JP4082859B2 - 中和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、有機アルカリ排水や無機アルカリ排水を薬品としての酸によって中和するのではなく、排水の成分としての窒素を、好気性微生物によって硝酸イオンに変換して中和する中和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境維持への要求の高まりや、環境問題の観点から、劇薬等の化学物質を極力使用しない安全なプロセスが求められるようになってきた。
【0003】
したがって、単なる中和方法や中和装置においても、同様に、環境に優しいプロセスが求められているが、従来技術においては、中和は、例えば、アルカリ排水に対しては、薬品としての酸を添加して撹拌し中和する方法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アルカリ排水を劇薬としての酸を添加して中和する上述の方法は、劇薬としての酸が漏れたときの被害や、その対策や、また、劇薬に人が触れたときの人的被害等を考慮すると安全の面からも、環境の面からも問題であった。
【0005】
例えば、アルカリ排水を、劇薬としての塩酸等を使用しないで、中和できれば、安全の面からも、環境の面からも好都合である。
【0006】
そこで、この発明の目的は、劇薬としての塩酸等の鉱酸を使用することなく、各種アルカリ排水を中和できる中和装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の一参考例の中和方法は、アルカリ性で、かつ、有機物としての窒素化合物を含有する有機アルカリ排水を、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して、中和する。
【0008】
上記方法によれば、好気性微生物によって有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造して、中和することができる。
【0009】
一般に、有機物は、窒素の化合物で、有機アルカリ排水の中にも多量の窒素化合物が存在している。有機アルカリ排水中の窒素成分から、好気性微生物によって硝酸イオンを製造し、中和に利用する。
【0010】
具体例として、半導体工場や液晶工場で多量に使用されている有機アルカリ排水としての現像廃液に対して、好気性微生物でもって、硝酸イオンを製造して中和することができる。
【0011】
より詳細には、現像廃液は、PH12以上のアルカリ排水であり、主成分が窒素の化合物であるTMAH(テトラメチルハイドロオキサイド)である。このTMAHの化学式は、(CH3)4N−OH であり、この(CH3)4N−OHから、好気性微生物によって、NO3イオンを製造する。これにより、当然のことながら、このTMAH((CH3)4N−OH)も、好気性微生物によって、硝酸イオンまで分解されたこととなる。
【0012】
また、この発明の中和装置は、アルカリ性で、かつ、有機物としての窒素化合物を含有する有機アルカリ排水を、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して、中和する中和装置であり、
上記有機アルカリ排水が導入される中和槽を備え、
上記中和槽は、
濾過した処理水を取り出すための限外濾過膜と、
好気性微生物を繁殖させる塩化ビニリデン充填物と、
上記中和槽内での排水のPHを測定するPH計と、
上記中和槽内に空気を供給する空気供給手段を有し、
上記限外濾過膜が、上記中和槽の内部に設置する液中膜であり、
上記液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる第1の散気管が設置され、
上記第1の散気管の下方に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側面の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、この塩化ビニリデン充填物の下部かつ上記ガイドの内側に第2の散気管が配置されており、
さらに、上記第2の散気管に接続した空気供給手段であるブロワーが信号線で上記排水のPHを測定するPH計と接続されており、
上記ブロワーは上記PH計が測定したPHに応じた空気量を上記第2の散気管から吐出させ、
上記液中膜の処理能力を、上記塩化ビニリデン充填物の下に配設されている上記第2の散気管から吐出する空気量によって、制御する。この装置によれば、好気性微生物によって有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造して、中和できる。
【0013】
また、一参考例の中和方法は、無機物を含むアルカリ性の排水である無機アルカリ排水に、窒素を含む有機排水(有機物)を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和する。この方法によれば、無機アルカリ排水に有機排水を混合することから、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖し、有機物が窒素成分を含有していることから、好気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学的に製造する。これにより、無機アルカリ排水を中和できる。
【0014】
無機アルカリ排水だけでは、栄養源がないので、好気性の微生物は繁殖できないが、窒素を含む有機排水(有機物)を混合することで、好気性微生物を繁殖させ、窒素分から硝酸イオンを製造して無機アルカリ排水を中和する。従来技術における劇薬としての塩酸や硫酸による化学中和の方法と比較して、この発明の微生物による中和方法は、劇薬を使用しないので、安全な中和方法となる。
【0015】
また、一実施形態の中和装置は、無機物を含むアルカリ性の排水である無機アルカリ排水に、窒素を含む有機排水(有機物)を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和する中和装置であり、
