JP4169614B2 - 排水処理方法 - Google Patents

排水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4169614B2
JP4169614B2 JP2003070483A JP2003070483A JP4169614B2 JP 4169614 B2 JP4169614 B2 JP 4169614B2 JP 2003070483 A JP2003070483 A JP 2003070483A JP 2003070483 A JP2003070483 A JP 2003070483A JP 4169614 B2 JP4169614 B2 JP 4169614B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
activated carbon
wastewater
oil
waste water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003070483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004275884A (ja
Inventor
西口  英夫
雅文 伊藤
益二郎 有田
一進 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2003070483A priority Critical patent/JP4169614B2/ja
Publication of JP2004275884A publication Critical patent/JP2004275884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4169614B2 publication Critical patent/JP4169614B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凝集剤を使用して各種排水を処理する排水処理方法に関するもので、特に、重原油、スラッジ類等の油分、COD成分、窒素成分を含有する排水を処理する排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電所や工場等の排水、下水、ゴミ埋立地浸出水などの排水には、種々の油や有機汚染物質等が含有されているため、これらの油やCOD成分、窒素成分の除去が行われている。従来より油分を含有する排水の処理方法としては、API油分離槽及びCPI油分離槽等の浮上油分離装置を用いた浮上油分離処理、砂濾過槽による油吸着と活性炭槽によるCOD成分吸着とを組合わせた吸着処理、加圧浮上分離処理などがある。
【0003】
図2は従来の浮上油分離処理装置を示す概略図である。浮上油分離処理では、油分離槽21にて原水11に含まれる浮上油31を回収した後、COD処理装置22にて、残りの原水に過酸化水素処理、紫外線処理、活性炭処理又はオゾン処理などを施し、検水槽23に貯槽した排水のCODを測定して所定の排出基準値以下であることを確認した後、処理水18として排出する。
【0004】
また、図3は砂濾過槽と活性炭槽とを組合わせた吸着処理装置を示す概略図である。この吸着処理では、砂濾過槽24中の砂32で原水中の油分を吸着処理した後、残りの水に含まれるCOD成分を、活性炭槽25にて粒状活性炭33を用いて吸着処理し、同様に検水槽23を経て処理水18として排出する。
【0005】
従って、これらの処理方法では、処理容量確保のための分離槽の大型化や、別置型のCOD処理装置を設置する必要があり、しかも、処理用活性炭が産業廃棄物となる問題点がある。
【0006】
一方、図4に示す加圧浮上分離処理では、まず中和反応槽26でpH調整剤34及び無機系粉末凝集剤35を添加して排水処理したのち、緩速攪拌槽27にて高分子凝集剤36を添加して凝集処理し、後流に設置された浮上槽28に、気液分離槽29に送り込んだ圧縮空気37により加圧された加圧水38を供給し、フロックを強制的に浮上させてこれをスカムスキーマ30で除去した後、処理水18として排出する。そのため、装置が重厚化するとともに、回収フロックが産業廃棄物となる問題点がある。
【0007】
