JP6157851B2 - 洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法 - Google Patents

洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法に関する。
原子力発電所、放射性廃棄物処理設備等の放射性物質を取り扱う原子力設備においては、管理区域で着用された作業用衣類は洗濯機等の洗濯設備で洗濯される。この洗濯方法としては、通常、一般家庭で行われているような水と洗濯用洗剤とを用いた水洗いが行われている。水洗いにより洗濯設備から排出された洗濯廃液は、放射性核種濃度が測定され、この濃度が十分に低いことが確認された後、環境中へ放出される。
洗濯廃液を環境中へ放出する場合、前述の放射性核種濃度を放出基準値以下にすることに加え、通常、洗濯廃液のpHを一定の範囲内にするとともに、洗濯廃液の懸濁固形分濃度(SS濃度)および化学的酸素要求量(COD)を放出基準値以下にする必要がある。このため、原子力発電所内には、洗濯設備に加え、この洗濯設備から排出された洗濯廃液を処理する洗濯廃液処理装置が設けられている。
洗濯廃液処理装置は、主として、洗濯廃液中に存在する放射性核種、SS分およびCOD成分を除去することを目的とする。ここで、COD成分は、その大部分が洗剤として投入された界面活性剤やその分解物からなる有機物であり、残部が作業用衣類についた油脂類や人体からの皮脂成分等からなる有機物である。
これらの放射性核種、SS分およびCOD成分のうち、放射性核種は、その大部分がクラッドと呼ばれる固形分に随伴しているため、洗濯廃液をフィルタでろ過処理することにより、放出基準値以下になるまで容易に除去することができる。また、SS分も、放射性核種成分と同様にろ過処理することにより、放出基準値以下になるまで容易に除去することができる。
しかし、COD成分は、ろ過処理等の簡単な物理処理では容易に除去することができない。このため、洗濯廃液中のCOD成分の除去方法について、従来、種々の処理方法および装置が開発されてきた。
洗濯廃液中のCOD成分の除去方法としては、特許文献1(特開平06−43292号公報)に記載される活性炭に吸着して除去する方法、特許文献2(特開平07−029998号公報)に記載される過酸化水素などの酸化剤を添加してCOD成分を分解する方法、低発泡性洗剤を使用することで洗濯廃液そのものを蒸発蒸留する方法等の方法が知られている。
特許文献1に記載される洗濯廃液処理方法は、粉末活性炭吸着槽中の洗濯廃液に粉末活性炭を投入し、洗濯廃液中のCOD成分を活性炭に吸着させる活性炭吸着処理を行なうものである。活性炭吸着処理の終了後は、粉末活性炭吸着槽から、COD成分等の物質を吸着した粉末活性炭を含む洗濯廃液(以下、粉末活性炭を含む洗濯廃液を「粉末活性炭含有スラリー」という)の大部分が排出される。なお、この活性炭吸着処理は粉末活性炭吸着槽に貯留された所定量の洗濯廃液に対して処理を行なうバッチ処理であり、粉末活性炭含有スラリーが排出された後の粉末活性炭吸着槽内には、粉末活性炭含有スラリーが少量残留する。また、活性炭吸着処理がバッチ処理であるため、洗濯廃液処理方法の全体がバッチ処理になる。粉末活性炭吸着槽から排出された粉末活性炭含有スラリーはロータリーフィルタ等の固液分離装置に送液された後、固液分離され、分離された処理液は必要によりさらに清浄化する処理が行われた後、環境中に放出される。
特開平06−43292号公報 特開平07−029998号公報
しかし、特許文献1に記載される洗濯廃液処理方法は、活性炭吸着処理がバッチ処理であり、かつ粉末活性炭吸着槽中の液位を所定値以上にする必要があるため、粉末活性炭吸着槽中の液位が所定値未満になると粉末活性炭含有スラリーの固液分離装置への送液が停止される。このため、従来の洗濯廃液処理方法では、洗濯廃液処理のバッチ処理間に粉末活性炭吸着槽内に粉末活性炭含有スラリーが残留し、粉末活性炭含有スラリー中の粉末活性炭が沈降しやすい。
また、特許文献1に記載される活性炭吸着処理は、バッチ処理終了により粉末活性炭吸着槽内の粉末活性炭含有スラリーの液位が一旦低下した後、次のバッチ処理の開始で粉末活性炭含有スラリーの液位が十分に上昇するまで時間がかかる。粉末活性炭吸着槽内の粉末活性炭含有スラリー中の粉末活性炭が沈降しやすいため、粉末活性炭含有スラリーが長時間残留すると、粉末活性炭吸着槽内の底部に粉末活性炭の濃度が高い粉末活性炭含有スラリーが形成されやすい。
このように、粉末活性炭吸着槽の底部に粉末活性炭の濃度が高い粉末活性炭含有スラリーが長時間残留すると、粉末活性炭と粉末活性炭含有スラリー中の洗濯廃液の溶存酸素とが反応して、粉末活性炭吸着槽内の底部の粉末活性炭含有スラリーが嫌気性の環境になる。そして、この嫌気性の粉末活性炭含有スラリー中では、硫酸塩還元菌が繁殖し、粉末活性炭や繊維片に付着して、硫酸塩還元菌の集合体からなるスライム状固形分が形成されやすくなる。
このスライム状固形分は難ろ過性物質であり、固液分離装置に流入すると固液分離装置での洗濯廃液の処理流量が低下する。このため、従来の洗濯廃液処理方法では、洗濯廃液の処理効率が低下するという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、洗濯廃液処理のバッチ処理の間に粉末活性炭吸着槽内に粉末活性炭含有スラリーが長時間残留する場合でも、この粉末活性炭含有スラリーを酸素リッチにし、後段の固液分離処理装置の処理効率の低下を抑制する洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法を提供することを目的とする。
本発明の洗濯廃液処理装置は、上記課題を解決するためのものであり、原子力設備で使用された洗濯物の洗濯により得られた洗濯廃液を、粉末活性炭を用いて吸着処理する粉末活性炭吸着槽と、前記粉末活性炭吸着槽から採取された粉末活性炭含有スラリー中の液体成分溶存酸素濃度および酸化還元電位である嫌気性状態データを測定する嫌気性状態監視部を有し、前記液体成分を前記粉末活性炭吸着槽内に戻すサンプリングラインと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の洗濯廃液処理方法は、上記課題を解決するためのものであり、原子力設備で使用された洗濯物の洗濯により得られた洗濯廃液を、粉末活性炭吸着槽中で粉末活性炭を用いて吸着処理する粉末活性炭吸着工程と、前記粉末活性炭吸着槽から採取された粉末活性炭含有スラリー中の液体成分溶存酸素濃度および酸化還元電位である嫌気性状態データを測定し、前記液体成分を前記粉末活性炭吸着槽内に戻すサンプリング工程とを備えることを特徴とする。
本発明の洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法によれば、粉末活性炭吸着槽内に残留した粉末活性炭含有スラリーが酸素リッチになり、後段の固液分離処理装置の処理効率の低下を抑制する洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法が得られる。
本発明の洗濯廃液処理装置を含む洗濯システムを説明する図。 本発明の洗濯廃液処理装置の第1の実施形態を説明する図。 固液分離部の処理流量の変化の一例を示す図。 本発明の洗濯廃液処理装置の第2の実施形態を説明する図。 本発明の洗濯廃液処理装置の第3の実施形態を説明する図。 図5に示される粉末活性炭吸着槽をA−A線に沿って見た断面図。 洗濯廃液処理装置を含む洗濯システムを説明する図。
[洗濯廃液処理装置]
本発明の洗濯廃液処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。この洗濯廃液処理装置は、洗濯システムの一部分を構成するものである。
図1は、本発明の洗濯廃液処理装置を含む洗濯システムを説明する図である。
図1に示される洗濯システム1は、水92と洗剤93を用いて洗濯物91を洗濯する洗濯機5と、洗濯機5から排出された洗濯廃液94に粉末活性炭を加えて粉末活性炭吸着処理を行い、得られた粉末活性炭含有スラリーを、処理液98と廃棄物99とに固液分離する洗濯廃液処理装置10とを備える。
ここで、洗濯物91とは、原子力発電所で使用された衣類等の洗濯物である。洗濯物91としては、たとえば、原子力発電所の管理区域で着用された作業用衣類等の衣類が挙げられる。また、洗剤93とは、たとえば、一般に工業的に用いられる洗濯用洗剤である。さらに、洗濯廃液94とは、水92と洗剤93とを用いた洗濯物91の洗濯により得られた廃液である。洗濯廃液94は、通常、洗濯物91から分離された放射性核種、SS分およびCOD成分、ならびに洗剤93およびその分解物からなるCOD成分を含む。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の洗濯廃液処理装置の第1の実施形態を説明する図である。洗濯システム1は、洗濯機5と、本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10とからなる。
洗濯廃液処理装置10は、洗濯廃液94を粉末活性炭95を用いて吸着処理する粉末活性炭吸着槽20と、粉末活性炭含有スラリー96を固液分離する固液分離部40と、粉末活性炭吸着槽20の底部から採取された粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97について嫌気性状態データを測定する嫌気性状態監視部56を有し、液体成分97を粉末活性炭吸着槽20内に戻すサンプリングライン50と、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データに基づいてスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態を制御する制御部90と、を備える。
ここで、嫌気性状態データとは、液体成分97の溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種のデータを意味する。また、嫌気性状態監視部56とは、具体的に、嫌気性状態データ68が粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97の溶存酸素濃度である場合には洗浄機能付溶存酸素計であり、嫌気性状態データ68が粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97の酸化還元電位である場合には洗浄機能付酸化還元電位計である。
<粉末活性炭吸着槽>
粉末活性炭吸着槽20は、原子力発電所で使用された洗濯物91の洗濯により洗濯機5から排出された洗濯廃液94を、粉末活性炭95を用いて吸着処理する槽である。粉末活性炭95は、粉末活性炭吸着槽20の上部に配置された粉末活性炭供給部25から粉末活性炭吸着槽20内に供給される。
粉末活性炭吸着槽20内の洗濯廃液94に粉末活性炭95が供給されると、粉末活性炭吸着槽20内で、洗濯廃液94と粉末活性炭95とが混合され、洗濯廃液94と粉末活性炭95とを含む粉末活性炭含有スラリー96が生成される。なお、粉末活性炭95は、洗濯廃液94よりも見かけ比重が大きいものが用いられる。このため、粉末活性炭含有スラリー96を攪拌しないときは、粉末活性炭含有スラリー96中の粉末活性炭95が沈降し、粉末活性炭吸着槽20内の底部に、粉末活性炭95の含有量が多い粉末活性炭含有スラリー96が生成されやすい。
粉末活性炭吸着槽20内の底部には、粉末活性炭含有スラリー96または洗濯廃液94を排出するスラリー送液ライン30のスラリー送液配管31とサンプリングライン50のサンプリング配管51とが接続される。なお、図2では、スラリー送液配管31とサンプリング配管51とがそれぞれ、粉末活性炭吸着槽20内の底部に接続されている態様を示した。しかし、粉末活性炭吸着槽20の底部の1箇所の排出口を介して排出された粉末活性炭含有スラリー96等の排出液が途中でスラリー送液ライン30とサンプリングライン50とに分岐される構造になっていてもよい。さらに、底部に排出口を設ける例で説明したが場合によっては、下部側面に排出口を設け、または上部から排出配管を底部まで延在させることも可能である。
粉末活性炭吸着槽20には、スラリー送液ライン30に排出された粉末活性炭含有スラリー96を、粉末活性炭吸着槽20内に戻すスラリー循環ライン60のスラリー循環配管61が設けられる。
<スラリー送液ライン>
スラリー送液ライン30は、粉末活性炭吸着槽20の底部から排出された粉末活性炭含有スラリー96を固液分離部40に送液するラインである。スラリー送液ライン30は、粉末活性炭吸着槽20の底部から排出された粉末活性炭含有スラリー96を固液分離部40に送液するスラリー送液配管31と、このスラリー送液配管31の途中に設けられ、スラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96を送液するスラリー送液ポンプ35とを有する。
<スラリー循環ライン>
スラリー送液ライン30には、スラリー送液配管31に設けられたスラリー分岐点32でスラリー送液配管31から分岐し、スラリー送液配管31中を流通する粉末活性炭含有スラリー96の少なくとも一部を粉末活性炭吸着槽20に戻すスラリー循環ライン60が備えられる。スラリー循環ライン60は、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96を攪拌するために設けられる。
スラリー循環ライン60は、スラリー分岐点32でスラリー送液配管31から分岐することにより、スラリー送液配管31中を流通する粉末活性炭含有スラリー96の少なくとも一部を粉末活性炭吸着槽20に戻すスラリー循環配管61と、このスラリー循環配管61の粉末活性炭吸着槽20側の端部に設けられ、粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20内に放出するノズル62とを有する。ノズル62は、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96や洗濯廃液94を攪拌するように設けられる。
スラリー分岐点32は、スラリー送液ライン30のスラリー送液配管31のうちスラリー送液ポンプ35よりも下流側の部分に設けられる。このため、スラリー送液ポンプ35の吐出圧でスラリー循環配管61中の粉末活性炭含有スラリー96が効率よく送液されるようになっている。
<固液分離部>
固液分離部40は、粉末活性炭吸着槽20の底部から排出され、スラリー送液ライン30を介して送液された粉末活性炭含有スラリー96を固液分離する装置である。具体的には、固液分離部40は、粉末活性炭含有スラリー96を、粉末活性炭95等の固形分からなる廃棄物99と、液体成分からなる処理液98とに分離する。廃棄物99は、固液分離部40に捕捉された後、適宜、固液分離部40から除去され、廃棄される。固液分離部40としては、たとえば、ロータリーフィルタが用いられる。
<サンプリングライン>
サンプリングライン50は、粉末活性炭吸着槽20の底部から採取された粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97について溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データを測定する嫌気性状態監視部56を有し、液体成分97を粉末活性炭吸着槽20内に戻すラインである。
ここで液体成分97とは、粉末活性炭含有スラリー96から粉末活性炭等の固形分を除去して得られた成分である。
サンプリングライン50は、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97について、溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データを測定するために設けられる。
サンプリングライン50は、粉末活性炭吸着槽20の底部から採取された粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97を粉末活性炭吸着槽20内に戻すサンプリング配管51と、このサンプリング配管51中を流通する粉末活性炭含有スラリー96から粉末活性炭等の固形分を除去して液体成分97を分離する逆洗機能付フィルタ57と、液体成分97を送液するサンプリング送液ポンプ55と、液体成分97の溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データを測定する嫌気性状態監視部56とを有する。
ここで、逆洗機能付フィルタ57とは、高濃度の粉末活性炭含有スラリー96が粉末活性炭95等の固形分を含んだままサンプリング送液ポンプ55および嫌気性状態監視部56に送られることを防止するために設けられるフィルタである。逆洗機能付フィルタ57は、具体的には、粉末活性炭含有スラリー96から粉末活性炭95等の固形分を除去して液体成分97を分離するとともに、フィルタ部に捕捉された固形分を逆洗する機能を有するフィルタである。なお、除去された粉末活性炭95等の固形分は、廃棄または粉末活性炭吸着槽20内に戻される。
逆洗機能付フィルタ57は、膜間差圧または流量を監視して、膜間差圧の差圧上限値を超えたり、流量下限値が所定値以下になったりしたときに、自動的に逆洗を行うようになっている。差圧上限値としては、例えば膜間差圧ΔPの増加が30kPaと設定される。流量下限値としては、例えば100ml/minと設定される。
嫌気性状態監視部56は、液体成分97の溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データ68を測定する。
嫌気性状態監視部56とは、具体的に、嫌気性状態データ68が粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97の溶存酸素濃度である場合には洗浄機能付溶存酸素計であり、嫌気性状態データ68が粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97の酸化還元電位である場合には洗浄機能付酸化還元電位計である。
洗浄機能付溶存酸素計とは、溶存酸素の測定後に、洗浄機能付溶存酸素計の溶存酸素測定部分に付着した固形分を、自動的に流入した脱塩水で洗浄して除去する洗浄機能を有する溶存酸素計である。
また、洗浄機能付酸化還元電位計とは、酸化還元電位の測定後に、洗浄機能付酸化還元電位計の酸化還元電位測定部分に付着した粉末活性炭95等の固形分を、自動的に流入した脱塩水で洗浄して除去する洗浄機能を有する酸化還元電位計である。なお、嫌気性状態監視部56は、洗浄機能付溶存酸素計と洗浄機能付酸化還元電位計の両方の機能を有していてもよい。
<制御部>
制御部90は、運転状態提示テーブル79を有し、サンプリングライン50を流通する液体成分97の嫌気性状態データ68に基づいて洗濯廃液処理装置10の運転状態を制御する装置である。
具体的には、制御部90は、測定された嫌気性状態データ68に基づいて、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態を制御する。
ここで、スラリー送液ポンプ35の運転状態とは、スラリー送液ポンプ35の稼働(ON)および停止(OFF)を意味する。また、スラリー送液ポンプ35の運転状態としては、稼働(ON)および停止(OFF)に加えて、または代えて、吐出量や吐出圧等で規定してもよい。
制御部90とサンプリングライン50の嫌気性状態監視部56とは、第1データ伝送路88で電気的に接続される。また、制御部90とスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35とは、第2データ伝送路89で電気的に接続される。
制御部90は、嫌気性状態監視部56で測定され、伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90に格納された運転状態提示テーブル79とに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態を制御する制御信号69を作成する。
この制御信号69は、第2データ伝送路89を介して、スラリー送液ポンプ35に伝送され、制御信号69に記載された内容でスラリー送液ポンプ35の運転状態が制御される。
制御部90に含まれる運転状態提示テーブル79について、詳細に説明する。
運転状態提示テーブル79は、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定される嫌気性状態データと、スラリー送液ポンプ35の運転状態と、の対応関係が記載されたテーブルである。運転状態提示テーブル79は、嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68に対して好適な洗濯廃液処理装置10の運転状態を提示する。
制御部90は、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、運転状態提示テーブル79とに基づいて、スラリー送液ポンプ35の好適な運転状態を決定し、この好適な運転状態を指示する制御信号69を作成する。この制御信号69はスラリー送液ポンプ35に伝送され、この制御信号69によりスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態が制御される。
運転状態提示テーブル79の記載事項の一例を説明する。一般的な水は常圧での溶存酸素濃度は7〜10ppm程度である。一方、水の溶存酸素濃度が3ppm以下になると、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96に嫌気性雰囲気が形成されやすくなる。
そこで、運転状態提示テーブル79には、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」と記載される。
運転状態提示テーブル79にこのような内容が記載される場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90は、「スラリー送液ポンプ35を稼働させる」という内容の制御信号69を形成し、この制御信号69を第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35に伝送する。スラリー送液ポンプ35は、制御信号69の指示に従って動作する。
<作用>
(洗濯廃液供給工程)
本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10の作用を説明する。
洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法では、はじめに、洗濯廃液供給工程を行う。洗濯廃液供給工程とは、洗濯機5から排出された洗濯廃液94を、粉末活性炭吸着槽20に供給する工程である。
具体的には、原子力発電所で使用された衣類等の洗濯物91を洗濯機5で洗濯して得られた洗濯廃液94が、洗濯機5から排出され、粉末活性炭吸着槽20に供給される。粉末活性炭吸着槽20内で洗濯廃液94が所定量になった後は、粉末活性炭吸着槽20への洗濯廃液94の供給は停止される。すなわち、洗濯廃液供給工程はバッチ処理になっている。
原子力発電所で使用された洗濯物91の洗濯により得られた洗濯廃液94には、通常、洗濯物91から分離された放射性核種、SS分およびCOD成分、ならびに洗濯機5での洗濯の際に水に添加された洗剤93またはその分解物からなるCOD成分が含まれる。
(粉末活性炭吸着工程)
次に、粉末活性炭吸着工程を行う。粉末活性炭吸着工程とは、洗濯廃液94を、粉末活性炭吸着槽20内で粉末活性炭95を用いて吸着処理する工程である。
粉末活性炭吸着工程では、はじめに、粉末活性炭供給部25から粉末活性炭吸着槽20内の洗濯廃液94に粉末活性炭95が供給される。
粉末活性炭吸着槽20内への粉末活性炭95の供給後、スラリー循環ライン60を用いて粉末活性炭吸着槽20内の洗濯廃液94、または洗濯廃液94と粉末活性炭95とを含む粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20に戻す操作、すなわち、洗濯廃液94または粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー送液ライン30との間で循環させる操作を行う。これにより、粉末活性炭吸着槽20内において粉末活性炭含有スラリー96中の洗濯廃液94と粉末活性炭95とが攪拌される。粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間の循環流の成分は、当初は、洗濯廃液94であるが、次第に粉末活性炭95が混ざった粉末活性炭含有スラリー96になる。
スラリー循環ライン60を用いた洗濯廃液94または粉末活性炭含有スラリー96の循環操作を続けていくと、洗濯廃液94と粉末活性炭95とが充分に混合され、粉末活性炭吸着槽20内に、洗濯廃液94中に粉末活性炭95が均一に分散した粉末活性炭含有スラリー96が生成される。
循環流により粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の攪拌が行われると、粉末活性炭含有スラリー96の液体成分中に存在するCOD成分等の成分が粉末活性炭95に吸着されて、液体成分中のCOD成分等の成分が低下し、粉末活性炭吸着工程が終了する。
(固液分離工程)
粉末活性炭吸着工程の後は、固液分離工程が行われる。固液分離工程とは、粉末活性炭吸着槽20から排出された粉末活性炭含有スラリー96を固液分離部40で固液分離する工程である。
固液分離工程では、はじめに、粉末活性炭吸着槽20の底部から排出された粉末活性炭含有スラリー96が、スラリー送液ライン30を介して固液分離部40に送液される。
次に、固液分離部40において、粉末活性炭含有スラリー96が、粉末活性炭95等の固形分からなる廃棄物99と液体成分からなる処理液98とに分離される。廃棄物99は固液分離部40内のフィルタに捕捉され、適宜、固液分離部40から除去された後、廃棄される。
一方、固液分離部40から排出された処理液98は、処理液サンプルタンクに貯留され、適宜、洗濯廃液処理装置10から排出される。
このように、洗濯廃液処理装置10では、上記の洗濯廃液供給工程、粉末活性炭吸着工程、および固液分離工程からなる複数の工程を1バッチとするバッチ処理を行なう。これは洗濯廃液供給工程や粉末活性炭吸着工程がバッチ処理で行われるからである。
ところで、固液分離工程の際には、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の全量を固液分離部40に送液することができないため、粉末活性炭吸着槽20内の底部に粉末活性炭含有スラリー96が残留する。ここで、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の全量を固液分離部40に送液することができない理由は、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の液位が所定値以下になるとスラリー送液ポンプ35が停止して粉末活性炭含有スラリー96の送液が停止するようになっているからである。
このため、仮に固液分離工程でnバッチ目の洗濯廃液処理方法を終了させた場合は、固液分離工程の終了後、n+1バッチ目の洗濯廃液処理方法の開始までの間、粉末活性炭吸着槽20内の底部に粉末活性炭含有スラリー96が残留した状態になる。この残留時間は、数時間以上の長時間になることがある。
このように、粉末活性炭吸着槽20内の底部に粉末活性炭含有スラリー96が長時間残留すると、粉末活性炭95と粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分の溶存酸素とが反応して液体成分中の溶存酸素濃度が低下し、粉末活性炭吸着槽20内の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になるおそれがある。このように嫌気性環境になると、粉末活性炭含有スラリー96中に硫酸塩還元菌によるスライム状の塊が生じやすい。そして、このスライム状の塊は、固液分離工程での固液分離の際に固液分離部40に目詰まりを起こして固液分離を困難にし、洗濯廃液94の洗濯廃液処理流量を低下させるため、洗濯廃液処理方法の効率を低下させるおそれがある。
そこで、本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10では、固液分離工程の後に、サンプリング工程および制御工程がさらに行われる。
(サンプリング工程)
サンプリング工程とは、粉末活性炭吸着槽20の底部から採取された粉末活性炭含有スラリー96中の液体成分97について溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データ68を測定し、液体成分97を粉末活性炭吸着槽20内に戻す工程である。
具体的には、サンプリング工程では、はじめに、図2に示されるように、サンプリングライン50に設けられたサンプリング送液ポンプ55が稼働して、粉末活性炭吸着槽20の底部から粉末活性炭含有スラリー96が採取される。サンプリング送液ポンプ55は、予め設定された時間サイクルで断続的に稼働するようになっている。採取された粉末活性炭含有スラリー96は、サンプリング配管51中を逆洗機能付フィルタ57に向かって送液される。
サンプリング工程では、次に、粉末活性炭含有スラリー96が、サンプリング配管51に設けられた逆洗機能付フィルタ57で粉末活性炭95等の固形分が除去されて、液体成分97になる。逆洗機能付フィルタ57は、膜間差圧または流量の監視で得られたデータに基づいて、自動的に逆洗を行うようになっている。
サンプリング工程では、さらに、逆洗機能付フィルタ57を通過した液体成分97について、嫌気性状態監視部56で、溶存酸素濃度および酸化還元電位から選ばれる少なくとも1種の嫌気性状態データ68が測定される。
嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68は、第1データ伝送路88を介して制御部90に伝送される。
たとえば、嫌気性状態監視部56が洗浄機能付溶存酸素計である場合、この洗浄機能付溶存酸素計で測定した液体成分97の溶存酸素濃度が第1データ伝送路88を介して制御部90に伝送される。また、嫌気性状態監視部56が洗浄機能付酸化還元電位計である場合、この洗浄機能付酸化還元電位計で測定した液体成分97の酸化還元電位が第1データ伝送路88を介して制御部90に伝送される。
(制御工程)
洗濯廃液処理装置10では、サンプリング工程の後、制御工程が行われる。制御工程とは、サンプリングライン50を流通する液体成分97の嫌気性状態データ68に基づいて洗濯廃液処理装置10の運転状態を制御する工程である。
制御工程では、制御部90が、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90に格納された運転状態提示テーブル79とに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態を制御する制御信号を作成する。そして、この制御信号が第2データ伝送路89を介して伝送されることにより、スラリー送液ポンプ35の運転状態が制御される。
たとえば、運転状態提示テーブル79に、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるようにスラリー送液ポンプ35を稼働させる」と記載される場合について考える。
この場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90では、「スラリー送液ポンプ35を稼働させる」という内容の制御信号69が作成される。そして、この制御信号69が第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35に伝送されることにより、停止状態のスラリー送液ポンプ35が稼働される。
このようにスラリー送液ポンプ35が稼働し、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96がスラリー循環ライン60からの粉末活性炭含有スラリー96の流れ込みにより攪拌されると、粉末活性炭含有スラリー96中の溶存酸素濃度が上昇し、粉末活性炭吸着槽20の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
スラリー送液ポンプ35は、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が所定値、たとえば飽和値に上昇するまで稼働され、液体成分97の溶存酸素濃度が所定値になった後は停止される。なお、スラリー送液ポンプ35は、一旦停止した後でも、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度に応じて、適宜、稼働、停止を行ってもよい。たとえば、液体成分97の溶存酸素濃度が低下した場合は、再びスラリー送液ポンプ35を稼働させてもよい。
このように洗濯廃液処理装置10では、スラリー送液ポンプ35を稼働させることにより、粉末活性炭吸着槽20内の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
ここで、固液分離工程での処理効率の一例について図3を参照して説明する。
図3は、固液分離部の処理流量の変化の一例を示す図である。
図3中、グラフAは、本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10の固液分離部40での処理流量を示すグラフであり、グラフBは図7に示され、サンプリングライン50および制御部90を備えない洗濯廃液処理装置110の固液分離部40での処理流量の変化を示すグラフである。なお、固液分離部40は、定圧ろ過方式で運転した。
図7は、洗濯廃液処理装置110を含む洗濯システム100を説明する図である。
ここで図7に示される洗濯廃液処理装置110は、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10に比較して、サンプリングライン50および制御部90を備えない点で異なり、他の構成は同じである。
このため、図7に示される洗濯廃液処理装置110および洗濯廃液処理装置110を含む洗濯システム100と、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10および洗濯廃液処理装置10を含む洗濯システム1とで同じ構成に同じ符号を付し、構成および作用の説明を省略または簡略化する。
なお、洗濯廃液処理装置110は、固液分離部40から排出された処理液98を処理する処理液ライン103として、固液分離部40から排出された処理液98を貯留する処理液サンプルタンク105と、処理液サンプルタンク105中の処理液98を処理液ポンプ107を用いて洗濯廃液処理装置110外に送液する処理液送液配管106と、処理液送液配管106中の処理液98を処理液分岐点108で分岐して処理液サンプルタンク105に戻す処理液循環配管109とを備える。
本発明の第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10も、図7に示される洗濯廃液処理装置110と同様の処理液ライン103を備えるが、図2では処理液ライン103の記載を省略した。
また、以下、図4を用いて説明する本発明の第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10A、および図5を用いて説明する本発明の第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bも、図7に示される洗濯廃液処理装置110と同様の処理液ライン103を備えるが、図4および図5では処理液ライン103の記載を省略した。
図3のグラフAおよびBは、洗濯廃液処理方法を2バッチ行い、1バッチ目と2バッチ目との間に、粉末活性炭吸着槽20内に残留する粉末活性炭含有スラリー96について処理を変えた場合において、2バッチ目の洗濯廃液処理方法における固液分離工程で固液分離部40を3回逆洗処理したときの固液分離部40の処理流量の変化を示すグラフである。
具体的には、グラフAは、洗濯廃液処理装置10を用い、洗濯廃液処理方法の1バッチ目と2バッチ目との間に、粉末活性炭吸着槽20内に残留する粉末活性炭含有スラリー96の溶存酸素濃度を監視しつつ、適宜スラリー送液ポンプ35を稼働させた場合のグラフである。すなわち、グラフAは、サンプリング工程および制御工程を行った場合のグラフである。
また、グラフBは、洗濯廃液処理装置110を用い、洗濯廃液処理方法の1バッチ目と2バッチ目との間に、粉末活性炭吸着槽20内に残留する粉末活性炭含有スラリー96をそのまま放置した場合のグラフである。すなわち、グラフBは、サンプリング工程および制御工程を行わない場合のグラフである。
図3のグラフAに示されるように、図2に第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10を用い、サンプリング工程および制御工程を行った場合は、時間の経過により固液分離部40の処理流量が低下したときでも、固液分離部40を逆洗するだけで何回でも処理流量を元通りに回復させることができることが分かった。
このように固液分離部40を逆洗するだけで何回でも処理流量を元通りに回復させることができる理由は、洗濯廃液処理方法の1バッチ目と2バッチ目との間において、制御工程によりスラリー送液ポンプ35を稼働させて粉末活性炭吸着槽20内に残留した粉末活性炭含有スラリー96を酸素リッチにすることにより、粉末活性炭含有スラリー96中に硫酸塩還元菌によるスライム状の塊が生じなくなるからである。
一方、図3のグラフBに示されるように、洗濯廃液処理装置110を用い、サンプリング工程および制御工程を行わない場合は、固液分離部40の逆洗により固液分離部40の処理流量が一時的に回復するものの、逆洗の回数が増加すると逆洗により回復する処理流量が徐々に低下する。これは、洗濯廃液処理方法の1バッチ目と2バッチ目との間に粉末活性炭吸着槽20内に残留した粉末活性炭含有スラリー96中に硫酸塩還元菌によるスライム状の塊が生じ、この塊により固液分離部40のフィルタが塞がれるためである。
図3のグラフAとBの比較から明らかなように、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法は、図7に示した洗濯廃液処理装置110を用いた洗濯廃液処理方法に比較して、洗濯廃液処理の複数回のバッチ処理の間に粉末活性炭吸着槽20内に粉末活性炭含有スラリー96が残留しても、固液分離工程での処理効率が低下しないという効果を奏する。
<第1の実施形態の効果>
図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10によれば、粉末活性炭吸着槽20内の特に底部に残留した粉末活性炭含有スラリー96が酸素リッチになるため、後段の固液分離処理での処理効率の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の洗濯廃液処理装置の第2の実施形態を説明する図である。洗濯システム1Aは、洗濯機5と、本発明の第2の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Aとからなる。
ここで、図4に示される洗濯廃液処理装置10Aは、図2に第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10に比較して、循環ライン用空気注入ライン70をさらに備えるとともに、制御部90に代えて、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御部90Aを用いる点で異なり、他の構成は同じである。このため、図4に示した洗濯廃液処理装置10Aと、図2に示した洗濯廃液処理装置10とで、同じ構成に同じ符号を付し、構成および作用の説明を省略または簡略化する。
<循環ライン用空気注入ライン>
循環ライン用空気注入ライン70は、スラリー送液ライン30のスラリー送液配管31のうち、スラリー分岐点32よりも上流側に設けられた空気注入点33に空気を注入するラインである。空気は、スラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96の流れを利用したエジェクタ効果により、スラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96に取り込まれる。循環ライン用空気注入ライン70は、スラリー送液ライン30中の粉末活性炭含有スラリー96に空気77を供給するために設けられる。
循環ライン用空気注入ライン70は、空気77が流通する循環ライン用空気注入配管71と、この循環ライン用空気注入配管71中の空気77の流通量を制御する循環ライン用空気注入バルブ73とを有する。また、循環ライン用空気注入ライン70は、循環ライン用空気注入配管71に導入される空気77中の不純物を取り除く空気フィルタ72を有する。空気77中の不純物とは、粉塵等の固形分である。
なお、循環ライン用空気注入バルブ73および空気フィルタ72は、粉末活性炭吸着槽20内の液位100%の位置よりも上方に設置される。ここで、液位100%の位置とは、粉末活性炭吸着槽20内に貯留可能な最大量の洗濯廃液94または粉末活性炭含有スラリー96を貯留したときの液位の高さである。
循環ライン用空気注入バルブ73および空気フィルタ72が粉末活性炭吸着槽20内の液位100%の位置よりも上方に設置されることにより、粉末活性炭吸着槽20内の洗濯廃液94または粉末活性炭含有スラリー96が循環ライン用空気注入ライン70中を逆流して外部に排出されることが防止される。
スラリー送液ライン30のスラリー送液配管31に設けられた空気注入点33は、循環ライン用空気注入配管71からスラリー送液配管31に空気77を注入する部分である。空気注入点33は、スラリー送液配管31のうちスラリー送液ポンプ35よりも上流側の部分に設けられる。
空気注入点33がスラリー送液配管31のうちスラリー送液ポンプ35よりも上流側に設けられることにより、スラリー送液ポンプ35を稼働したときの吸入圧によって循環ライン用空気注入配管71中の空気77がスラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96に注入されるようになっている。すなわち、洗濯廃液処理装置10Aでは、循環ライン用空気注入ライン70に空気77を注入する装置を特に設けなくても、稼働したスラリー送液ポンプ35の吸入圧を用いることにより、空気77をスラリー送液配管31に注入することができるようになっている。
<制御部>
制御部90Aは、運転状態提示テーブル79Aを有し、サンプリングライン50を流通する液体成分97の嫌気性状態データ68に基づいて洗濯廃液処理装置10Aの運転状態を制御する装置である。
具体的には、制御部90Aは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68に基づいて、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する。
ここで、循環ライン用空気注入バルブ73の開度とは、循環ライン用空気注入バルブ73の開放および閉止を意味する。また、循環ライン用空気注入バルブ73の開度としては、開放および閉止に加えて、開放と閉止の中間のバルブの開放度合で規定してもよい。
なお、第2の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Aでは、制御部90Aが、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度の両方の運転状態を制御することが好ましい。
制御部90Aとスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35、および制御部90Aと循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73とは、第2データ伝送路89で電気的に接続される。
制御部90Aは、嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90Aに格納された運転状態提示テーブル79Aとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態および循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御信号69を作成する。
この制御信号69は、第2データ伝送路89を介して、スラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73から選ばれる1種以上の装置に伝送される。そして、制御信号69に記載された内容でスラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73から選ばれる1種以上の装置の運転状態が制御される。
制御部90Aに含まれる運転状態提示テーブル79Aについて、詳細に説明する。
運転状態提示テーブル79Aは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定される嫌気性状態データと、スラリー送液ポンプ35の運転状態および循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態と、の対応関係が記載されたテーブルである。運転状態提示テーブル79Aは、嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68に対して好適な洗濯廃液処理装置10Aの運転状態を提示する。
制御部90Aは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、運転状態提示テーブル79Aとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の好適な運転状態および循環ライン用空気注入バルブ73の好適な開度から選ばれる1種以上の好適な運転状態を決定し、この好適な運転状態を指示する制御信号69を作成する。
この制御信号69はスラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73から選ばれる1種以上の装置に伝送され、この制御信号69によりスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態および循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御される。
運転状態提示テーブル79Aの記載事項の一例を説明する。上述のように、水の溶存酸素濃度が3ppm以下になると、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96に嫌気性雰囲気が形成されやすくなる。
そこで、運転状態提示テーブル79Aには、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」および「循環ライン用空気注入バルブ73を開放する」から選ばれる1種以上の内容が記載される。
運転状態提示テーブル79Aにこのような内容が記載される場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90Aは、「スラリー送液ポンプ35を稼働させる」、および「循環ライン用空気注入バルブ73を開放する」から選ばれる1種以上の内容の制御信号69を形成し、この制御信号69を第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73から選ばれる1種以上の装置に伝送する。スラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73から選ばれる1種以上の装置は、制御信号69の指示に従って動作する。
<作用>
次に、第2の実施形態の洗濯廃液処理装置の作用を説明する。
図4に本発明の第2の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Aの作用は、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10の作用に新たな作用を加えたものである。具体的には、洗濯廃液処理装置10Aの作用は、洗濯廃液処理装置10の作用において、洗濯廃液供給工程、粉末活性炭吸着工程、固液分離工程、およびサンプリング工程の作用に加え、新たな作用を奏するものである。
以下、新たな作用のみについて説明する。
第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10Aを用いた洗濯廃液処理方法では、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法のうち、洗濯廃液供給工程、粉末活性炭吸着工程、固液分離工程、およびサンプリング工程と同じ工程が行われた後、洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法と異なる制御工程がさらに行われる。
(制御工程)
第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10Aを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程は、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程に比較して、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する点で異なり、他の構成は同じである。このため、以下、第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10Aを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程と、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程との相違点のみについて説明する。
洗濯廃液処理装置10Aを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程では、制御部90Aが、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90Aに格納された運転状態提示テーブル79Aとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御信号を作成する。
そして、この制御信号が第2データ伝送路89を介して伝送されることにより、スラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御される。
たとえば、運転状態提示テーブル79Aに、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるようにスラリー送液ポンプ35を稼働させるとともに、循環ライン用空気注入バルブ73を開放する」と記載される場合について考える。
この場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90Aでは、「スラリー送液ポンプ35を稼働させるとともに、循環ライン用空気注入バルブ73を開放する」という内容の制御信号が作成される。そして、この制御信号が第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35および循環ライン用空気注入バルブ73に伝送されることにより、スラリー送液ポンプ35が稼働し、循環ライン用空気注入バルブ73が開放される。
洗濯廃液処理装置10Aでは、空気注入点33が、スラリー送液ライン30のスラリー送液配管31のうち、スラリー分岐点32およびスラリー送液ポンプ35よりも上流側に設けられている。このため、スラリー送液ポンプ35が稼働し、循環ライン用空気注入バルブ73が開放されると、循環ライン用空気注入配管71中の空気77が、スラリー送液ポンプ35を稼働したときの吸入圧によってスラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96に注入される。
すなわち、洗濯廃液処理装置10Aでは、循環ライン用空気注入ライン70に空気77を注入する装置が設けられていないが、スラリー送液ポンプ35の稼働による吸入圧によって空気77が循環ライン用空気注入ライン70からスラリー送液配管31中の粉末活性炭含有スラリー96に注入される。
スラリー送液配管31中を流通し、空気77が注入された粉末活性炭含有スラリー96は、スラリー循環ライン60のスラリー循環配管61を介して粉末活性炭吸着槽20に戻される。これにより、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の溶存酸素濃度が上昇し、粉末活性炭吸着槽20の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
スラリー送液ポンプ35は、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が所定値、たとえば飽和値に上昇するまで稼働され、液体成分97の溶存酸素濃度が所定値になった後は停止される。なお、スラリー送液ポンプ35は、一旦停止した後でも、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度に応じて、適宜、稼働、停止を行ってもよい。たとえば、液体成分97の溶存酸素濃度が低下した場合は、再びスラリー送液ポンプ35を稼働させてもよい。
また、循環ライン用空気注入バルブ73は、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が所定値、たとえば飽和値に上昇するまで開放され、液体成分97の溶存酸素濃度が所定値になった後は閉止される。なお、循環ライン用空気注入バルブ73は、一旦閉止した後でも、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度に応じて、適宜、開放や閉止を行ってもよい。たとえば、液体成分97の溶存酸素濃度が低下した場合は、再び循環ライン用空気注入バルブ73を開放してもよい。
なお、運転状態提示テーブル79Aに、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」のようにスラリー送液ポンプ35の稼働についてのみ記載される場合は、図4に本発明の第2の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Aを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程は、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程と同じ作用になる。
このように洗濯廃液処理装置10Aでは、スラリー送液ポンプ35の運転状態、および循環ライン用空気注入ライン70の循環ライン用空気注入バルブ73の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御されることにより、粉末活性炭吸着槽20内の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
<第2の実施形態の効果>
第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10Aによれば、粉末活性炭吸着槽20内の特に底部に残留した粉末活性炭含有スラリー96が酸素リッチになるため、後段の固液分離処理での処理効率の低下を抑制することができる。
また、第2の実施形態の洗濯廃液処理装置10Aにおいて、制御部90Aがスラリー送液ポンプ35の運転状態および循環ライン用空気注入バルブ73の開度を制御するように設定されたときは、粉末活性炭含有スラリーに空気77が積極的に注入されるため、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いる場合に比較して、粉末活性炭含有スラリー96を短時間で酸素リッチにすることができ、スラリー送液ポンプ35の稼働時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の洗濯廃液処理装置の第3の実施形態を説明する図である。洗濯システム1Bは、洗濯機5と、本発明の第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Bとからなる。
ここで、図5に示される洗濯廃液処理装置10Bは、図2に第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10に比較して、バブリングライン80をさらに備えるとともに、制御部90に代えて、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリングライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御部90Bを用いる点で異なり、他の構成は同じである。このため、図5に示した洗濯廃液処理装置10Bと、図2に示した洗濯廃液処理装置10とで、同じ構成に同じ符号を付し、構成および作用の説明を省略または簡略化する。
<バブリングライン>
バブリングライン80は、粉末活性炭吸着槽20内の底部から粉末活性炭含有スラリー96中にバブル状の空気を放出する装置である。
バブリングライン80は、空気87を粉末活性炭吸着槽20外から粉末活性炭吸着槽20内の底部に供給するバブリング用空気供給配管81と、このバブリング用空気供給配管81に空気87を供給するブロワー82と、バブリング用空気供給配管81中を流通する空気の流通量を制御するバブリング用空気供給バルブ83と、粉末活性炭吸着槽20内の底部に配置され、バブリング用空気供給配管81から供給された空気87を、粉末活性炭含有スラリー96中にバブル状に放出する底部バブリングユニット84と、を有する。
図6は、図5に示される粉末活性炭吸着槽20をA−A線に沿って見た断面図である。なお、図6では、バブリング用空気供給配管81の断面等の装置の記載を省略した。
図5および図6に示されるように、洗濯廃液処理装置10Bを構成する粉末活性炭吸着槽20の内部の底部近傍には、環の中心方向に向けて空気87を放出する複数個のノズル86を有する環状配管85が配置される。ノズル86は、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96中にバブル状の空気87を放出することができるようになっている。なお、ノズル86は、粉末活性炭含有スラリー96中にバブル状の空気87を放出することができるものである限り、粉末活性炭95を含まない洗濯廃液94中にバブル状の空気87を放出することができるものであってもよい。
また、粉末活性炭吸着槽20内の底部の中心部には、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96や洗濯廃液94を粉末活性炭吸着槽20外に排出する排出口78が設けられる。排出口78を介して、粉末活性炭吸着槽20の底部から排出された粉末活性炭含有スラリー96や洗濯廃液94は、途中でスラリー送液ライン30とサンプリングライン50とに分岐されるようになっている。
なお、図5では、便宜上、スラリー送液ライン30とサンプリングライン50とが2個の排出口から排出されるように記載されているが、実際の排出口は、図6に示されるように排出口78の1個である。ただし、本発明では、図5に示されるようにスラリー送液ライン30の排出口とサンプリングライン50の排出口との2個の排出口を設けてもよい。
<制御部>
制御部90Bは、運転状態提示テーブル79Bを有し、サンプリングライン50を流通する液体成分97の嫌気性状態データ68に基づいて洗濯廃液処理装置10Bの運転状態を制御する装置である。
具体的には、制御部90Bは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68に基づいて、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリンライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリンライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する。
ここで、ブロワー82の運転状態とは、ブロワー82の稼働(ON)および停止(OFF)を意味する。また、ブロワー82の運転状態としては、稼働(ON)および停止(OFF)に加えてまたは代えて、吐出量や吐出圧等で規定してもよい。
また、バブリング用空気供給バルブ83の開度とは、バブリング用空気供給バルブ83の開放および閉止を意味する。また、バブリング用空気供給バルブ83の開度としては、開放および閉止に加えて、開放と閉止の中間のバルブの開放度合で規定してもよい。
なお、第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Bでは、制御部90Bが、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリンライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリンライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度の全ての運転状態を制御することが好ましい。
制御部90Bとスラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35、制御部90Bとバブリンライン80のブロワー82、および制御部90Bとバブリンライン80のバブリング用空気供給バルブ83とは、第2データ伝送路89で電気的に接続される。
制御部90Bは、嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90Bに格納された運転状態提示テーブル79Bとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態、ブロワー82の運転状態、およびバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御信号69を作成する。
この制御信号69は、第2データ伝送路89を介して、スラリー送液ポンプ35、ブロワー82、およびバブリング用空気供給バルブ83から選ばれる1種以上の装置に伝送される。そして、制御信号に記載された内容でスラリー送液ポンプ35、ブロワー82、およびバブリング用空気供給バルブ83から選ばれる1種以上の装置の運転状態が制御される。
制御部90Bに含まれる運転状態提示テーブル79Bについて、詳細に説明する。
運転状態提示テーブル79Bは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定される嫌気性状態データと、スラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリンライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態と、の対応関係が記載されたテーブルである。運転状態提示テーブル79Bは、嫌気性状態監視部56で測定された嫌気性状態データ68に対して好適な洗濯廃液処理装置10Bの運転状態を提示する。