上記無機アルカリ排水と上記有機排水とが導入される中和槽を備え、
上記中和槽は、
濾過した処理水を取り出すための限外濾過膜と、
好気性微生物を繁殖させる塩化ビニリデン充填物と、
上記中和槽内での排水のPHを測定するPH計と、
上記中和槽内に空気を供給する空気供給手段を有し、
上記限外濾過膜が、上記中和槽の内部に設置する液中膜であり、
上記液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる第1の散気管が設置され、
上記第1の散気管の下方に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側面の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、この塩化ビニリデン充填物の下部かつ上記ガイドの内側に第2の散気管が配置されており、
さらに、上記第2の散気管に接続した空気供給手段であるブロワーが信号線で上記排水のPHを測定するPH計と接続されており、
上記ブロワーは上記PH計が測定したPHに応じた空気量を上記第2の散気管から吐出させ、
上記液中膜の処理能力を、上記塩化ビニリデン充填物の下に配設されている上記第2の散気管から吐出する空気量によって、制御する。この装置によれば、無機アルカリ排水に有機排水を混合するので、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖する。そして、有機物が窒素成分を含有していることから、好気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学的に製造し、無機アルカリ排水を中和できる。
【0016】
また、他の実施形態の中和装置は、上記中和装置において、上記有機アルカリ排水、または、上記無機アルカリ排水と有機排水が導入される中和槽を備え、上記中和槽は、濾過した処理水を取り出すための限外濾過膜と、好気性微生物を繁殖させる塩化ビニリデン充填物と、上記中和槽内での排水のPHを測定するPH計と、上記中和槽内に空気を供給する空気供給手段を有する装置である。この装置によれば、好気性微生物と限外濾過膜を利用しているので、好気性微生物が限外濾過膜の内側に流入することがなく、限外濾過膜の外側に維持でき、しかも、高濃度に培養できる。したがって、有機物を合理的に微生物分解して、有機物に起因する窒素を起源として硝酸イオンを製造することができ、アルカリ排水を中和できる。
【0017】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、限外濾過膜が、水槽の内部に設置する液中膜である。この構成によれば、限外濾過膜が水槽の内部に設置されているので、新たな限外濾過膜のための設置スペースが不必要となる。
【0018】
また、他の実施形態の中和装置は、上記中和装置において、窒素を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーである。この構成によれば、窒素を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであるので、不要な廃棄物としての生活系の余剰汚泥スラリーを再利用することができると同時に資源の有効利用を計れる。
【0019】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる散気管が設置されている。この構成によれば、液中膜の下部に吐出量を自動的に調整できる散気管が設置されているので、散気管からの空気量を調整して、液中膜の処理能力と硝酸イオンの製造能力の両方をコントロールできる。すなわち、液中膜の処理能力は、散気管から吐出する空気量によって、ある程度決定される。また、硝酸イオンの製造量は、硝酸イオンが窒素化合物の酸化工程における最終産物であるが故、散気管から吐出する空気量によって決定される。
【0020】
また、他の実施形態の中和装置は、上記液中膜の下部の散気管とは別の散気管が、塩化ビニリデン充填物の下部に配設され、この別の散気管に接続した空気供給手段であるブロワーが信号線で上記排水のPHを測定するPH計と接続されており、上記ブロワーは上記PH計が測定したPHに応じた空気量を上記別の散気管から吐出させる。この構成によれば、液中膜洗浄専用の散気管と、硝酸イオン製造専用の散気管とに区分でき、目的に合った空気量をそれぞれの散気管から吐出させることができる。
【0021】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、水槽内に溶存酸素計が設置されている。この構成によれば、溶存酸素計による溶存酸素濃度によって、硝酸イオンの製造量の製造限界を知ることができる。すなわち、水槽内の溶存酸素濃度が高い場合は、さらに空気量を増加させても、硝酸イオンの増加は期待できない。また、逆に、溶存酸素濃度が低い場合は、空気量を増加させれば、硝酸イオンが増加して、PHを下げることができる。
【0022】
また、一参考例の中和装置は、上記中和装置において、別の散気管から発生する気体が、窒素ガスである。これによれば、上記気体が窒素ガスであるので、窒素ガスに起因する硝酸イオンも製造でき、空気よりも容易に硝酸イオンを製造できる。
【0023】
また、一参考例の中和方法は、上記有機アルカリ排水または上記無機アルカリ排水を、窒素ガスと空気を吹き込みながら、好気性微生物を繁殖させて、硝酸イオンを製造して中和する。この構成によれば、窒素ガス(N2ガス)と空気(酸素ガスと窒素ガス)を吹き込みながら、微生物を触媒として硝酸イオンを製造し、中和に利用する。したがって、ランニングコストが高い窒素ガスの使用量を削減することができる。また、硝酸イオンの製造量を窒素ガス量と空気量の配分によって容易にコントロールすることができる。
【0024】