そこで、副次的な廃棄物の発生を無くすため、粉末活性炭を用いて発生した廃活性炭を焼却処理する提案がなされている。例えば、特開平9−75910号公報には、排水を活性汚泥処理して得られる活性汚泥処理水に粉末活性炭を添加して、精密濾過膜又は限外濾過膜を用いた浸漬式膜分離装置、更に必要に応じて逆浸透膜分離装置に通水し、透過水を再生水として回収する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、活性炭処理した排水を、更に膜分離装置に透水させるため、装置の複雑化や処理コスト高に繋がり、またスラッジ等の油分を含む排水処理に用いた場合は、膜面に油が付着するため、装置寿命が極端に短くなり実用上使用できない問題点がある。
【0008】
また、特開平9−248572号公報には、膜濾過処理と活性炭処理とを組合わせることによって、懸濁物質を除去する膜濾過方法が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、活性炭による吸着効率を向上させるため、膜モジュールの膜面に付着した活性炭を洗浄水で除去し、原水槽に返送して再循環させる方法を採用しているため、装置が複雑となる。
【0009】
また、特開2001−276892号公報には、凝集剤を添加した原水を多孔板に通水して固液分離し、その下流側に膜分離部を連設するとともに、膜分離部に導入する原水に粉末活性炭を添加する手段を設けた排水処理装置が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、膜分離部を設けているため、上述したように油分を含む排水の処理には適していない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−75910号公報(請求項1、段落番号0031、0040、0048等)
【特許文献2】
特開平9−248572号公報(請求項1、段落番号0004等)
【特許文献3】
特開2001−276892号公報(請求項1等)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、産業廃棄物を発生することなく、重油やスラッジ等の油分を含む排水から油分を除去し、同時に排水のCOD成分及び窒素成分を低減することができると共に、簡単な装置構成で、小型から大型まで種々の排水処理に適用することができる、分離効率に優れた排水処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、排水中の懸濁質を活性炭で吸着処理した後に活性二酸化ケイ素及びアルミナを主成分とする無機粉粒体からなる無機系粉末凝集剤を添加すると、良好な凝集促進効果を顕示し、油分やCOD成分、窒素成分等を吸着した活性炭がフロックを形成して大きな沈降性を示すとともに、フロックの脱水性も極めて良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の排水処理方法は、油分、COD成分及び窒素成分を含有する排水中の懸濁質を凝集沈澱させた後、上澄水を系外に排出する排水処理方法であって、凝集沈澱槽内において前記排水に粉末活性炭を0.1%〜10%(対排水)添加して処理した後、活性二酸化ケイ素及びアルミナを主成分とする無機粉粒体からなる無機系粉末凝集剤を50ppm〜10,000ppm(対排水)添加し、油分、COD成分及び窒素成分を一括同時に処理することを特徴とする。本構成によれば、スラッジ等の油分とCOD成分と窒素成分とを含有する排水であっても、これらを同時に処理することができ、しかも、油分の吸着処理と活性炭の凝集処理を同一反応槽にて行うことができる。また、活性炭の凝集性、凝集した活性炭の沈降性が非常に良好であるため、上澄水を回収するだけでこれを処理水として排出することができる。更に、簡便操作で排水処理できるため装置全体を小型化することが可能となり、しかも、高価な膜処理等を施す必要がなく単一操作で処理できるため、低コストで排水処理を行うことができる。
【0014】
本発明の排水処理方法においては、前記凝集沈殿スラリーを脱水し、脱水後の分離水を原水として前記排水に返送することが好ましい。本構成によれば、排水の循環使用と産業廃棄物の低減が図られ、発生した凝集物はセメントキルン炉等の補助燃料等として有効利用できる。
【0015】
また、本発明の排水処理方法においては、前記活性炭が粉末活性炭であることが好ましい。粉末活性炭を用いることにより、比表面積が増大することで吸着効率が良好となり、かつ低添加量で排水処理できる。活性炭の粒径は200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下である。
【0016】
また、本発明の排水処理方法においては、凝集剤が活性二酸化ケイ素及びアルミナを主成分とする無機粉粒体からなる無機系粉末凝集剤であり、該無機系粉末凝集剤を用いることにより、原水のpH調整が不要となることで処理効率が向上する。