制御部90Bは、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、運転状態提示テーブル79Bとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の好適な運転状態、バブリンライン80のブロワー82の好適な運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の好適な開度から選ばれる1種以上の好適な運転状態を決定し、この好適な運転状態を指示する制御信号69を作成する。
この制御信号69はスラリー送液ポンプ35、ブロワー82、およびバブリング用空気供給バルブ83から選ばれる1種以上の装置に伝送され、この制御信号69によりスラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリングライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御される。
運転状態提示テーブル79Bの記載事項の一例を説明する。上述のように、水の溶存酸素濃度が3ppm以下になると、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96に嫌気性雰囲気が形成されやすくなる。
そこで、運転状態提示テーブル79Bには、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」、「ブロワー82を稼働させる」、および「バブリング用空気供給バルブ83を開放する」から選ばれる1種以上の内容が記載される。
運転状態提示テーブル79Bにこのような内容が記載される場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90Bは、「スラリー送液ポンプ35を稼働させる」、「ブロワー82を稼働させる」、および「バブリング用空気供給バルブ83を開放する」から選ばれる1種以上の内容の制御信号69を形成し、この制御信号69を第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35、ブロワー82、およびバブリング用空気供給バルブ83から選ばれる1種以上の装置に伝送する。
スラリー送液ポンプ35、ブロワー82、およびバブリング用空気供給バルブ83から選ばれる1種以上の装置は、制御信号69の指示に従って動作する。
<作用>
次に、第3の実施形態の洗濯廃液処理装置の作用を説明する。
図5に本発明の第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Bの作用は、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10の作用に新たな作用を加えたものである。具体的には、洗濯廃液処理装置10Bの作用は、洗濯廃液処理装置10の作用において、洗濯廃液供給工程、粉末活性炭吸着工程、固液分離工程、およびサンプリング工程の作用に加え、新たな作用を奏するものである。
以下、新たな作用のみについて説明する。
第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bを用いた洗濯廃液処理方法では、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法のうち、洗濯廃液供給工程、粉末活性炭吸着工程、固液分離工程、およびサンプリング工程と同じ工程が行われた後、洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法と異なる制御工程がさらに行われる。
(制御工程)
第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程は、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程に比較して、スラリー送液ライン30のスラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリングライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する点で異なり、他の作用は同じである。このため、以下、第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程と、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程との相違点のみについて説明する。
洗濯廃液処理装置10Bを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程では、制御部90Bが、サンプリングライン50の嫌気性状態監視部56で測定され、第1データ伝送路88を介して伝送された嫌気性状態データ68と、制御部90Bに格納された運転状態提示テーブル79Bとに基づいて、スラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリングライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御する制御信号を作成する。
そして、この制御信号が第2データ伝送路89を介して伝送されることにより、スラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリングライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリングライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御される。
たとえば、運転状態提示テーブル79Bに、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるようにスラリー送液ポンプ35を稼働させるとともに、ブロワー82を稼働し、バブリング用空気供給バルブ83を開放する」と記載される場合について考える。
この場合において、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下であるとき、制御部90Bでは、「スラリー送液ポンプ35を稼働させるとともに、ブロワー82を稼働し、バブリング用空気供給バルブ83を開放する」という内容の制御信号69が作成される。そして、この制御信号69が第2データ伝送路89を介してスラリー送液ポンプ35、ブロワー82およびバブリング用空気供給バルブ83に伝送されることにより、スラリー送液ポンプ35が稼働し、ブロワー82が稼働し、バブリング用空気供給バルブ83が開放される。
ブロワー82の稼働、およびバブリング用空気供給バルブ83の開放により、バブリンライン80中の空気87は、底部バブリングユニット84のノズル86から、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96中にバブル状の空気87として放出される。また、スラリー送液ポンプ35の稼働により粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で粉末活性炭含有スラリー96の循環流が形成されているため、バブル状の空気87は粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96中に効率よく分散される。
これにより、粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96の溶存酸素濃度が上昇し、粉末活性炭吸着槽20の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
スラリー送液ポンプ35およびブロワー82は、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が所定値、たとえば飽和値に上昇するまで稼働され、液体成分97の溶存酸素濃度が所定値になった後は停止される。なお、スラリー送液ポンプ35およびブロワー82は、一旦停止した後でも、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度に応じて、適宜、稼働、停止を行ってもよい。たとえば、液体成分97の溶存酸素濃度が低下した場合は、再びスラリー送液ポンプ35およびブロワー82を稼働させてもよい。
また、バブリング用空気供給バルブ83は、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度が所定値、たとえば飽和値に上昇するまで開放され、液体成分97の溶存酸素濃度が所定値になった後は閉止される。なお、バブリング用空気供給バルブ83は、一旦閉止した後でも、嫌気性状態監視部56で測定された液体成分97の溶存酸素濃度に応じて、適宜、開放や閉止を行ってもよい。
なお、運転状態提示テーブル79Bに、「サンプリングライン50中の液体成分97の溶存酸素濃度が3ppm以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」のようにスラリー送液ポンプ35の稼働についてのみ記載される場合は、図5に本発明の第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10Bを用いた洗濯廃液処理方法の制御工程は、図2に本発明の第1の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10を用いた洗濯廃液処理方法の制御工程と同じ作用になる。
このように洗濯廃液処理装置10Bでは、スラリー送液ポンプ35の運転状態、バブリンライン80のブロワー82の運転状態、およびバブリンライン80のバブリング用空気供給バルブ83の開度から選ばれる1種以上の運転状態が制御されることにより、粉末活性炭吸着槽20内の底部の粉末活性炭含有スラリー96が嫌気性環境になることを防止することができる。
<第3の実施形態の効果>
第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bによれば、粉末活性炭吸着槽20内の特に底部に残留した粉末活性炭含有スラリー96が酸素リッチになるため、後段の固液分離処理での処理効率の低下を抑制することができる。
