JP3233563B2 - 排水処理装置および排水処理方法 - Google Patents

排水処理装置および排水処理方法

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JP3233563B2 JP34260295A JP34260295A JP3233563B2 JP 3233563 B2 JP3233563 B2 JP 3233563B2 JP 34260295 A JP34260295 A JP 34260295A JP 34260295 A JP34260295 A JP 34260295A JP 3233563 B2 JP3233563 B2 JP 3233563B2
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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体工場や液晶
工場等から排出され、界面活性剤や有機溶剤等の有機物
に加えてフッ素や過酸化水素を含有している排水を少な
い槽数で効率良く処理することができる排水処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】水質汚濁防止法の観点から、排水がフッ
素に加えて界面活性剤や有機溶剤等の有機物を含んでい
る場合には、このフッ素と有機物の両方を所定の濃度ま
で処理する必要がある。
【0003】また、上記有機物はCOD(化学的酸素要
求量)やBOD(生物学的酸素要求量)を上昇させる。し
たがって、排水中の界面活性剤等の有機物は、フッ素と
は化学的に異物質であるが、確実に除去する必要があ
る。
【0004】従来、フッ素に加えて界面活性剤や有機溶
剤等を含有した有機物混合排水は、まず最初に、フッ素
が消石灰などの薬品によって化学的に処理され、次に、
別の槽で界面活性剤や有機溶剤等の有機物が生物学的処
理方法や活性炭吸着等の物理学的方法等によって処理さ
れていた。この消石灰等の薬品を使用したフッ素処理方
法は、処理工程で薬品を添加するので、処理水の導電率
が高い。したがって、上記処理水は超純水製造装置へは
再利用されていない。
【0005】一方、従来、排水中のフッ素を除去するた
めのフッ素除去装置としては、図13に示すものがあ
る。このフッ素除去装置は、フッ素含有排水を2つの炭
酸カルシウム充填槽533Aと533Bとに通水して処
理するものである(特開平5−253576号公報)。こ
のフッ素除去装置は、フッ素含有排水を炭酸カルシウム
充填槽533Aと533Bに2段階に通水し、流出水を
循環槽542に導入する。そして、循環槽542内の被
処理水を膜分離装置543に導入して、この被処理水を
2段目の炭酸カルシウム充填槽533Bから流出した炭
酸カルシウム結晶を含む濃縮水と透過水とに分離する。
さらに、上記濃縮水を循環槽542に返送する。また、
上記濃縮水の一部を1段目の炭酸カルシウム充填槽53
3Aに返送する。
【0006】このフッ素除去装置によれば、排水中のフ
ッ素は炭酸カルシウム充填槽533A,533Bの炭酸
カルシウムに固定化されて、フッ化カルシウムとなる。
そして、所定の処理期間が経過した後で、炭酸カルシウ
ム充填槽533A,533Bからフッ化カルシウムを抜
き出すようにしている。
【0007】また、今一つのフッ素除去装置としては、
図14に示すフッ化カルシウム回収装置がある(特開平
5−254829号公報)。このフッ化カルシウム回収
装置において、炭酸カルシウムとの反応槽である炭酸カ
ルシウム反応槽644は、加熱設備としての蒸気配管6
47と、空気通気設備としてのブロワー639と、散気
管602とを備えている。あるいは、上記炭酸カルシウ
ム反応槽644は、減圧脱気設備(図示せず)を備えてい
る。
【0008】このフッ化カルシウム回収装置は、具体的
には、炭酸カルシウムサイロ645からの炭酸カルシウ
ムをフッ素を含有する溶液に添加し、50〜100℃の
高温処理と、高温空気通気処理もしくは高温減圧脱気処
理を経て、フッ化カルシウムを回収する方法を採用して
いる。
【0009】処理対象が有機物含有フッ素排水である場
合に、上述したようなフッ素除去設備は例えば図15に
参照番号770で示すように、半導体工場の生産室73
1で発生する有機物含有フッ素排水を処理する排水処理
系統780に組み込まれる。
【0010】一般に、IC(集積回路)等を製造する半
導体工場の生産室731内には、図15に示すように、
いわゆるエッチング装置737が設置されている。この
エッチング装置737は、フッ化水素やフッ化アンモニ
ウムを主成分とするエッチング剤を使用する。
【0011】最近のICの微細化の進展に伴い、このエ
ッチング剤に有機物としての界面活性剤を混入させるこ
とが多くなってきている。したがって、エッチング装置
737は、排水処理系統780に有機物を含有したフッ
素排水を流れ出させる。
【0012】また、生産室731内には、エッチング装
置737とは別に有機溶剤使用装置732が存在してい
る。この有機溶剤使用装置732は、有機溶剤を使用し
てウエハ表面を有機溶剤で洗浄して乾燥させる。この有
機溶剤使用装置732は有機溶剤含有排水を排出する。
この有機溶剤含有排水もまた、排水処理系統780に導
入されて処理されるようになっている。つまり、有機溶
剤使用装置732が排出した有機溶剤を含む排水も配管
726を通って、原水槽735に流入させられる。
【0013】このように、上記有機溶剤を含有した排水
と上記フッ素を含有した排水とは、有機物含有フッ素排
水となって配管726Aを流れて、原水槽735に流入
する。その後、この排水は、原水槽ポンプ736によっ
て配管726Bを通して上向流でもってフッ素除去装置
770に導入される。フッ素除去装置770の処理槽7
33には炭酸カルシウム鉱物が充填されている。上述の
ように、処理槽733では、排水中のフッ素が炭酸カル
シウム鉱物と反応してフッ化カルシウムとなるから、上
記排水からフッ化カルシウムを分離することによって、
排水中のフッ素を除去することができる。
【0014】ところで、上記フッ素除去装置770は、
界面活性剤や有機溶剤等の有機物をほとんど除去するこ
とができない。このフッ素除去装置770で処理された
後の排水は、配管727を通して沈澱槽713へ流入す
る。この沈澱槽713での排水のフッ素濃度は、フッ素
濃度計715によって検知される。この沈澱槽713に
おける排水の有機物濃度は比較的高い。したがって、上
記排水は、さらに沈殿槽713から本格的な生物処理装
置740に導入されて、排水中の界面活性剤や有機溶剤
等の有機物が生物学的に処理されるようになっている。
【0015】一方、図14において、エッチング装置7
37からの酸系の排ガスは酸スクラバー734によって
処理され、有機溶剤使用装置732からの有機系の排ガ
スは活性炭吸着塔738A,738Bによって処理され
る。
【0016】次に、半導体工場や液晶工場等からの界面
活性剤や有機溶剤等の有機物を含有した過酸化水素排水
を処理する排水処理装置について説明する。
【0017】排水中に過酸化水素に加えて界面活性剤や
有機溶剤等の有機物が含まれている場合、この過酸化水
素も有機物も排水のCOD(化学的酸素要求量)を上昇
させる。したがって、排水中の過酸化水素と界面活性剤
や有機溶剤等の有機物とは確実に除去する必要がある。
従来、このような有機物含有過酸化水素排水は、まず最
初に活性炭等を触媒として過酸化水素が処理され、その
後別の槽で界面活性剤や有機溶剤等の有機物が処理され
ていた。
【0018】図17に示すように、従来、排水中の過酸
化水素を除去するための過酸化水素除去装置としては、
粒状活性炭を触媒とした除去方法が知られている(特開
平6−91258号公報)。この過酸化水素除去装置8
70は、処理槽833内に、底側の金網905と周壁9
06とで仕切られ上方へ開いた接触部911と、周壁9
06を介して接触部911の外側を取り巻く沈降部91
2とを有している。接触部911の下側周囲には、沈降
部912を接触部911に連通させる開口907と、接
触部911内に水平方向に排水を流入させるための供給
口904とが設けられている。動作時には予め、接触部
911内に槽有効容量の1〜35%の割合で粒状活性炭
が入れられる。
【0019】この状態で、配管807Aから槽底の供給
口903を通じて、過酸化水素含有排水が処理槽833
内に導入される。この過酸化水素含有排水は、金網90
5を通じて接触部911内に侵入し、接触部911を満
たす。一方、分岐された配管807Bから水平供給口9
04を通じて、過酸化水素含有排水(この流量は弁92
0によって調節できる。)が接触部911内に導入され
る。この結果、接触部911内に上向流とともに渦巻き
流が生じて、粒状活性炭と過酸化水素含有排水とが接触
し、活性炭の触媒作用によって過酸化水素が水と酸素と
に分解される。この処理後の排水は、接触部911から
オーバーフローして沈降部912に入り、バッフル板9
17の陰に設けられた排出口918から配管827を通
じて排出される。ここで、上記処理後の排水とともに粒
状活性炭が沈降部912にオーバーフローしても、この
粒状活性炭は沈降部912でしばらく滞留して沈降し、
開口907を通じて接触部911へ戻る。したがって、
沈降部912の排出口918からは上澄水のみが排出さ
れる。
【0020】この種の過酸化水素除去装置は、例えば図
15に示すように、半導体工場の生産室1031で発生
する有機物含有過酸化水素排水を処理する排水処理系統
1080に組み込まれることが多い。
【0021】一般に、IC(集積回路)等を製造する半導
体工場の生産室1031内には、いわゆるRCA洗浄を
行うRCA洗浄装置1037や、アセトン,イソプロピ
ルアルコール等の有機溶剤を使用する有機溶剤使用装置
1032等の生産装置が多数設けられている。上記RC
A洗浄とは、RCA社によって開発された洗浄方法であ
って、典型的にはNH4OH、HClおよびH2Oを使用
して有機物を除去する第1段階と、HCl、H22およ
びH2Oを使用してアルカリ金属や重金属を除去する第
2段階とを有している。最近のICの微細化の進展とと
もに、前記NH4OH、HClに界面活性剤が混入される
傾向がある。上記RCA洗浄装置1037等からの過酸
化水素と界面活性剤や有機溶剤等の有機物混合排水は配
管1026を通じて原水槽1035に流入して、この原
水槽1035で水量および水質がある程度調整される。
【0022】一方、有機溶剤使用装置1032からの有
機物を含む排水も配管1026Aを通じて、原水槽10
35に流入するようになっている。したがって、上記過
酸化水素を含んだ排水を上記有機物を含んだ排水とは、
配管1026Aで合流して原水槽1035内で有機物含
有過酸化水素排水となって存在している。
【0023】次に、この排水は、原水槽ポンプ1036
によって配管1026Bを通して過酸化水素除去装置1
070に導入される。過酸化水素除去装置1070の槽
1033において、排水中の過酸化水素が酸素と水に分
解される。ところが、この過酸化水素除去装置1070
では、界面活性剤や有機溶剤等の有機物はほとんど除去
できない。そこで、この処理後の排水は、配管1027
を通して処理水槽1028へ導入される。この処理水槽
1028での排水の過酸化水素濃度は、酸化還元電位計
1034によって検知される。そして、処理水槽102
8での排水の有機物濃度が高い場合は、さらに生物処理
装置(図示せず)に導入して、有機物を処理している。
【0024】一方、図15に示すように、RCA洗浄装
置1037や有機溶剤使用装置1032が排出する有機
物を含んだ排ガス(有機物含有排ガス)は、有機物含有過
酸化水素排水の処理系統1080とは別に、有機物含有
排ガスのための処理系統1090によって処理される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したよ
うに最近の微細化が進展したICを製造する半導体工場
では、フッ素排水に界面活性剤や有機溶剤等の有機物が
混入する傾向がある。その理由は、ICの微細化が進展
すればするほど、洗浄技術も向上させる必要があり、最
近では、洗浄薬品やエッチング剤に界面活性剤等の有機
物を混合させて洗浄効果やエッチング効果を増加させて
いるからである。
【0026】したがって、図15における半導体工場の
生産室731で発生するフッ素排水と界面活性剤や有機
溶剤等の有機物混合排水を経済的かつ合理的に処理する
必要がある。
【0027】ところが、前記したように、従来は、排水
中のフッ素と界面活性剤や有機溶剤等の有機物とは異な
る別の槽で処理されていた。つまり、上記従来例の処理
設備では、フッ素除去装置と有機物処理のための生物処
理装置との2つの処理装置が必要である。このように2
つの処理槽を別個に設置した場合、イニシャルコストが
高いことが課題であった。
【0028】図15に示す通り、半導体工場の生産室7
31においては、エッチング装置737その他の生産装
置と有機溶剤使用装置732等が多数存在している。そ
して、最近のICの超微細化の進展にしたがって、フッ
素を含有するエッチング剤に界面活性剤等の有機物を混
入させたり、有機溶剤を含有した薬品を洗浄乾燥に使用
するようになってきている。したがって、これら各種の
薬品(フッ素と界面活性剤や有機溶剤等の有機物)が混合
された混合排水においては、排水中における有機物の含
有量が時代とともに増加している。
【0029】しかしながら、上記従来の図13や図14
に示したフッ素除去装置もしくは、図15に示したフッ
素除去装置770単独では、界面活性剤や有機溶剤等の
有機物に対しては、殆ど対応できないという問題があ
る。
【0030】なぜならば、上記従来のフッ素除去装置に
は微生物が繁殖しなくて、生物処理機能が全くなく、界
面活性剤や有機溶剤等の有機物に対する処理効果が全く
無い状態で運転されているからである。
【0031】また、過酸化水素排水に関しては、最近の
半導体工場では、過酸化水素排水に界面活性剤や有機溶
剤等の有機物が混入する傾向がある。ICの微細化が進
展すればするほど、洗浄技術も向上させる必要があるか
ら、洗浄薬品に界面活性剤を混合させて洗浄効果を増加
させている。したがって、図16における半導体工場の
生産室1031で発生する過酸化水素排水と界面活性剤
や有機溶剤等の有機物混合排水を合理的に処理する必要
がある。
【0032】ところが、前記したように、従来、過酸化
水素は1つの専用の分解槽(過酸化水素除去装置107
0)でもって活性炭を触媒として水と酸素ガスに分解さ
れている。一方、界面活性剤や有機溶剤等の有機物は単
独で生物学的に処理されるか、または、活性炭吸着塔で
物理学的に吸着処理されていた。いずれにしても、排水
中の界面活性剤や有機溶剤等の有機物と過酸化水素とは
別々に処理されていた。したがって、過酸化水素除去装
置と有機物処理のための生物処理装置との2つの処理装
置が必要であるから、イニシャルコストが高いことが課
題であった。
【0033】図16に示したように、半導体工場の生産
室1031においては、上記RCA洗浄装置1037等
の生産装置と有機溶剤使用装置1032が多数存在して
いる。そして、生産工程の都合上、過酸化水素と界面活
性剤や有機溶剤等の有機物を含有した薬品等を洗浄に使
用しているので、生産室1031では、過酸化水素と界
面活性剤や有機溶剤等の有機物が混合された排水が発生
していた。
【0034】しかしながら、上記従来の過酸化水素除去
装置1070は、単独では界面活性剤や有機溶剤等の有
機物に対しては、ほとんど対応処理できないという問題
がある。なぜならば、上記従来の過酸化水素除去装置1
070では、過酸化水素に殺菌作用があるから、粒状活
性炭に微生物が繁殖せず、活性炭に微生物を繁殖させて
の微生物処理が利用できないからである。
【0035】そこで、この発明の目的は、1つの水槽の
中で、有機物を含有したフッ素排水や有機物を含有した
過酸化水素排水を効率良く合理的に処理できる排水処理
装置および排水処理方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の排水処理方法は、排水中で反応充
填物を強く流動させる強流動領域と、排水中で上記反応
充填物を弱く流動させる弱流動領域とを形成し、上記反
応充填物を上記強流動領域と弱流動領域との間で循環さ
せ、上記強流動領域では上記反応充填物の化学反応によ
って排水を処理し、上記弱流動領域では上記反応充填物
に繁殖した微生物によって排水を処理することを特徴と
している。
【0037】この請求項1の発明の排水処理方法によれ
ば、強流動領域では反応充填物を強く流動させることに
よって、この反応充填物の活発な化学反応によって排水
を効率よく化学処理でき、かつ、弱流動領域では反応充
填物を弱く流動させることによって、反応充填物に微生
物を繁殖させて、この微生物によって排水中の有機物を
微生物処理することができる。したがって、この発明に