【0017】
また、本発明の排水処理方法においては、粉末活性炭の添加量が0.1%〜10%であり、無機系粉末凝集剤の添加量が50ppm〜10,000ppmである。本発明の排水処理方法は、種々の排水処理に適用できるが、特に油分、COD成分及び窒素成分を含有する排水の処理に好適である。
【0018】
次に、本発明の排水処理方法を実施する排水処理装置は、排水を上澄水と凝集沈殿スラリーとに分離する凝集沈澱槽と、前記排水に粉末活性炭を添加する活性炭添加手段と、前記排水に無機系粉末凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、前記凝集沈澱槽内の排水を攪拌する攪拌手段と、を備えている。この排水処理装置によれば、上記排水処理方法を有効に実施することができる。
【0019】
また、本発明の排水処理方法を実施する排水処理システムは、前記の排水処理装置、即ち、油分、COD成分及び窒素成分を含有する排水を上澄水と凝集沈殿スラリーとに分離する凝集沈澱槽と、前記排水に粉末活性炭を添加する活性炭添加手段と、前記排水に無機系粉末凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、前記凝集沈澱槽内の排水を攪拌する攪拌手段と、前記凝集沈澱スラリーを脱水する脱水装置と、前記上澄水を導入する検水槽を備えた排水処理システムであり、さらに、当該脱水装置の分離水を原水として凝集沈澱槽に返送する返送手段を備えていてもよい。この排水処理システムによれば、上記排水処理方法を有効に実施することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明で用いる排水処理装置、処理システムの好ましい実施形態を示すフローシートである。本発明は、油分、COD成分及び窒素成分を含む排水処理に適用する。本発明を適用できる排水中の油分やCOD成分、窒素成分等の濃度は特に限定されず、油分を含まない下水や工場排水、地下浸出水などにも適用することができるが、特に、油分、COD成分及び窒素成分を含有する排水の処理に好適である。
【0021】
図1に示す排水処理装置は、重油タンク洗浄排水などの原水(排水)から、油分、COD成分及び窒素成分等を除去する装置の一例である。油分としては、例えば、原油、重油、重油貯蔵タンクに堆積したスラッジ等の原油由来成分や、動植物油類、絶縁油、潤滑油、離型油、切削油、有機塩素系化合物等を含む油が挙げられる。この排水には、重油貯蔵タンク、トランス、コンデンサ等から油分を除去するために用いた洗浄溶剤(ドデカン等の炭化水素類、アルコール類)、界面活性剤、トリハロメタン等が含まれていてもよい。
【0022】
図1に示すように、排水処理装置は、流入される排水11を上澄水17と凝集沈殿スラリー14とに分離する凝集沈澱槽1と、前記排水に粉末活性炭を添加する活性炭添加手段12と、前記排水に無機系粉末凝集剤を添加する凝集剤添加手段13と、前記凝集沈澱槽内の排水を攪拌する攪拌手段2を備えている。
【0023】
本発明においては、無機系凝集剤として、特に排水のpH調整等が不要である点より、無機系粉末凝集剤を用いる。
【0024】
凝集沈澱槽1には先ず活性炭が添加され、原水中の油分、COD成分及び窒素成分を活性炭に吸着させる。ここで必要があれば原水の水質を凝集に適したpHに調整するが、本発明の無機系粉末凝集剤を用いる方法によれば、原水のpH調整等は基本的に不要である。活性炭としては、比表面積が大きく、分散性に優れ、排水中の懸濁質の吸着能力が高いことから、粉末活性炭を用いる。粉末活性炭の粒径は200μm以下のものが好ましい。粉末活性炭の平均粒径は、通常は1〜150μmであり、より好ましくは1μm〜100μmである。1μm未満では、飛散等し易く取扱いが困難となると共に微粒子化のコストが高くなる傾向があり、150μmを超えると、比表面積が小さくなり、一定の吸着能力を維持するために多量の粉末活性炭を要する傾向があるからである。粉末活性炭の平均粒径は、更に好ましくは5〜80μmである。
【0025】
活性炭の添加量は、活性炭の種類、処理対象排水によっても異なるが、原水に対して0.1%〜10%添加するのがよく、さらに好ましくは原水に対して0.5%〜5%添加するのがよい。0.1%未満では活性炭の吸着能力が全体として不足する傾向があり、10%を超えると活性炭が無駄になる傾向があるからである。活性炭は、適宜ミキサー等の攪拌装置を用いて排水中に分散させることが好ましく、攪拌条件としては、凝集フロックの崩壊を防止する点より、急速攪拌よりも低速攪拌を行うことが好ましい。分散所要時間は特に限定されないが、通常5分間以上攪拌する。
