JP3513648B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JP3513648B2
JP3513648B2 JP23546099A JP23546099A JP3513648B2 JP 3513648 B2 JP3513648 B2 JP 3513648B2 JP 23546099 A JP23546099 A JP 23546099A JP 23546099 A JP23546099 A JP 23546099A JP 3513648 B2 JP3513648 B2 JP 3513648B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に封入された
流体(液体)の流動に基づいて防振効果の得られるよう
にした液体封入式防振装置に関するものであり、特に、
液体の流動に伴なって発揮される防振特性を、エンジン
吸入負圧にて駆動される加振装置をもって複数段に切換
えることができるようにするとともに、エンジンアイド
リング回転数域においてエンジン爆発振動の1次振動数
以外の次数振動数に同期させた状態で上記切換手段を作
動させるようにした液体封入式防振装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度まで
の間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い
範囲の周波数に対応できるものでなければならない。こ
のような複数の条件に対応させるために、内部に液室を
設け、更には、当該液室内の液体を特定の周波数にて加
振する加振装置を設けるようにしたものがある。そし
て、この加振装置としてエンジン吸入負圧にて駆動され
る簡単な機構からなるものが挙げられる。このような吸
入負圧駆動型の加振装置を作動させることによって、エ
ンジンアイドリング振動を初めとした各種振動の遮断を
図るようにしたものが、本出願人によって既に出願さ
れ、公知となっている(特開平10−184775号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものにおいては、エンジンアイドリング回転数が比較的
低回転数域にある場合、このエンジンアイドリング振動
に同期させた状態で上記加振装置を作動させても、実際
の車室内騒音あるいは振動等は思うようには低減化され
ないという問題点がある。この場合、エンジン爆発振動
数の2次成分あるいは3次成分等に共振した振動・騒音
が車室内に発生するものと考えられるからである(図4
参照)。この2次振動あるいは3次振動等の高次の振動
に起因した振動・騒音の低減化を図ることのできるよう
にした液体封入式防振装置を提供しようとするのが、本
発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、加振型
の液体封入式防振装置に関して、振動体に取り付けられ
る第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取り付けられ
る第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連
結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び
遮断するインシュレータと、当該インシュレータの一部
にてその室壁が形成されるものであって液体の封入され
る主室と、当該主室に第一のオリフィス(以下第一オリ
フィスと言う)を介して連結されるとともに、第一のダ
イヤフラム(以下第一ダイヤフラムと言う)にて、その
室壁の一部が形成される副室と、上記主室に第二のオリ
フィス(以下第二オリフィスと言う)を介して連結され
るとともに、上記主室内の液体が導入されるように形成
された第三の液室(以下第三液室と言う)と、当該第三
液室に対して第二のダイヤフラム(以下第二ダイヤフラ
ムと言う)を介して区画形成されるものであって、大気
圧及び負圧のうち、いずれか一方のものが導入されるよ
うに形成された平衡室と、からなるとともに、このよう
な構成からなる上記平衡室に、負圧または大気圧のう
ち、いずれか一方のものを、連続的に、あるいは特定の
周波数にて交互に導入させるように切換作動をする切換
手段を設け、当該切換手段の切換作動を制御するもので
あって、エンジンアイドリング回転数域を所定の変換点
を基準にして低回転数域と高回転数域とに区分し、更に
このような区分域において上記低回転数域においてはエ
ンジン爆発振動の1次以外の次数からなる振動数に同期
させた状態で上記第二ダイヤフラムを振動させるように
制御をする制御手段を設けるようにした構成を採ること
とした。このような構成を採ることにより、本発明のも
のにおいては、エンジン爆発振動の2次振動数以上の高
次の振動数域において、本液体封入式防振装置全体の動
バネ定数が低減化されることとなる。その結果、2次振
動数以上の高次の振動に起因する車室内の振動・騒音等
が低減化されることとなる。従って、全体的な振動・騒
音レベルの低減化を図ることができるようになる。
【0005】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載
のものと同じである。その特徴とする点は、エンジンア
イドリング回転数域を、比較的低回転数域と、アイドル
アップ時等比較的高回転数域との2つに分けて、上記切
換手段の制御を行なわせるようにしたことである。すな
わち、本発明のものにおいては、液体封入式防振装置に
関して、振動体に取り付けられる第一の連結部材と、車
体側のメンバ等に取り付けられる第二の連結部材と、こ
れら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上
記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュレータ
と、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成され
るものであって液体の封入される主室と、当該主室に第
一のオリフィス(以下第一オリフィスと言う)を介して
連結されるとともに、第一のダイヤフラム(以下第一ダ
イヤフラムと言う)にて、その室壁の一部が形成される
副室と、上記主室に第二のオリフィス(以下第二オリフ
ィスと言う)を介して連結されるとともに、上記主室内
の液体が導入されるように形成された第三の液室(以下
第三液室と言う)と、当該第三液室に対して第二のダイ
ヤフラム(以下第二ダイヤフラムと言う)を介して区画
形成されるものであって、大気圧及び負圧のうち、いず
れか一方のものが導入されるように形成された平衡室
と、からなるとともに、このような構成からなる上記平
衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のもの
を、連続的に、あるいは特定の周波数にて交互に導入さ
せるように切換作動をする切換手段を設け、当該切換手
段の切換作動を制御するものであって、エンジンアイド
リング回転数域を所定の変換点を基準にして低回転数域
と高回転数域とに区分し、更にこのような区分域におい
て上記高回転数域においてはエンジン爆発振動の1次振
動数に同期させた状態で上記第二ダイヤフラムを振動さ
せるように、また、低回転数域においてはエンジン爆発
振動の1次以外の次数からなる振動数に同期させた状態
で上記第二ダイヤフラムを振動させるように、マップ制
御にて制御作用をする制御手段を設けるようにした構成
を採ることとした。このような構成を採ることにより、
本発明のものにおいては、エンジンアイドリング回転数
が比較的低回転数域にある場合には、2次成分に起因す
る振動・騒音を低減化することができるとともに、アイ
ドルアップ等によりエンジンアイドリング回転数が高く
なる領域においては1次成分に起因する振動・騒音の低
減化を図ることができるようになる。その結果、アイド
リング回転数域全般にわたって、振動・騒音の低減化を
図ることができるようになる(図3参照)。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図3を基に説明する。本発明にかかる実施の形
態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、振動
体に取り付けられるものであって第一の連結部材を形成
する上部連結部材6と、車体側のメンバ等に取り付けら
れるものであって第二の連結部材を形成する下部連結部
材9と、これら上部連結部材6と下部連結部材9との間
にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するイン
シュレータ2と、当該インシュレータ2に対して直列に
設けられるものであって非圧縮性流体である液体の封入
される主室12及び副室16、更には、これら主室12
と副室16との間を連結するものであって液体の流動す
る第一オリフィス15(図1の破線図示)等からなる防
振機構部1と、当該防振機構部1の一部を形成するもの
であって、第三液室123との間に第二ダイヤフラム1
1を介して区画形成される平衡室13に、負圧または大
気圧のうち、いずれか一方のものを連続的に、あるいは
特定の周波数にて交互に導入させるように切換作動をす
る切換手段3と、当該切換手段3の切換作動を制御する
制御手段5と、からなることを基本とするものである。
【0007】このような基本構成からなるものにおい
て、上記インシュレータ2は、防振ゴム材等のゴム状弾
性体からなるものであり、上記上部連結部材6に、その
一方の端面が加硫接着手段等により一体的に結合される
ようになっているものである。そして、このようなイン
シュレータ2に対して直列に設けられる防振機構部1
は、上記インシュレータ2の下方部に、当該インシュレ
ータ2に連続して設けられるものであって液体の封入さ
れる主室12と、当該主室12に第二オリフィス125
を介して連結されるとともに、当該主室12内の液体が
導入されるように形成された第三液室123と、当該第
三液室123に対して第二ダイヤフラム11を介して区
画形成されるものであって負圧または大気圧の導入され
る平衡室13と、上記主室12に対して仕切板14を介
して設けられるものであって上記主室12と同様、液体
の封入される副室16と、これら主室12と副室16と