よれば、1つの同じ反応充填物を化学処理と生物処理と
の両方に活用することができる。したがって、有機物を
含有した排水を高い効率で処理することができる。
【0038】請求項2の発明の排水処理装置は、排水が
流入する第1水槽を備え、この第1水槽は、反応充填物
と、この反応充填物を上記排水中で曝気しながら流動さ
せる曝気手段とを有する上部と、上記反応充填物が沈殿
させられて上記反応充填物が微生物の固定化担体として
働かされる下部とを有しており、上記第1水槽の上部で
は、上記反応充填物は上記曝気によって流動させられて
上記排水を化学反応によって処理し、上記第1水槽の下
部では、上記反応充填物に固定化された微生物によって
排水中の有機物を生物学的に処理することを特徴として
いる。
【0039】この請求項2の発明によれば、第1水槽の
上部で、反応充填物を曝気しながら流動させる。したが
って、この反応充填物と排水との化学反応が促進される
ことになる。したがって、この発明によれば、第1水槽
の上部では、反応充填物の化学反応による排水処理を効
率よく行うことができる。そして、この上部から下降し
て下部に沈殿した反応充填物には微生物が繁殖する。し
たがって、この下部においては、上記反応充填物に固定
化された微生物によって排水中の有機物を生物学的に処
理することができる。
【0040】このように、この請求項2の発明によれ
ば、第1水槽の上部では反応充填物の活発な化学反応に
よって排水を効率良く化学処理でき、かつ、第1水槽の
下部では反応充填物に固定化された微生物によって排水
中の有機物を生物処理することができる。したがって、
この発明によれば、1つの第1水槽において、1つの同
じ反応充填物を化学処理と生物処理の両方に活用するこ
とができる。したがって、1つの水槽の中で、有機物を
含有した排水を立体的かつ合理的に処理することができ
る。
【0041】また、請求項3の発明は、請求項2に記載
の排水処理装置において、上記下部に有る反応充填物を
含んでいる排水を汲み上げて、この反応充填物を含んで
いる排水を上記上部の排水面よりも上から上記上部に向
かって散水するエアーリフトポンプを備えていることを
特徴としている。
【0042】この請求項3の発明によれば、上記エアー
リフトポンプによって、排水と反応充填物とを下部から
上部に循環させる。したがって、下部において微生物が
繁殖した反応充填物を、上部において曝気して反応充填
物から微生物を剥がすことができる。したがって、この
上部で微生物が剥がされた反応充填物は、再び化学反応
を活発に行うことができる状態になり、活発な化学反応
によって排水を効率良く化学処理できる。そして、この
上部で微生物が剥がされた反応充填物は、下部に沈降し
て沈殿することによって、再び微生物が繁殖し、この微
生物でもって今度は排水中の有機物を生物学的に処理す
ることとなる。
【0043】このように、この請求項3の発明によれ
ば、エアーリフトポンプによって反応充填物を上部と下
部とに循環させながら、上部での化学反応処理と下部で
の微生物処理とを次々に繰り返すことができる。したが
って、この発明によれば、多次元的な処理内容と高い空
間効率とを両立することができる画期的な排水処理装置
を提供できる。
【0044】また、請求項4の発明は、請求項2に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽は、上記上部に
有る反応充填物を含んでいる排水から上記反応充填物を
分離するスクリーンを備えていることを特徴としてい
る。
【0045】したがって、この請求項4の発明によれ
ば、上記スクリーンから反応充填物を流出させることな
く処理水を分離することができる。
【0046】また、請求項5の発明は、請求項2乃至4
のいずれか1つに記載の排水処理装置において、上記反
応充填物が炭酸カルシウム鉱物であることを特徴として
いる。
【0047】請求項5の発明は、有機物を含有したフッ
素排水を処理することができる。すなわち、最初に、こ
の装置は、炭酸カルシウム鉱物を強く流動させた上部領
域において、排水中のフッ素を炭酸カルシウム鉱物と反
応させてフッ化カルシウムを形成する。このように、炭
酸カルシウム鉱物を強く流動させた上部領域にフッ素を
含んだ排水を導入するから、フッ素と炭酸カルシウム鉱
物とを確実に接触させて化学反応させることができる。
したがって、反応生成物としてのフッ化カルシウムを円
滑に形成することができる。
【0048】次に、反応後のフッ化カルシウムを曝気に
よって第1水槽の上部に保持し、比重の大きい炭酸カル
シウム鉱物だけを第1水槽の下部に集める。この下部
は、「あまり流動していない領域」である。この下部の
炭酸カルシウム鉱物は、エアーリフトポンプの入り口に
ゆっくりと移動する。
【0049】次に、導入してくる原水と炭酸カルシウム
鉱物とをエアーリフトポンプの中で強力に反応させて、
フッ化カルシウムを形成させて、被処理水中のフッ素を
化学的に処理する。
【0050】上記第1水槽の下部では、炭酸カルシウム
鉱物が「あまり流動していない」から、炭酸カルシウム
鉱物には微生物が固定化されて繁殖する。そして、この
炭酸カルシウム鉱物の微生物は、排水中の界面活性剤や
有機溶剤等の有機物を生物学的に処理する。
【0051】この下部において、被処理水のPHが、炭
酸カルシウム鉱物によって中和されていて、かつ、炭酸
カルシウム鉱物があまり流動しない状態であれば、有機
物存在下において炭酸カルシウム鉱物に各種の微生物が
固定化して繁殖できる。したがって、この微生物が繁殖
した炭酸カルシウム鉱物は、被処理水中の有機物を生物
学的に分解処理する能力がある。特に、第1水槽の下部
の中でも下方に進むほど、微生物が盛んに繁殖すること
を期待できる。
【0052】また、この請求項5の発明の排水処理装置
は、炭酸カルシウム鉱物を強く流動させた上部におい
て、排水中のフッ素を、化学反応によってフッ化カルシ
ウムを形成させることによって処理する。この炭酸カル
シウム鉱物を強く流動させる領域とは、上記上部のみで
なく、炭酸カルシウム鉱物濃度が高いエアーリフトポン
プの配管中の領域も含んでいる。上記上部では、炭酸カ
ルシウム鉱物濃度は低いものの曝気手段(散気管)による
曝気によって撹拌されている。
【0053】炭酸カルシウム鉱物の表面に繁殖していた
微生物は、エアーリフトポンプの配管の中で強い曝気を
受けて、炭酸カルシウム鉱物表面から剥離するから、炭
酸カルシウム鉱物の表面が露出する。そして、エアーリ
フトポンプでは、曝気によって炭酸カルシウム鉱物の表
面と被処理水とが接触し、被処理水中のフッ素が1次的
化学的に処理される。また、エアーリフトポンプでは曝
気されているから、化学反応によって生成したフッ化カ
ルシウムが炭酸カルシウム鉱物表面を覆ってしまうこと
を回避できる。
【0054】エアーリフトポンプで1次的にフッ素が処
理された被処理水は、エアーリフトポンプ出口から吐出
して、炭酸カルシウム鉱物濃度が低い第1水槽の上部に
落下導入される。エアーリフトポンプ出口の位置は第1
水槽の水位よりも上方であるから、被処理水が第1水槽
に落下して導入される際、空気中の酸素と空気中の微生
物が被処理水に混入する。
【0055】そして、上部では、被処理水は流動状態の
炭酸カルシウム鉱物との充分な滞留時間の基で接触反応
し、被処理水中の未分解のフッ素を2次的に確実に化学
処理できる。
【0056】次に、被処理水は自然下降して、炭酸カル
シウム鉱物の濃度が高い第1水槽の下部の「あまり流動
しない領域」に移動する。「あまり流動しない領域」で
は炭酸カルシウム鉱物の濃度が高いことに加えて、炭
酸カルシウム鉱物があまり流動しないことと、フッ素
が処理されているので微生物が繁殖しやすいことと、
被処理水が空気と接触して空気中の微生物が混入してい
ることと、微生物が繁殖しやすい有機物が存在するこ
とと、被処理水のPHが中性に近づいていることによ
って、微生物が「あまり流動しない領域」の炭酸カルシ
ウム鉱物に加速的に急速に繁殖してくる。この微生物が
急速に繁殖してくる領域は、第1水槽の下部のうち中間
から下方の領域である。尚、微生物は炭酸カルシウム鉱
物を固定化担体として繁殖し易いことはいうまでもな
い。
【0057】上記,,,,の理由によって、下部
では微生物生息環境が改善されているから、炭酸カルシ
ウム鉱物を固定化担体として各種の好気性の微生物が急
速に繁殖してくる。したがって、下部では被処理水中の
界面活性剤等の有機物が生物学的に処理される。ところ
で、この下部を急激に強く流動する状態にした場合に
は、炭酸カルシウム鉱物同士が接触,衝突して、生物膜
が剥離してしまうから、微生物が円滑に繁殖できない。
これに対して、あまり流動しない炭酸カルシウム鉱物
は、お互い同士の接触が少ないから、繁殖した微生物が
炭酸カルシウム鉱物から剥がれることが少ない。また、
炭酸カルシウム鉱物が天然品である場合には、その表面
がでこぼこであるから、炭酸カルシウム鉱物に各種の微
生物が比較的容易に繁殖する。そして、この繁殖した微
生物が、被処理水中の界面活性剤や有機溶剤等を主体と
した有機物を生物学的に処理する。
【0058】ところで、第1水槽の下部で微生物が急激
に繁殖すると、下部の炭酸カルシウム鉱物同士が微生物
の塊によって大きな炭酸カルシウム鉱物の塊となり、下
部の一部が閉塞しそうになる。しかし、第1水槽全体に
対する循環機構としてのエアーリフトポンプによる吸い
込み及びその後の循環とエアーリフトポンプ内の空気に
よる強力な曝気によって、塊が破壊されるから、下部が
閉塞することはない。
【0059】また、請求項6の発明は、請求項2乃至4
のいずれか1つに記載の排水処理装置において、上記反
応充填物が活性炭であることを特徴としている。
【0060】請求項6の発明は、有機物を含有した過酸
化水素排水を処理することができる。すなわち、最初
に、この装置は、活性炭を強く流動させた上部領域にお
いて、排水中の過酸化水素を、活性炭を触媒として水と
酸素ガスとに分解する。このように、活性炭を強く流動
させた上部領域に過酸化水素を含んだ排水を導入するか
ら、過酸化水素と活性炭とを確実に接触させて、水と酸
素ガスへの分解を円滑に進行させることができる。
【0061】次に、活性炭を下部のあまり流動していな
い領域に導入する。下部では活性炭をあまり流動させな
いから、活性炭が本来持っている有機物に対する物理的
吸着機能を利用して有機物を吸着処理する。この第1水
槽の下部では、上方は、さほど微生物が繁殖していない
から、物理学的吸着機能が期待できる。
【0062】請求項6の排水処理装置は、第1水槽の下
部では、活性炭をあまり流動させないで、活性炭に微生
物を固定化して繁殖させて、過酸化水素排水中の界面活
性剤や有機溶剤等の有機物を生物学的に処理する。活性
炭があまり流動しない状態では、有機物が存在すれば各
種の微生物を活性炭に固定化繁殖できる。従って、下部
では、活性炭に繁殖させた微生物によって、被処理水中
の有機物を生物学的に分解処理することができる。特
に、第1水槽の下部の中でも下方に進むほど、微生物が
盛んに繁殖することを期待できる。
【0063】また、この請求項6の排水処理装置は、活
性炭を強く流動させた領域において、排水中の過酸化水
素を、活性炭を触媒として水と酸素ガスとに分解する。
この活性炭を強く流動させる領域とは、上記上部だけで
はなく、活性炭濃度が高いエアーリフトフポンプの配管
中の領域も含んでいる。上記上部では、活性炭濃度が低
いものの曝気手段(散気管)による曝気によって撹拌され
ている。
【0064】活性炭の表面に繁殖していた微生物は、エ
アーリフトフポンプの配管中で強い曝気を受けて、活性
炭表面から剥離するから、活性炭の表面が露出する。同
時に、エアーリフトポンプでは、曝気によって活性炭の
表面に繁殖していた微生物は過酸化水素を含む排水と接
触するから、表面よりも生息し易くて環境の良い活性炭
内部に移動する。そして、微生物が剥離された活性炭の
表面と被処理水とが曝気により接触して、被処理水中に
含有している過酸化水素を一次的に分解することができ
る。
【0065】エアーリフトポンプで一次的に過酸化水素
が処理された被処理水は、エアーリフトフポンプ出口か
ら吐出して、活性炭濃度が低い第1水槽の上部に落下導
入される。エアーリフトフポンプ出口の位置は第1水槽
の水位よりも上方であるから、被処理水が第1水槽に落
下して導入される際、空気中の酸素と空気中の微生物が
混入する。
【0066】そして、上部では、被処理水は流動状態の
活性炭と充分な滞留時間の基で接触反応し、被処理水中
の未分解の過酸化水素を水と酸素ガスに2次的に確実に
分解することができる。
【0067】次に、被処理水は、自然下降して、活性炭
の濃度の高い第1水槽の下部の「あまり流動しない領域」
に移行する。「あまり流動しない領域」では活性炭の濃度
が高いことに加えて、活性炭があまり流動しないこと
と、過酸化水素が処理されているので微生物が繁殖し
やすいことと、被処理水が空気と接触して空気中の微
生物が混入すること、微生物が繁殖しやすい有機物が
存在することと、活性炭内部の微生物が生息環境の改
善により活性炭内部から出てくることによって、微生物
が「あまり流動しない領域」の活性炭に微生物が加速度的
に急速に繁殖してくる。この微生物が急速に繁殖してく
る領域は、第1水槽下部のうち中間から下方の領域であ
る。尚、微生物は活性炭を固定化担体として繁殖しやす
いことはいうまでもない。
【0068】上記,,,,の理由によって、下部
では微生物生息環境が改善されているから、活性炭を固
定化担体として各種の好気性の微生物が急速に繁殖して
くる。従って、下部では被処理水中の界面活性剤等の有
機物が生物学的に処理される。ところで、この下部を急
激に強く流動する状態にした場合には、活性炭同士が接
触,衝突して、生物膜が剥離してしまうから、微生物が
円滑に繁殖できない。これに対して、あまり流動しない
活性炭は、お互い同士の接触が少ないから、繁殖した微
生物が活性炭から剥がれることが少ない。また、活性炭
は多孔質であるから、活性炭に各種の微生物が比較的容
易に繁殖する。この微生物は、活性炭の表面のみならず
内部にも繁殖する。そして、この繁殖した微生物が、被
処理水中の界面活性剤や有機溶剤等を主体とした有機物
を生物学的に処理する。
【0069】一方で、第1水槽の下部のうち上方では、
活性炭濃度が高い状態であり、かつ、被処理水がゆっく
りと流下するから、活性炭は界面活性剤や有機溶剤等の
有機物を物理的に吸着する。したがって、、被処理水中
の有機物濃度の指標としてのCOD(化学的酸素要求
量)やTOC(全有機性炭素)の値を低減させることもで
きる。そして、上記活性炭が物理的に吸着した有機物
は、活性炭内部に繁殖した微生物によって今度は生物学
的に分解処理される。したがって、活性炭は、有機物を
物理的に吸着した上で、内部に繁殖した微生物によって
有機物を分解するというサイクルを繰り返す。したがっ
て、上記活性炭を第1水槽から取り出して再生する作業
の必要はない。
【0070】ところで、第1水槽の下部で微生物が急激
に繁殖すると、下部の活性炭が微生物の塊によって一部
閉塞しそうになる。しかし、第1水槽全体に対する循環
機構としてのエアーリフトポンプによる吸い込みおよび
その後の循環とエアーリフトポンプ内の空気による強力
な曝気とがあるから、活性炭が閉塞することはない。
【0071】また、請求項7の発明は、請求項5に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽内で上記排水を
処理して得た処理水が導入され、この処理水のフッ素濃
度を測定するフッ素濃度計を有する第2水槽と、上記フ
ッ素濃度計が測定したフッ素濃度に応じて、上記第1水
槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段とを備
えていることを特徴としている。
【0072】この請求項7の発明の排水処理装置は、第
1水槽で炭酸カルシウム鉱物から剥離した微生物と被処
理水は、第2水槽に導入されて、沈澱物と上澄液とに分
離される。沈澱槽である第2水槽にフッ素濃度計が設置
してある。このフッ素濃度計は、第2水槽内の処理水の
フッ素濃度を検出し、曝気出力制御手段は、フッ素濃度
計が検出したフッ素濃度に応じて、第1水槽の曝気手段
の出力を制御する。この制御は、第1水槽の上部におい
て、炭酸カルシウム鉱物とフッ素とが確実に反応できる
ように曝気手段の出力つまり吐出空気量を制御するよう
な制御である。すなわち、第2水槽でフッ素濃度計が測
定したフッ素濃度に基づいて上記制御手段が、第1水槽
でフッ素が確実に処理されていないと判断した場合に
は、この制御手段は、曝気手段の吐出空気量を増大させ
る。すると、第1水槽での炭酸カルシウム鉱物の曝気接
触状態と循環状態とが激しくなり、第1水槽の上部で排
水中のフッ素を確実に処理できるようになる。
【0073】上記第2水槽のフッ素濃度計が検出した測
定値が所定の設定値に達したときに、上記制御手段が作
