JP2002136992A - 中和方法および中和装置 - Google Patents
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Abstract
く、各種アルカリ排水を中和できる中和方法および中和
装置を提供する。 【解決手段】 この中和装置では、中和槽3内に設置さ
れた塩化ビニリデン充填物10に好気性微生物を繁殖さ
せ、この好気性微生物で原水槽1から導入された有機ア
ルカリ排水から硝酸イオンを製造して、有機アルカリ排
水を中和する。これにより、劇薬としての塩酸等の鉱酸
を使用することなく、各種アルカリ排水を中和できる。
Description
水や無機アルカリ排水を薬品としての酸によって中和す
るのではなく、排水の成分としての窒素を、好気性微生
物によって硝酸イオンに変換して中和する中和方法およ
び中和装置に関する。
や、環境問題の観点から、劇薬等の化学物質を極力使用
しない安全なプロセスが求められるようになってきた。
おいても、同様に、環境に優しいプロセスが求められて
いるが、従来技術においては、中和は、例えば、アルカ
リ排水に対しては、薬品としての酸を添加して撹拌し中
和する方法であった。
しての酸を添加して中和する上述の方法は、劇薬として
の酸が漏れたときの被害や、その対策や、また、劇薬に
人が触れたときの人的被害等を考慮すると安全の面から
も、環境の面からも問題であった。
酸等を使用しないで、中和できれば、安全の面からも、
環境の面からも好都合である。
塩酸等の鉱酸を使用することなく、各種アルカリ排水を
中和できる中和方法および中和装置を提供することにあ
る。
め、この発明の中和方法は、有機アルカリ排水を、好気
性微生物によって硝酸イオンを製造して、中和すること
を特徴としている。
有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造して、
中和することができる。
アルカリ排水の中にも多量の窒素化合物が存在してい
る。有機アルカリ排水中の窒素成分から、好気性微生物
によって硝酸イオンを製造し、中和に利用する。
量に使用されている有機アルカリ排水としての現像廃液
に対して、好気性微生物でもって、硝酸イオンを製造し
て中和することができる。
のアルカリ排水であり、主成分が窒素の化合物であるT
MAH(テトラメチルハイドロオキサイド)である。この
TMAHの化学式は、(CH3)4N−OH であり、この
(CH3)4N−OHから、好気性微生物によって、NO3
イオンを製造する。これにより、当然のことながら、こ
のTMAH((CH3)4N−OH)も、好気性微生物によっ
て、硝酸イオンまで分解されたこととなる。
カリ排水を、好気性微生物によって硝酸イオンを製造し
て、中和する。この装置によれば、好気性微生物によっ
て有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造し
て、中和できる。
ルカリ排水に、窒素を含む有機排水(有機物)を混合し
て、好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和す
る。この方法によれば、無機アルカリ排水に有機排水を
混合することから、有機排水をベースに好気性微生物が
繁殖し、有機物が窒素成分を含有していることから、好
気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学的に製
造する。これにより、無機アルカリ排水を中和できる。
ので、好気性の微生物は繁殖できないが、窒素を含む有
機排水(有機物)を混合することで、好気性微生物を繁殖
させ、窒素分から硝酸イオンを製造して無機アルカリ排
水を中和する。従来技術における劇薬としての塩酸や硫
酸による化学中和の方法と比較して、この発明の微生物
による中和方法は、劇薬を使用しないので、安全な中和
方法となる。
カリ排水に、窒素を含む有機排水(有機物)を混合して、
好気性微生物によって硝酸イオンを製造して中和する。
この装置によれば、無機アルカリ排水に有機排水を混合
するので、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖す
る。そして、有機物が窒素成分を含有していることか
ら、好気性微生物は、有機物から硝酸イオンを微生物学
的に製造し、無機アルカリ排水を中和できる。
和装置において、限外濾過膜、PH計および空気供給手
段を備え、好気性微生物を利用した装置である。この装
置によれば、好気性微生物と限外濾過膜を利用している
ので、好気性微生物が限外濾過膜の内側に流入すること
