JP3235175B2 - 端子装置 - Google Patents

端子装置

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JP3235175B2
JP3235175B2 JP09412092A JP9412092A JP3235175B2 JP 3235175 B2 JP3235175 B2 JP 3235175B2 JP 09412092 A JP09412092 A JP 09412092A JP 9412092 A JP9412092 A JP 9412092A JP 3235175 B2 JP3235175 B2 JP 3235175B2
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和久 高橋
初男 水野
仁 牧永
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線器具やブレーカ等
に好適な鎖錠ばねを用いて、すなわちねじによらずに電
線を接続する端子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーカ等の端子装置として、本
出願人は、図17乃至図19に示す構成のものを提案し
ている。
【0003】図において、10はブレーカの外部を構成す
るケースで、断面円形状の電線挿入孔13と、これに連通
する内方収容部14とを有する。
【0004】20は鎖錠ばねで、この種のもので周知の弾
性導電板を変形S字状に折曲形成することにより、一方
側に電線挿入孔13から挿入された電線導体15を係止する
鎖錠片21と後述する操作部材を押し上げる押し上げ片23
を設けるとともに他方側に電線導体15を押圧する接圧片
22を設けている。また、この接圧片22には後述する操作
部材を係止するための被係止部(接触部)22aが設けら
れている。
【0005】30は端子部材で、対向する端子板31と底板
32とを有して内方収容部14に配設される。そして、鎖錠
片21の先端と接圧片22の被係止部(接触部)22aが端子
板31に対面するように鎖錠ばね20を装着する。このと
き、鎖錠片21の先端と端子板31との間には、電線導体の
径より小さい隙間が存在する。
【0006】40は操作部材で、側面視が大略扇形に形成
され、ケース10の内方収容部14に外部から操作可能に配
置し、押し上げ片23を押圧する作動位置(図17参照)
及び復帰位置(図18参照)間で回転自在であるように
配置している。この操作部材40には、作動位置にあると
き押し上げ片23を押圧する押圧部46と、鎖錠片21を押圧
する第2押圧部47と、接圧片22の被係止部(接触部)22
aに係止する係止部43と、電線挿入孔13から挿入された
電線導体15が端子板31に固定されたことを表示するとと
もに、電線導体15を解錠するために設けられた表示溝41
aと、回転の中心となる回転支持部48と、端子板31に載
架されるように案内溝49とを設けている。
【0007】次に、電線の接続作業を説明する。図17
は電線導体15が挿入されていない状態であり、表示溝41
aをドライバー等の治具で復帰位置から作動位置に回転
させ、押圧部46と第2押圧部47とが押し上げ片23と鎖錠
片21とを押し込んで、係止部43を接圧片22の被係止部
(接触部)22aに係止している。この状態で、電線挿入
孔13から電線導体15を挿入し電線導体15の先端15aが接
圧片22の被係止部(接触部)22aから外れる。そして、
図18に示すように、操作部材40が押し上げ片23の弾性
反発力によって復帰位置に復帰される。このとき、第2
押圧部47は鎖錠片21に当接しないので、鎖錠片21の先端
によって電線導体15の抜け止めをするとともに、接圧片
22の被係止部(接触部)22aによって電線導体13と端子
板31とを接触固定している。
【0008】また、電線の接続を解錠する場合は、表示
溝41aをドライバー等の治具で復帰位置から作動位置に
向かって回転させ、第2押圧部47で鎖錠片21を電線導体
15の外径以上に押圧することによって電線導体15を抜け
易くし、この状態で電線を引く抜けば良い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した端子装置は、