また、他の参考例の中和方法は、上記中和方法において、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌であるので、窒素化合物を基質として、効率良く硝酸イオンを製造できる。なお、硝酸菌は、亜硝酸イオンを硝酸イオンに酸化する菌の総称を意味する。また、亜硝酸菌は、アンモニウムイオンを亜硝酸イオンまで、酸化する菌の総称を意味する。
【0025】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、上記液中膜の下部に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、その下部に散気管が配置されている。この構成によれば、散気管から吐出する気体(空気または窒素ガス)によって、塩化ビニリデン充填物に付着して繁殖した汚泥を、上記ガイドに沿って、剥離し、上昇させ、液中膜に付着した汚泥を洗浄処理できる。この洗浄処理によって、液中膜の能力を維持できる。
【0026】
また、他の実施形態の中和装置は、上記中和装置において、塩化ビニリデン充填物が、放射状に延びる複数の輪状体であるから、放射状に延びる複数の輪状体からなる塩化ビニリデン充填物に、多量の微生物を付着させて繁殖させることができる。
【0027】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、生物学的な排水処理装置の役割を兼ねているので、中和機能のみならず、生物学的な排水処理機能を発揮でき、装置としての価値を高めることができる。この中和装置は、微生物で中和するので、当然のことながら、微生物が本来保有している生物学的な処理機能も有している。よって、この中和装置は生物学的な排水処理装置ともなる。
【0028】
また、他の実施形態の中和装置は、上記中和装置において、装置内の微生物濃度(MLSS(Mixed Liquor Suspended Solid)濃度)が、10000ppm以上であるので、微生物は、有機物中の窒素を酸化して硝酸イオンを多量に製造することができ、アルカリ排水を中和できる。この中和装置が、ある程度の機能を果たすためには、微生物濃度が高い方が良いことが解っていて、MLSS濃度が10000ppm以上、好ましくは、MLSS濃度20000〜30000ppm程度が最適である。
【0029】
汚泥には、排水を中和する作用があり、汚泥濃度(MLSS)が高濃度であれば、その中和作用も、下記に示すように大きくなる。下記では、1000ccの生物汚泥に、PH11の排水を100ccだけ添加する条件で実験を行った(すなわち、総液量は1100c)。
【0030】
生物汚泥濃度 30分撹拌後のPH値
1000ppm 10.6
5000ppm 10.3
10000ppm 9.6
20000ppm 8.8
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、液中膜の処理能力を、塩化ビニリデン充填物の下に配設されている散気管から吐出する空気量によって、制御する。
【0031】
上記構成によれば、塩化ビニリデン充填物の下に配設されている散気管から吐出する空気によって、塩化ビニリデン充填物に付着している汚泥を剥離することができる。そして、液中膜表面を空気と汚泥を含む排水によって、洗浄するので、液中膜の表面の洗浄を確実に実施できる。
【0032】
液中膜は、一定の時間使用していると、その表面に汚泥等が付着し、処理能力が低下する。このため、従来は、空気曝気によって、液中膜の表面を洗浄して、所定の処理能力を回復させていた。
【0033】
この発明の1つのポイントは、水槽内の微生物濃度を相当高めることでもあるが、微生物濃度を高めることによっておこる問題点もある。それは、後述するような汚泥による液中膜の閉塞である。そこで、この発明では、液中膜の下部に塩化ビニリデン充填物を配置し、曝気によって、汚泥を、塩化ビニリデン充填物から剥離させて、液中膜を定期的に「汚泥洗浄」することによって、前記問題点を解決している。
【0034】
従来から、硝酸イオンを発生させれば、弱アルカリ排水をある程度中和できることは知られていたが、この発明では、微生物濃度を格段に高めることによって、多量の硝酸イオンを発生させて、強アルカリ排水をも中和する点が1つのポイントである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0036】
[第1実施形態]
図1に、この発明の中和装置の第1実施形態の構成を示す。この第1実施形態は、有機アルカリ排水を、薬品としての塩酸などを使用することなく中和できる中和装置である。
【0037】
原水槽1には、有機アルカリ排水が流入する。この原水槽1に流入した有機アルカリ排水は、一定時間だけ貯留された後に、原水槽ポンプ2によって、中和槽3に移送される。この中和槽3の内部上方に液中膜7が配置されている。この液中膜7は、複数の仕切板16aで仕切られている。そして、この複数の仕切板16aで仕切られたスペースの下部に複数の上部散気管8−1が配置され、この上部散気管8−1はブロワー12に接続されている。
【0038】
また、液中膜7の下方に、複数の塩化ビニリデン充填物10が配置されている。この塩化ビニリデン充填物10は、図9(A),(B)に示すように、放射状に延びる複数の輪状体からなる。この塩化ビニリデン充填物10は、中心部のひも状の糸体10bとこの糸体10bから放射状に延びている複数の輪状体10aからなる。この塩化ビニリデン充填物10は、その上端と下端が固定金具11に接続されている。また、この複数の塩化ビニリデン充填物10は、仕切板16bで仕切られており、最も外側の両サイドがガイド9でカバーされている。このガイド9は、中和槽3の内部で上下に延在していて、上記液中膜7の上端まで延びている。
【0039】
また、上記複数の塩化ビニリデン充填物10の下方には、複数の下部散気管8−2が配置されており、この複数の下部散気管8−2はブロワー13に接続されている。このブロワー13は、信号線14でPH計4に接続されている。PH計4は、液中膜7の周辺に存在する排水のPHを測定する。また、このPH計4とほぼ同じ上下位置レベルの排水の溶存酸素濃度を測定するDO計(溶存酸素濃度計)6が、PH計4と並んで配置されている。