がなく、限外濾過膜の外側に維持でき、しかも、高濃度
に培養できる。したがって、有機物を合理的に微生物分
解して、有機物に起因する窒素を起源として硝酸イオン
を製造することができ、アルカリ排水を中和できる。
装置において、限外濾過膜が、水槽の内部に設置する液
中膜である。この構成によれば、限外濾過膜が水槽の内
部に設置されているので、新たな限外濾過膜のための設
置スペースが不必要となる。
和装置において、窒素を含む有機排水が、生活系の余剰
汚泥スラリーである。この構成によれば、窒素を含む有
機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであるので、不要
な廃棄物としての生活系の余剰汚泥スラリーを再利用す
ることができると同時に資源の有効利用を計れる。
装置において、液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整
できる散気管が設置されている。この構成によれば、液
中膜の下部に吐出量を自動的に調整できる散気管が設置
されているので、散気管からの空気量を調整して、液中
膜の処理能力と硝酸イオンの製造能力の両方をコントロ
ールできる。すなわち、液中膜の処理能力は、散気管か
ら吐出する空気量によって、ある程度決定される。ま
た、硝酸イオンの製造量は、硝酸イオンが窒素化合物の
酸化工程における最終産物であるが故、散気管から吐出
する空気量によって決定される。
和装置において、液中膜の下部の散気管とは別の散気管
が、塩化ビニリデン充填物の下部に配設され、この別の
散気管から吐出する空気量が、PH計と連動している。
この構成によれば、液中膜洗浄専用の散気管と、硝酸イ
オン製造専用の散気管とに区分でき、目的に合った空気
量をそれぞれの散気管から吐出させることができる。
装置において、水槽内に溶存酸素計が設置されている。
この構成によれば、溶存酸素計による溶存酸素濃度によ
って、硝酸イオンの製造量の製造限界を知ることができ
る。すなわち、水槽内の溶存酸素濃度が高い場合は、さ
らに空気量を増加させても、硝酸イオンの増加は期待で
きない。また、逆に、溶存酸素濃度が低い場合は、空気
量を増加させれば、硝酸イオンが増加して、PHを下げ
ることができる。
和装置において、別の散気管から発生する気体が、窒素
ガスである。これによれば、上記気体が窒素ガスである
ので、窒素ガスに起因する硝酸イオンも製造でき、空気
よりも容易に硝酸イオンを製造できる。
排水を、窒素ガスと空気を吹き込みながら、好気性微生
物を繁殖させて、硝酸イオンを製造して中和する。この
構成によれば、窒素ガス(N2ガス)と空気(酸素ガスと窒
素ガス)を吹き込みながら、微生物を触媒として硝酸イ
オンを製造し、中和に利用する。したがって、ランニン
グコストが高い窒素ガスの使用量を削減することができ
る。また、硝酸イオンの製造量を窒素ガス量と空気量の
配分によって容易にコントロールすることができる。
和方法において、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌であ
るので、窒素化合物を基質として、効率良く硝酸イオン
を製造できる。なお、硝酸菌は、亜硝酸イオンを硝酸イ
オンに酸化する菌の総称を意味する。また、亜硝酸菌
は、アンモニウムイオンを亜硝酸イオンまで、酸化する
菌の総称を意味する。
装置において、上記液中膜の下部に、塩化ビニリデン充
填物とガイドが配設され、上記液中膜の両外側の延長上
に、上記塩化ビニリデン充填物のガイドが配置され、か
つ、その下部に散気管が配置されている。この構成によ
れば、散気管から吐出する気体(空気または窒素ガス)に
よって、塩化ビニリデン充填物に付着して繁殖した汚泥
を、上記ガイドに沿って、剥離し、上昇させ、液中膜に
付着した汚泥を洗浄処理できる。この洗浄処理によっ
て、液中膜の能力を維持できる。
和装置において、塩化ビニリデン充填物が、放射状に延
びる複数の輪状体であるから、放射状に延びる複数の輪
状体からなる塩化ビニリデン充填物に、多量の微生物を
付着させて繁殖させることができる。
装置において、生物学的な排水処理装置の役割を兼ねて
いるので、中和機能のみならず、生物学的な排水処理機
能を発揮でき、装置としての価値を高めることができ
る。この中和装置は、微生物で中和するので、当然のこ
とながら、微生物が本来保有している生物学的な処理機
能も有している。よって、この中和装置は生物学的な排
水処理装置ともなる。
和装置において、装置内の微生物濃度(MLSS(Mixed
Liquor Suspended Solid)濃度)が、10000pp