操作部材に係止部を設けるとともに弾性を有する接圧片
に被係止部を設け、電線挿入孔から挿入された電線導体
の先端で被係止部を押圧することによって被係止部が係
止部から外れ、接圧片が所定圧力でもって電線導体を接
触固定しているので、電線導体の外径が大きくなるほど
電線導体の先端によって押圧され始める接圧片の位置が
電線挿入孔方向に近づき、電線導体の挿入量が少ないに
も係わらず、係止部が被係止部から外れて操作部材が移
動する恐れがあった。この場合、電線導体の外径によっ
て電線導体の挿入量にばらつきが発生してしまうという
問題があった。
【0010】本発明は、上記事由に鑑みて成されたもの
であり、その目的とするところは、電線導体の外径が異
なっても挿入量を均一として電線導体の挿入量がばらつ
きにくい端子装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の端子装置
は、電線挿入孔とこれに連通する内方収容部を有するケ
ースと、一方側に電線挿入孔から挿入された電線導体を
係止する鎖錠片を設けるとともに他方側に電線導体を押
圧する接圧片を設けた鎖錠ばねと、内方収容部に配設さ
れるものであって、少なくとも電線導体が鎖錠ばねのば
ね力によって接触される端子板を有した端子部材と、内
方収容部に外部から操作可能に配設し、鎖錠ばねの少な
くとも鎖錠片を押圧する作動位置と鎖錠片を押圧しない
復帰位置間で移動自在なものであって、かつ、復帰位置
にあるときばね手段によってばね付勢された操作部材
と、を備えた端子装置において、前記操作部材がケース
又は端子部材と係止することによって作動位置に保持さ
れ、電線導体を所定位置に挿入したとき、操作部材が作
動位置に保持されている状態から外れ、鎖錠片を押圧し
ないことによって所定圧力でもって電線導体を端子板に
接触固定させて成る構成としてある。
【0012】請求項2記載の端子装置は、請求項1のも
のの端子部材に係止部を設けるとともに前記操作部材に
弾性を有する被係止部を電線挿入孔から内方収容部に向
かう直線上と交差する位置に設け、電線挿入孔から挿入
された電線導体を所定位置に挿入したとき、その先端で
押圧された被係止部から係止部が外れ、鎖錠ばねにより
所定圧力でもって電線導体を端子板に接触固定した構成
としてある。
【0013】請求項3記載の端子装置は、請求項1のも
のの操作部材に係止部を設けるとともに前記ケースに弾
性を有する被係止部を電線挿入孔から内方収容部に向か
う直線上と交差する位置に設け、電線挿入孔から挿入さ
れた電線導体を所定位置に挿入したとき、その先端で押
圧された被係止部が係止部から外れ、鎖錠ばねにより所
定圧力でもって電線導体を端子板に接触固定した構成と
してある。
【0014】請求項4記載の端子装置は、請求項1乃至
請求項3のいずれか1項のものの鎖錠片と接圧片の少な
くとも一方に押し上げ片を隣設し、前記操作部材に少な
くとも押し上げ片と鎖錠片とを押圧する押圧部及び第2
押圧部を有し、この操作部材の押圧により鎖錠片を押し
て鎖錠状態にある電線導体を解錠する構成としてある。
【0015】請求項5記載の端子装置は、請求項1乃至
請求項4のいずれか1項のものの操作部材をケース又は
端子部材に係止した状態で、端子板と鎖錠片の先端との
間隔を電線導体のほぼ外径以上となるように前記操作部
材が少なくとも鎖錠片を押圧した構成としてある。
【0016】
【作用】請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の
構成によれば、操作部材を作動位置に保持し、電線導体
を所定位置に挿入したとき、操作部材が作動位置に保持
されている状態から外れ、鎖錠片を押圧しないことによ
って鎖錠片で電線導体の抜け止めをするとともに、接
片が所定圧力でもって電線導体を端子板に接触固定する
ことにより、電線挿入孔に挿入可能な外径の電線導体で
あれば、どのような外径の電線導体であっても常にその
先端が同一の所定位置まで挿入されたときに始めて操作
部材が移動する。
【0017】請求項5記載の構成によれば、請求項1乃
至請求項4のいずれか1項において、操作部材をケース
又は端子部材に係止した状態で、端子板と鎖錠片の先端