【0040】
上記液中膜7には、液中膜ポンプ5が付属しており、この液中膜ポンプ5で、液中膜7で濾過した処理水を取り出すことができる。また、液中膜7の下部には、液中膜7の個数だけ、散気管8−1が設置され、液中膜7の濾過能力が減少しないように、液中膜7を常時空気洗浄している。
【0041】
この実施形態では、液中膜7として、具体的には株式会社クボタの商品を採用した。
【0042】
上部散気管8−1から吐出する空気は、液中膜洗浄用ブロワー12から、配管を通じて供給される。そのときの空気量は、液中膜1枚当り、0.9m3/時間である。
【0043】
また、その散気管8−1から吐出する空気が真っ直ぐに上昇できるように、上記仕切板16が設置されている。この仕切板16は、塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10との間にも設置されて、最下部の散気管8−2から吐出する空気が、まっ直ぐに上昇して、液中膜7の表面を正確に洗浄する役目を果たす。
【0044】
塩化ビニリデン充填物10を空気洗浄するための空気量は、塩化ビニリデン充填物1m3当たり10m3/時間以上の条件が望ましいが絶対ではない。
【0045】
この散気管8−2から吐出する空気は、塩化ビニリデン充填物洗浄用のブロワー13から、配管を通じて供給される。
【0046】
なお、各々の塩化ビニリデン充填物10は、上下の固定金具11に固定されており、時間の経過とともに汚泥が塩化ビニリデン充填物10に付着していく。塩化ビニリデン充填物10は、放射状の輪状体であるので、他の充填材と比較して表面積が格段に広く、多くの微生物が付着し易い。塩化ビニリデン充填物10は放射状の輪状体であるので、汚泥が付着しやすく、また、塩化ビニリデン充填物10の内部は、酸素が行き渡らないので、嫌気性となり、嫌気性微生物が繁殖する。
【0047】
一方、塩化ビニリデン充填物10の表面は、曝気による空気中の酸素と接触することによって、好気性となり好気性の微生物が繁殖する。
【0048】
具体的には、塩化ビニリデン充填物10は、デイビイエス株式会社の水処理用接触材DBLace(商品名)を採用した。しかし、このメーカーに限定する必要は特になく、塩化ビニリデン充填物ならばどのメーカーのものでもよい。
【0049】
それぞれの液中膜7が詰まった場合には、基本的には、散気管8−1による空気洗浄によって機能を回復するが、空気洗浄だけではどうしても処理機能を回復しないことがある。
【0050】
その場合、下部散気管8−2による空気洗浄を行うと、塩化ビニリデン充填物10に付着していた汚泥も剥離して、この剥離した汚泥が液中膜7に詰まった汚泥に衝突することで、詰まった汚泥を剥がす。これによって、液中膜7に対して空気という気体と固形物としての汚泥の両方による洗浄がなされることとなり、液中膜7をより確実に洗浄できる。
【0051】
また、中和槽3内のPH計4によるPH値が上昇してアルカリ性を示した場合は、下部散気管8−2による空気洗浄を行う。すると、塩化ビニリデン充填物10に付着していた汚泥も剥離して、液中膜7に対して空気という気体と固形物としての汚泥の両方による洗浄と同時に、剥離した汚泥の干渉作用による緊急時のPH調整が可能となる。
【0052】
このように、PH計4と塩化ビニリデン充填物洗浄用のブロワー13は、連動(連動して作動)しており、PHが上昇したときは、ブロワー13が作動して、下部散気管8−2から空気を吐出させる。これにより、汚泥の持つ干渉作用が働いて、結果的にPH調整できる。なお、この発明でいう中和には、次の(1)と(2)による中和がある。すなわち、(1) 硝酸イオンによる中和、(2) 汚泥の持つ干渉作用による中和。
【0053】
この実施形態の中和装置では、液中膜ポンプ5が吸引することにより、液中膜7から処理水が得られる。なお、中和槽3での滞留時間は、流入排水のPHによっても異なるが、12時間以上が望ましい。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図2に、この発明の中和装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、前述の第1実施形態と比較して、流入水の内容が異なる。つまり、第1実施形態では、流入水が有機アルカリ排水であるのに対し、第2実施形態では無機アルカリ排水である。さらに、この第2実施形態では、中和槽3に有機排水が導入されている。上記2点のみが、第2実施形態と第1実施形態とで異なる。したがって、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0055】
この第2実施形態では、排水が無機アルカリ排水である。よって、有機アルカリ排水のように、微生物が、排水中の有機物(窒素の化合物)をベースに硝酸イオンを製造することができない。したがって、中和槽3に有機排水を新たに導入して、中和槽3で新たに導入した有機排水中の窒素化合物をベースとして硝酸イオンを製造し、無機アルカリ排水を中和している。
【0056】
一般に、無機アルカリ排水は、劇薬である塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸を使用しての中和が従来技術であったが、この第2実施形態では、化学物質の使用量削減の時代に至った今日、有機排水に由来する窒素化合物をベースに硝酸イオンを製造して中和する安全な方法を実行できる。
【0057】
なお、中和槽3に導入する有機排水は、特に限定するものではなく、窒素化合物を含有していれば、その他は特に限定しない。
【0058】
[第3実施形態]