m以上であるので、微生物は、有機物中の窒素を酸化し
て硝酸イオンを多量に製造することができ、アルカリ排
水を中和できる。この中和装置が、ある程度の機能を果
たすためには、微生物濃度が高い方が良いことが解って
いて、MLSS濃度が10000ppm以上、好ましく
は、MLSS濃度20000〜30000ppm程度が
最適である。
泥濃度(MLSS)が高濃度であれば、その中和作用も、
下記に示すように大きくなる。下記では、1000cc
の生物汚泥に、PH11の排水を100ccだけ添加す
る条件で実験を行った(すなわち、総液量は1100
c)。
て、液中膜の処理能力を、塩化ビニリデン充填物の下に
配設されている散気管から吐出する空気量によって、制
御する。
の下に配設されている散気管から吐出する空気によっ
て、塩化ビニリデン充填物に付着している汚泥を剥離す
ることができる。そして、液中膜表面を空気と汚泥を含
む排水によって、洗浄するので、液中膜の表面の洗浄を
確実に実施できる。
の表面に汚泥等が付着し、処理能力が低下する。このた
め、従来は、空気曝気によって、液中膜の表面を洗浄し
て、所定の処理能力を回復させていた。
生物濃度を相当高めることでもあるが、微生物濃度を高
めることによっておこる問題点もある。それは、後述す
るような汚泥による液中膜の閉塞である。そこで、この
発明では、液中膜の下部に塩化ビニリデン充填物を配置
し、曝気によって、汚泥を、塩化ビニリデン充填物から
剥離させて、液中膜を定期的に「汚泥洗浄」することに
よって、前記問題点を解決している。
アルカリ排水をある程度中和できることは知られていた
が、この発明では、微生物濃度を格段に高めることによ
って、多量の硝酸イオンを発生させて、強アルカリ排水
をも中和する点が1つのポイントである。
態に基づいて詳細に説明する。
装置の第1実施形態の構成を示す。この第1実施形態
は、有機アルカリ排水を、薬品としての塩酸などを使用
することなく中和できる中和装置である。
る。この原水槽1に流入した有機アルカリ排水は、一定
時間だけ貯留された後に、原水槽ポンプ2によって、中
和槽3に移送される。この中和槽3の内部上方に液中膜
7が配置されている。この液中膜7は、複数の仕切板1
6aで仕切られている。そして、この複数の仕切板16
aで仕切られたスペースの下部に複数の上部散気管8−
1が配置され、この上部散気管8−1はブロワー12に
接続されている。
リデン充填物10が配置されている。この塩化ビニリデ
ン充填物10は、図9(A),(B)に示すように、放射状
に延びる複数の輪状体からなる。この塩化ビニリデン充
填物10は、中心部のひも状の糸体10bとこの糸体1
0bから放射状に延びている複数の輪状体10aからな
る。この塩化ビニリデン充填物10は、その上端と下端
が固定金具11に接続されている。また、この複数の塩
化ビニリデン充填物10は、仕切板16bで仕切られて
おり、最も外側の両サイドがガイド9でカバーされてい
る。このガイド9は、中和槽3の内部で上下に延在して
いて、上記液中膜7の上端まで延びている。
0の下方には、複数の下部散気管8−2が配置されてお
り、この複数の下部散気管8−2はブロワー13に接続
されている。このブロワー13は、信号線14でPH計
4に接続されている。PH計4は、液中膜7の周辺に存
在する排水のPHを測定する。また、このPH計4とほ
ぼ同じ上下位置レベルの排水の溶存酸素濃度を測定する
DO計(溶存酸素濃度計)6が、PH計4と並んで配置さ
れている。
しており、この液中膜ポンプ5で、液中膜7で濾過した
処理水を取り出すことができる。また、液中膜7の下部
には、液中膜7の個数だけ、散気管8−1が設置され、
液中膜7の濾過能力が減少しないように、液中膜7を常
時空気洗浄している。
的には株式会社クボタの商品を採用した。
中膜洗浄用ブロワー12から、配管を通じて供給され
る。そのときの空気量は、液中膜1枚当り、0.9m3/
時間である。
が真っ直ぐに上昇できるように、上記仕切板16が設置
されている。この仕切板16は、塩化ビニリデン充填物
10と塩化ビニリデン充填物10との間にも設置され
て、最下部の散気管8−2から吐出する空気が、まっ直
ぐに上昇して、液中膜7の表面を正確に洗浄する役目を
果たす。
ための空気量は、塩化ビニリデン充填物1m3当たり1
0m3/時間以上の条件が望ましいが絶対ではない。
化ビニリデン充填物洗浄用のブロワー13から、配管を
通じて供給される。
は、上下の固定金具11に固定されており、時間の経過
とともに汚泥が塩化ビニリデン充填物10に付着してい
く。塩化ビニリデン充填物10は、放射状の輪状体であ
るので、他の充填材と比較して表面積が格段に広く、多
くの微生物が付着し易い。塩化ビニリデン充填物10は
放射状の輪状体であるので、汚泥が付着しやすく、ま
た、塩化ビニリデン充填物10の内部は、酸素が行き渡
らないので、嫌気性となり、嫌気性微生物が繁殖する。
は、曝気による空気中の酸素と接触することによって、
好気性となり好気性の微生物が繁殖する。
は、デイビイエス株式会社の水処理用接触材DBLac
e(商品名)を採用した。しかし、このメーカーに限定す
る必要は特になく、塩化ビニリデン充填物ならばどのメ
ーカーのものでもよい。
基本的には、散気管8−1による空気洗浄によって機能
を回復するが、空気洗浄だけではどうしても処理機能を
回復しないことがある。
浄を行うと、塩化ビニリデン充填物10に付着していた
汚泥も剥離して、この剥離した汚泥が液中膜7に詰まっ
た汚泥に衝突することで、詰まった汚泥を剥がす。これ
によって、液中膜7に対して空気という気体と固形物と
しての汚泥の両方による洗浄がなされることとなり、液
中膜7をより確実に洗浄できる。
が上昇してアルカリ性を示した場合は、下部散気管8−
2による空気洗浄を行う。すると、塩化ビニリデン充填
物10に付着していた汚泥も剥離して、液中膜7に対し
て空気という気体と固形物としての汚泥の両方による洗
浄と同時に、剥離した汚泥の干渉作用による緊急時のP
H調整が可能となる。
填物洗浄用のブロワー13は、連動(連動して作動)して
おり、PHが上昇したときは、ブロワー13が作動し
て、下部散気管8−2から空気を吐出させる。これによ
り、汚泥の持つ干渉作用が働いて、結果的にPH調整で
きる。なお、この発明でいう中和には、次のとによ
る中和がある。すなわち、 硝酸イオンによる中和、
汚泥の持つ干渉作用による中和。
プ5が吸引することにより、液中膜7から処理水が得ら
れる。なお、中和槽3での滞留時間は、流入排水のPH
によっても異なるが、12時間以上が望ましい。
の中和装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態
は、前述の第1実施形態と比較して、流入水の内容が異
なる。つまり、第1実施形態では、流入水が有機アルカ
リ排水であるのに対し、第2実施形態では無機アルカリ
排水である。さらに、この第2実施形態では、中和槽3
に有機排水が導入されている。上記2点のみが、第2実
施形態と第1実施形態とで異なる。したがって、この第
2実施形態では、前述の第1実施形態と同じ構成部分に
は同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
リ排水である。よって、有機アルカリ排水のように、微
生物が、排水中の有機物(窒素の化合物)をベースに硝酸
イオンを製造することができない。したがって、中和槽
3に有機排水を新たに導入して、中和槽3で新たに導入
した有機排水中の窒素化合物をベースとして硝酸イオン
を製造し、無機アルカリ排水を中和している。
塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸を使用しての中和が従来技術
であったが、この第2実施形態では、化学物質の使用量
削減の時代に至った今日、有機排水に由来する窒素化合
物をベースに硝酸イオンを製造して中和する安全な方法
を実行できる。
に限定するものではなく、窒素化合物を含有していれ
ば、その他は特に限定しない。
の中和装置の第3実施形態を示す。この第3実施形態
は、前述の第1実施形態と比較して、中和槽3への流入
水導入部分の内容が異なる。すなわち、第1実施形態で
は、原水槽1から中和槽3の上部に排水を導入するのに
対し、第3実施形態では、原水槽1から中和槽3の下部
に排水を導入する点のみが、第1実施形態と異なる。し
たがって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態
と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略
する。
を、原水槽1から原水槽ポンプ2によって、中和槽3の
下部に設置してある流入管15から、中和槽3に導入す
る。この中和槽3では、処理水は、液中膜ポンプ5が吸
引することによって、上部に配置されている液中膜7か
ら、確保される。
排水を、流入管15で中和槽3の下部に導入すれば、排
水が中和槽3をショートパスして未処理のまま流出する
ことはない。よって、この第3実施形態によれば、前述
の第1実施形態よりも確実に中和できることとなる。
の中和装置の第4実施形態を示す。この第4実施形態