動するようにしておけばよい。この設定値は、目的とす
る処理水中のフッ素濃度よりも多少高い値に設定してお
けばよい。たとえば、目的とするフッ素濃度が5ppmな
ら、設定値を8ppmにすればよい。このようにしておけ
ば、処理水の水質低下を未然に防止することができる。
尚、第2水槽でのフッ素濃度が上昇する事例の1つとし
ては、第1水槽の上部で流動している炭酸カルシウム鉱
物に微生物が繁殖し過ぎた場合がある。
【0074】また、請求項8の発明は、請求項6に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽内で上記排水を
処理して得た処理水が導入され、この処理水の酸化還元
電位を測定する酸化還元電位計を有する第2水槽と、上
記酸化還元電位計が測定した電位に応じて、上記第1水
槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段とを備
えていることを特徴としている。
【0075】この請求項8の発明によれば、酸化還元電
位計は第2水槽の処理水の酸化還元電位値を示してい
る。したがって、上記測定電位は第1水槽の上部で過酸
化水素が確実に分解されたか否かを表す値である。した
がって、上記曝気出力制御手段は、上記酸化還元電位計
から得た酸化還元電位に基づいて、排水中の過酸化水素
が確実に分解されていないことを確認すると、第1水槽
の曝気手段の出力を増大させる。これにより、第1水槽
の上部での活性炭の流動が激しくなって、触媒反応によ
る過酸化水素の分解を促進させることができる。同時
に、第1水槽の下部で繁殖している微生物が過酸化水素
で殺菌されることを防止できる。また、第1水槽の曝気
手段の出力を増大させることは、上部における活性炭の
表面に微生物が繁殖することを防ぐ効果もある。上部で
活性炭の表面に微生物が繁殖した場合には、活性炭の触
媒機能が低下するから、過酸化水素を分解する能力が低
下するのである。
【0076】また、請求項9の発明は、請求項7に記載
の排水処理装置において、上記第2水槽で沈降分離した
汚泥を上記第1水槽に返送する汚泥返送手段を備えてい
ることを特徴としている。
【0077】この請求項9の発明によれば、上記汚泥返
送手段が、沈澱槽として働く第2水槽で沈澱した微生物
を含む生物汚泥を第1水槽に返送する。したがって、第
1水槽での微生物濃度を高めることができる。したがっ
て、界面活性剤や有機溶剤等の有機物を、より合理的に
処理することができる。また、第1水槽にポリ塩化アル
ミニウムを微量(数ppm)添加する場合には、導電率を
ほとんど上昇させることなく第2水槽で微細なフッ化カ
ルシウムの反応物を凝集させることができる。第2水槽
で沈澱する汚泥は、生物汚泥だけでなく、化学的な無機
汚泥も含有している。
【0078】請求項10に記載の排水処理装置では、フ
ッ素の処理工程で、多量の消石灰や凝集剤等の薬品を使
用していないので、第2水槽での沈降分離を経た上澄水
としての処理水の導電率を800μs/cm以下にできる。
したがって、濾過装置と逆浸透膜装置を追加するだけ
で、超純水製造装置に再利用可能な処理水を得ることが
できる。
【0079】なお、従来の装置では、消石灰や凝集剤等
の薬品を使用していたから、得られた処理水の導電率が
高くて1400μs/cm以上になっていたために、超純水
製造装置で再利用することは困難であった。
【0080】また、請求項10の発明は、請求項8に記
載の排水処理装置において、上記第2水槽から得られた
処理水が導入される逆浸透膜処理装置と、この逆浸透膜
装置からの処理水が導入されて超純水を製造する超純水
製造装置とを有することを特徴とする。
【0081】請求項10の発明によれば、半導体工場か
ら排出されるような排水を、半導体工場で使用されるよ
うな超純水にまで処理することができるから、水利用サ
イクルを半導体工場内で完結することができる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、この発明の排水処理装置を
図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0083】〔第1形態〕図1に、この発明の排水処理
装置の実施の第1形態としての有機物含有フッ素排水の
処理装置を示す。この第1形態は、排水中の界面活性剤
や有機溶剤等の有機物とフッ素とを1つの水槽で、巧み
にかつ合理的に処理できる排水処理装置である。
【0084】この排水処理装置は、炭酸カルシウム鉱
物を比較的強い流動状態の基でフッ素処理のためのカル
シウム材料として利用してフッ素除去に役立てる点と、
この炭酸カルシウム鉱物を比較的弱い流動状態の基で
微生物の固定化担体として利用して有機物除去に役立て
る点とを主たる処理原理として、しかも、この,の
2つの異なる処理を1つの第1水槽1で実行するもので
ある。
【0085】したがって、この第1形態は、建設費が低
いことはもちろん、ランニングコストおよびメンテナン
スコストの低い画期的な有機物含有フッ素排水の処理装
置である。
【0086】図1に示すように、この第1形態は、第1
水槽1と第2水槽13と第3水槽16と脱水機としての
フィルタープレス18とポリ塩化アルミニウムタンク4
9を有している。
【0087】上記第1水槽1は上部1Aと下部1Bを有
している。上部1Aは上方に向かって開口している。こ
の上部1Aは傾斜壁1A‐1を有している。したがっ
て、上部1Aは上下方向の略中央から下方に向かって先
細形状になっており、下端で下部1Bに連なっている。
この下部1Bは上下方向にストレートな側壁を有してい
る。そして、下部1Bの底面付近に排水導入管11が配
置されている。この管11には、有機物を含有したフッ
素排水が導入されるようになっている。また、この第1
水槽1には、粒状の炭酸カルシウム鉱物7が添加され
る。
【0088】この第1水槽1の中には、エアーリフトポ
ンプ5が配置されている。このエアーリフトポンプ5
は、下部1Bの底部付近からまっすぐ上方に延びてお
り、上部1Aを貫通して排水の水面を貫通して上部1A
の上で略水平方向に屈曲して水平方向に所定の寸法だけ
延在してから垂直下方に屈曲して排水水面のやや上方ま
で延びている。そして、このエアーリフトポンプ5の最
下端はラッパ状に下方に開いており、このラッパ状の部
分の中に上記排水導入管11の先端部が位置している。
また、このラッパ状の部分のやや上方にはエアーリフト
ポンプ用散気管22が配置されている。この散気管22
は空気配管でもって第1ブロワー19に接続されてい
る。また、この第1ブロワー22からは別の空気配管3
Aが延びており、この空気配管3Aの先端には、散気管
2Aが接続されている。この散気管2Aは上部1Aの傾
斜壁1A‐1に沿うように配置されている。また、この
散気管2Aの側方やや上方にはもう1つの散気管2Bが
配置されている。この散気管2Bは空気配管3Bでもっ
て第2ブロワー20に接続されている。そして、上記散
気管2Aと散気管2Bとの間には、スクリーン8が配置
されている。このスクリーン8は、上部1Aを仕切るよ
うに、傾斜壁1A‐1から排水水面の上まで延びてい
る。このスクリーン8に仕切られていて上記散気管2B
を含んでいる部分が微生物汚泥撹拌部12である。そし
て、上記撹拌部12には、上記ポリ塩化アルミニウムタ
ンク49から定量ポンプ48を経た管が配管されてい
る。
【0089】また、この撹拌部12からは流出管9が水
平方向に延在している。この流出管9は上記第2水槽1
3の上方に達しており、水平方向の端で下方に屈曲して
いる。この第2水槽13は沈澱槽である。この第2水槽
13はかき寄せ機14Aとフッ素濃度計15を有してい
る。このフッ素濃度計15は信号伝達線21でもって第
1ブロワー19に接続されている。上記フッ素濃度計1
5から信号伝達線21に出力された信号に基づいて第1
ブロワー19の出力が制御されるようになっている。ま
た、この第2水槽13から、この排水処理装置の最終的
な処理水が取り出されるようになっている。そして、こ
の第2水槽13の底部には汚泥用の管が接続されてい
る。第2水槽13の底部に溜まった汚泥は上記汚泥用の
管を通って第3水槽16に導入される。この第3水槽1
6は濃縮槽である。また、この第3水槽16の底部には
もう1つの汚泥配管が接続されており、この汚泥用管は
汚泥ポンプ17を介してフィルタープレス18に接続さ
れている。フィルタープレス18は脱水機の1機種であ
る。
【0090】上記構成の排水処理装置は、まず、排水導
入管11から第1水槽1の下部1Bの底部に有機物含有
フッ素排水が導入される。そして、上記第1ブロワー1
9の稼働によって、散気管2Aから上部1Aの中に曝気
空気が導入される。この曝気空気によって、上部1A内
の排水が曝気されて撹拌されると同時に強く流動させら
れる。また、同時に、上記エアーリフトポンプ用散気管
22がエアーを吹き出して、エアーリフトポンプ5が稼
働し、下部1Bの底部付近にある排水が粒状の炭酸カル
シウム鉱物7および気泡10と一緒に上方へ導かれる。
この上方へ導かれた排水と炭酸カルシウム鉱物7と気泡
10は、エアーリフトポンプ5によって上部1Aの上方
から排水水面に向かって散布される。この第1水槽1に
おいて、上部1Aの排水と炭酸カルシウム鉱物7は散気
管2Aによって強く曝気されているから強い流動状態に
ある。一方、下部1Bの排水と炭酸カルシウム鉱物7
は、散気管による直接の曝気にさらされない。したがっ
て、上部1Aから下部1Bに流入した炭酸カルシウム鉱
物7は、自重でもって自然に下降してエアーリフトポン
プ5の下端に向かう。そして、このエアーリフトポンプ
5の下端に至った炭酸カルシウム鉱物7は、エアーリフ
トポンプ5の最下端のラッパ状に開いた部分から吸い込
まれて上方に移動する。したがって、エアーリフトポン
プ5の外側の下部1Bの中の領域では、炭酸カルシウム
鉱物7は、上部1A内に比べて弱い流動状態にある。
【0091】即ち、上部1Aでは、上記炭酸カルシウム
鉱物7は強流動でもって排水と盛んに接触することによ
って、排水中のフッ素との化学反応が促進される。した
がって、この炭酸カルシウム鉱物7の化学反応によっ
て、排水中のフッ素をフッ化カルシウムにすることがで
きる。このフッ化カルシウムの比重は、炭酸カルシウム
鉱物7の比重よりも小さいから、上部1Aの中の上部か
らスクリーン8を通って隣接する微生物汚泥撹拌部12
に至る。一方、フッ化カルシウムよりも比重が大きな炭
酸カルシウム鉱物7(比重2.7)は、傾斜壁1A‐1に案
内されるように徐々に下降して下部1Bに向かって移動
する。この下部1Bでは、散気管2Aによる強い曝気は
ないから、上記炭酸カルシウム鉱物7は、上部1Aでの
炭酸カルシウム鉱物7に比べて弱い流動状態であり、ゆ
っくりと下降する。そして、下部1Bの最下端付近で上
記炭酸カルシウム鉱物7はエアーリフトポンプ5によっ
て吸い込まれて、空気の気泡10および排水と一緒に上
方に向かって移動する。この下部1Bでは、上記炭酸カ
ルシウム鉱物7は弱い流動状態であるから、時間経過に
したがって上記炭酸カルシウム鉱物7には比較的容易に
微生物が発生して繁殖し固定化される。この炭酸カルシ
ウム鉱物7の表面に繁殖した微生物は、排水つまり被処
理水が含んでいる界面活性剤などの有機物を生物学的反
応でもって処理することができる。更には、上記炭酸カ
ルシウム鉱物7に繁殖した微生物は、上記エアーリフト
ポンプ5内での散気管22による曝気によって剥離され
る。したがって、このエアーリフトポンプ5を通って、
上部1A内に戻された炭酸カルシウム鉱物7は、微生物
による閉塞が解消された状態になって生物学的な処理機
能がなくなって、再び排水中のフッ素との化学的な反応
が活発に行われる。
【0092】ところで、このエアーリフトポンプ5内で
はフッ素を処理する1次の作用(すなわち炭酸カルシウ
ム鉱物7と排水中のフッ素との化学反応)は、ある程度
しか期待できない。その理由は、エアーリフト配管内の
炭酸カルシウム鉱物7の濃度は格段に高濃度であるもの
の、図10に示すように、エアーリフト配管内を炭酸カ
ルシウム鉱物7が空気とともに移動する時間が数秒〜1
0秒であり、エアーリフトポンプ5内での炭酸カルシウ
ム鉱物7の滞留時間が秒単位と極端に短いからである。
エアーリフトポンプ5内での曝気の主たる作用は、あく
までも、微生物を炭酸カルシウム鉱物7の表面から剥離
させることであり、排水中のフッ素と微生物の剥離した
炭酸カルシウム鉱物7とを混合させて化学的に反応させ
ることは副次的な作用である。
【0093】エアーリフトポンプ5によって微生物が剥
離されて吸い上げられた炭酸カルシウム鉱物7と排水
(被処理水)は、エアーリフトポンプ5内の曝気によっ
て、酸素が補給される。更には、上記被処理水は、エア
ーリフトポンプ5の出口から上部1Aに落下するときの
曝露によって、酸素と空気中の微生物とが供給される。
【0094】そして、上部1Aにおいては、散気管2A
から吐出する空気によって、微生物が剥離された炭酸カ
ルシウム鉱物7と被処理水とが流動状態で充分に接触反
応する。これにより、有機物含有フッ素排水中のフッ素
がより確実にフッ化カルシウムの反応物となり、被処理
水中のフッ素が処理されて被処理水のフッ素濃度が低下
する。上記炭酸カルシウム鉱物7として、0.5mm以下
の粒径の炭酸カルシウム鉱物を選定し、かつ、上部1A
での被処理水の滞留時間を4時間以上に設定すれば、排
水中のフッ素を確実に処理できる。
【0095】上記散気管2Aから吐出させる空気量は、
上部1Aの容積1立方メートルについて、1日当たり1
20M3(立方メートル)以上にすることが望ましい。上
記吐出空気量が少ないと、比重が2.7である重い炭酸
カルシウム鉱物7を、確実な強い流動状態にすることが
できない。上記散気管2Aが吐出する空気は、第1ブロ
ワー19から空気配管3Aを経由して供給される。
【0096】また、上部1Aを構成している槽は下の方
向に向かって先細形状になっているから、炭酸カルシウ
ム鉱物7は上記先細形状の槽に沿って自然と下部1Bに
集まり、下部1Bでの炭酸カルシウム鉱物7の濃度が上
部1Aでの炭酸カルシウム鉱物7の濃度よりも高くな
る。また、上部1Aの槽容積は、下部1Bの槽容積に比
べて格段に大きいので、下部1Bに沈降した炭酸カルシ
ウム鉱物7は高濃度に濃縮される。
【0097】下部1Bの中の上方領域では、炭酸カルシ
ウム鉱物7はあまり流動せず、ゆるやかな流動状態(弱
流動状態)である。この弱流動状態の炭酸カルシウム鉱
物7は、微生物にとって繁殖するのに好適な環境条件で
ある。加えて、被処理水のPHが炭酸カルシウム鉱物7
によって中和されているから、下部1Bの中の上方領域
では、微生物が被処理水中の有機物を栄養源として活発
に繁殖する。下部1Bでの被処理水の流下速度は、1時
間あたり1メートルを基準とすれば良い。この流下速度
は、通常の水処理における活性炭吸着塔での流下速度と
同様である。従って、この速度で流下する炭酸カルシウ
ム鉱物7には微生物が充分に繁殖することができる。有
機物の濃度によっても異なるが、水処理における流下速
度1メートル/時間の条件では、実際、微生物が良く繁
殖する。
【0098】ところで、被処理水中の有機物濃度によっ
ても異なるが、下部1Bでの流下速度を1メートル/時
間よりも大幅に遅くすると、下部1Bで炭酸カルシウム
鉱物7が閉塞することも有り得る。したがって、下部1
Bで流下速度1メートル/時間を保持することは重要で
ある。下部1Bでの流下速度は、第1水槽1に投入され
た炭酸カルシウム鉱物7とエアーリフトポンプ5の能力
とによって決定される。第1水槽1に投入するべき炭酸
カルシウム鉱物7の量は、第1水槽1の全体容積の約1
0%程度を目安にすればよい。
【0099】また、第1水槽1の下部1B内の下方で微
生物が繁殖し過ぎて炭酸カルシウム鉱物7が閉塞しない
ように、エアーリフトポンプ5でもって、炭酸カルシウ
ム鉱物7を適度に吸い上げて上部1Aに循環させるよう
にしている。つまり、第1水槽1の下部1Bに集まった
炭酸カルシウム鉱物7は、エアーリフトポンプ5によっ
て空気気泡10と一緒に上部1Aに移送される。炭酸カ
ルシウム鉱物7は、比重が2.7であるが粒径が0.5mm
以下なので、水中では比較的流動し易い物質である。
【0100】そして、上部1Aでは、炭酸カルシウム鉱
物7は、上部1A内を曝気する散気管2が吐き出す気泡
10とエアーリフトポンプ5の吸引による水流とによっ
て、効率的に流動されて撹拌される。そして、炭酸カル
シウム鉱物7は、傾斜壁1A‐1に案内されるようにし
て、上部1Aから次第に下部1Bに向かって下降し、
「あまり流動しない炭酸カルシウム鉱物部4」に移動す
る。このゆっくりと下降した炭酸カルシウム鉱物7は、
再びエアーリフトポンプ5にて吸い上げられ、気泡10
と一緒に下部1Bから上部1Aへと移動する。このよう
にして、上記炭酸カルシウム鉱物7は排水と一緒に第1
水槽1内を何度となく流動循環する。
【0101】この第1形態では、充填材として粒径0.
5mm以下の炭酸カルシウム鉱物7を採用した。したがっ
て、炭酸カルシウム鉱物7は、反応のための表面積が全
体として大きく、かつエアーリフトポンプ5でもって容
易にくみ上げることができる。さらには、上部1Aでの
散気管2Aの曝気との平衡関係を維持し易い。この平行
関係とは、炭酸カルシウム鉱物7が速やかに沈降せず
に、曝気によって流動状態が常に維持されている状態で
ある。このため、第1水槽1内には、広い範囲にわたっ
て、炭酸カルシウム鉱物7の流動状態が形成されてい
る。
【0102】なお、被処理水が第1水槽1の上部1Aと
下部1Bに滞留する時間は、フッ素濃度と界面活性剤の
流入濃度によって決定すべきであるが、フッ素濃度が3
0〜300ppmであり、界面活性剤や有機溶剤のCOD
濃度が数ppm程度であることから判断して、安全係数も
含めて、上部1Aでの滞留時間を4時間以上にし、下部
1Bでの滞留時間を1時間以上にした。すなわち、第1
水槽1での被処理水の滞留時間を合計で5時間以上とし
た。
【0103】炭酸カルシウム鉱物は一般に市販されてお
り、炭酸カルシウム鉱物7の粒径は、各種存在している
から、炭酸カルシウム鉱物7として市販品を採用するこ
とが最も経済的である。炭酸カルシウム鉱物としては、
粒径1mmや0.5mmが最も安価であり、粒径が大きくな
るにしたがって単価が上昇する。したがって、反応効率
やコストを考えると、炭酸カルシウム鉱物の粒径を2mm
以下にすることが好ましい。炭酸カルシウム鉱物7の粒
径を2mm以上に大きくすると、第1水槽1での反応時間
を8時間以上にする必要があるから、粒径0.5mmの
炭酸カルシウム鉱物7を採用した場合に比較して、第1
水槽1を大きくする必要が生じて槽のイニシアルコスト
を増大させることとなる。
【0104】次に、被処理水はスクリーン8を通過して
上部1A内の上の側部である微生物汚泥撹拌部12に移
動する。このとき、大部分の炭酸カルシウム鉱物7はス
クリーン8でせき止められるが、微生物汚泥6はスクリ
ーン8を通過する。つまり、スクリーン8によって、炭
酸カルシウム鉱物7と微生物汚泥6とが分離される。し
かし、炭酸カルシウム鉱物7の中には、スクリーン8を
通過する比較的小さい炭酸カルシウム鉱物7や曝気撹拌
によって時間の経過とともに粒径が小さく変化した炭酸
カルシウム鉱物7も存在する。そして、この粒径が小さ
な炭酸カルシウム鉱物7はスクリーン8を通過する。
【0105】微生物汚泥撹拌部12内は、散気管2Bに
よって軽く曝気されている。この軽い曝気は、上記散気
管2Aによる強い曝気に比べて弱い曝気である。したが
って、上記弱い曝気によって、スクリーン8を通過した
炭酸カルシウム鉱物8は沈降するが、微生物汚泥6は流
動する。
【0106】そして、この微生物汚泥撹拌部12には、
ポリ塩化アルミニウムタンク49からのポリ塩化アルミ
ニウムが定量ポンプ48によって極微量だけ添加され
る。そして、スクリーン8を通過して撹拌部12に侵入
してきた微細なフッ化カルシウムは、上記極く微量のポ
リ塩化アルミニウムによって凝集されて大きなフロック
になる。ここでは、上記ポリ塩化アルミニウムの添加量
を数ppm以下にして、導電率の上昇を抑えて、被処理水
を超純水製造装置への原水として再利用できるようにし
ている。しかし、被処理水を超純水製造装置への原水と
して再利用しない場合には、上記ポリ塩化アルミニウム
の添加量を数ppm以上にしても良い。
【0107】上記フロックを形成することによって、撹
拌部12の中には化学的な無機汚泥50が形成される。
この無機汚泥50および上記微生物汚泥6は、比重が
2.7よりも低くて1に近いから、軽い曝気によって舞
い上がり、流出管9を経由して、第2水槽13に流入す
る。尚、ポリ塩化アルミニウムを第2水槽13ではなく
撹拌部12に添加する理由は、第2水槽13には急速撹
拌の機能がなく、ポリ塩化アルミニウムの凝集反応が円
滑に進行しないからである。
【0108】一方、スクリーン8を通過した小さい炭酸
カルシウム鉱物7は微生物汚泥撹拌部12で沈降して、
傾斜した傾斜壁1A‐1に沿って下降して、下部1Bに
向かって移動する。上記微生物汚泥撹拌部12での第2
ブロワー20からの吐出空気量は、第1水槽1の槽容量
1M3(立方メートル)について、1日当たり5M3以下で
良い。
【0109】次に、微生物汚泥撹拌部12から流出管9
に流出した無機汚泥50と微生物汚泥6を含む被処理水
は、第2水槽13に流入する。この第2水槽13は沈澱
槽であり、沈澱時間を3時間以上にしている。この第2
水槽13では、先すぼみの底部に沈降した無機汚泥50
と微生物汚泥6が、かき寄せ機14でもってかき寄せら
れて、無機汚泥50,微生物汚泥6と上澄液とが分離さ
れる。
【0110】ところで、この第1形態では、微生物汚泥
撹拌部12での沈澱時間を30分としている。従って、
微生物汚泥撹拌部12での沈殿時間は、第2水槽13で
の沈澱時間(3時間)に比べてかなり短い。したがって、
炭酸カルシウム鉱物7のような沈降性のよい物質は、微
生物汚泥撹拌部12から流出する可能性は少ない。しか
し、無機汚泥50や微生物汚泥6は汚泥撹拌部12から
流出する。つまり、微生物汚泥撹拌部12は、炭酸カル
シウム鉱物7と無機汚泥50と微生物汚泥6との混合物
から無機汚泥50と微生物汚泥6とを確実に分離して流
出管9に導くことができる。
【0111】そして、微生物汚泥撹拌部12に比べて、
第2水槽13での沈澱時間(3時間)は長いから、微生物
汚泥撹拌部12で沈降しなかった無機汚泥50と微生物
汚泥6が第2水槽(沈澱槽)13では沈降する。この沈降
した無機汚泥50と微生物汚泥6は第3水槽(濃縮槽)1
6に流入する。この濃縮槽16での滞留時間は10時間
以上であればよい。この濃縮槽16では、ポリ塩化アル
ミニウムやフッ化カルシウムを中心とした無機汚泥50
と微生物汚泥6とが時間をかけてゆっくりと濃縮され
る。ポリ塩化アルミニウム由来の無機汚泥50や微生物
汚泥6は、一般の消石灰などの薬品添加による無機性の
汚泥と比較して脱水性がよくない。したがって、この第
3水槽16で濃縮された汚泥をさらに、汚泥ポンプ17
によってフィルタープレス18に導入する。そして、こ
のフィルタープレス18によって上記濃縮汚泥を脱水す
る。フィルタープレス18は比較的脱水性の良い脱水機
である。フィルタープレス18の処理能力によって多少
変動があるが、含水率65%以下の脱水ケーキを得るこ
とが目標である。なお、このフィルタープレス18から
発生する汚泥量は、消石灰や凝集剤を多量に使用する従
来のフッ素処理方法に比べて、格段に少ない。
【0112】また、この第1形態では、第2水槽13内
部の被処理水のフッ素濃度が所定値よりも上昇すると、
第2水槽13の中に設置されたフッ素濃度計15と調節
計(図示せず)が信号伝達線21に信号を出力する。そ
して、この信号を受けた第1ブロワー19は、インバー
タ制御によって空気吐出量が増加させられる。すると、
散気管2および散気管22から吐出する空気量が増える
から、第1水槽1の上部1A内の曝気による撹拌および
上記エアーリフトポンプ5による槽内循環力が強力にな
る。その結果、強力な曝気と強力な循環によって、排水
中のフッ素と炭酸カルシウム鉱物7との化学反応が促進
されて、フッ化カルシウム化が促進され、被処理水中の
フッ素濃度が低下する。
【0113】ここで注目するべきことは、第1水槽1の
上部1Aでの反応と下部1Bでの反応である。通常は、
第1水槽1の上部1Aはエアーリフトポンプ5によって
流動撹拌されているから、上部1Aでは炭酸カルシウム
鉱物7と被処理水中のフッ素との化学的な反応処理がな
される。一方、第1水槽1の下部1Bでは、界面活性剤
や有機溶剤等の有機物に対する生物学的な処理がなされ
る。この第1水槽1の下部1Bでは、炭酸カルシウム鉱
物7は生物処理における固定化担体としての機能を有し
ている。時間が経過するにしたがって、流動中の炭酸カ
ルシウム鉱物7の表面に微生物が繁殖してくるので、こ
の炭酸カルシウム鉱物7はフッ素の除去能力が低下して
くる。すると、沈澱槽である第2水槽13での被処理水
のフッ素濃度が上昇し、このフッ素濃度上昇を検出した
フッ素濃度計15からの信号によって第1ブロワー19
のインバータ制御がなされて、散気管2Aによる強力曝
気とエアーリフトポンプ5による強力循環とが実行され
る。これにより、第1水槽1の炭酸カルシウム鉱物7
は、下部1Bでの滞留時間が1時間以下になるから、第
1水槽1にある炭酸カルシウム鉱物7の大部分がフッ素
の分解に役立てられることになる。尚、この第1形態に
おいて、フッ素排水中の有機物濃度が通常よりも高い場
合には、第1水槽1内の循環回数が1回/時間以下にな
り、下部1Bの炭酸カルシウム鉱物7に微生物が通常よ
りも多く繁殖して、有機物処理能力が増大する。また、
上記第1形態では、散気管2Aから吐出させる空気量を
上部1Aの容積1立方メートルについて1日当たり12
0m3にしたときには、上部1Aでの被処理水の滞留時
間を4時間以上にしたが、散気管2Aから吐出させる空
気量を(200m3以上/日/上部1Aの容積(m3))に
したときには、図10の欄に示すように、上部1Aで
の滞留時間を1時間にして循環回数を多くすれば被処理
水を確実に処理することができる。なお、図10の欄
にフッ素濃度が通常よりも高い時のタイミングチャート
を示す。
【0114】また、上述したように、エアーリフトポン
プ5の散気管22から吐出されるエアー量によって、下
部1Bでの滞留時間を設定できる。つまり、上記エアー
量を小さくすれば、下部1Bでの滞留時間は長くなり、
微生物処理能力が増大する一方フッ素処理能力は減少す
る。このように、散気管22から吐き出されるエアー量
を増減することによって、(フッ素処理能力/微生物処
理能力)を増減させることができる。
【0115】〔第2形態〕次に、図2に、この発明の排
水処理装置の第2の実施の形態を示す。この第2の形態
は、図1に示した第1形態の第2水槽(沈澱槽)13から
第1水槽1の上部1Aに、汚泥を返送する汚泥返送管3
3を備えている点だけが、第1形態と異なる。従って、
この第2形態では、第1形態と異なる点を重点的に説明
する。
【0116】上記汚泥返送管33にはポンプ35が取り
付けられている。そして、このポンプ35を運転するこ
とによって、第2水槽13で沈殿した無機汚泥50およ
び微生物汚泥6は、汚泥返送管33を通って、第1水槽
1の上部1Aの排水面上に散水される。この第1水槽1
の上部1Aに返送された無機汚泥50は主として水酸化
アルミニウムのフロックであるから、被処理水中のフッ
素の処理に役立つ。また、上部1Aに返送された微生物
汚泥6は被処理水中の有機物の処理に役立つ。
【0117】このように、この第2形態では、第2水槽
13で沈澱した無機汚泥50と微生物汚泥6を第1水槽
1の上部1Aに返送することによって、第1水槽1での
無機汚泥濃度と微生物濃度を上昇させて、より合理的に
フッ素と有機物の処理効果を高めている。
【0118】〔第3形態〕次に、図3に、この発明の第
3形態を示す。この第3形態は、第2水槽13からの被
処理水が導入される濾過装置23と逆浸透膜装置24と
超純水製造装置25とを備えた点だけが、図1の第1形
態と異なる点である。したがって、この第3形態は、第
1形態と異なる点を重点的に説明する。
【0119】この第3形態は、有機物含有フッ素排水か
ら超純水を製造できるようにしたものである。第2水槽
13からの多少の浮遊物を含む被処理水は、濾過装置2
3によって濾過されて浮遊物が除去される。濾過装置2
3の濾過材としてはアンスラサイトを用いた。
【0120】次に、濾過された被処理水は、逆浸透膜装
置24によって、溶解しているイオンと有機物と含有し
ている微生物などまで確実に除去される。逆浸透膜装置
24は、もちろん、一般的な殺菌ユニットおよびPH調
整ユニットと逆浸透膜保護のための精密フィルターなど
を有している。
【0121】そして、この逆浸透膜装置24からは、P
H、フッ素等のイオン、有機物、浮遊物、導電率等が確実に
処理された処理水を得ることができる。したがって、こ
の処理水を、従存の超純水製造装置25に導入すること
によって、超純水を得ることができる。
【0122】〔第4形態〕次に、図4にこの発明の第4
形態を示す。この第4形態は、上記第2形態と上記第3
形態とを組み合わせたものである。すなわち、この第4
形態が図1の第1形態と異なる点は、第2水槽13か
ら第1水槽1の上部1Aに汚泥を返送する汚泥返送管3
3を備えている点と、第2水槽13からの被処理水が
導入される濾過装置23と逆浸透膜装置24と超純水製
造装置25とを備えた点の2点だけである。
【0123】従って、この第4形態は、上記第3形態と
同様に超純水を得ることができることはもちろん、第2
形態と同様に第1水槽1での排水処理効率を第1形態よ
りも向上できるから、第3形態よりも超純水製造能力を
向上させることができる。
【0124】〔実験例〕次に、具体的な実験例を説明す
る。具体的な有機物含有フッ素排水の処理実験例とし
て、例えば、図1に示した有機物含有フッ素排水の処理
装置と同じ構造の処理装置を使用する。この処理装置で
は、第1水槽1の容量を約1.6立方メートルとし、微
生物汚泥撹拌部12の容量を約0.1立方メートルと
し、第2水槽13の容量を約0.4立方メートルとし、
第3水槽(濃縮槽)16の容量を約0.3立方メートルと
した。
【0125】この実験において、処理前のPHが6.4
であり、フッ素濃度が163ppmであり、有機物として
のTOCが6.1ppmであるフッ素及び界面活性剤や有機
溶剤等の有機物を含んだ排水を処理した。この排水を上
記処理装置でもって処理した結果、PHを7.4にで
き、フッ素濃度を6ppm以下(処理前の約27分の1)に
でき、TOCを1.5ppm(処理前の約4分の1)にでき
た。
【0126】次に、いま1つの実験例を説明する。この
実験例では、図3に示した有機物含有フッ素排水の再利
用装置と同じ構造の処理装置を使用して、有機物含有フ
ッ素排水の処理実験を行った。この処理装置では、第1
水槽1の容量を約1.6立方メートルとし、微生物汚泥
撹拌部12の容量を約0.1立方メートルとし、第2水
槽13の容量を約0.4立方メートルとし、濃縮槽16
の容量を約0.3立方メートルとし、濾過装置23の容
量を約0.3立方メートルとし、逆浸透膜装置24を1
ユニットとした。
【0127】この実験において、、処理前のPHが6.
2であり、フッ素濃度が166ppmであり、有機物とし
てのTOCが6.2ppmであり、導電率が134μs/cmで
ある有機物含有フッ素排水を処理した。この排水を上記
処理装置でもって処理した結果、超純水製造装置25へ
の再利用水の水質として、PHを7.3にでき、フッ素
濃度を0.5ppm(処理前の332分の1)以下にでき、T
OCを0.5(処理前の約12分の1)ppm以下にでき、導
電率を26μs/cm(処理前の約5分の1)以下にすること
ができた。
【0128】次に、この発明の排水処理装置としての有
機物含有過酸化水素排水の処理装置を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0129】〔第5形態〕図6に、この第5形態の有機
物含有過酸化水素排水の処理装置を示す。この第5形態
は、排水中の界面活性剤や有機溶剤等の有機物と過酸化
水素とを1つの水槽で、巧みにかつ合理的に処理できる
排水処理装置である。
【0130】この排水処理装置は、活性炭を比較的強
い流動状態の基で過酸化水素分解のための触媒として利
用して過酸化水素の除去に役立てる点と、この活性炭
を比較的弱い流動状態の基での吸着能力を利用して有機
物を吸着する点と、活性炭を比較的弱い流動状態の基
で微生物の固定化担体として利用して有機物分解に役立
てる点とを主たる処理原理とし、さらに、この,,
の異なる処理を1つの第1水槽1で実行するものであ
る。以下に説明するように、この第5形態は、過酸化水
素と界面活性剤や有機溶剤等の有機物との両方を三次元
的に合理的に処理可能な処理装置である。
【0131】したがって、この第5形態は、建設費が低
いことはもちろん、ランニングコストおよびメンテナン
スコストの低い画期的な有機物含有過酸化水素排水の処
理装置である。
【0132】図6に示すように、この第5形態が、図1
に示した第1形態の排水処理装置と異なる点は、第1水
槽1に炭酸カルシウム鉱物7に替えて活性炭107が導
入されている点と、第1水槽1にフッ素排水に替えて過
酸化水素排水が導入される点と、ポリ塩化アルミニウム
タンク49を有していない点と、フッ素濃度計15に替
えて酸化還元電位計115を第2水槽13に設置した点
との4つの点だけである。したがって、この第5形態
は、第1形態と異なっている点を重点的に説明する。ま
た、第1形態と同じ部分には同じ番号を付することとす
る。
【0133】また、この排水処理装置の各水槽での滞留
時間を、図9に示す。図9の欄には、通常の過酸化水
素濃度のときのタイミングチャートを示し、欄には過
酸化水素濃度が通常よりも高いときのタイミングチャー
トを示す。以下の動作説明においてこのタイミングチャ
ートを併せて参照すれば動作を理解し易い。
【0134】この構成の第5形態は、まず、排水導入管
11から第1水槽1の下部1Bの底部に過酸化水素排水
が導入される。この過酸化水素排水は有機物を含んでい
る。そして、第1ブロワー19の稼働によって、散気管
2Aから上部1Aの中に曝気空気が導入される。この曝
気空気によって、上部1A内の排水が曝気されて撹拌さ
れると同時に強く流動させられる。また、同時に、エア
ーリフトポンプ用散気管22がエアーを吹き出して、エ
アーリフトポンプ5が稼働し、下部1Bの底部付近にあ
る排水が粒状の活性炭107および気泡10と一緒に上
方へ導かれる。この上方へ導かれた排水と活性炭107
と気泡10は、エアーリフトポンプ5によって上部1A
の上方から排水水面に向かって散水される。この第1水
槽1において、上部1Aの排水と活性炭107は散気管
2Aによって強く曝気されているから強い流動状態にあ
る。一方、下部1Bの排水と活性炭107は、散気管に
よる直接の曝気にさらされない。したがって、上部1A
から下部1Bに流入した活性炭107は、自重でもって
自然に下降してエアーリフトポンプ5の下端に向かう。
そして、このエアーリフトポンプ5の下端に至った活性
炭107は、エアーリフトポンプ5の最下端のラッパ状
に開いた部分から吸い込まれて上方に移動する。したが
って、エアーリフトポンプ5の外側の下部1Bの中の領
域では、活性炭107は、上部1A内に比べて弱い流動
状態にある。