次に、図3に、この発明の中和装置の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、前述の第1実施形態と比較して、中和槽3への流入水導入部分の内容が異なる。すなわち、第1実施形態では、原水槽1から中和槽3の上部に排水を導入するのに対し、第3実施形態では、原水槽1から中和槽3の下部に排水を導入する点のみが、第1実施形態と異なる。したがって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
この第3実施形態では、有機アルカリ排水を、原水槽1から原水槽ポンプ2によって、中和槽3の下部に設置してある流入管15から、中和槽3に導入する。この中和槽3では、処理水は、液中膜ポンプ5が吸引することによって、上部に配置されている液中膜7から、確保される。
【0060】
したがって、原水槽1からの有機アルカリ排水を、流入管15で中和槽3の下部に導入すれば、排水が中和槽3をショートパスして未処理のまま流出することはない。よって、この第3実施形態によれば、前述の第1実施形態よりも確実に中和できることとなる。
【0061】
[第4実施形態]
次に、図4に、この発明の中和装置の第4実施形態を示す。この第4実施形態は、前述の第2実施形態と比較して、中和槽3への流入水導入部分の内容が異なる。すなわち、第2実施形態では中和槽3の上部に流入水を導入するのに対し、この第4実施形態では、中和槽3の下部に流入水を導入する点のみが、第2実施形態と異なる。したがって、この第4実施形態では、前述の第2実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0062】
この第4実施形態では、無機アルカリ排水を、原水槽ポンプ2によって、中和槽3の下部に設置してある流入管15から、中和槽3に導入する。この中和槽3では、処理水は上部に配置されている液中膜7から、液中膜ポンプ5が吸引することによって、確保される。したがって、原水槽1からの有機アルカリ排水を、中和槽3の下部に導入すれば、排水が中和槽3をショートパスして未処理のまま流出することはない。よって、この第4実施形態の方法では、第2実施形態よりも確実に中和がなされることとなる。
【0063】
[第5実施形態]
次に、図5に、この発明の中和装置の第5実施形態を示す。この第5実施形態は、中和槽3の上部に設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管8−1が、個々の液中膜7に対応して配置されているのではなく、複数の液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管58−1が設置されている。この点が、前述の第1実施形態と異なる。また、この第5実施形態では、第1実施形態における仕切板16は、液中膜7の下部に設置されていない。
【0064】
また、この第5実施形態では、中和槽3の下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗浄するための散気管58−2が、塩化ビニリデン充填物10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管58−2となっている。また、塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10との間に、第1実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0065】
したがって、この第5実施形態では、前述の第1実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
この第5実施形態における設備は、第1実施形態における設備と比較して、簡素化されている。よって、第5実施形態の設備のイニシャルコストは低減されるものの、性能は実用上は支障がない程度に多少劣る。
【0067】
[第6実施形態]
次に、図6に、この発明の中和装置の第6実施形態を示す。この第6実施形態は、前述の第2実施形態の変形例に相当する。したがって、この第6実施形態では、前述の第2実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
この第6実施形態は、中和槽3の上部に設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管68−1が、液中膜7の個々に対応して配置されているのではなく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管68−1となっている。また、液中膜7の下部に、第1実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0069】
また、この第6実施形態では、中和槽3の下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗浄するための散気管68−2を、塩化ビニリデン充填物10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管68−2として配置されている。また、塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10との間に、第2実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0070】
この第6実施形態における設備は、第2実施形態における設備と比較して、簡素化された内容である。よって、第6実施形態の設備のイニシャルコストは低減されるものの、性能は多少劣る。
【0071】
[第7実施形態]
次に、図7に、この発明の中和装置の第7実施形態を示す。この第7実施形態は、前述の第3実施形態の変形例に相当する。したがって、この第7実施形態では、前述の第3実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】