【0026】
上記の活性炭が原水中に均一分散された後、凝集処理槽1に無機系粉末凝集剤を添加する。このとき、活性炭に吸着された油分、COD成分及び窒素成分が凝集沈殿処理されて凝集沈殿汚泥となり、原水中の油分、COD成分及び窒素成分は、凝集沈殿汚泥に含まれて十分に除去される。
【0027】
ここで、無機系粉末凝集剤としては、フライアッシュ、人工ゼオライト等を粉砕したものを主成分とする混合物を用いることができるが、とりわけ、活性二酸化ケイ素及びアルミナを主成分とし、かつゼータ電位の最大値でその絶対値が少なくとも15mVを示す無機粉粒体から構成されるものが、凝集性及び凝集物の後利用の観点から好適である。
【0028】
無機系粉末凝集剤の粒径は、特に限定されないが、平均粒径50μm〜350μmが好ましく、さらに好ましくは75μm〜150μmであるのがよい。50μm未満では、粉砕に要する微粒子化のコストが高くなる傾向があり、350μmを超えると、一定の凝集能力を維持するために多量の無機系粉末凝集剤を要する傾向があるからである。更に、凝集物の沈降速度を速めて処理時間を短縮できる観点より、前記無機系粉末凝集剤の主成分はある程度比重の大きいものがよく、平均比重1.5以上のものが好ましい。
【0029】
無機系粉末凝集剤の添加量は、無機系粉末凝集剤の種類、処理対象排水の種類によっても異なるが、原水に対して50ppm〜10,000ppm添加するのがよく、さらに好ましくは原水に対して100ppm〜5,000ppm添加するのがよい。添加した無機系粉末凝集剤などは、適宜ミキサー等の攪拌装置を用いて排水中に分散させることが好ましいが、凝集物が形成された後は凝集フロックを沈澱させるため、攪拌を止めて静置するのがよい。凝集沈澱槽1には、油分、COD成分及び窒素成分を吸着した活性炭フロック、並びに無機系粉末凝集剤が沈澱し、上層には原水中の油分やCOD成分、窒素成分が十分に除去された透明な上澄水17が形成される。従って、従来別個の装置で行っていた油分除去とCOD除去あるいは窒素成分除去を、同一処理装置で同時に行うことができる。
【0030】
凝集沈澱槽1は、処理対象排水の量によって、それに見合った大きさのものを選定すればよい。このため、設備の小型化を図ることができる。
【0031】
凝集沈澱槽1内の上澄水17は、送液ポンプ5によって槽外に排出され、上澄水17を貯留する検水槽7に導かれる。検水槽7において、処理水18が所定の排出基準値以下のCODであるか否かが検査される。また、検水槽に貯槽された処理水の油分、窒素成分量が検査される。凝集沈澱槽1から排出された上澄水17にゴミや活性炭、凝集剤の微粉等が残っている場合は、フィルター6による濾過処理が施される。但し、フィルター6は必ずしも設ける必要はない。本発明の方法によれば、検水槽に導入された上澄水17は、排水処理基準COD値を十分下回るものとなるので、上澄水に更に高分子凝集剤による凝集処理や膜による透水処理を施す必要がなく
、処理水18として系外に排出される。このため、排水処理コストの低減を図ることができる。
【0032】
上澄水排出後の凝集沈澱槽1には、油分及び/又はCOD成分及び/又は窒素成分を含む凝集沈殿物のスラリー14が残渣として残る。このスラリー残渣14を、凝集沈澱槽1の槽外へ排出した後、脱水装置3で脱水処理が行われる。脱水装置としては、従来公知の脱水装置を適宜使用することができ、例えば、織布又は不織布を用いたフィルター、遠心分離機、ロータリープレスフィルター、バグフィルター、フィルタープレス、ベルトプレス等が挙げられる。凝集物は脱水性が極めて良いため、容易に凝集物を回収することが可能である。脱水装置も簡単な構成のものでよいため、濾過システムや脱水システムの簡素化を図ることができる。スラリーから分離された分離水15(例えば濾液)は、循環送液ポンプ4によって凝集沈澱槽1に返送される。このため、排水が系外に排出されることがない。
【0033】
一方、脱水装置3で固液分離された凝集物16は、脱水性が良く、また粘着性が少ないため、ハンドリング性に優れている。従って、セメントキルン炉等の補助燃料として有効利用することができる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。また、以下の実施例等において、特に言及する場合を除き、「質量%」は「%」と略記する。
【0035】
(実施例1)