との間隔を電線導体のほぼ外径以上となるように操作部
材が少なくとも鎖錠片を押圧したので、先の作用に加
え、電線を挿入するとき鎖錠片の抵抗を受けることなく
スムーズに挿入できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1乃至図4
に基づいて以下に説明する。なお、従来例と基本的な機
能が同様の部材には同一の符号を付している。
【0019】ケース10は、プラスチックのような絶縁材
料により、上本体11と下本体12とを重ね合わせて箱状に
形成され、電線挿入孔13とこれに連通する内方収容部14
とを有する。電線挿入孔13は、上本体11と下本体12との
間がほぼ境目となるように形成され、この孔から電線導
体15が挿入される。また、上本体11にはその上面に後述
する操作部材の移動を確かめるための開口孔11aと、後
述する復帰ばね(ばね手段)が懸架される懸架受部11b
とが設けられている。内方収容部14は、後述する操作部
材と端子部材が収容される。
【0020】鎖錠ばね20は、この種のもので周知の弾性
導電板を変形S字状に折曲形成することにより。一方側
に電線挿入孔13から挿入された電線導体15を係止する鎖
錠片21を設けるとともに他方側に電線導体15を押圧する
接圧片22を設け、この接圧片22に電線導体15を接触固定
する接触部22aを有している。
【0021】端子部材30は、内方収容部14に沿って細長
く延び、電線挿入孔15の近傍に端子板31と底板32とを対
向配置しその底板32の内方側に立ち上がり片33を折曲形
成している。この端子部材30がケース10の内壁とともに
装着部を形成し、ここに鎖錠ばね20を装着している。ま
た、端子板31には、電線挿入孔13側に位置する一方側か
ら途中まで長手方向に沿って後述する操作部材を挿通さ
せる切欠部31aを設けるとともに、その他方側の切欠残
余部分を係止部31bとしている。
【0022】操作部材40は、熱可塑性の合成樹脂等の絶
縁材料により、操作面41aを有する操作部41と、押圧面4
2aを有する押圧部42と、端子部材30の係止部31bに係止
される被係止部43と、後述する復帰ばねが圧縮懸架され
る懸架部44とから構成される。
【0023】操作部41は、ケース1の開口孔11aにガイド
して挿通されるよう、その断面を開口孔11aに合せて四
角状に形成している。
【0024】押圧部42は、操作部41の下方に位置し、端
子部材30の切欠部31aに挿通されるよう、操作部41より
も薄肉にし、その平坦な下面を鎖錠片21と接圧片22とを
押圧する押圧面42aとしている。
【0025】被係止部43は、操作部41の一方側面から下
方に向かって延出し、その先端には上方平坦面が端子部
材30の係止部31bに係止される被係止突起43aを内側へ突
出している。そして、この被係止部43は、被係止突起43
aが端子部材30の係止部31bに係止した状態にあるとき、
外側へ押圧すれば撓んで係止状態から外れる程度に細く
して弾性を有するよう形成している。
【0026】懸架部44は、被係止部31bを設けた操作部4
1の一方側面とは別の側面に立設している。そして、こ
の懸架部44の下面には、図3に示すように、上本体11の
内方収容部14側にある懸架受部11bに配置された復帰ば
ね50が、操作部材40を上方を付勢するように圧縮懸架さ
れている。
【0027】次に、電線の接続作業を説明する。図1の
状態は、操作部材30の操作面41aを矢符方向に押圧する
ことにより、鎖錠ばね20が押圧面42aにより押圧されて
撓んだ状態すなわち操作部材40が作動位置にある状態
(鎖錠ばね解錠状態)になるとともに、操作部材40は被
係止部43を端子部材30の係止部31bに係止してその状態
を自ら保持している。このとき、操作部材40の操作面41
aは、ケース10の開口孔11aから外側へ突出していない状
態にある。
【0028】次いで、図2に示すように、所定長さの被
覆を除去した電線導体15を電線挿入孔13に矢符方向へ挿
入すると、鎖錠ばね20は解錠状態にあるので、電線の挿
入力は小さくてよく簡単に挿入できる。そして電線導体
15が所定位置(電線導体15の先端15aが接圧片22の接触
部22aを超えて電線導体15が端子板31に確実に接触固定