【0135】すなわち、上部1Aでは、上記活性炭10
7は強流動でもって排水と盛んに接触することによっ
て、触媒反応による排水中の過酸化水素の分解が促進さ
れる。したがって、この活性炭107の触媒反応によっ
て、排水中の過酸化水素を分解することができる。活性
炭107は、傾斜壁1A‐1に案内されるように徐々に
下降して下部1Bに向かって移動する。この下部1Bで
は、散気管2Aによる強い曝気はないから、上記活性炭
107は、上部1Aでの活性炭107に比べて弱い流動
状態であり、ゆっくりと下降する。そして、下部1Bの
最下端付近で上記活性炭107はエアーリフトポンプ5
によって吸い込まれて、空気の気泡10および排水と一
緒に上方に向かって移動する。この下部1Bでは、上記
活性炭107は弱い流動状態であるから、時間経過にし
たがって上記活性炭107には比較的容易に微生物が発
生して繁殖し固定化される。この活性炭107の表面に
繁殖した微生物は、排水つまり被処理水が含んでいる界
面活性剤などの有機物を生物学的反応でもって処理する
ことができる。さらには、上記活性炭107に繁殖した
微生物は、上記エアーリフトポンプ5内での散気管22
による曝気によって剥離される。したがって、このエア
ーリフトポンプ5を通って、上部1A内に戻された活性
炭107は、微生物による閉塞が解消された状態になっ
て生物学的な処理機能がなくなって、再び排水中の過酸
化水素との触媒反応および有機物を吸着する作用が活発
に行われる。
【0136】ところで、このエアーリフトポンプ5内で
は過酸化水素を処理する1次の作用(すなわち活性炭1
07の触媒反応による排水中の過酸化水素の分解)は、
ある程度しか期待できない。その理由は、エアーリフト
配管内の活性炭107の濃度は格段に高濃度であるもの
の、エアーリフト配管内を活性炭107が空気とともに
移動する時間が数秒であり、エアーリフトポンプ5内で
の活性炭107の滞留時間が秒単位と極端に短いからで
ある。エアーリフトポンプ5内での曝気の主たる作用
は、あくまでも、微生物を活性炭107の表面から剥離
させることであり、排水中の過酸化水素と微生物が剥離
した活性炭107とを混合させて活性炭107に触媒反
応させることは副次的な作用である。
【0137】エアーリフトポンプ5によって微生物が剥
離されて吸い上げられた活性炭107と排水(被処理水)
は、エアーリフトポンプ5内の曝気によって、酸素が補
給される。さらには、上記被処理水は、エアーリフトポ
ンプ5の出口から上部1Aに落下するときの曝露によっ
て、酸素と空気中の微生物が供給される。
【0138】なお、エアーリフトポンプ5内において、
排水中の過酸化水素によって活性炭107の表面の微生
物がある程度殺菌されるが、活性炭107の内部の微生
物までもが殺菌されるわけではない。したがって、活性
炭107の内部の微生物は生き延びることができる。
【0139】そして、上部1Aにおいては、散気管2A
から吐出する空気によって、微生物が剥離された活性炭
107と被処理水とが流動状態で充分に接触反応する。
これにより、排水中の過酸化水素がより確実に分解され
て酸素ガスと水とになる。
【0140】上記散気管2Aから吐出させる空気量は、
上部1Aの容積1立方メートルについて、1日当たり1
20M3(立方メートル)以上にすることが望ましい。上
記吐出空気量が少ないと、活性炭107を、確実な強い
流動状態にすることができない。上記散気管2Aが吐出
する空気は、第1ブロワー19から空気配管3Aを経由
して供給される。
【0141】また、上部1Aを構成している部分は下の
方向に向かって先細形状になっているから、活性炭10
7は上記先細形状の部分に沿って自然と下部1Bに集ま
り、下部1Bでの活性炭107の濃度が上部1Aでの活
性炭107の濃度よりも高くなる。また、上部1Aの槽
容積は、下部1Bの槽容積に比べて格段に大きいので、
下部1Bに沈降した活性炭107は高濃度に濃縮され
る。
【0142】ところで、この第1水槽1の上部1Aは、
過酸化水素の分解処理と有機物の分解処理の両方を行
い、かつ、下部1Bも過酸化水素の分解処理と有機物の
分解処理の両方を行う。したがって、基本的には、上部
1Aの容積と下部1Bの容積とは同等とするのがよい
が、有機物の含有量が多い場合には下部1Bの容積を上
部1Aの容積よりも大きくするのがよく、過酸化水素の
含有量が多い場合には上部1Aの容積を下部1Bの容積
よりも大きくするのがよい。
【0143】第1水槽1の上部1Aでの被処理水の滞留
時間は1時間以上であれば、確実に過酸化水素を分解で
きる。上部1Aにおいては排水中の過酸化水素によって
浮遊している微生物が殺菌されるが、活性炭7内部の微
生物まで完全に殺菌されるわけではない。すなわち、活
性炭107の表面は過酸化水素を分解するための触媒と
しての役割を果たし、活性炭107の内部は微生物温存
のための「微生物のすみか」としての役目を果たす。した
がって、上部1Aにおいて、活性炭107は、内部に微
生物を温存しつつ、充分な滞留時間によって過酸化水素
を確実に分解する。そして、過酸化水素が分解された被
処理水は、自然と下部1Bに導入される。
【0144】下部1Bの中の上方領域では、活性炭10
7はあまり流動せず、ゆるやかな流動状態(弱流動状態)
である。このあまり流動しない活性炭107によって、
有機物を物理学的に吸着する効果がある。また、このあ
まり流動しない活性炭107は、上記活性炭107の内
部に温存されて生息していた微生物が繁殖するのに好適
である。この下部1Bの中の上方領域では、微生物が被
処理水中の有機物を栄養源として活発に繁殖する。下部
1Bでの被処理水の流下速度は、1時間あたり1メート
ルを基準とすれば良い。この流下速度は、通常の水処理
における活性炭吸着塔での流下速度と同様である。した
がって、この速度で流下する活性炭107は有機物を物
理学的に吸着することができるのはもちろん、この速度
で流下する活性炭107には微生物が充分に繁殖するこ
とができる。有機物の濃度によっても異なるが、水処理
における流下速度1メートル/時間の条件では、実際、
微生物が良く繁殖する。
【0145】ところで、被処理水中の有機物濃度によっ
ても異なるが、下部1Bでの流下速度を1メートル/時
間よりも大幅に遅くすると、下部1Bで活性炭107が
閉塞することも有り得る。したがって、下部1Bで流下
速度1メートル/時間を保持することは重要である。下
部1Bでの流下速度は、第1水槽1に投入された活性炭
107とエアーリフトポンプ5の能力とによって決定さ
れる。第1水槽1に投入するべき活性炭107の量は、
第1水槽1の全体容積の約20%程度を目安にすればよ
い。
【0146】また、第1水槽1の下部1B内の下方で微
生物が繁殖し過ぎて活性炭107が閉塞しないように、
エアーリフトポンプ5でもって、活性炭107を適度に
吸い上げて上部1Aに循環させるようにしている。つま
り、第1水槽1の下部1Bに集まった活性炭107は、
エアーリフトポンプ5によって空気気泡10と一緒に上
部1Aに移送される。活性炭107は、比重が1以上で
あるが、水中では比較的流動し易い物質である。
【0147】そして、上部1Aでは、活性炭107は、
上部1A内を曝気する散気管2Aが吐き出す気泡10と
エアーリフトポンプ5の吸引による水流とによって、効
率的に流動されて撹拌される。そして、活性炭107
は、傾斜壁1A‐1に案内されるようにして、上部1A
から次第に下部1Bに向かって下降し、「あまり流動し
ない活性炭部104」に移動する。このゆっくりと下降
した活性炭107は、再びエアーリフトポンプ5にて吸
い上げられ、気泡10と一緒に下部1Bから上部1Aへ
と移動する。このようにして、上記活性炭107は排水
(被処理水)と一緒に第1水槽1内を何度となく流動循環
する。このように、活性炭107は、微生物の繁殖と剥
離とが繰り返されて、1つの同じ活性炭107が、ある
ときは過酸化水素の分解を行い、別のときには有機物の
吸着,分解を行う。
【0148】活性炭107は、上部1Aでの散気管2A
の曝気との平衡関係を維持し易い。この平行関係とは、
活性炭107が速やかに沈降せずに、曝気によって流動
状態が常に維持されている状態である。このため、第1
水槽1内には、広い範囲にわたって、活性炭107の流
動状態が形成されている。この形態では、活性炭107
として、粒状活性炭を採用した。
【0149】なお、被処理水が第1水槽1の上部1Aと
下部1Bに滞留する時間は、過酸化水素濃度と界面活性
剤の流入濃度によって決定すべきであるが、過酸化水素
濃度が30〜500ppmであり、界面活性剤や有機溶剤
のCOD濃度が数ppm程度であることから判断して、安
全係数も含めて、上部1Aでの滞留時間を1時間以上に
し、下部1Bでの滞留時間を1時間以上にした。すなわ
ち、第1水槽1での被処理水の滞留時間を合計で2時間
以上とした。
【0150】もちろん、この場合、上部1Aの容積と下
部1Bの容積とを同じに設定している。
【0151】次に、被処理水はスクリーン8を通過して
上部1A内の上の側部である微生物汚泥撹拌部12に移
動する。このとき、大部分の活性炭107はスクリーン
8でせき止められるが、微生物汚泥6はスクリーン8を
通過する。つまり、スクリーン8によって、活性炭10
7と微生物汚泥6とが分離される。しかし、活性炭10
7の中には、スクリーン8を通過する比較的小さい活性
炭107や曝気撹拌によって時間の経過とともに粒径が
小さく変化した活性炭107も存在する。そして、この
粒径が小さな活性炭107はスクリーン8を通過する。
【0152】微生物汚泥撹拌部12内は、散気管2Bに
よって軽く曝気されている。この軽い曝気は、上記散気
管2Aによる強い曝気に比べて弱い曝気である。したが
って、上記弱い曝気によって、スクリーン8を通過した
活性炭107は沈降するが、微生物汚泥6は流動する。
撹拌部12の微生物汚泥6は、比重が1に近いから、軽
い曝気によって舞い上がり、流出管9を経由して、第2
水槽13に流入する。
【0153】一方、スクリーン8を通過した小さい活性
炭107は微生物汚泥撹拌部12で沈降して、傾斜した
傾斜壁1A‐1に沿って下降して、下部1Bに向かって
移動する。上記微生物汚泥撹拌部12での第2ブロワー
20からの吐出空気量は、第1水槽1の槽容量1M3(立
方メートル)について、1日当たり5M3(立方メートル)
以下で良い。
【0154】次に、微生物汚泥撹拌部12から流出管9
に流出した微生物汚泥6を含む被処理水は、第2水槽1
3に流入する。この第2水槽13は沈澱槽であり、沈澱
時間を3時間にしている。この第2水槽13では、先す
ぼみの底部に沈降した微生物汚泥6が、かき寄せ機14
Aでもってかき寄せられて、微生物汚泥6と上澄液とが
分離される。
【0155】ところで、この第5形態では、図9に示す
ように、微生物汚泥撹拌部12での沈澱時間を30分と
している。したがって、微生物汚泥撹拌部12での沈殿
時間は、第2水槽13での沈澱時間(3時間)に比べてか
なり短い。したがって、活性炭107のような沈降性の
よい物質は、微生物汚泥撹拌部12から流出する可能性
は少ない。しかし、微生物汚泥6は汚泥撹拌部12から
流出する。つまり、微生物汚泥撹拌部12は、活性炭1
07と微生物汚泥6との混合物から微生物汚泥6を確実
に分離して流出管9に導くことができる。
【0156】そして、微生物汚泥撹拌部12に比べて、
第2水槽13での沈澱時間が3時間と長いから、微生物
汚泥撹拌部12で沈降しなかった微生物汚泥6が第2水
槽13では沈降する。この沈降した微生物汚泥6は濃縮
槽である第3水槽16に流入する。微生物汚泥6は、一
般の消石灰などの薬品添加による無機性の汚泥と比較し
て脱水性がよくない。したがって、この第3水槽16で
濃縮された汚泥をさらに、汚泥ポンプ17によってフィ
ルタープレス18に導入する。そして、このフィルター
プレス18によって上記濃縮汚泥を脱水する。
【0157】また、この第5形態では、第2水槽13内
部の被処理水の酸化還元電位が所定値よりも上昇する
と、第2水槽13の中に設置された酸化還元電位計11
5と調節計(図示せず)が信号伝達線21に信号を出力す
る。そして、この信号を受けた第1ブロワー19は、イ
ンバータ制御によって空気吐出量が増加させられる。す
ると、散気管2および散気管22が吐出する空気量が増
えるから、第1水槽1の上部1A内の曝気による撹拌お
よび上記エアーリフトポンプ5による槽内循環力が強力
になる。その結果、強力な曝気と強力な循環によって、
排水中の過酸化水素に対する活性炭107の触媒反応が
促進されて、過酸化水素の分解が促進され、被処理水中
の過酸化水素濃度が低下する。
【0158】第1水槽1の上部1Aでの反応と下部1B
での反応とに注目すると、通常は、上部1Aとエアーリ
フトポンプ5内の活性炭107は、過酸化水素の分解に
おける触媒として機能する。一方、下部1Bの活性炭1
07は、界面活性剤や有機溶剤等の有機物に対する物理
学的な吸着機能と微生物処理における固定化担体として
の機能とを有している。
【0159】そして、運転時間の経過にしたがって、第
1水槽1全体に亘って流動している活性炭107の表面
にも微生物が繁殖してくる。すると、活性炭107が過
酸化水素を分解する能力が低下してくる。この場合、沈
澱槽13の過酸化水素濃度が上昇するので、上記したよ
うに、第1ブロワー19の吐出量がインバータ制御され
て、強力曝気と強力循環が実行される。すると、活性炭
107が下部1Bに滞留する時間が1時間以下になるか
ら、第1水槽1の大部分の活性炭107を過酸化水素分
解に役立てることができ、上部1Aでの活性炭107に
よる過酸化水素の分解を促進できる。尚、この第5形態
において、過酸化水素排水中の有機物濃度が通常よりも
高い場合には、水槽1内の循環回数が1回/時間以下に
なり、下部1Bの活性炭107に微生物が通常よりも多
く繁殖して、有機物処理能力が増大する。
【0160】〔第6形態〕次に、図7に、この発明の排
水処理装置の第6形態を示す。この第6形態は、第2水
槽13からの被処理水が導入される濾過装置23と逆浸
透膜装置24と超純水製造装置25とを備えた点だけ
が、図6の第5形態と異なる点である。したがって、こ
の第6形態は、第5形態と異なる点を重点的に説明す
る。
【0161】この第6形態は、有機物含有過酸化水素排
水から超純水を製造できるようにしたものである。第2
水槽13からの多少の浮遊物を含む被処理水は、濾過装
置23によって濾過されて浮遊物が除去される。濾過装
置23の濾過材としてはアンスラサイトを用いた。
【0162】次に、濾過された被処理水は、逆浸透膜装
置24によって、溶解しているイオンと有機物と含有し
ている微生物などまで確実に除去される。逆浸透膜装置
24は、もちろん、一般的な殺菌ユニットおよびPH調
整ユニットと逆浸透膜保護のための精密フィルターなど
を有している。
【0163】そして、この逆浸透膜装置24からは、P
H、フッ素等のイオン、有機物、浮遊物、導電率等が確実に
処理された処理水を得ることができる。したがって、こ
の処理水を、従存の超純水製造装置25に導入すること
によって、超純水を得ることができる。
【0164】〔第7形態〕次に、図8にこの発明の第7
形態を示す。この第7形態は、図6に示した第5形態の
第2水槽13から第1水槽1の上部1Aに、汚泥を返送
する汚泥返送管33を備えている点だけが、第5形態と
異なる。したがって、この第7形態では、第5形態と異
なる点を重点的に説明する。
【0165】上記汚泥返送管33にはポンプ35が取り
付けられている。そして、このポンプ35を運転するこ
とによって、第2水槽13で沈殿した微生物汚泥6は、
汚泥返送管33を通って、第1水槽1の上部1Aの排水
面上に散水される。この第1水槽1の上部1Aに返送さ
れた微生物汚泥6は被処理水中の有機物の処理に役立
つ。
【0166】このように、この第7形態では、第2水槽
13で沈澱した微生物汚泥6を第1水槽1の上部1Aに
返送することによって、第1水槽1での微生物濃度を上
昇させて、より合理的に有機物の処理効果を高めてい
る。
【0167】尚、上記第1,第2,第3,第4および第5,
第6,第7形態の第1水槽1の形状は、図に示した形状
に限らず、漏斗形状であってもよい。さらには、図12
に示すように、側壁間寸法が深さ方向に一定な形状であ
ってもよい。この場合には、水槽の製作が容易になる上
に据え付けが容易である。もっとも、この場合には、下
部での反応充填物の密度が幾分低下する。
【0168】この図12に示した形態は、図2に示した
第2形態の第1水槽上部1Aと下部1Bとは構造が異な
る上部101Aと下部101Bを備え、かつ、図2のエ
アーリフトポンプ5に替えて4本のエアーリフトポンプ
105を備えている点だけが、上記第2形態を異なる。
したがって、第2形態と同じ部分には同じ参照番号を付
して、第1水槽101に関して重点的に説明する。
【0169】この第1水槽101においても、散気管1
02Aと102Bと102Cと102Dと102Eとが
吐き出す空気によって、上部101Aでは、フッ素を含
んだ排水と炭酸カルシウム鉱物7とが強く流動撹拌され
ている。一方、下部101Bでは曝気による流動が無く
て、炭酸カルシウム鉱物7は自然沈降するから、下方領
域ほど炭酸カルシウム鉱物7の密度が高くなっている。
【0170】したがって、上部101Aでは炭酸カルシ
ウム鉱物7が強く流動して、化学反応によって、排水中
のフッ素を除去する一方、下部101Bでは高密度に存
在するゆっくりと流動している炭酸カルシウム鉱物7に
繁殖した微生物によって排水中の有機物(界面活性剤や
有機溶剤)を効率良く処理することができる。
【0171】また、この第1水槽101は、図12に示
したように、上部101Aの横幅と下部101Bの横幅
とが略等しいから、図2に示したような下すぼみ形状の
水槽1に比べて、設置し易い上に設置スペースを有効に
活用できる利点がある。また、この水槽101は上記下
すぼみ形状の水槽に比べて、製作が容易であるという利
点もある。尚、この第1水槽101では、エアーリフト
ポンプ105を4本設置したが、排水の量や排水の滞留
時間に応じて、この設置本数を増減させてもよい。もっ
とも、図12に示したように、第1水槽101の底面に
エアーリフトポンプ105を均等に並べて、被処理水お
よび炭酸カルシウム鉱物7を槽内に均等に循環させるよ
うにすることが望ましい。
【0172】〔実験例〕次に、具体的な実験例を説明す
る。例えば、図6に示した有機物含有過酸化水素排水の
処理装置と同じ構造の処理装置を、第1水槽1の容量を
約1.6m3とし、微生物汚泥撹拌部12の容量を約0.
1m3とし、沈澱槽13の容量を約0.4m3とし、濃縮槽
16の容量を約0.3m3とした。
【0173】この実験において、処理前のpHが6.1
であり、過酸化水素濃度が112ppmであり、有機物と
してのTOCが5.2ppmである過酸化水素および界面
活性剤や有機溶剤等の有機物を含んだ排水を処理した。
この排水を上記処理装置でもって処理した結果、処理後
の排水のpHを7.2にでき、過酸化水素濃度を1ppm以
下にでき、TOCを1.2ppmにすることができた。つ
まり、この実験によって、排水の過酸化水素の濃度を1
00分の1以下にでき、TOCの濃度を4分の1以下に
することができた。
【0174】次に、もう1つの実験を説明する。この実
験では、図7に示した有機物含有過酸化水素排水の再利
用装置と同じ構造の再利用装置を使用する。そして、第
1水槽1の容量を約1.6m3とし、微生物汚泥撹拌部1
2の容量を約0.1m3とし、沈澱槽13の容量を約0.
4m3とし、濃縮槽16の容量を約0.3m3とした。ま
た、濾過装置23の容量を約0.3m3とし、逆浸透膜装
置24を1ユニットとした。
【0175】この実験において、処理前のpHが6.2
であり、過酸化水素濃度が126ppmであり、有機物
としてのTOCが5.8ppmであり、導電率が128
μs/cmである有機物含有過酸化水素排水を処理した。
そして、この排水を上記装置で処理した結果、超純水製
造装置25への再利用水の水質は、pHを7.3にで
き、過酸化水素濃度を0.5ppm以下にでき、TOCを
0.5ppm以下にでき、導電率を22μs/cm以下にする
ことができた。すなわち、この実験によれば、過酸化水
素濃度を250分の1以下にすることができ、TOCを
10分の1以下にすることができた。
【0176】〔第8形態〕次に、図5にこの発明の排水
処理装置の第8の実施の形態を示す。この第8形態は、
化学反応流動槽201と生物反応流動槽210と沈澱槽
216と汚泥濃縮槽219を備えている。さらに、この
第8形態は、ピット222とフィルタープレス221と
濾過器224とを有している。
【0177】上記化学反応流動槽201は、上部201
Aと下部201Bとを有している。この上部201A
は、側壁間距離が略一定で上に開口しているストレート
部201A‐1とこのストレート部201A‐1から下に
連なっていて下方に向かって先細になっている先細部2
01A‐2とを有している。この先細部201A‐2は傾
斜壁233を有している。また、上記下部201Bは、
側壁間距離が上記ストレート部201A‐1の側壁間距
離の約4分の1である細長い管形状である。
【0178】この化学反応流動槽201内に、エアーリ
フトポンプ205Aが配置されている。このエアーリフ
トポンプ205Aは、下部201Bの底部付近から上方
に向かって真っすぐに延びていて、上部201Aを貫通
してストレート部201A‐1の上で水平に屈曲してい
る。そして、この屈曲して水平になった部分は端部で垂
直下方に屈曲して、ストレート部201A‐1の中程ま
で延びている。
【0179】また、上記上部201Aの先細部201A
‐2の傾斜壁233に沿って、曝気撹拌用の散気管20
2Aが配置されている。この散気管202Aは、第1ブ
ロワー226に接続されている。また、上記エアーリフ
トポンプ205Aの下端部内には散気管202Bが配置
されている。この散気管202Bは第1ブロワー226
に接続されている。
【0180】また、上記上部201Aのストレート部2
01A‐1の上下方向の略中央に位置している側壁に、
流出管入口209Aが形成されている。そして、この入
口209Aの中に遮蔽板213が配置されている。そし
て、この流出管入口209Aはバルブ215を介して流
出管出口214Aに連なっている。この出口214A
は、生物反応流動槽210の上部210Aに連通してい
る。
【0181】生物反応流動槽210は、上記上部210
Aと下部210Bを有している。上部210Aはストレ
ート部210A‐1とこのストレート部210A‐1の
下端から下方に連なっている先細部210A‐2とを有
している。この先細部210A‐2は下方に向かって先
細になっており、傾斜壁243を有している。また、上
部210Aは、分離板244によって区画されている分
離部212を有している。
【0182】先細部210A‐2の下端には、下部21
0Bが連なっている。この下部210Bは上記ストレー
ト部210A‐1の幅の約4分の1の幅の狭いストレー
ト形状になってる。そして、この生物反応流動槽210
内にもエアーリフトポンプ205Bが配置されている。
このエアーリフトポンプ205Bは、上記下部210B
から上部210Aの上まで真っすぐに延びていて、上端
が鉤形に屈曲している。そして、この鉤形状部分の下端
は上部210Aのストレート部210A‐1内に所定寸
法だけ入り込んでいる。また、上部210Aの傾斜壁2
43に沿って曝気撹拌用の散気管202Cが配置されて
いる。この散気管202Cは第1ブロワー226に接続
されている。また、上記エアーリフトポンプ205Bの
下端部内に配置されている散気管202Dも上記第1ブ
ロワー226に接続されている。また、上記分離部21
2の底部には散気管228が配置されている。この散気
管228は第2ブロワー227に接続されている。そし
て、上記分離部212の上下方向の中程よりもやや上に
位置している側壁には流出管入口209Bが形成されて
いる。この流出管入口209Bは水平管を経て垂直な流
出管出口214Bに連なっている。この出口214Bは
沈澱槽216内に上方から下方に所定寸法だけ入り込ん
でいる。この沈澱槽216内には、かき寄せ機217A
とフッ素濃度計218とが配置されている。そして、こ
の沈澱槽216の底部から汚泥濃縮槽219に向かって
汚泥導入管が延びている。この汚泥導入管は、沈澱槽2
16で沈殿した汚泥を汚泥濃縮槽219に導く。そし
て、この汚泥濃縮槽219は、かき寄せ機217Bを有
しており、濃縮した汚泥をポンプ20を経由して次段の
フィルタープレス221に導入する。一方、上記沈殿槽
216の処理水としての上澄み液はピット222に導入
される。このピット222には濾過器送水ポンプ223
に連なる管が挿入されていて、このポンプ223によっ
て汲み上げられた処理水は次の濾過器224に導入され
る。そして、この濾過器224を通過した処理水が最終
的な処理水となる。
【0183】ところで、上記沈澱槽216のフッ素濃度
計218は、沈澱槽216内の処理水のフッ素濃度を検
出して、この検出したフッ素濃度値を表す信号を調節計
(図示せず)を介して信号線225でもって第1ブロワー
226に伝達する。そして、この第1ブロワー226は
上記フッ素濃度値を表す信号に基づいたインバータ制御
によって出力が制御されるようになっている。
【0184】上記構成の排水処理装置は、フッ素を含有
した排水は流入管250から、第1水槽を構成する化学
反応流動槽201の上部201Aに流入する。この化学
反応流動槽201は深いピットをなす下部201Bに向
かって傾斜している傾斜面233を有している。
【0185】上記エアーリフトポンプ205Aを運転す
ると、化学反応流動槽201の下部201Bに集まった
炭酸カルシウム鉱物207がエアーリフトポンプ205
Aによって気泡208とともに上部201Aに移送され
る。そして、炭酸カルシウム鉱物207は比重が2.7
であることから、化学反応流動槽201内を気泡8によ
って流動撹拌されながら、傾斜面233に案内されるよ
うに、しだいに上部201Aから下部201Bに向かっ
て下降し、下部201Bに移動する。そして、炭酸カル
シウム鉱物207は、エアーリフトポンプ205Aによ
って吸い上げられ、気泡208と一緒に下部201Bか
ら上部201Aへと上昇する。こうして、炭酸カルシウ
ム鉱物207は、化学反応流動槽201内を何度となく
流動循環する。
【0186】ここで、炭酸カルシウム鉱物207の粒径
として、1mm以下のサイズを採用することによって、炭
酸カルシウム鉱物がすぐに沈降することなく、曝気によ
って流動状態を常に維持できる。言い換えれば、炭酸カ
ルシウム鉱物の重力による下降と曝気による上昇との平
衡関係が維持される。化学反応流動槽201の上部20
1Aは、広い範囲にわたって形成されている流動状態の
炭酸カルシウム鉱物流動層206Aを含んでいる。この
形態では、炭酸カルシウム鉱物207の粒径を平均0.
5mmとした。
【0187】なお、高濃度フッ素含有排水を処理する場
合には、この流動層206Aへの流入管251を設置し
て、フッ素を含有した排水を、炭酸カルシウム鉱物20
7の濃度が格段に高い流動層206Aに直接に導入する
こともできる。
【0188】また、化学反応流動槽201での被処理水
の滞留時間は、フッ素を含有した排水による流入フッ素
濃度が30〜300ppm程度であることから判断して、
安全係数も含めて4時間とした。
【0189】また、基準となる化学反応流動槽201で
の散気管202Aからの曝気空気量は、槽容量1m3
ついて、1日あたり100m3とした。
【0190】上記粒径0.5mmの炭酸カルシウム鉱物2
07は、化学反応流動槽201に槽容量の5%〜20%
の容量で充填される。炭酸カルシウム鉱物207の充填
量については特に限定しないが、充填量が少ないと、短
期間で炭酸カルシウム鉱物207の補充が必要になる。
多く充填しておけば長期間補充する必要がない。確実な
るフッ素との反応を求める場合や、流入水のフッ素濃度
の変動が激しい場合には、炭酸カルシウム鉱物207を
多く充填しておけば問題は少ない。化学反応流動槽20
1の上部201Aにおいては、散気管202Aから吐出
している空気による曝気とエアーリフトポンプ205A
による炭酸カルシウム鉱物207の循環によって、濃度
は低いものの、炭酸カルシウム鉱物207が常時舞い上
がっている状態を確保できる。
【0191】化学反応流動槽201の上部201Aと下
部201Bを比較した場合、下部201Bの方が格段に
炭酸カルシウム鉱物207の濃度が高く、しかも下部2
01Bは上部201Aと比較してゆっくりとした流動状
態である。
【0192】また、1つの傾向であるが、下部201B
においては炭酸カルシウム鉱物207の濃度は上部20
1Aよりもかなり高い。また、下部201Bにおいて
は、炭酸カルシウム鉱物207は、散気管202Aから
吐出している空気による曝気とエアーリフトポンプ20
5Aによる循環水流とによって、常時、ゆっくりとした
流動状態になっている。
【0193】上記したように、炭酸カルシウム鉱物流動
層206A内に流入管251を設置すると反応効率が向
上するから、滞留時間をより短縮することができる。も
っとも、流入管251を設置しなくても、上部201A
での滞留時間を十分にとれば、何ら問題なくフッ素を処
理できる。
【0194】化学反応流動槽201に炭酸カルシウム鉱
物207の流動層206Aが形成されているので、排水
(被処理水)が炭酸カルシウム鉱物207によって流動
撹拌される工程を存在させることができる。したがっ
て、この流動槽201によれば、炭酸カルシウム鉱物2
07が固定されている場合に比べて、フッ素排水中のフ
ッ素とカルシウムとの反応を確実に進行させることがで
き、しかも反応が早い。また、化学反応流動槽201に
おいては、フッ素排水の流入水量に変動があっても、バ
ルブ215を調節することによって、生物反応流動槽2
10への流量をほぼ安定させることができる。化学反応
流動槽201へのフッ素排水の流量が増加した場合は、
化学反応流動槽201の水位が上昇して、生物反応流動
槽210への流量変動を防ぐ。したがって、上記流量変
動は、生物反応流動槽210の処理効果にほとんど影響
しない。
【0195】そして、化学反応流動槽201によってフ
ッ素が処理された被処理水は、遮蔽板213を通過する
ときに、化学反応流動槽201内に炭酸カルシウム鉱物
207を残す。一方、比重が炭酸カルシウム鉱物207
よりも軽いフッ化カルシウム229と被処理水は、流出
管入口209Aとバルブ215と流出管出口214Aを
通過して生物反応流動槽210に流入する。ただし、流
速を早くすると、比重の重い炭酸カルシウム鉱物207
までも生物反応流動槽210に吸い込むことも有り得
る。
【0196】このバルブ15による流量調節は、生物反
応流動槽210の分離部212での、炭酸カルシウム鉱
物207と(フッ化カルシウム229や生物膜汚泥)と
の分離に役立つ。
【0197】生物反応流動槽210には炭酸カルシウム
鉱物207が充填されている。この生物反応流動槽21
0の目的は、被処理水中のフッ素の2段目の高度処理
と、被処理水中の界面活性剤を代表とする有機物の処理
である。ここで言うフッ素の高度処理とは、化学反応流
動槽201で、15ppm以下となった被処理水中のフッ
素を、今度は微生物を利用して高度に処理する内容を意
味している。この生物反応流動槽210では、低濃度の
フッ素を微生物の菌体内に濃縮蓄積させて被処理水中の
フッ素を処理し、かつ、微生物汚泥が持っている凝集性
を利用してフッ素を処理する。
【0198】炭酸カルシウム鉱物207は、酸性の条件
下ではフッ素との反応を行う一方、PHが中性に改善さ
れることによって、今度は、微生物の固定化担体とな
る。特に、粒径1mm以下の炭酸カルシウム鉱物207
は、容易に微生物の固定化担体となる。生物反応流動槽
210における微生物培養は基本的には、フッ素含有排
水中の有機物を微生物の基質として利用するが、別の場
所で培養した微生物を添加してもよい。試運転調整を急
ぐ場合や、フッ素含有排水中の有機物が不充分な場合
は、微生物を初めから添加すれば、比較的容易に炭酸カ
ルシウム鉱物207に微生物を固定化することができ
る。また、時間をかければ第1ブロワー226から吐出
する空気に含まれている雑菌によって自然に繁殖させる
ことも可能である。
【0199】水槽201も水槽210も粒径1mm以下の
炭酸カルシウム鉱物207が充填されているので、外観
的には類似している。しかし、水槽210は、微生物が
添加されて培養されているから、生物反応流動槽であ
る。有機物の存在下、水槽210を太陽光または蛍光灯
で照射して、長期間運転していると、炭酸カルシウム鉱
物207の表面に藻類が発生繁殖して、白色から緑色に
変色する。これら発生繁殖した藻類が有機物の処理に有
効である。炭酸カルシウム鉱物207の表面に藻類を自
然発生させれば、淡水魚の飼育水の浄化に役立たせるこ
とができる。どちらにしても、炭酸カルシウム鉱物20
7は自然界の産物で表面がでこぼこしているので、微生
物の固定化担体となり易い。
【0200】ICの微細化の進展という最近の傾向に起
因して、半導体工場での使用薬品の中に界面活性剤が混
入する傾向があり、フッ素を含有した排水中の界面活性
剤を代表とする有機物は益々増加する傾向にある。した
がって、被処理水中のフッ素処理と有機物処理がますま
す必要になっている。
【0201】生物反応流動槽210の構造は、大部分が
化学反応流動槽201と類似しているが、炭酸カルシウ
ム鉱物の分離部212を有している点で槽201と異な
っている。また、生物反応流動槽210に被処理水が滞
留する時間は、化学反応流動槽201に比べて、やや短
い3時間とした。また、生物反応流動槽210の基準曝
気空気量は槽容量1m3について、1日当たり60m3
した。
【0202】生物反応流動槽210も散気管202Cと
エアーリフトポンプ205Bを有しているが、炭酸カル
シウム鉱物207と反応物等を分離する分離部212を
有している点が化学反応流動槽201と異なっている。
分離部212は曝気手段としての分離用散気管228を
有している。この分離用散気管228は、軽い曝気を実
行することによって、フッ化カルシウム229を分離部
212から流出させる一方、炭酸カルシウム鉱物207
を沈降させる。これにより、炭酸カルシウム鉱物207
とフッ化カルシウム229とを分離できる。この分離
は、炭酸カルシウム鉱物207の比重がフッ化カルシウ
ム229の比重よりも大きいことを利用している。分離
部212での沈澱時間は30分とした。
【0203】生物反応流動槽210から流出したフッ化
カルシウム229や生物膜汚泥を含む被処理水は、第3
水槽である沈澱層216に流入する。沈澱層216の沈
澱時間は3時間とした。また、沈澱槽216は、フッ化
カルシウム229や生物膜汚泥は沈降し、かき寄せ機2
17Aによってかき寄せられて上澄液と分離される。分
離部212に比べて、沈澱槽216の沈澱時間が長いか
ら、分離部212で沈降しなかったフッ化カルシウム2
29や生物膜汚泥は沈澱槽216で沈降する。この沈降
したフッ化カルシウム229や生物膜汚泥は、汚泥濃縮
槽219に流入する。フッ化カルシウムと生物膜汚泥と
の混合汚泥は、従来の消石灰を使用した汚泥と比較して
脱水性がよくないので、汚泥ポンプ20にて脱水性の良
いフィルタープレス221に導入されて脱水される。
【0204】一方、沈澱槽216の内部に設置されたフ
ッ素濃度計218は、沈澱槽216における被処理水の
フッ素濃度が設定値よりも上昇すると、この上昇を表す
信号を発生させ調節計(図示せず)を介して信号線225
に出力する。すると、第1ブロワー226の空気吐出量
がインバータ制御により増加させられて、化学反応流動
槽201と生物反応流動槽210での曝気による撹拌が
強くなり、かつ、エアーリフトポンプ205Aと205
Bによる槽内循環が強力になる。その結果、被処理水中
のフッ素濃度は強力曝気と強力循環による反応によっ
て、フッ化カルシウム229への反応が迅速に進み、時
間の経過とともに沈澱槽216での被処理水中のフッ素
濃度が低下することとなる。
【0205】次に、沈澱槽216からの多少の浮遊物を
含む被処理水は、ピット222に流入して、濾過器送水
ポンプ223によって濾過器224に移送されて濾過さ
れる。そして、この濾過器224からは、PHとフッ素
と有機物と浮遊物とが処理された処理水を得ることがで
きる。
【0206】ところで、上記化学反応流動槽201の下
部201Bにおいても、炭酸カルシウム鉱物207の表
面に微生物が繁殖して、この微生物による有機物の処理
を行うことができる。ただし、この第8形態の水槽20
1の深さに占める下部201Bの深さの割合は、第1形
態の水槽1の深さに占める下部1Bの深さの割合に比べ
て小さい。この第8形態では、下部201Bの深さが浅
いから、第1形態の水槽1に比べて、微生物処理能力が
少ない。この点については、2つの水槽201と210
とを設けて、水槽201では微生物処理よりも化学反応
処理を重点的に行い、水槽210では化学反応よりも微
生物処理を重点的に行うことによって、微生物処理能力
が不足しないようにしている。
【0207】この形態では、下部201Bと210Bの
深さを浅くした分だけ、水槽201と210を製造し易
くなる利点がある。
【0208】〔実験例〕次に具体的な実験例を説明す
る。図5に示したフッ素含有排水処理装置と同じ構造の
排水処理装置を構築し、反応流動槽201の容量を約
0.6m3とし、反応流動槽210の容量を約0.5m3
し、沈澱槽216の容量を約0.4m3とし、濾過器22
4の容量を約0.1m3としてフッ素処理実験を行った。
【0209】この場合、PHが2.2であり、フッ素濃
度が122ppmであり、CODが25ppmであるフッ素と
界面活性剤を含んだ処理前の排水を、処理後は、PHを
7.2にでき、フッ素濃度を5.6ppmにでき、CODを
3.6ppmにすることができた。しかも、汚泥発生容量に
ついては、従来の約20%以下に低減することができ
た。
【0210】〔第9形態〕次に、図11にこの発明の第
9形態を示す。この第9形態は、図5に示した第8形態
と比較して次の,,の点だけが異なる。すなわち、
この第9形態は、生物反応流動槽210に、炭酸カルシ
ウム鉱物207だけでなく活性炭307も導入されてい
る点が上記第8形態と異なっている。また、この第9形
態は、濾過器224の後段に、ピット222Bと逆浸
透膜231とピット222Cとを備え、さらに、このピ
ット222Cの後段に超純水製造装置235を備えた点
が上記第8形態と異なる。さらに、この第9形態は、
濾過器224から化学反応流動槽1の上部1Aに処理水
を返送するための返送管233と、上記逆浸透膜231
から流動槽1の上部1Aに処理水を返送するための返送
管234とを備えた点が上記第8形態と異なる。したが
って、この第9形態は、上記第8形態と異なっている点
を重点的に説明し、上記第8形態と同じ部分には同じ番
号を付する。
【0211】この第9形態は、フッ酸と過酸化水素と界
面活性剤とを含有した排水を処理することができる装置
である。化学反応流動槽201には、粒径1mm以下の炭
酸カルシウム鉱物207が充填されている。また、生物
反応流動槽210には、粒径1mm以下の炭酸カルシウム
鉱物207と粒径3mm以上の活性炭307が充填されて
いる。また、沈澱槽216には、フッ素濃度計と酸化還
元電位計とを含んだ計測器218が設置されている。ま
た、生物反応流動槽210は、分離部212の入口を構
成するスクリーン208を有している。このスクリーン
208は、2mm角のメッシュになっている。
【0212】この排水処理装置は、フッ素を含有した排
水を、流動状態の炭酸カルシウム鉱物207と直接に接
触反応させるので、効果的な撹拌反応工程が存在するこ
ととなり、反応が迅速に進行し、排水中のフッ素イオン
とカルシウムとの反応時間を短縮できる。また、この迅
速なる反応によって、フッ化カルシウム229を生成さ
せて、沈澱槽216で、沈殿物としてのフッ化カルシウ
ム229と上澄液とを分離できるので、排水中からフッ
素を迅速に除去することができる。
【0213】また、フッ素を含有した排水を直接に炭酸
カルシウム鉱物流動層206に導入すれば、過剰のカル
シウムが存在している流動層206に、直接に排水を導
入することになる。したがって、最も迅速にかつ確実に
反応を進行させることができ、排水のフッ素濃度が変動
しても、処理能力を安定化できる。
【0214】また、一般に、2〜3の範囲のPHの低い
フッ素含有排水を化学反応流動槽201に導入すると、
常時流動循環状態となっている粒径1mm以下の炭酸カル
シウム鉱物207中のカルシウムが容易に溶出し、化学
的反応によって迅速にフッ化カルシウム229が生成す
る。これにより、被処理水中のPHは改善されて中性に
近かづく。そして、生物反応流動槽210においても、
散気管202Cによる曝気機能とエアーリフトポンプ2
05Bによる移送循環機能とによって、粒径1mm以下の
炭酸カルシウム鉱物207が常時流動循環状態となって
いる。この生物反応流動槽210では、炭酸カルシウム
鉱物207は、微生物の固定化担体として機能してお
り、表面に繁殖した微生物の反応によって、被処理水中
の界面活性剤を中心とした有機物を生物学的に処理する
ことができる。なお、粒径1mm以下の炭酸カルシウム鉱
物207は曝気によって流動するから、長期間運転して
も固まることはない。
【0215】また、生物反応流動槽210の分離部21
2では、比重2.7の重い未反応の炭酸カルシウム鉱物
207は沈降するが、比重2以下のフッ化カルシウム2
29や剥離した微生物汚泥は、沈澱槽216へ流出させ
られる。そして、沈澱槽216では、フッ化カルシウム
229や微生物汚泥と上澄液とを充分な沈澱時間をかけ
て沈降分離できる。また、この沈澱槽216での上澄液
中の微細な浮遊物は、その後の濾過によって確実に除去
することができる。
【0216】そして、この濾過した被処理水をさらに逆
浸透膜231で処理することによって、被処理水に含ま
れていた各種のイオン、溶解性有機物、微粒子、微生物
等を確実に除去でき、超純水製造装置235で利用可能
な処理水を得ることができる。また、逆浸透膜231に
よって、濃縮されたカルシウムイオンや硫酸イオンを主
体としたイオンや有機物を含む濃縮水は化学反応流動槽
201に返送される。この返送されたカルシウムイオン
はフッ素との反応に役立てられる。また、上記返送され
た有機物は生物反応流動槽210によって、生物学的に
処理される。
【0217】また、沈澱槽216のフッ素濃度計と過酸
化水素濃度計を含んだ計測器218が、沈澱槽216内
の処理水のフッ素濃度と過酸化水素濃度とを測定して、
この測定値を表す信号を、調節計(図示せず)を介して信
号線225に出力する。この信号に基づいて、第1ブロ
ワー226がインバータ制御される。この制御によっ
て、水槽201と水槽210での炭酸カルシウム鉱物2
07の流動状態を変化させる。つまり、フッ素濃度や過
酸化水素濃度が低い場合は、第1ブロワー226の吐出
空気量を少なく制御する一方、フッ素濃度と過酸化水素
濃度が高い場合には、第1ブロワー226からの吐出空
気量を増加させる。この制御によって、水槽201と水
槽210での処理能力を増減させて、沈澱槽216での
フッ素濃度と過酸化水素濃度とが所定の設定値を越えな
いようにしている。より具体的に説明すると、通常の運
転では、水槽201は化学反応流動槽であり、水槽21
0は生物反応流動槽であるが、沈殿槽216への流入水
のフッ素濃度や過酸化水素濃度が急激に上昇した場合
は、第1ブロワー226がインバータ制御されて、曝気
空気量が急激に増大するから、水槽210の炭酸カルシ
ウム鉱物207の表面と活性炭307の表面の生物膜が
剥離される。すると、水槽210が化学反応流動槽にな
って、フッ素と過酸化水素の処理を行うことになる。よ
り詳しくは、沈澱槽216のフッ素濃度と過酸化水素濃
度が所定の設定値よりも上昇すると、インバータ制御に
より第1ブロワー226の吐出空気量が通常の2〜4倍
まで増加する。すると、散気管202A,202Cとエ
アーリフトポンプ205A,205Bからの吐出空気量
が通常の2〜4倍に増加する。すると、上部201A,
下部201Bと上部210A,下部210Bとの全てが
化学反応流動槽に変じて、フッ素および過酸化水素の処
理能力が倍増する。言い換えれば、上部201A,21
0Aの炭酸カルシウム鉱物207と、下部201B,2
10Bの炭酸カルシウム鉱物207とが、以前よりも増
して充分に接触,混合,循環されて、槽201および21
0全体の過剰なる炭酸カルシウム鉱物がフッ素との反応
に役立てられる完全混合系を作り出すことができる。し
たがって、フッ素との反応効率を高め、しかも反応を迅
速にして、上昇したフッ素濃度を確実に低下させること
ができる。したがって、この形態によれば、従来に比べ
て反応槽容量が小さくてもフッ素除去が可能なる利点が
ある。なお、この炭酸カルシウム鉱物207とフッ素と
の反応の結果、第1ブロワー226の曝気洗浄によっ
て、炭酸カルシウム鉱物207よりも低比重のフッ化カ
ルシウム229が、次第に流出管とバルブ215を通っ
て定量的に水槽201から水槽210に押し出される。
そして、上記フッ化カルシウム229は、さらに、水槽
210での曝気洗浄によって、水槽210から水槽21
6へ押し出される。一方、水槽210で発生した生物膜
汚泥も炭酸カルシウム鉱物207よりも比重が軽いか
ら、曝気によって水槽210から水槽216へ押し出さ
れる。
【0218】また、過酸化水素についても、沈殿槽21
6での濃度が上昇すると、第1ブロワー226の曝気状
態が強力になるので、水槽210に充填されている活性
炭307表面の生物膜が剥離される。この結果、水槽2
10にある活性炭307は、有機物処理に替えて、過酸
化水素を分解する触媒として働くこととなる。
【0219】また、この形態によれば、水槽210が、
散気管228を有した分離部212を内蔵しており、こ
の分離部212では、比重差に起因して、炭酸カルシウ
ム鉱物207は沈殿して壁243に沿って沈降する一
方、フッ化カルシウム229や生物膜汚泥は管209B
を通って沈殿槽216に流出する。そして、水槽210
の分離部212での沈殿時間と沈澱槽216の沈澱時間
には、大きな差を設けているので、分離部212から流
出したフッ化カルシウム229や生物膜汚泥は沈澱槽2
16では確実に沈澱する。
【0220】上記したように、この第9形態によれば、
排水中のフッ素だけでなく過酸化水素も除去できるか
ら、洗浄にフッ酸と、過酸化水素と、界面活性剤とを使
用する半導体の新洗浄法を実行したときに発生する排水
(被処理水)を処理することができる。
【0221】また、この第9形態によれば、後段の水槽
210では、PHが中性に近づいているから、前段の水
槽201に活性炭を導入した場合に比べて活性炭による
過酸化水素の分解効率が良い。
【0222】尚、上記第5,第6,第7,第9形態では、
反応充填物として粒状の活性炭を用いたが、繊維状の活
性炭を使用してもよい。また、活性炭に替えて比重が
1.0以上の木炭を使用してもよい。
【0223】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の排水処理方法は、排水中で反応充填物を強く流動さ
せる強流動領域と、排水中で上記反応充填物を弱く流動
させる弱流動領域とを形成し、上記反応充填物を上記強
流動領域と弱流動領域との間で循環させ、上記強流動領
域では上記反応充填物の化学反応によって排水(被処理
水)を処理し、上記弱流動領域では上記反応充填物に繁
殖した微生物によって排水(被処理水)を処理する。
【0224】この請求項1の発明の排水処理方法によれ
ば、強流動領域では反応充填物を強く流動させることに
よって、この反応充填物の活発な化学反応によって排水
(被処理水)を効率よく化学処理でき、かつ、弱流動領域
では反応充填物を弱く流動させることによって、反応充
填物に微生物を繁殖させて、この微生物によって排水中
の有機物を微生物処理することができる。したがって、
この発明によれば、1つの同じ反応充填物を化学処理と
生物処理との両方に活用することができる。したがっ
て、有機物を含有した排水(被処理水)を高い効率で処理
することができる。
【0225】また、請求項2の発明の排水処理装置は、
排水(被処理水)が流入する第1水槽を備え、この第1水
槽は、反応充填物と、この反応充填物を上記排水中で曝
気しながら流動させる曝気手段とを有する上部と、上記
反応充填物が沈殿させられて上記反応充填物が微生物の
固定化担体として働かされる下部とを有しており、上記
第1水槽の上部では、上記反応充填物は上記曝気によっ
て流動させられて上記排水(被処理水)を化学反応によっ
て処理し、上記第1水槽の下部では、上記反応充填物に
固定化された微生物によって排水(被処理水)中の有機物
を生物学的に処理するものである。
【0226】したがって、この請求項2の発明によれ
ば、第1水槽の上部で、反応充填物を曝気しながら流動
させて、この反応充填物と排水(被処理水)との化学反応
を促進できる。したがって、この発明によれば、第1水
槽の上部では、反応充填物の化学反応による排水処理を
効率よく行うことができる。そして、この上部から下降
して下部に沈殿した反応充填物には微生物が繁殖し、反
応充填物に固定化された微生物によって排水(被処理水)
中の有機物を生物学的に処理することができる。
【0227】このように、この請求項2の発明によれ
ば、第1水槽の上部では反応充填物の活発な化学反応に
よって排水(被処理水)を効率良く化学処理でき、かつ、
第1水槽の下部では反応充填物に固定化された微生物に
よって排水中の有機物を生物処理することができる。し
たがって、この発明によれば、1つの第1水槽におい
て、1つの同じ反応充填物を化学処理と生物処理の両方
に活用することができる。したがって、1つの水槽の中
で、有機物を含有した排水(被処理水)を立体的かつ効率
良く処理することができる。したがって、イニシャルコ
ストとランニングコストを低減できる。
【0228】また、請求項3の発明は、請求項2に記載
の排水処理装置において、上記下部に有る反応充填物を
含んでいる排水(被処理水)を汲み上げて、この反応充填
物を含んでいる排水(被処理水)を上記上部の排水面より
も上から上記上部に向かって散水するエアーリフトポン
プを備えている。
【0229】従って、この請求項3の発明によれば、上
記エアーリフトポンプによって、排水(被処理水)と反応
充填物とを下部から上部に循環させ、下部において微生
物が繁殖した反応充填物を、上部において曝気して反応
充填物から微生物を剥がすことができる。したがって、
この上部で微生物が剥がされた反応充填物は、再び化学
反応を活発に行うことができる状態になり、活発な化学
反応によって排水(被処理水)を効率良く化学処理でき
る。そして、この上部で微生物が剥がされた反応充填物
は、下部に沈降して沈殿することによって、再び微生物
が繁殖し、この微生物でもって今度は排水中の有機物を
生物学的に処理することとなる。
【0230】このように、この請求項3の発明によれ
ば、エアーリフトポンプによって反応充填物を上部と下
部とに循環させながら、上部での化学反応処理と下部で
の微生物処理とを次々に繰り返すことができる。したが
って、この発明によれば、多次元的な処理内容と高い空
間効率とを両立することができる画期的な排水処理装置
を提供できる。
【0231】また、請求項4の発明は、請求項2に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽は、上記上部に
有る反応充填物を含んでいる排水(被処理水)から上記反
応充填物を分離するスクリーンを備えている。
【0232】したがって、この請求項4の発明によれ
ば、上記スクリーンから反応充填物を流出させることな
く処理水を分離することができる。
【0233】また、請求項5の発明は、請求項2乃至4
のいずれか1つに記載の排水処理装置において、上記反
応充填物が炭酸カルシウム鉱物である。
【0234】したがって、請求項5の発明は、有機物を
含有したフッ素排水を処理することができる。すなわ
ち、最初に、この装置は、炭酸カルシウム鉱物を強く流
動させた上部領域において、排水中のフッ素を炭酸カル
シウム鉱物と反応させてフッ化カルシウムを形成する。
【0235】上記第1水槽の下部では、炭酸カルシウム
鉱物が「あまり流動していない」から、炭酸カルシウム
鉱物には微生物が固定化されて繁殖する。そして、この
炭酸カルシウム鉱物の微生物は、排水中の界面活性剤や
有機溶剤等の有機物を生物学的に処理できる。
【0236】また、この請求項5の発明の排水処理装置
は、炭酸カルシウム鉱物を強く流動させた上部におい
て、排水中のフッ素を、化学反応によってフッ化カルシ
ウムを形成させることによって処理する。この炭酸カル
シウム鉱物を強く流動させる領域とは、上記上部のみで
なく、炭酸カルシウム鉱物濃度が高いエアーリフトポン
プの配管中の領域も含んでいる。上記上部では、炭酸カ
ルシウム鉱物濃度は低いものの曝気手段(散気管)による
曝気によって撹拌されている。
【0237】炭酸カルシウム鉱物の表面に繁殖していた
微生物は、エアーリフトポンプの配管の中で強い曝気を
受けて、炭酸カルシウム鉱物表面から剥離するから、炭
酸カルシウム鉱物の表面が露出する。そして、エアーリ
フトポンプでは、曝気によって炭酸カルシウム鉱物の表
面と被処理水とが接触し、被処理水中のフッ素が1次的
化学的に処理される。また、エアーリフトポンプでは曝
気されているから、化学反応によって生成したフッ化カ
ルシウムが炭酸カルシウム鉱物表面を覆ってしまうこと
を回避できる。エアーリフトポンプで1次的にフッ素が
処理された被処理水は、エアーリフトポンプ出口から吐
出して、炭酸カルシウム鉱物濃度が低い第1水槽の上部
に落下導入される。上部では、被処理水は流動状態の炭
酸カルシウム鉱物との充分な滞留時間の基で接触反応
し、被処理水中の未反応のフッ素を2次的に確実に化学
処理できる。
【0238】次に、被処理水は自然下降して、炭酸カル
シウム鉱物の濃度が高い第1水槽の下部の「あまり流動
しない領域」に移動する。「あまり流動しない領域」で
は炭酸カルシウム鉱物の濃度が高いことに加えて、炭
酸カルシウム鉱物があまり流動しないことと、フッ素
が処理されているので微生物が繁殖しやすいことと、
被処理水が空気と接触して空気中の微生物が混入してい
ることと、微生物が繁殖しやすい有機物が存在するこ
とと、被処理水のPHが中性に近づいていることによ
って、微生物が「あまり流動しない領域」の炭酸カルシ
ウム鉱物に加速的に急速に繁殖してくる。この微生物が
急速に繁殖してくる領域は、第1水槽の下部のうち中間
から下方の領域である。
【0239】上記,,,,の理由によって、下部
では微生物生息環境が改善されているから、炭酸カルシ
ウム鉱物を固定化担体として各種の好気性の微生物が急
速に繁殖してくる。したがって、下部では被処理水中の
界面活性剤等の有機物が生物学的に処理される。ところ
で、この下部を急激に強く流動する状態にした場合に
は、炭酸カルシウム鉱物同士が接触,衝突して、生物膜
が剥離してしまうから、微生物が円滑に繁殖できない。
これに対して、あまり流動しない炭酸カルシウム鉱物
は、お互い同士の接触が少ないから、繁殖した微生物が
炭酸カルシウム鉱物から剥がれることが少ない。また、
炭酸カルシウム鉱物が天然品であり、その表面がでこぼ
こであるから、炭酸カルシウム鉱物に各種の微生物が比
較的容易に繁殖する。そして、この繁殖した微生物が、
被処理水中の界面活性剤や有機溶剤等を主体とした有機
物を生物学的に処理する。ところで、第1水槽の下部で
微生物が急激に繁殖すると、下部の炭酸カルシウム鉱物
同士が微生物の塊によって大きな炭酸カルシウム鉱物の
塊となり、下部の一部が閉塞しそうになる。しかし、第
1水槽全体に対する循環機構としてのエアーリフトポン
プによる吸い込みと空気による強力な曝気によって、塊
が破壊されるから、下部が閉塞することはない。
【0240】また、請求項6の発明は、請求項2乃至4
のいずれか1つに記載の排水処理装置において、上記反
応充填物が活性炭である。
【0241】したがって、請求項6の発明は、有機物を
含有した過酸化水素排水を処理することができる。すな
わち、最初に、この装置は、活性炭を強く流動させた上
部領域において、排水中の過酸化水素を、活性炭を触媒
として水と酸素ガスとに分解する。このように、活性炭
を強く流動させた上部領域に過酸化水素を含んだ排水を
導入するから、過酸化水素と活性炭とを確実に接触させ
て、水と酸素ガスへの分解を円滑に進行させることがで
きる。
【0242】次に、活性炭を下部のあまり流動していな
い領域に導入する。下部では活性炭をあまり流動させな
いから、活性炭が本来持っている有機物に対する物理的
吸着機能を利用して有機物を吸着処理する。この第1水
槽の下部では、上方は、さほど微生物が繁殖していない
から、物理学的吸着機能が期待できる。
【0243】請求項6の排水処理装置は、第1水槽の下
部では、活性炭をあまり流動させないで、活性炭に微生
物を固定化して繁殖させて、過酸化水素排水中の界面活
性剤や有機溶剤等の有機物を生物学的に処理する。活性
炭があまり流動しない状態では、有機物が存在すれば各
種の微生物を活性炭に固定化繁殖できる。従って、下部
では、活性炭に繁殖させた微生物によって、被処理水中
の有機物を生物学的に分解処理することができる。特
に、第1水槽の下部の中でも下方に進むほど、微生物が
盛んに繁殖することを期待できる。
【0244】また、この請求項6の排水処理装置は、活
性炭を強く流動させた領域において、排水中の過酸化水
素を、活性炭を触媒として水と酸素ガスとに分解する。
この活性炭を強く流動させる領域とは、上記上部だけで
はなく、活性炭濃度が高いエアーリフトフポンプの配管
中の領域も含んでいる。上記上部では、活性炭濃度が低
いものの曝気手段(散気管)による曝気によって撹拌され
ている。
【0245】活性炭の表面に繁殖していた微生物は、エ
アーリフトフポンプの配管中で強い曝気を受けて、活性
炭表面から剥離するから、活性炭の表面が露出する。同
時に、エアーリフトポンプでは、曝気によって活性炭の
表面に繁殖していた微生物は過酸化水素を含む排水と接
触するから、表面よりも生息し易くて環境の良い活性炭
内部に移動する。そして、微生物が剥離された活性炭の
表面と被処理水とが曝気により接触して、被処理水中に
含有している過酸化水素を一次的に分解することができ
る。
【0246】エアーリフトポンプで一次的に過酸化水素
が処理された被処理水は、エアーリフトフポンプ出口か
ら吐出して、活性炭濃度が低い第1水槽の上部に落下導
入される。エアーリフトフポンプ出口の位置は第1水槽
の水位よりも上方であるから、被処理水が第1水槽に落
下して導入される際、空気中の酸素と空気中の微生物が
混入する。
【0247】そして、上部では、被処理水は流動状態の
活性炭と充分な滞留時間の基で接触反応し、被処理水中
の未分解の過酸化水素を水と酸素ガスに2次的に確実に
分解することができる。
【0248】次に、被処理水は、自然下降して、活性炭
の濃度の高い第1水槽の下部の「あまり流動しない領域」
に移行する。「あまり流動しない領域」では活性炭の濃度
が高いことに加えて、活性炭があまり流動しないこと
と、過酸化水素が処理されているので微生物が繁殖し
やすいことと、被処理水が空気と接触して空気中の微
生物が混入していること、微生物が繁殖しやすい有機
物が存在することと、活性炭内部の微生物が生息環境
の改善により活性炭内部から出てくることによって、微
生物が「あまり流動しない領域」の活性炭に微生物が加速
度的に急速に繁殖してくる。この微生物が急速に繁殖し
てくる領域は、第1水槽下部のうち中間から下方の領域
である。尚、微生物は活性炭を固定化担体として繁殖し
やすいことはいうまでもない。
【0249】上記,,,,の理由によって、下部
では微生物生息環境が改善されているから、活性炭を固
定化担体として各種の好気性の微生物が急速に繁殖して
くる。したがって、下部では被処理水中の界面活性剤等
の有機物が生物学的に処理される。ところで、この下部
を急激に強く流動する状態にした場合には、活性炭同士
が接触,衝突して、生物膜が剥離してしまうから、微生
物が円滑に繁殖できない。これに対して、あまり流動し
ない活性炭は、お互い同士の接触が少ないから、繁殖し
た微生物が活性炭から剥がれることが少ない。また、活
性炭は多孔質であるから、活性炭に各種の微生物が比較
的容易に繁殖する。この微生物は、活性炭の表面のみな
らず内部にも繁殖する。そして、この繁殖した微生物
が、被処理水中の界面活性剤や有機溶剤等を主体とした
有機物を生物学的に処理する。
【0250】一方で、第1水槽の下部のうち上方では、
活性炭濃度が高い状態であり、かつ、被処理水がゆっく
りと流下するから、活性炭は界面活性剤や有機溶剤等の
有機物を物理的に吸着する。したがって、被処理水中の
有機物濃度の指標としてのCOD(化学的酸素要求量や
TOC(全有機性炭素)の項目を低減させることもでき
る。そして、上記活性炭が物理的に吸着した有機物は、
活性炭内部に繁殖した微生物によって今度は生物学的に
分解処理される。したがって、活性炭は、有機物を物理
的に吸着した上で、内部に繁殖した微生物によって有機
物を分解するというサイクルを繰り返す。したがって、
上記活性炭を第1水槽から取り出して再生する作業の必
要はない。したがって、ランニングコストを格段に低減
できる。
【0251】ところで、第1水槽の下部で微生物が急激
に繁殖すると、下部の活性炭が微生物の塊によって一部
閉塞しそうになる。しかし、第1水槽全体に対する循環
機構としてのエアーリフトフポンプによる吸い込みと空
気による強力な曝気とがあるから、活性炭が閉塞するこ
とはない。
【0252】また、請求項7の発明は、請求項5に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽内で上記排水を
処理して得た処理水が導入され、この処理水のフッ素濃
度を測定するフッ素濃度計を有する第2水槽と、上記フ
ッ素濃度計が測定したフッ素濃度に応じて、上記第1水
槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段とを備
えている。
【0253】この請求項7の発明の排水処理装置は、第
1水槽で炭酸カルシウム鉱物から剥離した微生物と被処
理水は、第2水槽に導入されて、沈澱物と上澄液とに分
離される。沈澱槽である第2水槽にフッ素濃度計が設置
してある。このフッ素濃度計は、第2水槽内の処理水の
フッ素濃度を検出し、曝気出力制御手段は、フッ素濃度
計が検出したフッ素濃度に応じて、第1水槽の曝気手段
の出力を制御する。この制御は、第1水槽の上部におい
て、炭酸カルシウム鉱物とフッ素とが確実に反応できる
ように曝気手段の出力つまり吐出空気量を制御するよう
な制御である。すなわち、第2水槽でフッ素濃度計が測
定したフッ素濃度に基づいて上記制御手段が、第1水槽
でフッ素が確実に処理されていないと判断した場合に
は、この制御手段は、曝気手段の吐出空気量を増大させ
る。すると、第1水槽での炭酸カルシウム鉱物の曝気接
触状態と循環状態とが激しくなり、第1水槽の上部で排
水中のフッ素を確実に処理できるようになる。
【0254】上記第2水槽のフッ素濃度計が検出した測
定値が所定の設定値に達したときに、上記制御手段が作
動するようにしておけばよい。この設定値は、目的とす
る処理水中のフッ素濃度よりも多少高い値に設定してお
けばよい。
【0255】また、請求項8の発明は、請求項6に記載
の排水処理装置において、上記第1水槽内で上記排水を
処理して得た処理水が導入され、この処理水の酸化還元
電位を測定する酸化還元電位計を有する第2水槽と、上
記酸化還元電位計が測定した電位に応じて、上記第1水
槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段とを備
えている。
【0256】この請求項8の発明によれば、酸化還元電
位計が測定した電位は、第2水槽の処理水の酸化還元電
位を代表している。したがって、上記測定電位は第1水
槽の上部で過酸化水素が確実に分解されたか否かを表す
値である。したがって、上記曝気出力制御手段は、上記
酸化還元電位計から得た酸化還元電位に基づいて、排水
中の過酸化水素が確実に分解されていないことを確認す
ると、第1水槽の曝気手段の出力を増大させる。これに
より、第1水槽の上部での活性炭の流動が激しくなっ
て、触媒反応による過酸化水素の分解を促進させること
ができる。同時に、第1水槽の下部で繁殖している微生
物が過酸化水素で殺菌されることを防止できる。また、
第1水槽の曝気手段の出力を増大させることは、上部に
おける活性炭の表面に微生物が繁殖することを防ぐ効果
もある。上部で活性炭の表面に微生物が繁殖した場合に
は、活性炭の触媒機能が低下するから、過酸化水素を分
解する能力が低下するのである。
【0257】また、請求項9の発明は、請求項7に記載
の排水処理装置において、上記第2水槽で沈降分離した
汚泥を上記第1水槽に返送する汚泥返送手段を備えてい
る。
【0258】この請求項7の発明によれば、上記汚泥返
送手段が、沈澱槽として働く第2水槽で沈澱した微生物
を含む生物汚泥を第1水槽に返送する。したがって、第
1水槽での微生物濃度を高めることができる。したがっ
て、界面活性剤や有機溶剤等の有機物を、より合理的に
処理することができる。また、第1水槽にポリ塩化アル
ミニウムを微量(数ppm)添加する場合には、導電率を
ほとんど上昇させることなく第2水槽で微細なフッ化カ
ルシウムの反応物を凝集させることができる。第2水槽
で沈澱する汚泥は、生物汚泥だけでなく、化学的な無機
汚泥も含有している。
【0259】請求項9に記載の排水処理装置では、フッ
素の処理工程で、多量の消石灰や凝集剤等の薬品を使用
していないので、第2水槽での沈降分離を経た上澄みと
しての処理水の導電率を800μs/cm以下にできる。し
たがって、濾過装置と逆浸透膜装置を追加するだけで、
超純水製造装置に再利用可能な処理水を得ることができ
る。
【0260】また、請求項10の発明は、請求項8に記
載の排水処理装置において、上記第2水槽から得られた
処理水が導入される逆浸透膜処理装置と、この逆浸透膜
装置からの処理水が導入されて超純水を製造する超純水
製造装置とを有している。
【0261】この請求項10の発明によれば、半導体工
場から排出されるような排水を、半導体工場で使用され
るような超純水にまで処理することができるから、水利
用サイクルを半導体工場内で完結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の排水処理装置の第1の実施の形態
であるフッ素排水処理装置を示す概念図である。
【図2】 上記第1形態の変形例としての第2の形態を
示す概念図である。
【図3】 上記第1形態の変形例としての第3形態を示
す概念図である。
【図4】 上記第1形態の変形例としての第4形態を示
す概念図である。
【図5】 この発明の第8形態を示す概念図である。
【図6】 この発明の第5形態である過酸化水素排水処
理装置を示す概念図である。
【図7】 上記第5形態の変形例としての第6形態を示
す概念図である。
【図8】 上記第5形態の変形例としての第7形態を示
す概念図である。
【図9】 上記第5,第6,第7形態のタイムチャートで
ある。
【図10】 上記第1,第2,第3,第4形態のタイムチ
ャートである。
【図11】 この発明の第9形態を示す概念図である。
【図12】 上記第1から第9形態の第1水槽と異なっ
た形状の第1水槽を備えた排水処理装置の構造を示す図
である。
【図13】 従来のフッ素含有排水の処理装置の概念図
である。
【図14】 今一つの従来例の概念図である。
【図15】 従来の排水処理系統と排ガス処理系統とを
示す概念図である。
【図16】 また別の従来の排水処理系統と排ガス処理
系統とを示す概念図である。
【図17】 従来の過酸化水素除去装置の概念図であ
る。
【符号の説明】
1…第1水槽、1A…上部、1B…下部、2A,2B…
散気管、3A,3B…空気配管、4…あまり流動しない
活性炭部、5…エアーリフトポンプ、6…微生物汚泥、
7…炭酸カルシウム鉱物、8…スクリーン、9…流出
管、10…気泡、11…流入配管、12…微生物汚泥撹
拌部、13…第2水槽(沈澱槽)、14…かき寄せ機、1
5…フッ素濃度計、16…第3水槽(濃縮槽)、17…汚
泥ポンプ、18…フィルタープレス、19…第1ブロワ
ー、20…第2ブロワー、21…信号伝達線、22…エ
アーリフトポンプ用散気管、23…濾過装置、24…逆
浸透膜装置、25…超純水製造装置、49…ポリ塩化ア
ルミニウムタンク、50…無機汚泥、107…活性炭、
201…化学反応流動槽、202A,202B…散気
管、205A,205B…エアーリフトポンプ、206
A,206B…炭酸カルシウム鉱物流動層、207…炭
酸カルシウム鉱物、208…気泡、210…生物反応流
動槽、212…分離部、216…沈澱槽、218…フッ
素濃度計、219…汚泥濃縮槽、224…濾過器、22
9…フッ化カルシウム、231…逆浸透膜、307…活
性炭、715…酸化還元電位計、726A,B…配管、
727…配管、729…排ガス、730…生産室排気フ
ァン、731…生産室、732…有機溶剤使用装置、7
33…処理槽、735…原水槽、736…原水槽ポン
プ、737…エッチング装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 真田 政典 大阪府大阪市平野区加美南4丁目3番41 号 シャープテクノシステム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−171693(JP,A) 特開 平5−4090(JP,A) 特開 昭60−54784(JP,A) 特開 平9−52087(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/02 - 3/10 C02F 1/28,1/58

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水中で反応充填物を強く流動させる強
    流動領域と、排水中で上記反応充填物を弱く流動させる
    弱流動領域とを形成し、上記反応充填物を上記強流動領
    域と弱流動領域との間で循環させ、上記強流動領域では
    上記反応充填物の化学反応によって排水を処理し、上記
    弱流動領域では上記反応充填物に繁殖した微生物によっ
    て排水を処理することを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】 排水が流入する第1水槽を備え、 この第1水槽は、 反応充填物と、この反応充填物を上記排水中で曝気しな
    がら流動させる曝気手段とを有する上部と、上記反応充
    填物が沈殿させられて上記反応充填物が微生物の固定化
    担体として働かされる下部とを有しており、 上記第1水槽の上部では、上記反応充填物は上記曝気に
    よって流動させられて上記排水を化学反応によって処理
    し、上記第1水槽の下部では、上記反応充填物に固定化
    された微生物によって排水中の有機物を生物学的に処理
    することを特徴とする排水処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の排水処理装置におい
    て、 上記下部に有る反応充填物を含んでいる排水を汲み上げ
    て、この反応充填物を含んでいる排水を上記上部の排水
    面よりも上から上記上部に向かって散水するエアーリフ
    トポンプを備えていることを特徴とする排水処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第1水槽は、上記上部に有る反応充填物を含んでい
    る排水から上記反応充填物を分離するスクリーンを備え
    ていることを特徴とする排水処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1つに記載の
    排水処理装置において、 上記反応充填物が炭酸カルシウム鉱物であることを特徴
    とする排水処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至4のいずれか1つに記載の
    排水処理装置において、 上記反応充填物が活性炭であることを特徴とする排水処
    理装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第1水槽内で上記排水を処理して得た処理水が導入
    され、この処理水のフッ素濃度を測定するフッ素濃度計
    を有する第2水槽と、 上記フッ素濃度計が測定したフッ素濃度に応じて、上記
    第1水槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段
    とを備えていることを特徴とする排水処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第1水槽内で上記排水を処理して得た処理水が導入
    され、この処理水の酸化還元電位を測定する酸化還元電
    位計を有する第2水槽と、 上記酸化還元電位計が測定した電位に応じて、上記第1
    水槽の曝気手段の出力を制御する曝気出力制御手段とを
    備えていることを特徴とする排水処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第2水槽で沈降分離した汚泥を上記第1水槽に返送
    する汚泥返送手段を備えていることを特徴とする排水処
    理装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の排水処理装置におい
    て、 上記第2水槽から得られた処理水が導入される逆浸透膜
    処理装置と、この逆浸透膜装置からの処理水が導入され
    て超純水を製造する超純水製造装置とを有することを特
    徴とする排水処理装置。
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