は、前述の第2実施形態と比較して、中和槽3への流入
水導入部分の内容が異なる。すなわち、第2実施形態で
は中和槽3の上部に流入水を導入するのに対し、この第
4実施形態では、中和槽3の下部に流入水を導入する点
のみが、第2実施形態と異なる。したがって、この第4
実施形態では、前述の第2実施形態と同じ構成部分には
同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
を、原水槽ポンプ2によって、中和槽3の下部に設置し
てある流入管15から、中和槽3に導入する。この中和
槽3では、処理水は上部に配置されている液中膜7か
ら、液中膜ポンプ5が吸引することによって、確保され
る。したがって、原水槽1からの有機アルカリ排水を、
中和槽3の下部に導入すれば、排水が中和槽3をショー
トパスして未処理のまま流出することはない。よって、
この第4実施形態の方法では、第2実施形態よりも確実
に中和がなされることとなる。
の中和装置の第5実施形態を示す。この第5実施形態
は、中和槽3の上部に設置してある液中膜7を空気洗浄
するための散気管8−1が、個々の液中膜7に対応して
配置されているのではなく、複数の液中膜7全部に対向
して、まとめて大きな1つの散気管58−1が設置され
ている。この点が、前述の第1実施形態と異なる。ま
た、この第5実施形態では、第1実施形態における仕切
板16は、液中膜7の下部に設置されていない。
下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗
浄するための散気管58−2が、塩化ビニリデン充填物
10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化
ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな
1つの散気管58−2となっている。また、塩化ビニリ
デン充填物10と塩化ビニリデン充填物10との間に、
第1実施形態における仕切板16は設置されていない。
の第1実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳
細な説明を省略する。
施形態における設備と比較して、簡素化されている。よ
って、第5実施形態の設備のイニシャルコストは低減さ
れるものの、性能は実用上は支障がない程度に多少劣
る。
の中和装置の第6実施形態を示す。この第6実施形態
は、前述の第2実施形態の変形例に相当する。したがっ
て、この第6実施形態では、前述の第2実施形態と同じ
構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管68−
1が、液中膜7の個々に対応して配置されているのでは
なく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つの
散気管68−1となっている。また、液中膜7の下部
に、第1実施形態における仕切板16は設置されていな
い。
下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗
浄するための散気管68−2を、塩化ビニリデン充填物
10の個々に対応して配置されているのではなく、塩化
ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめて大きな
1つの散気管68−2として配置されている。また、塩
化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充填物10と
の間に、第2実施形態における仕切板16は設置されて
いない。
施形態における設備と比較して、簡素化された内容であ
る。よって、第6実施形態の設備のイニシャルコストは
低減されるものの、性能は多少劣る。
の中和装置の第7実施形態を示す。この第7実施形態
は、前述の第3実施形態の変形例に相当する。したがっ
て、この第7実施形態では、前述の第3実施形態と同じ
構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管78
−1が、液中膜7の個々に対応して配置されているので
はなく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つ
の散気管78−1として設置されている。また、液中膜
7の下部に、第1実施形態における仕切板16は設置さ
れていない。
ビニリデン充填物10を空気洗浄するための散気管78
−2が、塩化ビニリデン充填物10の個々に対応して配
置されているのではなく、塩化ビニリデン充填物10全