また、第3の実施形態の洗濯廃液処理装置10Bにおいて、制御部90Bがスラリー送液ポンプ35の運転状態、ブロワー82の運転状態、およびバブリング用空気供給バルブ83の開度を制御するように設定されたときは、粉末活性炭含有スラリーに空気77が積極的に注入されるため、第1の実施形態の洗濯廃液処理装置10を用いる場合に比較して、粉末活性炭含有スラリー96を短時間で酸素リッチにすることができ、スラリー送液ポンプ35の稼働時間を短縮することができる。
なお、上記の本発明の第1〜第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10、10Aおよび10Bにおいては、嫌気性状態監視部56が洗浄機能付溶存酸素計であり、嫌気性状態データ68が溶存酸素濃度である態様について説明した。
しかし、洗濯廃液のpH、組成等の条件が分かれば、溶存酸素濃度と酸化還元電位との間に相関関係が成立する。
このため、上記の本発明の第1〜第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10、10Aおよび10Bにおいて、嫌気性状態監視部56が洗浄機能付酸化還元電位計であり、嫌気性状態データ68として溶存酸素濃度に代えて酸化還元電位を用いる場合も、上記の本発明の第1〜第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10、10Aおよび10Bの作用と同様の作用が得られる。
たとえば、水の酸化還元電位が−200mV以下になると粉末活性炭吸着槽20内の粉末活性炭含有スラリー96に嫌気性雰囲気が形成されやすくなる。このため、洗濯廃液処理装置10の嫌気性状態監視部56が洗浄機能付酸化還元電位計である場合は、制御部90に含まれる運転状態提示テーブル79に、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の酸化還元電位が−200mV以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」と記載すればよい。
また、洗濯廃液処理装置10Aの嫌気性状態監視部56が洗浄機能付酸化還元電位計である場合は、制御部90Aに含まれる運転状態提示テーブル79Aを、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の酸化還元電位が−200mV以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」および「循環ライン用空気注入バルブ73を開放する」から選ばれる1種以上の内容が記載されるようにすればよい。
さらに、洗濯廃液処理装置10Bの嫌気性状態監視部56が洗浄機能付酸化還元電位計である場合は、制御部90Bに含まれる運転状態提示テーブル79Bを、たとえば、「サンプリングライン50中の液体成分97の酸化還元電位が−200mV以下のとき」に対応する運転状態として、「粉末活性炭含有スラリー96を粉末活性炭吸着槽20とスラリー循環ライン60との間で循環させるように、スラリー送液ポンプ35を稼働させる」、「ブロワー82を稼働させる」、および「バブリング用空気供給バルブ83を開放する」から選ばれる1種以上の内容が記載されるようにすればよい。
また、上記の本発明の第1〜第3の実施形態として示した洗濯廃液処理装置10、10Aおよび10Bにおいては、嫌気性状態監視部56が洗浄機能付溶存酸素計と洗浄機能付酸化還元電位計との両方を備えるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、1A、1B、100 洗濯システム
5 洗濯機
10、10A、10B、110 洗濯廃液処理装置
20 粉末活性炭吸着槽
25 粉末活性炭供給部
30 スラリー送液ライン
31 スラリー送液配管
32 スラリー分岐点
33 空気注入点
35 スラリー送液ポンプ
40 固液分離部
50 サンプリングライン
51 サンプリング配管
55 サンプリング送液ポンプ
56 嫌気性状態監視部(洗浄機能付溶存酸素計、洗浄機能付酸化還元電位計)
57 逆洗機能付フィルタ
60 スラリー循環ライン
61 スラリー循環配管
62 ノズル
68 嫌気性状態データ
69 制御信号
70 循環ライン用空気注入ライン
71 循環ライン用空気注入配管
72 空気フィルタ
73 循環ライン用空気注入バルブ
77 空気
78 排出口
79 運転状態提示テーブル
80 バブリングライン
81 バブリング用空気供給配管
82 ブロワー
83 バブリング用空気供給バルブ
84 底部バブリングユニット
85 環状配管
86 ノズル
87 空気
88 第1データ伝送路
89 第2データ伝送路
90、90A、90B 制御部
91 洗濯物
92 水
93 洗剤
94 洗濯廃液
95 粉末活性炭
96 粉末活性炭含有スラリー
97 液体成分
98 処理液
99 廃棄物
103 処理液ライン
105 処理液サンプルタンク
106 処理液送液配管
107 処理液ポンプ
108 処理液分岐点
109 処理液循環配管

Claims (15)

  1. 原子力設備で使用された洗濯物の洗濯により得られた洗濯廃液を、粉末活性炭を用いて吸着処理する粉末活性炭吸着槽と、
    前記粉末活性炭吸着槽から採取された粉末活性炭含有スラリー中の液体成分溶存酸素濃度および酸化還元電位である嫌気性状態データを測定する嫌気性状態監視部を有し、前記液体成分を前記粉末活性炭吸着槽内に戻すサンプリングラインと、
    を備えることを特徴とする洗濯廃液処理装置。
  2. 前記嫌気性状態監視部は、洗浄機能付溶存酸素計および洗浄機能付酸化還元電位計であることを特徴とする請求項1記載の洗濯廃液処理装置。
  3. 前記サンプリングラインは、このサンプリングライン中を流通する前記粉末活性炭含有スラリーから粉末活性炭を除去して前記液体成分を分離する逆洗機能付フィルタを有することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯廃液処理装置。
  4. 前記粉末活性炭吸着槽から排出された粉末活性炭含有スラリーを固液分離する固液分離部と、
    前記粉末活性炭吸着槽から排出された粉末活性炭含有スラリーを前記固液分離部に送液するスラリー送液ラインとを備え、
    このスラリー送液ラインは、前記粉末活性炭含有スラリーを送液するスラリー送液配管と、このスラリー送液配管の途中に設けられたスラリー送液ポンプとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯廃液処理装置。
  5. 前記スラリー送液ラインのスラリー送液配管に設けられたスラリー分岐点で前記スラリー送液配管から分岐し、前記スラリー送液配管中を流通する粉末活性炭含有スラリーの少なくとも一部を前記粉末活性炭吸着槽に戻すスラリー循環ラインをさらに備えることを特徴とする請求項に記載の洗濯廃液処理装置。
  6. 前記スラリー分岐点は、前記スラリー送液配管のうちスラリー送液ポンプよりも下流側に設けられたことを特徴とする請求項5記載の洗濯廃液処理装置。
  7. 前記スラリー送液ラインのスラリー送液配管のうち、前記スラリー分岐点よりも上流側に設けられた空気注入点に空気を注入する循環ライン用空気注入ラインをさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の洗濯廃液処理装置。
  8. 前記空気注入点は、前記スラリー送液配管のうち前記スラリー送液ポンプよりも上流側に設けられることを特徴とする請求項7記載の洗濯廃液処理装置。
  9. 前記循環ライン用空気注入ラインは、空気が流通する循環ライン用空気注入配管と、この循環ライン用空気注入配管中の空気の流通量を制御する循環ライン用空気注入バルブとを有することを特徴とする請求項7または8に記載の洗濯廃液処理装置。
  10. 前記循環ライン用空気注入ラインは、前記循環ライン用空気注入配管に導入する空気中の不純物を取り除く空気フィルタを有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の洗濯廃液処理装置。
  11. 前記粉末活性炭吸着槽内の底部から前記粉末活性炭含有スラリー中にバブル状の空気を放出するバブリングラインをさらに備えることを特徴とする請求項〜10のいずれか1項に記載の洗濯廃液処理装置。
  12. 前記バブリングラインは、
    空気を前記粉末活性炭吸着槽内の底部に供給するバブリング用空気供給配管と、
    このバブリング用空気供給配管に空気を供給するブロワーと、
    前記バブリング用空気供給配管中を流通する空気の流通量を制御するバブリング用空気供給バルブと、
    前記粉末活性炭吸着槽内の底部に配置され、前記バブリング用空気供給配管から供給された空気を、前記粉末活性炭含有スラリー中にバブル状に放出する底部バブリングユニットと、
    を有することを特徴とする請求項11記載の洗濯廃液処理装置。
  13. 前記サンプリングラインを流通する前記液体成分の嫌気性状態データに基づいて洗濯廃液処理装置の運転状態を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記スラリー送液ラインのスラリー送液ポンプの運転状態、前記循環ライン用空気注入ラインの循環ライン用空気注入バルブの開度、前記バブリングラインのブロワーの運転状態、および前記バブリンラインのバブリング用空気供給バルブの開度から選ばれる1種以上の運転状態を制御することを特徴とする請求項12記載の洗濯廃液処理装置。
  14. 前記制御部と前記嫌気性状態監視部とが、前記嫌気性状態データを伝送する第1データ伝送路で電気的に接続されるとともに、前記制御部と、前記スラリー送液ポンプ、前記循環ライン用空気注入バルブ、前記ブロワー、および前記バブリング用空気供給バルブから選ばれる1種以上の装置とが第2データ伝送路で電気的に接続され、
    前記制御部は、前記第1データ伝送路を介して伝送された嫌気性状態データに基づいて、前記運転状態を制御する制御信号を作成し、
    この制御信号は、前記第2データ伝送路を介して、前記スラリー送液ポンプ、前記循環ライン用空気注入バルブ、前記ブロワー、および前記バブリング用空気供給バルブから選ばれる1種以上の装置に伝送されることを特徴とする請求項13記載の洗濯廃液処理装置。
  15. 原子力設備で使用された洗濯物の洗濯により得られた洗濯廃液を、粉末活性炭吸着槽中で粉末活性炭を用いて吸着処理する粉末活性炭吸着工程と、
    前記粉末活性炭吸着槽から採取された粉末活性炭含有スラリー中の液体成分溶存酸素濃度および酸化還元電位である嫌気性状態データを測定し、前記液体成分を前記粉末活性炭吸着槽内に戻すサンプリング工程とを備えることを特徴とする洗濯廃液処理方法。
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