図1に示すような排水処理装置で、絶縁油を含む排水を処理した。排水としては、油分386ppm、COD839ppmm、窒素118ppmを含むものを用いた。この排水3mを凝集沈澱槽1に導入し、粉末活性炭((株)ノアテック製、商品名:「NAC−01」、平均粒径75μm)を90kg(対排水:3%)を添加した後、攪拌機にて約10分間攪拌して粉末活性炭を排水中に分散させた。次に、無機系粉末凝集剤((株)ノアテック製、商品名:「スーパーナミットTN315NY−T3」、平均粒径150μm)を9kg(対排水:3,000ppm)を添加攪拌して粉末活性炭を凝集させた後、攪拌を停止して粉末活性炭と無機系粉末凝集剤を沈降させた。そして、上層に透明な上澄水が得られたことを確認した後、凝集沈澱槽1の上澄水17をポンプ5で排出し、フィルター6にてゴミを除去しながら検水槽7に上澄水2.5mを導入した。
【0036】
検水槽に貯槽された水を水質分析した結果、油分が検出限界以下で、CODが13.1ppm、窒素が4.69ppmであった。排水処理後の処理水のCOD除去率は98.4%であり、排出基準値(20ppm)を十分クリヤーしていた。このため、高分子凝集剤による処理が不要で、そのまま処理水18として系外に排出することができた。
【0037】
実施例1の結果より、粉末活性炭と無機系粉末凝集剤を添加することで原水中から油分とCOD成分を同時に除去できることがわかった。
【0038】
(測定方法)
pH:JIS K0102 12.1 ガラス電極法
油分:JIS K0102 昭46年環告59号付表8 抽出分離重量法
COD:JIS K0102 17 滴定法
全窒素:JIS K0102 45.2 紫外線吸光光度法
【0039】
(比較例1)
図4に示すような排水処理装置を用いて、排水を処理した。排水としては、油分400ppm、COD1,090ppmm、窒素230ppmを含むものを用いた。この廃水3mを中和反応槽26に導入し、無機系凝集剤1400ppmを添加して排水処理したのち、緩速攪拌槽27にて高分子凝集剤1ppmを添加して凝集処理し、形成されたフロックを後流に設置された浮上槽28にて強制的に浮上させてこれをスカムスキーマ30で除去した後、処理水として排出した。
【0040】
この処理水を水質分析した結果、油分が3ppmで、CODが650ppm、窒素が170ppmであった。この処理水は、油分は排出基準値をクリヤーしていたが、COD除去率は40.4%であり、COD成分は約半分に減少しただけであった。
【0041】
(比較例2)
図1に示すような排水処理装置で、実施例1と同様の排水を用いて、排水を処理した。排水3mを凝集沈澱槽1に導入し、実施例1と同様にして粉末活性炭90kg(対排水:3%)を添加し、活性炭を十分排水中に分散させた後、攪拌を停止した。一晩静置したが、粉末活性炭のほとんどは凝集沈澱槽の上部に浮いている状態であった。
【0042】
(実施例2)
図1に示すような排水処理装置で、排水を処理した。排水としては、実施例1と同様のものを用いた。この原水2.9mと脱水装置3からの返送水0.1mを凝集沈澱槽1に導入し、実施例1と同様の粉末活性炭90kg(対排水:3%)を添加した後、攪拌機にて約10分間攪拌して粉末活性炭を排水中に分散させた。次に、実施例1と同様の無機系粉末凝集剤9kg(対排水:3,000ppm)を添加攪拌して粉末活性炭を凝集させた後、攪拌を停止して粉末活性炭と無機系粉末凝集剤を沈降させた。そして、上層に透明な上澄水が得られたことを確認した後、凝集沈澱槽1の上澄水17をポンプ5で排出し、フィルター6にてゴミを除去しながら検水槽7に上澄水2.5mを導入した。
【0043】
検水槽に貯槽された水を水質分析した結果、油分が検出限界以下で、CODが11.6ppm、窒素が4.86ppmであった。排水処理後の処理水のCOD除去率は98.6%であり、排出基準値(20ppm)を十分クリヤーしていた。このため、高分子凝集剤による処理が不要で、そのまま処理水18として系外に排出することができた。
【0044】
実施例2の結果より、粉末活性炭と無機系粉末凝集剤を添加することで原水中から油分とCOD成分と窒素成分を同時に除去できること、及び原水と返送水を混合することにより、排水中のCODが更に減少することがわかった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、絶縁油やスラッジ等の油分、COD成分あるいは窒素成分を含有する排水であっても、これらを同時に処理することができ、しかも、油分の吸着処理と活性炭の凝集処理を同一反応槽にて行うことができるため、設備の小型化、システムの簡素化、薬剤使用量の少量化が可能となる。また、活性炭の凝集性、凝集した活性炭の沈降性及び脱水性が非常に良好であるため、上澄水を回収するだけでこれを処理水として排出することができる。