部に対向して、まとめて大きな1つの散気管78−2と
して設置されている。また、塩化ビニリデン充填物10
と塩化ビニリデン充填物10との間に、第3実施形態に
おける仕切板16は設置されていない。
備は、第3実施形態における設備と比較して、簡素化さ
れた内容である。よって、第7実施形態の設備のイニシ
ャルコストは低減されるものの、性能は多少劣る内容で
ある。
の中和装置の第8実施形態を示す。この第8実施形態
は、前述の第4実施形態の変形例に相当する。したがっ
て、この第7実施形態では、前述の第3実施形態と同じ
構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
設置してある液中膜7を空気洗浄するための散気管88
−1を、液中膜7の個々に対応して配置されているので
はなく、液中膜7全部に対向して、まとめて大きな1つ
の散気管88−1として設置している。また、液中膜7
の下部に、第4実施形態における仕切板16は設置され
ていない。
下部に設置してある塩化ビニリデン充填物10を空気洗
浄するための散気管88−2が、複数の塩化ビニリデン
充填物10の個々に対応して配置されているのではな
く、塩化ビニリデン充填物10全部に対向して、まとめ
て大きな散気管88−2が設置されている。また、隣接
している塩化ビニリデン充填物10と塩化ビニリデン充
填物10の間に、第4実施形態における仕切板16は設
置されていない。
施形態における設備と比較して、簡素化された内容であ
る。よって、第8実施形態の設備のイニシャルコストは
低減されるものの、性能は多少劣る内容である。
おり、温度によって、その反応はかなり変ると予想され
る。しかしながら実際には、微生物が高濃度に存在する
ので、その反応による熱の発生もあり、外気の温度(冬
場と夏場のような)によらず、この発明の装置での処理
速度は、実質上変らない。
て、図1に示す第1実施形態と同じ構造の実験装置を用
いた中和処理の実験例を説明する。この第1実験例で
は、原水槽1の容量を1立方メートルとし、中和槽3の
容量を4立方メートルとした。
タの液中膜7を50枚だけ設置し、中和槽3の下部に塩
化ビニリデン充填物10として、デイビイエス株式会社
のDBLaceを100m(50枚×2m)だけ設置し
た。
中和処理し、液中膜ポンプ5によって処理水を得た。こ
のとき、原水槽1に貯留された有機アルカリ排水のPH
は、12.6であり、液中膜ポンプ5によって得た処理
水のPHは、6.8であった。
て、図2に示す第2実施形態と同じ構造の実験装置を用
いた中和処理の実験例を説明する。この第2実験例で
は、原水槽1の容量を1立方メートルとし、中和槽3の
容量を4立方メートルとした。
タの液中膜7を50枚だけ設置し、中和槽3の下部に、
塩化ビニリデン充填物10としてデイビイエス株式会社
のDBLace(商品名)を100m(50枚×2m)だけ
設置した。
処理し、液中膜ポンプ5によって処理水を得た。このと
き、原水槽1に貯留された無機アルカリ排水のPHは、
12.4であり、液中膜ポンプ5によって得た処理水の
PHは、7.8であった。
体的には、生活系余剰汚泥である。
和方法は、有機アルカリ排水を好気性微生物によって硝
酸イオンを製造して中和することができる。すなわち、
好気性微生物によって有機アルカリ排水から硝酸イオン
を効率よく製造して、中和するので、環境に優しい中和
方法となり、環境リスクを低減できる効果がある。
カリ排水を好気性微生物によって硝酸イオンを製造して
中和することができる。すなわち、好気性微生物によっ
て有機アルカリ排水から硝酸イオンを効率よく製造し
て、中和するので、環境に優しい中和装置となり、環境
リスクを低減できる効果がある。
ルカリ排水に窒素を含む有機排水を混合して、好気性微
生物によって硝酸イオンを製造して中和することができ
る。したがって、無機アルカリ排水に有機排水を混合す
るので、有機排水をベースに好気性微生物が繁殖し、有
機物が窒素成分を含有しているので、好気性微生物は、
有機物から硝酸イオンを微生物学的に製造し、無機アル
カリ排水を中和できる。すなわち、無機のアルカリ排水
であっても、有機排水を巧みに活用して中和でき、資源
の有効利用という効果がある。
カリ排水に窒素を含む有機排水を混合して、好気性微生
物によって硝酸イオンを製造して中和する。この構成に
よれば、無機アルカリ排水に有機排水を混合するので、
有機排水をベースに好気性微生物が繁殖し、有機物が窒
素成分を含有しているので、好気性微生物は、有機物か
ら硝酸イオンを微生物学的に製造し、無機アルカリ排水
を中和することができる。よって、無機のアルカリ排水