この第7実施形態では、中和槽3の上部に設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管78−1が、液中膜7の個々に対応して配置されているのではなく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管78−1として設置されている。また、液中膜7の下部に、第1実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0073】
また、中和槽3の下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗浄するための散気管78−2が、塩化ビニリデン充填物10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管78−2として設置されている。また、塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10との間に、第3実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0074】
したがって、この第7実施形態における設備は、第3実施形態における設備と比較して、簡素化された内容である。よって、第7実施形態の設備のイニシャルコストは低減されるものの、性能は多少劣る内容である。
【0075】
[第8実施形態]
次に、図8に、この発明の中和装置の第8実施形態を示す。この第8実施形態は、前述の第4実施形態の変形例に相当する。したがって、この第7実施形態では、前述の第3実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0076】
この第8実施形態では、中和槽3の上部に設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管88−1を、液中膜7の個々に対応して配置されているのではなく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つの散気管88−1として設置している。また、液中膜7の下部に、第4実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0077】
また、この第8実施形態では、中和槽3の下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗浄するための散気管88−2が、複数の塩化ビニリデン充填物10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな散気管88−2が設置されている。また、隣接している塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10の間に、第4実施形態における仕切板16は設置されていない。
【0078】
この第8実施形態における設備は、第4実施形態における設備と比較して、簡素化された内容である。よって、第8実施形態の設備のイニシャルコストは低減されるものの、性能は多少劣る内容である。
【0079】
この発明では、微生物による反応を扱っており、温度によって、その反応はかなり変ると予想される。しかしながら実際には、微生物が高濃度に存在するので、その反応による熱の発生もあり、外気の温度(冬場と夏場のような)によらず、この発明の装置での処理速度は、実質上変らない。
【0080】
[第1実験例]
次に、具体的な実験例として、図1に示す第1実施形態と同じ構造の実験装置を用いた中和処理の実験例を説明する。この第1実験例では、原水槽1の容量を1立方メートルとし、中和槽3の容量を4立方メートルとした。
【0081】
そして、中和槽3の上部に、株式会社クボタの液中膜7を50枚だけ設置し、中和槽3の下部に塩化ビニリデン充填物10として、デイビイエス株式会社のDBLaceを100m(50枚×2m)だけ設置した。
【0082】
この構成の装置では、有機アルカリ排水を中和処理し、液中膜ポンプ5によって処理水を得た。このとき、原水槽1に貯留された有機アルカリ排水のPHは、12.6であり、液中膜ポンプ5によって得た処理水のPHは、6.8であった。
【0083】
[第2実験例]
次に、具体的な実験例として、図2に示す第2実施形態と同じ構造の実験装置を用いた中和処理の実験例を説明する。この第2実験例では、原水槽1の容量を1立方メートルとし、中和槽3の容量を4立方メートルとした。
【0084】
そして、中和槽3の上部に、株式会社クボタの液中膜7を50枚だけ設置し、中和槽3の下部に、塩化ビニリデン充填物10としてデイビイエス株式会社のDBLace(商品名)を100m(50枚×2m)だけ設置した。
【0085】
この構成の装置で無機アルカリ排水を中和処理し、液中膜ポンプ5によって処理水を得た。このとき、原水槽1に貯留された無機アルカリ排水のPHは、12.4であり、液中膜ポンプ5によって得た処理水のPHは、7.8であった。
【0086】
尚、中和槽3に導入させた有機排水は、具体的には、生活系余剰汚泥である。
【0087】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の一参考例の中和方法は、有機アルカリ排水を好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和することができる。すなわち、好気性微生物によって有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造して、中和するので、環境に優しい中和方法となり、環境リスクを低減できる効果がある。
【0088】
また、この発明の中和装置は、有機アルカリ排水を好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和することができる。すなわち、好気性微生物によって有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造して、中和するので、環境に優しい中和装置となり、環境リスクを低減できる効果がある。
【0089】
また、一参考例の中和方法は、無機アルカリ排水に窒素を含む有機排水を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和することができる。したがって、無機アルカリ排水に有機排水を混合するので、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖し、有機物が窒素成分を含有しているので、好気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学的に製造し、無機アルカリ排水を中和できる。すなわち、無機のアルカリ排水であっても、有機排水を巧みに活用して中和でき、資源の有効利用という効果がある。
【0090】
また、一実施形態の中和装置は、無機アルカリ排水に窒素を含む有機排水を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和する。この構成によれば、無機アルカリ排水に有機排水を混合するので、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖し、有機物が窒素成分を含有しているので、好気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学的に製造し、無機アルカリ排水を中和することができる。よって、無機のアルカリ排水であっても、有機排水を巧みに活用して中和でき、資源を有効利用できるという効果がある。
【0091】
また、他の実施形態の中和装置は、限外濾過膜、PH計および空気供給手段を備え、好気性微生物を利用したので、好気性微生物は限外濾過膜の内側に流入することがなく、限外濾過膜の外側に維持でき、しかも、高濃度に培養できる。したがって、有機物を合理的に微生物分解して、有機物に起因する窒素を起源として硝酸イオンを製造することができ、アルカリ排水を中和できる。また、限外濾過膜を使用しているので、微生物を高濃度に維持できるばかりでなく、一般の排水処理における沈澱槽による微生物沈澱分離の場合における微生物の流出が皆無となる。すなわち、処理水を安定的に確保できる。
【0092】
また、一実施形態の中和装置は、上記限外濾過膜が、水槽の内部に設置する液中膜であるので、新たな限外濾過膜のための設置スペースが不必要となる。
【0093】
また、一実施形態の中和装置は、上記窒素を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであるので、不要な廃棄物としての生活系の余剰汚泥スラリーを再利用することができると同時に資源の有効利用を計ることができる。
【0094】
また、他の実施形態の中和装置は、上記液中膜の下部に吐出量を自動的に調整できる散気管が設置されているので、散気管からの空気量を調整して、液中膜の処理能力と硝酸イオンの製造能力の両方をコントロールできる。すなわち、液中膜の処理能力は、散気管から吐出する空気量によって、ある程度決定されるし、硝酸イオンの製造量は、硝酸イオンが窒素化合物の酸化工程における最終産物であるが故、散気管から吐出する空気量によって決定される。すなわち、処理能力や硝酸イオンの製造量を調整できる。
【0095】
また、一実施形態の中和装置は、液中膜の下部の散気管とは別の散気管が、塩化ビニリデン充填物の下部に設置されているので、液中膜洗浄専用の散気管と、硝酸イオン製造専用の散気管とに区分でき、目的に合った空気量をそれぞれの散気管から吐出させることができる。
【0096】
また、他の実施形態の中和装置は、水槽内に溶存酸素計が設置されているので、溶存酸素計による溶存酸素濃度によって、硝酸イオンの製造量の製造限界を知ることができる。すなわち、水槽内の溶存酸素濃度が高い場合は、さらに空気量を増加させても、硝酸イオンの増加は期待できないことが分かる。また、逆に、溶存酸素濃度が低い場合は、空気量を増加させれば、硝酸イオンが増加して、PHを下げることができる。このように、溶存酸素によって、硝酸イオンを制御できる。
【0097】
また、一参考例の中和装置は、別の散気管から発生する気体が、窒素ガスである。この構成によれば、気体が窒素ガスであるが故、窒素ガスに起因する硝酸イオンも製造でき、空気よりも容易に硝酸イオンを製造できる。すなわち、窒素ガスから硝酸イオンを製造できる。
【0098】
また、他の参考例の中和方法は、アルカリ排水を窒素ガスと空気を吹き込みながら、好気性微生物を繁殖させて硝酸イオンを製造して中和する。この構成によれば、ランニングコストが高い窒素ガスの使用量を削減できる。また、硝酸イオンの製造量を窒素ガス量と空気量の配分によって容易にコントロールできる。すなわち、ランニングコストを低減できる。
【0099】
また、一参考例の中和方法は、上記中和方法において、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌である。この方法によれば、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌であるので、窒素化合物を基質として、効率良く、硝酸イオンを製造できる。
【0100】
また、他の実施形態の中和装置は、上記液中膜の下部に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、その下部に散気管が配置されている。この構成によれば、塩化ビニリデン充填物に付着し繁殖した汚泥を散気管から吐出する気体(空気または窒素ガス)によって、剥離させ上昇させ、液中膜に付着した汚泥を洗浄(汚泥洗浄)処理できる。液中膜を汚泥洗浄するので、液中膜に付着した汚泥を物理的に完全に洗浄でき、液中膜の能力を維持できる。
【0101】
また、一実施形態の中和装置は、塩化ビニリデン充填物が、放射状に延びる複数の輪状体からなるので、表面積が格段に広く、結果的に多量の微生物を付着繁殖させることができる。すなわち、硝酸イオンを生物学的に多量に製造でき、中和処理性能を向上できる。
【0102】
また、他の実施形態の中和装置は、生物学的な排水処理装置を兼ねているので、中和機能のみならず、生物学的な排水処理機能を発揮でき、装置としての価値を高めることができる。発明の価値を高める効果がある。
【0103】
また、一実施形態の中和装置は、上記中和装置において、中和装置内の微生物濃度(MLSS(Mixed Liquor Suspended Solid)濃度)が、10000ppm以上である。したがって、微生物は、有機物中の窒素を酸化して硝酸イオンを多量に製造することができ、アルカリ排水に対して中和できる。すなわち、薬品を使用することなく硝酸イオンを製造して中和できる。
【0104】
また、一実施形態の中和装置は、液中膜の処理能力を塩化ビニリデン充填物の下に配設されている散気管から吐出する空気量によって制御する。したがって、塩化ビニリデン充填物の下に配設されている散気管から吐出する空気によって、塩化ビニリデン充填物に付着している汚泥を剥離できる。これにより、液中膜に付着した汚泥を剥離でき、液中膜の処理性能を維持できる。
【0105】
このように、この発明の中和装置は、劇薬としての塩酸等の鉱酸を使用することなく、有機物に含まれる窒素化合物をベースとして、硝酸イオンを微生物によって製造して、各種アルカリ排水を中和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の中和装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】 この発明の中和装置の第2実施形態を示す構成図である。
【図3】 この発明の中和装置の第3実施形態を示す構成図である。
【図4】 この発明の中和装置の第4実施形態を示す構成図である。
【図5】 この発明の中和装置の第5実施形態を示す構成図である。
【図6】 この発明の中和装置の第6実施形態を示す構成図である。
【図7】 この発明の中和装置の第7実施形態を示す構成図である。
【図8】 この発明の中和装置の第8実施形態を示す構成図である。
【図9】 図9(A),(B)は上記実施形態が有する塩化ビニリデン充填物の外観を示す側,正面図である。
【符号の説明】
1…原水槽、2…原水槽ポンプ、3…中和槽、4…PH計、
5…液中膜ポンプ、6…DO計、7…液中膜、
8−1,58−1,68−1,78−1,88−1…上部散気管、
8−2,58−2,68−2,78−2,88−2…下部散気管、
9…ガイド、10…塩化ビニリデン充填物、11…固定金具、
12…液中膜洗浄用のブロワー、
13…塩化ビニリデン充填物洗浄用のブロワー、
14…信号線、15…流入管、16…仕切板。
Claims (3)
- アルカリ性で、かつ、有機物としての窒素化合物を含有する有機アルカリ排水を、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して、中和する中和装置であり、
上記有機アルカリ排水が導入される中和槽を備え、
上記中和槽は、
濾過した処理水を取り出すための限外濾過膜と、
好気性微生物を繁殖させる塩化ビニリデン充填物と、
上記中和槽内での排水のPHを測定するPH計と、
上記中和槽内に空気を供給する空気供給手段を有し、
上記限外濾過膜が、上記中和槽の内部に設置する液中膜であり、
上記液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる第1の散気管が設置され、
上記第1の散気管の下方に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側面の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、この塩化ビニリデン充填物の下部かつ上記ガイドの内側に第2の散気管が配置されており、
さらに、上記第2の散気管に接続した空気供給手段であるブロワーが信号線で上記排水のPHを測定するPH計と接続されており、
上記ブロワーは上記PH計が測定したPHに応じた空気量を上記第2の散気管から吐出させ、
上記液中膜の処理能力を、上記塩化ビニリデン充填物の下に配設されている上記第2の散気管から吐出する空気量によって、制御することを特徴とする中和装置。 - 無機物を含むアルカリ性の排水である無機アルカリ排水に、窒素を含む有機排水を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して、中和する中和装置であり、
上記無機アルカリ排水と上記有機排水とが導入される中和槽を備え、
上記中和槽は、
濾過した処理水を取り出すための限外濾過膜と、
好気性微生物を繁殖させる塩化ビニリデン充填物と、
上記中和槽内での排水のPHを測定するPH計と、
上記中和槽内に空気を供給する空気供給手段を有し、
上記限外濾過膜が、上記中和槽の内部に設置する液中膜であり、
上記液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる第1の散気管が設置され、
上記第1の散気管の下方に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側面の延長上に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、この塩化ビニリデン充填物の下部かつ上記ガイドの内側に第2の散気管が配置されており、
さらに、上記第2の散気管に接続した空気供給手段であるブロワーが信号線で上記排水のPHを測定するPH計と接続されており、
上記ブロワーは上記PH計が測定したPHに応じた空気量を上記第2の散気管から吐出させ、
上記液中膜の処理能力を、上記塩化ビニリデン充填物の下に配設されている上記第2の散気管から吐出する空気量によって、制御することを特徴とする中和装置。 - 請求項2に記載の中和装置において、
上記窒素を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであることを特徴とする中和装置。
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