される位置)に至ると、その先端15aが操作部材40に設
けた被係止部43の被係止突起43aを押圧する。そうする
と、被係止部43が撓んで被係止突起43aが係止部31bから
外れるとともに、操作部材40は復帰ばね50により矢符方
向に復帰する。これにより、操作部材40は押圧部42の押
圧面42aが鎖錠ばね20の先端から離反し、すなわち鎖錠
ばね20を押圧しない状態になり、よって電線導体15は鎖
錠ばね20の弾性反発力により接圧片22の先端と端子部材
30の端子板31とに確実に所定圧力でもって接触固定され
るとともに、操作部材40の操作面41aがケース10の開口
孔11aから外側へ突出する。従って、作業者は、この操
作部材40が開口孔11aから突出したことを確認すること
により、電線が確実な接続状態にあることが分かる。
【0029】また、電線の引き抜き作業の場合も、同様
に操作部材40を作動位置にして鎖錠片21を撓ませた状態
で行えば容易にできる。
【0030】なお、この実施例によれば復帰ばね50を懸
架する場合、懸架部44と上本体11の内方収容部14側にあ
る懸架受部11bとの間で行っているが、図4に示すよう
に、下本体12の上面に設けた円状の凹部12aと懸架部44
との間で行っても良い。さらに、図示していないが、端
子板31の一部で復帰ばね50を受けるように形成してもよ
い。
【0031】次に、第2の実施例を図5に基づいて説明
する。このものは、操作部材40の被係止部43が係止され
る端子部材30の係止部33aを、底板32の内方側に折曲し
て設けた立ち上がり片33をさらに外側へ直角に折曲する
ことによって形成しており、その他の構成は第1の実施
例と同じであり、従って、その電線の接続作業も同様に
行うことができる。
【0032】次に、第3の実施例を図6乃至図9に基づ
いて説明する。このものは、係止部及び被係止部の構成
が第1の実施例と相違するだけで、その他の構成は第1
の実施例と同じであり、従って係止部及び被係止部以外
は、第1の実施例と同一符号を付してある。つまり、45
が係止部で、操作部材40の一方側面に上方平坦面を有し
突出して形成している。また、16が被係止部で、ケース
10の下本体から内方収容部14に向かって立設している。
その先端には係止部45の上方平坦面に下方平坦面が係止
される被係止突起16aを突出している。そして、この被
係止部16は、被係止突起16aが操作部材40の係止部45に
係止した状態にあるとき、外側へ押圧すれば撓んで係止
状態から外れる程度に細くして弾性を有するように形成
している。
【0033】次に電線導体の接続作業を説明する。図6
の状態は、操作部材40の操作面41aを矢符方向に押圧す
ることにより、鎖錠ばね20が押圧面42aにより押圧され
て撓んだ状態すなわち操作部材40が作動位置にある状態
(鎖錠ばね解錠状態)になるとともに、操作部材40は、
係止部45に被係止部16を係止してその状態を自ら保持し
ている。このとき、操作部材40の操作面41aは、ケース1
0の開口孔11aから外側へ突出していない状態にある。
【0034】次いで、図7に示すように、所定長さの被
覆を除去した電線導体15を電線挿入孔13に矢符方向へ挿
入すると、鎖錠ばね20は解錠状態にあるので、電線導体
15の挿入力は少なくてよく簡単に挿入できる。そして電
線導体15が所定位置(電線導体15の先端15aが接圧片22
の接触部22aを超えて電線導体15が端子板31に確実に接
触固定される位置)に至ると、その先端15aが下本体12
に設けた被係止部16を押圧し、被係止部16が撓んで被係
止突起16aが係止部45から外れるとともに、操作部材40
は復帰ばね50により矢符方向に復帰する。これにより、
操作部材40は押圧部42の押圧面42aが鎖錠ばね20の先端
から離反し、すなわち鎖錠ばね20を押圧しない状態にな
り、電線導体15は鎖錠ばね20の弾性反発力により接圧片
22の接触部22aと端子部材30の端子板31との間に確実に
所定圧力でもって接触固定されるとともに、操作部材40
の操作面41aがケース10の開口孔11aから外側へ突出す
る。従って、作業者は、この操作部材40が開口孔11aか
ら突出したことを確認することにより、電線が確実な接
続状態にあることが分かる。
【0035】また、電線の引き抜き作業の場合も、同様
に操作部材40を作動位置(図6参照)にして鎖錠片21を
撓ませた状態で行えば容易にできる。
【0036】さらに、この実施例の場合も第1の実施例
と同様に復帰ばね50を懸架する場合、懸架部44と上本体
11の内方収容部14側にある懸架受部11bとの間で行って
いるが、図9に示すように、下本体12の上面に設けた円
状の凹部12aと懸架部44との間で行ってもよい。さら
に、図示していないが、端子板31の一部で復帰ばね50を
受けるように形成してもよい。
【0037】次に第4の実施例を図10に基づいて説明
する。このものは、被係止部16が第3の実施例において
はケース10の下本体12から内方収容部14に向かって立設
しているのに対し、ケース10の上本体11から内方収容部
14に向かってその先端が電線挿入孔13に挿入された電線
導体15の先端で押圧され得る位置まで達するよう立設し
ている。また、被係止突起16aは、第3の実施例におい
ては被係止部16の先端に設けているのに対し、被係止部
16の根元付近に設けており、その他の構成は第3の実施
例と同じであり、従って、その電線の接続作業も同様に
行うことができる。
【0038】次に第5の実施例を図11及び図13に基
づいて説明する。この実施例は、全ての部材の形状が今
までの実施例の形状と多少異なる。
【0039】すなわち、10はケースで、上本体11と下本
体12とで構成され、内部に内方収容部14が形成されてい
る。上本体11には、図11において、右斜め上方向に電
線導体15を挿入するための電線挿入孔13を形成するとと
もに、後述する操作部材の移動を確かめるための開口孔
11aが設けられている。下本体12には、後述する端子部
材を収容するための端子部材収容部17が形成されてい
る。
【0040】20は鎖錠ばねで、弾性導電板を変形S字状
に折曲形成することにより、一方側に電線挿入孔13から
挿入された電線導体15を係止する鎖錠片21及び後述する
操作部材を復帰位置(図12参照)に復帰させる押し上
げ片23とを隣設し、他方側に電線導体15を押圧する接圧
片22を設け、この接圧片22に電線導体15を接触固定する
接触部22aを有している。
【0041】30は端子部材で、傾斜して対向する端子板
31と縦支持壁34を設けた底板32を有して端子部材収容部
17に収容される。そして、鎖錠片21及び押し上げ片23の
先端と接圧片22の接触部22aが端子板31に対面するよう
鎖錠ばね20を装着する。また、端子板31の端部には、後
述する被係止部を係止する係止部31bが形成してある。
【0042】40は操作部材で、熱可塑性の合成樹脂等の
絶縁材料により形成され、ケース10の内方収容部14に外
側から操作可能に配置し、押し上げ片23を押圧する作動
位置(図11参照)及び開放する復帰位置(図12参
照)間で移動自在であるように配置している。この操作
部材40には、操作面41aを有する操作部41と、端子部材3
0の係止部31bに係止される被係止部43と、作動位置にあ
るとき押し上げ片23を押圧する押圧部46と、鎖錠片21を
押圧する第2押圧部47とから構成されている。操作部41
は、ケース10の開口孔11aに挿通されるよう、その断面
を開口孔11aに合せて四角状に形成し、上面に治具等で
押圧されるように操作面41aが形成されている。押圧部4
6と第2押圧部47とは、図11において、操作部41の右
下方に位置し、その先端がそれぞれ押し上げ片23と鎖錠
片21とを押圧するように形成されている。被係止部43
は、操作部41の左下方に位置している。そして、この被
係止部43が端子部材30の係止部31bに係止した状態にあ
るとき、外側へ押圧すれば撓んで係止状態から外れる程
度に細くして弾性を有するよう形成している。
【0043】次に、電線の接続作業を説明する。図11
の状態は、操作部材30の操作面41aを矢符A方向に押圧
することにより、鎖錠ばね20が第2押圧部47により押圧
されて撓んだ状態すなわち操作部材40が作動位置にある
状態(鎖錠ばね解錠状態)になるとともに、操作部材40
は被係止部43を端子部材30の係止部31bに係止してその
状態を自ら保持している。このとき、操作部材40の操作
面41aは、ケース10の開口孔11aから外側へ突出していな
い状態にある。
【0044】次いで、図12に示すように、所定長さの
被覆を除去した電線導体15を電線挿入孔13に矢符B方向
へ挿入すると、鎖錠ばね20は解錠状態にあるので、電線
の挿入力は小さくてよく簡単に挿入できる。そして電線
導体15が所定位置(電線導体15の先端15aが接圧片22の
接触部22aを超えて電線導体15が端子板31に確実に接触
固定される位置)に至ると、その先端15aが操作部材40
に設けた被係止部43を押圧する。そうすると、被係止部
43が撓んで被係止部43が係止部31bから外れるととも
に、操作部材40は押し上げ片23により復帰位置に復帰す
る。これにより、操作部材40は第2押圧部47が鎖錠片21
の先端から離反し、すなわち鎖錠ばね20を押圧しない状
態になり、よって電線導体15は鎖錠ばね20の弾性反発力
により接圧片22の接触部22aと端子部材30の端子板31と
の間に確実に所定圧力でもって接触固定されるととも
に、操作部材40の操作面41aがケース10の開口孔11aから
外側へ突出する。従って、作業者は、この操作部材40が
開口孔11aから突出したことを確認することにより、電
線が確実な接続状態にあることが分かる。
【0045】また、電線の引き抜き作業の場合も、同様
に操作部材40を作動位置にして鎖錠片21を撓ませた状態
で行えば容易にであきる。
【0046】次に第6の実施例を図14乃至図16に基
づいて説明する。すなわち、10はケースで、上本体11と
下本体12とで構成され、内部に内方収容部14が形成され
ている。上本体11には、図14において、右方向に電線
導体15を挿入するための電線挿入孔13を形成するととも
に、後述する操作部材の移動を確かめるための開口孔11
aが設けられている。下本体12には、後述する端子部材
を収容するための端子部材収容部17が形成されている。
【0047】20は鎖錠ばねで、弾性導電板を変形S字状
に折曲形成することにより、一方側に電線挿入孔13から
挿入された電線導体15を係止する鎖錠片21及び後述する
操作部材を復帰位置(図15参照)に復帰させる押し上
げ片23とを隣設し、他方側に電線導体15を押圧する接圧
片22を設け、この接圧片22に電線導体15を接触固定する
接触部22aを有している。
【0048】30は端子部材で、対向する端子板31と縦支
持壁34を設けた底板32を有して端子部材収容部17に収容
される。そして、鎖錠片21及び押し上げ片23の先端と接
圧片22の接触部22aが端子板31に対面するよう鎖錠ばね2
0を装着する。また、端子板31の端部には、後述する被
係止部を係止する係止部31bが形成してある。
【0049】40は操作部材で、熱可塑性の合成樹脂等の
絶縁材料により形成され、ケース10の内方収容部14に外
部から操作可能に配置し、押し上げ片23を押圧する作動
位置(図14参照)及び開放する復帰位置(図15参
照)間で移動自在であるように配置している。この操作
部材40には、操作面41aを有する操作部41と、端子部材3
0の係止部31bに係止される被係止部43と、作動位置にあ
るとき押し上げ片23を押圧する押圧部46と、鎖錠片21を
押圧する第2押圧部47とから構成されている。操作部41
は、ケース10の開口孔11aに連通されるよう、その断面
を開口孔11aに合せて四角状に形成し、操作面41aが形成
されている。押圧部46と第2押圧部47とは、図15にお
いて、操作部41の右下方に位置し、その先端がそれぞれ
押し上げ片23と鎖錠片21とを押圧するように形成され、
被係止部43は、操作部41の左下方に位置している。そし
て、この被係止部43が端子部材30の係止部31bに係止し
た状態にあるとき、外部へ押圧すれば撓んで係止状態か
ら外れる程度に細くして弾性を有するよう形成してい
る。
【0050】次に、電線の接続作業を説明する。図14
の状態は、操作部材30の操作面41aを矢符A方向に押圧
することにより、鎖錠ばね20が第2押圧部47により押圧
されて撓んだ状態すなわち操作部材40が作動位置にある
状態(鎖錠ばね解錠状態)になるとともに、操作部材40
は被係止部43を端子部材30の係止部31bに係止してその
状態を自ら保持している。このとき、操作部材40の操作
面41aは、ケース10の開口孔11aから外側へ突出していな
い状態にある。
【0051】次いで、図15に示すように、所定長さの
被覆を除去した電線導体15を電線挿入孔13に矢符B方向
へ挿入すると、鎖錠ばね20は解錠状態にあるので、電線
の挿入力は小さくてよく簡単に挿入できる。そして電線
導体15が所定位置(電線導体15の先端15aが接圧片22の
接触部22aを超えて電線導体15が端子板31に確実に接触
固定された位置)に至ると、その先端15aが操作部材40
に設けた被係止部43を押圧する。そうすると、被係止部
43が撓んで被係止部43が係止部31bから外れるととも
に、操作部材40は押し上げ片23により復帰位置に復帰す
る。これにより、操作部材40は第2押圧部47が鎖錠片21
の先端から離反し、すなわち鎖錠ばね20を押圧しない状
態になり、よって電線導体15は鎖錠ばね20の弾性反発力
により接圧片22の先端と端子部材30の端子板31とに確実
に所定圧力でもって接触固定されるとともに、操作部材
40の操作面41aがケース10の開口孔11aから外部へ突出す
る。従って、作業者は、この操作部材40が開口孔11aか
ら突出したことを確認することにより、電線が確実な接
続状態にあることを認知することができる。
【0052】また、電線の引き抜き作業の場合も、同様
に操作部材40を作動位置にして鎖錠片21を撓ませた状態
で行えば容易にできる。
【0053】なお、第5と第6の実施例によれば、係止
部を端子部材に形成し、被係止部を操作部材に設けてい
るが、係止部を操作部材に形成し、被係止部をケースに
設けてもよい。さらに、第5と第6の実施例によれば、
押し上げ片を鎖錠片に隣設しているが、押し上げ片を接
圧片に隣設してもよい。
【0054】また、第1から第6の実施例によれば、電
線挿入孔から挿入された電線導体の先端で係止部あるい
は被係止部を押圧して操作部材を復帰位置に復帰させて
いるが、電線導体の先端が接圧片の接触部を超えて電線
導体が端子板に確実に接触固定されるものであればよ
い。さらに、被係止部を係止部に係止した状態で、端子
板と鎖錠片の先端との間を電線導体のほぼ外径以上とな
るように操作部材が少なくとも鎖錠片を押圧したもので
あれば、電線導体を挿入するとき鎖錠ばねの抵抗を受け
ることなくスムーズに挿入できる。
【0055】
【発明の効果】請求項1乃至請求項4記載の各構成によ
れば、操作部材を作動位置に保持し、電線導体を所定位
置に挿入したとき、操作部材が作動位置に保持されてい
る状態から外れ、鎖錠片を押圧しないことによって鎖錠
片で電線導体の抜け止めをするとともに、接圧片が所定
圧力でもって電線導体を端子板に接触固定することによ
り、電線挿入孔に挿入可能な外径の電線導体であれば、
どのような外径の電線導体でも常にその先端が同一の所
定位置まで挿入されたときに始めて操作部材が移動する
ので、電線導体の外径が異なっても挿入量を均一として
電線導体の挿入量がばらつきにくいものとなる。
【0056】請求項5記載の構成によれば、請求項1乃
至請求項4のいずれか1項において、操作部材をケース
又は端子部材に係止した状態で、端子板と鎖錠片の先端
との間隔を電線導体のほぼ外径以上となるように操作部
材が少なくとも鎖錠片を押圧したので、先の効果に加
え、電線を挿入するとき鎖錠片の抵抗を受けることなく
スムーズに挿入できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のものに電線導体を接続したときの状態を
示す縦断面図である。
【図3】図1の分解斜視図である。
【図4】図3の復帰ばねの位置を変えた分解斜視図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図7】図6のものに電線導体を接続したときの状態を
示す縦断面図である。
【図8】図6の分解斜視図である。
【図9】図8の復帰ばねの位置を変えた分解斜視図であ
る。
【図10】本発明の第4実施例を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第5実施例を示す縦断面図である。
【図12】図11のものに電線導体を接続したときの状
態を示す縦断面図である。
【図13】図11の分解斜視図である。
【図14】本発明の第6実施例を示す縦断面図である。
【図15】図14のものに電線導体を接続したときの状
態を示す縦断面図である。
【図16】図14の分解斜視図である。
【図17】従来例を示す縦断面図である。
【図18】図17のものに電線導体を接続したときの状
態を示す縦断面図である。
【図19】図17の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 ケース 11 上本体 12 下本体 13 電線挿入孔 14 内方収容部 15 電線導体 15a 電線導体の先端 20 鎖錠ばね 21 鎖錠片 22 接圧片 22a 接圧片の接触部 23 押し上げ片 30 端子部材 31 端子板 31a 係止部 32 底板 40 操作部材 41 操作部 42 押圧部 43 被係止部 43a 被係止突起 44 懸架部 50 復帰ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 博史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−165670(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 4/48

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線挿入孔とこれに連通する内方収容部
    を有するケースと、一方側に電線挿入孔から挿入された
    電線導体を係止する鎖錠片を設けるとともに他方側に電
    線導体を押圧する接圧片を設けた鎖錠ばねと、内方収容
    部に配設されるものであって、少なくとも電線導体が鎖
    錠ばねのばね力によって接触される端子板を有した端子
    部材と、内方収容部に外部から操作可能に配設し、鎖錠
    ばねの少なくとも鎖錠片を押圧する作動位置と鎖錠片を
    押圧しない復帰位置間で移動自在なものであって、か
    つ、復帰位置にあるときばね手段によってばね付勢され
    た操作部材と、を備えた端子装置において、 前記操作部材がケース又は端子部材と係止することによ
    って作動位置に保持され、電線導体を所定位置に挿入し
    たとき、操作部材が作動位置に保持されている状態から
    外れ、鎖錠片を押圧しないことによって所定圧力でもっ
    て電線導体を端子板に接触固定させて成る端子装置。
  2. 【請求項2】 前記端子部材に係止部を設けるとともに
    前記操作部材に弾性を有する被係止部を電線挿入孔から
    内方収容部に向かう直線上と交差する位置に設け、電線
    挿入孔から挿入された電線導体を所定位置に挿入したと
    き、その先端で押圧された被係止部から係止部が外れ、
    鎖錠ばねにより所定圧力でもって電線導体を端子板に接
    触固定した請求項1記載の端子装置。
  3. 【請求項3】 前記操作部材に係止部を設けるとともに
    前記ケースに弾性を有する被係止部を電線挿入孔から内
    方収容部に向かう直線上と交差する位置に設け、電線挿
    入孔から挿入された電線導体を所定位置に挿入したと
    き、その先端で押圧された被係止部が係止部から外れ、
    鎖錠ばねにより所定圧力でもって電線導体を端子板に接
    触固定した請求項1記載の端子装置。
  4. 【請求項4】 前記鎖錠片と接圧片の少なくとも一方に
    押し上げ片を隣設し、前記操作部材に少なくとも押し上
    げ片と鎖錠片とを押圧する押圧部及び第2押圧部を有
    し、この操作部材の押圧により鎖錠片を押して鎖錠状態
    にある電線導体を解錠する請求項1乃至請求項3のいず
    れか1項に記載の端子装置。
  5. 【請求項5】 前記操作部材をケース又は端子部材に係
    止した状態で、端子板と鎖錠片の先端との間隔を電線導
    体のほぼ外径以上となるように前記操作部材が少なくと
    も鎖錠片を押圧した請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の端子装置。
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