であっても、有機排水を巧みに活用して中和でき、資源
を有効利用できるという効果がある。
過膜、PH計および空気供給手段を備え、好気性微生物
を利用したので、好気性微生物は限外濾過膜の内側に流
入することがなく、限外濾過膜の外側に維持でき、しか
も、高濃度に培養できる。したがって、有機物を合理的
に微生物分解して、有機物に起因する窒素を起源として
硝酸イオンを製造することができ、アルカリ排水を中和
できる。また、限外濾過膜を使用しているので、微生物
を高濃度に維持できるばかりでなく、一般の排水処理に
おける沈澱槽による微生物沈澱分離の場合における微生
物の流出が皆無となる。すなわち、処理水を安定的に確
保できる。
濾過膜が、水槽の内部に設置する液中膜であるので、新
たな限外濾過膜のための設置スペースが不必要となる。
を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであるの
で、不要な廃棄物としての生活系の余剰汚泥スラリーを
再利用することができると同時に資源の有効利用を計る
ことができる。
中膜の下部に吐出量を自動的に調整できる散気管が設置
されているので、散気管からの空気量を調整して、液中
膜の処理能力と硝酸イオンの製造能力の両方をコントロ
ールできる。すなわち、液中膜の処理能力は、散気管か
ら吐出する空気量によって、ある程度決定されるし、硝
酸イオンの製造量は、硝酸イオンが窒素化合物の酸化工
程における最終産物であるが故、散気管から吐出する空
気量によって決定される。すなわち、処理能力や硝酸イ
オンの製造量を調整できる。
下部の散気管とは別の散気管が、塩化ビニリデン充填物
の下部に設置されているので、液中膜洗浄専用の散気管
と、硝酸イオン製造専用の散気管とに区分でき、目的に
合った空気量をそれぞれの散気管から吐出させることが
できる。
に溶存酸素計が設置されているので、溶存酸素計による
溶存酸素濃度によって、硝酸イオンの製造量の製造限界
を知ることができる。すなわち、水槽内の溶存酸素濃度
が高い場合は、さらに空気量を増加させても、硝酸イオ
ンの増加は期待できないことが分かる。また、逆に、溶
存酸素濃度が低い場合は、空気量を増加させれば、硝酸
イオンが増加して、PHを下げることができる。このよ
うに、溶存酸素によって、硝酸イオンを制御できる。
管から発生する気体が、窒素ガスである。この構成によ
れば、気体が窒素ガスであるが故、窒素ガスに起因する
硝酸イオンも製造でき、空気よりも容易に硝酸イオンを
製造できる。すなわち、窒素ガスから硝酸イオンを製造
できる。
リ排水を窒素ガスと空気を吹き込みながら、好気性微生
物を繁殖させて硝酸イオンを製造して中和する。この構
成によれば、ランニングコストが高い窒素ガスの使用量
を削減できる。また、硝酸イオンの製造量を窒素ガス量
と空気量の配分によって容易にコントロールできる。す
なわち、ランニングコストを低減できる。
方法において、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌であ
る。この方法によれば、好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸
菌であるので、窒素化合物を基質として、効率良く、硝
酸イオンを製造できる。
中膜の下部に、塩化ビニリデン充填物とガイドが配設さ
れ、上記液中膜の両外側の延長上に、上記塩化ビニリデ
ン充填物のガイドが配置され、かつ、その下部に散気管
が配置されている。この構成によれば、塩化ビニリデン
充填物に付着し繁殖した汚泥を散気管から吐出する気体
(空気または窒素ガス)によって、剥離させ上昇させ、液
中膜に付着した汚泥を洗浄(汚泥洗浄)処理できる。液中
膜を汚泥洗浄するので、液中膜に付着した汚泥を物理的
に完全に洗浄でき、液中膜の能力を維持できる。
リデン充填物が、放射状に延びる複数の輪状体からなる
ので、表面積が格段に広く、結果的に多量の微生物を付
着繁殖させることができる。すなわち、硝酸イオンを生
物学的に多量に製造でき、中和処理性能を向上できる。
的な排水処理装置を兼ねているので、中和機能のみなら
ず、生物学的な排水処理機能を発揮でき、装置としての
価値を高めることができる。発明の価値を高める効果が
ある。
装置において、中和装置内の微生物濃度(MLSS(Mix
ed Liquor Suspended Solid)濃度)が、10000p
pm以上である。したがって、微生物は、有機物中の窒
素を酸化して硝酸イオンを多量に製造することができ、
アルカリ排水に対して中和できる。すなわち、薬品を使
用することなく硝酸イオンを製造して中和できる。
処理能力を塩化ビニリデン充填物の下に配設されている
散気管から吐出する空気量によって制御する。したがっ
て、塩化ビニリデン充填物の下に配設されている散気管
から吐出する空気によって、塩化ビニリデン充填物に付
着している汚泥を剥離できる。これにより、液中膜に付
着した汚泥を剥離でき、液中膜の処理性能を維持でき
る。
置は、劇薬としての塩酸等の鉱酸を使用することなく、
有機物に含まれる窒素化合物をベースとして、硝酸イオ
ンを微生物によって製造して、各種アルカリ排水を中和
できる。
成図である。
成図である。
成図である。
成図である。
成図である。
成図である。
成図である。
成図である。
ビニリデン充填物の外観を示す側,正面図である。
計、5…液中膜ポンプ、6…DO計、7…液中膜、8−
1,58−1,68−1,78−1,88−1…上部散気
管、8−2,58−2,68−2,78−2,88−2…下
部散気管、9…ガイド、10…塩化ビニリデン充填物、
11…固定金具、12…液中膜洗浄用のブロワー、13
…塩化ビニリデン充填物洗浄用のブロワー、14…信号
線、15…流入管、16…仕切板。
Claims (18)
- 【請求項1】 有機アルカリ排水を、好気性微生物によ
って硝酸イオンを製造して中和することを特徴とする中
和方法。 - 【請求項2】 有機アルカリ排水を、好気性微生物によ
って硝酸イオンを製造して、中和することを特徴とする
中和装置。 - 【請求項3】 無機アルカリ排水に、窒素を含む有機排
水を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造
して、中和することを特徴とする中和方法。 - 【請求項4】 無機アルカリ排水に、窒素を含む有機排
水を混合して、好気性微生物によって硝酸イオンを製造
して、中和することを特徴とする中和装置。 - 【請求項5】 請求項2または4に記載の中和装置にお
いて、 限外濾過膜、塩化ビニリデン充填物、PH計および空気
供給手段を備え、好気性微生物を利用することを特徴と
する中和装置。 - 【請求項6】 請求項5に記載に記載の中和装置におい
て、 上記限外濾過膜が、水槽の内部に設置する液中膜である
ことを特徴とする中和装置。 - 【請求項7】 請求項3または4に記載の中和装置にお
いて、 窒素を含む有機排水が、生活系の余剰汚泥スラリーであ
ることを特徴とする中和装置。 - 【請求項8】 請求項6に記載の中和装置において、 上記液中膜の下部に、吐出量を自動的に調整できる散気
管が設置されていることを特徴とする中和装置。 - 【請求項9】 請求項6に記載の中和装置において、 上記液中膜の下部の散気管とは別の散気管が、塩化ビニ
リデン充填物の下部に配設され、この別の散気管から吐
出する空気量が、上記PH計と連動していることを特徴
とする中和装置。 - 【請求項10】 請求項6に記載の中和装置において、 上記水槽内に溶存酸素計が設置されていることを特徴と
する中和装置。 - 【請求項11】 請求項9に記載の中和装置において、 上記別の散気管から発生する気体が、窒素ガスであるこ
とを特徴とする中和装置。 - 【請求項12】 アルカリ排水を、窒素ガスと空気を吹
き込みながら好気性微生物を繁殖させて硝酸イオンを製
造して、中和することを特徴とする中和方法。 - 【請求項13】 請求項1に記載の中和方法において、 好気性微生物が硝酸菌や亜硝酸菌であることを特徴とす
る中和方法。 - 【請求項14】 請求項6に記載の中和装置において、 上記液中膜の下部に、塩化ビニリデン充填物とガイドが
配設され、上記液中膜の両外側の延長上に、上記塩化ビ
ニリデン充填物のガイドが配置され、かつ、その下部に
散気管が配置されていることを特徴とする中和装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の中和装置におい
て、 上記塩化ビニリデン充填物が、放射状に延びる複数の輪
状体からなることを特徴とする中和装置。 - 【請求項16】 請求項15に記載の中和装置におい
て、 生物学的な排水処理装置の役割を兼ねていることを特徴
とする中和装置。 - 【請求項17】 請求項5に記載の中和装置において、 装置内の微生物濃度が、10000ppm以上であるこ
とを特徴とする中和装置。 - 【請求項18】 請求項9に記載の中和装置において、 液中膜の処理能力を、塩化ビニリデン充填物の下に配設
されている散気管から吐出する空気量によって、制御す
ることを特徴とする中和装置。
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