連結部材
66 ボス金具
9 下部連結部材

Claims (4)

  1. 振動体に取り付けられる上部連結部材と、車体側に取り付けられる下部連結部材と、これら上部連結部材と下部連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュレータに対して直列に設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入される液室を備えてなる防振機構部と、からなる液体封入式の防振装置において、
    上記防振機構部は、インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって、液体の封入される主室の上方部に、中央部に剛体からなるディスク部を有するダイヤフラムを介して形成される平衡室と、当該平衡室の下方部であって剛体からなる仕切板の上方部に形成される主室と、当該主室とオリフィスを介して液体が流動するように連結される副室と、を備えてなり、
    このような構成からなる上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを、連続的に、あるいはエンジン振動に同期させ交互に導入させるように切換作動をする切換手段を設け、更に、当該切換手段の切換作動を制御する制御手段を設けるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 請求項1記載の液体封入式防振装置において、上記平衡室の一部を形成するダイヤフラムの中央部に設けられる剛体状のディスク部を、上記インシュレータの連結される上部連結部材の一部を成すボス金具のところに結合させるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  3. 請求項1記載の液体封入式防振装置において、上記上部連結部材に取り付けられるインシュレータの、その下方部のところに、ゴム玉状のストッパ部を設け、一方、上記平衡室の一部を形成するダイヤフラムの中央部に設けられる剛体状のディスク部のところであって上記ストッパ部と対向するところに、凹陥状のストッパ受け部を設けるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  4. 請求項1記載の液体封入式防振装置において、前記防振機構部は、前記副室の下方部にダイヤフラムを介して設けられるものであって、常時、空気の導入される空気室を備えることを特徴とする液封入式防振装置。
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