【0046】
凝集物は沈降性及び脱水性が良好であるため、容易にこれを回収することができるので、濾過システムや脱水システムの簡素化を図ることができる。更に、凝集物は脱水性が良好で、粘着性が少ないため、ハンドリング性に優れており、燃料として有効利用することが可能となる。
【0047】
更に、無機系粉末凝集剤を使用することにより、面倒な原水(排水)のpH調整等が基本的に不要となる。
【0048】
以上より、本発明によれば、従来よりも低コストで排水処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排水処理装置の一実施形態を示した概略図である。
【図2】 従来の排水処理装置を示した概略図である。
【図3】 従来の排水処理装置を示した概略図である。
【図4】 従来の排水処理装置を示した概略図である。
【符号の説明】
1 凝集沈澱槽
2 攪拌装置
3 脱水装置
4 ポンプ
5 ポンプ
6 フィルター
7 検水槽
11 原水(排水)
12 活性炭
13 無機系粉末凝集剤
14 凝集沈殿スラリー
15 分離水(返送水)
16 凝集物
17 上澄水
18 処理水
21 API油分離槽
22 COD処理装置
23 検水槽
24 砂濾過槽
25 活性炭槽
26 中和反応槽
27 緩速攪拌槽
28 浮上槽
29 気液分離槽

Claims (2)

  1. 油分、COD成分及び窒素成分を含有する排水中の懸濁質を凝集沈澱させた後、上澄水を系外に排出する排水処理方法であって、凝集沈澱槽内において前記排水に粉末活性炭を0.1%〜10%(対排水)添加して処理した後、活性二酸化ケイ素及びアルミナを主成分とする無機粉粒体からなる無機系粉末凝集剤を50ppm〜10,000ppm(対排水)添加し、油分、COD成分及び窒素成分を一括同時に処理することを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記凝集沈殿スラリーを脱水し、脱水後の分離水を原水として前記排水に返送する請求項1に記載の排水処理方法。
JP2003070483A 2003-03-14 2003-03-14 排水処理方法 Expired - Fee Related JP4169614B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070483A JP4169614B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 排水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070483A JP4169614B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 排水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004275884A JP2004275884A (ja) 2004-10-07
JP4169614B2 true JP4169614B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=33287232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003070483A Expired - Fee Related JP4169614B2 (ja) 2003-03-14 2003-03-14 排水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4169614B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5098334B2 (ja) 2004-11-05 2012-12-12 株式会社日立プラントテクノロジー 油田随伴水中の有機物の除去方法および除去装置
JP4742338B2 (ja) * 2004-11-09 2011-08-10 日本ソリッド株式会社 混合装置およびその混合装置を用いた汚濁水の処理方法
JP2008023470A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 油水分離装置
JP5854812B2 (ja) * 2011-12-19 2016-02-09 株式会社東芝 洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法