の間を連結する第一オリフィス15、15’と、上記副
室16の下方部に第一ダイヤフラム17を介して設けら
れるものであって、常に大気の導入される空気室18
と、からなることを基本とするものである。
【0008】このような構成からなる本防振機構部1を
形成する上記第二ダイヤフラム11周りの、その構成に
ついて説明する。すなわち、本第二ダイヤフラム11
は、上記主室12に通ずる第三液室123と負圧または
大気圧の導入される平衡室13との間に設けられるよう
になっているものである。すなわち、その一方の面側
(上面側)には、所定の容積を有する第二オリフィス1
25を介して上記主室12内の液体が導入されるととも
に当該主室12内の液圧変動が常時伝播されるように形
成された第三液室123が設けられるようになっている
ものである。そして、他方の面側(下面側)には、上記
切換手段3の作動に基づいて負圧または大気圧の導入さ
れる平衡室13が設けられるようになっているものであ
る。
【0009】また、このような構成からなる上記平衡室
13へ、負圧または大気圧を適宜切換えた状態で導入す
るように作動する切換手段3は、三方弁等からなる切換
バルブ31と、当該切換バルブ31を駆動するソレノイ
ド32と、からなるものである。そして、このような構
成からなる上記切換バルブ31の大気圧導入ポート側に
は、大気圧の導入速度を負圧の導入速度とバランスさせ
るための調整用の絞り弁35が設けられるようになって
いる。
【0010】次に、このような構成からなる切換手段3
の切換作動を制御する制御手段5は、マイクロプロセッ
サユニット(MPU)等の演算手段を基礎に形成される
マイクロコンピュータ等からなるものであり、主にマッ
プ(MAP)制御により、上記切換手段3の切換作動を
制御するようになっているものである。具体的には、エ
ンジンアイドリング回転数域を、図4及び図3に示す変
換点(A)を基点にして低回転数域と高回転数域とに分
けた状態で制御するようにしているものである。
【0011】次に、このような構成からなる本実施の形
態のものについての、その作動態様等について説明す
る。すなわち、振動体側からの振動は、図1に示す如
く、上部連結部材6を介して、ゴム材等からなるインシ
ュレータ2へと伝播される。これに伴なって、当該イン
シュレータ2は振動あるいは変形をして、上記入力振動
の大部分を吸収あるいは遮断をする。従って、大半の振
動は、このインシュレータ2のところで遮断されること
となるが、一部のものは、当該インシュレータ2のとこ
ろでは遮断されず、次の防振機構部1のところで遮断さ
れることとなる。次に、この防振機構部1における具体
的な作用について説明する。まず、周波数10Hz前後
の低周波数の振動を有するエンジンシェークに関して
は、第一オリフィス15(図1の破線図示)内の液体の
流動作用に基づく減衰力によって抑止される(減衰され
る)こととなる。次に、アイドリング回転領域の振動に
対しては、上記切換手段3を作動させることによって、
上記平衡室13内へ、負圧または大気圧を特定の周波数
をもって交互に導入させるようにする。すなわち、上記
切換手段3を、特定の周波数にて作動させることによっ
て、上記平衡室13内の圧力(容積)を変化させ、これ
によって、上記インシュレータ2を介して入力されるア
イドリング振動によって生ずる上記主室12内の液圧変
動を、上記第三液室123及び第二オリフィス125の
作動により吸収するようにする。
【0012】特に、この場合、本実施の形態のものにお
いては、上記主室12に所定の容積を有する第二オリフ
ィス125を介して連結されるとともに、当該主室12
内の液体の液圧変動に応じてその容積の変化する第三液
室123が設けられるようになっているので、上記平衡
室13の作動にともなって、上記第二ダイヤフラム11
が作動をすると、この作動(振動)は上記第三液室12
3及び第二オリフィス125を介して、上記主室12内
の液体へと伝播されるようになる。そして、このとき、
本実施の形態のものにおいては、上記第三液室123と
上記主室12との間を連結する第二オリフィス125内
の液体が上記平衡室13内の容積変化と共振するように
なっているものである。その結果、エンジンアイドリン
グ回転領域における特定周波数域(振動数域)におい
て、本防振機構部1にて形成される動バネ定数は著しく
低下することとなる。この動バネ定数の低下(低減化)
により、エンジンアイドリング領域における各振動・騒
音の吸収あるいは遮断が効率良く行なわれることとな
る。
【0013】なお、このような液体封入式の防振装置、
特にエンジンマウント装置において、例えば、図1に示
す如く、第一オリフィス15’と第二オリフィス125
とを直列に設けるようにしたものが考えられる。すなわ
ち、図1に示す如く、主室12と副室16との間に、第
二オリフィス125及び第一オリフィス15’を直列に
設け、これら両オリフィス15’、125に第三液室1
23から加振力が伝播されるようにしたものが考えられ
る。そして、このものにおいては、各オリフィス12
5、15’の、それぞれの径(A)及び長さ(L)、具
体的にはA/Lの値(α,β)を、第一オリフィス1
5’についてはα=2.87となるように、また、第二
オリフィスについてはβ=1.43となるようにし、そ
して、上記β/αの値は0.50となるように設定する
こととする。なお、ここにおいて、第二オリフィス12
5のA/Lの値(β)と第一オリフィス15’のA/L
(α)の値との比を、上記に示すものの外に、例えば
0.3〜2.0の範囲に採ることによって好ましい結果
(連成効果)を得ることができる。また、より好ましく
は0.4〜1.0とするのが良い。
【0014】このような構成を採ることにより、本実施
の形態のものにおいては、アイドリング振動に対して、
第一オリフィス15’の共振作用により、第三液室12
3に生じた加振力が増幅されて、主室12へと伝播され
ることとなる。具体的には、第二ダイヤフラム11の振
動により第三液室123に生じた加振力(発生力)は、
まず、第二オリフィス125へと伝播されるとともに、
主室12及び第一オリフィス15’へと伝播される。と
ころで、本実施の形態のものにおいては、この第一オリ
フィス15’へ伝播された圧力(加振力)は、当該第一
オリフィス15’の形状が、上記のようにチューニング
されていることより、当該第一オリフィス15’のとこ
ろにて共振作用を受けて増幅されることとなる。その結
果、インシュレータ2へ伝播される加振力(発生力)は
増大化する(増幅される)こととなる。このように本実
施の形態のものにおいては、動バネ定数(Kd)の値が
低下するとともに、加振力(発生力)が増大化(増幅)
されることとなり、これによって、本エンジンマウンテ
ィングシステムにおける制御目標領域内に、動バネ定数
及び減衰係数の値を規制することができるようになる。
その結果、本エンジンマウンティングシステムにおける
アイドリング振動の吸収及び遮断は、より効果的に行な
われることとなる。
【0015】ところで、このようなエンジンアイドリン
グ回転領域における防振機構部1の作動において、本実
施の形態においては、図3及び図4に示す変換点(A)
を基点にして、エンジンアイドリング回転数の低回転数
域と高回転数域とに分けた状態で、それぞれの領域にお
ける個別の制御を行なうようにしている。そして、この
個別の制御を、予め決められたマップ制御方式にて行な
うようにしている。一般に、エンジンアイドリング回転
領域、特に、その低回転数域においては、図4に示す如
く、例えばステアリング系がエンジン爆発振動の2次振
動数に共振をすること等によって振動・騒音のレベルが
高くなっている。そして、この振動・騒音レベルは変換
点(A)を境にして急激に低下している。この2次振動
成分の振動・騒音レベルを低減化することが、全体的な
振動・騒音レベルの低減化を図るのには必要である。ま
た、一方、上記変換点(A)を超えた高回転数域におい
ては、エンジン爆発振動の1次成分(振動)に起因する
振動レベルが高くなっている(図4参照)。従って、こ
の領域においてはエンジン爆発振動の1次振動数に共振
させるように上記第二ダイヤフラム11を加振する必要
がある。
【0016】これらのことを考慮して、本実施の形態に
おいては、まず、図3における変換点(A)を境にして
低回転数域においては、エンジン爆発振動の2次振動数
(f2 )に同期させた状態で上記第二ダイヤフラム11
及び切換手段3の切換バルブ31を作動させる。これに
よって、2次振動数(f2 )の固有振動数を有する振動
の入力に対して、本液体封入式防振装置の動バネ定数は
低下することとなる。その結果、この振動、すなわち、
f2 の振動数を有する振動は本液体封入式防振装置のと
ころで遮断されることとなる。次に、高回転数域におい
ては、エンジン爆発振動の1次振動数(f1 )に同期さ
せた状態で上記第二ダイヤフラム11及び切換手段3の
切換バルブ31を作動させる。これによって、1次振動
数(f1)の固有振動数を有する振動の入力に対して本
液体封入式防振装置の動バネ定数は低下して、この振動
数(f1 )を有する振動は本液体封入式防振装置のとこ
ろで遮断されることとなる。このような変換点(A)を
境にした2通りの制御を上記制御手段5を形成するRO
M手段内に予め入力させておいたデータ(マップデー
タ)を基に行なわせるようにする。また、このような制
御を行なわせることによって、図3に示す如く、エンジ
ンアイドリング回転領域において、全体的に振動・騒音
のレベルを低減化することができるようになる。
【0017】なお、このようなマップ制御方式に代っ
て、低回転数域においてのみ、エンジン爆発振動の2次
振動数(f2 )に同期させた状態で上記第二ダイヤフラ
ム11及び切換手段3の切換バルブ31を作動させるよ
うにすることもできる。すなわち、制御手段5のROM
データをそのように設定しておくことによって可能とな
る。そして、この場合、高回転数域においては、エンジ
ン爆発振動の1次振動数(f1 )に対して上記インシュ
レータ2の動バネ定数が低下するように、そのゴム特性
等を予め設定しておくようにする。このように設定する
ことによって、マップ制御を採用することなく、エンジ
ンアイドリング回転領域全般にわたって、本液体封入式
防振装置の特定周波数(振動数)に対する動バネ定数を
低減化することができるようになる。その結果、エンジ
ンアイドリング領域全般にわたって、振動・騒音レベル
の低減化を図ることができるようになる(図3参照)。
【0018】次に、ステアリング系がエンジン爆発振動
の2次振動数(f2 )に共振しているような場合につい
ての具体的な制御法(制振法)について、図2を基に説
明する。この場合、実際に生じている振動波形は、図2
の(イ)に示すように、エンジン爆発振動に起因する1
次の振動(固有振動数:f1 )と2次の振動(固有振動
数:f2 )との合成されたものである。そして、これら
のうち、2次成分である固有振動数がf2 のもの(振
動)が、その振動・騒音レベルとしては高くなっている
(図4参照)。従って、この2次成分の振動を低減化す
る必要がある。これに対処するため、図2の(ロ)に示
すようなf2 の振動数(周波数)に同期させた状態で上
記第二ダイヤフラム11及び切換手段3を作動させる。
これによって、2次成分の振動に起因する振動・騒音レ
ベルは図3の破線図示のように低下する。その結果、あ
とには、図2の(ハ)に示すような1次成分の振動が残
ることとなるが、このものの振動・騒音レベルは、図3
の細線図示の如く、それ程高くは無いので、全体の振動
・騒音レベルは、図3の太線図示の如く、低減化される
こととなる。また、この1次成分の振動については、イ
ンシュレータ2の動バネ定数を適当に調整しておくこと
によって吸収あるいは遮断をすることができる。また、
マップ制御により、エンジンアイドリング回転数が高回
転数となった領域(高回転数域)において、エンジン爆
発振動の1次振動(固有振動数:f1 )に同期させるよ
うに上記第二ダイヤフラム11及び切換手段3を作動さ
せることによっても対処することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、加振型の液体封入式防
振装置に関して、振動体に取り付けられる第一の連結部
材と、車体側のメンバ等に取り付けられる第二の連結部
材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間に
あって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシ
ュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が
形成されるものであって液体の封入される主室と、当該
主室に第一オリフィスを介して連結されるとともに、第
一ダイヤフラムにて、その室壁の一部が形成される副室
と、上記主室に第二オリフィスを介して連結されるとと
もに、上記主室内の液体が導入されるように形成された
第三液室と、当該第三液室に対して第二ダイヤフラムを
介して区画形成されるものであって、大気圧及び負圧の
うち、いずれか一方のものが導入されるように形成され
た平衡室と、からなるとともに、このような構成からな
る上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一
方のものを、連続的に、あるいは特定の周波数にて交互
に導入させるように切換作動をする切換手段を設け、当
該切換手段の切換作動を制御するものであってエンジン
アイドリング回転数域を所定の変換点を基準にして低回
転数域と高回転数域とに区分し、更にこのような区分域
において上記低回転数域においてはエンジン爆発振動の
1次以外の次数からなる振動数に同期させた状態で上記
第二ダイヤフラムを振動させるように制御をする制御手
段を設けるようにした構成を採ることとしたので、エン
ジン爆発振動の高次の振動に起因する車室内の振動・騒
音等を低減化することができるようになった。その結
果、全体的な振動・騒音レベルの低減化を図ることがで
きるようになった。
【0020】また、第二ダイヤフラム及び切換手段の作
動制御を、制御手段内に設けられたマップに基づいて行
なうマップ制御方式からなるようにするとともに、エン
ジンアイドリング回転領域を変換点を境にして低回転数
域と高回転数域とに分けて制御するようにし、更には、
上記低回転数域においてはエンジン爆発振動のうちの一
次成分以外の高次成分の振動の除去を図るようにすると
ともに高回転数域においては1次成分の振動の除去を図
るようにしたので、高次成分に起因する振動・騒音の低
減化を図ることができるようになるとともに、アイドル
アップ等によりエンジンアイドリング回転数が高くなる
領域においても1次成分に起因する振動・騒音の低減化
を図ることができるようになった。その結果、アイドリ
ング回転領域全般にわたって、振動・騒音の低減化を図
ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】高次成分を含む振動入力に対する、その低減例
を示す図(グラフ)である。
【図3】本発明における振動特性を示す図(グラフ)で
ある。
【図4】従来例の振動特性を示す図(グラフ)である。
【符号の説明】
1 防振機構部 11 第二のダイヤフラム(第二ダイヤフラム) 12 主室 123 第三の液室(第三液室) 125 第二のオリフィス(第二オリフィス) 13 平衡室 14 仕切板 15 第一のオリフィス(第一オリフィス) 15’ 第一のオリフィス(第一オリフィス) 16 副室 17 第一のダイヤフラム(第一ダイヤフラム) 18 空気室 2 インシュレータ 3 切換手段 31 切換バルブ 32 ソレノイド 35 絞り弁 5 制御手段 6 第一の連結部材(上部連結部材) 9 第二の連結部材(下部連結部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三吉 啓司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−38018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に取り付けられる第一の連結部材
    と、車体側のメンバ等に取り付けられる第二の連結部材
    と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあ
    って上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュ
    レータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形
    成されるものであって液体の封入される主室と、当該主
    室に第一のオリフィス(以下第一オリフィスと言う)を
    介して連結されるとともに、第一のダイヤフラム(以下
    第一ダイヤフラムと言う)にて、その室壁の一部が形成
    される副室と、上記主室に第二のオリフィス(以下第二
    オリフィスと言う)を介して連結されるとともに、上記
    主室内の液体が導入されるように形成された第三の液室
    (以下第三液室と言う)と、当該第三液室に対して第二
    のダイヤフラム(以下第二ダイヤフラムと言う)を介し
    て区画形成されるものであって、大気圧及び負圧のう
    ち、いずれか一方のものが導入されるように形成された
    平衡室と、からなるとともに、このような構成からなる
    上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方
    のものを、連続的に、あるいは特定の周波数にて交互に
    導入させるように切換作動をする切換手段を設け、当該
    切換手段の切換作動を制御するものであって、エンジン
    アイドリング回転数域を所定の変換点を基準にして低回
    転数域と高回転数域とに区分し、更にこのような区分域
    において上記低回転数域においてはエンジン爆発振動の
    1次以外の次数からなる振動数に同期させた状態で上記
    第二ダイヤフラムを振動させるように制御をする制御手
    段を設けるようにしたことを特徴とする液体封入式防振
    装置。
  2. 【請求項2】 振動体に取り付けられる第一の連結部材
    と、車体側のメンバ等に取り付けられる第二の連結部材
    と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあ
    って上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュ
    レータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形
    成されるものであって液体の封入される主室と、当該主
    室に第一のオリフィス(以下第一オリフィスと言う)を
    介して連結されるとともに、第一のダイヤフラム(以下
    第一ダイヤフラムと言う)にて、その室壁の一部が形成
    される副室と、上記主室に第二のオリフィス(以下第二
    オリフィスと言う)を介して連結されるとともに、上記
    主室内の液体が導入されるように形成された第三の液室
    (以下第三液室と言う)と、当該第三液室に対して第二
    のダイヤフラム(以下第二ダイヤフラムと言う)を介し
    て区画形成されるものであって、大気圧及び負圧のう
    ち、いずれか一方のものが導入されるように形成された
    平衡室と、からなるとともに、このような構成からなる
    上記平衡室に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方
    のものを、連続的に、あるいは特定の周波数にて交互に
    導入させるように切換作動をする切換手段を設け、当該
    切換手段の切換作動を制御するものであって、エンジン
    アイドリング回転数域を所定の変換点を基準にして低回
    転数域と高回転数域とに区分し、更にこのような区分域
    において上記高回転数域においてはエンジン爆発振動の
    1次振動数に同期させた状態で上記第二ダイヤフラムを
    振動させるように、また、低回転数域においてはエンジ
    ン爆発振動の1次以外の次数からなる振動数に同期させ
    た状態で上記第二ダイヤフラムを振動させるように制御
    をする制御手段を設けるようにしたことを特徴とする液
    体封入式防振装置。
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