JP6157851B2 (ja) * 2012-12-28 2017-07-05 株式会社東芝 洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法
CN103991999B (zh) * 2014-06-10 2015-07-08 无锡蓝海工程设计有限公司 环氧树脂废水蒸发前预处理方法
JP6232606B1 (ja) * 2017-04-27 2017-11-22 株式会社ノアテック 排水処理方法
JP6935924B2 (ja) * 2018-06-15 2021-09-15 株式会社ノアテック 高濃度の懸濁物質を含む排水、汚泥の処理システム
FR3086283B3 (fr) * 2018-09-21 2020-11-06 Damsia Systeme de traitement des eaux de cales de navires
CN109467219A (zh) * 2018-12-11 2019-03-15 江西众安职业危害评价检测有限公司 水污染处理装置
CN113087240A (zh) * 2021-03-31 2021-07-09 国网山东省电力公司电力科学研究院 一种直流换流站含油废水的处理系统及使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004275884A (ja) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6919031B2 (en) Method of treating water and wastewater with a ballasted flocculation process and a chemical precipitation process
KR100526993B1 (ko) 유류 및 중금속 오염 토양의 세척방법
AU2002220093A1 (en) Method and apparatus for treatment of water and wastewater
US8021556B2 (en) Method of clarifying industrial wastewater for the reduction of organic waste content using cationic dispersion polymers combined with powdered activated carbon and anionic flocculent polymers
JP4169614B2 (ja) 排水処理方法
KR100752346B1 (ko) 오폐수 처리장치
KR20080051863A (ko) 음식물 폐수처리장치와 이를 이용한 폐수처리방법
KR20040002594A (ko) 액체처리방법 및 장치
JP2003093803A (ja) 含油排水処理方法
CN109019985A (zh) 一种含油重金属废水工业的处理方法
AU2012248673B2 (en) Sludge-concentrating method and apparatus
JP2003093807A (ja) 洗車排水の循環使用装置
JP2004267855A (ja) 光触媒を利用する水処理装置
JP5769044B2 (ja) シアン汚染土壌の洗浄方法
KR100313670B1 (ko) 제관공장 폐수의 고도정화처리 방법
JP4401251B2 (ja) 一般ごみ焼却場排水の処理方法
JP3392499B2 (ja) 難濾過性廃液の処理方法およびその処理装置
US4735729A (en) Ash concentration and disposal method
JP2005270936A (ja) 余剰汚泥の処理方法
KR100483694B1 (ko) 분말 활성탄을 이용한 흡착 반응장치 및 방법
JP4302786B2 (ja) 高ss廃液や汚泥の浄化処理法
JP3971988B2 (ja) 汚染土壌浄化方法
CN117509987A (zh) 一种定型机废气喷淋废水处理方法
KR200314730Y1 (ko) 분말 활성탄을 이용한 흡착 반응장치
JPH10202269A (ja) 廃液処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080805

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4169614

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees